JP2006167359A - 有害ガス除去フィルタおよび空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有害ガスを速やかに分解除去することができ、使用寿命の長い有害ガス除去フィルタおよびこの有害ガス除去フィルタを備える空気調和機を提供する。
【解決手段】 多孔質材料36または繊維状材料を含む有害ガス除去フィルタ3であって、多孔質材料36または繊維状材料は有害ガスを吸着し、有害ガス4を吸着した多孔質材料36または繊維状材料に過熱水蒸気7を接触させることにより、多孔質材料36または繊維状材料に吸着された有害ガス4を分解して除去することを特徴とする有害ガス除去フィルタ。かかる有害ガス除去フィルタ3と、過熱水蒸気7を発生させる過熱水蒸気発生手段6とを備える空気調和機。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有害ガスを除去するフィルタおよび有害ガス除去フィルタを備える空気調和機に関する。
室内の機密性が高くなるに従い、壁紙の接着剤や新建材などから発生する揮発性有害化学物質の人体に及ぼす影響がシックハウス症候群や化学物質過敏症として現れ、10〜20人に1人は揮発性有害化学物質による健康障害であると言われている。
この揮発性有害化学物質の代表とされているホルムアルデヒドは、無色の気体で、刺激臭を有し、これを吸うと主に目、鼻および喉に対する刺激が強く、吐き気、呼吸困難がおき、発ガン性も指摘されている。そのため、新築の建造物については、これに対応すべく脱ホルマリン化が進行しつつあるが、脱ホルマリン化の処置なしに既に建てられてしまった建築についてはほとんど対策が施されていないため、ホルムアルデヒドなどの揮発性有害化学物質を低減または除去することができる空調システムが求められている。
このような揮発性有害化学物質などの有害ガスを除去する方法としては、現在、主に活性炭を素材とする有害化学物質除去フィルタを使用する方法が採用されており、かかる有害化学物質除去フィルタとしては、比表面積が、700〜2000m2/gの活性炭繊維が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
しかし、活性炭繊維を使った有害ガス除去フィルタは、ホルムアルデヒドなどの有害ガスの吸着性が低く、吸着に利用できる面積が活性炭全体の表面積の1%以下であるため、活性炭繊維の単位質量あたりに吸着できるホルムアルデヒドは数mg以下である。また活性炭繊維の表面に有害ガスの気体分子が吸着し、表面全体が有害ガスの気体分子に覆われると除去効果がなくなるため、繊維状活性炭の使用寿命は1年以下と短かった。
特開2001−164430号公報
本発明は、上記問題点を解決するため、有害ガスを速やかに分解除去することができ、使用寿命の長い有害ガス除去フィルタおよびこの有害ガス除去フィルタを備える空気調和機を提供することを目的とする。
本発明は、多孔質材料または繊維状材料を含む有害ガス除去フィルタであって、多孔質材料または繊維状材料は有害ガスを吸着し、有害ガスを吸着した多孔質材料または繊維状材料に過熱水蒸気を接触させることにより、多孔質材料または繊維状材料に吸着された有害ガスを分解して除去することを特徴とする有害ガス除去フィルタである。
本発明にかかる有害ガス除去フィルタにおいて、多孔質材料または繊維状材料の表面の少なくとも一部に、金属触媒を固定することができる。また、上記過熱水蒸気を分解促進ガスが混入されている過熱水蒸気とすることができる。また、上記過熱水蒸気に電磁波を照射し、電磁波が照射された過熱水蒸気を、有害ガスを吸着した多孔質材料または繊維状材料に接触させることができる。
本発明は、上記の有害ガス除去フィルタと、過熱水蒸気を発生させる過熱水蒸気発生手段とを備える空気調和機である。
本発明にかかる空気調和機において、分解促進ガス供給手段をさらに備えることができる。また、電磁波照射手段をさらに備えることができる。
本発明において用いられる過熱水蒸気とは、大気圧で100℃より高温の水蒸気をいい、気化した水分子を大気圧の下で100℃より高温に加熱することにより得られる。かかる過熱水蒸気による加熱においては、対流伝熱、放射伝熱に加えて、加熱対象物の表面において水蒸気の凝縮による移動熱量の大きな凝縮伝熱が起こる。そのため、対流伝熱のみの加熱された乾燥空気による加熱に比べ、加熱対象物の温度を極めて短時間に上昇させることができる。すなわち、過熱水蒸気は、(1)乾燥空気より物質を乾燥させる能力がある、(2)乾燥空気より熱を伝える効率が高い、(3)乾燥空気より物質を燃焼させる能力がある、などの特性がある。
本発明においては、過熱水蒸気の上記(2)および(3)の特性を利用して、有害ガスを吸着した多孔質材料または繊維状材料に過熱水蒸気を接触させることにより、多孔質材料または繊維状材料に吸着された有害ガスを分解して除去することができる。
上記のように、本発明によれば、有害ガスを速やかに分解除去することができ、使用寿命の長い有害ガス除去フィルタおよびこの有害ガス除去フィルタを備える空気調和機を提供することができる。
(実施形態1)
本発明にかかる一の空気調和機は、図1を参照して、少なくとも有害ガスを分解して除去する有害ガス除去フィルタ3と、過熱水蒸気7を発生させる過熱水蒸気発生手段6を備える。有害ガス除去フィルタ3には、室内吸気口9、多孔質材料36、送風手段10、三方弁15、室内排気口11および室外排気口12が配設されている。送風手段10により、有害ガス4を含む室内の空気が、室内吸気口9、多孔質材料36、三方弁15、室内排気口11の順に循環される(図1の実線の矢印は空気の流れ方向を示す)。この室内空気の循環において、室内の空気が多孔質材料36を通過する際に、空気中の有害ガス4が多孔質材料36に吸着されて、有害ガス4が除去された空気が室内排気口11から室内に排出される。多孔質材料36には有害ガス4が高効率で吸着されるが、そのままでは有害ガスの吸着が進むにつれて、吸着量が飽和し吸着速度が低下する。そこで多孔質材料36に吸着した有害ガスを分解除去するために、過熱水蒸気7を利用する。
有害ガス除去フィルタ3には、過熱水蒸気7を発生させる過熱水蒸気発生手段6が配設されており、過熱水蒸気発生手段6により発生した過熱水蒸気を、送風手段10により、有害ガス4が吸着されている多孔質材料36に接触させる。このように、過熱水蒸気7を多孔質材料36に吸着している有害ガス4に接触させると、過熱水蒸気7の有する高い伝熱能力により、有害ガス4が加熱分解して除去される。有害ガスの分解ガスは、送風手段10により、三方弁15を介して室外排気口12から室外に排出される(図1の破線の矢印は分解ガスの排出方向を示す)。
なお、図1には、送風手段10としてプロペラ状の送風機が記載されているが、送風手段10はこのようなプロペラ状送風機に限られず圧力式ノズルなどのように空気を圧縮して空気を送りだす手段であってもよい。また、室内吸気口9にはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどの防塵用フィルタ9aが設けられていてもよい。
ここで、多孔質材料36は、有害ガスを吸着する多孔質材料であれば特に制限はないが、比表面積が大きく、過熱水蒸気に対する耐久性が高いものが好ましい。多孔質材料36としては、たとえば、Al23、TiO2、ZrO2、Nb25、SnO2、HfO2、AlPO4などの金属酸化物、SiO2、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−B23、SiO2−Fe23などを主成分とするシリケート類、Pt、Ag、Auなどの金属、Siなどから形成される半導体、活性炭、高分子などから形成される炭素系材料、珪藻土、ホタテ貝殻などの生体由来材料などが好ましく挙げられる。また、空気が多孔質材料を通過する際の圧力損失を低減するために、多孔質材料はハニカム状に形成されていれば好適である。多孔質材料の大きさ(たとえば粒径)および孔径は、材料種によって異なるが、たとえば珪藻土の場合は粒径2〜500μm程度、孔径0.1〜100μm程度が好ましい。
また、多孔質材料36に吸着した有害ガス4の分解を促進するために、多孔質材料36の表面の少なくとも一部に金属触媒を固定することが好ましい。ここで、多孔質材料の表面とは、多孔質材料に形成されている細孔の表面をも含む。多孔質材料の表面に固定される金属触媒は、過熱水蒸気による有害ガスの分解を促進する金属触媒であれば特に制限はないが、Fe、Ni、Co、Cr、Mo、W、Ti、Au、Ag、Cu、Pt、Ta、Al、Pd、Gd、Sm、Nd、Dyなどが好ましく挙げられる。
多孔質材料の表面に金属触媒を固定する方法には、特に制限はないが、多孔質材料と金属触媒の粒子を含む液体とを攪拌する方法、液体中で超音波などを用いて多孔質材料と金属触媒の粒子とを攪拌する方法などが好ましく用いられる。さらに、金属触媒を固定する前に、多孔質材料を紫外線などにより洗浄して表面に付着している有機系不純物を除去することが好ましい。この場合、紫外線洗浄用の光源としては、Xe誘電体バリア放電エキシマランプ装置を用い、ピーク波長146nmの紫外線を放射照度10mW/cm2で1時間程度多孔質材料の表面に照射して、多孔質材料の表面の洗浄を行なうことが好ましい。また、上記方法以外にも多孔質材料の表面に金属触媒を固定する方法として、無電解メッキ法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法を用いることもできる。
また、過熱水蒸気6は、分解促進ガスが混入されている過熱水蒸気であることが好ましい。特に、金属触媒が表面に固定された多孔質材料に吸着された有害ガスを分解する際の過熱水蒸気に分解促進ガスが混入されていることがより好ましい。金属触媒が表面に固定された多孔質材料は、これに吸着した有害ガスを過熱水蒸気および分解促進ガスと接触させることにより、一酸化炭素やベンゼンのような分解反応が進行しにくい有害ガスをも除去することができる。分解促進ガスには、過熱水蒸気と併用することにより有害ガスの分解を促進するものであれば特に制限はなく、エタノール、メタノール、酸素、空気などの酸素原子含有物が好ましく用いられる。
過熱水蒸気発生手段7により発生させる過熱水蒸気6は、大気圧下で100℃より高温の水蒸気であれば特に制限はないが、有害ガスを上記のような環境下で酸化分解して除去する観点から、大気圧下で170℃以上が好ましく、大気圧下で300℃以上であることがより好ましい。一方、多孔質材料36、その他除去フィルタの構成部品の耐久性の観点から、大気圧下で800℃以下であることが好ましい。
(実施形態2)
本発明にかかる他の空気調和機は、図2を参照して、少なくとも有害ガスを分解して除去する有害ガス除去フィルタ3と、過熱水蒸気7を発生させる過熱水蒸気発生手段6を備える。本実施形態の空気調和機は、実施形態1における空気調和機の有害ガス除去フィルタ3の多孔質材料36を繊維状材料37に置き換えたものである。繊維状材料37は、上記多孔質材料36と同様に、有害ガスを吸着し、有害ガスを吸着した繊維状材料37に過熱水蒸気を接触させることにより、繊維状材料に吸着した有害ガスを分解して除去する。
ここで、繊維状材料37は、有害ガスを吸着する繊維状材料であれば特に制限はないが、比表面積が大きく、過熱水蒸気に対する耐久性が高いものが好ましい。繊維状材料37としては、たとえば、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維などが好ましく挙げられる。
また、繊維状材料37に吸着した有害ガス4の分解を促進するために、繊維状材料37の表面の少なくとも一部に金属触媒を固定することが好ましい。金属触媒としては、実施形態1の場合と同様の金属触媒が好ましく挙げられる。繊維状材料に金属触媒を固定する方法には、特に制限はないが、好ましい方法として以下の過熱水蒸気を用いる方法が挙げられる。
すなわち、この過熱水蒸気を用いる方法とは、図9を参照して、過熱水蒸気発生手段6から発生した過熱水蒸気7中に金属触媒粒子5を含む溶液を分散させた後、金属触媒粒子5が分散した過熱水蒸気7を繊維状材料37に通すことにより、繊維状材料37の表面に金属触媒粒子5を固定する方法である。
金属触媒粒子を分散させるガスは、過熱水蒸気に限定されるものではないが、過熱水蒸気は高いエネルギーを持っているため、金属触媒粒子を含む液体中の液体媒体を容易に熱的に除去できる。ここで用いられる過熱水蒸気は、たとえば小型ボイラで飽和水を飽和蒸気として生成した後、誘電加熱により発熱した金属管の内部にこの飽和蒸気を通気して加熱することなどにより作製される。本実施形態においては、大気圧下500℃の過熱水蒸気を用いた。
さらに、圧力式ノズルなどを用いて2kg/cm2の圧力で噴射された過熱水蒸気の気流中に、Ni質量で4mgを含有するNiペースト(日本ペイント社製、Ni粒径が10nm程度のもの)を展開したアセトン20mlを導入し、Ni微粒子を含んだ過熱水蒸気を、繊維状材料37に15分間通気した。その後、繊維状材料37の表面をTEM(透過型電子顕微鏡)またはSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察したところ、繊維状材料37の表面にNi微粒子が均一に層状となって付着していた。
また、本実施形態の空気調和機においても、過熱水蒸気6は、分解促進ガスが混入された過熱水蒸気であることが好ましい。
(実施形態3)
本発明にかかるさらに他の空気調和機は、図7を参照して、有害ガスを分解して除去する有害ガス除去フィルタ3と、過熱水蒸気7を発生させる過熱水蒸気発生手段6と、過熱水蒸気に電磁波を照射する電磁波照射手段35と、分解促進ガス供給手段34と送風手段10とを備える。本実施形態の空気調和機は、実施形態1における空気調和機にさらに電磁波照射手段35を備えたものである。大気圧下で100℃より高温の過熱水蒸気に電磁波(たとえば、ピーク波長が260nm以下の紫外線)を照射することにより、過熱水蒸気に水酸基ラジカルが形成され、この水酸基ラジカルにより有害ガスの酸化分解が促進される。ここで、過熱水蒸気は大気圧下で170℃以上であることが好ましい。
過熱水蒸気中の水分子から水酸基ラジカルを形成するためには、O−H結合を解離する必要がある。ここでO−H結合の結合解離エネルギーは約459kJ/molである。たとえば、波長260nmの紫外線は460.1kJ/molのエネルギーを有していることから、260nm以下のピーク波長を有する紫外線を過熱水蒸気に照射することにより、確実に水酸基ラジカルを形成することができる。
上記の実施形態1から実施形態3の空気調和機により、ホルムアルデヒドおよびその他のVOC(揮発性有機化合物)、一酸化炭素、二酸化炭素、酢酸、アンモニアガス、硫黄含有ガスなどの有害ガスの分解除去が可能となる。
少なくとも有害ガス除去フィルタ、過熱水蒸気発生手段および送風手段を備える空気調和機を用いて、有害ガスとしてのホルムアルデヒドを除去した結果について以下に具体的に説明する。
(比較例1)
図1に示すような多孔質材料36を含む有害ガス除去フィルタ3、過熱水蒸気発生手段6、分解促進ガス供給手段34および送風手段10を備える空気調和機の室内吸気口9と室内排気口11とを容量1l(リットル)のテドラーバッグを設けた。ここで、多孔質材料としては比表面積50m2/g、質量100mgのAl23多孔質体を用いた。このテドラーバッグに10ppmのホルムアルデヒドを含有する空気を入れて、0.1l/minの送風量でテドラーバッグ内の空気を循環させて、多孔質材料に10ppmのホルムアルデヒドを含む空気を通過させるワンパス通気試験を行なった。さらに、テドラーバッグに濃度が10ppmになるようにホルムアルデヒドを加えて、ワンパス通気試験を行なうサイクル工程を4回繰り返した。ワンパス通気試験のサイクル間隔は20分とした。
このテドラーバッグ内におけるホルムアルデヒドの初期濃度(C0)とワンパス通気試験後の濃度(C)とを液体クロマトグラフィーを用いて測定して、
除去率(%)=100×(C−C0)/C0 (1)
上記の式(1)から各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率を算出した。結果を図3に示した。
図3に示すように、ワンパス通気試験の回数が増えるにしたがってホルムアルデヒドの除去率が低下した。これは、多孔質材料へのホルムアルデヒドの吸着量の増加とともに多孔質材料のホルムアルデヒド除去効率が低下したためと考えられる。
(実施例1)
多孔質材料として、比表面積50m2/g、質量100mgのAl23多孔質体の表面に金属触媒である粒径10nmのNi粒子を5mgを固定したものを用いた以外は、比較例1と同様の空気調和機を用いた。比較例1と同様にして各回のホルムアルデヒドのワンパス通気試験を行なった後に、過熱水蒸気発生手段6により発生させた大気圧下で300℃の過熱水蒸気0.15lと分解促進ガス供給手段34により供給された分解促進ガスとしてのエタノール蒸気0.1ppmを含む乾燥空気0.05lとを多孔質材料3に吹き付けた。この後、次回のワンパス通気試験を行なった。このサイクル工程を4回繰り返した。比較例1と同様にして、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率を算出した。結果を図4に示した。
図4に示すように、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率は、いずれも100%であった。ワンパス通気試験後毎に、アルデヒドを吸着した多孔質材料に、大気圧下で300℃の過熱水蒸気と分解促進ガスとを吹き付けることにより、ホルムアルデヒドが分解除去されて、多孔質材料のホルムアルデヒドの除去効率が高く維持されるためと考えられる。なお、ホルムアルデヒドは、水と二酸化炭素とに酸化分解されたものと考えられる。
また、有害ガス除去フィルタ中の多孔質材料による圧力損失を評価するために、空気調和機の室内吸気口9から室内排気口11にかけて、乾燥空気を送風量3m3/secで送ったときの室内吸気口9と室内排気口11とにおける空気の圧力差を測定したところ、3Paであり、多孔質材料による圧力損失は極めて少なかった。なお、本実施例における多孔質材料に替えて繊維状活性炭(比表面積1000m2/g、質量100mg)を用いた場合の室内吸気口9と室内排気口11とにおける空気の圧力差は50Paであった。
(実施例2)
図5に示すような多孔質材料36を含む有害ガス除去フィルタ3、過熱水蒸気発生手段6および送風手段10を備える空気調和機を用いたこと、多孔質材料36として比表面積50m2/g、質量100mgのAl23多孔質体(表面に金属触媒であるNi粒子を固定していないもの)を用いたこと、各回のホルムアルデヒドのワンパス通気試験後には分解促進ガスを用いずに過熱水蒸気のみをホルムアルデヒドが吸着した多孔質材料に吹き付けたこと、過熱水蒸気として大気圧下で600℃の過熱水蒸気を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、5回のホルムアルデヒドのワンパス通気試験を行ない、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率を算出した。結果を図6に示した。
図6に示すように、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率はいずれも100%であった。ワンパス通気試験後毎に、アルデヒドを吸着した多孔質材料に、大気圧下で600℃の過熱水蒸気を吹き付けることにより、ホルムアルデヒドが分解除去されて、多孔質材料のホルムアルデヒドの除去効率が高く維持されるためと考えられる。なお、ホルムアルデヒドは、水と二酸化炭素とに加熱分解されたものと考えられる。
本実施例において、多孔質材料の表面に金属触媒が固定されておらず、過熱水蒸気に分解促進ガスが混入されていないにも関わらず、ホルムアルデヒドの高い除去率が得られたのは、過熱水蒸気の温度が大気圧下で600℃と高く、過熱水蒸気の高い伝熱能力により、ホルムアルデヒドの加熱分解が促進されたものと考えられる。
(実施例3)
図7に示すような多孔質材料36を含む有害ガス除去フィルタ3、過熱水蒸気発生手段6、電磁波照射手段35、分解促進ガス供給手段34および送風手段10を備える空気調和機を用いたこと、ホルムアルデヒドの各回のワンパス通気試験後に多孔質材料に吹き付ける過熱水蒸気として大気圧下200℃の過熱水蒸気に電磁波のひとつである紫外線(ピーク波長:146nm)を照射したこと以外は、実施例1と同様にして、5回のホルムアルデヒドのワンパス通気試験を行ない、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率を算出した。結果を図8に示した。なお、本実施例においては、電磁波照射手段35としてXe誘電体バリア放電エキシマランプ装置を用いて、過熱水蒸気にピーク波長が146nmの紫外線を放射強度10mW/cm2で照射した。
図8に示すように、各回のワンパス通気試験におけるホルムアルデヒドの除去率はいずれも100%であった。ワンパス通気試験後毎に、アルデヒドを吸着した多孔質材料に、大気圧下で200℃の過熱水蒸気にピーク波長が146nmの紫外線を照射したものを吹き付けることにより、ホルムアルデヒドが分解除去されて、多孔質材料のホルムアルデヒドの除去効率が高く維持されるためと考えられる。なお、ホルムアルデヒドは、水と二酸化炭素とに酸化分解されたものと考えられる。
本実施例において、過熱水蒸気の大気圧下での温度が200℃と低かったにも関わらず、ホルムアルデヒドの高い除去率が得られたのは、過熱水蒸気に波長146nmの紫外線が照射されることにより、過熱水蒸気に水酸基ラジカルが形成され、この水酸基ラジカルによりホルムアルデヒドの酸化分解が促進されたものと考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる一の空気調和機を示す模式図である。 本発明にかかる他の空気調和機を示す模式図である。 ホルムアルデヒドのワンパス通気試験の回数とホルムアルデヒドの除去率との関係を示す図である。 ホルムアルデヒドのワンパス通気試験の回数とホルムアルデヒドの除去率との関係を示す図である。 本発明にかかるさらに他の空気調和機を示す模式図である。 ホルムアルデヒドのワンパス通気試験の回数とホルムアルデヒドの除去率との関係を示す図である。 本発明にかかるさらに他の空気調和機を示す模式図である。 ホルムアルデヒドのワンパス通気試験の回数とホルムアルデヒドの除去率との関係を示す図である。 繊維状材料の表面への金属触媒の固定方法を示す模式図である。
符号の説明
3 有害ガス除去フィルタ、4 有害ガス、5 金属触媒粒子、6 過熱水蒸気発生手段、7 過熱水蒸気、8 分解促進ガス、9 室内吸気口、10 送風手段、11 室内排気口、12 室外排気口、15 三方弁、34 分解促進ガス供給手段、35 電磁波照射手段、36 多孔質材料、37 繊維状材料。

Claims (7)

  1. 多孔質材料または繊維状材料を含む有害ガス除去フィルタであって、
    前記多孔質材料または前記繊維状材料は有害ガスを吸着し、前記有害ガスを吸着した前記多孔質材料または前記繊維状材料に過熱水蒸気を接触させることにより、前記多孔質材料または前記繊維状材料に吸着された有害ガスを分解して除去することを特徴とする有害ガス除去フィルタ。
  2. 前記多孔質材料または前記繊維状材料の表面の少なくとも一部に、金属触媒が固定されている請求項1に記載の有害ガス除去フィルタ。
  3. 前記過熱水蒸気は、分解促進ガスが混入されている過熱水蒸気である請求項1または請求項2に記載の有害ガス除去フィルタ。
  4. 前記過熱水蒸気に電磁波を照射し、前記電磁波が照射された過熱水蒸気を、前記有害ガスを吸着した前記多孔質材料または前記繊維状材料に接触させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の有害ガス除去フィルタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の有害ガス除去フィルタと、前記過熱水蒸気を発生させる過熱水蒸気発生手段とを備える空気調和機。
  6. 分解促進ガス供給手段をさらに備える請求項5に記載の空気調和機。
  7. 電磁波照射手段をさらに備える請求項5または請求項6に記載の空気調和機。
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