図1−図7は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、パチンコ機のアタッカまたは大入賞口と呼ばれる開閉部品4を有する入賞部品1を分解して示す。図2は、開閉部品4と軸支持部品5との組み立てられた後部品3と前部品2とを分解して前側から示す。図3は、前部品2と後部品3と開閉部品4と軸支持部品5とが互いに組み立てられた形態を前側から示す。図4は、開閉機構7を分解して示す。図5は、組み立てられた開閉機構7と後部品3とを分解して示す。図6は、遊技盤120に取り付けられた入賞部品1を縦方向に切断した内部を示す。図7は、遊技盤120に取り付けられた入賞部品1の外観を示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図7の状態に入賞部品1および遊技盤120を置いて矢印Aで示す前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図1を参照し、入賞部品1の構造について説明する。入賞部品1は、前部品2と後部品3と開閉部品4と軸支持部品5と蓋部品6と開閉機構7と球検出器8とが、別々に形成され、止ねじを使用することなく、互いに嵌め合いで組み合わせられて構成される。前部品2は、合成樹脂により、前面体11、球入口12、周壁13、係合部14、残渣孔15、軸受被覆部16、取付孔17を一体に備えた形状に構成される。前部品2は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の前部品成形型(前部品2を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。前面体11は、入賞部品1の前側の意匠を形成する板状である。球入口12は、前面体11の中央に位置し、前面体11の前後方向に貫通した横長な方形である。周壁13は、前面体11の裏面から後側に突出し、球入口12の周囲を囲む環状である。前部品2を前側から見た場合、周壁13は横長な方形である。周壁13における上縁部の下面は、球入口12の上縁部と同一の面内に位置する。周壁13における上縁部、左縁部、右縁部は、球入口12における上縁部、左縁部、右縁部から、前面体11の裏面と平行な方向に離れる。係合部14は、前部品2と後部品3とを結合するものであって、弾性片18とフック19とを備える。弾性片18は、周壁13の左縁部の裏面および右縁部の裏面から後側に直線的に突出した短冊状である。左側に位置する弾性片18は、右側に位置する弾性片18よりも下部に位置しており、前部品2を後部品3に組み合わせる場合において、前部品2の上下方向の向きが間違えられて組み立てられるのを防止する。フック19は、弾性片18の後端部から互いに相対峙する方向に突出する。残渣孔15は、前部品成形型におけるフック19を形成する移動型要素が引き抜かれた跡であって、前面体11に前後方向への貫通孔として形成される。軸受被覆部16は、球入口12の左縁部および右縁部に位置し、前面体11の前面から前側に半円形に突出する。左側に位置する軸受被覆部16は、裏側および球入口12の側が開口し、前側および左側が塞がれた形状である。右側に位置する軸受被覆部16は、裏側および球入口12の側が開口し、前側および右側が塞がれた形状である。取付孔17は、入賞部品1を遊技盤に止ねじで取り付けるための孔であって、前面体11の左端部および右端部に位置し、前面体11の前後方向への貫通孔である。
後部品3は、合成樹脂により、筐体21、隔壁22、内周壁23、球踊場24、球導出口25、球誘導壁26、貫通孔27、前係合部28、後係合部29、軸支持係合部30、残渣孔31、除去部32、機構取付部33、位置決め突起34、リブ35を一体に備えた形状に構成される。後部品3は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の後部品成形型(後部品3を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。筐体21は、前部品2における周壁13の裏面に後側から接触する大きさの方形な前後方向に貫通する内部空間を囲む筒状である。隔壁22は、筐体21の内部空間を前後に仕切るように、筐体21に設けられた板状である。内周壁23は、隔壁22の前側に軸支持部品5で塞がれる左空間部と軸支持部品5で塞がれる右空間部と球踊場24とを区分するものであって、筐体21の上壁と隔壁22とに連接する。球踊場24は、内周壁23の下縁部の中央に設けられ、内周壁23の下縁部における上面から下方に窪む形状であって、前後方向および上方に開口した溝である。内周壁23で囲まれた内側の空間部は、球踊場24に球を取り込むための空間部であって、後部品3を前側から見た場合、前部品2の球入口12よりも小さな方形である。球導出口25は、球踊場24によって前側から後側に誘導された球を隔壁22よりも後側に排出する部分であって、内周壁23で囲まれた隔壁22に前後方向への貫通孔として形成される。球誘導壁26は、球踊場24から球導出口25を経由して隔壁22よりも後側に排出された球を隔壁22の裏面と平行する一側方に誘導するものであって、隔壁22の裏面から後側に突出する。貫通孔27は、筐体21の左壁および右壁に形成される。
前係合部28は、前部品2と後部品3とを結合するものであって、筐体21の左壁の外側面および右壁の外側面に、貫通孔27よりも前側に位置して設けられ、案内溝36と係合面37を備える。筐体21の右側に位置する前係合部28を例として詳述すると、案内溝36は、筐体21の右壁の外側面から内部に窪み、前後方向および右側に開口する。案内溝36における筐体21の右壁の外側面は、前側から後側に行くにしたがって徐々に右側に突出する斜面である。係合面37は、案内溝36における筐体21の右壁の外側面としての斜面が筐体21の右壁に形成された貫通孔27につながる部分によって形成される。つまり、係合面37は、貫通孔27における案内溝36の側に位置する内面によって形成される。筐体21の左側に位置する前係合部28は、筐体21の右側に位置する前係合部28を左右方向で反転した、図5に示す形状である。後係合部29は、後部品3と蓋部品6とを結合するものであって、筐体21の左壁の外側面および右壁の外側面に、貫通孔27よりも後側に位置して設けられ、案内溝38と係合面39を備える。筐体21の右側に位置する後係合部29を例として詳述すると、案内溝38は、筐体21の右壁の外側面から内部に窪み、前後方向および右側に開口する。案内溝38における筐体21の右壁の外側面は、後側から前側に行くにしたがって徐々に右側に突出する斜面である。係合面39は、案内溝38における筐体21の右壁の外側面としての斜面が筐体21の右壁に形成された貫通孔27につながる部分によって形成される。つまり、係合面39は、貫通孔27における案内溝38の側に位置する内面によって形成される。筐体21の左側に位置する後係合部29は、筐体21の右側に位置する後係合部29を左右方向で反転した、図5に示す形状である。軸支持係合部30は、後部品3と軸支持部品5とを結合するものであって、筐体21の上壁の外側面に、左右に位置して設けられ、案内溝40と係合面41とを備える。案内溝40は、筐体21の上壁の外側面から内部に窪み、上壁の前面と上面とに開口する。係合面41は、案内溝40の後端から下方に延設される。残渣孔31は、後部品成形型における係合面41を形成する移動型要素が引き抜かれた跡であって、案内溝40の後端部に形成される。除去部32は、筐体21の上壁に設けられ、球導出口25の真上に位置し、筐体21の上壁から前側に窪み、上下方向および裏側に開口する。機構取付部33の構造は、図5で説明する。位置決め突起34は、筐体21の左壁の内側面および右壁の内側面から左壁の前面および右壁の前面よりも前側に突出する。リブ35は、筐体21の下壁の内側面および縦壁に設けられる。
開閉部品4は、合成樹脂により、扉43、延設部44、軸45、リンク棒46を一体に備えた形状に構成される。開閉部品4は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の開閉部品成形型(開閉部品4を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。扉43は、前部品2の球入口12を開閉する板状であって、球入口12に相似し、球入口12よりも小さい相似形である。延設部44は、扉43の左縁部および右端部から裏側に直線的に突出し、上部から下部に行くにしたがって徐々に扉43から裏側に突出する寸法が大きくなる、板状である。開閉部品4を側面から見た場合、延設部44は、三角形である。延設部44の下端部は、扉43の下端部よりも下方に突出する。軸45は、延設部44と扉43との連接した部分に位置し、左側および右側に位置する延設部44から外側に向かい、扉43の前面と平行な方向に直線的に突出する。リンク棒46は、右側に位置する延設部44の下端部から外側に向かい、軸45と平行な方向に直線的に突出する。リンク棒46は、左側に位置する延設部44の下端部から外側に向かい、軸45と平行な方向に直線的に突出してもよい。つまり、リンク棒46は、いずれか一方の延設部44に設ければよい。
軸支持部品5は、合成樹脂により、被覆体48、軸受部49、軸受孔50、延設部51、係合部52、残渣孔53、逃部54、位置決め孔55を一体に備えた形状に構成される。軸支持部品5は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の軸支持部品成形型(軸支持部品5を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。軸支持部品5は、後部品3における前面の左右に取り付けられるように、一対である。被覆体48は、後部品3における左空間部または右空間部の前面を覆う方形な板状である。軸受部49は、被覆体48の左側または右側に位置する内縁部で上下方向の中間部に位置し、被覆体48の前面から前側に向かい、半円形に突出する。軸受孔50は、開閉部品4の軸45を回転可能に支持する孔であって、軸受部49における被覆体48の内縁部の側に位置する端面から内部に窪む行き止まり孔として、軸受部49に形成される。延設部51は、被覆体48の左側または右側に位置する内縁部で上部に位置し、被覆体48の内端面から突出する、方形な板状である。係合部52は、後部品3と軸支持部品5とを結合するものであって、被覆体48の上部に設けられ、弾性片56とフック57とを備える。弾性片56は、被覆体48の裏面から後側に直線的に突出した短冊状である。フック57は、弾性片56の後端部から下方に突出する。残渣孔53は、軸支持部品成形型におけるフック57を形成する移動型要素が引き抜かれた跡であって、被覆体48に前後方向への貫通孔として形成される。逃部54は、前部品2の弾性片18を逃げる凹部であって、被覆体48の左側または右側に位置する外縁部に位置し、被覆体48の外端面から内部に窪み、被覆体48の外側と前側および後側に開口する。位置決め孔55は、後部品3と軸支持部品5とを組み合わせる場合、後部品3の位置決め突起34に嵌め込まれることによって、後部品3と軸支持部品5との位置を正確に合わせるための孔であって、被覆体48の下部における右隅または左隅に前後方向への貫通孔として形成される。左右の軸支持部品5は、軸支持部品5を前側から見た場合、軸受部49と軸受孔50と延設部51と係合部52と残渣孔53と逃部54および位置決め孔55が、被覆体48に対し、左右対称となる位置に設けられた構造である。
蓋部品6は、合成樹脂により、蓋体59、球案内壁60、残渣孔61;62、検出器挿入孔63、検出器支持部64、係合部65、機構収納部66、突起67、貫通孔68、配線通路69を一体に備えた形状に構成される。蓋部品6は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の蓋部品成形型(蓋部品6を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。蓋体59は、後部品3における筐体21の後側を塞ぐ大きさである。蓋部品6を前側から見た場合、蓋体59は横長な方形である。球案内壁60は、後部品3と蓋部品6とが組み合わせられることによって、後部品3の球誘導壁26よりも上部に配置され、後部品3の球踊場24から球導出口25を経由して球誘導壁26の上に排出された球を側方に誘導するものであって、蓋体59から前側に突出する。後部品3を上から見た場合、球案内壁60は、三角形の板状である。球案内壁60の後縁部が残渣孔61に配置され、この残渣孔61に配置された球案内壁60の後縁部の右側が蓋体59に連接されて、球案内壁60が蓋体59に対し片持ち梁として設けられる。よって、球案内壁60は、蓋体59に連接された部分を作用点として前後方向に撓む弾性を保有する。残渣孔61は、蓋部品成形型における球案内壁60を形成する移動型要素が引き抜かれた跡であって、球案内壁60の上縁部と左縁部および下縁部を囲むように、蓋体59に前後方向への貫通孔として形成される。検出器挿入孔63は、球検出器8を蓋体59の裏側から前側に挿入する孔であって、球案内壁60よりも左側に位置し、蓋体59に、蓋体59の前後方向への貫通孔として形成される。検出器支持部64は、球検出器8を蓋部品6に支持するものであって、弾性片64aとフック64bとを備える。弾性片64aは、検出器挿入孔63の左側に位置し、蓋体59の裏面から裏側に直線的に突出した短冊状である。フック64bは、弾性片64aの後端部から右側に突出する。検出器支持部64は、検出器挿入孔63の右側に位置するように設けてもよい。検出器支持部64を検出器挿入孔63の右側に位置するように設けた場合、フック64bは、弾性片64aの後端部から左側に突出する。係合部65は、後部品3と蓋部品6とを結合するものであって、弾性片70とフック71とを備える。弾性片70は、蓋体59の左縁部および右縁部から前側に直線的に突出した短冊状である。左側に位置する弾性片70は、右側に位置する弾性片70よりも下部に位置しており、蓋部品6を後部品3に組み合わせる場合において、蓋部品6の上下方向の向きが間違えられて組み立てられるのを防止する。フック71は、弾性片70の前端部から互いに相対峙する方向に突出する。残渣孔62は、蓋部品成形型におけるフック71を形成する移動型要素が引き抜かれた跡であって、蓋体59に前後方向への貫通孔として形成される。機構収納部66は、後部品3と蓋部品6とが組み合わせられた場合、開閉機構7における機構ケース73の下部の裏側を収納する部分であって、蓋体59の前面から後側に窪み、右側に位置する残渣孔62の真下に位置し、蓋体59に設けられる。蓋部品6を前側から見た場合、機構収納部66は横長な方形である。突起67は、後部品3と蓋部品6とが組み合わせられた場合、開閉機構7の軸受孔86に裏側からあてがわれるものであって、機構収納部66の奥に左右に位置して設けられ、機構収納部66を囲む側壁と背壁とが連接する左右の隅部から前側に突出する。貫通孔68は、機構収納部66における背壁に設けられる。配線通路69は、後部品3と蓋部品6とが組み合わせられた場合、開閉機構7における電磁ソレノイド74の配線を通す部分であって、右側に位置する機構収納部66の真上に位置し、蓋体59の上縁部に設けられる。配線通路69は、蓋体59の上面から下部に向けて窪み、前後方向および上方に開口した溝である。
球検出器8は、合成樹脂からなる板状の検出器ボディ105の前部に検出孔106を上下方向への貫通孔として備え、検出器ボディ105の内部に電気的な検出要素を備え、検出器ボディ105の後部に配線108の接続されたコネクタ109を備え、配線108から検出要素に電力が供給され、検出素子が検出孔106に電界を形成した状態において、パチンコ球と呼ばれる球が検出孔106を上方から下方に通過すると、検出孔106の電界が変化し、その変化を検出要素が検出信号として配線108に出力する。
図1乃至図3を参照し、後部品3と開閉部品4と左右の軸支持部品5との組立方について説明する。図1において、例えば、左右の軸支持部品5のどちらが先に後部品3に取り付けられてもよいが、開閉部品4が右側にリンク棒46を有しているので、左の軸支持部品5が後部品3に取り付けられ、開閉部品4が左の軸支持部品5に取り付けられた後、右の軸支持部品5が後部品3に取り付けられると、リンク棒46が邪魔にならず、組立作業がやりやすい。左の軸支持部品5は、後部品3に次のように取り付けられる。左の軸支持部品5における係合部52のフック57が後部品3における軸支持係合部30の案内溝40に挿入されて係合面41の方向に移動されるのに伴い、左の軸支持部品5の位置決め孔55が、後部品3における左の位置決め突起34に前側から嵌め込まれ、フック57が案内溝40から係合面41の後側に落ち込み、フック57が前側に抜けないように係合面41に係合し、左の軸支持部品5における被覆体48の周縁部が後部品3における筐体21と内周壁23および左下のリブ35の前面に接触し、左の軸支持部品5が後部品3の左空間部を塞いで後部品3の前側に取り付けられる。その後、開閉部品4の左の軸45が左の軸支持部品5における軸受孔50に右側から挿入される。そして、右の軸支持部品5における軸受孔50が開閉部品4の右の軸45に右側から挿入される。その状態のまま、右の軸支持部品5における係合部52のフック57が後部品3における軸支持係合部30の案内溝40に挿入されて係合面41の方向に移動されるのに伴い、右の軸支持部品5の位置決め孔55が、後部品3における右の位置決め突起34に前側から嵌め込まれ、フック57が案内溝40から係合面41の後側に落ち込んで係合面41に前側に抜けないように係合し、右の軸支持部品5における被覆体48の周縁部が後部品3における筐体21と内周壁23および右下のリブ35の前面に接触し、右の軸支持部品5が後部品3の右空間部を塞いで後部品3の前側に取り付けられる。このように左右の軸支持部品5と開閉部品4とが後部品3に組み立てられると、図2に示す形態となる。
図2において、前部品2が後部品3に前側から取り付けられる。それには、前部品2における左右の係合部14のフック19が、左右の軸支持部品5の前側から逃部54を経由して後部品3における左右の前係合部28の案内溝36に挿入されて係合面37の方向に移動されるのに伴い、前部品2のフック19が案内溝36から係合面37の後側に落ち込んで係合面37に前側に抜けないように係合する。これによって、図3に示すように、前部品2が左右の軸支持部品5を覆い隠し、前部品2と後部品3とが互いに組み立てられ、開閉部品4の扉43が前部品2における球入口12に取り込まれて取入口12を閉じた状態となる。後部品3と蓋部品6と開閉機構7と球検出器8との組立方については、図5および図6で後述する。
図4を参照し、開閉機構7の構造について説明する。開閉機構7は、機構ケース73、電磁ソレノイド74、ばね受座75、ばね76、リンクプレート77、プランジャ78を備え、機構ケース73の内部に、電磁ソレノイド74、ばね受座75、ばね76、リンクプレート77、プランジャ78とを組み付けた構造である。機構ケース73は、合成樹脂により、左側壁79、右側壁80、上壁81、後壁82、延設部83、連結壁84、係合溝85、軸受孔86、貫通孔87、配線逃部88を一体に備えた形状に構成される。機構ケース73は、例えば、溶融した合成樹脂を図外の機構ケース成形型(機構ケース73を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。左側壁79および右側壁80は、電磁ソレノイド74を押し込むことが可能な寸法で、互いに、左右に相対峙した、同じ大きさの板状である。上壁81の左端部が左側壁79の上縁部に結合され、上壁81の右端部が右側壁80の上縁部に結合する。後壁82の左端部が左側壁79の後縁上部に結合され、後壁82の右端部が右側壁80の後縁上部に結合する。延設部83は、左側壁79の後縁下部および右側壁80の後縁下部から後側に直線的に、互いに平行して、突出した板状である。連結壁84の左端部が左側に位置する延設部83の上縁部に結合し、連結壁84の右端部が右側に位置する延設部83の上縁部に結合し、連結壁84の前端部が後壁82の下縁部に結合する。係合溝85は、開閉機構7が図5に示す後部品3の機構取付部33に装着される場合、機構取付部33のガイド117に嵌め込まれる部分であって、後壁82の左端部および右端部に設けられる。左側に位置する係合溝85は、後壁82の左端部における上面から内部に平行に窪むとともに後壁82の左端部における側面から内部に平行に窪む、前後方向に延びた階段形状である。右側に位置する係合溝85は、後壁82の右端部における上面から内部に平行に窪むとともに後壁82の右端部における側面から内部に平行に窪む、前後方向に延びた階段形状である。軸受孔86は、リンクプレート77の軸102を嵌め込む部分であって、左側および右側に位置する延設部83に、延設部83の後端面から内部に窪み、左右方向に開口した形状に設けられる。貫通孔87は、左側壁79および右側壁80の中央に形成される。配線逃部88は、後壁82に、後壁82の上端面から内部に窪み、前後方向に貫通した形状に設けられる。
電磁ソレノイド74は、電力が供給されることによって磁力を発生する円筒状のコイル89と、コイル89で発生した磁力を収束させて強くするコア90と、コア90の下部およびコイル89の内部に貫通するプランジャ挿入孔91とを備える。ばね受座75は、電磁ソレノイド74の下部に配置されて、ばね76の上端部を受け止めるものであって、プランジャ挿入孔92を中央に備えた、金属からなる環状である。ばね76は、コイルスプリングにより形成される。リンクプレート77は、合成樹脂により、ばね受体93、貫通孔94、周壁95、突起96、ストッパ97、プランジャ嵌合孔98、アーム部99、係合溝100、延設部101、軸102を一体に備えた形状に構成される。リンクプレート77は、例えば、溶融した合成樹脂を図外のリンクプレート成形型(リンクプレート77を成形するための成形型)に流し込むことによって、上記一体な形状に構成される。ばね受体93は、リンクプレート77を上方から見た場合、方形な板状である。貫通孔94は、プランジャ78を容易に挿入する大きさの孔であって、ばね受体93の中央に、上下方向に貫通する孔として形成される。周壁95は、ばね受体93における貫通孔94の周囲における上面に接触したばね76の位置がずれることがないように、ばね76の下端部を支持するものであって、ばね受体93の上面に、ばね受体93の上面から上方に突出するとともに貫通孔94を囲む環状の形状に設けられる。貫通孔94と周壁95との間に存在するばね受体93の上面が、ばね76の下端部と接触する面となる。突起96は、ばね受体93から貫通孔94の内部に突出し、貫通孔94の中心を通る1本の直線上に配置された、一対である。一対の突起96の間における隙間は、プランジャ78の外径よりも大きい寸法である。ストッパ97は、ばね受体93の下面に、一対の突起96よりも後側に位置して貫通孔94を跨いで設けられる。プランジャ嵌合孔98は、プランジャ78の鍔103の一部が挿入される部分であって、ストッパ97に、ストッパ97の上面から内部に窪み、ストッパ97を前後方向に貫通する形状で、設けられる。アーム部99は、ばね受体93の前縁部から前側に直線的に突出し、その突出端から上方に向けて斜めに直線的に突出する形状である。係合溝100は、開閉機構7が後部品3に組み合わせられる場合、後部品3に組み合わせられた開閉部品4のリンク棒46に嵌め込まれる部分であって、アーム部99の先端部に、アーム部99の先端部から内部に窪み、上下方向に開口する形状である。延設部101は、ばね受体93の後部における左端部および右端部から後側に、互いに平行して、突出する。軸102は、左側に位置する延設部101と右側に位置する延設部101とに設けられる。左側に位置する軸102は、左側に位置する延設部101の左側面から左側に直線的に突出する。右側に位置する軸102は、右側に位置する延設部101の右側面から右側に直線的に突出する。左側に位置する軸102および右側に位置する軸102は、左右方向の1本の直線上に位置し、同軸状である。プランジャ78は、鉄のような強磁性を有する材料からなる直線的な棒状である。プランジャ78の下端部には、鍔103が、プランジャ78の径方向外側に突出する。
図4において、開閉機構7の組立方について説明する。電磁ソレノイド74のコイル89から延びた図外の配線が左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82で囲まれた空間から配線逃部88を通過して機構ケース73の外側に引き出され、電磁ソレノイド74のコア90が機構ケース73の左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82で囲まれた空間に押し込まれて左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82に接触され、電磁ソレノイド74が機構ケース73の内部に装着される。これによって、機構ケース73の左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82が、外側から内側に向けて復元しようとする弾性力で、電磁ソレノイド74のコア90を脱落しないように支持する。リンクプレート77における左右の延設部101が機構ケース73における左右の延設部83の内側に嵌め込まれ、リンクプレート77における左右の軸102が機構ケース73における左右の軸受孔86に機構ケース73の後側から嵌め込まれる。この場合、軸102が延設部83における軸受孔86の開口を形成する部分を押し広げて軸受孔86に嵌め込まれた後、当該延設部83の開口を形成する部分が軸受孔86の開口を狭める方向に復元することによって、軸102が軸受孔86から抜けないように軸受孔86に回転可能に装着される。次に、ばね76がリンクプレート77における周壁95の内側のばね受体93に搭載され、ばね受座75がばね76の上端部に重ね合わされ、リンクプレート77が軸102を中心として上方に回転操作され、ばね受座75がプランジャ挿入孔91の周囲におけるコア90の下面に接触し、ばね76がばね受座75とばね受体93との間に圧縮され、リンクプレート77のばね受体93が電磁ソレノイド74よりも下部に突出している機構ケース73における左側壁79と右側壁80との間の空間に下部から左側壁79および右側壁80に接触しない状態で配置される。その状態において、プランジャ78がリンクプレート77の下部から貫通孔94、ばね76の内部空間、ばね受座75のプランジャ挿入孔92を順に経由して電磁ソレノイド74のプランジャ挿入孔91に挿入される。そして、プランジャ78における鍔103の周縁の一部がプランジャ嵌合孔98に前側から挿入される。これによって、上記ばね76がばね受座75とばね受体93との間に圧縮された状態でプランジャ78を下方に向けて押し、プランジャ78がばね76による弾性作用下でリンクプレート77に支持され、プランジャ挿入孔91から電磁ソレノイド74の内部に挿入されているプランジャ78の先端部が電磁ソレノイド74に接触し、リンクプレート77のばね受体93が電磁ソレノイド74よりも下部に存在する機構ケース73における左側壁79と右側壁80との間の空間に配置され、リンクプレート77のアーム部99が機構ケース73よりも前側に突出し、開閉機構7が図5に示す形態に組み立てられる。
図5を参照し、後部品3の後側の構造について説明する。球誘導壁26の左側には、球出口111が後側から内部に窪み上下方向に開口する形態に設けられ、検出器受溝112が球出口111の真下に設けられる。検出器受溝112は、隔壁22の裏面から裏側に突出した隔壁113と球出口111の右縁部から下部に突出した縦壁114とに、左右方向に相対峙し、球検出器8を後部品3の後側から挿入し得る形態に形成される。機構取付部33は、隔壁22と筐体21の上壁と右壁と下壁と隔壁22の裏面から裏側に突出し仕切壁115とで囲まれて筐体21の後側に開口した箱形の空間を備え、当該空間の前側に存在する隔壁22に前後方向に貫通するように形成されたアーム挿入孔116を備え、該空間の上側に存在する筐体21の上壁に形成されたガイド117および逃部118を備える。ガイド117は、開閉機構7の係合溝85を嵌め込む部分であって、筐体21の上壁に後側から内部に窪み、上下方向に開口し、左右に相対峙する形態である。逃部118は、ガイド117の前縁部から筐体21の上壁の内部の窪み、上下方向に開口する形態である。
図5において、開閉機構7の後部品3への組立方について説明する。開閉機構7のアーム部99が後部品3の後側から機構取付部33の空間に挿入されてアーム挿入孔116を経由して隔壁22よりも前側に突出され、開閉機構7における機構ケース73およびリンクプレート77が後部品3の後側から機構取付部33の空間に挿入される。この場合、開閉機構7の係合溝85が機構取付部33のガイド117に後側から嵌め込まれて前側に移動し、機構ケース73の上壁81が機構取付部33の上壁に衝突し、機構ケース73の左側壁79および右側壁80が機構取付部33における筐体21の左壁と下壁および仕切壁115に接触し、開閉機構7が機構取付部33から後側に抜けないように機構取付部33に装着される。このように、開閉機構7が機構取付部33に装着されるのに伴い、図6に示すように、隔壁22よりも前側に突出したアーム部99の係合溝100と後部品3に取り付けられている開閉部品4のリンク棒46とが互いに嵌り合い、リンクプレート77のストッパ97が筐体21の下壁に接触する。このストッパ97の筐体21の下壁に接触によって、電磁ソレノイド74の内部におけるプランジャ78が電磁ソレノイド74から離れて電磁ソレノイド74の中心線上に配置される。その後、蓋部品6の係合部65が後部品3の側に向けられ、係合部65の左右のフック71が後部品3における左右の後係合部29の案内溝38に後側から挿入されて係合面39の方向に移動されるのに伴い、左右のフック71が案内溝38から貫通孔27に落ち込んで係合面39の後側に抜けないように係合し、蓋部品6の蓋体59が後部品3における上壁と左壁と右壁および下壁の後面に接触し、蓋部品6が後部品3の裏側を覆い隠し、後部品3と蓋部品6とが互いに組み立てられる。これによって、図6および図7に示すように、前部品2と後部品3と開閉部品4と軸支持部品5と蓋部品6と開閉機構7とが互いに組み立てられた形態となる。
そして、図1に示す球検出器8の検出孔106が蓋部品6の側に向けられ、球検出器8が蓋部品6の後側から検出器挿入孔63を経由して図5に示す検出器受溝112に挿入されるのに伴い、図1の係合部64のフック64bが球検出器8のコネクタ109の設けられた側の裏面に係合し、球検出器8が後部品3および蓋部品6に取り付けられ、配線108が蓋部品6から後側に突出する。これによって、前部品2と後部品3と開閉部品4と軸支持部品5と蓋部品6と開閉機構7と図1の球検出器8とが、止ねじを使用することなく、互いに嵌め合いで組み合わせられ、入賞部品1が図6および図7に示すように、止ねじを操作するドライバーのような工具を使用することなく、組み立てることができるという利点がある。組み立てられた入賞部品1において、図1に示す係合部14が前係合部28から前側に取り外されることによって、前部品2が後部品3から取り外される。したがって、前部品2において、球入口12、周壁13、係合部14、残渣孔15、軸受被覆部16の位置が変わることなく、前面体11の意匠的な形状が変更され、この前面体11の意匠的な形状が変更された別の前部品2が上記後部品3から取り外された前部品2に置換されて後部品3に取り付けられることによって、前側から見た意匠の異なる入賞部品1として再生することができるという利点がある。
図6において、入賞部品1の蓋部品6が遊技盤120に形成された部品逃孔121に前側から挿入され、前部品2の裏面が部品逃孔121を覆い隠し遊技盤120の前面に接触し、止ねじ122が前部品2における取付孔17から遊技盤120に締結され、開閉部品4が球入口12を閉じ、入賞部品1が遊技盤120に取り付けられる。その状態において、電磁ソレノイド74が電力の供給を受けてプランジャ78を吸引すると、リンクプレート77が軸102を中心として上方に回転し、係合部14における係合溝100の下部を形成する下縁部がリンク棒46を持ち上げるのに伴い、開閉部品4が軸45を中心として球入口12から前側に移動して仮想線で示すように斜めに開き、球入口12が開口される。そして、遊技盤120の前面に沿って落下した球が開放された開閉部品4の扉43で受け止められて球入口12に取り込まれる。
図7において、前部品2の前面に仮想線で示す化粧板Lを貼付することによって、化粧板Lが残渣孔15を覆い隠すことができる。化粧板Lは、合成樹脂からなる厚さの薄いシートの裏面に入賞部品1の意匠を表現する文字や図柄などが印刷され、その印刷層の裏面に両面粘着材が設けられ、両面粘着材の裏面に剥離紙が設けられた、所謂、貼付シールと呼ばれるものであって、剥離紙が剥ぎ取られ、両面粘着材の裏面が前部品2の前面に押し付けられることによって、化粧板Lが前部品2の前面に貼付される。
図8乃至図12は、球検出器8を2個有する入賞部品1の別の形態である。図8は、後部品3と蓋部品6および球検出器8を分解して前側から示す。図9は、蓋部品6と開閉機構7と球検出器8およびカバー125を分解して裏側から示す。図10は、開閉機構7を示す。図11は、開閉機構7の取り付けられた蓋部品6とカバー125とを分解して裏側から示す。図12は、カバー125の取り付けられた蓋部品6を裏側から示す。
図8および図9を参照し、最良の形態と異なる部分について説明する。蓋部品6では、図1の球案内壁60と残渣孔61が設けられず、振分突起126と貫通孔127と残渣孔128と2個の検出器挿入孔63と2個の検出器支持部64とが設けられ、裏部品6の裏側に振分機構129が設けられる。2個の検出器挿入孔63は、互いに、左右に並べられて設けられる。振分突起126は、図1の球案内壁60に類似する機能を有し、2個の検出器挿入孔63の真上に位置し、振分突起126の左右方向の両側から中央に行くにしたがって徐々に蓋体59の前面から前側に突出する斜面を備え、裏部品6を上部から見た場合、二等辺三角形の形状である。貫通孔127は、振分突起126の右側に位置し、蓋体59に前後方向に貫通する。貫通孔127には、振分機構129の可動体140が蓋体59の裏側から前側に突出するように挿入される。
後部品3の裏側の構造、蓋部品6の裏側の構造、振分機構129、カバー125の構造について説明する。後部品3は、球誘導壁26に球出口111と検出器受溝112とを左右に並べられて2個ずつ設けた点が、最良の形態と異なる。蓋部品6は、仕切壁133を、蓋体59の裏面から後側に直線的に突出し、左右方向に相対峙し、2個の検出器挿入孔63よりも左右方向の外側に位置する点が、最良の形態と異なる。左右の仕切壁133には、係合孔134が、貫通孔127および残渣孔128に連接して設けられる。振分機構129は、最良の形態に設けられておらず、この別の形態で設けられたものであって、機構ケース135、電磁ソレノイド136、ばね受座137、ばね138、プランジャ139、可動体140を備える。機構ケース135、電磁ソレノイド136、ばね受座137、ばね138、プランジャ139は、図4の機構ケース73、電磁ソレノイド74、ばね受座75、ばね76、プランジャ78と同じ機能のものを使用する。可動体140は、前後方向に長い方形な板状である。可動体140の前後方向の中間部には、軸141が、可動体140から上下方向に同軸状に突出する。可動体140の後端部には、2個の連結突起142が、可動体140から上方に突出する。機構ケース135には、係合溝85が設けられなくてもよい。カバー125は、前側に開口した箱形であって、左右の係合部143を、カバー125の左壁および右壁から前側に突出する。係合部143の前端部には、フック144が相対峙する方向に突出する。
振分機構129は、次のように組み立てられる。電磁ソレノイド136から延びた図外の配線が機構ケース135の左側壁79と右側壁80との間から上壁81の後側を通過して機構ケース135の外側に引き出され、電磁ソレノイド136が機構ケース135の左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82で囲まれた空間に押し込まれて左側壁79と右側壁80と上壁81および後壁82に接触され、電磁ソレノイド136が機構ケース135の内部に装着される。これによって、機構ケース135が、外側から内側に向けて復元しようとする弾性力で、電磁ソレノイド136を脱落しないように支持する。そして、プランジャ139が、ばね138の内部からばね受座137のプランジャ挿入孔92を経由して電磁ソレノイド136のプランジャ挿入孔91に挿入された状態において、プランジャ139の鍔103における周縁の一部が2個の連結突起142の間に挿入され、可動体140が左側壁79と右側壁80との間に配置され、軸141が機構ケース135における延設部83における軸受孔86の開口を形成する部分を押し広げて軸受孔86に嵌め込まれた後、当該延設部83の開口を形成する部分が軸受孔86の開口を狭める方向に復元することによって、軸141が軸受孔86から抜けないように軸受孔86に回転可能に装着される。これによって、ばね138がばね受座137と鍔103との間に圧縮された状態でプランジャ139を可動体140の方向に押し、プランジャ139がばね138による弾性作用下で可動体140に支持され、可動体140が左側壁79と右側壁80との間の空間に配置され、可動体140の前端部が機構ケース135よりも前側に突出し、振分機構129が図10に示す形態に組み立てられる。図10において、電磁ソレノイド136が電力の供給を受けてプランジャ139を吸引すると、可動体140が軸141を中心として矢印X1方向に移動し、上記電磁ソレノイド136への電力が遮断されると、プランジャ139がばね138で電磁ソレノイド136から突出し、可動体140が軸141を中心として矢印X2方向に移動する。
図11に示すように、振分機構129が蓋部品6に取り付けられる。それには、振分機構129の可動体140が後部品3の後側から貫通孔127を経由して蓋体59よりも前側に突出され、機構ケース135が後部品3の後側から仕切壁133の間の空間に挿入されて仕切壁115に接触するように押し込まれると、振分機構129が蓋部品6から後側に抜けないように蓋部品6に装着される。その後、カバー125の係合部143が蓋部品6の側に向けられ、フック144が蓋部品6の仕切壁133の左右方向の外側から係合孔134に係合し、振分機構129と蓋部品6とが互いに図12に示す形態に組み立てられる。そして、後部品3に図1に示す前部品2と開閉部品4と軸支持部品5と蓋部品6と開閉機構7とが装着されると、2個の球検出器8を有する入賞部品1が完成する。この入賞部品1によれば、開閉部品4が図6に仮想線で示すように開き、図8に示す可動体140が電磁ソレノイド136への電力の供給で図8に実線示位置から矢印X1方向に移動して仮想線示位置に停止すると、図6の球入口12から後部品3の内部に入った球が図8の振分突起126に衝突して可動体140の側に流れると、当該球は可動体140に衝突して真下に位置する右側の球検出器8の検出孔106から後部品3よりも下部に排出する。矢印X1方向に移動した可動体140が電磁ソレノイド136への電力の遮断で仮想線示位置から矢印X2方向に移動して実線示位置に停止すると、可動体140が振分突起126の前側への最も突出した前端部の真上に位置するので、後部品3の内部に入った球は可動体140に衝突して可動体140で左側の球検出器8の検出孔106から球出口111を経由して入賞部品1の外部に落下する。よって、一方の球検出器8をVスイッチまたは特定入賞スイッチと呼ばれる開閉部品4の開閉を継続させるための継続スイッチとして用い、他方の球検出器8をカウントスイッチまたは普通入賞スイッチと呼ばれる開閉部品4の開放中に入賞部品1に取り込まれた球の個数を計数するための計数スイッチとして用いることができるという利点がある。
図13乃至図16は、電動チューリップと呼ばれる羽根部品154を有する入賞部品151を例示したさらに別の形態である。図13は、入賞部品151を分解して示す。図14は、入賞部品151の外観を前側から示す。図15は、入賞部品151の外観を裏側から示す。図16は、開閉機構155を分解して裏側から示す。
図13乃至図16を参照し、入賞部品151の構成部品について説明する。入賞部品151は、前部品152と後部品153と一対の羽根部品154と球検出器8と開閉機構155とが、止ねじを使用することなく、嵌め合いで、組み合わせられることで構成される。前部品152は、合成樹脂により、前面体156、短係合片157、長係合片158、後部品用フック159、後部品用フック160、検出器用フック161、位置決め突起162、位置決め孔163を一体に備えた形状に構成される。位置決め突起162は、前部品152と後部品153とを互いに組み合わせる場合の位置決めを行うため、短係合片157および長係合片158よりも外側下部において、前面体156の裏面から裏側に突出した棒状である。位置決め孔163は、前部品152と後部品153とを互いに組み合わせる場合の位置決めを行うため、短係合片157および長係合片158の真上において、前面体156に前後方向に貫通した孔である。後部品153は、合成樹脂により、取付体165、一対の支持体166;167、挿入孔168、取付孔169、溝170;171、下部入賞口172、下部球取入部173、下部球排出部174、一対の羽根軸175、一対の位置決め突起176、一対の位置決め孔177、一対の逃孔178、保護部179を一体に備えた形状に構成される。下部入賞口172は、支持体166;167よりも下部に位置し、1個の球の通過可能な大きさで、取付体165に前後方向に貫通する。下部球取入部173は、下部入賞口172の周囲を囲むように、取付体165の前面から前側に突出し、下部球取入部173の上方に形成された開口から下部球取入部173の内部に取り込んだ球を下部入賞口172に誘導するポケット形である。下部球排出部174は、下部入賞口172の周囲を囲むように、取付体165の裏面から後側に突出し、下部入賞口172から排出された球を後方に誘導する横樋形である。羽根軸175は、羽根部品154を個別に回転可能に支持するものであって、支持体166;167の真上に位置し、1個の球の通過可能な左右に相対峙する間隔で、取付体165の前面から前側に直線的に突出した丸棒である。位置決め突起176は、前部品152と後部品153とを互いに組み合わせる場合の位置決めを行うため、羽根軸175の前面から前側に同軸で直線的に突出した、羽根軸175よりも細い棒である。一対の位置決め孔177は、前部品152と後部品153とを互いに組み合わせる場合の位置決めを行うため、下部球取入部173より左右に位置し、取付体165に前後方向に貫通した孔である。逃孔178は、羽根部品154のリンク棒機構を通すため、一対の羽根軸175の周囲で羽根軸175を中心とした1つの円周上に個別に位置し、取付体165に前後方向に貫通した弧状の孔である。一対の羽根部品154は、左右に対称形であって、下部に軸受孔180を備える。保護部179は、羽根部品154に球が直撃するのを防止するために、羽根部品154よりも上部に位置し、取付体165の前面に、1個の球を上下方向に通過可能な貫通孔を囲むように、取付体165の前面の前側に突出した形態に設けられる。
図13および図14を参照し、前部品152と後部品153および羽根部品154の組立方について説明する。図13において、羽根部品154の軸受孔180が後部品153の前側から位置決め突起176を経由して羽根軸175に個別に回転可能に嵌め込まれる。このように取り付けられた羽根部品154は、支持体166;167と干渉することなく、羽根軸175を中心として、取付体165の前面と平行で左右に開閉可能となる。その後、前部品152の位置決め突起162が後部品153の位置決め孔177に嵌め込まれ、前部品152の位置決め孔163が後部品153の位置決め突起176に嵌め込まれ、前部品152における長係合片158の検出器用フック161が後部品153の前側から一方の支持体167の溝171に挿入され、短係合片157の後部品用フック159および長係合片158の後部品用フック160が支持体166;167の溝170;171に挿入されて挿入孔168の周囲における取付体165の裏面に係合し、前面体156の裏面と支持体166;167の前面とが互いに接触し、図14に示すように、前部品152と後部品153および羽根部品154とが互いに組み合わされる。
図15を参照し、開閉機構155の構造について説明する。開閉機構155は、最良の形態の開閉機構7に類似するものであって、機構ケース181、電磁ソレノイド182、ばね受座183、ばね184、プランジャ185、可動体186を備える。機構ケース181、電磁ソレノイド182、ばね受座183、ばね184、プランジャ185は、図4の機構ケース73、電磁ソレノイド74、ばね受座75、ばね76、プランジャ78と同じものを使用する。可動体186は、図1のばね受体93、貫通孔94、周壁95、突起96、ストッパ97、プランジャ嵌合孔98、延設部101、軸102に加え、左右一対のアーム部187、係合溝188を備える。アーム部187および係合溝188は、図1のアーム部99および係合溝100に相当する。そして、図16に示すように、開閉機構155は、後部品153の裏面における機構取付部164の取り付けられ、左右一対のアーム部187の係合溝188が後部品153から裏側に突出した羽根部品154のリンク棒190に係合し、プランジャ185が電磁ソレノイド182の電力供給による吸引とばね184による突出とによって羽根部品154を開閉する。機構取付部164は、開閉機構155を裏側から嵌め込むことによって、開閉機構155を支持する構造であって、図1の機構取付部33に相当する。
図16において、球検出器8の前側が後部品153の裏側から挿入孔168に存在する短係合片157と長係合片158との間に挿入され、検出器用フック161が球検出器8のコネクタ109の設けられた側の裏面に係合する。これによって、球検出孔106が下部球取入部173と羽根部品154との間において、前面体156の裏面と取付体165の前面との間の隙間に配置され、球検出器8が羽根部品154と離れて干渉しない。このように球検出器8が装着されると、短係合片157および長係合片158が、球検出器8で内側に撓まないように支持されるとともに、支持体166;167で外側に撓まないように支持されるので、前部品152と後部品153と球検出器8とが互いに分離しないように組み合わせられ、入賞部品151が図14および図16に示す形態に組み立てられる。つまり、前部品152と後部品153と一対の羽根部品154と球検出器8と開閉機構155とが、止ねじを使用することなく、嵌め合いで、互いに組み合わせられることによって、入賞部品151が構成されるので、止ねじを操作するドライバーのような工具を使用する必要がなく、入賞部品151を簡単に組み立てることができるという利点がある。組み立てられた入賞部品151は、球検出器8が短係合片157と長係合片158とを内側に撓まないよう支持しているので、後部品用フック159;160と取付体165の裏面との係合が外れることがなく、また、検出器用フック161と球検出器8の裏面との係合が解除された後、球検出器8が後部品153の裏側に引き抜かれることによって、球検出器8が取り外せるという利点がある。