JP2006166812A - 納豆の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 納豆中の機能性成分であるナットウキナーゼが増強した納豆の製造方法を提供する。
【解決手段】 酵母エキスおよびトレハロースを、蒸煮大豆当りそれぞれ0.1〜1.5重量/重量%の濃度で含ませて発酵することにより、血栓溶解酵素として知られるナットウキナーゼ含量を増強した納豆を製造する方法を開発した。しかも、本方法で得られた納豆は、風味、食感等は従来からの納豆と何らかわるところがなく、(むしろ糸曳き性は増強)、通常の納豆としてはもちろんのこと機能性食品として利用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、納豆の製造方法に関するものであり、特に、納豆中の機能性成分であるナットウキナーゼを増強する方法に関するものである。
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた独特の香味や糸引き性をもつ日本の伝統的な食品の一つである。
納豆は、大豆由来のタンパク質や食物繊維が豊富なだけでなく、納豆菌により生成されるビタミンB2、ビタミンK2を始めとするビタミン類やナットウキナーゼ(以下、NKと称する場合もある)などの酵素類を含み、さらに、納豆独特の粘性物質であるγ−ポリグルタミン酸(以下、γPGAと称する場合もある)は、その高い保水性から化粧品や石鹸などへ応用が進んでいるほか、食品としてもカルシウムの吸収を促進する効果などが報告されているなど、種々の健康機能を有する食品として注目を集めている。
中でも、NKは、納豆の製造において使用される納豆菌が産生する酵素であって、血栓溶解作用(フィブリン溶解能)を有し、例えば、血栓症、脳卒中、心筋梗塞等の循環器系疾患の予防や治療に有効であるとされている。このような血栓溶解作用といったすぐれた生理作用を示すNKは、納豆固有の成分であるとされ、日常的には、納豆からのみ摂取できる成分であると言っても良い。
そこで、NKを多く含有する納豆を製造するための試みが従来から行われているが、それらの殆どは、NK生産能の高い納豆菌を検索したり(例えば、特許文献1参照)、納豆菌のNK生産能を高めるように改良する(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)などして、NK生産能の高い納豆菌を用いて納豆を製造する方法であった。
これらの方法によれば、納豆中のNK含有量を高めることができるが、反面、NK高生産性納豆菌を検索したり、納豆菌を改良したりするのに多大な労力を要する上に、従来使用されていた納豆菌とは異なる納豆菌を用いて納豆の発酵が行われるために、納豆の品質が従来と変化してしまう可能性があるなど、多くの問題があり、未だ充分なものではなかった。
このことから、納豆菌としては従来から使用されている菌を用い、NK含有量を高めること以外には、品質は殆ど変化させない納豆を製造できる方法を開発することが求められていた。
なお、納豆の発酵の際に、酵母生菌体を添加して発酵させて芳香納豆を製造する方法(例えば、特許文献4参照)や死滅酵母を添加して発酵させて納豆臭の低下した納豆を製造する方法(例えば、特許文献5参照)や、トレハロースなどの糖類を添加して発酵させてアンモニア臭の低減した納豆を製造する方法(例えば、特許文献6参照)などが開示されているが、これまでに酵母エキスとトレハロースを共に添加して納豆を発酵生産した事例はなかったのが実情である。
特開2000−152779号公報 特開平6−261744号公報 特開2004−222516号公報 特開2002−253162号公報 特開平10−136925公報 特開平4−287655号公報
以上のように、本発明は、NK含有量の高い納豆を製造する方法を提供するものであり、さらに詳細には、納豆菌としては従来から使用されている菌を用い、NK含有量を高めること以外には、品質は殆ど変化させない納豆を製造できる方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ね、その過程において、発酵前の蒸煮大豆中に、予め酵母エキスならびにトレハロースを加えることで、納豆菌の働きを活発化し、NK含有量を高めた納豆の生産が可能になることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、酵母エキスとトレハロースを使用することを特徴とする納豆の製造、特にNK(及び、更にγPGA)高含有納豆の製造に関するものであり、例えば、次のような発明が包含される。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、蒸煮大豆に対し、酵母エキス及びトレハロースをそれぞれ0.1〜1.0重量/重量%濃度となるように含有させて発酵することを特徴とする納豆の製造方法に関する。
また、請求項2に記載の本発明は、納豆容器に、発酵助剤を適用後、納豆菌を摂取した蒸煮大豆を充填し、発酵することを特徴とする納豆の製造方法に関する。
また、請求項3に記載の本発明は、納豆容器に、酵母エキス及びトレハロースを適用後、納豆菌を接種した蒸煮大豆を充填し、発酵することを特徴とする請求項1に記載の納豆の製造方法に関する。
さらに、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とする納豆に関する。
更にまた、本発明は、上記方法で製造されたNK(及び更にγPGA)高含有納豆、酵母エキス及びトレハロースを有効成分としてなる(あるいは使用してなる)NK(及び更にγPGA)増強剤(あるいは増強方法)にも関するものである。
本発明により、NK高含有の納豆を簡便に製造する方法を提供することができる。しかも、その際、風味、食感等は従来の納豆と異なることなく(むしろ、糸曳き性は更に増強される場合もある)、NK含量を高めた納豆を製造することができ、γPGA量を高めた納豆も製造することができ、更には、NKとγPGAの双方を高めた納豆も製造することができる。
また、NKは血栓溶解作用というすぐれた機能を有しているので、NK含量の高い本発明に係る納豆は、美味で栄養性の高い食品のほか、機能性食品として、例えば血栓症等の循環器系疾患の予防に利用することもできる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における納豆としては糸引き納豆のことを指すが、大豆粒を浸漬・蒸煮後、納豆菌を接種して発酵し、その後、熟成させたいわゆる丸大豆納豆や、挽き割った大豆を原料として製造される挽き割り納豆など、特に種類は問わず、従来から市販されている公知のものでよい。
このような納豆の製造方法としては、例えば、一般的な丸大豆を原料として製造されたいわゆる丸大豆納豆の場合は、一般に原料である丸大豆を冷水に十数時間浸漬した後、蒸煮釜で加圧蒸気を用いて加圧蒸煮(1.5〜2Kg/cm2、128〜133℃)して得られた蒸煮大豆に対して、高温状態(70〜100℃)で納豆菌を接種し混合した後、所定の容器に充填してから発酵室に搬入して比較的高温度(40〜55℃程度)で所定時間(12〜48時間程度)発酵させた後、5℃前後で冷蔵熟成(12〜72時間程度)して完成させるのが一般的である。また、挽割り納豆の場合は、予め挽割った大豆を水に浸漬する以外は、通常の丸大豆納豆の場合と同様の方法で製造される。
なお、発酵に用いられる納豆菌には特に制限はなく、通常納豆工業で使用されている発酵能力に優れた納豆菌や、自然界から分離取得された納豆菌、およびさらに改良を重ねて得られた優れた納豆菌などを用いるのが望ましく、各種の納豆菌が広く使用できる。
納豆菌は、枯草菌バチルス・サチリス(Bacillus subtilis)に分類されているが、粘質物(糸引物質)などの納豆としての特徴をつくり出すことができ、納豆発酵での主体をなす細菌であって、また生育にビオチンを要求するとされるなどの特性を有していることなどから、バチルス・ナットウ(Bacillus natto)として分類されたり、枯草菌の変種としてBacillus subtilis var.nattoあるいはBacillus subtilis(natto)などと枯草菌と区別して分類している文献もある。納豆菌としては、Bacillus natto IF03009、Bacillus subtilis IF03335、同IF03336、同IF033936、同IF013169などがあり、市販の納豆菌も適宜使用できる。
具体的には、市販納豆から分離したO−2株や該株の形質転換効率向上性変異株であるr22株(例えば、特開2000−224982号公報参照)などが挙げられ、また市販の納豆種菌である高橋菌(T3株、東京農業大学菌株保存室)や宮城野菌(宮城野納豆製作所)など各種の納豆菌が適宜使用可能である。
以上の方法によって、納豆を製造することになるが、本発明においては、蒸煮後の大豆に対して、酵母エキスとトレハロースを所定濃度で含有させ、納豆菌による発酵に供することになる。
本発明に用いられる酵母エキスは、ビール酵母、トルラ酵母、パン酵母などの食用酵母を酵素分解自己消化により酵母菌体を分解して抽出したエキスを指し、濃縮したペースト状のものや乾燥した粉末状のものが市販されている。保存目的で20%程度までの濃度の食塩が加えられていたり、調味目的で20%程度までの濃度でアミノ酸や核酸などの調味料が加えられているものでもかまわない。
また、本発明で用いられるトレハロースは、市販のトレハロース製品が使用でき、例えばトレハ(林原社製)などが利用可能である。
酵母エキス及びトレハロースの含有量は、蒸煮大豆当り0.1〜1重量/重量%が好ましい。0.1重量/重量%未満の含有量では、NK生産量を高める効果が弱く、好ましくない。また、トレハロースを1重量/重量%よりも多く添加してもNK生産量は次第に低下する傾向が認められるので好ましくなく、酵母エキスを1重量/重量%より多く添加すると次第に酵母エキス由来の風味が納豆につき、納豆の品質が変化することから好ましくない。蒸煮大豆に酵母エキス及びトレハロースを含有せしめるには、混合、根捏、浸透、散布、塗布、噴霧、注入の少なくともひとつの処理を行なえばよい。
酵母エキス及びトレハロースを添加する時期としては、発酵前であれば納豆製造工程中のいずれの時点でもよく、たとえば、大豆の浸漬工程、蒸煮工程、発酵の直前の段階で添加することが好ましい。両者は同時に添加してもよいし、時期をずらして添加してもよい。
本発明に係る納豆の製造方法としては、蒸煮大豆に酵母エキス及びトレハロースを含有せしめ、納豆菌を接種して発酵せしめる上記した方法のほか、空の納豆製造用発酵容器に、酵母エキス及びトレハロースを液状、粉末状又はペースト状等適宜な状態で適用(例えば、注入、スプレー、塗布、散布の少なくともひとつ)した後、納豆菌を接種した蒸煮大豆を充填し、発酵せしめることもできる。
最も好ましい添加時期としては、例えば盛込機と連動させた充填装置を使用し、空の発酵容器に液状の酵母エキスならびにトレハロースを添加し、その後、納豆菌を噴霧した蒸煮大豆を充填した後、発酵すれば、酵母エキスならびにトレハロースを定量的、かつ、高い歩留まりで添加できる。また、この添加方法では、酵母エキスならびにトレハロースによる生産ラインの汚れが発生せず、生産切り替え時のライン洗浄の負担が軽減される。
このような方法は、酵母エキスやトレハロースのみならず、発酵助剤等を添加する納豆の製造においては、上記の如く、発酵助剤等を適量分溶解した溶液を予め調製し、その後納豆容器の中に該溶液を添加し、その後、納豆菌を接種した蒸煮大豆を充填した後、発酵工程に供する方法として、広く適用可能な方法である。
発酵助剤としては、酵母エキス、トレハロース、スクロースを包含する次のものが例示される。
発酵助剤:酵母エキスやスクロース、キシロース、アラビノース、リボース、マルトース、トレハロース、セロビオース、メリビオースなどの糖類、マンニトールやキシリトールなどの糖アルコール、コハク酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
以上の如く、酵母エキスならびにトレハロースを添加すること以外は、原料および製造工程において何ら制限されることなく、従来の方法と同様の方法によって、ナットウキナーゼ(NK)含有量の高い納豆を製造することができる。
本発明によれば、NK含有量の高い納豆を得ることができ、例えばNK含有量55FU/g以上のものを得ることができ、例えば60FU/g以上、更には70FU/g以上、更には80〜90FU/g以上のものも得ることができる。後記実施例では、55〜98FU/gのデータが例示されており、99以上あるいは100FU/g以上のものも充分に可能である。このように本発明によれば、市販の納豆に比して、その1.5〜2倍以上のNKを含有した納豆を得ることができる。また、本発明によれば、γPGA量も高めることができ、γPGA含有量5mg/g以上の納豆を得ることができ、例えば6mg/g以上、7mg/g以上、8mg/g以上、9mg/g以上、10mg/g以上、11mg/g以上、12mg/g以上、更には13mg/g以上(例えば14〜15mg/g)の高γPGA含有納豆を得ることもできる。事実、後記実施例においては、4〜13mg/g納豆のデータが示されている。
上記のように本発明は、高NK含有納豆、高γPGA含有納豆、高NK及び高γPGA含有納豆自体、それらの製造方法を提供するほか、酵母エキスとトレハロースを併用することによる納豆中のNK(更にはγPGA)増強方法、同増強剤も提供するものである。したがって、本発明に係る納豆は、通常の納豆のほか、健康食品及び/又は機能性食品として利用することもできる。
なお、ナットウキナーゼ(NK)の活性量は、通常の分析法(例えば、日本健康・栄養食品協会発行「健康補助食品規格基準集(その2)「ナットウキナーゼ活性測定法」参照)によって実施され、発酵管理に利用される。
すなわち、ナットウキナーゼ(NK)測定法としては、以下の通りである。
(ナットウキナーゼの測定法)
納豆20gに0.9%NaClを含む0.05mol/リッター濃度のホウ酸緩衝液(pH8.5)(以下、ホウ酸緩衝液)を200ml加え、10℃以下で60分間撹拌抽出し、遠心分離後の上清をホウ酸緩衝液で適宜希釈したものを試料液とした。
試験管にフィブリノーゲン溶液(96mg/10mlホウ酸緩衝液)を0.4ml、ホウ酸緩衝液1.4mlをとり、37℃湯浴中で5分温めた後、トロンビン溶液(20U/mlホウ酸緩衝液)を0.1ml加え撹拌、10分放置した後に試料液を0.1ml加えて撹拌し、反応を開始した。
試料を添加してから20分後、40分後に各5秒間撹拌し、正確に60分後、0.2mol/リッター濃度のトリクロロ酢酸(以下TCA)2mlを加えて撹拌し、37℃で20分間放置した。この液をマイクロチューブに移し遠心分離後、上清の275nmにおける吸光度(At)を測定した。
別に、試験管にフィブリノーゲン溶液(96mg/10mlホウ酸緩衝液)を0.4ml、ホウ酸緩衝液1.4mlをとり、37℃湯浴中で5分間温めた後、トロンビン溶液(20U/mlホウ酸緩衝液)を0.1ml加え撹拌、10分放置した後に0.2mol/ITCA2mlを加えて撹拌し、更に試料液0.1mlを加え撹拌した。この液を37℃で20分間放置し、上記と同様にして吸光度(Ab)を測定した。
以上の得られた吸光度から、以下の式よりNK活性量を求めた。
NK活性(FU/g)=(At−Ab)/0.01×1/60×1/0.1×D
(但し、D:試料液の希釈倍数)
なおフィブリノーゲンはシグマ社製牛血漿由来のフラクションIタイプI−Sを、トロンビンはシグマ社製牛血漿由来のものを用いた。
また、γ−ポリグルタミン酸(γPGA)の分析方法は、常法(例えば、日本食品工学会誌、142巻、11号、p.878〜886(1995年)参照)に従った。
(γ−ポリグルタミン酸の測定法)
納豆10gに2.5%TCAを約20ml加えて撹拌後、0〜10℃で一晩抽出した。それを50℃湯浴中で10分間温めて、50ml容量のメスフラスコにスポイトで上清を移し、再度2.5%TCAを約20mlを加えて50℃湯浴中で10分間温め、ナイロンメッシュで豆を取り除き、上清を同メスフラスコヘ加え、2.5%TCAで50mlにメスアップした。遠心分離後、上清20mlとり、NaOHで中和したのち、25ml容量メスフラスコに移し、蒸留水でメスアップした。その液を5ml、エタノールを20ml混和し、氷上で10分以上放置したのち遠心分離を行い、上清を捨て、沈殿に20mMリン酸緩衝液(pH7.0)(以下リン酸緩衝液)を20ml加え、溶解させたものを試料とした。
試験管にリン酸緩衝液2.4ml、試料液0.1mlを加え、撹拌した後、0.1Mセタブロン/1M NaCl溶液を0.5ml加えて撹拌し、30℃で20分放置したものを、400nmにおける吸光度を測定した。シグマ製ポリグルタミン酸標準品を0.1mg/mlになるようリン酸緩衝液に溶解したもので検量線を作成し、試料液のPGA量を求めた。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
水道水に、粉末酵母エキス(武田キリン社製:酵味)及びトレハロース(林原社製:トレハ)をそれぞれ30重量/重量%になるように溶解し、その後、121℃で15分間滅菌処理して、酵母エキス溶液、及びトレハロース溶液を調製した。
一方、乾燥丸大豆を約20時間室温で水に浸漬後、0.18Mpaで18分間、蒸煮釜にて蒸煮した。蒸煮完了後、蒸煮釜から蒸煮大豆を取り出し、その後、蒸煮大豆1g当り2000個の濃度となるように納豆菌胞子液を噴霧して、納豆菌接種蒸煮大豆を調製した。
その後、納豆容器(紙パック製)に、前記の酵母エキス溶液およびトレハロース溶液を、蒸煮大豆当りの終濃度がそれぞれ0〜1.5重量/重量%になるように添加し、さらに約35gの上記の納豆菌接種蒸煮大豆を充填し、皮膜をかけ、トップシールをした後、約40℃で18時間発酵させた。
発酵終了後、5℃で24時間冷蔵熟成させた後、各納豆中のNK量及びγPGA量を測定し、その結果をそれぞれ表1及び表2に示した。
(表1)
ナットーキナーゼ(NK)生産量(FU/g)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
酵母エキス含有量 トレハロース含有量(重量/重量%)
(重量/重量%) 0 0.1 0.4 1 1.5
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
0 36.4 44.0 47.2 48.9 48.0
0.1 40.4 55.0 65.2 65.5 68.3
0.4 48.2 58.8 97.2 80.0 66.6
1 52.4 62.1 97.4 80.3 69.3
1.5 46.4 60.0 73.9 83.6 64.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(表2)
γ−ポリグルタミン酸(γPGA)生産量(mg/g)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
酵母エキス含有量 トレハロース含有量(重量/重量%)
(重量/重量%) 0 0.1 0.4 1 1.5
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
0 5.0 5.3 5.0 4.8 2.8
0.1 7.8 8.0 7.1 6.7 5.3
0.4 9.4 9.8 9.8 9.0 6.2
1 12.6 12.2 11.6 9.4 6.3
1.5 12.4 12.0 10.8 9.2 5.4
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
以上の結果、酵母エキス及びトレハロースを併用した時に、NK生産量は、55〜98FU/gと市販品の1.5〜2倍以上も顕著に増大することが確認できた。
酵母エキス及びトレハロースの添加効果は、0.1重量/重量%と比較的低濃度から発揮されることが確認でき、添加濃度を増加させるにつれて効果は増加した。
しかし、1重量/重量%よりも添加量を増やしても、それ以上は大きな効果が認められず、かえって、NK生産量は低下する傾向が認められた。
従って、酵母エキス及びトレハロースの好ましい添加濃度は、0.1重量/重量%〜1重量/重量%、更に好ましくは0.3重量/重量%〜0.8重量/重量%であることが確認された。
なお、このような酵母エキス及びトレハロースの添加領域においては、納豆の糸引き性の原因物質であるγPGAの生産量も顕著に増大し、好ましい納豆が製造できることが確認された。

Claims (7)

  1. 蒸煮大豆に対し、酵母エキス及びトレハロースをそれぞれ0.1〜1.0重量/重量%濃度となるように含有させて発酵することを特徴とする納豆の製造方法。
  2. 納豆容器に、発酵助剤を適用後、納豆菌を摂取した蒸煮大豆を充填し、発酵することを特徴とする納豆の製造方法。
  3. 納豆容器に、酵母エキス及びトレハロースを適用後、納豆菌を接種した蒸煮大豆を充填し、発酵することを特徴とする請求項1に記載の納豆の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とする納豆。
  5. 納豆がナットウキナーゼ高含有納豆であることを特徴とする請求項4に記載の納豆。
  6. 酵母エキス及びトレハロースを有効成分としてなることを特徴とするナットウキナーゼ増強剤。
  7. 更に、γ−ポリグルタミン酸も増強するものであることを特徴とする請求項6に記載のナットウキナーゼ増強剤。
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