JP2006166016A - 宅内電力線搬送通信システム - Google Patents

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Takashi Shimokuchi
剛史 下口
Masashi Kuwabara
昌史 桑原
Takeo Kusumoto
武生 楠本
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Abstract

【課題】 外部への漏洩電磁界の増加を抑制したり、クロストークの発生を抑制することができる宅内電力線搬送通信システムを提供する。
【解決手段】 PLCユーザ家屋10内に配される屋内配電線20を信号伝送路として通信を行うシステムであり、屋内配電線20の終端(コンセント205A、205B)を介して屋内配電線20に副モデム2a、2bを接続させ、これら副モデム2a、2bには、パソコンなどの端末機器204A、204Bを接続させている。これら副モデム2a、2bは、通信信号の送受信を直接行わず、主モデム1を介して相互に通信を行う。そして、主モデム1を屋内配電線20の分岐を行う分電盤206近傍に配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家屋内に配される屋内配電線を利用して通信を行う宅内電力線搬送通信システムに関するものである。特に、上記宅内電力線搬送通信を行う家屋の外部への漏洩電磁界の増加や、宅内電力線搬送通信を行う家屋間のクロストークを効果的に低減することができる宅内電力線搬送通信システムに関する。
近年、電力線に高周波信号を重畳して高速通信を行う電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)が検討されている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
図4は、PLC方式の通信システムの概要を模式的に示した説明図であり、PLCユーザ家屋が一戸建て住宅の場合を示す。以下、図において同一符号は、同一物を示す。この方式は、PLCユーザ家屋200に電力供給を行う電力線を信号伝送路として利用するものである。図4に示す例では、上位のネットワーク300から、電柱101に配置されたトランス102側までの通信に光ファイバケーブル103を用い、トランス102側から家屋200までの通信に低圧配電線100、引込線201、屋内配電線202などの電力線を用いる。低圧配電線100や光ファイバケーブル103が架設される電柱101上には、上位のネットワーク300と接続されて通信信号の送受信を行うPLCモデム(親モデム)104を具える。家屋200内には、親モデム104との間で通信信号の送受信を行うPLCモデム(子モデム)203A、203Bを具える。子モデム203A、203Bには、パソコンなどの端末機器204A、204Bが接続され、PLCユーザは、端末機器204A(又は204B)及び子モデム203A(又は203B)を介して、親モデム104からの通信信号を受信/親モデム104に通信信号を送信する。即ち、親モデム104を介して、外部との通信を行うことができる。
また、PLCユーザ家屋200では、屋内配電線202を利用した宅内LANを構築することができる。このシステムには、子モデムのみを利用する方式と、親モデムを介する方式とがある。前者の場合、例えば、端末機器204Aからの通信信号を子モデム203A→コンセント205A→屋内配電線202→コンセント205B→子モデム203B→端末機器204Bの順で伝送することで、端末機器204Aと端末機器204B間で通信を行うことができる。後者の場合、例えば、端末機器204Bからの通信信号を子モデム203B→コンセント205B→屋内配電線202→分電盤206→引込線201→親モデム104→引込線201→分電盤206→屋内配電線202→コンセント205A→子モデム203A→端末機器204Aの順で伝送することで、端末機器204Aと端末機器204B間で通信を行うことができる。
特開平10-145265号公報 江藤潔、「電力線搬送(PLC:Power Line Communication)の現状」、Interface、CQ出版社、2000年9月、p.70-81
家屋内に配される屋内配電線は、通常、電柱や地中などの家屋外に布設される低圧配電線を複数に分岐させて家屋に引き込み、この引き込まれた引込線を更に分電盤を介して複数に分岐させていることが多い。即ち、全ての屋内配電線は、分電盤にて接続される。そのため、例えば、図4において子モデム203Aから子モデム203B(或いは親モデム104)に向けて通信信号を送信した際、この通信信号は、子モデム203Aが接続される屋内配電線202から分電盤206に伝送され、分電盤206から子モデム203Bが接続される屋内配電線202に伝送される。このとき、複数の屋内配電線が集合された分電盤206を経ることで、子モデム203A、203Bが接続される屋内配電線以外の屋内配電線にも通信信号が伝送されてしまい、分岐ロスによって信号が減衰する恐れがある。特に、減衰の程度によっては、本来通信信号を受信するはずの子モデム203Bに信号が伝送されない恐れがある。
また、屋内配電線の終端(コンセント)は、高周波である通信信号に対して開放端である。そのため、子モデム203Aから発信された通信信号(送信信号)が子モデム203Bが接続される屋内配電線以外の屋内配電線に伝送された際、信号が伝送された屋内配電線の終端近傍でインピーダンスの不整合により反射して、この反射波も子モデム203Bに伝送されることがある。この反射波の位相が子モデム203Aからの送信信号の位相と逆相の場合、送信信号が反射波によって打ち消されて、本来通信信号を受信するはずの子モデム203Bに信号が伝送されない恐れがある。
上記分岐ロスや反射波による減衰に影響されず、通信状態を良好にするためには、信号を送信する側の子モデム203Aの送信出力を大きくすることが効果的である。しかし、送信出力を大きくすることで、外部への漏洩電磁界が増加するという問題がある。
また、PLCユーザ家屋200における送信出力が大きいことで、家屋200と同じトランス102の配電系統にあり家屋200に近接する家屋、即ち、トランス区間が同じで、家屋200と共通の低圧配電線100から分岐された引込線が引き込まれる家屋210や家屋220にも家屋200からの通信信号が低圧配電線100を介して伝送される恐れがある。また、家屋210や家屋220がPLCユーザ家屋200と同じく屋内配電線を利用して宅内LANを構築している場合、逆に家屋210、220からの信号が低圧配電線100を介して家屋200に伝送される恐れがある。即ち、屋内配電線利用の宅内LANユーザ家屋に具える子モデムにこの子モデムが本来得ようとしていた通信信号以外の信号が伝送される、いわゆるクロストークが生じるという問題がある。特に、隣接し合う家屋間では、信号の減衰が小さいため、クロストークによる影響が大きい。
そこで、本発明は、屋内配電線を利用した宅内電力線搬送通信を行うにあたり、外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を低減することができる宅内電力線搬送通信システムを提供することにある。
本発明は、外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を低減するにあたり、二つの手法を提案する。一つは、送信出力を過度に大きくすることなく通信状態を良好にすることができる構成を提案する。
(手法1 分岐部配置)
即ち、本発明は、分岐部により分岐された複数の屋内配電線を信号伝送路として通信を行う宅内電力線搬送通信システムである。このシステムには、前記分岐部近傍に配置される主電力線搬送通信装置と、前記屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える。
本発明では、屋内配電線を信号伝送路とし、屋内配電線に接続される複数の副電力線搬送通信装置(以下、副モデムと呼ぶ)同士で通信信号の送受信を行うにあたり、家屋内に主電力線搬送通信装置(以下、主モデムと呼ぶ)を具えておき、各副モデムはそれぞれ、主モデムとのみ通信を行うものとする。即ち、副モデム同士では、通信信号の送受信を直接行わず、主モデムを介して副モデム間の通信を行うものとする。そして、屋内配電線の分岐を行う分岐部近傍に主モデムを配置する。この構成により、信号発信側の副モデム(ここでは副モデムAと呼ぶ)から主モデムを介さずに信号受信側の副モデム(ここでは副モデムBと呼ぶ)に伝送する場合と比較して、送信出力のレベルを小さくすることができる。
例えば、屋内配電線を信号伝送路として副モデムAが副モデムBと直接通信を行う場合、副モデムAが発信した信号は、副モデムA→副モデムAが接続される屋内配電線(ここでは配線Aと呼ぶ)→(分電盤→)副モデムBが接続される屋内配電線(ここでは配線Bと呼ぶ)→副モデムBという連続した経路で伝送される。そして、分電盤から配線Bに伝送される際、配線B以外の屋内配電線にも副モデムAからの信号が伝送されて減衰するため、副モデムAからの送信出力のレベルを大きくしなければならない。これに対し、上記構成を具える本発明では、副モデムAが発した信号の経路が主モデムで一旦が切断される。即ち、副モデムA→配線A→(分電盤→)主モデムという経路と、主モデム(→分電盤)→配線B→副モデムBという経路の二つの経路に別れる。そのため、副モデムAが発した信号の経路が見かけ上、短くなることで伝送ロスを低減できることから、副モデムAの送信出力のレベルを小さくすることができる。また、主モデムが副モデムBに信号を発信する際も、経路が短いことで伝送ロスを低減できるため、送信出力のレベルを小さくすることができる。従って、本発明は、主モデムや副モデムが信号を発信することによる外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を低減できる。また、副モデムAから受信した信号を主モデムは再生して副モデムBに送信するため、副モデムBが受信する信号は、主モデムを介さず副モデムAから送信された信号を受ける場合と比較して、減衰が少ない。
他の一つとして、家屋間で相互に送信出力のレベルを監視して、送信出力の調整を行うことを提案する。
(手法2 相互監視)
即ち、本発明は、共通する屋外配電線に接続されると共に、家屋ごとに対応して設置される複数の主電力線搬送通信装置と、前記屋外配電線を経由して各家屋内に分岐される屋内配電線を信号伝送路とし、この屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える宅内電力線搬送通信システムである。このシステムにおいて各主電力線搬送通信装置はそれぞれ、他の家屋からの漏洩信号を受信した際、受信した漏洩信号のS/N比を検出する検出部と、前記検出部からのS/N比検出結果を当該他の家屋の主電力線搬送通信装置に通知する通知部とを具える。そして、検出部により検出されたS/N比検出結果及び通知部により通知された結果に基づいて、以下に示す1〜4のいずれかの送信出力の調整を行う。
1. 当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置から当該家屋に具える副電力線搬送通信装置への送信出力の調整
2. 当該家屋に具える副電力線搬送通信装置から当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置への送信出力の調整
3. 当該他の家屋が利用する主電力線搬送通信装置から当該他の家屋に具える副電力線搬送通信装置への送信出力の調整
4. 検出部により検出されたS/N比検出結果と通知部により通知された結果とが均等になるように、当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置から当該家屋に具える副電力線搬送通信装置への送信出力の調整、及び他の家屋が利用する主電力線搬送通信装置から他の家屋に具える副電力線搬送通信装置への送信出力の調整
この手法2(相互監視)も上記手法1(分岐部配置)と同様に、屋内配電線を信号伝送路とし、屋内配電線に接続される複数の副電力線搬送通信装置(以下、副モデムと呼ぶ)同士で通信信号の送受信を行うにあたり、主電力線搬送通信装置(以下、主モデムと呼ぶ)を介して行うものとする。そして、共通する屋外配電線に接続されると共に、各家屋で利用する主モデムはそれぞれ、他の家屋からの漏洩信号によるS/N比を検出すると共に、この検出結果を他の家の主モデムに通知し、これらの結果に基づいて、当該家屋の主モデム、副モデム、他の家屋の主モデムのいずれかにおいて送信出力の調整を行う。即ち、このシステムは、各家屋で利用する主モデム同士がそれぞれ相互に通信状態を監視して、送信出力の制御を行う構成である。この構成により、ある家屋において発信された信号が他の家屋にノイズとして伝送されることを低減することができる。即ち、主モデムや副モデムが信号を発信することによる外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を低減することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
屋外配電線としては、商用周波数(例えば、50Hz、60Hz)のAC100V、AC200Vなどの電圧が与えられ、電柱や地下などに布設されて家屋などに電力供給を行う低圧配電線が挙げられる。この屋外配電線は、複数の家屋に電力供給を行うべく複数の分岐線(引込線)が接続され、各家屋は、引込線を介して電力供給が行われる。家屋内では、屋外配電線から引き込まれた引込線が分岐部により複数の分岐線(屋内配電線)に分岐され、これら屋内配電線はそれぞれ、家屋内の部屋などの空間に配され、空間内に具える電力機器などに電力供給を行う。なお、本発明において家屋とは、一戸建て住宅や集合住宅などの一般的住居の他、雑居ビル、オフィスビルなどの商業用ビルなどが挙げられる。
本発明では、このような屋内配電線を信号伝送路として家屋内において通信を行うべく、屋内配電線には、複数の副電力線搬送通信装置(以下、副モデムと呼ぶ)を接続させる。そして、副モデム同士は、信号の送受信を直接行わず、主電力線搬送通信装置(以下、主モデムと呼ぶ)を介して行うものとし、各家屋は、それぞれ異なる主モデムを利用するものとする。即ち、家屋ごとに対応した主モデムが存在する。なお、家屋が集合住宅や商業用ビルなどといった独立した空間(家や部屋)が複数存在する場合は、空間ごとに主モデムを具えてもよい。
このような主モデムは、ある副モデムからの通信信号を屋内配電線から抽出し、抽出した信号を再生して屋内配電線に注入して別の副モデムに送信可能な構成を具えるものが挙げられる。特に、複数の副モデムに対して通信信号の伝送が可能な構成、具体的には、例えば、各副モデムのタイムシェアリングを制御して、副モデムのそれぞれに通信信号の伝送を行う構成を具えるものを利用してもよい。副モデムは、パソコンなどの端末機器が接続されて、端末機器からの通信信号を屋内配電線に注入して主モデムに送信でき、主モデムからの通信信号を屋内配電線から抽出して端末機器に送信可能な構成を具えるものが挙げられる。
各モデムの変調方式としては、例えば、単一周波数の正弦波を広い周波数に分散して送信し、受信時に元の単一周波数の正弦波に復元するSS(Spread Spectrum;周波数拡散)方式、信号を直交する多数の周波数の正弦波に分割し、分割した波データを密に重畳するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex;直交化周波数多重)方式、その他FSK(Frequency shift keying;周波数変調)方式、PSK(Phase Shift Keying;位相変調)方式などが挙げられる。また、主モデムから副モデムへの送信方式は、時間を複数の信号(データ)に割り当てて送信する時分割多重方式、或いは周波数帯域を複数の信号に割り当てて送信する周波数分割多重方式のいずれも利用することができる。
上記主モデムは、手法1(分岐部配置)の場合、分岐部の近傍に配置する。分岐部としては、例えば、家屋が一戸建て住宅の場合、屋外配電線から分岐された引込線が引き込まれ、複数の屋内配電線に分岐する分電盤が挙げられる。分電盤内に主モデムを配置してもよい。また、屋内配電線は、単相3線式の形態がよく用いられており、これら3線は、第一電源線、中性線、第二電源線から構成される。分電盤内では、これら3線のうち、中性線といずれかの電源線とを組み合わせて分岐している。即ち、屋内配電線には、第一電源線と中性線とからなるもの、第二電源線と中性線とからなるものが存在する。そのため、屋内配電線の終端であるコンセントには、第一電源線−中性線で規定電圧(例えば100V又は200V)をとるものと、第二電源線−中性線で規定電圧(同)をとるものとが混在していることがある。このとき、第一電源線−中性線の終端に接続される副モデムと、第二電源線−中性線の終端に接続される副モデムとが通信を行おうとすると、第一電源線と第二電源線とが中性線に対して互いに逆相であるため、信号の減衰量が大きくなり、十分に通信が行えないことがある。しかし、主モデムを分電盤近傍の上記3線の全てに接続させることで、この主モデムは、第一電源線−中性線の終端に接続される副モデムからの信号も、第二電源線−中性線の終端に接続される副モデムからの信号も抽出することができると共に、双方の副モデムに信号を発信することができる。即ち、上記主モデムを介することで、位相の異なる電源線からなる屋内配電線の終端に接続された副モデム同士であっても、通信を行うことができるようになる。
上記のように手法1(分岐部配置)では、主モデムの配置箇所を工夫することで、送信出力を過度に大きくする必要がないため、外部への漏洩電磁界の増加やクロストーク発生を低減することができる。この手法1において漏洩電磁界やクロストークをより効果的に低減するために、主モデム及び副モデムの双方において、一方のモデムから信号を受信した他方のモデムは、受信した信号のS/N比を検出し、このS/N比検出結果を両モデム相互に通知し合い、他方のモデムが検出したS/N比検出結果と一方のモデムからの通知結果とに基づいて、送信出力の調整を行うことを提案する。このとき、主モデムには、副モデムから信号を受信した際、受信信号のS/N比を検出する第一検出部と、この第一検出部からの検出結果を副モデムに通知する第一通知部とを具えておく。副モデムには、主モデムから信号を受信した際、受信信号のS/N比を検出する第二検出部と、この第二検出部からの検出結果を主モデムに通知する第二通知部とを具えておく。また、主モデム及び副モデムは、変調方式としてOFDMを利用することで、双方においてS/N比を検出することができる。更に、主モデムは、複数の副モデムと通信を行うため、複数の異なる周波数の信号を同時に受ける場合が考えられる。このとき、S/N比の検出に当たり、FFT(Fast Fourier Transform)を用いれば、複数の異なる周波数における信号レベルを検出することができる。なお、本発明においてS/N比とは、信号を受信した際のレベルと、信号を受信していないときのレベルとの比とする。従って、上記信号レベルも検出することができる。これら変調方式、検出方法、S/N比の規定については、後述する手法2(相互監視)についても同様である。
主モデム、副モデムにおいてそれぞれ検出したS/N比は、相互に通知し合う。S/N比の通知は、本来送信する通信信号の中に重畳して同時に伝送してもよいし、同通信信号とは別に伝送してもよい。
各モデム(信号送信側のモデム)は、信号受信側のモデムから通知されたS/N比により、信号受信側のノイズをある程度推測することができる。そこで、本発明では、信号送信側のモデムにおいて、信号受信側のモデムから通知されたS/N比に基づき、規定のS/N比を確保するのに必要な送信出力の調整を行う。即ち、主モデムは、副モデムから通知されたS/N比に基づいて、自己(主モデム)の送信出力の調整を行い、副モデムは、主モデムから通知されたS/N比に基づいて、自己(副モデム)の送信出力の調整を行う。このように主モデム、副モデムの双方は、相互にS/N比を通知し合って、規定のS/N比を確保するために必要な送信出力を制御することで、送信にあたり、必要以上に送信出力を大きくする必要がない。従って、外部への漏洩電磁界やクロストークをより低減することができる、好ましくは最小限にすることができる。
一方、手法2(相互監視)では、各家屋が利用する主モデムがそれぞれ、他の家屋からの漏洩信号を受信した際に漏洩信号のS/N比を検出すると共に、漏洩信号を発信した他の家屋に検出したS/N比検出結果を通知する機能を有するものとする。そして、各主モデムは、自己が検出したS/N比検出結果と他の家屋から通知された通知結果とを考慮して、自己(主モデム)自体、この主モデムと通信を行う副モデム、漏洩信号を発した他の家屋が利用する主モデムのいずれかにおいて、送信出力の調整を行わせる。宅内電力線搬送通信のみを行う場合、他の家屋との間で信号の送受信を行う必要はない。しかし、各家屋が利用する主モデムが共通の屋外配電線で接続される場合、ある家屋が利用する主モデムがその家屋に具える副モデムに送信を行うと、この主モデムが接続される屋外配電線を介して、他の家屋が利用する主モデムにも信号が伝送されることがある。即ち、家屋間において、互いに漏洩信号が伝送されることがある。そして、この漏洩信号は、漏洩信号を受信した家屋における宅内電力線搬送通信の通信状態を劣化させる恐れがある。そこで、本発明では、共通の屋外配電線で接続される主モデムを利用する各家屋において主モデムはそれぞれ、漏洩信号の受信時に受信した漏洩信号のS/N比を検出し、検出されたS/N比から漏洩信号を発した家屋(以下、相手家屋と呼ぶ)の送信レベル(ノイズ)を把握すると共に、漏洩信号を受けた家屋(以下、当該家屋と呼ぶ)の主モデムは、検出したS/N比を相手家屋に通知する。各家屋の主モデムは、このS/N比の検出と、検出したS/N比の通知とを行う。そのため、当該家屋の主モデムは、相手家屋から通知されたS/N比から相手家屋に与えている影響(妨害レベル)を把握できる。そして、当該家屋の主モデムは、これら検出結果と通知結果とから、自己(当該家屋の主モデム又は副モデム)の送信出力をどの程度にすればよいかを特定し、送信出力の調整を行う。或いは、相手家屋が利用する主モデムの送信出力を調整するように命令する。なお、S/N比がよい場合、即ち、ノイズレベルと信号レベルとの差が大きい場合、実質的な通信速度が速くなる。従って、S/N比は、通信速度に代替することもできる。
送信出力の調整は、具体的には、規定のS/N比を確保するに当たり、自己のモデムが検出した検出結果及び相手のモデムから自己に通知された通知結果から、例えば、当該家屋が利用する主モデムの送信出力を増加することができる余裕があると判断された場合、同主モデムは、送信出力を上げることが挙げられる。検出結果から当該家屋が相手家屋から受けているノイズのレベルをある程度把握できる。また、通知結果から当該家屋が相手家屋に与えているノイズのレベルをある程度把握できる。そこで、相手家屋から受けているノイズが小さく、相手家屋に与えるノイズが小さい場合、当該家屋において、送信出力を増加する。特に、当該家屋が利用する主モデムにおいて、相手家屋からの漏洩信号の受信と同時に、当該家屋に具える副モデムへの送信を行う、即ち、相手家屋からの漏洩信号の受信と当該家屋に具える副モデムへの通信信号の送信とを同期させることが好ましい。このとき、当該家屋が利用する主モデムから副モデムへの送信信号の方が、相手家屋からのノイズと比較して圧倒的に送信レベルが高いため、見かけ上、同ノイズを送信信号に埋没させることができる。即ち、当該家屋において、S/N比を高めることができる。
その他、当該家屋において規定のS/N比を確保するに当たり、通知結果から、当該家屋が利用する主モデムの送信出力を増加する余裕がないと判断された場合、即ち、相手家屋に与えるノイズが比較的大きい場合、同主モデムは、同主モデムとの間で通信を行う副モデム(当該家屋に具える副モデム)に送信出力を上げる命令を出す。副モデムは、屋内配電線の末端近傍に配置されていることが多いため、主モデムと比較して相手家屋に影響を与える恐れが小さいからである。
その他、当該家屋において規定のS/N比を確保するに当たり、自己のモデムが検出した検出結果及び相手のモデムから自己のモデムに通知された通知結果から、当該家屋が利用する主モデム及び副モデムの双方共に送信出力を増加する余裕がないと判断された場合、相手家屋からのノイズが大きいと考えられる。そこで、当該家屋側ではなく、相手家屋側に送信出力の調整を行わせる。具体的には、当該家屋が利用する主モデムは、相手家屋が利用する主モデムに対し、送信出力を下げる命令を出す。このとき、相手家屋の主モデムは、当該家屋から通知された通知結果、及び自己(相手家屋の主モデム)が検出した検出結果を考慮して送信出力の調整を行うとよい。
その他、当該家屋において規定のS/N比を確保するに当たり、自己のモデムが検出した検出結果及び相手のモデムから自己のモデムに通知された通知結果から、当該家屋が利用する主モデム及び副モデムの双方共に送信出力を増加する余裕がなく、また、相手家屋においても送信出力を低下させる余裕がないと判断された場合、両家屋共に送信出力が大きいと考えられる。そこで、各家屋で利用する主モデムはそれぞれ、自己にて検出したS/N比と相手から通知されたS/N比とが均等になるように送信出力の調整を行う。当該家屋側と相手家屋側の双方において、送信出力の調整を行うことで、双方の通信状態を改善することができる。なお、上記のようにS/N比は、通信速度と読み替えることもできる。そこで、当該家屋側において通信速度を測定して相手家屋に通知すると共に、相手家屋側において通信速度を測定して当該家屋に通知する。そして、測定した通信速度と通知された通信速度とが等しくなるように送信出力の調整を行ってもよい。
送信出力の具体的な制御手順としては、例えば、以下の手順が挙げられる。
1. 当該家屋の主モデムにおいて、他の家屋(相手家屋)からの漏洩信号を受信した際、漏洩信号のS/N比を検出するステップ
2. 検出したS/N比を相手家屋の主モデムに通知するステップ
3. 検出した検出S/N比と検出設定値とを比較し、検出S/N比が検出設定値以下のとき、通知された通知S/N比と通知設定値とを比較し、通知S/N比が通知設定値以下の場合、当該家屋の主モデムの送信出力を規定のS/N比を満たすように増加させ、通知S/N比が通知設定値超の場合、当該家屋に具える副モデムの送信出力を規定のS/N比を満たすように増加させるステップ
4. 検出S/N比が検出設定値超のとき、当該家屋の主モデムは、相手家屋の主モデムに送信出力を低下する命令を出し、相手家屋が命令を承諾した場合、相手家屋の主モデムは、送信出力を低下させ、相手家屋が命令を不承した場合、当該家屋及び相手家屋の双方において、検出S/N比と通知S/N比とが均等になるように送信出力を調整するステップ
上記手順は、まず、検出したS/N比により、相手家屋側から受けるノイズのレベルを調べ、ノイズのレベルが小さい(無視できる程度の)場合、当該家屋側が相手家屋側に与えるノイズのレベルを調べ、与えるノイズレベルが小さい場合、当該家屋の主モデムの送信出力を大きくする。与えるノイズレベルが大きい場合、当該家屋の副モデムの送信出力を大きくする。そして、相手家屋から受けるノイズレベルが大きい(無視できない)場合、当該家屋の主モデムは、相手家屋の主モデムに送信出力を小さくするように要求し、要求が認められたら、相手家屋の主モデムは、送信出力を小さくする。要求が認められない場合は、当該家屋の主モデム及び相手家屋の主モデムの双方が送信出力の調整を行う。なお、上記ステップ3とステップ4とは、いずれを先に行ってもよい。
その他の制御手順としては、例えば、以下の手順が挙げられる。
1. 当該家屋の主モデムにおいて、他の家屋(相手家屋)からの漏洩信号を受信した際、漏洩信号のS/N比を検出するステップ
2. 検出したS/N比を相手家屋の主モデムに通知するステップ
3. 検出した検出S/N比と検出設定値とを比較し、検出S/N比が検出設定値超のとき、当該家屋の主モデムは、相手家屋の主モデムに送信出力を低下する命令を出し、相手家屋が承諾した場合、相手家屋の主モデムは、送信出力を低下させ、相手家屋が不承した場合、当該家屋に具える副モデムの送信出力を規定のS/N比を満たすように増加させるステップ
4. 副モデムの送信出力の増加により、相手家屋側から送信出力を低下させる要求を受けた場合、当該家屋の主モデムは、検出S/N比と通知S/N比とを比較し、通知S/N比が大きい場合、検出S/N比と通知S/N比とが均等になるように送信出力を調整し、検出S/N比が大きい場合、相手家屋の主モデムに検出S/N比と通知S/N比とが均等になるように送信出力を調整するように要求するステップ
上記手順も同様に、まず、検出したS/N比により、相手家屋側から受けるノイズのレベルを調べ、ノイズのレベルが大きい場合、当該家屋の主モデムは、相手家屋の主モデムに送信出力を小さくするように要求し、要求が認められたら、相手家屋の主モデムは、送信出力を小さくする。要求が認められない場合は、当該家屋の副モデムの送信出力を大きくする。そして、副モデムの送信出力を増加させることで、相手家屋の主モデムから、送信出力を小さくするように要求された場合、当該家屋側と相手家屋側とにおいてノイズのレベルが均等になるように、当該家屋の主モデム、又は相手家屋の主モデムにおいて送信出力の調整を行う。
なお、手法2(相互監視)の場合、主モデムの配置箇所は特に問わない。しかし、副モデムから極端に離れて配置されると、主モデムから副モデムへの送信及び副モデムから主モデムへの送信の双方において、送信出力を大きくしなければならず、外部への漏洩電磁界の増加やクロストーク発生を招く。従って、手法2の場合も副モデムの近傍に配置することが好ましく、例えば、家屋の軒下や、家屋近傍の電柱上、家屋内、特に、手法1(分岐部配置)と同様に分岐部近傍としてもよい。
宅内電力線搬送通信を行う家屋が複数存在しても、各家屋のそれぞれが上記構成を具える本発明宅内電力線搬送通信システムを利用することで、家屋外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生による通信状態の劣化といった不具合を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1(A)は、本発明宅内電力線搬送通信システムの概要を模式的に示した説明図、(B)は、同システムにおいて主モデムの配置状態を示す分電盤近傍の説明図である。このシステムは、PLCユーザ家屋10内に配される屋内配電線20を信号伝送路として通信を行うものであり、具体的には、図1(A)に示すように屋内配電線20の終端(コンセント205A、205B)を介して屋内配電線20に副モデム2a、2bを接続させており、これら副モデム2a、2bには、パソコンなどの端末機器204A、204Bを接続させている。そして、これら副モデム2a、2bは、通信信号の送受信を直接行わず、主モデム1を介して相互に通信を行う。例えば、端末機器204Aからの送信信号は、副モデム2aにて抽出されて屋内配電線20に注入され、主モデム1にて抽出されて再度屋内配電線20に注入され、副モデム2bに抽出されて端末機器204Bに伝送される。
上記屋内配電線20は、電柱101に配される低圧配電線100を分岐して各家屋10、11、12にそれぞれ引き込まれる引込線201を家屋内において分岐させたものであり、引込線201の分岐は、分電盤206を介して行われる。そして、このシステムの特徴とするところは、分電盤206近傍に主モデム1を配置させている点にある。この例では、図1に示すように分電盤206内に主モデム1を配置させている。
また、この例に示す屋内配電線20は、第一電源線a、中性線b、第二電源線cから構成される単相3線式の形態である。分電盤206内では、これら3線を分岐すると共に、第一電源線aと中性線bとからなる屋内配電線と、第二電源線cと中性線bとからなる屋内配電線とを形成している。そして、本例では、これら3線の全てに通信信号が伝送されるように、主モデム1をこれら3線全てに接続させている。
屋内配電線は上記のように分電盤にて分岐されるため、ある副モデムが送信した通信信号は、別の副モデムに受信されるまでの間に、分岐部分である分電盤に必ず伝送される。そして、別の副モデムが受信する信号は、この副モデムが接続される屋内配電線以外の屋内配電線にも伝送されてしまい、分岐ロスが生じる。この分岐ロスによっても別の副モデムが信号を受信できるためには、送信側の副モデムにおいて送信出力を増大させるしかない。しかし、送信出力の増大により、家屋外部への漏洩電磁界が増加したり、同じ低圧配電線に接続される他のPLCユーザ家屋(図1では家屋11、12)との間でクロストークが生じてしまう。これに対し、図1に示すシステムでは、ある副モデムから送信された信号を、この送信信号が伝送される分電盤近傍において主モデムで抽出する。そのため、送信側の副モデムは、分電盤近傍に配置される主モデムに伝送させる程度の送信出力で送信を行えばよく、主モデムを介さず副モデム同士のみで通信を行う場合や主モデムを介しても主モデムが分電盤近傍に配置されていない場合と比較して、送信出力を低下させることができる。また、主モデムも、ある副モデムからの送信信号を受信する別の副モデムに対し、分電盤近傍から受信側の副モデムに伝送させる程度の送信出力で送信を行えばよく、このときの送信出力も比較的小さなものとすることができる。従って、本発明は、外部への漏洩電磁界の増加や、クロストークの発生を低減することができる。
また、本例では、図1(B)に示すように第一電源線aと中性線bとで規定電圧(例えば100V又は200V)をとるコンセント205C、205Dと、第二電源線cと中性線bとで規定電圧(同)をとるコンセント205Eとが混在している。しかし、第一電源線a、中性線b、第二電源線cの全てに主モデム1が接続されるため、中性線bに対して互いに逆相の電源線のコンセントに接続された副モデム同士であっても、主モデム1を介することで信号の送受信を行うことができる。従って、逆相による減衰がないことで、送信出力を過度に大きくすることなく、良好な状態で通信を行うことができる。即ち、第一電源線aと中性線bとで規定電圧をとるコンセント205Cに接続される副モデム2cと、同コンセント205Dに接続される副モデム2d間はもちろんのこと、第二電源線cと中性線bとで規定電圧をとるコンセント205Eに接続される副モデム2eと副モデム2c間、副モデム2eと副モデム2d間においても十分良好な状態で通信を行うことができる。
なお、本例に示す主モデムは、いわゆる親モデムとして利用されているもので公知のものを利用した。外部との通信を行うことが可能なインターフェースを有しているものを利用してもよい。また、副モデムは、いわゆる子モデムとして利用されている公知のものを利用した。
<S/N比による送信出力の調整>
上記構成に加えて、主モデム及び副モデムの双方において、互いにS/N比(信号を受信した際のレベルと、信号を受信していないときのレベルとの比)を検出し、このS/N比に基づいて送信出力の調整を行うと、漏洩電磁界の増加やクロストークの発生をより効果的に低減することができる。特に、検出したS/N比をそのまま利用するのではなく、検出したS/N比を主モデム及び副モデムが相互に通知し合い、通知された結果に基づいて送信出力の調整を行うことが好ましい。通知されたS/N比により、受信側のノイズレベルをある程度推測することができる。そこで、主モデムは、副モデムから通知されたS/N比に基づいて、規定のS/N比を確保するために必要な自己(主モデム)の送信出力の調整を行い、副モデムは、主モデムから通知されたS/N比に基づいて、規定のS/N比を確保するために必要な自己(副モデム)の送信出力の調整を行う。この構成により、必要以上に送信出力を大きくする必要がなく、外部への漏洩電磁界の増加やクロストーク発生による不具合をより低減することができる。
上記送信出力の調整を行うにあたり、主モデムには、副モデムから信号を受信した際、S/N比を検出する検出部と、この検出部からの検出結果を副モデムに通知する通知部を具えた。副モデムも同様に、主モデムから信号を受信した際、S/N比を検出する検出部と、この検出部からの検出結果を主モデムに通知する通知部とを具えた。また、主モデム、副モデムの変調方式は、OFDMとした。更に、S/N比の検出には、FFTを用いた。検出したS/N比の通知は、本来送信する通信信号の中に重畳して同時に伝送するものとした。
上記実施例1では、主モデムの配置箇所を工夫することで、外部への漏洩電磁界の増加の抑制やクロストークの発生の抑制を実現する。この例では、宅内電力線搬送通信を行う家屋間において、S/N比を検出して相互に通知し合い、検出したS/N比及び通知されたS/N比に基づいて送信出力の制御を行うことで、外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を抑制する方法を説明する。図2は、本発明宅内電力線搬送通信システムにおいて、送信出力の制御手順を示すフローチャートである。
当該家屋の主モデムは、他の家屋からの漏洩信号の受信チェックを行い(ステップS1)、予め設定して記憶させておいた設定値(ここでは、受信設定値と呼ぶ)を呼び出し、呼び出した受信設定値と受信した信号の受信レベルとを比較し(ステップS2)、受信レベルが受信設定値以上の信号が検出されたら、他の家屋から漏洩信号が伝送されたものと判断して受信する(ステップS3)。このときの信号レベル(S)を記憶すると共に、漏洩信号を受信し続け、受信レベルが受信設定値未満となったら、漏洩信号の伝送終了と判断し、このときの信号レベルをノイズレベル(N)として記憶する。受信レベルが設定値未満の場合、受信レベルが設定値以上の信号が検出されるまで、受信チェックを続ける。
記憶された信号レベル(S)、ノイズレベル(N)を呼び出し、S/N比を検出し(ステップS4)、記憶する。そして、通知部により、漏洩信号を発信した家屋に検出したS/N比を通知する(ステップS5)。通知されたS/N比は記憶しておく。本例において各家屋が利用する主モデムはそれぞれ、変調方式としてOFDMを利用した。また、S/N比の検出には、FFTを用い、複数の家屋から異なる周波数の漏洩信号が伝送されても、各周波数の信号レベルをそれぞれ検出できるようにした。従って、複数の家屋から漏洩信号が伝送された場合、その信号の周波数により、どの家屋にS/N比を通知すればよいかを判断することができる。
次に、予め設定して記憶させておいた設定値(ここでは、検出設定値と呼ぶ)と、記憶させておいた検出S/N比とを呼び出し、検出S/N比と検出設定値とを比較する(ステップS6)。そして、検出S/N比が検出設定値以下の場合、予め設定して記憶させておいた設定値(ここでは、通知設定値と呼ぶ)と、記憶させておいた通知S/N比とを呼び出し、通知S/N比と通知設定値とを比較する(ステップS7)。検出S/N比により、当該家屋側が他の家屋から受けているノイズの程度を把握することができる。そして、他の家屋から受けているノイズのレベルが小さい場合、即ち、検出S/N比が検出設定値以下の場合、当該家屋側が他の家屋に与えるノイズの程度に応じて、当該家屋側の送信出力の調整を行えばよい。そこで、この例では、まず、他の家屋からのノイズの程度を調べる。そして、当該家屋側において送信出力の調整を行うため、当該家屋側が他の家屋に与えるノイズの程度を調べるべく、通知S/N比と通知設定値とを比較する。
通知S/N比が通知設定値以下の場合、当該家屋側が他の家屋に与えるノイズの影響が小さいと考えられる。そこで、このとき、予め設定しておいた規定のS/N比を確保できるように、当該家屋において利用する主モデムの送信出力を上げ(ステップS8)、制御動作が終了する。また、送信出力を増加させることに加えて、上記のように他の家屋からのノイズの程度が把握できているため、副モデムに十分な信号が伝送できるように主モデムは、漏洩信号の受信と副モデムへの送信とを同時に行うようにしてもよい。このとき、送信出力の増大により、送信信号に他の家屋からのノイズを埋没させることができ、当該家屋においてS/N比を高めることができる。
通知S/N比が通知設定値超の場合、当該家屋側が他の家屋に与えるノイズの影響は比較的大きいと考えられるため、当該家屋において利用する主モデムの送信出力を増大することは、好ましくない。ここで、当該家屋に具える副モデムが当該家屋の主モデムに送信する場合、この送信信号は、当該家屋の屋内配電線→当該家屋の引込線→低圧配電線を介して、他の家屋の主モデムに伝送されるため、伝送ロス(減衰)が生じる。従って、当該家屋に具える副モデムの送信出力を増大した場合は、当該家屋の主モデムの送信出力を増大した場合と比較して他の家屋への影響が小さいと考えられる。そこで、通知S/N比が通知設定値超の場合、予め設定しておいた規定のS/N比を確保できるように、当該家屋に具える副モデムの送信出力を上げ(ステップS9)、制御動作が終了する。
一方、検出S/N比が検出設定値超の場合、当該家屋側が他の家屋から受けているノイズのレベルが大きいと考えられる。そこで、このとき、当該家屋の主モデムは、他の家屋の主モデムに送信出力を下げる(調整する)ことを要求する命令を出す(ステップS10)。他の家屋がこの命令を承諾するとの返答が当該家屋に送られた場合(ステップS11)、他の家屋において利用する主モデムは、送信出力を下げ(ステップS12)、制御手順が終了する。他の家屋の主モデムは、自己が検出したS/N比と、当該家屋から通知されたS/N比とを考慮し、規定のS/N比が確保できるように送信出力を低下させるとよい。なお、このとき、当該家屋の主モデムは送信出力の調整を行わない。
他の家屋が上記命令を承諾しないとの返答が当該家屋に送られた場合、当該家屋は、再度他の家屋に送信出力の調整を命令すると共に、検出S/N比と通知S/N比とが均等になるように、当該家屋及び他の家屋の双方において送信出力の調整を行い(ステップS13)、制御手順を終了する。
上記のように宅内電力線搬送通信を行う複数の家屋間において、それぞれS/N比を検出して相互に通知し合い、検出したS/N比と通知されたS/N比とに基づいて送信出力の制御を行うことで、外部への漏洩電磁界の増加やクロストークの発生を抑制することができる。
上記制御は、図1に示す本発明宅内電力線搬送通信システムを構築して利用するとよい。このとき、主モデムは、他の家屋からの漏洩信号を受信した際、S/N比が検出できるように検出部と、検出したS/Nを他の家屋に通知できるように通知部と、上記各種の処理(判定、命令、記憶、演算など)を行うことができるように処理手段とを具えておく。また、主モデムは、分電盤内に配置しなくてもよく、軒下や、電柱上、家屋内の部屋などに配置してもよい。
上記一連の手順により、制御動作を終了してもよいが、ステップS8、S9により当該家屋側が送信出力を増大することで、他の家屋への影響が大きくなり、他の家屋から、送信出力を下げるように要求されることが考えられる。そのような場合、以下の手順により送信出力を調整してもよい。図3は、本発明宅内電力線搬送通信システムにおいて、送信出力の制御手順を示すフローチャートであり、当該家屋が他の家屋から送信出力を低下させる要求を受けた場合を示す。
まず、当該家屋の主モデムは、他の家屋から、送信出力を低下させる要求を受けているか否かを調べる(ステップS20)。このとき、他の家屋の主モデムは、要求を行うと共に、当該家屋側が送信出力を増大させた際に検出したS/N比を同時に通知する。当該家屋の主モデムは、上記要求がなかった場合、特に処理を行わず、要求があった場合、上記要求と同時に通知された通知S/N比と、記憶されている検出S/N比を呼び出して比較する(ステップS21)。そして、検出S/N比が通知S/N比よりも大きい場合、他の家屋から要求があったけれども、当該家屋側が他の家屋から受けるノイズの方が大きいと考えられる。このとき、当該家屋の主モデムは、他の家屋の主モデムに対し、送信出力調整命令を出し、命令を受けた他の家屋の主モデムは、検出したS/N比(今回の要求にあたり検出し、当該家屋に通知したもの)と、先に当該家屋から通知されたS/N比とが均等になるように、送信出力を調整する、具体的には送信出力を下げ(ステップS22)、制御手順が終了する。
検出S/N比が通知S/N比よりも大きくない場合、即ち、通知S/N比の方が検出S/N比よりも大きい場合、当該家屋側は、他の家屋に対し大きなノイズを与えていることになる。そこで、当該家屋の主モデムは、他の家屋から要求と共に通知された通知S/N比と検出S/N比とが均等になるように送信出力を下げ(ステップS23)、制御手順が終了する。
本発明宅内電力線搬送通信システムは、屋内配電線を利用して宅内通信を行う際に利用することが適する。
(A)は、本発明宅内電力線搬送通信システムの概要を模式的に示した説明図、(B)は、同システムにおいて主モデムの配置状態を示す分電盤近傍の説明図である。 本発明宅内電力線搬送通信システムにおいて、送信出力の制御手順を示すフローチャートである。 本発明宅内電力線搬送通信システムにおいて、送信出力の制御手順を示すフローチャートであり、当該家屋が他の家屋から送信出力を低下させる要求を受けた場合を示す。 PLC方式の通信システムの概要を模式的に示した説明図であり、PLCユーザ家屋が一戸建て住宅の場合を示す。
符号の説明
1 主モデム 2,2a,2b,2c,2d,2e 副モデム
10,11,12 PLCユーザ家屋 20 屋内配電線
100 低圧配電線 101 電柱 102 トランス 103 光ファイバケーブル
104 親モデム 105 接続箱 110 PLCモデム 120 電力線 130 終端
200 PLCユーザ家屋 201 引込線 202 屋内配電線 203A,203B 子モデム
204A,204B,204C,204D,204E 端末機器 205A,205B,205C,205D,205E コンセント
206 分電盤 210,220 家屋 300 上位のネットワーク

Claims (8)

  1. 分岐部により分岐された複数の屋内配電線を信号伝送路として通信を行う宅内電力線搬送通信システムであって、
    前記分岐部近傍に配置される主電力線搬送通信装置と、
    前記屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具えることを特徴とする宅内電力線搬送通信システム。
  2. 主電力線搬送通信装置は、
    副電力線搬送通信装置から信号を受信した際、S/N比を検出する第一検出部と、
    前記第一検出部からの検出結果を副電力線搬送通信装置に通知する第一通知部とを具え、
    副電力線搬送通信装置は、
    主電力線搬送通信装置から信号を受信した際、S/N比を検出する第二検出部と、
    前記第二検出部からの検出結果を主電力線搬送通信装置に通知する第二通知部とを具えることを特徴とする請求項1に記載の宅内電力線搬送通信システム。
  3. 信号発信側の電力線搬送通信装置は、信号受信側の電力線搬送通信装置に具える通知部にて通知されたS/N比検出結果に基づいて、信号受信側の電力線搬送通信装置への送信出力の調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の宅内電力線搬送通信システム。
  4. 共通する屋外配電線に接続されると共に、家屋ごとに対応して設置される複数の主電力線搬送通信装置と、
    前記屋外配電線を経由して各家屋内に分岐される屋内配電線を信号伝送路とし、この屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える宅内電力線搬送通信システムであって、
    前記主電力線搬送通信装置は、
    他の家屋からの漏洩信号を受信した際、受信した漏洩信号のS/N比を検出する検出部と、
    検出部からのS/N比検出結果を当該他の家屋の主電力線搬送通信装置に通知する通知部とを有し、
    前記検出部により検出されたS/N比検出結果及び通知部により通知された結果に基づいて、当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置から副電力線搬送通信装置への送信出力の調整を行うことを特徴とする宅内電力線搬送通信システム。
  5. 他の家屋からの漏洩信号の受信と、当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置から副電力線搬送通信装置への信号送信を同時に行うことを特徴とする請求項4に記載の宅内電力線搬送通信システム。
  6. 共通する屋外配電線に接続されると共に、家屋ごとに対応して設置される複数の主電力線搬送通信装置と、
    前記屋外配電線を経由して各家屋内に分岐される屋内配電線を信号伝送路とし、この屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える宅内電力線搬送通信システムであって、
    前記主電力線搬送通信装置は、
    他の家屋からの漏洩信号を受信した際、受信した漏洩信号のS/N比を検出する検出部と、
    検出部からのS/N比検出結果を当該他の家屋の主電力線搬送通信装置に通知する通知部とを有し、
    前記検出部により検出されたS/N比検出結果及び通知部により通知された結果に基づいて、当該家屋の副電力線搬送通信装置から主電力線搬送通信装置への送信出力の調整を行うことを特徴とする宅内電力線搬送通信システム。
  7. 共通する屋外配電線に接続されると共に、家屋ごとに対応して設置される複数の主電力線搬送通信装置と、
    前記屋外配電線を経由して各家屋内に分岐される屋内配電線を信号伝送路とし、この屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える宅内電力線搬送通信システムであって、
    前記主電力線搬送通信装置は、
    他の家屋からの漏洩信号を受信した際、受信した漏洩信号のS/N比を検出する検出部と、
    検出部からのS/N比検出結果を当該他の家屋の主電力線搬送通信装置に通知する通知部とを有し、
    前記検出部により検出されたS/N比検出結果及び通知部により通知された結果に基づいて、当該他の家屋が利用する主電力線搬送通信装置から副電力線搬送通信装置への送信出力の調整を行うことを特徴とする宅内電力線搬送通信システム。
  8. 共通する屋外配電線に接続されると共に、家屋ごとに対応して設置される複数の主電力線搬送通信装置と、
    前記屋外配電線を経由して各家屋内に分岐される屋内配電線を信号伝送路とし、この屋内配電線に接続されて、前記主電力線搬送通信装置を介して互いに通信を行う複数の副電力線搬送通信装置とを具える宅内電力線搬送通信システムであって、
    前記主電力線搬送通信装置は、
    他の家屋からの漏洩信号を受信した際、受信した漏洩信号のS/N比を検出する検出部と、
    検出部からのS/N比検出結果を当該他の家屋の主電力線搬送通信装置に通知する通知部とを有し、
    前記検出部により検出されたS/N比検出結果と通知部により通知された結果とが均等になるように、当該家屋が利用する主電力線搬送通信装置から副電力線搬送通信装置への送信出力の調整、及び当該他の家屋が利用する主電力線搬送通信装置から副電力線搬送通信装置への送信出力の調整の双方を行うことを特徴とする宅内電力線搬送通信システム。
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