以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な記録再生装置の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書において、光学ディスクは、例えば、再生専用のCD−ROM、DVD−ROM、再生・記録が可能なCD−R(W)、DVD−R(RW)など、及びBDを含む。光学ディスク装置は、これらのメディアを駆動することができる駆動装置を指す。
第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態の記録再生装置の外観構成例を示す斜視図であり表面パネルを閉じた状態を示す図である。図2は、図1の斜視図に対応する図であり表面パネルを開いた状態を示す図である。図3は、本実施の形態による記録再生装置の内部に配置されているディスク装置の配置例を示す図である。図4は、記録再生装置を遠隔操作することができるリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」)の構成例を示す図である。図5は、本実施の形態による記録再生装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。
図1から図3までに示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、第1の光学ディスク装置であるDVD装置31と、このDVD装置とは記憶容量などの規格が異なる第2の光学ディスク装置であるBD装置35とが隣接して配置されるいわゆる2トレイ方式の記録再生装置である。
図3に示すように、本実施の形態による記録再生装置は、一般的な横置きの配置にした場合に、正面から見て左側にDVD装置31が、右側にBD装置35が配置されるとともに、DVD装置31の下方にハードディスク装置(HDD)33が配置される。ある程度の厚みを有する光学ディスク装置31、35を左右に配置し、光学ディスク装置と比較して小型1薄型化が可能なHDD装置33をDVD装置31の下方に配置することで筐体1の厚さを薄くすることができる。さらに、DVDのディスクよりもより微細な加工を行っているためピックアップとディスクとの間の高い位置精度が要求されるため(すなわち、耐振動性が要求される)振動発生源となりうるHDD装置33の横方向にBD装置35を配置し、DVD装置31の下方にHDD装置33を配置することにより、HDD33に起因する振動の影響を極力小さくすることができる。これらのディスク装置31、33、35は、全て記憶・再生が可能であるが、例えば、DVD装置が再生専用である場合も含まれる。
なお、一般的に、ハードディスク装置33は、記憶容量が400GB(ギガバイト)程度も実用化されており、3つのディスク装置の中では最も記憶容量が大きくすることができ、次いで、BD装置35、DVD装置31の順に記憶容量が少なくなる。したがって、HDD装置33を基本的な記憶装置としてデータサーバ的に利用し、使用状況又は求められる画質、コンテンツの占有記憶容量等を勘案して、適宜コンテンツをHDD装置33からBD装置35又はDVD装置31を介してDVDのディスク又はBDのディスクに振り分けて半永久的に記憶メディアに記憶させることができる。これらの記憶メディアに記憶されたコンテンツは、他の再生装置でコンテンツを再生させたり、オリジナルのコンテンツを作成して配布したりすることができる。
図1に示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、上板1aが配置された筐体1と、横置き時における正面に設けられた開閉式の正面パネル25aを有している。正面パネル25aの左右には、それぞれ電源オン/オフ用スイッチ1b及び図4に示すリモートコントロール装置(以下、「リモコン装置」と称する。)からの赤外線による指令を受けるRC受光部17と、正面パネル25aを開くためのパネル開スイッチ25bと、正面パネル25aをロックする正面パネルロック機構25と、を有している。
正面パネルロック機構25の詳細な説明は省略するが、通常は正面パネル25aをロックしており、リモコンのパネル開スイッチ(図4(B)のトレイ開閉スイッチがこの機能を兼ねている)又はパネル開スイッチ25bをオンすることにより正面パネル25aを開方向に押す。
正面パネル25aが一旦押されると、正面パネル25aの自重により筐体の正面と正面パネル25aとの成す内角の角度が90度程度になるまで開方向に回転移動し、図2に示すように筐体の正面と正面パネル25aとの成す角度が90度程度になった時点で回動が停止する。なお、正面パネル25aのロック機構をリモコン装置により解除することにより、正面パネル25aをリモコン装置からの操作により開けることができる。正面パネル25aには、表示部40が設けられている。この表示部40は、筐体1を横置きにした場合に横方向にある間隔をあけて配置された略円形の第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47と、が設けられている。
図2に示すように、正面パネル25aを開いた場合には、筐体1の正面側であって正面パネル25aが閉じていた場合の裏面側に、記録再生装置Aに内蔵されている第1の光ディスク装置であるDVD装置31と第2の光ディスク装置であるBD装置35のトレイの正面部31a、35aが現れる。それぞれの光ディスク装置31、35のディスク搭載用のトレイを出し入れするための開閉スイッチ31b、35bが設けられている。この開閉スイッチ31b、35bを押すことにより、それぞれの光ディスク装置31、35のそれぞれに対応する図示しないDVDのディスク又はBDのディスクを載せるためのトレイが進退するようになっている。
DVD装置31とBD装置35とが並んで配置されている領域の下方には、例えばIEEE1394端子(DV端子)と、B−CASカード用のスロット21と、が設けられている。B−CASカードは地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送等の各種放送サービスを受信するために必要なカードであり、デジタル放送の番組等の著作権保護にも利用される。例えば、デジタル放送の無料放送、有料放送、ペイ・パー・ビュー放送、NHK、自動表示メッセージ、及びデータ放送の双方向サービス等の放送サービスを利用するためには、B−CASカード用のスロット21にB−CASカードを挿入する必要がある。なお、符号21aはB−CASカード用のスロットに挿入されたB−CASカードを取り出すための押しボタンである。
正面パネル25aを開けた状態においてB−CASカードをB−CASカード用のスロット21に挿入した場合に、正常にカードがロックされるまでスロットに挿入することで、正面パネル25aを閉めた場合にも正面パネル25aとB−CASカードのエッジとがぶつかることによるB−CASカードの破損しないようになっている。
上述のように、それぞれがディスク駆動部を有するDVD装置とBD装置とを備えた2トレイ方式を採用し、かつ、内蔵のハードディスク装置も備えているため、DVDのディスク又はBDのディスクのそれぞれに関連する起動時間に起因する遅延を極力短くすることができる。例えば、DVD装置31又はBD装置35に新たにDVDのディスク又はBDのディスクを挿入した場合は、それぞれの装置に載置されたディスクの情報を読みに行き、読み込まれた情報によりディスクの種類、規格、などを検出する。すなわち、ディスクがそのディスク装置により再生又は記録などの操作が可能であるか否かを判定した後に初めて、次の処理(実際の再生又は記録処理)に移行することができる。2トレイ方式を用いることで、例えば2種類の規格の異なるディスクを規格の一致するディスク装置に入れることで異なるディスクの情報読み込み時間を平行して情報読み込みを行わせることにより、短時間でディスク装置の起動処理を行うことができる。すなわち、2ディスクの出し入れ時におけるディスクの情報読み込みに起因する遅延を2ディスクの情報読み込みを並行して行わせることにより低減することができるという利点がある。
また、再生側と記録側のディスクを固定して一方のディスクに記録されたコンテンツを再生し、この再生されたコンテンツを他方のディスクにリアルタイムに記録していくいわゆるダビング処理がハードディスク装置を介さずに可能である。したがって、ダビング処理中にハードディスク装置がフリーの状態となる他の処理、例えば現在放送中の番組をハードディスク装置に記録することも可能である。
次に、本実施の形態による記録再生装置Aの内部構成例について図5の全体機能ブロック図と図4を参照しつつ説明を行う。適宜、図1〜図3までを参照しつつ説明を行う。図5に示すように、本実施の形態による記録再生装置Aは、全体の制御を行うCPU3(ハイビジョン信号検出部,残容量検出部,設定部,制御部)と、後述する各機能を実行する機能ブロック群と、を有している。記録・再生機能を有するブロックとしては、上述のように、DVD装置31とハードディスク装置33とBD装置35とが備えられている。
これらの各ディスク装置31、33、35は、ディスク駆動制御部37を介して又は直接に、CPU3からの制御命令に基づいて動作する。実際には、図4に示すリモコン装置の各操作ボタン又は上述した記録再生装置A本体側の操作スイッチなどを操作することにより、リモコン装置RCの場合には赤外線信号をRC受光部17において受信し、操作に応じた信号を受けてCPU3に伝達する。CPU3は受けた信号に基づいて上記操作に基づく動作を行うように、各機能ブロックに対して指令する指令信号を出力する。例えば、リモコン装置RCの放送選択部70においてCS放送選択ボタン70dが押され対象機器選択部においてBDの選択ボタン71cが押されると、BDのディスクドライブ装置35に入っているBDのディスクにCS放送番組のコンテンツを記録することができる。BDのディスクはDVDのディスクに比べて大容量のデータを記憶することが可能であるため、例えば2〜3時間以上のCS放送を高画質で記録可能である。
記録の際には、例えばCS又はBSデジタル放送の録画を行う際に録画エンコーダ/デコーダを含む画像/音声信号処理部5が、例えばCS放送番組からの映像信号/音声信号をBDのディスクに記録できる形式に変換したり、例えばBD装置35に記録された信号を表示モニタに表示可能な形式に変換したりする。この際、BD装置35の動作状況をCPU3に送る。これにより、CPU3は、各ディスク装置の動作状況を適宜監視して適切な指示を与えることができる。
さらに、本実施の形態による記録再生装置Aは、CPU3と関連付けされ、CPU3に後述する種々の処理を実行させるためのプログラムを格納するROM7と、プログラムデータを展開して高速に処理するためのRAM11とアンテナからの放送信号を入力したり、ディスク装置を駆動させた際に得られるコンテンツの信号やD映像などを例えば液晶TVなどの表示モニタに出力したり、DVカメラに接続するIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394端子(DV端子)やインターネットなどに接続するLAN端子などを備え各種信号の入出力を制御するインターフェイス部15と、を備えている。
さらに、前述のRC受光部17と、B−CASカードスロット21と、放熱効果を高めるための冷却ファン23と、正面パネル25aを開閉するための正面パネル駆動部25であって正面パネルの開閉の状態を検出する図示しない検出部を備える正面パネル駆動部25と、各種入力操作を受け付ける入力部61と、を有している。加えて、前述のディスク装置駆動制御部37と、前述の正面パネル25aに設けられた表示部40は、前述のように筐体1を横置きにした場合に横方向にある間隔をあけて配置され光学ディスクとハードディスクとを象徴する略円形の形状を有する第1表示部41と、第2表示部43・45と、第3表示部47と、を有しており、CPU3により表示制御部51を介して表示の制御が行われる。
同様に、上述した第4から第6までの表示部48a〜48cを兼ねる選択スイッチも、上記表示制御部51を介してCPU3により表示制御がなされる。さらに各ディスク装置には、ディスクの有無や駆動状態等を検出する検出部31c、35cがそれぞれ設けられており、対応する各ディスク装置内におけるメディアの有無や駆動状態等に関する信号が検出部31c、35cからディスク駆動制御部37を介してCPU3に送られるように構成されている。
CPU3は、記録再生装置Aの各機能部の動作並びに各機能部間のデータ通信を制御する。具体的には、CPU3は、ROM7等に記憶された動作用プログラムに従い、RAM11のワーキングメモリとして使用して、記録再生装置Aにおいて必要な制御、演算及び各ドライブの処理を実行することができる。本実施の形態の特有の動作として、CPU3は、ハイビジョン信号を検出するハイビジョン信号検出部と、BD又はHDDのうち、いずれの記録媒体に対してハイビジョン信号を優先して記録するかをあらかじめ設定する設定部と、ハイビジョン信号が検出されたとき、設定された記録媒体のドライブ31,33,35が記録を行うよう制御する制御部としての機能を有する。これらの機能は、後述する自動録画制御処理により実現される。
また、CPU3には、OSD(On Screen Display)機能部27が接続され、チャンネル、時刻、音量などの情報やBD自動録画モード設定・確認などのメッセージをテレビ等の画面上に表示する。OSDのデータは画像ではなく、ビットマップと呼ばれる形式で保持されており、このビットマップからY,Cb,Crで表されるYUV形式の画素値に変換され、その変換された画素がテレビ放送などの原画像の上に重畳される。
以下、上述のように構成された記録再生装置Aの動作を説明する。
本実施の形態による記録再生装置Aは、HDD、BD及びDVDの3ドライブ一体型搭載のレコーダであり、以下の基本的な特徴(1)〜(3)を有する。
(1)HDD、BD及びDVDの3ドライブ一体型搭載のレコーダであり、デジタル放送をハイビジョンのままHDDやBDに録画・再生でき、デジタルハイビジョン放送をHDDは勿論、BDでもそのままの画質・音質で録画・再生できる。
(2)BD/DVDツイントレイの搭載により、(HDD、BD、DVD)間で6方向自在ダビングや同時録再が可能である。
(3)次世代のデジタルインターフェイス「HDMI出力端子」の搭載により、デジタル放送をデジタルのまま録画し、再生時もデジタルのままモニタに出力することができ、劣化のないフルデジタル処理の高画質・高音質が実現できる。
上記(1)〜(3)についてより具体的に説明する。
(1)HDD、BD及びDVDの3ドライブ一体型
図5に示すハードディスク装置33が、例えば160GBのハードディスク容量を搭載する構成である場合には、デジタルハイビジョン放送をそのままの高画質で約13時間録画可能である。これはBSデジタル放送(2Mbps)を録画したときの目安の時間である。
また、記録再生装置Aは、地上デジタル、BS・110度CSデジタルチューナを搭載(内蔵/外付け)可能である。地上デジタル、BS・110度CSデジタルハイビジョンチューナを搭載する場合、デジタル放送のチューナとして使用できることは勿論のこと、デジタル放送のEPG(Electrical Program Guide:電子番組表)にも対応してデジタル放送を手軽に録画・録画予約することができる。
(2)BD/DVDツイントレイの搭載
HDD、BD及びDVDの3ドライブを備え、3つのメディア(HDD、BD、DVD)間で6方向相互ダビングが可能である。
図6は、記録再生装置Aの6方向相互ダビングを説明する図である。図中、矢印の向きはドライブ・インタフェース間のダビングの方向(A〜L)を示し、矢印の太さは使用シーンが多く重要度又は要求度が高いと想定される順(太矢印、細矢印、破線矢印の順で使用シーン又は重要度が高い)を示している。また、使用シーン又は重要度は図6中の印(重要度順に◎、○、△)によっても示される。
図6a.に示すように、HDDにハイビジョン録画をし、BDにそのままの画質で残す場合がメインのダビング方向Aである。この場合、BDが最終保存先となる。また、HDDにハイビジョン録画しながらBDにも同時録画することも可能である。
また、図6b.に示すように、3つのドライブを搭載することで、HDD→BD,HDD→DVD,BD→HDD,BD→DVD,DVD→HDD,DVD→BDの6方向ダビングが初めて可能になった。これにより、複数枚のDVDに録画したシリーズドラマなどを1枚のBDにして省スペースで保存したり、BDに録画した番組を互換性の高いDVD−RWやDVD−Rにダビングして友人に渡すなど、用途に合わせた使い方が可能になる。また、BDにハイビジョン番組を録画しながらDVDの映画ソフトを見る、といった同時録再も可能である。なお、1回だけ録画可能な番組は、HDDからのみBD・DVD・i.LINK機器ヘムーブ(移動)が可能である。i.LINK機器とは、IEEE1394規格に準拠した機器をいう。
ここで、1トレイの場合と2トレイの場合とを比較して説明する。まず、1トレイ時には、HDD−DVD間とHDD−BD間のそれぞれの双方向ダビングが可能であり、合計で4通りのデータの移動経路が考えられる。一方、2トレイの場合には、図6に示すようにHDD−DVD間(B,G)とHDD−BD間(A,D)とDVD−BD間(E,H)との計6通りのダビングが可能となり利便性が高いうえ、さらに2トレイの場合には一方の光学ディスクにアクセス中にもう一方の光学ディスクの挿脱が可能である。また、DVD−BD間のダビングのみならず、DVDとBDとの同時録画が可能である。例えば、DVDには映像を、ダウンコンバータを介してSD画質で記録し、BDには同じ番組(1チューナでも可能)又は異なる番組(2チューナの場合)、HD画質の映像を記録することができる。これにより処理時間を短縮することができ、この際に同時にHDDにも記録可能であるという利点がある。
なお、2チューナの場合には、BDに映像を記録しながらDVD、HDD間で追いかけ再生を行うことも可能である。例えば、ダビング中の追いかけ再生として、BDのコンテンツを再生表示させつつこのコンテンツをDVDに記録することも可能である。さらに、DVDからBDへのダビング中に、DVDも追いかけ再生することができる。例えばBDに記録されている映像を再生しながら、チューナで選局した放送番組をDVDに記録することも可能である。
(3)HDMI出力端子搭載
録画・再生したデジタルハイビジョン番組の映像や5.1ch音声を、そのままのクオリティでデジタル信号のまま伝送できる次世代デジタルインターフェース「HDMI出力端子」を備える。ハイビジョン映像だけでなく、525iのDVD映像像等も1125i/750pにアップコンバートして出力することも可能である。このHDMI端子に、HDMI端子対応機器とHDMIケーブル1本で接続するだけでデジタル放送のハイビジョン高画質・高音質を実現できる。
以上が、HDD、BD及びDVDの3ドライブ一体型の記録再生装置Aの基本的な特徴(1)〜(3)であるが、さらに以下の特徴(4)〜(13)も有する。
(4)録画番組の出力
記録再生装置AのHDDに録画した番組を、i.LINKケーブルで接続したD−VHSビデオデッキやAV−HDDにダビングすることが可能である。デジタル放送の1回だけ録画可能な番組はムーブにより他のメディアで保存することが可能である。
(5)i.LINK入力録画
D−VHSに録画しておいた番組を、記録再生装置AのHDDに録画することができ、これにより録り溜めておいたD−VHSテープの内容をHDD上で編集したり、BDに保存して省スペース化を図ることができる。
(6)他機からコントロール
他機から記録再生装置Aを、i.LINKを介してコントロールすることが可能である。例えば、i.LINK機器から記録再生装置Aをコントロールしたり、他のデジタルハイビジョンレコーダでHDDに録画したハイビジョン番組を記録再生装置AのHDDに移動(ムーブ)することが可能である。
(7)DVCカメラからの高品位なダビングが可能な「DV入力」
i.LINKによるDV方式デジタルビデオカメラとの接続で高品位なデジタルダビングが可能です。リモコン装置RC(図4参照)でビデオカメラの再生/停止/早送り/巻戻しなどの操作も可能である。
(8)HDDからBDへ高速ダビング
HDDに録画した番組を画質劣化させることなく、BDへ最大約○倍速で高速ダビング(EPモードで録画時)することが可能である。
(9)タイムシフト視聴
ハイビジョン番組を視聴中、任意の時間(30分/60分/90分より選択)で自動録画が可能である。見ている番組を一旦停止したり、前にさかのぼって見直すことができる。
(10)追いかけ再生
ハイビジョン番組の録画中でも、録画終了を待たずに、録っている番組を同じハイビジョン画質の高品位なクオリティで最初から視聴することができる。
(11)ハイビジョン番組編集
データ量が多く高速処理が必要な、ハードディスクやBDに録画したハイビジョン番組の編集に対応。不要なシーンを、チャプター単位または部分消去によりカットできる。これにより必要なシーンのみを編集後ダビングして残すことが可能である。
(12)幅広いDVDディスクが再生可な「DVDスーパーマルチ再生」
DVD−RW/−R/+RW/+Rに加えて、DVD−RAMの再生にも対応。友人から借りてきたDVDディスクなど、フォーマットを気にせず視聴することができる。
(13)多彩な録画モード
HDDやBDにはデジタル放送の画質をそのまま録画できるAUTOモードに加えて、DVDを超える高画質のSXPモードを含む13段階から画質が選択できるマニュアルモードを備える。また、DVD−RW/−Rでは32段階から録画モードの選択が可能で、ディスク容量や番組内容に合わせ録画モードを選択することができる。
上記のように構成された本実施の形態の記録再生装置Aにおいて、AVデータをHDD、BD及びDVDに記録(一般的には「録画」と言われる)することができる。録画モードには、自動録画モードとマニュアル録画モードとがあり、ユーザが録画モードを選択することができる。
図7は、記録再生装置AのHDD、BD及びDVDの3ドライブにAVデータを記録する記録モードと録画時間を示す図であり、リモコン装置RCの録画モードボタンで選択する録画モードを示す。
図7(A)のHDD録画及び図7(B)のBD録画には、デジタル放送の画質をそのまま録画できるAUTOモード、DVDを超える高画質のSXPモード備える。また、図7(A)〜(C)において、HDD、BD及びDVDは高画質(XP)モード、標準(SP)モード、長時間2倍(LP)モード、長時間3倍(EP)モードを備える。ユーザは、ディスク容量や番組内容に合わせて、HDD、BD及びDVDのいずれか(又は同時に複数)を選択できるとともに、HDD、BD又はDVDのそれぞれにおいて図7に示す録画モードを選択することができる。
図8及び図9は、記録再生装置AのHDD、BD及びDVDの3ドライブにAVデータを記録するマニュアル記録モードと録画時間を示す図であり、図8(A)はHDD録画、図8(B)はBD録画、図9(C)はDVD−RW(VRフォーマット)録画、図9(D)はDVD−RW(ビデオフォーマット)/DVD−R録画を示す。
ユーザがリモコン装置RCのマニュアルモードボタンでマニュアルモードを選ぶと、32段階から画質を選択することができる。図8及び図9において、画質が大きく変わる録画モードを太線で示している。マニュアル録画モードでは、録画する映像のデータ量に応じて記録するデータ量を変化させるVBR(Variable bit rate)を採用しているため、録画する映像によって録画可能時間も変化する。なお、マニュアルモードの画質段階は一例でありこれに限定されない。
次に、記録再生装置Aの記録動作を説明する。
図10は、記録再生装置AのBD自動記録動作を示すフローチャートであり、図5のCPU3により実行される。図中、Sはフローの各ステップを示す。
まず、ステップS1でBD自動録画モードにあるか否かを判別する。BD自動録画モードは、ハイビジョン信号をBDに自動録画するためのモードであり、HDD、BD及びDVDの3ドライブを備える記録再生装置Aにより初めて実現可能となった。BD自動録画モード設定の詳細については図13により後述する。BD自動録画モードにないときは、ステップS10で録画データをハイビジョンでHDDに録画して本フローを終了する。BD自動録画モードにあるときは、ステップS2でBD自動録画条件を満たしているか否かを判別する。BD自動録画条件とは、現在の記録再生装置Aがハイビジョン録画をできる機器状態にあるかを判定する条件である。例えば、放送信号がハイビジョン信号であるか、BDディスク(以下、単にBDという)がトレイに入っているかなどである。BD自動録画条件にあるときは、ステップS3でトレイに挿入されているBDの残容量を検出し、ステップS4でこのBDに予約録画が全編入るか否かを判別する。BDに予約録画が全編入るときは、ステップS6で予約録画終了か否かを判別し、予約録画終了までBD録画を継続し、予約録画完了により本フローを終了する。
上記ステップS2でBD自動録画条件にないときは、ステップS7でダウンコンバートを行うか否かを判別し、ダウンコンバートを行う場合はステップS8でダウンコンバート処理を行って本フローを終了する。このダウンコンバート処理の詳細については、図11及び図12により後述する。ダウンコンバートを行わない場合は、ステップS9でフラグに“1”を立ててステップS10に進む。このフラグは、ハイビジョンで録画すべきデータがBDに録画されず、またダウンコンバート処理もされなかったことを示すものである。ここではフラグとして説明したが、予約録画が複数ある場合はその夫々の録画すべきデータの有無を示すステータスフラグである。
ステップS10では、録画データをハイビジョンでHDDに録画して本フローを終了する。
本フローを実行することにより、デジタル放送をハイビジョンのままHDD又はBDに録画できる。特に、BD自動録画モードに設定されているときは、録画データはハイビジョンでBD側に優先して録画される。これにより、ユーザが特別な操作を行うことなく、ハイビジョン信号はBDに自動録画される。ハイビジョン信号が最初からBDに自動録画されるので、後でユーザがHDDからBDに画像データを転送又は移動(ムーブ)する手間と時間を省略することができる。
また、BDディスクが入っていない場合やBDに残容量がない場合などはDVD又はBDに自動的にダウンコンバート録画される。また、BD自動録画モードに設定されてる状態でBD録画又はダウンコンバート録画のいずれもユーザが選択しない場合はハイビジョンでHDDに録画される。この場合のHDD録画は、BD自動録画モードに設定しないで最初からHDDに録画する場合と区別して、仮録画としてステータスフラグが付けられてHDDに記録される。
図11及び図12は、ダウンコンバート処理を示すサブルーチンであり、図10のステップS8又は後述する図13のステップS35のサブルーチンコールにより呼び出されて実行される。
まず、ステップS101でダウンコンバート設定テーブルで自動実行が設定されているかを判別する。ダウンコンバート設定テーブルは、ダウンコンバート条件をあらかじめ設定しておくもので、後述する図15により設定される。ダウンコンバート設定テーブルで自動実行が設定されていると、ユーザの確認を待たずにDVDへのダウンコンバートが直ちに実行される。ダウンコンバート設定テーブルで自動実行が設定されていない場合は、ステップS102でダウンコンバート実行確認メッセージをOSD表示する。ダウンコンバート実行確認メッセージは、ダウンコンバートする記録媒体(BD又はDVD)の選択とダウンコンバートのレート選択(画質選択)を含む。デフォルトでは、「DVDダウンコンバート」「高画質」である。図16は、TV表示部(図示せず)の放送画面170に表示されたダウンコンバートをする旨のメッセージ171の一例を示す図である。図16に示すように「予約録画をハイビジョンで番組終了まで録画することができません。ダウンコンバータにすると全編の録画が可能です。ダウンコンバートの設定方法は△△です」、「DVDにできるだけ高画質でダウンコンバートします。これでよろしいですか。」などのメッセージをOSD表示する。さらに、発音装置としてCPU3からの出力信号をデジタル信号処理する音声コーデックを設置する構成でもよい。音声コーデックは、PCM(Pulse Code Modulation)音源IC等により構成され、CPU3から受け取った信号を音声信号に変換してスピーカから出力する。この場合、OSD表示と音声によるメッセージを併用してもよい。
ステップS103でダウンコンバートを実行するか否かを判別し、ダウンコンバートを実行しない場合は本サブルーチンを終了し、図10のステップS8又は図13のステップS35に戻る。BDダウンコンバートを実行する場合は、ステップS104でBDがトレイに入っているか否かを判別し、BDがトレイに入っていないときはステップS105でBDの挿入を促すメッセージ「BDをトレイに入れてください。」をOSD表示する。ステップS104でBDがトレイに入っているとき、あるいはステップS106でBDがトレイに挿入されると、ステップS107でBDの残容量を検出する。次いで、ステップS108でBDにできる限り高画質となるビットレートの録画モードでダウンコンバート録画し、ステップS109でBDダウンコンバート録画が完了したか否かを判別する。BDダウンコンバート録画が完了した場合には、ステップS110でダウンコンバート終了メッセージをOSD表示して本サブルーチンを終了し、図10のステップS8又は図13のステップS35に戻る。
一方、上記ステップS101でダウンコンバート設定テーブルで自動実行が設定されている場合、あるいは上記ステップS103でDVDダウンコンバートを実行する場合はステップS111に進む。すなわち、ダウンコンバート設定テーブルで自動実行が設定されている場合は上記ステップS102のOSD表示及び上記ステップS103のユーザ確認を省略してDVDダウンコンバート処理に進む。これにより、ユーザにダウンコンバート実行の確認を強いることなく一連のDVDダウンコンバートが進行する。
ステップS111でDVDがトレイに入っているか否かを判別し、DVDがトレイに入っていないときはステップS112でDVDの挿入を促すメッセージ「DVDをトレイに入れてください。」をOSD表示する。ステップS111でDVDがトレイに入っているとき、あるいはステップS113でDVDがトレイに挿入されると、ステップS114でDVDの残容量を検出する。次いで、ステップS115でDVDにできる限り高画質となるビットレートの録画モードでダウンコンバート録画し、ステップS116でDVDダウンコンバート録画が完了したか否かを判別する。DVDダウンコンバート録画が完了した場合には、ステップS117でダウンコンバート終了メッセージをOSD表示して本サブルーチンを終了し、図10のステップS8又は図13のステップS35に戻る。
図13及び図14は、HDD録画データをBDに書き戻す録画データ書き戻し処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS21でBD自動録画モードにあるか否かを判別し、BD自動録画モードにあるときはステップS22でHDDにフラグ“1”の録画データがあるか否かを判別する。BD自動録画モードにないとき、あるいはHDDにフラグ“1”の録画データがなていときは本フローを終了する。HDDにフラグ“1”の録画データがある場合は、HDDに仮録画データがあると判断してステップS23でHDD録画データをBDに移す旨のメッセージを報知する。例えば「HDDの録画データをBDに移しますか?約○○分かかります。」、「HDDの録画データをダウンコンバートしてDVDに記録しますか?約○○分かかります。」等のメッセージをOSD表示する。また、音声メッセージを併用する態様でもよい。
ステップS24でHDDからDVDダウンコンバートか否かを判別し、DVDダウンコンバートのときはステップS35で該当録画データのステータスフラグを降ろし(“0”にし)、ステップS36でダウンコンバート処理(図11及び図12サブルーチン参照)を実行して本フローを終了する。なお、本実施の形態の記録再生装置Aは、デジタル放送をハイビジョンのままHDD及びBDに録画できることを特徴としており、HDDのハイビジョン録画データはBDに、またBDのハイビジョン録画データはHDDに双方向で移動又はダビングできるが、DVDに録画する場合はダウンコンバートが必要となる。本実施の形態では、HDDにハイビジョンで録画されているデータを、ハイビジョン録画可能なBDにダウンコンバートする使用方法は少ないとの観点から、ステップS24でHDDからDVDダウンコンバートとしているが、ダウンコンバートする媒体を選択できるようにしてもよい。
上記ステップS24でHDDからDVDダウンコンバートでないときはステップS25でHDDからBDにハイビジョン録画データ移動か否かを判別し、HDD→BDハイビジョン録画データ移動のときは、ステップS26でBDがトレイに入っているか否かを判別し、BDがトレイに入っていないときはステップS28でBDの挿入を促すメッセージ「BDをトレイに入れてください。」をOSD表示する。ステップS26でBDがトレイに入っているとき、あるいはステップS28でBDがトレイに挿入されると、ステップS29でHDDからBDにハイビジョン録画データ移動がOKか否かを判別する。ハイビジョン録画データ移動には、ある程度の所要時間を要するため、ユーザに確認を求める。例えば「いまからHDDの録画データをBDに移します。約○○分かかりますがよろしいですか?後で録画データを移す場合は、以下のメニューを選んでください。」などのメッセージをOSD表示し、ユーザに確認する。後で録画データを移す場合は、ステップS30でその実行指示がなされた時間又は条件(例えば、夜間ユーザが放送番組を視聴していない時、ユーザ外出時などのユーザ指定時)になるまで待機する。また、HDD→BDハイビジョン録画データ移動の中止の場合はそのまま本フローを終了する。
HDDからBDにハイビジョン録画データ移動が実行可能になると、ステップS31で録画データをハイビジョンでHDDからBDに移動し、HDD→BD録画データ移動が完了したか否かを判別する。HDD→BD録画データ移動が完了したときは、ステップS33でデータ移動した録画予約などの録画データに関するフラグを“0”にし、ステップS34でHDD→BD移動終了をOSD表示して本フローを終了する。
一方、上記ステップS25でHDD→BDハイビジョン録画データ移動でないときは、現在BD自動録画モードにあり、かつHDDに仮録画データがあるにもかかわらずHDD→BDハイビジョン録画データ移動の指示がなされなかったときであるからステップS37でHDDにハイビジョン録画データ有のメッセージ、例えば「HDDにハイビジョン録画データがあります。このままHDDに残しますか?HDDに録画データを移す場合は、○○を、BDに移動する場合は△△を、DVDにダウンコンバートする場合は××を選択してください。」などのメッセージをOSD表示する。次いで、ステップS38でHDDのハイビジョン録画データを指示があるまで保存する場合はそのまま本フローを終了し(フラグ“1”が保持される)、HDDのハイビジョン録画データを保存しない場合は、ステップS39で録画予約などの録画データに関するフラグを“0”にして本フローを終了する。
図15は、BD自動録画モード設定の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS41でBD自動録画モード設定画面をOSD表示し、ステップS42でユーザ設定入力を待つ。ユーザ設定が終了すると、ステップS43でダウンコンバート設定画面をOSD表示し、ステップS44でユーザ設定入力を待つ。ステップS45では、ユーザ設定されたBD自動録画モード及びダウンコンバート設定をテーブルデータとして保存する。このテーブルデータは、例えばCPU3の不揮発性メモリ領域に記憶する。記録再生装置Aは、HDD、BD及びDVD間で6方向自在ダビングや同時録再が可能な特徴を有するが、その特徴をより活かすため、ユーザの使用形態をあらかじめ設定しておき、記録操作等を支援するBD自動録画モードを用意する。一例を挙げると、「0.BD自動録画モードを使用する」「1.ハイビジョン信号をBDに自動録画する」「2.BDがない場合はHDDに仮録画する」「3.DVDにダウンコンバートする」などの各項目、その詳細情報がOSD表示され、ユーザがそれら各項目や記録媒体などをあらかじめ選択・設定しテーブルに保しておく。BD自動録画モード設定後、例えばハイビジョン信号が記録再生装置Aに入力されると、HDDに録画することなく直接BDに自動録画される(これは設定の一例であり、HDD・BD同時録画、HDD録画のみも可能である)。その際、ユーザに報知するOSD表示とその確認指示を省略する設定も可能である。また、ダウンコンバート設定は、ダウンコンバート実行条件・ダウンコンバート記録媒体の優先順位などをあらかじめ設定する。
なお、BD自動録画モード設定及びダウンコンバート設定は、あくまでもユーザ操作の簡略化を図り使用勝手を向上させるためのものであり、モード設定された機能が優先順位上位にくるだけである。BD自動録画モード設定を行ってもあるいは行わなくても使用形態・機能が制限されるわけではない。
以上のように、本実施の形態の記録再生装置Aは、HDD、BD及びDVDの3ドライブを備え、CPU3は、BD又はHDDのうち、いずれの記録媒体に対してハイビジョン信号を優先して記録するかをBD自動録画モードとしてあらかじめ設定し、ハイビジョン信号が検出されたとき、HDD、BD及びDVDのドライブ33,35,31が記録を行うよう制御する。第1の実施の形態では、BD自動録画モードに設定されているときは、録画データはハイビジョンでBD側に優先して録画される。ハイビジョン信号が最初からBDに自動録画されるので、後でユーザがHDDからBDに画像データを転送又は移動(ムーブ)する手間と時間を省略することができる。また、BDディスクが入っていない場合やBDに残容量がない場合などはDVD又はBDに自動的にダウンコンバート録画される。このように、記録再生装置Aの録画に関してハイビジョン信号がユーザの意向にあった記録媒体に自動的に録画され、BDに残容量がない場合にはダウンコンバートして録画、又はHDDに仮録画して記録され、適当な時間・条件でBDに書き戻されるなど、ハイビジョン信号記録可能なHDD、BD及びDVDの3ドライブ一体型搭載のレコーダの特徴を活かした使用方法が実現でき、使い勝手を格段に向上させることができる。
なお、本実施の形態では、HDDに仮録画する態様を示したが、図6に示すように、i.LINK接続された外部BD又はHDD機器に録画続行することも勿論可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、ハイビジョン信号を記録可能な第1及び第2の記録媒体として、HDD又はBDがは、第1及び第2の記録媒体に対応している。より具体的には、BDが第1の記録媒体に、HDDが第2の記録媒体に対応しているが、この組み合わせに限定されるものではない。
第2の実施の形態
本実施の形態の記録再生装置は、放送信号のハイビジョン信号をBDに自動記録する際、BDディスクが一杯になったときHDDに継続記録し、HDDに記録中にBDディスクを交換し、HDDに継続記録したハイビジョン信号をBDディスクに自動転送する制御を行う例である。
本実施の形態の記録再生装置のハード的構成は、第1の実施の形態の図1乃至図5と同一であるため説明を省略する。
図17及び図18は、本発明の第2の実施の形態の記録再生装置AのBD自動記録動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS51でBD自動録画モードにあるか否かを判別する。BD自動録画モードは、ハイビジョン信号をBDに自動録画するためのモードであり、BD自動録画モード設定の詳細については図13により説明した。BD自動録画モードにあるときは、ステップS52でBD自動録画条件を満たしているか否かを判別する。BD自動録画条件とは、現在の記録再生装置Aがハイビジョン録画をできる機器状態にあるかを判定する条件である。例えば、放送信号がハイビジョン信号であるか、BDディスクがトレイに入っているかなどである。
ステップS53では放送信号の種別を取得し、ステップS54で放送信号がハイビジョン信号か否かを判別する。放送信号がハイビジョン信号のときは、ステップS55でハイビジョン予約録画の指定があるか否かを判別し、ハイビジョン予約録画の指定があるときはステップS56でBDディスクの残容量を検出する。ここまでの処理で、上記ステップS51でBD自動録画モードにないとき、上記ステップS52でBD自動録画条件を満たしていないとき、上記ステップS54で放送信号がハイビジョン信号でないとき、あるいは上記ステップS55でハイビジョン予約録画の指定がないときは、BD自動記録動作の実行条件にないと判断して本フローを終了する。
ステップS56では、BDディスクの残容量を検出し、ステップS57でBDに予約録画をハイビジョンで録画する。次いで、ステップS59で予約録画が終了したか否かを判別し、予約録画が終了したときは、BDにハイビジョンで録画できた場合であるからそのまま本フローを終了する。予約録画が終了していないときは、ステップS59でBDディスクの残容量が一杯になったか否かを判別し、BDディスクの残容量が一杯でなければステップS57に戻ってBDへのハイビジョン録画を継続する。
BDディスクの残容量が一杯になったときは、ステップS60でBDディスクが一杯になった時点でBDディスクに録画できなかった予約録画の継続録画データ(以下、継続録画データという)をハイビジョンでHDDに録画する。次いで、ステップS61で予約録画が終了したか否かを判別し、予約録画が終了したときは、HDDに継続録画データをハイビジョンで録画し終えたときであるからステップS62で継続録画データの記憶容量を検出する。ここまでの処理で、BDディスクが一杯になると継続録画データがHDDに自動的に継続記録される。以下、HDDに録画した継続録画データをBDディスクに自動転送する処理を行う。
まず、ステップS63でBDディスクの交換メッセージをOSD表示する。交換メッセージは、例えば「BDディスクが一杯になりました。新しいBDディスクを入れてください。」「BDディスクに録画しない場合は、DVDにダウンコンバートすることもできます。ダウンコンバートする場合は、このメッセージを終了して、BD自動録画モードからダウンコンバート操作を行ってください。」などである。ダウンコンバート処理については、図12及び図13により説明した。また、ダウンコンバートを用いた全編録画方法については第3の実施の形態により後述する。
ステップS64では、HDDからBDにハイビジョン継続録画データ移動がOKか否かを判別する。ハイビジョン録画データ移動には、ある程度の所要時間を要するため、ユーザに確認を求める。例えば「いまからHDDの録画データをBDに移します。約○○分かかりますがよろしいですか?後で録画データを移す場合は、以下のメニューを選んでください。」などのメッセージをOSD表示し、ユーザに確認する。また、HDD→BDハイビジョン録画データ移動の中止の場合はそのまま本フローを終了する。
HDD→BDハイビジョン継続録画データ移動がOKときは、ステップS65でBDがトレイに入っているか否かを判別する。BDがトレイに入っていないときはステップS63でBDの挿入を促すメッセージ「BDをトレイに入れてください。」をOSD表示する。BDがトレイに入っているとき、あるいはステップS65でBDがトレイに挿入されると、ステップS66でBDに継続録画データが録画できる空き容量があるか否かを判別し、継続録画データがすべて録画できなければステップS63に戻って十分な空き容量のBDの挿入を促すメッセージ「BDディスクの空き容量が不足しています。約○○分の継続録画時間となります。新しいBDディスクを入れるか、キャンセルをしてください。」などのメッセージをOSD表示する。BDに継続録画データが録画できる場合は、ステップS67でHDDに継続記録された録画データをBDに移し、ステップS68でHDDからBDへの継続録画データ移動をOSD表示する。
ステップS69では、HDDからBDに継続録画データ移動が完了したか否かを判別する。HDDからBDに継続録画データ移動が完了していなければ、ステップS67にもとって継続録画データ移動及びOSD表示を続ける。HDDからBDに継続録画データ移動が完了すると、ステップS70でHDDからBDへの継続録画データ移動完了OSD表示して本フローを終了する。このメッセージは、例えば「BDディスクに継続録画データの移動が終了しました。指定された予約録画は2枚のBDディスクに入っています。」など継続記録されていることを報知することが好ましい。
一方、上記ステップS58で予約録画終了したときは、BDに全編がBDディスクに収録された場合でありHDDへの録画は必要ないと判断して本フローを終了する。また、上記ステップS64でHDDからBDにハイビジョン継続録画データ移動がOKでないときは、ユーザの意向により中止された場合であるからそのまま本フローを終了する。
このように、本実施の形態の記録再生装置によれば、放送信号のハイビジョン信号をBDに自動記録する際、BDディスクが一杯になったときHDDに継続記録し、HDDに記録中にBDディスクを交換し、HDDに継続記録したハイビジョン信号をBDディスクに自動転送して戻すことができる。
第3の実施の形態
本実施の形態の記録再生装置は、放送信号のハイビジョン信号をBDに自動記録する際、BDディスクに全部入らないときは、ダウンコンバートして全編を1枚のBDディスクに録画する制御を行う例である。
本実施の形態の記録再生装置のハード的構成は、第1の実施の形態の図1乃至図5と同一であるため説明を省略する。
本実施の形態では、図5のCPU3が更にCM検出、シーンチェンジ検出機能を有している。放送信号に重畳されている番組付帯情報にCM情報が含まれている場合、又はインターネットからCM情報をダウンロードできる場合には、CPU3はこれらの情報からCM検出を行う。実際には必ずしもCM情報が放送信号等に重畳されて供給されるとは限らない。そこで、CPU3は映像及び音声信号からなるテレビジョン放送信号からCMを検出する。(1)ステレオ放送〔CM〕とモノラル放送又は2カ国語放送〔本編〕との放送方式の違いからCMを検出する、(2)音声信号の無音声区間中の映像信号から画像のシーンチェンジ点を検出しその規則性からCMを検出する、方法がある。上記(1)の方法は、簡便にCM検出が検出できるが本編がステレオ放送である場合には検出できない。上記(2)の方法は少し処理が複雑になるが精度良くCM検出できる。本実施の形態及び後述する各実施の形態では、CM検出における画像表示制御精度を担保するため、上記(2)の方法を採用する。但し、放送信号に重畳されている番組付帯情報からEPG,CM情報を確実に取得できる場合には本処理は省略又はスキップが可能である。
図19は、本発明の第3の実施の形態の記録再生装置AのBD自動記録動作を示すフローチャートであり、図17のフローと同一処理を行うステップには同一ステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS56でBDディスク残容量を検出すると、ステップS71でBDディスクに予約録画全編が録画できるか否かを判別する。BDディスクに予約録画全編が録画できるか否かは、BDディスク残容量とハイビジョン予約録画時間から算出することができる。BDディスクに予約録画全編が録画可能なときは、ステップS72で予約録画全編をハイビジョンでBD録画し、ステップS73で予約録画終了か否かを判別し、予約録画を終了するまでハイビジョンでBD録画を継続する。予約録画終了により本フローを終了する。
一方、上記ステップS71でBDディスクに予約録画全編が録画できないときは、ステップS74の全編録画処理に移行して本フローを終了する。
図20は、全編録画処理を示すサブルーチンであり、図19のステップS74のサブルーチンコールにより呼び出されて実行される。
まず、ステップS201でダウンコンバート切替予定時間を設定する。このダウンコンバート切替予定時間について述べる。予約録画全編がBDディスクに全部入らないときには、ダウンコンバートして1枚のBDディスクに収録する。ダウンコンバートにより画質はハイビジョンのときより落ちる。また、図7及び図9に示すように、ダウンコンバートには、複数のビットレートによる録画モードが存在しビットレートの高い録画モードほど画質はよくなるが録画可能時間は短くなる。そこで本実施の形態では、ハイビジョン録画からダウンコンバートする場合であってもできるだけ画質を落とさず高画質となるようにハイビジョンからダウンコンバートへの切替タイミングを、ダウンコンバート切替予定時間として自動設定するものである。ハイビジョンはきわめて高画質・高精細であるため、ダウンコンバートに切り替わったとき、ダウンコンバートの録画モードが高画質でないと、ユーザはハイビジョンからダウンコンバートへ切り替わった時に画質低下が強く印象付けられてしまう。その一方で、BDディスクにはなるべく長時間ハイビジョンで録画したい要望がある。例えば、ハイビジョンでBDディスクに残容量が少ない時点まで録画してしまうと、残りの予約録画部分はビットレートの低い(画質の劣る)モードでダウンコンバートして録画しなければならない。本実施の形態では、1枚のBDディスクに録画される映像が、できるだけ高画質となりかつ切替え点が目立たないようなダウンコンバート切替予定時間をステップS201で設定し、このダウンコンバート切替予定時間でハイビジョンからダウンコンバートへの切り替えを行う。一例として、ダウンコンバートは最高画質の録画モードとし、この最高画質の録画モードによって1枚のBDディスクに予約録画全編が録画できる限界の時点までハイビジョン録画を継続する。ステップS201では、BDディスクの残容量と全編の予約録画時間、及び上記ダウンコンバートの録画モードの組み合わせによりダウンコンバート切替予定時間が算定される。
図20のフローに戻って、予約録画の最初はハイビジョン録画か否かを判別し、予約録画の最初からハイビジョン録画のときはステップS203でBDにハイビジョン録画する。次いで、ステップS204でダウンコンバート切替予定時間に先立つ準備期間であるか否かを判別する。本実施の形態では、ダウンコンバート切替予定時間に先立って、準備期間を設け、この準備期間中に、ハイビジョンからダウンコンバートへの切替えが目立たないタイミングがあるか否かを判別するものである。切替えが目立たないタイミングとして、例えばCM時、シーンチェンジ時を用いているがこれには限定されない。
ダウンコンバート切替予定時間の準備期間中において、ステップS205でCM中か否かを判別し、CM中でなければステップS206でシーンチェンジか否かを判別する。シーンチェンジでなければ、ステップS207でダウンコンバート切替予定時間が経過したか否かを判別し、ダウンコンバート切替予定時間が経過していなければステップS204に戻る。
上記ステップS207でダウンコンバート切替予定時間になったときは、ステップS208でハイビジョンからダウンコンバート録画に切替える。ダウンコンバート切替予定時間の準備期間中に、CM時又はシーンチェンジが検出されたときは、ダウンコンバート切替予定時間を待たずにステップS208に進み、ダウンコンバート録画に切替える。これにより、ハイビジョンからダウンコンバートへの切替えが目立ちにくいCM時、又はシーンチェンジ時にダウンコンバートに切替えられ、ユーザにとってダウンコンバートによる画質低下感を避けることができる。
ステップS209では、ダウンコンバートにより予約録画全編を1枚のBDに録画し、ステップS210でBDダウンコンバート録画が完了したか否かを判別し、録画が完了するまでBDダウンコンバート録画を続ける。BDダウンコンバート録画が完了すると、ステップS211でダウンコンバート録画終了メッセージをOSD表示して図19のステップS74に戻る。ダウンコンバート録画終了メッセージでは、「ダウンコンバートによる録画が終了しました。」に加え、「予約録画がBDディスクに全部入らないので、ダウンコンバートして全編を1枚のBDディスクに録画しました。」などのメッセージを表示することが好ましい。
このように、本実施の形態の記録再生装置によれば、放送信号のハイビジョン信号をBDに自動記録する際、BDディスクの残容量を検出し、BDディスクに全部入らないときは、ダウンコンバートして全編を1枚のBDディスクに録画するので、全編を1枚のBDディスクに録画することができる。
なお、上述した実施形態及では、ハイビジョン信号を記録する記録媒体としてBDを用いる例で説明したが、BDの替わりにHD DVDを用いることも可能である。この場合はBDドライブ部の構成をHD DVDに対するデータ処理に合致した構成に変更することが必要である。
さらに、上述した実施形態及び各変形例において、第1の光ディスク装置に、DVD以外の着脱タイプの記録媒体を適用することが可能であり、例えば、各種磁気テープ、DVD以外の光ディスク、半導体メモリ、及び着脱タイプのハードディスクドライブ等を第1記録媒体として適用できる。このように第1記録媒体をDVD以外の上述した着脱タイプの記録媒体に変更する場合は、DVDドライブ部の構成を、変更する記録媒体に対する制御部に合致した構成のドライブ部に置き換えることが必要である。
また、第1の光ディスク装置に適用できるDVD以外の光ディスクには、BD及びHDDVDも勿論含まれており、第1記録媒体及び第2記録媒体にそれぞれBDを適用したときは、2枚のBDにより大記録容量を確保でき、デジタルハイビジョン放送を録画する場合などに一段と好適になる。また、第1記録媒体にBD又はHD DVD、第2記録媒体にHD DVD又はBDを適用した場合は、記録方式の異なる大記録容量を有する2種類の記録媒体に対して同様な処理を行うことができる。
さらにまた、上述した実施形態及び各変形例において、内蔵されたディスク装置についてはハードディスク装置のみに限定されるものではなく、他の種類の記録媒体に適宣置き換えて同様に適用することが可能である。例えばハードディスク部分の記録媒体には装置内に取り付けるタイプのもの以外に、第1記録媒体及び第2記録媒体として適用できる着脱タイプの各種記録媒体を用いることが可能であり、ハードディスク装置の替わりに着脱タイプの記録媒体を適用する場合は、ハードディスク装置及び接続インターフェース部を、適用する記録媒体に合致したドライブ部に適宣置き換えることで実現できる。
以上、本発明の記録媒体への記録再生装置について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
また、上記各実施の形態では、1つのHDD装置と2つの光学ディスク装置を含む2トレイ方式の記録再生装置を例にして説明したが、HDD装置を半導体メモリ装置に置き換えてもよく、表示制御に関してはトレイ数に関係なく同様の制御を行うことができる。特に、3トレイ式なども含まれる。また、液晶テレビなどとの複合機一体型や分離型記録再生装置にも好適に適用可能である。
また、上記各実施の形態では、HDD、BD及びDVDの3ドライブを備える記録再生装置について説明したが、複数の記録媒体を有する記録再生装置であればよく、前述したように2トレイそれぞれにBDディスクを備える装置であってもよい。