JP2006165148A - 光起電力素子、光起電力素子集合体、光起電力素子モジュール、及び、それらの製造方法 - Google Patents

光起電力素子、光起電力素子集合体、光起電力素子モジュール、及び、それらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の光起電力素子の中でも、金属線よりなる網状電極体を光起電力体上に接合してなるタイプの光起電力素子の性能と耐久性を飛躍的に改良し、非常に低価格、高速生産可能であり、かつ高性能、高耐久性を有する光起電力素子を提供する。
【解決手段】 金属線よりなる網状電極体を光起電力体上に接合してなる光起電力素子において、金属線を編んだ網状電極体11と、光起電力体1とを接合してなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光起電力素子、光起電力素子集合体、光起電力素子モジュール、及び、それらの製造方法に関するものである。その中でも特に、光によって発電することを目的とする太陽電池、太陽電池集合体、太陽電池モジュール、及び、それらの製造方法に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりから、世界の太陽電池の年間生産量は増加の一途をたどっている。
この様な中、現在、最も普及しているタイプの太陽電池を図13に示す。図13の(a)は太陽電池の光入射面に垂直な方向から見た平面図であり、(b)はA−A’に沿った断面図である。(a)の実線で描かれたものが最小単位の太陽電池であり、破線はその太陽電池に接続される他の太陽電池の位置を示したものである。図の様に最小単位の太陽電池をいくつか接続することによって、大きな単位の太陽電池が形成される。最小単位の太陽電池は、次の構造を有する。まず、半導体層1に、拡散層2を形成することによってPN接合が形成されている。さらに、半導体層1の面上には、表面バスバー電極4、格子電極7が形成されている。また、これらの電極が形成された電極形成面とは、反対側の裏面上には裏面バスバー電極5、裏面電極6が形成されている。この裏面電極6は裏面を覆うように形成される場合や格子電極7の様に格子状に形成される場合がある。3は半導体表面のパッシベーション膜であり、入射光の反射防止機能も兼ね備えたものである。8は接続に使用されるインターコネクタであり、金属箔からなるものである。
このタイプの太陽電池が普及した理由は性能が向上し、生産コストが下がったためであるが、さらなる性能向上、生産コスト削減を目指して、現在も様々な努力が行われている。その一つの方向として、格子電極7を改良することが挙げられる。特許文献1、特許文献2は、その例である。
格子電極7はPN接合で発生した電力を集め、表面バスバー電極4に伝える役割を担う電極である。格子電極7はより細い格子の方が、太陽光を遮る量がより少ない。このため、より細い格子の格子電極を使用すれば、太陽電池の性能が向上すると考えられる。しかし、格子を単純に細くしてしまうと、格子の断面積が小さくなり、その電気抵抗が上昇するため、格子を伝わる電力の損失が増大してしまう。そこで、格子厚みは厚い方が良いことになる。ここで言う格子厚みとは光起電力体1の表面から測った格子電極の高さである。格子が細くても、格子の厚みが厚ければ、格子の断面積が大きくなるため、前述の損失の増大が無い。まとめると、太陽電池の性能を向上させるには、格子が細い方が良く、また、格子が厚い方が良いことになる。すなわち、格子の細さと、格子の厚みとの比、アスペクト比が大きいことが望まれる。(以下、単にアスペクト比とする。)特許文献1、および特許文献2はこのアスペクト比を大きくすることを目的としたものである。
格子電極7は銀ペーストを印刷焼成したものが一般的である。この場合、アスペクト比は大体0.3程度である。特許文献1は、この印刷焼成電極のアスペクト比を大きくすることを目的とするものである。印刷に使用するスクリーン版の改良により、アスペクト比を0.6程度まで大きくしている。
ところで、太陽電池に対して、太陽の位置は刻々と変化するものである。したがって、アスペクト比を余りに大きくすると、図14に示すように、太陽が傾いた際に格子電極7によって、光起電力体1表面に形成される影9が大きくなる。このため、太陽が傾いた際に、太陽電池の出力が大きく低下してしまい、好ましくない。太陽電池の出力の低下を少なく抑えるためには、アスペクト比は1程度が理想的である。
前述の特許文献2は格子電極7に金属線を使用して、アスペクト比を理想的な1にするアイデアである。実は格子電極7に金属線を使用する試みは、特許文献4、特許文献5にも挙げられているように、以前より行われている。これらは、金属を細線として予め形成したものを光起電力体表面に直接配線する技術である。アスペクト比が小さく成り易い印刷による配線技術や、リソグラフィーと真空成膜技術とを応用した配線技術等と比較して、これらの方法はアスペクト比がほぼ1に近い電極が得られる。しかし、このタイプの太陽電池は、現在においては広く普及するに至っていない。その理由の一つとして、金属線を高速で配線することが困難であり、十分なコストメリットが出せないことが挙げられる。
一方、性能向上と生産コスト削減を目指した努力の、もう一つの方向として、表面バスバー電極4、裏面バスバー電極5、及びインターコネクタ8を改良することが挙げられる。太陽電池ハンドブック(電気学会、太陽電池調査専門委員会 1985編)49項(3.3.3 電極形成)に記載されているように、バスバー電極、兼インターコネクタを金属線(49項ではリードワイヤと記載されている。)で形成し本数を増やすと、太陽電池の性能が向上することが一般的に知られている。しかし、現在、最も普及している太陽電池は、図13の様にバスバー電極が2本のものである。これは、インターコネクタ8の配線に手間がかかり、生産コストが上昇するため、インターコネクタを細くして、本数を増やしても十分なメリットが出せないためである。一部、インターコネクタの配線技術を改良してバスバーを3本に増やした太陽電池が製品化されているが、依然3本止まりである。
特許文献3のように、平行に配線した金属線を千鳥状に上下に開き、その隙間に光起電力素子を挟み込んで直列化するアイデアもある。しかし、このタイプの太陽電池も普及には至っていない。その理由の一つもまた、金属線を高速で配線することが困難であり、十分なコストメリットが出せないためである。
以上の様に金属線を格子電極やバスバー兼インターコネクタとして利用することは、太陽電池の性能向上に繋がることは、良く知られているが、いずれの場合も、金属線を高速で配線することの困難さから十分なコストメリットが出せず、普及に至っていない。
太陽電池への金属線の高速配線が困難な理由の一つは、既存の高速配線技術として半導体分野で普及しているワイヤボンディング技術が使えないことが挙げられる。ワイヤボンディングはリードフレームとチップの電極パッドとの間といった近距離間を配線するのに適した技術である。したがって、太陽電池の格子電極のように長距離を配線する必要がある部分への応用は困難である。また、ワイヤボンディング可能な金属線は一般に高価であり、その様な金属線を長距離に渡って太陽電池表面に配線した場合、コストメリットは出し難い。
このため、特許文献4、特許文献5、特許文献2、特許文献3では、金属線に接着被覆層を形成し、その金属線を平行に複数本並べて、光起電力体上に張り、それらを光起電力体上に加熱圧着するといった遅い配線方法が採られているのである。
ところが、金属線の高速配線を実現し、安価な金属線を格子電極やバスバー兼インターコネクタと使用しても十分なコストメリットを出せる可能性のあるアイデアの一つが特許文献6に開示されている。このアイデアは図15に示す様に、金属線10を織ってなる網状体を形成し、それを光起電力体1上に接合するといったものである。金属線の織物からなる網状体は、例えばスクリーン印刷版、ガスの高温処理用フィルタ、電磁波吸収シート等の様々な分野で利用されている。これらは織物業界の自動織機を応用した装置で形成される。したがって、非常に高速かつ、大面積で形成することが可能である。大面積で高速形成した網状体を、裁断し光起電力体上に接合すれば図15の太陽電池が完成する。これは特許文献4、特許文献5、特許文献2、特許文献3の配線方法と比較して、非常に高速な配線方法と言える。
しかし、このタイプの太陽電池は実現には至っていない。その理由として、金属線10と光起電力体1との接合が不十分となり易いことが挙げられる。
特許文献6の織物は図2の(c)に示す様に、基本的に縦繊維12t及び横繊維12yから構成され、両者が交差してなるものである。この縦繊維12tと横繊維12yが交差する部分の摩擦力によって、織物の形状は保持されている。この摩擦力を十分に得るためには、各繊維に強いテンションを加え、縦繊維12tと横繊維12yが交差する部分において、縦繊維12tと横繊維12yが互いに押しつけられ合う様にしなければならない。そうでなければ、摩擦力が低下し、交差点が簡単にずれてしまうため、織物の形状を保持することが不可能である。各繊維に強いテンションを加えるためには、縦繊維12tと横繊維12yを密に織り込む必要がある。縦繊維12tと横繊維12yを密に織り込めば、次の様に織る工程において、各繊維に強いテンションが加わる。
図2の(d)に織機を横から見た図を示す。まず、ワープビームと呼ばれる円筒形の部品に、縦繊維12tを複数本、規則的に、密に巻きつける。次にこのワープビームから、先の複数の縦繊維12tを引き出し、ドロッパ、ヘルドを通して巻取りロールに巻いて、張る。そして、張った複数の縦繊維12tを、ヘルドで順に交互に上下に振り分ける。上下に振り分けることによって出来た上の縦繊維12tと下の縦繊維12tとの隙間に横繊維12yを通し、筬を使って図の左方の隙間が狭くなる方へと嵌め込む。この時、横繊維12yは、ほぼ直線状である。次の横繊維12yを嵌め込むために、先に、上下に振り分けた縦繊維12tの上下を、ヘルドを使って逆転させると、先に嵌め込んだ横繊維12yと、縦繊維12tが図2(c)の断面図の様に、直線状から波線状に折れ曲がる。そのため、折れ曲がった分だけ各繊維の長さが伸び、この伸びによって各繊維のテンションが上昇する。縦繊維12tと横繊維12yを密に織り込んだ方が、各繊維が直線状から波線状になった時の伸びが大きくなるため、より強いテンションが各繊維に加わる。
以上より換言すると、特許文献6に開示された網状電極体11は金属線からなる織物であり、その形状を保持するために、織物を形成する各繊維は、必然的に密に織り込まれ、細かく波線状に折れ曲がっている必要があることになる。この結果、この様な網状体を光起電力体に接合すると、図15のAA’断面図に示した様に金属線10と光起電力体1との接合面は図のBの部分のみとなる。これは、ほぼ点接触に近いものであり、接合面積が小さい。したがって、電気的接合、機械的接合ともに不十分となり易い。電気的接合が不十分であれば、太陽電池の直列抵抗成分が上昇し、性能が低下する。また、機械的接合が不十分であれば、耐久性が低下し、長期に渡って安定した性能を保持出来なくなる。AA’断面は横線10bに沿った断面であるが、縦線10aに沿った断面で見ても、この状況は同じであり、横線10bと同様に縦線10aと光起電力体との接合面も点接触に近く、電気的接合、機械的接合ともに不十分となり易い。
ところで、図16の様に縦線10a間の間隔と、横線10b間の間隔を広げて、網状体の開口率を上げることによって接合面Bにおける横線10bと光起電力体1との接合面積を大きくすることも考えられる。しかし、この場合、縦線10aと横線10bのテンションが容易に緩むため、交差点が簡単にずれるようになる。そして網状体が容易に型崩れしてしまう。
網状体が型崩れを起こせば、一つには生産性が著しく低下する。また、金属線10の間隔が不均一になり、太陽電池の性能が低下するという問題も発生する。なぜなら、金属線10の間隔が不均一になれば、間隔が狭まった部分での集電効率の上昇に対し、間隔が広がった部分での集電効率の低下が大きいため、全体の集電効率が低下し、ひいては太陽電池の性能が低下するからである。ここで言う集電効率とは、光起電力体で発生した電流が光起電力体の表面を、格子電極に向かって流れる際に引き起こすジュール損失の少なさのことである。
結局、図16の様に十分な面積を有する接合面Bを得るまで、縦線10a間の間隔と、横線10b間の間隔を広げることは出来ないことになる。
以上の様に特許文献6に開示されたタイプの太陽電池は、金属線10と光起電力体1との電気的接合不足による直列抵抗成分の上昇と、性能低下が発生し易い状況にあった。また、金属線10と光起電力体との機械的接合不足によって、長期に渡って安定した性能を発揮することが困難となり易い状況にもあった。
特開2004−195858号公報 特開2004−134656号公報 特開2004−140024号公報 特開平03−006867号公報 特開平08−046226号公報 特開平06−151915号公報
本発明は、上述したような従来の光起電力素子の中でも、金属線よりなる網状電極体を光起電力体上に接合してなるタイプの光起電力素子の性能と耐久性を飛躍的に改良し、非常に低価格、高速生産可能であり、かつ高性能、高耐久性を有する光起電力素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく本発明では、金属線よりなる網状電極体を光起電力体上に接合してなる光起電力素子において、金属線を編んだ網状電極体と、光起電力体とを接合してなることを特徴とする。
また、前記網状電極体は前記金属線と透光性部材とを編んだものであることを特徴とする。
また、前記網状電極体は前記金属線を一種、または二種以上、編んだものであることを特徴とする。
また、前記網状電極体の編み方はインレイ編みであることを特徴とする。
また、前記網状電極体の編み方はダブルフェイス編みであることを特徴とする。
さらに、光起電力素子集合体において、複数の並列された光起電力体の上に、前記網状電極体を接合することによって、並列された前記光起電力体を並列接続してなることを特徴とする。
さらに、光起電力素子集合体において、複数の並列された光起電力体間に、前記網状電極体を挿入し、該網状電極体を前記光起電力体の表面に接合することによって、並列された前記光起電力体を直列接続してなることを特徴とする。
さらに、光起電力素子モジュールにおいて、前記光起電力素子、もしくは前記光起電力素子集合体を、少なくとも樹脂で封止したことを特徴とする。
また、前記光起電力素子、もしくは前記光起電力素子集合体を、前記透光性部材と同種の樹脂で封止したことを特徴とする。
さらに、金属線からなる電極を有する光起電力素子、光起電力素子集合体、及び、光起電力素子モジュールの製造方法において、金属線を編んだ網状電極体を光起電力体の表面上に接合する工程を有することを特徴とする。
さらに、金属線からなる電極を有する光起電力素子、または光起電力素子集合体を、少なくとも透明樹脂で封止してなる光起電力素子モジュールの製造方法において、金属線を編んだ網状電極体を光起電力体の表面上に接合する工程と、光起電力素子、または光起電力素子集合体を透明樹脂で封止する工程とを同一工程で行うことを特徴とする。
本発明によれば、金属線よりなる網状電極体を光起電力体上に接合してなる従来の光起電力素子の性能、及び耐久性が飛躍的に改善される。また、これによって、非常に低価格、かつ高速生産可能であり、さらに高性能、高耐久性を有する光起電力素子を提供することが可能である。
以下に図を用いて、本発明について詳細に説明するが、本発明の光起電力素子、及び光起電力素子の製造方法はこれにより何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の光起電力素子の一例を模式的に示す概略図である。
図1において、1は光起電力体であり、網状電極体11は金属線10を編んだものである。光起電力体1の表面に網状電極体11が接合されて光起電力素子が完成する。光起電力体1に入射した光によって、発生した電力は網状電極体11を伝わって光起電力素子の外部に取り出される。
編物は図2の(a)および(b)示す様に、編物を構成する横繊維12y、もしくは縦繊維12tが複数並んで形成されたシート体であり、平行に並んだ、各繊維が形成する複数のループが、隣接する繊維が形成するループと絡み合って各繊維間が結合されたものである。編み方は、大別して(a)の様に横方向に並んだ横繊維12yを絡ませる横編みと、(b)の様に経に並んだ縦繊維12tを絡ませる縦編みがある。
織物に対し、編物の場合は、前述の様にループによって、織物を構成する各繊維が絡まることによってシートの形状が保持されているため、各繊維に加わるテンションは織物と比較して緩いにも関わらず、シート状を保持することが可能となっている。このことから、編物は織物と比較して格段に開口率が高い。
この特徴によって、金属線を編んだ網状電極体11を利用する本件の光起電力素子では、金属線10と光起電力体1との接合面積が大きくなる。これは、本件の様に金属線10を編んだ網状電極体11を光起電力体1に接合すると、網状電極体11を構成する金属線10のテンションが緩いために、光起電力体1の表面に金属線10が十分、追随して接合されるためである。この様子を図1の(c)に示した。図1の(b)は図1の(a)の円Bで囲まれた部分の拡大図であり、さらに図1の(c)は図1の(b)のAA’線に沿った断面図である。図のCの部分で金属線10が光起電力体1に十分追随している。
上記の様に金属線10と光起電力体1との接合面積が大きくなれば、網状電極体11と光起電力体1との間の接合抵抗が小さくなり、光起電力素子の性能が向上する。また、接合強度が大きくなり、信頼性も向上する。即ち、特許文献6に開示された金属線10を織って形成された網状電極体11を有する光起電力素子の場合に発生する、性能と信頼性の問題が解決される。また、既存の編機を利用すれば、金属線を織って網状電極体11を製造する場合と比較しても、遜色の無い生産性も得られる。したがって、先に述べた発明が解決しようとする課題が解決される。
図1の金属線の編み方は、所謂平編みであるが、本発明は編み方に限定されるものではない。編み方のバリエーションは多数、考えられる。前述の様に編み方は大別して横編みと、縦編みに分けられる。
横編みの代表例には図3の(a)に示した平編み(メリヤス編み、天笠編み、袋編みとも言う)、(b)のゴム編み(リブ編み、畦編みとも言う)、(c)のパール編み(ガーター編みとも言う)が挙げられる。また、これらにタック、ウエルト、目移し、添え糸、パイル、浮き編み、針抜きなどの手法で変化を加えた横編みもある。さらに、両面編機を使用して編まれる二重編みもある。
図1の様に横編みで金属線を編んだ編物を網状電極体11として使用する場合、平編みで編むよりは、ゴム編み、パール編みの方が好ましい。なぜなら、平編みの場合、編物の表面に、図3の(g)に示した表目が連続して現れるために、編物が平面にならず、丸まり易いからである。
縦編みの代表例には図3の(d)に示したデンビー編み、(e)のコード編み、(f)のアトラス編み、(h)の鎖編みが挙げられる。また、これらの変化形や、複数のおさを利用して編まれる二重編み、ミラニーズ編機によって編まれるミラニーズ編み(バイヤスチェックともいう)等がある。図3の各図は図1の(b)の様に、編物の一部を拡大して示した図である。また、編物の組織を分かりやすくするため絡みあった繊維どうしを塗り分けて、かつ繊維を実際よりも太く示してある。さらに、目の細かさも網状電極として使用する場合よりも細かく示してある。
縦編機は図2の(f)に示した様に複数本並べた繊維を使って編み込むため、(e)の様に基本的に一本の繊維を使って編み込む横編機よりも高速に編むことが出来る。従って、生産性の面においては縦編みの方が好ましい。
本発明は、網状電極体11を接合する光起電力体の表面に限定されない。網状電極体11を接合する表面は、光入射面、非光入射面、もしくはその両方で有っても良い。どの場合であっても、発明の効果は得られる。ただし、光入射面、非光入射面、それぞれの場合に適した編み方を選択する必要がる。
非光入射面に接合する場合は、網状電極体11に電流が流れることによって発生するジュールロスと、生産コスト、材料コストとをバランス良く小さくすることが可能な編み方が望ましい。その様な編み方としては単一金属線からなる縦編みが好適である。なぜならば、縦編みは生産性に優れ、かつ金属線を編み込む密度を変えることによって網状電極体11の電気抵抗を、光起電力体の性能に合わせて適宜、設計することが容易であるからである。
一方、光入射面に接合する場合は、ジュールロス、コストに加えて、網状電極が光起電力体上に影を形成することによって発生するシャドウロスも小さくすることが必要である。光入射面上の電極として最も効率的で、ジュールロスとシャドウロスをバランス良く下げることが可能な形状は、葉の葉脈の様な形状と考えられるが、その様な形状は人為的に形成することが困難である。したがって、生産性を考慮すれば、格子状電極が好ましい。
金属線のみを使用して格子状に編むことに適した編み方は横編みである。これは縦編みに斜めの繊維が含まれているのに対し、横編みは基本的に縦、横の繊維で構成されているからである。図4の(a)は金属線を横編み(ゴム編み)にした編物の一部を拡大表示したものである。(b)は(a)の編物を矢印の方向に適度に、引っ張ることで、金属線の交差部分を塑性変形させ、より所謂格子状に近づけたものである。こうすることで、この編物を光起電力素子の表面電極として使用する場合に、電極としての効率を高めることが可能である。(b)を見ると横編みが基本的に縦、横の繊維で構成されていることが理解される。
図4の(c)のように、(b)の横編みを形成する際に、同時に他の部材13を編み込むことが、編物の強度を補強する上で有効である。この他の部材13はインレイ糸と呼ばれるものである。インレイ糸を単に編物強度の補強目的で入れる場合は、インレイ糸は樹脂、ガラス等の透明部材の方が好ましい。これは、透明部材であれば、シャドウロスを増加させないためである。また、インレイ糸を金属線10よりも太めの金属部材とすることが、表面電極の効率を高める上でより有効である。この場合、編み込んだ金属部材がバスバー電極として機能するからである。図5の(c)に示すように編物組織の横方向をコース、縦方向をウェールと呼ぶ。図4のインレイ糸13は(b)の編物のコースの方向にインレイ糸を挿入したものであるが、図5の(a)の編物のウェール方向にインレイ糸13を挿入し(b)の様な編物を作ることも可能である。
また、図6の(a)、(b)に示す様に、樹脂やガラスから出来た透明な繊維14で下地を編み、下地を編む時に、同時に金属線10をインレイ糸として挿入しながら編み込むことも可能である。図6の(a)は透明繊維14で、縦編み(デンビー編み)を編む際に、同時にコース方向にインレイ糸として、透明繊維14と金属線10を交互に並べて、挿入しながら編み込んだものである。透明繊維14のインレイ糸は全ウェールにおいて編み込まれているが、金属線10は5つのウェールに一回、編み込んである。この様に透明繊維14で編まれる下地に金属線10を、複数ウェールもしくは複数コース毎に一回、インレイ糸として編み込むことで、本発明の効果が高まる。なぜなら、図6(a)のAA’断面図にBで示した様に、より長距離に渡って、光起電力体と金属線を接合可能になるからである。さらに、金属線10をインレイ糸として挿入することで、金属線10を、ほぼ直線状で編み込むことが可能であり、より理想的な格子状電極が容易に作製可能となる。図6では金属線10をコース方向に挿入した例を示したが、ウェール方向に挿入しても良いし、両方に挿入することも可能である。さらに、ウェール方向と、コース方向に挿入する金属線10の太さを異なるものにすることも可能である。
図7に示した様に下地の透明繊維14を編む際に、同時に上地の金属線10を編み込んだダブルフェイス編みの網状体を電極として使用することも可能である。この場合、網状体の強度が高くなり、その取りまわしが容易になる。また、光起電力素子の強度補強としても有効である。
また、網状電極体11の一部において、その他の部分とは編み方が異なる部分を有しても良いし、必要に応じて、ポリカーボネイト繊維の様な補強材を編み込んでも良い。さらに、網状体の上から金属箔などを接合しても構わない。
以下に用語の意味を説明する。
(金属線)
本発明は金属線の種類によって限定されないが、金属線として次のものが挙げられる。金属線は、線材として工業的に安定に供給されている。その製法としては、母材から、伸線工程を経て得る方法が一般的である。伸線工程は母材に熱を加えて行っても良いし、ダイスを通して引き伸ばす方法でも良い。伸線工程の他にアニール工程を設けても良い。また、圧延や、電解によって形成した箔材にスリットを入れて線材にする方法もある。この場合、その断面は矩形となる。
金属線の材質としては、例えば、銅、銀、金、白金、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどの材料が、比抵抗が小さいため好適である。中でも、銅が、電気抵抗が低いうえに安価であることから最も使用される。また、金属線はこれらの金属の合金であってもよい。金属線の表面には、光起電力体と金属線との接着、金属線表面の腐食防止、酸化防止、電気的導通の改良などの目的で、薄い金属層や樹脂層が形成されることもある。また、防錆処理が施されていても良い。表面に形成される金属層としては、例えば、銀、パラジューム、銀とパラジュームの合金、金などの腐食されにくい貴金属や、ニッケル、錫、半田などの耐食性のよい金属を用いられる。その中でも、金、銀、錫、半田が湿度などの影響を受けにくいため、好適である。前記金属層の形成方法としては、例えば、メッキ法、クラッド法が一般に用いられる。金属線を被覆する導電性樹脂の厚みは、所望に応じて決定されるものであるが、例えば断面が円形の金属線であれば、直径の1%から10%の厚みが好適である。電気的導通、耐食性の効果、金属層厚みを考慮して金属層、樹脂層の比抵抗は、10Ωcm以下が好適である。具体的には、銀粒子とガラスフリット、有機ビヒクル等を混ぜた焼結系の銀ペースト、熱可塑性や熱硬化性樹脂に銀粒子や防錆処理済み銅粒子を分散した樹脂系導電性ペースト、銀の変わりにグラファイトを分散させたカーボンペースト、あるいは、主に溶剤と酸化銀からなる低温焼成型銀ペースト等が挙げられる。前記金属線の断面形状は円形が好ましいが、矩形や三角形等であってもよく所望に応じて適宜選択される。前記金属線の直径は、ジュールロスとシャドウロス等のロス全体が最小となるように設定して選択されるものであるが、例えば直径25μmから1mmまでの銅線が多く用いられる。より好ましくは、25μmから200μmとすることで効率のよい光起電力素子が得られる。25μmより細い場合は金属線が切れやすく製造が困難となり、また電気ロスも大きくなる。また、200μm以上であるとシャドウロスが増大する場合や、光起電力素子表面の凹凸が大きくなって、素子表面を樹脂封止する際にEVAなどの充填材を厚くしなければならなくなる場合がある。
(光起電力体)
入射する光のエネルギーを電力に変換する作用を有するものである。本発明は光起電力体の種類によって限定されないが、光起電力体として次のものが挙げられる。光起電力層単独体や、光起電力層と、光起電力層の形状を維持するための基板、電流を流すための電極層、光を反射させるための層等との複合体が公知である。
最も多くは光起電力層が半導体接合からなるものである。半導体は材料の面で大きくシリコン系と、ガリウム砒素や硫化カドミウムに代表される化合物半導体系とに分けられる。また接合のバンド構造の面で、単純な同種のp型半導体とn型半導体との接合であるpn接合型、禁制帯の異なる異種半導体の接合からなるヘテロ接合型、半導体と金属のショットキーバリア型に分類される。結晶構造の面での分類では結晶系、多結晶系、薄膜微結晶系、薄膜アモルファス系に分類される。層構造の面では接合一層からなるシングル、接合二層を重ねて直列化したタンデム、さらに三層を重ねたトリプル等が公知である。薄膜系の基板としては、導電性基板、絶縁性基板のどちらでも使用可能である。導電性基板としてはステンレスやアルミ等の金属基板が好適である。絶縁基板としてはガラス、セラミック、樹脂による基板が挙げられる。光起電力体が薄膜系の場合、光入射側表面の導電率向上を目的として、ITO、Sn23等の透明導電性酸化物層を形成することが好適である。光起電力体が半導体基板系の場合、入射光の反射防止や、表面のパッシベーションを目的として、光入射表面にはシリコンの酸化膜や、窒化膜が、形成されることが多い。半導体基板系の反光入射側表面には、銀、アルミ等の太陽光に対して反射率の高く、導電率の高い層が用いられる。
(接合)
網状電極体と光起電力体との接合方法は、光起電力体と金属線によって適宜選択すれば良い。例えば図8に示した接合方法が挙げられる。
図8の(a)は金属線10sの表面に予め接着層10hを塗布し、それを光起電力体1の上に接合したものである。予め接着層10hを塗布した金属線10sで網状電極体を編み、それを光起電力体1上に接合しても良いし、先に金属線10sで網状電極体を編んでおき、その後、接着層10hを形成して光起電力体1上に接合しても構わない。光起電力体が基板上に薄膜半導体層と透明電極層を積層してなる場合は、接着層10hとして樹脂系の銀ペーストやカーボンペースト、ITOペースト等の導電性ペーストが使用可能である。光起電力体が単結晶や多結晶の半導体基板からなる場合は、一般にその表面に窒化シリコンからなるパッシベーション層が形成されているため、接着層10sとしてはパッシベーション層をファイヤースルーすることが可能な焼結系の銀ペーストを選択することが好ましい。
図8の(b)は光起電力体1の上に導電性ペーストを印刷した印刷電極15を形成し、印刷電極15によって金属線10を光起電力体1上に接合したものである。
図8の(c)は次の方法によるものである。まず、光起電力体1の上に導電性ペーストによる印刷電極15を形成した後に、低融点金属からなる被覆16を印刷電極15に形成する。さらに、同様の低融点金属からなる被覆10hを有する金属線10sを上から加熱圧着する。
図8の(d)は金属線10を光起電力体1の表面に圧接し、その状態で透明樹脂20によって封止したものである。
前述のパッシベーション膜をファイヤーする様な400℃を超えるような工程の場合を除いて、図8のいずれの方法であっても、網状電極体を光起電力体1上に接合する装置としては、公知の加熱圧着装置が好適である。即ち、公知の真空ラミネータやロールラミネーター等を用いれば容易に熱圧着することが可能である。また、光起電力体1、網状電極体、封止樹脂を順に重ねてラミネートすることで、接合工程と同時に封止を行うことも可能である。接着層10hや、印刷電極15が紫外線や、常温で硬化するものである場合は、それぞれに適した装置であっても良い。その場合も、網状電極体を光起電力体に加圧し、圧着することが、金属線10をより光起電力体に強固に接合するためには好適である。
(光起電力素子集合体)
複数の並列された光起電力体の表面上に、一枚の網状電極体を接合することによって、複数の光起電力体間を並列接続することや、複数の並列された光起電力体間に網状電極体を挿入し、網状電極体を光起電力体の表面に接合することで複数の光起電力体を直列接続することによって、得られる光起電力素子の集合体である。図9に示したのはその一例である。まず、単結晶基板17からなる光起電力体を、図9(a)の様に点線で分割する。次にそれらを(b)に示すように並列に並べる。別途、金属線を編んで形成した(c)の網状電極体11を(b)の複数の光起電力体に接合したものが(d)に示したものである。この様に金属線を編んで作成した大きな網状電極体11で、複数の光起電力体を並列接合すれば、高性能、高信頼性の光起電力素子集合体を、非常に高速に作製することが可能であり、生産性が非常に向上する。
さらに、図9(d)の光起電力素子集合体を複数枚準備し、各光起電力体集合体の網状電極体11が光起電力体からはみ出した直列部Aの部分に、隣接する光起電力素子集合体を上から重ねて接合することで、(d)の光起電力素子集合体を複数枚、直列接続することが出来る。この様にして、(e)に示した大面積の光起電力素子集合体を効率的に作製することが可能である。図9では、網状電極体11の直列部Aは、その他の部分と同様の編み方で編まれたものであるが、別の編み方で形成されていても良い。また、図9の(f)に示す様に、単に金属線の一部が延長されて、はみ出しているだけでも構わない。図9は一例であって、光起電力体は単結晶基板に限らず、先に説明した光起電力体全てに適用可能である。
(透光性部材)
一般に光起電力素子は樹脂によって封止された状態で使用する。透光性部材は光起電力素子を樹脂封止する際に透明になるものであれば、特に制限は無い。つまり、封止樹脂に対して、表面濡れ性が良く、屈折率の差がほとんど無いものであれば使用可能である。例えばガラス長繊維や樹脂繊維が挙げられる。ガラス長繊維としては、樹脂の含浸性を高めるために表面処理を施したものが好適である。樹脂繊維としてはナイロン系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系等が好適である。また、必要に応じて、経の異なる透光性部材や、種類の異なる透光性部材を編み込んでも構わない。さらに、その断面形状は円形、三角形、矩形等であっても良い。ガラスや樹脂の不織布を短冊状にカットしたものでも良い。
(封止、透明樹脂、光起電力素子モジュール)
一般に、光起電力素子、又は光起電力素子集合体は、透明樹脂によって封止される。ここで言う封止とは、光起電力素子、又は光起電力素子の周りに、透明樹脂で保護層を形成することである。この封止によって、光起電力素子、及び光起電力素子集合体に、機械的強度、耐湿性、耐候性、電気絶縁性、意匠性を持たせ、外部環境から保護することが可能となる。また、光起電力素子、又は光起電力素子集合体を透明樹脂で封止し、電力取り出し端子、電力取り出し線、バイパスダイオード等を取りつけたものを光起電力素子モジュールと言う。
図12の(a)の様に透明樹脂21のシートに光起電力層1と金属線を編んだ網状電極11を挟んで封止し、モジュールを形成することが可能である。従来、単に金属線と光起電力体1との接合と、封止を一括して行えば、金属線が蛇行して曲がり易く生産性が悪かった。一方、特許文献6の様に金属線を織った網状電極体と光起電力体との接合と、封止を一括して行えば、生産性は良いものの、特性と信頼性が低いことがあった。ところが、透明樹脂21のシートに光起電力層1と金属線を編んだ網状電極11を挟んで封止すれば、非常に生産性が高い上に、特性と信頼性も高いモジュールを形成することが可能である。
封止の構成は、透明樹脂シート21の他に、図12の(b)に示す様に、ガラス、フッ素樹脂シート等からなる表面保護層や、ガラス繊維、樹脂繊維を透明樹脂21中に入れた強化層、金属やセラミック等からなる基板が含まれていても良い。また、(c)に示す様に、強化ガラスやアクリル板等の透明基板、アルミフィルム、フッ素フィルム等の裏面保護層が含まれていても良い。さらに、(d)の様に光起電力体1がガラスや樹脂の基板上に形成したものであり、その裏面に網状電極体11があっても良い。
封止方法は液状樹脂をコートした後に硬化させる方法や、液状樹脂を型に流した後に硬化させる方法もあるが、透明樹脂21のシートをラミネートする方法等が好適である。
液状樹脂をコートする方法としてはスプレー塗布して硬化させる方法、スピンコートする方法、カーテンコートする方法が一般に公知である。また、フィルムラミネート法は真空ラミネート法と加圧ラミネート法、ロールラミネート法が挙げられる。真空ラミネート法は光起電力素子とフィルム樹脂の積層体を基板とラバーシートの間に挟み、基板とラバーシートの間のガスを排気しながら樹脂を加熱溶融させる方法である。加圧ラミネート法はラバーシートの上からガスによって加圧しながら樹脂を加熱溶融させる方法、ロールラミネート法は二つのロールでシートを挟み、加圧しながら加熱溶融させる方法である。また、真空加圧ラミネート法は基板とラバーシートの間を排気しながら、かつラバーシートの上からガスによって圧力を加えて樹脂を加熱溶融させる方法である。本発明においてはこれらどの方法であっても良い。
本発明の透明樹脂には基本的に光起電力層に必要な光を透過すればいかなる樹脂も使用可能である。また樹脂の種類によってその効果が失われることは無い。具体的な樹脂名として、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンアクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレンアクリル酸エチル共重合体(EEA)、ブチラール樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
さらに、光起電力素子が太陽電池として屋外で使用するものであれば、その望まれる特徴として、透明度は400乃至800nmの可視光波長領域において80%以上である事、40℃、90%RHでの透湿度が0.01〜20g/m2・day程度であり高い耐湿性を兼ね備えている事が挙げられる。また、耐候性を向上させるために必要に応じて無機化合物を添加することも公知である。さらに、防湿性を高めるために分子を架橋し、網目構造を形成した硬化樹脂とすることが望ましい。硬化方法としては大気の湿気による湿気硬化型、イソシアネートによる硬化、ブロッキングイソシアネートによる加熱硬化がある。中でも、アクリル樹脂とオルガノシロキサンからなる無機ポリマーをブロッキングイソシアネートにより加熱架橋させる方法が好適である。ブロッキング剤の解離温度は80℃以上220℃以下が望ましい。80℃以下であると樹脂自体のポットライフが短くなる。220℃以上であると解離させる為の加熱がアクリル樹脂自体を熱劣化させ、光起電力素子に悪影響を及ぼす恐れがある。解離後のブロッキング剤は少なくとも一部は塗膜中に残存する為、塗膜組成物と着色反応しないものを選択すべきである。また、接着性を付与する為に、シラン系、チタン系、アルミ系カップリング剤を樹脂分に対して0.05乃至10%添加する事も可能である。好ましくはシラン系カップリング剤を0.05〜8.0%添加して用いる。具体的な塗膜形成方法としては、樹脂溶液をスプレーコーター、スピンコーター、カーテンコートにより光起電力素子上にコーティングを行って、溶剤を乾燥した後に加熱硬化させる。
前述の金属線と透明部材とを編んだ網状電極体の場合には、透明樹脂は透明部材と同種のものを使用することが好ましい。これは透明部材と透明樹脂の屈折率の差が小さくなり、両者の界面での光の反射が少なくなるためである。
以下に本発明の光起電力素子、及び光起電力素子の製造方法の実施例を示すが、以下の実施例で本発明の内容が限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示すように、図1に示した光起電力素子を作製した。まず、第一に次の要領で本例の光起電力体1を準備した。
基板として表面を洗浄した厚さ0.15mmのSUS430からなるロール状ステンレス基板を用意した。次に基板の表面上にタングステン、銀、酸化亜鉛の薄膜層(厚さ1μm以下)を公知のスパッタ法によって作製した。次に公知の電析法によって厚み約2μmの酸化亜鉛の層を形成し、さらに公知のCVD法によってn層、i層、p層の3層からなる厚さ約3μmの微結晶シリコン層を2層と、n層、i層、p層の3層からなる厚さ1μm以下のアモルファスシリコン層とを重ね光起電力層を形成した。最後に公知のスパッタ法によって厚さ70nmのITO層を形成した。この基板を切断することにより、光起電力体1(239mm×356mm)を作製した。この光起電力体1に対して、次の処理を行うことにより基板端部における光起電力層の短絡を防止した。
まず、光起電力体1の表面上に、ITO層のエッチング剤(FeCl3)含有ペーストを基板の外周に沿ってスクリーン印刷した後、純水洗浄することにより、ITO層の一部を除去しITO層からなる上部電極と、基板、タングステン、銀、酸化亜鉛からなる下部電極との電気的な分離を確実にした。
第二に次の要領で金属線10を準備した。原材料として直径4〜5mmの銅線の外周に厚み50μmの銀箔を貼り付けたものを準備した。次にそれを伸線装置により直径100μmの芯線に整形した。この芯線を連続的に作製しボビンに500g巻き取った。整形後の銀の被覆は厚み約1μmであった。次にエナメル線用のロールコータ装置により芯線の周りに導電性フィラーを含有する樹脂からなる被覆を形成した。被覆は完全硬化した内層と、金属線10を光起電力層上に接着固定するための外層の二層構造にした。
内層の形成方法は以下の通りである。まず芯線をボビンから巻き出し内層形成処理槽を通した。内層形成処理槽は内層用のフィラーを含有した樹脂を巻き上げている回転ロールと、フェルトよりなる。内層形成処理層に通された芯線はまず、回転ロールに接触する。この際に回転ロールが巻き上げている樹脂が芯線に塗布される。さらに芯線はフェルトに接触する。この際に余分な樹脂が除去される。さらに芯線は加熱炉を通過する。この際に塗布された樹脂が完全に硬化する。樹脂の塗布量の偏芯を防ぐために、この塗布、除去、硬化の一連の工程を複数回行った。芯線の巻取り側で樹脂が塗布された芯線の外径を測定し、その値をフィードバックさせて樹脂の粘度を調整した。フィードバックの機構は、樹脂の粘度を低下させて回転ロールが巻き上げる樹脂量が下げ、塗布量が減少させる機構である。樹脂の粘度調整は溶剤のキシレンを加えることで行った。使用した樹脂の構成は次の通りである。フィラーとして直径が30±20nmのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックは体積密度35%に調整した。フィラーと樹脂の混合比は、混合物の重量を100として、ブチラール樹脂6.4重量部、クレゾール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素系樹脂4.2重量部、硬化材としてジオールイソシアネート18重量部、溶剤としてキシレン18重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを12重量部、シクロヘキサノンを3.6重量部、さらにカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.7重量部ペイントシェーカーで混合分散して作製した。以上のようにして完成した内層の被覆の厚みは約5μm、抵抗率は約0.5Ωcmであった。
外層の形成方法は以下の通りである。内層が塗布された芯線を外層形成処理槽に通した。外層形成処理槽は外層用のフィラーを含有した樹脂を巻き上げている回転ロールと、ダイスよりなる。外層形成処理層に通された芯線はまず、回転ロールに接触する。この際に回転ロールが巻き上げている樹脂が芯線に塗布される。さらに芯線はダイスを通過する。この際に余分な樹脂が除去される。さらに芯線は加熱炉を通過する。この際に塗布された樹脂の溶剤が蒸発し樹脂が半硬化する。樹脂の塗布量の偏芯を防ぐために、この塗布、除去、硬化の一連の工程を複数回行った。回数を重ねるごとにダイスの穴径は大きくし、最終的に外層の厚みは20μmとした。使用した樹脂の構成は次の通りである。フィラーとして直径が30±20nmのカーボンブラックを使用した。カーボンブラックを35重量部、ウレタン樹脂41重量部、フェノキシ樹脂14重量部、硬化材として水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート6重量部、溶剤として芳香族系溶剤4重量部、さらにカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.7重量部ペイントシェーカーで混合分散して作製した。以上のようにして完成した外層の被覆の抵抗率は約0.5Ωcmであった。
第二に準備した金属線10を平編で編んで網状電極体11を形成した。装置は既存の横編機を使用した。網目のピッチは、図1の縦方向ピッチ(図1の矢印Dの長さ)が20mm、横方向ピッチ(図1の矢印Cの長さ)が8mmになるように形成した。既存の高速の横編機を使用したため、従来の織機によるものと遜色なく、網状電極体11を短時間で作製可能であった。また、形成した網状電極体11は形状保持力を十分に有するものであり、網状体を取り回ししている間に形状が崩れる様なことは無かった。
第三に次の要領で、光起電力体1上に金属線10からなる網状電極体11を接合した。図11にその様子を示した。まず(a)に示す様に前述の光起電力体1と、金属線10を編んだ網状電極体11を用意した。次に(b)に示す様に光起電力体1と網状電極体11とを重ねた。次に(c)に示す様に真空ラミネータに、(b)で出来たものを挿入した。この真空ラミネータはチャンバー18と、フッ素樹脂系のダイヤフラム19、加熱板20からなるものである。次に(d)に示す様にチャンバー18を加熱板20の上に重ねた。この状態でチャンバー18の中は真空になっており、ダイヤフラム19は上方に引き付けられた状態である。さらに、(e)に示す様に、チャンバーの中に大気を導入して、ダイヤフラム19によって、網状電極体11を光起電力体1に押し当てた。最後に(f)の様に真空ラミネータから光起電力体を取り出して、熱を冷ますことによって光起電力素子が完成した。
比較例(比較例1)として、実施例1と同様の金属線を織った網状電極体による光起電力素子を作製した。まず、実施例1と同じ金属線を作製した。それを、既存の織機にかけて、平織りで網状電極体を織った。この時の縦繊維の間隔と、横繊維の間隔は、実施例1の編み目の横方向ピッチ(図1の矢印Cの長さ)8mmと同等の繊維密度となる、4mmとした。この繊維間隔4mmは、実施例1と同様の金属線を織るための繊維間隔としては、荒いものである。従って、金属線に十分にテンションが加わらず、本比較例の網状電極体は形状が極めて不安定であった。そのため、光起電力体の上に重ねる作業中に変形し、繊維間の間隔がずれてしまっていた。その後、実施例1と同じ真空ラミネータを使用して、網状電極体を光起電力体上に接合した。
比較例(比較例2)として、比較例1と、網状電極体の縦繊維の間隔と、横繊維の間隔が0.5mmのものを作成した。ただし、金属線の間隔は比較例1と同じ4mmに成るように、太さ0.1mmのポリエステル系のモノフィラメントを金属線の間に7本配置して、平織りの織物を作成した。本比較例の場合、比較例1と異なり、織物を構成する各繊維に十分にテンションが加わっており、比較例1の様に、工程の途中で織物の形状が変形することは無かった。本比較例の光起電力素子は、網状電極体を織る工程以外は比較例1と全く同じ方法で作成した。
比較例1、比較例2で作製された光起電力素子の特性を測定したところ、直列抵抗成分が大きく、変換効率が低い傾向にあることが分かった。また、比較例2の光起電力素子は、高温高湿度状態で保持すると、直列抵抗成分が大きくなる傾向も示した。実施例1で作製された光起電力素子は、比較例1、比較例2よりも、直列抵抗成分が小さく、変換効率が高かった。また、高温高湿度状態で保持しても直列抵抗成分の顕著な上昇は見られなかった。以上より、本発明の効果は明らかである。
(実施例2)
本例の網状電極体は、実施例1の網状電極体11に図4の(c)に示したインレイ糸13を挿入しながら編んだものである。編んだ網状電極体に図4の(a)に示した様に、四方に引っ張る力を加えて、網状電極体を格子状電極に成形した。インレイ糸としては直径0.1mmの透明性の高いポリエステル糸を使用した。ポリエステル糸を挿入して編んだことで、網状電極体の剛性が実施例1のものよりもの高くなり、より網状体の取りまわしが容易になった。また、網状電極を格子状に成形したことで、網状電極の集電効率が高くなり、光起電力素子の特性がさらに向上した。
(実施例3)
本例の網状電極体は、実施例2のインレイ糸として、直径0.1mmの透明性の高いポリエステル糸と、直径0.3mmの銀メッキ銅線とを、交互に使用したものである。その他は実施例2と同様に作製した。インレイ糸の半分を太めの銀メッキ銅線としたことで、この銅線がバスバーとして機能し、網状電極体の集電効率がより最適なものに近づいた。その結果、実施例2よりも、さらに光起電力素子の特性が向上した。
(実施例4)
本例の網状電極体は、図7に示す様に、下地として透明部材14を細かく編みながら、同時に上地として、実施例3と同様の金属線10を、荒く編み込んだダブルフェイス編みのものである。装置はダブルニードル式の横編み機を使用した。上地は図7と異なり、金属線10と、インレイ糸13として直径0.3mmの銀メッキ銅線とを、図5の(b)の様に編んだものとした。下地を編む透明部材14としては、実施例3と同様に、直径0.1mmの透明性の高いポリエステル糸を使用した。下地の編み目のピッチは、コース方向が0.5mm、ウェール方向が1.0mmとし、上地の金属線10の編み目ピッチは、コース方向(図5の矢印Cの長さ)が40mm、ウェール方向(図5の矢印Dの長さ)が3mmとした。その他は実施例3と同様に作製した。網状電極体をダブルフェイス編みにしたことにより、金属線10の編み目ピッチを広げ、40mmにしても、下地が網状電極体のシート形状を保持する機能を有するため、網状電極体は型崩れしなかった。また、金属線10の編み目ピッチを理想的な値に近づけることが可能となり、網状電極体の集電効率が、実施例3の場合よりも最適なものに近づいた。その結果、実施例3よりも、さらに光起電力素子の特性が向上した。
(実施例5)
本例の網状電極体は、図6の(a)に示す様に、下地を透明部材14で織る際に、金属線10をインレイ糸として挿入したものである。装置は既存のラッシェル機を使用した。透明部材14には、実施例4と同様に直径0.1mmの透明性の高いポリエステル糸を、金属線10は実施例4と同様の金属線を使用した。金属線10の間隔は実施例4と同等の3mmとした。また、金属線10を下地のポリエステル糸に掛ける頻度は、図6の(a)に示した様に、下地の編み目4つに対し1回とした。さらに、図6には図示していないが、金属線10と直行する方向に、実施例4のインレイ糸と同じ、直径0.3mmの銀メッキ銅線を40mm間隔で挿入した。この銅線を下地のポリエステル糸に掛ける頻度は、下地の編み目10個に対し1回とした。その他は実施例4と同様に作製した。本例の網状電極体では、金属線10と銀メッキ線(不図示)とが、ほぼ直線状で挿入されるため、金属線10が曲がっている実施例4と比較して、網状電極体の集電効率が良くなり、実施例4よりも、さらに光起電力素子の特性が向上した。
(実施例6)
本例の光起電力素子集合体は、次の様に作製した。
まず、6インチのp型単結晶基板の表面に燐を熱拡散させてn層を形成し、pn接合を作製した。次に、n層の上に、真空成膜装置を利用して窒化珪素からなる反射防止膜を形成し、エッチング液で基板側面や裏面の余分なn層を除去した。さらに、裏面に銀ペーストと、アルミペーストとを、夫々所定の形状に印刷し、公知の焼成炉を使って、焼成させることによって、裏面電極を形成した。こうして完成した半導体基板17を図9の(a)に示した様に、正六角形を半分にした形に分割した。分割には公知のダイシングマシーンを利用した。分割した基板を図9の(b)の様に並列させた。
一方、銀粒子、ガラスフリット、有機ビヒクル、溶剤等を含む銀ペーストを直径0.1mmの銅線にロールコーターによって塗布し、塗布した銀ペーストを仮焼付け炉(約200℃)で焼成させた。塗布したペースト層の厚みは20μmであった。こうして出来た金属線10を公知の横編み機を使って図4の(b)に示した様なゴム編みにし、図9の(c)の網状電極体を完成させた。編んだ網状電極体のコース方向のピッチCは6mm、ウェール方向のピッチDは20mmであった。
次に、図9の(b)の基板の上に(c)の網状電極体11を、(d)に示す様に重ねて積層体を形成した。さらに、(d)の積層体を複数枚作成し、(d)に示した領域Aの上に、隣接する積層体が載る様に、作成した複数の積層体を順次並べて(e)に示す大積層体を得た。ただし、最後に並べる積層体の網状電極体だけは基板状に収まる大きさのものとした。
最後に図9の(e)の積層体の両面を石英の板で挟み込んで圧力を掛けた状態で、500℃の焼成炉に投入し、金属線10の表面に形成した銀ペースト層を完全に焼結させた。この時、基板表面に形成した窒化珪素膜を銀ペーストが貫通して、金属細線とn層との電気的コンタクトが形成された。また、それと同時に(b)に示した並列された基板の間が、網状電極体によって電気的に並列に接続され、かつ(e)に示した並列された複数の積層体((d)に示したもの)の間が、網状電極体によって電気的に直列に接続された。以上の様に、作製した網状電極体によって、一括して複数枚の基板(光起電力体)を直並列化可能であったため、非常に容易に大面積の光起電力素子集合体を製作可能であった。
比較例(比較例3)として、金属線10を使って平織りにした網状電極体を使って光起電力素子集合体を作製した。平織りの織物を網状電極体として使用したこと以外は実施例6と同様に作製した。使用した織物の横繊維の間隔と、縦繊維の間隔は3mmとした。
比較例3で作製された光起電力素子の特性を測定したところ、直列抵抗成分が大きく、変換効率が低い傾向にあることが分かった。また、比較例3の光起電力素子は、高温高湿度状態で保持すると、直列抵抗成分が大きくなる傾向も示した。実施例6で作製された光起電力素子集合体は、比較例3よりも、直列抵抗成分が小さく、変換効率が高かった。また、高温高湿度状態で保持しても直列抵抗成分の顕著な上昇は見られなかった。以上より、本発明の効果は明らかである。つまり、本発明によれば、高性能で、高信頼性を有し、さらに非常に生産性の高い光起電力素子集合体が得られた。
(実施例7)
図10に本例の光起電力素子を示す。本例の光起電力素子集合体は、半導体基板17を作製する際に、公知の多結晶基板を使用したことにおいてのみ、実施例6と異なる。
比較例(比較例4)として、比較例3と同様に光起電力素子を作製した。ただし、本比較例では実施例7と同様の半導体基板17を使用した。
比較例4で作製された光起電力素子の特性を測定したところ、直列抵抗成分が大きく、変換効率が低い傾向にあることが分かった。また、比較例4の光起電力素子は、高温高湿度状態で保持すると、直列抵抗成分が大きくなる傾向も示した。実施例7で作製された光起電力素子集合体は、比較例4よりも、直列抵抗成分が小さく、変換効率が高かった。また、高温高湿度状態で保持しても直列抵抗成分の顕著な上昇は見られなかった。以上より、本発明の効果は明らかである。つまり、本発明によれば、高性能で、高信頼性を有し、さらに非常に生産性の高い光起電力素子集合体が得られた。
(実施例8)
本例の光起電力素子モジュールは、次の様に作製した。まず、実施例5のポリエステル糸の代わりにPMMA糸を使用して、網状電極体を作製し、実施例1と同様に作製した光起電力体の上に積層した。さらに、それらを二枚のPMMAの板で挟み込み、真空ラミネータで加熱融着させた。使用したPMMAの板は厚さ2mmであった。網状電極体と光起電力体との接合と同時に、樹脂封止工程も完了し非常に容易に製作することが可能であった。
比較例(比較例5)として、実施例5の光起電力素子を同様にPMMAで封止してモジュールを作成した。
実施例8の光起電力素子モジュールと比較例5の光起電力素子の短絡電流を比較したところ、実施例8の光起電力素子モジュールの短絡電流は、比較例5の光起電力素子の短絡電流値よりも大きかった。これは、比較例5ではPMMAとポリエステル糸界面での反射があるためである。
本発明の光起電力素子の一例を示す概略図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明におけるの網状電極体を説明する図である。 本発明の実施態様を説明する図である。 本発明の光起電力素子集合体の一例を示す概略図である。 本発明の光起電力素子集合体の一例を示す概略図である。 本発明の光起電力素子の製法の一例を示す概略図である。 本発明の光起電力素子モジュールの一例を示す概略図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
1 光起電力体
2 拡散層
3 パッシベーション膜、反射防止膜
4 表面バスバー電極
5 裏面バスバー電極
6 裏面電極
7 格子電極
8 インターコネクタ
9 影、シャドウ
10 金属線
11 網状電極体
12 繊維
13 インレイ糸
14 透明部材
15 印刷電極
16 半田
17 半導体基板
18 チャンバー
19 ダイヤフラム
20 加熱板
21 透明樹脂

Claims (11)

  1. 金属線を編んだ網状電極体と、光起電力体とを接合してなることを特徴とする光起電力素子。
  2. 前記網状電極体は前記金属線と透光性部材とを編んだものであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
  3. 前記網状電極体は前記金属線を一種、または二種以上、編んだものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光起電力素子。
  4. 前記網状電極体の編み方はインレイ編みであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光起電力素子。
  5. 前記網状電極体の編み方はダブルフェイス編みであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光起電力素子。
  6. 複数の並列された光起電力体の表面上に、請求項1乃至5の、いずれか一項に記載の網状電極体を接合することによって、並列された前記光起電力体を並列接続してなることを特徴とする光起電力素子集合体。
  7. 複数の並列された光起電力体間に、請求項1乃至5の、いずれか一項に記載の網状電極体を挿入し、該網状電極体を前記光起電力体の表面に接合することによって、並列された前記光起電力体を直列接続してなることを特徴とする光起電力素子集合体。
  8. 請求項1乃至7の、いずれか一項に記載の光起電力素子、または光起電力素子集合体を、少なくとも透明樹脂で封止した光起電力素子モジュール。
  9. 請求項2乃至7の、いずれか一項に記載の光起電力素子、または光起電力素子集合体を、前記透光性部材と同種の透明樹脂で封止したことを特徴とする請求項8に記載の光起電力素子モジュール。
  10. 金属線からなる電極を有する光起電力素子、光起電力素子集合体、及び、光起電力素子モジュールの製造方法において、金属線を編んだ網状電極体を光起電力体の表面上に接合する工程を有することを特徴とする光起電力素子、光起電力素子集合体、及び光起電力素子モジュールの製造方法。
  11. 金属線からなる電極を有する光起電力素子、または光起電力素子集合体を、少なくとも透明樹脂で封止してなる光起電力素子モジュールの製造方法において、金属線を編んだ網状電極体を、光起電力体の表面上に接合する工程と、光起電力素子、または光起電力素子集合体を透明樹脂で封止する工程とを同一工程で行うことを特徴とする光起電力素子モジュールの製造方法。
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