JP2006163571A - 車体パネル周辺の流体解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フルディップ方式の車体の電着塗装において、電着槽から引き上げれた車体における電着液溜まりの位置を事前に予測する。
【解決手段】 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルを構築し、電着槽から離脱する車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、車体パネルから所定範囲内の小領域を流体領域とするとともに所定範囲を超えた小領域を固体領域とする初期設定工程と、流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車体パネル周辺を複数の小領域に分割して電着液及び空気の流れを数値解析し、電着槽から引き上げられた電着塗装後の車体に電着液溜まりが生じるか否かを予測する車体パネル周辺の流体解析方法に関する。
自動車車両においては、車体を電着槽内の電着液に浸漬させて電気的に塗料を付着させるフルディップ方式の電着塗装が一般的である。かかる電着塗装では、塗膜を略均一にすることができ、車体の溶接部分にも塗装を行うことができる等の利点がある。電着槽から離脱した車体は、水洗工程で水洗いされた後、焼付工程でオーブンにより加熱されて下塗り塗装が終了する。
フルディップ方式の電着塗装においては、フード内面、ルーフ内面、フロア下面等にエアポケットと呼ばれる空気溜まりが生じると、この部分に塗膜を形成することができないという欠点がある。この欠点を解決すべく、電着槽内に車体へ向かって電着液を吐出するノズルを設け、このノズルからの吹出し流で空気溜まりを移動させて、エアポケット部分にも塗膜を形成させる電着塗装方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−86497号公報
ところで、フルディップ方式の電着塗装では、車体が電着槽から引き上げられた際に、サイドシル等の袋状部分に電着液溜まりが生じる場合もある。この電着液溜まりが生じてしまうと、水洗工程で袋状部分の電着液を完全に洗い落とすことが困難であることから、車体をオーブン内で加熱した際に水分が沸騰して電着液が外板表面に流出する。これにより、外板表面に「二次タレ」と称される塗膜の縞が形成されるので、下塗り工程の後にこの縞部分を研ぎ落とす工程を設け、この工程で作業員が縞の形成具合に応じて手作業により車体に加工を施している。これにより、車両1台あたりの電着液の消費量が増大するとともに、塗装ラインにおける工数が増大して、製造コストが嵩むという問題点がある。また、削られた塗膜を回収して廃棄処分しなければならないという煩雑さもある。
そこで、離散化による数値計算により電着液溜まりの位置を事前に予測し、電着液溜まりが生じないよう車体パネルに予め穿孔や形状変更を施して対応することが考えられる。しかしながら、車体が比較的長大且つ複雑な形状であることから、車体パネル周辺を多大な小領域に分割する必要があり、空気と電着液の自由表面が存在し表面張力の計算が極めて煩雑であることと相俟って、計算が長時間となってしまう。従って、試作車を電着槽内に流通させて電着液溜まりの位置を実験的に把握して対応せざるを得ず、開発に要するコスト及び日程が嵩むという問題点があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フルディップ方式の車体の電着塗装において、電着槽から引き上げれた車体における電着液溜まりの位置を事前に予測することのできる車体パネル周辺の流体解析方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルを構築し、電着槽から離脱する車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を有することを特徴とする。
尚、ここでいう「小領域」とは、有限要素法による解析における要素、差分法による解析における格子等をさす。
請求項1に記載の発明によれば、車体パネルから所定範囲内の小領域のみについて、流体領域として電着液及び空気の流れが計算される。そして、所定範囲を超えた小領域は固体として計算されるので、この領域については流体の計算は行われない。
ここで、フルディップ方式における車体パネルの電着塗装後の電着液溜まりは、車体パネルの袋状部分或いは凹状部分に残存した電着液が自重によりパネル表面に沿って下方へ流出するか否かにより、発生するか否かが決定する。すなわち、車体パネルから離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、電着液溜まりの発生を判断するには十分である。
従って、電着液と空気の流れを計算する小領域を低減して、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができる。これにより、現実に試作車を電着槽に投入せずとも、数値計算により短時間のうちに電着液溜まりの位置を予測することができる。
また、電着液溜まりが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネルに穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、電着液溜まりが発生しない車体形状を予測して、車体の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記初期設定工程は、前記全小領域を固体領域とする固体設定工程と、前記固体設定工程の後、前記車体パネルから前記所定範囲内の前記小領域を前記流体領域とする流体設定工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、全小領域を一括して固体として定義し、電着液及び空気の流れの計算に必要な車体パネルから所定範囲内の小領域だけを流体と定義することにより、最小限の手順で初期設定を行うことができるし初期設定が簡単容易である。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記流体設定工程にて前記流体領域を前記車体パネルと隣接する前記小領域のみとすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の作用に加え、電着液及び空気の流れの計算を、車体パネルと隣接する小領域だけに限定することにより、さらなる計算時間の短縮を図ることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記固体設定工程は、前記車体パネルを固定壁とすることを特徴とする。
尚、ここでいう「固定壁」とは、変形等を考慮せず数値計算を行わない領域をいう。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3の作用に加え、車体パネル1についての数値計算を省略することができ、さらに計算時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2から4のいずれか一項に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記初期設定工程は、前記流体設定工程にて流体領域とされた前記小領域を電着液に設定する初期領域設定工程と、前記初期領域設定工程の後、前記流体領域における外部との境界を空気に設定する初期境界設定工程と、を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2から4のいずれか一項の作用に加え、初期条件として車体パネルの周辺に電着液が存在した状態から、流体領域における外部との境界を空気として、この境界部から空気を流入させるとともに電着液を流出させることにより、車体が電着槽から離脱する状態を的確に模擬することができ、良好な解析結果を得ることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記解析工程は、前記流体領域について所定時間だけ時間的に進行させて各小領域の複数のパラメータを連続的に更新していく更新工程と、前記更新工程で各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各小領域ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるか否かを判定する判定工程と、を有し、前記判定工程にて前記許容範囲量以内であると判定されると解析を終了とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の作用に加え、初期状態から各小領域について各パラメータが連続的に更新されていき、時間的に進行して定常状態に近づくと各小領域における更新時の各パラメータの変化が小さくなる。
ここで、各パラメータが更新された際に、各小領域における所定のパラメータの更新前後の差のうち最も大きい値が、予め設定された許容範囲量以内であるときは解析が終了するので、定常状態に収束した場合に的確に計算を終了することができる。
このように、本発明の車体パネル周辺の流体解析方法によれば、車体パネルから所定範囲内の小領域のみについて流体の計算がなされるようにしたので、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができ、数値計算により短時間のうちに電着液溜まりの位置を予測することができる。
図1から図10は本発明の一実施形態を示すもので、図1は車体の塗装ラインの概略説明図、図2は車体パネル周辺の流体解析方法のフローチャート、図3は複数の要素に分割した車体パネル周辺の数値計算モデルを示す説明図、図4は全要素を固体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図、図5は車体パネルに隣接する要素を電着液に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図、図6は流体領域における外部との境界を空気とした状態の数値計算モデルを示す説明図、図7は初期状態から時間的に進行させた状態の数値計算モデルを示す説明図、図8は車体パネルに隣接する要素が空気で満たされた状態の数値計算モデルを示す説明図、図9は電着液が残留した状態の数値計算モデルを示す説明図、図10は流体解析装置の概略構成ブロック図である。
この車体パネル周辺の流体解析方法は、自動車ボディの電着塗装時における電着液及び空気の流れを数値解析するものである。まず、自動車ボディの塗装ラインについて簡単に説明する。
溶接等により複数の車体パネル1を互いに接合して自動車のボディ2は構成され、図1に示すように、搬送装置3のハンガに搭載された状態で塗装ラインにて略水平方向へ搬送される。塗装ラインでは、電着塗装の前処理として、車体パネル1に脱脂、水洗、表面調整、皮膜化成、水洗の各工程からなる表面処理が施される。この後、図1に示すように、車体としてのボディ2は電着槽4に向かって降下し、電着液5に浸漬された状態で略水平に移動する。この状態で、ボディ2と電着槽4内の電極(図示せず)に電圧を加えることにより、車体パネル1に塗料が析出するようになっている。そして、搬送装置3によりボディ2は電着槽4から引き上げられ、水洗工程にて車体パネル1に電着せずに付着している電着液5が除去される。この後、焼付工程にてボディ2がオーブン内で加熱され、ボディ2の下塗り塗装が終了する。
本実施形態の車体パネル周辺の流体解析方法は、電着槽4から離脱するボディ2の周辺の電着液5及び空気6の流れを数値解析するものであり、サイドシルのような袋状の車体パネル1における電着液溜まりの生成状態を模擬的に把握することができる。以下、図2のフローチャートを参照して本実施形態の流体解析方法について詳述する。
本実施形態においては、有限要素法を用いて解析を行う。まず、車体パネル1及び周辺を複数の要素7に分割して数値計算のためのモデルを構築する(ステップS1)。本実施形態においては、図3に示すように、断面が略長方形の袋状に形成されたサイドシル内部の流体の解析を行う。サイドシルの車体パネル1には、上部及び下部に開口1aが形成されている。そして、車体パネル1及びその周辺を、サイドシルの断面形状に合わせて、鉛直方向及び水平方向に略直交する線で区切られたメッシュ状の複数の要素7に分割する。尚、図3〜図9には、説明のために側面の断面に相当する2次元の数値計算モデルを図示しているが、数値計算モデルは2次元であっても3次元であってもよい。
次いで、図4に示すように、全要素7を固体領域に設定する(ステップS2)。このステップS2の工程が固定設定工程をなす。本実施形態においては、車体パネル1の材質である鉄に設定する。この後、図5に示すように、車体パネル1に隣接する要素7を流体領域に設定し、車体パネル1と離隔した要素7は固体領域のままとする(ステップS3)。本実施形態においては、初期状態として流体領域を電着液5に設定する(ステップS4)。すなわち、ステップS3の工程が流体設定工程をなし、ステップS4の工程が初期領域設定工程をなす。この状態は、ボディ2が電着槽4に浸漬され車体パネル1の周辺が電着液5で満たされた状態を模擬している。
次いで、数値計算モデルにおける重力方向を指定し(ステップS5)、図6に示すように、流体領域における外部との境界を空気6に設定する(ステップS6)。本実施形態においては、サイドシルの上部及び下部に形成された開口1aが境界の要素7であり、これらの要素7を空気6の粘性係数に変更する。このステップS6の工程が初期境界設定工程をなす。この状態は、ボディ2が電着槽4から離脱した直後に、サイドシル外部に空気が充満し、サイドシル内部に電着液5が残存している状態を模擬している。ステップS1〜S6で数値計算モデルの初期状態が設定され、ステップS1〜S6が初期設定工程をなしている。
以上のように初期設定が終了した後、各要素7について所定時間だけ時間的に進行させて各要素7の各パラメータを更新する(ステップS7)。このステップS7が更新工程をなす。そして、所定の終了条件を満たすか否かを判定し(ステップS8)、終了条件を満たさない場合はステップS5へ進み、終了条件を満たす場合は解析を終了する。このステップS8が判定工程をなす。すなわち、終了条件を満たさない限りは、各要素7の各パラメータを連続的に更新していくこととなり、ステップS7及びS8で、流体領域について電着液5及び空気6の流れを数値解析する解析工程をなしている。
図7に示すように、初期設定から時間的に更新していくと、上部の開口1aからサイドシル内部に空気6が流入し、電着液5が下部の開口1aからサイドシル外部へ流出する。このように、初期状態から各要素7について各パラメータが連続的に更新されていき、時間的に進行して定常状態に近づくと各要素7における更新時の各パラメータの変化が小さくなる。そして、図8に示すように最終的に流体領域に空気6が充満すれば、電着液溜まりが発生しない状態であるし、図9に示すように流体領域に電着液5が残留すれば電着液溜まりが発生した状態である。
本実施形態においては、ステップS8にて、各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各要素7ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるかを判定する。そして、終了判定値が許容範囲量以内であると判定されると解析を終了する。本実施形態においては、この終了判定値は、所定のパラメータの更新前後の差の絶対値である。尚、終了判定値は、更新前後の差の絶対値を更新前或いは更新後の値で除した値であってもよい。また、本実施形態においては、終了判定に用いるパラメータは速度、圧力及び物質体積分率であるが、他のパラメータにより終了判定を行ってもよい。
このように、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法では、車体パネル1から所定範囲内の要素7について、流体領域として電着液5及び空気6の流れが計算される。そして、所定範囲を超えた要素7は固体として計算されるので、この領域については流体の計算は行われない。
ここで、フルディップ方式における車体パネル1の電着塗装後の電着液溜まりは、車体パネル1の袋状部分に残存した電着液が自重によりパネル表面に沿って下方へ流出するか否かにより、発生するか否かが決定する。すなわち、車体パネル1から離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、電着液溜まりの発生を判断するには十分である。
従って、電着液5と空気6の流れを計算する要素7を低減して、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができる。これにより、現実に試作車を電着槽4に投入せずとも、数値計算により短時間のうちに電着液溜まりの位置を予測することができる。特に、本実施形態においては、電着液5及び空気6の流れの計算を、車体パネル1と隣接する要素7だけに限定することにより、計算時間の短縮を効果的に図ることができる。
また、電着液溜まりが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネル1に穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、電着液溜まりが発生しない車体形状を予測して、ボディ2の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、全要素7を一括して固体として定義し、電着液5及び空気6の流れの計算に必要な車体パネル1から所定範囲内の要素7だけを流体と定義することにより、最小限の手順で初期設定を行うことができるし初期設定が簡単容易である。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、初期条件として車体パネル1の周辺に電着液5が存在した状態から、流体領域における外部との境界を空気6として、この境界部から空気6を流入させるとともに電着液5を流出させることにより、ボディ2が電着槽4から離脱する状態を的確に模擬することができ、良好な解析結果を得ることができる。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、各パラメータが更新された際に、各要素7における所定のパラメータの更新前後の差のうち最も大きい値が、予め設定された許容範囲量以内であるときは解析が終了するので、定常状態に収束した場合に的確に計算を終了することができる。
図10には、この流体解析方法を実行する流体解析装置100を構成可能なハードウェア構成の一例を示す。同図に示すように、本実施形態の流体解析装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、キーボード109のキーボードコントローラ105と、表示部としてのディスプレイ110のディスプレイコントローラ106と、ハードディスク111及びフレキシブルディスク112のディスクコントローラ107と、ネットワーク120との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ108とが、システムバス104を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。
CPU101は、ROM102或いはハードディスク111に記憶されたソフトウェア、或いはフレキシブルディスク112より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス104に接続された各構成部を総括的に制御する。すなわち、CPU101は、所定の処理シーケンスに従って処理プログラムを、ROM102、或いはハードディスク111、或いはフレキシブルディスク112から読み出して実行することで、本実施形態の流体解析方法の動作を実現するための制御を行う。
RAM103は、CPU101の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ105は、キーボード109や図示しないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。ディスプレイコントローラ106は、ディスプレイ110の表示を制御する。ディスクコントローラ107は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム及び本実施形態における所定の処理プログラム等を記憶するハードディスク111及びフレキシブルディスク112とのアクセスを制御する。ネットワークインターフェースコントローラ108は、ネットワーク120上の装置或いはシステムと双方向にデータを送受信するようになっている。
尚、前記実施形態においては、有限要素法により解析したものを示したが、差分法等のような他の離散化解析法を用いてもよい。差分法においては、車体パネル1周辺の領域を格子状に分割して、小領域としての格子の各パラメータを更新することとなる。
また、前記実施形態においては、車体パネル1周辺をメッシュ状の小領域に分割したものを示したが、小領域の形状は車体パネル1の形状や計算手法に応じて適宜に変更可能である。また、前記実施形態のような車体パネル1の袋状部分のみならず、凹状部分についても前記実施形態と同様に数値計算を行うことができることは勿論である。
また、前記実施形態においては、車体パネル1を固体の要素7として車体パネル1の挙動についても解析するものを示したが、車体パネル1を固定壁として計算してもよい。この場合、車体パネル1についての数値計算を省略することができ、さらに計算時間を短縮することができる。また、車体パネル1から離隔した要素7についても固定壁として計算してもよい。
また、前記実施形態においては、車体パネル1に隣接する要素7のみを流体領域とするものを示したが、例えば、図11に示すように前記実施形態の数値計算モデルで車体パネル1側から2つ目の要素7までを流体領域として計算するようにしてもよい。すなわち、車体パネル1から所定距離内に要素7を流体領域とし、所定距離を超えた要素7を固体領域とすれば、計算時間を短縮することができる。
また、前記実施形態においては、算出された終了判定値が許容範囲量以内である場合に解析を終了するようにしたものを示したが、定常状態とならずとも空気6が車体パネル1の表面と全て接触した場合にはサイドシル内部に電着液5が残存していないと判断して解析を終了するようにしてもよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態を示す車体の塗装ラインの概略説明図である。 車体パネル周辺の流体解析方法のフローチャートである。 複数の要素に分割した車体パネル周辺の数値計算モデルを示す説明図である。 全要素を固体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。 車体パネルに隣接する要素を電着液に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。 流体領域における外部との境界を空気とした状態の数値計算モデルを示す説明図である。 初期状態から時間的に進行させた状態の数値計算モデルを示す説明図である。 車体パネルに隣接する要素が空気で満たされた状態の数値計算モデルを示す説明図である。 電着液が残留した状態の数値計算モデルを示す説明図である。 流体解析装置の概略構成ブロック図である。 変形例を示す車体パネルから所定範囲内の要素を流体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。
符号の説明
1 車体パネル
2 ボディ
4 電着槽
5 電着液
6 空気
7 要素

Claims (6)

  1. 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルを構築し、電着槽から離脱する車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、
    前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、
    前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を有することを特徴とする車体パネル周辺の流体解析方法。
  2. 前記初期設定工程は、
    前記全小領域を固体領域とする固体設定工程と、
    前記固体設定工程の後、前記車体パネルから前記所定範囲内の前記小領域を前記流体領域とする流体設定工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  3. 前記流体設定工程にて前記流体領域を前記車体パネルと隣接する前記小領域のみとすることを特徴とする請求項2に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  4. 前記固体設定工程は、前記車体パネルを固定壁とすることを特徴とする請求項2または3に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  5. 前記初期設定工程は、
    前記流体設定工程にて流体領域とされた前記小領域を電着液に設定する初期領域設定工程と、
    前記初期領域設定工程の後、前記流体領域における外部との境界を空気に設定する初期境界設定工程と、を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  6. 前記解析工程は、
    前記流体領域について所定時間だけ時間的に進行させて各小領域の複数のパラメータを連続的に更新していく更新工程と、
    前記更新工程で各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各小領域ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるか否かを判定する判定工程と、を有し、
    前記判定工程にて前記許容範囲量以内であると判定されると解析を終了とすることを特徴とする請求項5に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
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