JP4829729B2 - 車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム - Google Patents

車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム Download PDF

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Description

本発明は、車体ボディに形成された浸漬液排出孔から排出される浸漬液の排出時間をシミュレーションする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
自動車等の車体ボディの塗装工程では、フロアパネル,サイドパネルおよびルーフパネル等のプレス成形部品により集成された車体ボディを、電着溶液(浸漬液)が充填された処理槽内に完全に浸漬(フルディップ)して塗装を施すようにしている。このように車体ボディにおいては、フルディップ方式を採用することにより、その表面に形成される塗膜厚さを略均一にして見栄えを良くしたり、溶接箇所にも同様の塗装処理を施して防錆効果を高めたりするようにしている。
車体ボディには、所定の構造強度を確保するために、通常、複数の凹凸が形成されており、車体ボディの凹部には、電着塗装を終えて処理槽より車体ボディを引き上げた際に、電着溶液が凹部に残留しないように電着溶液を外部に排出する浸漬液排出孔が設けられている。この浸漬液排出孔から電着溶液が完全に排出されない状態で次の工程に移行した場合には、残留した電着溶液が次の工程における成分の異なる他の浸漬液中に混入し、当該浸漬液の品質が劣化して車体ボディの塗装品質を悪化させ、また、電着溶液を処理槽の外部に持ち出すことになるので、電着溶液の消費量が増加して製造コストが嵩むといった問題が生じる。
そこで、電着溶液の排出時間を短縮するために浸漬液排出孔を多数個設置したり、浸漬液排出孔の大きさを大きくしたりすること等が考えられるが、いずれの場合においても、車体ボディの構造強度を低下させることになるばかりか、防音,防振のために浸漬液排出孔を閉塞するグロメット(ゴム製の封止体)の装着をする場合、その装着作業が煩雑になるという別の問題が生じることになる。
車体ボディに残留した浸漬液を外部に排出する浸漬液排出孔の構造としては、例えば、グロメットを必要としない開閉可能な浸漬液排出孔構造(特許文献1参照)や、各パネルの接合部分に浸漬液が連通する連通路を形成する接合部材を介在させ、浸漬液を迅速に排出できるようにしたもの(特許文献2参照)が知られている。
特開平07−081640号公報 特開2004−034855号公報
しかしながら、上記各特許文献に記載された技術によれば、いずれも車体ボディの凹部に残留する浸漬液を速やかに排出することができるものの、浸漬液排出孔を開閉可能に形成する必要があったり(特許文献1)、車体ボディを構成する各パネルに加えて連通路を形成する接合部材が必要になったりする(特許文献2)等、製造工程が煩雑であり、その結果、製造コストが嵩むといった問題が生じる。
本発明の目的は、浸漬液排出孔の構造を変更せずに浸漬液の外部への持ち出しを抑制すべく、浸漬液排出孔からの浸漬液排出時間をシミュレーションすることができる車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法およびこのシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムを提供することにある。
本発明の車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法は、車体ボディに形成された浸漬液排出孔から排出される浸漬液の排出時間を、流体解析装置を用いてシミュレーションする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法であって、前記流体解析装置の制御部により、複数の要素に分割された前記車体ボディの数値計算モデルに基づき、前記浸漬液排出孔を検出する排出孔検出ステップと、前記排出孔検出ステップで検出した前記浸漬液排出孔の面積を求める面積演算ステップと、前記浸漬液排出孔を複数の要素により閉塞する排出孔閉塞ステップと、前記車体ボディの処理槽からの引き上げ時における重力方向に基づき、閉塞された前記浸漬液排出孔のうち、液溜まり部となる前記浸漬液排出孔を予測する液溜まり部予測ステップと、前記液溜まり部予測ステップで予測された前記液溜まり部に溜まる前記浸漬液の体積を求める体積演算ステップと、前記面積演算ステップで求めた面積データおよび前記体積演算ステップで求めた体積データに基づき、前記液溜まり部から排出される前記浸漬液の排出時間を求める排出時間演算ステップと、前記排出時間演算ステップで求めた前記液溜まり部における前記排出時間のうち、最も長い排出時間を前記車体ボディにおける前記浸漬液の完全排出時間とする完全排出時間設定ステップと、前記完全排出時間設定ステップで設定された前記完全排出時間を外部に表示させる完全排出時間表示ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明の車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムは、車体ボディに形成された浸漬液排出孔から排出される浸漬液の排出時間をシミュレーションする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムであって、複数の要素に分割された前記車体ボディの数値計算モデルに基づき、前記浸漬液排出孔を検出する排出孔検出ステップと、前記排出孔検出ステップで検出した前記浸漬液排出孔の面積を求める面積演算ステップと、前記浸漬液排出孔を複数の要素により閉塞する排出孔閉塞ステップと、前記車体ボディの処理槽からの引き上げ時における重力方向に基づき、閉塞された前記浸漬液排出孔のうち、液溜まり部となる前記浸漬液排出孔を予測する液溜まり部予測ステップと、前記液溜まり部予測ステップで予測された前記液溜まり部に溜まる前記浸漬液の体積を求める体積演算ステップと、前記面積演算ステップで求めた面積データおよび前記体積演算ステップで求めた体積データに基づき、前記液溜まり部から排出される前記浸漬液の排出時間を求める排出時間演算ステップと、前記排出時間演算ステップで求めた前記液溜まり部における前記排出時間のうち、最も長い排出時間を前記車体ボディにおける前記浸漬液の完全排出時間とする完全排出時間設定ステップと、前記完全排出時間設定ステップで設定された前記完全排出時間を外部に表示させる完全排出時間表示ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法によれば、流体解析装置の制御部により、車体ボディの数値計算モデルから車体ボディの浸漬液排出孔の面積を求めるとともに当該浸漬液排出孔を複数の要素で閉塞し、液溜まり部となる浸漬液排出孔を予測して当該液溜まり部に溜まる浸漬液の体積を求める。そして、流体解析装置の制御部は、面積データと体積データとから浸漬液の排出時間を求めて、当該排出時間のうち最も長い排出時間を車体ボディから浸漬液が排出される完全排出時間とするので、車体ボディから浸漬液が完全に排出されるまでの時間をシミュレーションすることができる。
したがって、シミュレーションした完全排出時間の長短に基づきライン速度を調整することで、車体ボディの浸漬液排出孔の構造を変更せずに浸漬液の外部への持ち出しを抑制することができるので、浸漬液の消費量を低減することができる。また、シミュレーション結果を車体ボディの設計段階にフィードバックして浸漬液排出孔を設計することで、車体ボディの構造強度や生産性等を考慮した車体ボディの設計を行うことができる。さらに、異種形状の車体ボディの数値計算モデルに基づくシミュレーション結果に応じてライン速度を適宜調整することで、異種形状の車体ボディをライン上に混在させることができ、多品種少量生産等に対応できる。
本発明の車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムによれば、コンピュータに、車体ボディの数値計算モデルから車体ボディの浸漬液排出孔の面積を演算させるとともに当該浸漬液排出孔を複数の要素で閉塞させ、液溜まり部となる浸漬液排出孔を予測させて当該液溜まり部に溜まる浸漬液の体積を演算させる。そして、面積データと体積データとから浸漬液の排出時間を演算させて、当該排出時間のうち最も長い排出時間を車体ボディから浸漬液が排出される完全排出時間とするので、車体ボディから浸漬液が完全に排出されるまでの時間をシミュレーションすることができる。
したがって、シミュレーションした完全排出時間の長短に基づきライン速度を調整することで、車体ボディの浸漬液排出孔の構造を変更せずに浸漬液の外部への持ち出しを抑制することができるので、浸漬液の消費量を低減することができる。また、シミュレーション結果を車体ボディの設計段階にフィードバックして浸漬液排出孔を設計することで、車体ボディの構造強度や生産性等を考慮した車体ボディの設計を行うことができる。さらに、異種形状の車体ボディの数値計算モデルに基づくシミュレーション結果に応じてライン速度を適宜調整することで、異種形状の車体ボディをライン上に混在させることができ、多品種少量生産等に対応できる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のシミュレーション方法を実行する流体解析装置を示すブロック図を、図2は車体ボディの塗装ラインを説明する説明図を、図3は車体ボディのフロアパネルの数値計算モデルを示す斜視図を、図4は数値計算モデルの要素を説明する説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように、本発明に係るシミュレーション方法を実行する流体解析装置10は、解析対象となる車体ボディ(図示せず)の解析条件等を入力するキーボード11と、解析処理結果等を表示するディスプレイ12と、車体ボディの各種データ等を保存するHDD(ハードディスクドライブ)13と、FD(フレキシブルディスク)に解析処理結果等を保存したりするFDD(フレキシブルディスクドライブ)14とを有している。
この流体解析装置10には、さらに、CPU15,ROM16およびRAM17からなる制御部18と、キーボード11のキーボードコントローラ19と、ディスプレイ12のディスプレイコントローラ20と、HDD13およびFDD14のディスクコントローラ21と、流体解析装置10をネットワーク22と接続するためのネットワークインターフェースコントローラ23とが設けられており、これらは相互にシステムバス24を介して通信可能となっている。
制御部18を構成するCPU15は、ROM16やHDD13に保存されたソフトウェア、または、FDD14から供給されるソフトウェアを実行することにより、システムバス24に接続された種々の構成部材を総括的に制御するようになっている。すなわち、CPU15は、所定の処理シーケンスに従ってROM16やHDD13、あるいはFDD14からソフトウェアを読み出して、そのプログラムを実行することにより、図5のフローチャートに示す動作を実現する制御を行うようになっている。
CPU15は、解析対象となる車体ボディの各種データをHDD13から読み出して、この読み出した各種データから複数の要素に分割された二次元の数値計算モデルを構築するようになっている。また、CPU15は、構築した数値計算モデルに基づいて、図5のフローチャートに示す動作を実現するために必要な、車体ボディにおける浸漬液排出孔の検出,液溜まり部の予測および浸漬液の排出時間の演算等を行うようになっている。
制御部18を構成するRAM17は、CPU15のメインメモリあるいはワークエリア等として機能するものである。キーボードコントローラ19は、キーボード11や図示しないポインティングデバイス等の入力手段からの入力信号を制御し、ディスプレイコントローラ20は、ディスプレイ12の表示を制御するようになっている。ディスクコントローラ21は、ブートプログラム,種々のアプリケーション,編集ファイル,ユーザファイルおよびネットワーク管理プログラム等を保存または読み出すHDD13やFDD14とのアクセスを制御するようになっている。ネットワークインターフェースコントローラ23は、ネットワーク22上の他のデバイス(図示せず)と双方向にデータを送受信するようになっている。
本実施の形態に係るシミュレーション方法は、乗用車等の車体ボディの電着塗装時において、車体ボディの凹部に残留した電着溶液(浸漬液)が浸漬液排出孔を介して外部に抜けるまでの排出時間をシミュレーションするものである。まず、車体ボディの塗装ラインについて図2を参照して説明する。
図2に示すように、電着塗装の対象となる車体ボディ30は、プレス成形されたフロアパネル,サイドパネルおよびルーフパネル等よりなる複数の車体パネル(図示せず)をスポット溶接等により接合することで形成されている。この車体ボディ30は、搬送装置31のハンガ32に吊り下げられた状態で塗装ライン33上を略水平方向に搬送されるようになっている。
搬送装置31の塗装ライン33の前段には、前処理ライン(図示せず)が設けられており、この前処理ラインでは、車体ボディ30に対して電着塗装の前処理として、湯洗,脱脂,水洗,表面調整,皮膜化成,水洗,乾燥の処理をこの順番で連続して施すようにしている。この前処理ラインにおける処理を終えた後、車体ボディ30は、塗装ライン33に移行して電着槽(処理槽)34に向かって下降し、電着溶液(浸漬液)35に完全に浸漬された状態で略水平方向に移動するようになっている。この状態のもとで、車体ボディ30と電着槽34内の電極(図示せず)に所定の大きさの電圧を加えることにより、車体ボディ30の表面に所定の膜厚の塗膜を析出させることができる。
その後、搬送装置31により車体ボディ30を電着槽34から引き上げ、この姿勢を保持した状態で車体ボディ30の凹部(図示せず)に溜まった電着溶液35が浸漬液排出孔(図示せず)を介して外部に排出されるのを待ち、引き続き、車体ボディ30に電着せずに付着している余剰の電着溶液35を、水洗スプレー等により除去するようになっている。
次に、本実施の形態に係るシミュレーション方法について詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、解析手法として有限要素法を用いるとともに、車体ボディ30を構成するフロアパネルおよびサイドパネルよりなるボディパネルを解析対象として解析を行っている。
図3に示すものは、車体ボディ30を構成するボディパネル40の数値計算モデルを表しており、図1に示す流体解析装置10の制御部18は、ボディパネル40の表面を複数の要素41(図3の破線円内にその一部を示す)に分割して種々の数値計算を行うための二次元の数値計算モデルを構築するようになっている。ただし、二次元の数値計算モデルを構築するにあたり、例えば、車体ボディ30の衝突変形シミュレーション等で用いられる二次元の数値計算モデルを流用することができる。
ボディパネル40の数値計算モデルは、X−Y軸方向(水平方向)に形成されるフロアパネル部40aと、Z軸方向(垂直方向)に起立する4つのドアパネル部40bを有しており、各ドアパネル部40bは略半ドアの状態に設定されている。このように、各ドアパネル部40bを略半ドアの状態とすることにより車体ボディ30が電着槽34(図2参照)内に実際に浸漬される状態を模擬的に作り出している。そして、各ドアパネル部40bとフロアパネル部40aとの間には、比較的大きな面積を有する間隙G(図中網掛け部分)が形成されている。
ボディパネル40を構成するフロアパネル部40aには、ボディパネル40に所定の構造強度を付与するための複数の凹部42,43が形成されており、各凹部42,43には浸漬液排出孔としての排出孔42a,43aが形成されている。なお、図3においては、一対の凹部42,43および排出孔42a,43aが形成されているものを示しているが、実際のボディパネル40の数値計算モデルには無数の凹部および排出孔が形成されている。
各凹部42,43はそれぞれ略半球形状に形成されており、凹部42の排出孔42aは面積S1に設定されており、凹部43の排出孔43aは面積S2(S1<S2)に設定されている。また、凹部42の体積V1は凹部43の体積V2よりも小さく設定されている(V1<V2)。
図4に示すように、ボディパネル40の数値計算モデルを構成する複数の要素(図中符号2〜10)は、三角形以上の多角形の平面により形成されており、各要素は複数の節点(図中丸印符号)と各節点を結ぶ線分(エッジ)とから構成されている。各節点は、それぞれXYZ軸方向の座標データを備えており、この座標データにより所定の基準位置からそれぞれの節点がどの位置にあるのかを判断できるようになっている。
図1に示す流体解析装置10のHDD13には、表1に示すように、ボディパネル40となる複数の要素を形成する数値データが予め保存されている。
Figure 0004829729
これらの数値データは、4桁のデータ番号,要素番号,その要素に属する節点番号,その節点を結んで形成されるエッジのエッジ番号により構成され、例えば、図4に示す要素番号〔2〕に対応する数値データは、データ番号〔0002〕を参照する。また、HDD13に保存された数値データの中には、複数の節点のXYZ軸方向の座標データがあり、例えば、図4に示す節点番号〔125〕に対応する座標データは、データ番号〔1006〕を参照する。
図1に示す流体解析装置10の制御部18は、ボディパネル40の数値計算モデルに基づく全ての要素の属性を液体(LIQUID)に設定するようになっており、このように全ての要素の属性を液体、つまり、図2に示す電着溶液35に設定することにより、ボディパネル40が電着槽34から引き上げられた後のボディパネル40の周辺が電着溶液35で満たされた状態を模擬的に作り出している。
図5は本発明のシミュレーション方法の動作を説明するフローチャートを、図6は図3の凹部周辺の要素を一部抜き出して示す模式図を、図7は図6の排出孔を複数の要素で塞いだ状態を示す模式図を、図8は図3の凹部周辺の電着溶液の状態を示す断面図を、図9は凹部に溜まる電着溶液の気液境界面を説明する説明図を、図10は図3の一対の凹部に実際に溜まる電着溶液の状態を示す断面図をそれぞれ表している。
図5のフローチャートに示すように、まず、図1で示した流体解析装置10に電源を投入して制御部18に電力が供給されると、制御部18の初期設定が行われるとともに、HDD13等からRAM17に解析処理のソフトウェアが読み込まれ、本発明に係るシミュレーション方法を実行するプログラムが実行される(ステップS1)。
次に、操作者により解析対象となる車体パネル、ここではボディパネル40を解析対象とすべくこれに対応する車体パネル(Body_i)を、キーボード11を介して入力する(ステップS2)。
続くステップS3においては、ボディパネル40の電着槽34からの引き上げ角度を考慮して電着溶液の排出時間を正確にシミュレーションするために、重力方向G(例えば、引き上げ角度右方斜め上30°等)をキーボード11から入力する。すると、ボディパネル40の数値計算モデルに重力方向Gが付加されて、HDD13からRAM17に読み込まれる。このとき、ボディパネル40の全ての要素41(図3参照)の属性は液体となっている。
ステップS4では、ボディパネル40に形成される排出孔42a,43a(図3参照)を含む複数の排出孔を検出する。このステップS4における排出孔の検出は、RAM17に読み込まれたボディパネル40の数値データ(表1参照)を参照し、表2に示すようにデータ番号順に排出孔の検出に必要な数値データを求めることにより行う。
Figure 0004829729
例えば、表2のデータ番号〔0002〕において、まず、要素番号〔2〕における節点の数を求める。この場合、要素番号〔2〕の節点の数は『4』となる(図4参照)。続いて、要素番号〔2〕に隣接する隣接要素を検出して要素番号をリストアップする。この場合、要素番号〔3〕,〔4〕,〔5〕,〔7〕の要素が隣接要素となる(図4参照)。そして、要素番号〔2〕の節点の数『4』と、検出した隣接要素の数『4』とが一致するので、要素番号〔2〕の周囲全てが隣接要素により塞がれていると判定され、要素番号〔2〕の各節点を結ぶそれぞれのエッジがフリーエッジではない、つまり、要素番号〔2〕には排出孔が隣接していない(フリーエッジ無)と判定される。このように、「要素の節点の数=検出した隣接要素の数」となった場合に「フリーエッジ無」と判定される。
一方、表2に示すように、次のデータ番号〔0003〕においては、要素番号〔3〕の節点の数が『4』であるのに対し、隣接要素の数が『3』(要素番号〔2〕,〔4〕,〔6〕)となりその数が一致しない。したがって、要素番号〔3〕の周囲の一部が隣接要素で塞がれていない、つまり、要素番号〔3〕は排出孔を形成するフリーエッジを備えている(フリーエッジ有)と判定される。このように、「要素の節点の数>検出した隣接要素の数」となった場合に「フリーエッジ有」と判定される。
このように、ステップS4においては、データ番号順に各要素のフリーエッジの有無を検出するとともに、当該検出されたフリーエッジの各節点を連ねることで形成される連続したフリーエッジを、ボディパネル40に形成される排出孔(図3の排出孔43a参照)として検出するようになっている。
ステップS5では、ステップS4で検出した複数の排出孔を、それぞれ表3に示すようにリストアップするとともにRAM17に保存する。
Figure 0004829729
RAM17への保存内容としては、表3に示すように、検出順に排出孔に排出孔番号を付与するとともに、各排出孔のそれぞれに対応して、排出孔を形成する要素番号,排出孔を形成するフリーエッジ番号,排出孔を形成するフリーエッジの節点番号を保存するようになっている。ここで、ステップS4およびステップS5によって、本発明における排出孔検出ステップを構成している。
ステップS6では、ステップS5でRAM17に保存した複数の排出孔(Hole_i)の面積(S_i)を計算する(図6に示す排出孔43aの面積S2参照)。ここで、排出孔(Hole_i)の面積(S_i)は、排出孔(Hole_i)を形成するフリーエッジの各節点のX−Y軸方向の座標データを用いて所定の計算を行うことにより求められ、この計算に必要となる座標データは表1から参照する。
その後、ステップS7では、ステップS6で求めた複数の排出孔(Hole_i)の面積(S_i)を、表3の右側欄に示すように、各排出孔番号に対応させてRAM17に保存する。ここで、ステップS6およびステップS7によって、本発明における面積演算ステップを構成している。
ステップS8では、ステップS7で保存した複数の排出孔(Hole_i)の面積(S_i)を、所定の大きさの面積(Smax)と比較する。ここで、所定の大きさの面積(Smax)とは、ボディパネル40を電着槽34から引き上げるのと略同時に電着溶液35を電着槽34(図2参照)へ排出することができる大きさの面積であり、本実施の形態においては、図3に示す各ドアパネル部40bとフロアパネル部40aとの間に形成された間隙Gの面積を面積(Smax)として用いている。
ステップS8でyesと判断、つまり、排出孔(Hole_i)の面積(S_i)が、面積(Smax)と同等かそれ以上の大きさの面積であると判断された場合には、当該排出孔(Hole_i)の面積(S_i)は、ボディパネル40の引き上げと略同時に電着溶液35を電着槽34へ排出することができる、つまり、当該排出孔(Hole_i)については排出時間を計算する必要が無い(無視できる)としてステップS10へ進む。
一方、ステップS8でnoと判断、つまり、排出孔(Hole_i)の面積(S_i)が、面積(Smax)よりも小さい面積であると判断された場合には、当該排出孔(Hole_i)の面積(S_i)は、ボディパネル40の引き上げ後の電着溶液35の電着槽34への排出に、ある程度の時間が掛かり、当該排出孔(Hole_i)については排出時間を計算する必要がある(無視できない)としてステップS9へ進む。
ステップS9では、排出時間の計算対象となる排出孔(Hole_i)を複数の要素で閉塞するとともに閉塞した排出孔(Hole_i)をRAM17に保存する。ここで、排出孔(Hole_i)の閉塞は、略半球形状の凹部43の曲率(図7参照)に沿わせて排出孔43aの内側に隣接する要素を次々と連続して繋げていくことにより行われる。凹部43の曲率は、凹部43を形成する要素のXYZ軸方向の座標データを表1から参照して所定の計算により求めることができる。
なお、ステップS9では排出孔(Hole_i)を閉塞しているが、これは、後述の液溜まり部予測ステップにおいて、電着溶液35が排出孔(Hole_i)を介して電着槽34に排出されると判断されることを回避するためである。ここで、ステップS9によって、本発明における排出孔閉塞ステップを構成している。
続くステップS10では、ステップS5でリストアップした全ての排出孔(Hole_i)を対象に、ステップS6〜ステップS9の処理を実行したか否かを判断する。ステップS10でnoと判断、つまり、未だ全ての排出孔(Hole_i)についてステップS6〜ステップS9の処理を実行していないと判断した場合には、ステップS11に進んで「I=i+1」としてカウントする。そして、次の排出孔番号の排出孔(表3参照)を対象としてステップS6に戻る。ステップS10でyesと判断した場合にはステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS9で閉塞した各排出孔(Hole_i)のそれぞれに対応する凹部を対象に、ボディパネル40の引き上げ時に電着溶液35が溜まる液溜まり部(Pudd_i)となるか否かを判定する。ここで、液溜まり部(Pudd_i)の判定には、図8に示すように、ボディパネル40を図中矢印(MOVE)方向に引き上げる際の引き上げ角度(α)が考慮される。この引き上げ角度(α)は、上記ステップS3で入力された情報に基づくものである。
ボディパネル40には、例えば、図8に示すような異種形状の凹部Aや凹部43が複数形成されており、このうち、凹部Aはボディパネル40が引き上げ角度(α)で引き上げられることにより液溜まり部(Pudd_i)とはならない。そこで、ステップS12では、このような液溜まり部(Pudd_i)とならない凹部Aを排除するために、各排出孔(Hole_i)に対応する凹部の中から液溜まり部(Pudd_i)の有無を判定するようにしている。
凹部43および凹部Aが液溜まり部(Pudd_i)となるか否かを判定するに当たり、まず、図6〜図8に示すように、フロアパネル部40aを形成する要素(フロアパネル部要素)と凹部43を形成する要素(凹部要素)との境界エッジC1を検出する。この境界エッジC1の検出には、ステップS3で重量方向Gの情報が付加される前のZ軸方向の座標データ(表1参照)が用いられる。
境界エッジC1を検出するに当たり、ボディパネル40を形成する要素のうちの殆どがフロアパネル部40aを形成しており、まず、フロアパネル部要素が備える節点のZ軸方向の座標データを基準座標データとする。そして、このフロアパネル部要素(全ての節点が基準座標データを備える)と、基準座標データよりも小さい座標データを備える節点を有する凹部要素との境界部分に形成されるエッジを検出し、この検出したエッジを境界エッジC1とする。
このように、Z軸方向の座標データを用いることによって凹部43の境界エッジC1を検出することができ、これと同様の手順で凹部Aの境界エッジC2についても検出する。ただし、この境界エッジの検出は、凹部Aおよび凹部43以外の全ての排出孔(Hole_i)に対応する凹部についても行われる。
凹部43および凹部Aの境界エッジC1,C2を検出した後、図8に示すように、車体ボディ30の引き上げ角度(α)に基づき表1に示す座標データを変換する。そして、境界エッジC1,C2を形成する節点のうち、Z軸方向の座標データが最も小さい節点を重力方向Gに対して最低位置にある節点として、当該節点を最低節点P1,P2とする。
その後、最低節点P1,P2のZ軸方向の座標データと、凹部43および凹部Aを形成する凹部要素が備える各節点のZ軸方向の座標データとの大小を比較、つまり、比較対象の各節点が、最低節点P1,P2に対して高い位置にあるか否かを判定する。そして、上記判定により最低節点P1,P2よりも低い位置にあるとされた節点を備える凹部要素の属性を液体のままで変更せず、一方、最低節点P1,P2よりも高い位置にあるとされた節点のみを備える凹部要素の属性を気体(AIR)に変更する。
このように、最低節点P1,P2のZ軸方向の座標データを基準に、比較対象となる凹部43および凹部Aを形成する凹部要素の属性を液体または気体とすることにより、凹部43および凹部Aに電着溶液35が溜まるか否かを判定できる。ここで、図8に示すように、凹部Aを形成する各凹部要素は、最低節点P2よりも低い位置にある節点を備えていないので、その属性が全て空気に変更され、したがって、凹部Aには電着溶液35が溜まらないと判定されることになる。なお、上記判定は、凹部43および凹部A以外の全ての凹部についても同様に判定する。
ステップS12でボディパネル40に形成される全ての凹部に対して電着溶液35が溜まるか否かを判定した後、ステップS13へ進む。ステップS13では、電着溶液35が溜まる凹部(例えば凹部43)を液溜まり部(Pudd_i)とするとともに、表4に示すように、液溜まり部(Pudd_i)と判定された凹部に液溜まり部番号を付与してRAM17に保存する。ここで、ステップS12およびステップS13によって、本発明における液溜まり部予測ステップを構成している。
Figure 0004829729
ステップS14では、ステップS13でRAM17に保存した液溜まり部(Pudd_i)に溜まる電着溶液35の体積(V_i)を計算する。体積(V_i)を求めるに当たり、まず、図9の凹部(=液溜まり部)43に示すように、気液境界面(図中濃色網掛部)の面積S3を求める。この気液境界面の面積S3は、属性が液体の要素(図中濃色網掛部)と属性が気体の要素(図中網掛無し部)との境界を形成するエッジの節点(図中黒点)のX−Y軸方向の座標データを用いて求める。
次に、気液境界面を形成するエッジの節点のZ軸方向の座標データと、凹部43の最低位置にある節点P3(図中黒点)のZ軸方向の座標データとから凹部43に溜まる電着溶液35の高さ(深さ)を求める。そして、気液境界面の面積S3と電着溶液35の高さとを用いて所定の計算を行うことにより、凹部43に溜まる電着溶液35の体積(V_i)を求める。ここで、ステップS14によって、本発明における体積演算ステップを構成している。
なお、凹部43に実際に溜まる電着溶液35の気液境界面は、図9の淡色網掛部に示すようになる。したがって、例えば、実際の気液境界面を形成する実境界点Q3(図中白点)のXYZ軸方向の座標データを、実境界点Q3が形成されるエッジEの節点Q1および節点Q2のXYZ軸方向の座標データから所定の計算により求め、これにより、より正確に電着溶液35の体積(V_i)を求めることが可能となる。
続くステップS15では、ステップS14で求めた液溜まり部(Pudd_i)に溜まる電着溶液35の体積(V_i)を、表4に示すように、各液溜まり部(Pudd_i)に対応させてRAM17に保存する。
ステップS16では、ステップS15でRAM17に保存した体積(V_i)と、この体積(V_i)に対応する凹部に形成された排出孔(Hole_i)の面積(S_i)とをRAM17から呼び出し、これらの対となる体積データおよび面積データに基づき各データに対応する液溜まり部(Pudd_i)から排出される電着溶液35の排出時間(Ti)を計算する。ここで、排出時間(Ti)の計算には、RAM17から呼び出した体積データおよび面積データに加え、電着溶液35の粘度特性等を加味し、例えば、ベルヌーイの式などの周知の計算方法により求めることができる。
ここで、図10に示すように、ボディパネル40は電着槽34から重力方向Gに対して引き上げ角度(α)をもって引き上げられるため、各凹部42,43に形成された排出孔42a,43aが電着槽34の外部に露出するまでの露出時間に差が生じる(表4参照)。この露出時間差は、ボディパネル40の引き上げ角度(α)と、図2に示す塗装ライン33の搬送装置31の搬送速度(ライン速度)とを考慮して求められ、ステップS16において計算される排出時間(Ti)には、この露出時間差が予め加算されている。
続くステップS17では、ステップS16で求めた排出時間(Ti)を、表4に示すように、各液溜まり部(Pudd_i)に対応させてRAM17に保存する。ここで、ステップS16およびステップS17によって、本発明における排出時間演算ステップを構成している。
ステップS18では、ステップS13でリストアップした全ての液溜まり部(Pudd_i)を対象に、ステップS16およびステップS17の処理を実行したか否かを判断する。ステップS18でnoと判断、つまり、未だ全ての液溜まり部(Pudd_i)についてステップS16およびステップS17の処理を実行していないと判断した場合には、ステップS19に進んで「I=i+1」としてカウントする。そして、次の液溜まり部番号の液溜まり部(表4参照)を対象としてステップS16に戻る。ステップS18でyesと判断した場合にはステップS20へ進む。
ステップS20では、まず、ステップS17でRAM17に保存された複数の排出時間(Ti)の中から最も長い排出時間(Ti)を検出(表4の網掛け部参照)する。次いで、当該検出した排出時間(Ti)を、ボディパネル40の電着槽34からの引き上げ後に各液溜まり部(Pudd_i)に溜まった電着溶液35が完全に排出される完全排出時間(Tmax)に設定する。そして、当該設定した完全排出時間(Tmax)をRAM17に保存してステップS21へ進む。ここで、ステップS20によって、本発明における完全排出時間設定ステップを構成している。
続くステップS21では、ステップS20でRAM17に保存した完全排出時間(Tmax)を呼び出すとともに、図1に示すディスプレイコントローラ20を制御することにより、ディスプレイ12に完全排出時間(Tmax)を表示させ、次いで、ステップS22へ進み、ボディパネル40から電着溶液35が完全に排出される完全排出時間のシミュレーションが終了する。これにより、ディスプレイ12を介して流体解析装置10のシミュレーション結果(完全排出時間(Tmax)の計算)を操作者に知らせることができる。ここで、ステップS21によって本発明における完全排出時間表示ステップを構成している。
以上詳述したように、本発明に係る車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法によれば、流体解析装置10の制御部18により、ボディパネル40の数値計算モデルからボディパネル40に形成される凹部の排出孔の面積を求めるとともに、当該排出孔を複数の要素で閉塞し、液溜まり部となる排出孔を予測して当該液溜まり部に溜まる電着溶液35の体積を求める。そして、流体解析装置10の制御部18は、面積データと体積データとから電着溶液35の排出時間を求めて、当該排出時間のうち最も長い排出時間をボディパネル40から電着溶液35が排出される完全排出時間とするので、ボディパネル40から電着溶液35が完全に排出されるまでの時間をシミュレーションすることができる。
したがって、シミュレーションした完全排出時間の長短に基づき塗装ライン33のライン速度を調整することで、ボディパネル40の排出孔の構造を変更せずに電着溶液35の外部への持ち出しを抑制することができるので、電着溶液35の消費量を低減することができる。また、シミュレーション結果をボディパネル40の設計段階にフィードバックして排出孔を設計することで、ボディパネル40の構造強度や生産性等を考慮したボディパネル40の設計を行うことができる。さらに、異種形状のボディパネルの数値計算モデルに基づくシミュレーション結果に応じて塗装ライン33のライン速度を適宜調整することで、異種形状のボディパネルをライン上に混在させることができ、多品種少量生産等に対応できる。
また、本発明に係る車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムによれば、流体解析装置10に、ボディパネル40の数値計算モデルからボディパネル40の排出孔の面積を演算させるとともに当該排出孔を複数の要素で閉塞させ、液溜まり部となる排出孔を予測させて当該液溜まり部に溜まる電着溶液35の体積を演算させる。そして、面積データと体積データとから電着溶液35の排出時間を演算させて、当該排出時間のうち最も長い排出時間をボディパネル40から電着溶液35が排出される完全排出時間とするので、ボディパネル40から電着溶液35が完全に排出されるまでの時間をシミュレーションすることができる。したがって、上述のシミュレーション方法と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態においては、車体ボディ30を構成するボディパネル40を電着溶液35に浸漬し、ボディパネル40の表面に塗膜を析出するもの(電着塗装するもの)を示したが、本発明はこれに限らず、車体ボディを金属溶液で満たされた処理槽に浸漬し、車体ボディの表面にめっき処理等を施すものに対しても適用することができる。
本発明のシミュレーション方法を実行する流体解析装置を示すブロック図である。 車体ボディの塗装ラインを説明する説明図である。 車体ボディのフロアパネルの数値計算モデルを示す斜視図である。 数値計算モデルの要素を説明する説明図である。 本発明のシミュレーション方法の動作を説明するフローチャートである。 図3の凹部周辺の要素を一部抜き出して示す模式図である。 図6の排出孔を複数の要素で塞いだ状態を示す模式図である。 図3の凹部周辺の電着溶液の状態を示す断面図である。 凹部に溜まる電着溶液の気液境界面を説明する説明図である。 図3の一対の凹部に実際に溜まる電着溶液の状態を示す断面図である。
符号の説明
10 流体解析装置
11 キーボード
12 ディスプレイ
13 HDD
14 FDD
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 制御部
19 キーボードコントローラ
20 ディスプレイコントローラ
21 ディスクコントローラ
22 ネットワーク
23 ネットワークインターフェースコントローラ
24 システムバス
30 車体ボディ
31 搬送装置
32 ハンガ
33 塗装ライン
34 電着槽
35 電着溶液(浸漬液)
40 ボディパネル(車体ボディ)
41 要素

Claims (2)

  1. 車体ボディに形成された浸漬液排出孔から排出される浸漬液の排出時間を、流体解析装置を用いてシミュレーションする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法であって、
    前記流体解析装置の制御部により、
    複数の要素に分割された前記車体ボディの数値計算モデルに基づき、前記浸漬液排出孔を検出する排出孔検出ステップと、
    前記排出孔検出ステップで検出した前記浸漬液排出孔の面積を求める面積演算ステップと、
    前記浸漬液排出孔を複数の要素により閉塞する排出孔閉塞ステップと、
    前記車体ボディの処理槽からの引き上げ時における重力方向に基づき、閉塞された前記浸漬液排出孔のうち、液溜まり部となる前記浸漬液排出孔を予測する液溜まり部予測ステップと、
    前記液溜まり部予測ステップで予測された前記液溜まり部に溜まる前記浸漬液の体積を求める体積演算ステップと、
    前記面積演算ステップで求めた面積データおよび前記体積演算ステップで求めた体積データに基づき、前記液溜まり部から排出される前記浸漬液の排出時間を求める排出時間演算ステップと、
    前記排出時間演算ステップで求めた前記液溜まり部における前記排出時間のうち、最も長い排出時間を前記車体ボディにおける前記浸漬液の完全排出時間とする完全排出時間設定ステップと、
    前記完全排出時間設定ステップで設定された前記完全排出時間を外部に表示させる完全排出時間表示ステップと、を実行することを特徴とする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法。
  2. 車体ボディに形成された浸漬液排出孔から排出される浸漬液の排出時間をシミュレーションする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    複数の要素に分割された前記車体ボディの数値計算モデルに基づき、前記浸漬液排出孔を検出する排出孔検出ステップと、
    前記排出孔検出ステップで検出した前記浸漬液排出孔の面積を求める面積演算ステップと、
    前記浸漬液排出孔を複数の要素により閉塞する排出孔閉塞ステップと、
    前記車体ボディの処理槽からの引き上げ時における重力方向に基づき、閉塞された前記浸漬液排出孔のうち、液溜まり部となる前記浸漬液排出孔を予測する液溜まり部予測ステップと、
    前記液溜まり部予測ステップで予測された前記液溜まり部に溜まる前記浸漬液の体積を求める体積演算ステップと、
    前記面積演算ステップで求めた面積データおよび前記体積演算ステップで求めた体積データに基づき、前記液溜まり部から排出される前記浸漬液の排出時間を求める排出時間演算ステップと、
    前記排出時間演算ステップで求めた前記液溜まり部における前記排出時間のうち、最も長い排出時間を前記車体ボディにおける前記浸漬液の完全排出時間とする完全排出時間設定ステップと、
    前記完全排出時間設定ステップで設定された前記完全排出時間を外部に表示させる完全排出時間表示ステップと、を有することを特徴とする車体ボディにおける浸漬液排出時間のシミュレーション方法を実行するコンピュータが実行可能なプログラム。
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