JP4729283B2 - 車体パネル周辺の流体解析方法及び車体パネル周辺の流体解析プログラム - Google Patents

車体パネル周辺の流体解析方法及び車体パネル周辺の流体解析プログラム Download PDF

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本発明は、車体パネル周辺を複数の小領域に分割して電着塗装時における電着液及び空気の流れを数値解析し、電着塗装を阻害するエアポケットが車体パネル表面に生成されるか否かを予測する車体パネル周辺の流体解析方法に関する。
自動車車両においては、車体を電着槽内の電着液に浸漬させて電気的に塗料を付着させるフルディップ方式の電着塗装が一般的である。かかる電着塗装では、塗膜を略均一にすることができ、車体の溶接部分にも塗装を行うことができる等の利点がある。この反面、フード内面、ルーフ内面、フロア下面等にエアポケットと呼ばれる空気溜まりが生じると、この部分に塗膜を形成することができないという欠点がある。
この欠点を解決すべく、電着槽内に車体へ向かって電着液と吐出するノズルを設け、このノズルからの吹出し流で空気溜まりを移動させて、エアポケット部分にも塗膜を形成させる電着塗装方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−86497号公報
しかし、前記電着塗装方法においては、電着液の比重が比較的大きいことからノズルから吹き出した電着液の流速は車体に到達する前に減速されるし、電着槽内を移動する車体に対しエアポケットを狙ってノズルから電着液を吹き出すのも困難である。
そこで、離散化による数値計算によりエアポケットの位置を事前に予測し、エアポケットが生じないよう車体パネルに予め穿孔や形状変更を施して対応することが考えられる。しかしながら、車体が比較的長大且つ複雑な形状であることから、車体パネル周辺を多大な小領域に分割しなければならない。そして、空気と電着液の自由表面が存在し表面張力の計算が極めて煩雑であることと相俟って、計算が長時間となってしまう。従って、試作車を電着槽内に流通させてエアポケットの位置を実験的に把握して対応せざるを得ず、開発に要するコスト及び日程が嵩むという問題点がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フルディップ方式の車体の電着塗装において、エアポケットの位置を事前に予測することのできる車体パネル周辺の流体解析方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、前記コンピュータが、前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行することを特徴とする。
尚、ここでいう「小領域」とは、有限要素法による解析における要素、差分法による解析における格子等をさす。
請求項1に記載の発明によれば、車体パネルから所定範囲内の小領域のみについて、流体領域として電着液及び空気の流れが計算される。そして、所定範囲を超えた小領域は固体として計算されるので、この領域については流体の計算は行われない。
ここで、フルディップ方式の車体パネルの電着塗装時におけるエアポケットの発生要因は、車体パネルの下側の空気をパネル表面に沿って電着液により押し出すことができるかが主要因である。すなわち、車体パネルから離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、エアポケットの発生を判断するには十分である。
従って、電着液と空気の流れを計算する小領域を低減して、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができる。これにより、現実に試作車を電着槽に投入せずとも、数値計算により短時間のうちにエアポケットの位置を予測することができる。
また、エアポケットが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネルに穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、エアポケットが発生しない車体形状を予測して、車体の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記初期設定工程は、前記全小領域を固体領域とする固体設定工程と、前記固体設定工程の後、前記車体パネルから前記所定範囲内の前記小領域を前記流体領域とする流体設定工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、全小領域を一括して固体として定義し、電着液及び空気の流れの計算に必要な車体パネルから所定範囲内の小領域だけを流体と定義することにより、最小限の手順で初期設定を行うことができるし初期設定が簡単容易である。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記コンピュータが、前記流体設定工程にて前記流体領域を前記車体パネルと隣接する前記小領域のみとすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の作用に加え、電着液及び空気の流れの計算を、車体パネルと隣接する小領域だけに限定することにより、さらなる計算時間の短縮を図ることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記コンピュータが、前記固体設定工程にて前記車体パネルを固定壁とすることを特徴とする。
尚、ここでいう「固定壁」とは、変形等を考慮せず数値計算を行わない領域をいう。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3の作用に加え、車体パネル1についての数値計算を省略することができ、さらに計算時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2から4のいずれか一項に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記初期設定工程は、前記流体設定工程にて流体領域とされた前記小領域を空気に設定する初期領域設定工程と、前記初期領域設定工程の後、前記流体領域における電着液の流入側に相当する境界を所定の流速を有する電着液に設定する初期境界設定工程と、を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2から4のいずれか一項の作用に加え、初期条件として車体パネルの周辺に空気が存在した状態から電着液を流入させることにより、車体が電着槽内へ入槽する状態を的確に模擬することができ、良好な解析結果を得ることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車体パネル周辺の流体解析方法において、前記解析工程は、前記流体領域について所定時間だけ時間的に進行させて各小領域の複数のパラメータを連続的に更新していく更新工程と、前記更新工程で各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各小領域ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるか否かを判定する判定工程と、を有し、前記コンピュータが、前記判定工程にて前記許容範囲量以内であると判定ると解析を終了とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の作用に加え、初期状態から各小領域について各パラメータが連続的に更新されていき、時間的に進行して定常状態に近づくと各小領域における更新時の各パラメータの変化が小さくなる。
ここで、各パラメータが更新された際に、各小領域における所定のパラメータの更新前後の差のうち最も大きい値が、予め設定された許容範囲量以内であるときは解析が終了するので、定常状態に収束した場合に的確に計算を終了することができる。
請求項7に記載の発明は、車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析するための流体解析プログラムであって、前記コンピュータに、前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行させるための車体パネル周辺の流体解析プログラムである。
このように、本発明の車体パネル周辺の流体解析方法又はプログラムによれば、車体パネルから所定範囲内の小領域のみについて流体の計算がなされるようにしたので、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができ、数値計算により短時間のうちにエアポケットの位置を予測することができる。
図1から図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1は車体の塗装ラインの概略説明図、図2は車体パネル周辺の流体解析方法のフローチャート、図3は複数の要素に分割した車体パネル周辺の数値計算モデルを示す概略説明図、図4は全要素を固体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す動作説明図、図5は車体パネルに隣接する要素を空気に設定した状態の数値計算モデルを示す動作説明図、図6は流体領域における電着液の流入側の境界を、所定の流速を有する電着液とした状態の数値計算モデルを示す動作説明図、図7は初期状態から時間的に進行させた状態の数値計算モデルを示す動作説明図、図8は車体パネルに隣接する要素が電着液で満たされた状態の数値計算モデルを示す動作説明図、図9は流体解析装置の概略構成ブロック図である。
この車体パネル周辺の流体解析方法は、自動車ボディの電着塗装時における電着液及び空気の流れを数値解析するものである。まず、自動車ボディの塗装ラインについて簡単に説明する。
溶接等により複数の車体パネル1を互いに接合して自動車のボディ2は構成され、図1に示すように、搬送装置3のハンガに搭載された状態で塗装ラインにて略水平方向へ搬送される。塗装ラインでは、電着塗装の前処理として、車体パネル1に脱脂、水洗、表面調整、皮膜化成、水洗等の処理が施される。これらの処理の後、車体としてのボディ2は電着槽4に向かって降下し、電着液5に浸漬された状態で略水平に移動する。この状態で、ボディ2と電着槽4内の電極(図示せず)に電圧を加えることにより、車体パネル1に塗料が析出するようになっている。この後、搬送装置3によりボディ2は電着槽4から引き上げられ、水洗により車体パネル1に電着せずに付着している電着液5が除去される。
本実施形態の車体パネル周辺の流体解析方法は、電着槽4内に入槽されるボディ2の周辺の電着液5及び空気6の流れを数値解析するものであり、ルーフ内面やフード下面のような下方に凹の車体パネル1におけるエアポケットの形成状態を模擬的に把握することができる。以下、図2のフローチャートを参照して本実施形態の流体解析方法について詳述する。
本実施形態においては、有限要素法を用いて解析を行う。まず、車体パネル1及び周辺を複数の要素7に分割して数値計算のためのモデルを構築する(ステップS1)。本実施形態においては、図3に示すように、車体パネル1及びその周辺を、パネルの厚さ方向及び長手方向に略直交する複数の要素7に分割する。メッシュ状に分割された各要素7は、車体パネル1の湾曲に従うよう湾曲して形成されている。尚、図3〜図8には、説明のために側面の断面に相当する2次元の数値計算モデルを図示しているが、数値計算モデルは2次元であっても3次元であってもよい。
次いで、図4に示すように、全要素7を固体領域に設定する(ステップS2)。このステップS2の工程が固定設定工程をなす。本実施形態においては、車体パネル1の材質である鉄に設定する。この後、図5に示すように、車体パネル1に隣接する要素7を流体領域に設定し、車体パネル1と離隔した要素7は固体領域のままとする(ステップS3)。本実施形態においては、初期状態として流体領域を空気に設定する(ステップS4)。すなわち、ステップS3の工程が流体設定工程をなし、ステップS4の工程が初期領域設定工程をなす。この状態は、ボディ2が電着槽4に投入される前の車体パネル1の周辺が空気で満たされた状態を模擬している。
次いで、数値計算モデルにおける重力方向を指定し(ステップS5)、図6に示すように、流体領域における電着液5の流入側に相当する境界を所定の流速の電着液5に設定する(ステップS6)。このステップS6の工程が初期境界設定工程をなす。すなわち、境界の要素7を電着液5の粘性係数とするとともに、ボディ2の移動に対応した流速及び流量として境界条件を定義する。この状態は、ボディ2が電着槽4に投入された瞬間を模擬している。このように、実際にはボディ2が電着液5に対して移動するところ、計算上はボディ2を固定して電着液5を車体パネル1に対して流通させることとなる。ステップS1〜S6で数値計算モデルの初期状態が設定され、ステップS1〜S6が初期設定工程をなしている。
以上のように初期設定が終了した後、各要素7について所定時間だけ時間的に進行させて各要素7の各パラメータを更新する(ステップS7)。このステップS7が更新工程をなす。そして、所定の終了条件を満たすか否かを判定し(ステップS8)、終了条件を満たさない場合はステップS5へ進み、終了条件を満たす場合は解析を終了する。このステップS8が判定工程をなす。すなわち、終了条件を満たさない限りは、各要素7の各パラメータを連続的に更新していくこととなり、ステップS7及びS8で、流体領域について電着液5及び空気6の流れを数値解析する解析工程をなしている。
図7に示すように、初期設定から時間的に更新していくと、電着液5が空気6を押しのけて車体パネル1に隣接する要素7に進入する。このように、初期状態から各要素7について各パラメータが連続的に更新されていき、時間的に進行して定常状態に近づくと各要素7における更新時の各パラメータの変化が小さくなる。そして、図8に示すように最終的に流体領域が電着液5で満たされればエアポケットが発生せずに車体パネル1が完全に電着液5に浸漬された状態であるし、図7に示すように流体領域に空気6が残留すればエアポケットが発生した状態である。
本実施形態においては、ステップS8にて、各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各要素7ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるかを判定する。そして、終了判定値が許容範囲量以内であると判定されると解析を終了する。本実施形態においては、この終了判定値は、所定のパラメータの更新前後の差の絶対値である。尚、終了判定値は、更新前後の差の絶対値を更新前或いは更新後の値で除した値であってもよい。また、本実施形態においては、終了判定に用いるパラメータは速度、圧力及び物質体積分率であるが、他のパラメータにより終了判定を行ってもよい。
このように、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法では、車体パネル1から所定範囲内の要素7について、流体領域として電着液5及び空気6の流れが計算される。そして、所定範囲を超えた要素7は固体として計算されるので、この領域については流体の計算は行われない。
ここで、フルディップ方式の車体パネル1の電着塗装時におけるエアポケットの発生要因は、車体パネル1の下側の空気をパネル表面に沿って電着液5により押し出すことができるかが主要因である。すなわち、車体パネル1から離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、エアポケットの発生を判断するには十分である。
従って、電着液5と空気6の流れを計算する要素7を低減して、初期状態から収束状態に至るまでの計算時間を飛躍的に短縮することができる。これにより、現実に試作車を電着槽4に投入せずとも、数値計算により短時間のうちにエアポケットの位置を予測することができる。特に、本実施形態においては、電着液5及び空気6の流れの計算を、車体パネル1と隣接する要素7だけに限定することにより、計算時間の短縮を効果的に図ることができる。
また、エアポケットが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネル1に穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、エアポケットが発生しない車体形状を予測して、ボディ2の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、全要素7を一括して固体として定義し、電着液5及び空気6の流れの計算に必要な車体パネル1から所定範囲内の要素7だけを流体と定義することにより、最小限の手順で初期設定を行うことができるし初期設定が簡単容易である。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、初期条件として車体パネル1の周辺に空気6が存在した状態から電着液5を流入させることにより、ボディ2が電着槽4内へ入槽する状態を的確に模擬することができ、良好な解析結果を得ることができる。
また、本実施形態の車体パネル1周辺の流体解析方法によれば、各パラメータが更新された際に、各要素7における所定のパラメータの更新前後の差のうち最も大きい値が、予め設定された許容範囲量以内であるときは解析が終了するので、定常状態に収束した場合に的確に計算を終了することができる。
図9には、この流体解析方法を実行する流体解析装置100を構成可能なハードウェア構成の一例を示す。同図に示すように、本実施形態の流体解析装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、キーボード109のキーボードコントローラ105と、表示部としてのディスプレイ110のディスプレイコントローラ106と、ハードディスク111及びフレキシブルディスク112のディスクコントローラ107と、ネットワーク120との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ108とが、システムバス104を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。
CPU101は、ROM102或いはハードディスク111に記憶されたソフトウェア、或いはフレキシブルディスク112より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス104に接続された各構成部を総括的に制御する。すなわち、CPU101は、所定の処理シーケンスに従って処理プログラムを、ROM102、或いはハードディスク111、或いはフレキシブルディスク112から読み出して実行することで、本実施形態の流体解析方法の動作を実現するための制御を行う。
RAM103は、CPU101の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。キーボードコントローラ105は、キーボード109や図示しないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。ディスプレイコントローラ106は、ディスプレイ110の表示を制御する。ディスクコントローラ107は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム及び本実施形態における所定の処理プログラム等を記憶するハードディスク111及びフレキシブルディスク112とのアクセスを制御する。ネットワークインターフェースコントローラ108は、ネットワーク120上の装置或いはシステムと双方向にデータを送受信するようになっている。
尚、前記実施形態においては、有限要素法により解析したものを示したが、差分法等のような他の離散化解析法を用いてもよい。差分法においては、車体パネル1周辺の領域を格子状に分割して、小領域としての格子の各パラメータを更新することとなる。
また、前記実施形態においては、車体パネル1周辺をメッシュ状の小領域に分割したものを示したが、小領域の形状は車体パネル1の形状や計算手法に応じて適宜に変更可能である。また、前記実施形態のような車体パネル1の凹状部分の下側のみならず、サイドシル等の袋状部分の内側についても前記実施形態と同様に数値計算を行うことができることは勿論である。
また、前記実施形態においては、車体パネル1を固体の要素7として車体パネル1の挙動についても解析するものを示したが、車体パネル1を固定壁として計算してもよい。この場合、車体パネル1についての数値計算を省略することができ、さらに計算時間を短縮することができる。また、車体パネル1から離隔した要素7についても固定壁として計算してもよい。
また、前記実施形態においては、車体パネル1に隣接する要素7のみを流体領域とするものを示したが、例えば、図10に示すように前記実施形態の数値計算モデルで車体パネル1側から2つ目の要素7までを流体領域として計算するようにしてもよい。すなわち、車体パネル1から所定距離内に要素7を流体領域とし、所定距離を超えた要素7を固体領域とすれば、計算時間を短縮することができる。
また、前記実施形態においては、算出された終了判定値が許容範囲量以内である場合に解析を終了するようにしたものを示したが、定常状態とならずとも電着液5が車体パネル1の表面と全て接触した場合には車体パネル1の電着塗装に支障がないと判断して解析を終了するようにしてもよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態を示す車体の塗装ラインの概略説明図である。 車体パネル周辺の流体解析方法のフローチャートである。 複数の要素に分割した車体パネル周辺の数値計算モデルを示す説明図である。 全要素を固体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。 車体パネルに隣接する要素を空気に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。 流体領域における電着液の流入側の境界を、所定の流速を有する電着液とした状態の数値計算モデルを示す説明図である。 初期状態から時間的に進行させた状態の数値計算モデルを示す説明図である。 車体パネルに隣接する要素が電着液で満たされた状態の数値計算モデルを示す説明図である。 流体解析装置の概略構成ブロック図である。 変形例を示す車体パネルから所定範囲内の要素を流体領域に設定した状態の数値計算モデルを示す説明図である。
符号の説明
1 車体パネル
2 ボディ
4 電着槽
5 電着液
6 空気
7 要素

Claims (7)

  1. 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、
    前記コンピュータが、
    前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、
    前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行することを特徴とする車体パネル周辺の流体解析方法。
  2. 前記初期設定工程は、
    前記全小領域を固体領域とする固体設定工程と、
    前記固体設定工程の後、前記車体パネルから前記所定範囲内の前記小領域を前記流体領域とする流体設定工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  3. 前記コンピュータが、前記流体設定工程にて前記流体領域を前記車体パネルと隣接する前記小領域のみとすることを特徴とする請求項2に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  4. 前記コンピュータが、前記固体設定工程にて前記車体パネルを固定壁とすることを特徴とする請求項2または3に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  5. 前記初期設定工程は、
    前記流体設定工程にて流体領域とされた前記小領域を空気に設定する初期領域設定工程と、
    前記初期領域設定工程の後、前記流体領域における電着液の流入側に相当する境界を所定の流速を有する電着液に設定する初期境界設定工程と、を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  6. 前記解析工程は、
    前記流体領域について所定時間だけ時間的に進行させて各小領域の複数のパラメータを
    連続的に更新していく更新工程と、
    前記更新工程で各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各小領域ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるか否かを判定する判定工程と、を有し、
    前記コンピュータが、前記判定工程にて前記許容範囲量以内であると判定ると解析を終了とすることを特徴とする請求項5に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
  7. 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析するための流体解析プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、
    前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行させるための車体パネル周辺の流体解析プログラム。
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