JP4729283B2 - 車体パネル周辺の流体解析方法及び車体パネル周辺の流体解析プログラム - Google Patents
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そこで、離散化による数値計算によりエアポケットの位置を事前に予測し、エアポケットが生じないよう車体パネルに予め穿孔や形状変更を施して対応することが考えられる。しかしながら、車体が比較的長大且つ複雑な形状であることから、車体パネル周辺を多大な小領域に分割しなければならない。そして、空気と電着液の自由表面が存在し表面張力の計算が極めて煩雑であることと相俟って、計算が長時間となってしまう。従って、試作車を電着槽内に流通させてエアポケットの位置を実験的に把握して対応せざるを得ず、開発に要するコスト及び日程が嵩むという問題点がある。
尚、ここでいう「小領域」とは、有限要素法による解析における要素、差分法による解析における格子等をさす。
ここで、フルディップ方式の車体パネルの電着塗装時におけるエアポケットの発生要因は、車体パネルの下側の空気をパネル表面に沿って電着液により押し出すことができるかが主要因である。すなわち、車体パネルから離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、エアポケットの発生を判断するには十分である。
また、エアポケットが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネルに穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、エアポケットが発生しない車体形状を予測して、車体の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
尚、ここでいう「固定壁」とは、変形等を考慮せず数値計算を行わない領域をいう。
ここで、各パラメータが更新された際に、各小領域における所定のパラメータの更新前後の差のうち最も大きい値が、予め設定された許容範囲量以内であるときは解析が終了するので、定常状態に収束した場合に的確に計算を終了することができる。
請求項7に記載の発明は、車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析するための流体解析プログラムであって、前記コンピュータに、前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行させるための車体パネル周辺の流体解析プログラムである。
溶接等により複数の車体パネル1を互いに接合して自動車のボディ2は構成され、図1に示すように、搬送装置3のハンガに搭載された状態で塗装ラインにて略水平方向へ搬送される。塗装ラインでは、電着塗装の前処理として、車体パネル1に脱脂、水洗、表面調整、皮膜化成、水洗等の処理が施される。これらの処理の後、車体としてのボディ2は電着槽4に向かって降下し、電着液5に浸漬された状態で略水平に移動する。この状態で、ボディ2と電着槽4内の電極(図示せず)に電圧を加えることにより、車体パネル1に塗料が析出するようになっている。この後、搬送装置3によりボディ2は電着槽4から引き上げられ、水洗により車体パネル1に電着せずに付着している電着液5が除去される。
ここで、フルディップ方式の車体パネル1の電着塗装時におけるエアポケットの発生要因は、車体パネル1の下側の空気をパネル表面に沿って電着液5により押し出すことができるかが主要因である。すなわち、車体パネル1から離隔した領域まで厳密に流体の計算を行わずとも、計算結果の精度が大きく低下することはなく、エアポケットの発生を判断するには十分である。
また、エアポケットが生じるという計算結果が得られた場合、車体パネル1に穿孔や形状変更を施したモデルに変更して再度解析を行うことにより、エアポケットが発生しない車体形状を予測して、ボディ2の設計に速やかにフィードバックすることができる。これにより、車両の開発に要するコスト及び日程を短縮することができる。
また、前記実施形態においては、車体パネル1周辺をメッシュ状の小領域に分割したものを示したが、小領域の形状は車体パネル1の形状や計算手法に応じて適宜に変更可能である。また、前記実施形態のような車体パネル1の凹状部分の下側のみならず、サイドシル等の袋状部分の内側についても前記実施形態と同様に数値計算を行うことができることは勿論である。
2 ボディ
4 電着槽
5 電着液
6 空気
7 要素
Claims (7)
- 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析する流体解析方法であって、
前記コンピュータが、
前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、
前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行することを特徴とする車体パネル周辺の流体解析方法。 - 前記初期設定工程は、
前記全小領域を固体領域とする固体設定工程と、
前記固体設定工程の後、前記車体パネルから前記所定範囲内の前記小領域を前記流体領域とする流体設定工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。 - 前記コンピュータが、前記流体設定工程にて前記流体領域を前記車体パネルと隣接する前記小領域のみとすることを特徴とする請求項2に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
- 前記コンピュータが、前記固体設定工程にて前記車体パネルを固定壁とすることを特徴とする請求項2または3に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。
- 前記初期設定工程は、
前記流体設定工程にて流体領域とされた前記小領域を空気に設定する初期領域設定工程と、
前記初期領域設定工程の後、前記流体領域における電着液の流入側に相当する境界を所定の流速を有する電着液に設定する初期境界設定工程と、を有することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。 - 前記解析工程は、
前記流体領域について所定時間だけ時間的に進行させて各小領域の複数のパラメータを
連続的に更新していく更新工程と、
前記更新工程で各パラメータが更新される都度に、所定のパラメータについての更新前後の差に基づく終了判定値を各小領域ごとに算出し、各終了判定値のうち最も大きい値が予め設定された許容範囲量以内であるか否かを判定する判定工程と、を有し、
前記コンピュータが、前記判定工程にて前記許容範囲量以内であると判定すると解析を終了とすることを特徴とする請求項5に記載の車体パネル周辺の流体解析方法。 - 車体パネル周辺を複数の小領域に分割した数値計算モデルをコンピュータ上に構築し、電着槽内へ入槽される車体の周辺の電着液及び空気の流れを数値解析するための流体解析プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記車体パネルから所定範囲内の前記小領域を流体領域とするとともに、所定範囲を超えた前記小領域を固体領域とする初期設定工程と、
前記流体領域について電着液及び空気の流れを数値解析する解析工程と、を実行させるための車体パネル周辺の流体解析プログラム。
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JP2004287682A JP4729283B2 (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 車体パネル周辺の流体解析方法及び車体パネル周辺の流体解析プログラム |
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JP2004287682A JP4729283B2 (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 車体パネル周辺の流体解析方法及び車体パネル周辺の流体解析プログラム |
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JP2006099652A JP2006099652A (ja) | 2006-04-13 |
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