JP2006163412A - 表示制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マルチビュー表示装置の観察者が一方向にのみ存在しているとき、或いは、一方の映像のみ必要とされる場合には、観察位置の如何を問わず二重映像による見辛さを軽減し、良好で高品位な映像表示を得ることのできる表示制御装置を提供する。
【解決手段】 画面を構成する画素群が第一の画素群と第二の画素群に分散配置され、それらがソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動されることにより、二方向に異なる映像が同時に表示されるマルチビュー表示装置25に対して、双方の画素群をソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動する第一駆動モード制御手段47と、何れか一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、何れかの画素群を駆動する第二駆動モード制御手段46,49と、前記第一駆動モード制御手段と前記第二駆動モード制御手段とを切替制御するモード切替手段48を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 画面を構成する画素群が第一の画素群と第二の画素群に分散配置され、それらがソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動されることにより、二方向に異なる映像が同時に表示されるマルチビュー表示装置25に対して、双方の画素群をソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動する第一駆動モード制御手段47と、何れか一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、何れかの画素群を駆動する第二駆動モード制御手段46,49と、前記第一駆動モード制御手段と前記第二駆動モード制御手段とを切替制御するモード切替手段48を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の視方向に異なる映像が同時に表示されるマルチビュー表示装置を制御する表示制御装置に関する。
これまでの主なディスプレイの開発は、観察者がディスプレイをどの方向から観察しても同じ良好な画質で見ることができるように、或いは、複数の観察者が同時に同じ情報を得ることができるように最適化されてきた。しかし、個々の観察者が同じディスプレイからの異なる情報を見ることができることが望ましい用途が数多くある。例えば、自動車の中で、ドライバーは衛星ナビゲーションデータを見ることを望み、隣席の同乗者は車載DVDやテレビチューナの映像を見ることを望むという場合がある。このような例において2つのディスプレイが用いられる場合には、余分な場所をとりコストを増大させるという問題がある。
そこで近年、下記特許文献1のような、ディスプレイ画面は一つであるにもかかわらず、異なる方向から観察することにより、二人以上の異なる観察者が、二つの異なる映像を夫々同時に見ることが可能なマルチビュー表示装置が提案されている。
特開2004−206089号公報
しかし、上述のマルチビュー表示装置は、視方向の異なる映像を同時に表示した場合、一方の観察者が一方の映像のみをクリアに視認するために、前記表示装置からの距離及び角度が所定の範囲に入る領域から観察する必要があるが、その範囲が狭いために少しでも異なる領域から観察すると一方の映像に他方の映像の一部が重なり合って見えてしまう、所謂二重映像が発生するという問題があった。特に、観察者が一方にのみ存在している場合であっても、二つの異なる映像が表示されている場合には二重映像が発生し、これによって映像の観察位置が極めて狭い範囲に特定されてしまうことは、観察者にとって非常に不都合なことであった。
本発明の目的は、上述の問題点に鑑み、マルチビュー表示装置の観察者が一方向にのみ存在しているとき、或いは、一方の映像のみ必要とされる場合には、観察位置の如何を問わず二重映像による見辛さを軽減し、良好で高品位な映像表示を得ることのできる表示制御装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による表示制御装置の第一の特徴構成は、複数方向に異なる映像を同時に表示するマルチビュー表示装置を制御する表示制御装置であって、一方の視方向に表示される映像の映像品位が向上するように、他の視方向に表示される映像を調整して表示する制御手段を備えた点にある。
上述の構成によれば、複数方向に異なる映像を同時に表示するマルチビュー表示装置において、上述の二重映像による見辛さを軽減するべく、制御手段によって他方の視方向に表示される映像が調整される結果、状況に応じてより見易い映像が表示できる利便性の高い表示制御装置を提供できるようになるのである。
同第二の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記他方の視方向に表示される映像を同一色に表示する点にある。
上述の構成によれば、二重映像という不都合を解消するため、他の視方向に表示される映像を同一色に表示することにより、一方の視方向に表示される映像に僅かに重なって確認される他の視方向の映像が静的になり、一方の視方向に表示される映像に対して輝度や色が変動するちらつき等の影響を排除できるので、一方の視方向に表示される映像の品位が向上するようになるのである。
同第三の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の輝度または色合いの平均に基づいて他方の視方向に表示される映像信号を同一輝度または同一色にする点にある。
上述の構成によれば、一方の視方向に表示される映像信号の輝度または色合いの平均を求め、その平均に基づいて対応する他方の視方向に表示される映像信号が同一輝度または同一色に表示されるので、画面のちらつきを排除し、またはコントラストを際立たせる等により映像の品位の向上を図ることができるようになるのである。
同第四の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号と実質的に同一の映像信号に基づいて他方の視方向に表示された映像を表示する点にある。
この場合には、他方の視方向に表示される映像が一方の視方向に表示される映像と実質的に同一になるため、二重映像という不都合そのものが解消され高品位の表示が可能となるのである。ここに実質的に同一の映像信号とは、他方の視方向に表示される映像信号が一方の視方向に表示される映像信号と完全に同一である場合のみならず、他方の映像信号が一方の映像信号のソース信号から生成された信号をも広く含む意味である。マルチビュー表示装置においては、一画面で複数の映像を表示する構成上、本来ならば、通常の表示画素数以上のデータを表示しなくてはならない。しかし、全てを表示するためには、それに対応して画素数を増やす必要が生じるが、そのためには高精細な画素を形成する必要があり、非常に高価なものとなってしまう。そこで、データを間引きソース信号に含まれる画素数を低減させている。このため、他方の視方向に対する映像信号に一方の視方向に対する映像信号と同一の信号を入力してもよいが、代わりに、間引かれていた映像信号を入力することでフルスペック表示とすることも可能となる。つまり、映像信号は異なるが、映像表示としては実質的に同一となるのである。
同第五の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の平均輝度に基づいて他方の視方向に表示される映像信号の輝度を調整する点にある。
上述の構成によれば、一方の視方向に対する映像信号の輝度または色合いの平均を求め、その平均に基づいて対応する他方の視方向に対する映像信号の輝度が調整されるので、一方の視方向に表示される映像の視認性を向上させることができるようになるのである。例えば、求められた平均輝度よりも低い平均輝度となるように他方の視方向に対する映像信号を調整することにより、コントラストを際立たせて視認性を向上させることができるようになる。
同第六の特徴構成は、上述の第一または第五の特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の色合いの平均に基づいて他方の視方向に表示される映像信号の色合いを調整する点にある。
上述した所謂二重映像は、異なる複数の映像が重なって認識されることにより発生するものであるため、異なる複数の映像を類似させることによりその程度が軽減される。このため、上述の構成を採用することにより、他方の視方向に対する映像信号が、一方の視方向に対する映像信号で表される色に類似するように調整されることで、二重映像の程度が軽減されるのである。
同第七の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記マルチビュー表示装置が設置された周囲の明るさを検出する照度検出手段を備え、前記制御手段は、検出された明るさに基づいて映像信号の輝度または色合いを調整する点にある。
周囲の明るさに応じて表示装置に表示された映像の視認性が変動することはよくあることである。そこで、照度検出手段によって検出された周囲の明るさに応じて一方または他方の映像信号の輝度または色合いを調整することにより二重映像による見辛さを軽減することができるようになるのである。
同第八の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記マルチビュー表示装置が設置された周囲の色合いを検出するカラー検出手段を備え、前記制御手段は、検出された色合いに基づいて映像信号の輝度または色合いを調整する点にある。
周囲の色合いに応じて表示装置に表示された視認性が変動することはよくあることである。そこで、カラー検出手段によって検出された周囲の色合いに応じて一方または他方の映像信号の輝度または色合いを調整することにより二重映像による見辛さを軽減することができるようになるのである。
同第九の特徴構成は、上述の第一から第七の何れかの特徴構成に加えて、前記マルチビュー表示装置が視認される各方向の視聴者を検出する視聴者検出手段を備え、前記制御手段は、前記マルチビュー表示装置が視認される方向の何れか一方にのみ視聴者が検出されたときに、前記他の視方向に表示される映像を調整する点にある。
上述の構成によれば、視聴者検出手段によってマルチビュー表示装置が視認される複数方向における視聴者の存否が検出され、何れか一方にのみ視聴者が検出されたときに制御手段を作動させることで、当該視聴者に対して高品位な映像を出力することができるようになるのである。
同第十の特徴構成は、画面を構成する画素群が第一の画素群と第二の画素群に分散配置され、それらがソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動されることにより、二方向に異なる映像が同時に表示されるマルチビュー表示装置を制御する表示制御装置であって、前記第一の画素群と前記第二の画素群をソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動する第一駆動モード制御手段と、前記第一または第二の何れか一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、前記第一または第二の画素群を駆動する第二駆動モード制御手段と、前記第一駆動モード制御手段と前記第二駆動モード制御手段とを切替制御するモード切替手段を設けてある点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、マルチビュー表示装置の観察者が一方向にのみ存在しているとき、或いは、一方の映像のみ必要とされる場合には、観察位置の如何を問わず二重映像による見辛さを軽減し、良好で高品位な映像表示を得ることのできる表示制御装置を提供することができるようになった。
以下に、本発明による表示制御装置を、車両に搭載されたマルチビュー表示装置を例に説明する。図1に示すように、車両を目的地に誘導するナビゲーション装置Nと、地上波デジタル放送を受信する電波受信装置2と、前記ナビゲーション装置N及び前記電波受信装置2による表示画像を同時に表示可能なマルチビュー表示部25と、前記マルチビュー表示部25を表示制御する表示制御装置40と、セキュリティ用の撮像素子30等が車両に搭載されている。
前記ナビゲーション装置Nは、道路地図データを記憶した地図データ記憶手段5と、自車の位置情報を認識するGPS受信手段6と、GPSアンテナ6aと、自車の走行状態を管理する自律航法手段7と、地図データに基づいて指定された目的地までの経路を探索する経路探索手段8と、地図上に自車の走行位置を表示する走行状態表示処理手段9と、各種の動作モードや動作条件を設定する操作部26等を備えて構成され、単一または複数のCPUとその動作プログラムが格納されたROM及びワーキングエリアに使用されるRAMを備えて各ブロックが制御されるように構成され、指定された地点に自車を誘導するナビゲーション機能を有している。
前記電波受信装置2は、受信アンテナ20と、前記受信アンテナ20を介して受信された伝送チャンネル(周波数帯域)を選局するチューナ21と、選局された受信信号からデジタル信号を取り出して誤り訂正処理を行ないTS(トランスポートストリーム)パケットを出力するOFDM復調部22と、TSパケットのうち映像・音声パケットから音声信号を復号してスピーカ24に出力するとともに、映像信号を復号して表示部25に出力するデコーダ23を備えたデジタルテレビ受信機で構成されている。
前記撮像素子30は車両に複数配置され、車両外に配置された撮像素子30b,30cは、バックモニターや車間距離計測用に用いることが可能となっている。また、車両室内に設置される撮像素子30aは、防犯等のセキュリティ用で、助手席を観察できる位置に配置され視聴者検出センサ、照度検出センサ、色検出センサとしても機能する。
前記マルチビュー表示部25は、図2に示すように、TFTアレイ916を形成したTFT基板912とそれに対向して配置される対向基板914の間に液晶層913を挟持した一対の基板を2枚の偏光板911の間に配置した液晶パネルと、マイクロレンズと遮光スリットを形成した視差バリア層915を形成した視差バリア基板917とを一体形成して構成されている。
前記TFTアレイ916は、図3に示すように、データ線925と走査線924によって囲まれた領域を一単位とする複数の画素が形成され、各画素には液晶層913に電圧を印加する画素電極923と、それをスイッチング制御するTFT素子922が形成されている。走査線駆動回路921はTFT素子922の選択走査を行い、またデータ線駆動回路920は、画素電極923への印加電圧を制御する。制御回路926は走査線駆動回路921及びデータ線駆動回路920の駆動タイミングを制御する。
前記複数の画素は、一列置き(一データ線置き)に配列(奇数列と偶数列に分類)された第一の画素群と第二の画素群の二つの画素群で形成され、それぞれはソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動される。前記二つの画素群を通過した光は、それぞれ視差バリア層915によって異なる方向へ導かれ、或いは、特定方向の光は遮光されるため、空間上の表示面918近傍に限って、異なる方向へ異なる映像を表示することが可能となっている。尚、二つの画素群は一列置きに配列するものに限られるのではなく、画面内において分散配置されていればよい。
前記マルチビュー表示部25は、運転席と助手席の中央部のフロントパネルに設置され、運転席側から観察される映像と助手席側から観察される映像が異なるように表示することが可能な構成となっている。例えば、助手席側では前記電波受信装置2からの映像情報が観察される一方で、運転者席側では前記ナビゲーション装置Nのディスプレイとして使用が可能である。
前記表示制御装置40は、図1に示すように、前記撮像素子30aによる助手席付近を含む撮影データが記録されるデータ記録部41と、前記マルチビュー表示部25の設置環境や視聴者の有無等を解析する画像解析部42と、前記マルチビュー表示部25の各画素群を駆動する映像信号を変換生成する映像信号変換処理手段46と、複数のソース信号から適切なソース信号を選択する映像信号選択出力手段47と、前記映像信号選択出力手段47により選択されるソース信号を指定するとともに後述するモード切替手段として機能する操作部48と、変換関数記録手段49等を備えて構成されている。
前記画像解析部42は、前記データ記録部41に保存された画像データを解析して、室内の明るさを算出する照度検出手段43と、室内の色(内装等)を算出する色検出手段44と、助手席に視聴者が同乗しているかを判断する視聴者検出手段45を備えて構成される。
前記操作部48は、運転者或いは同乗者が、前記マルチビュー表示部25に表示できる二つの映像の夫々について、ナビゲーション装置Nからの案内表示、前記電波受信装置2で受信されたテレビ映像の表示、或いは、バックモニター用の撮像素子からの画像表示等、表示させたいコンテンツを選択する操作パネルであり、前記映像信号選択出力手段47はその選択内容に基づいて、映像信号を選択して前記マルチビュー表示部25に出力する。
前記映像信号変換処理手段46は、前記マルチビュー表示部25に表示できる二つの映像のうち、一方の側の映像の表示品位(表示性能)のみを重点的に向上させたい場合に、前記変換関数記録手段49に格納されている変換関数に基づいて映像信号を調節する。
デュアル・ビュー表示を行うが故に発生する二重映像は、異なる二つの映像表示を完全に分離しきれないことに起因して発生する。つまり、他方の画素群に対する映像表示が一方の画素群に対する映像表示上に僅かに重複して認識されるように表示されている。このような状況を分析するために官能評価が行なわれ、その結果が以下のように得られている。
図4は、二つの画素群に種々の異なる映像を表示させたときに、二重映像の見え方の変化にについて評価を行った結果である。図中の評価点は、複数の任意の評価者がそれぞれ、二重映像が顕著な場合に0点、二重映像が改善されている場合に1点を加え、各評価者の平均を算出したものである。
図4(a)は、一方の画素群に対する映像の面内平均輝度と、他方の画素郡に対する映像の面内平均輝度との比( 『一方の側の映像の面内平均輝度 』/『 他方の側の映像の面内平均輝度』 )をパラメータとして評価を行なった結果である。面内平均輝度は、マルチビュー表示部25の特性上、二方向の異なる映像を同条件で直接的に輝度計を用いて測定することは困難であったため、それぞれ二方向の映像を表示する画素群への入力信号(輝度データ信号)の平均値の比を算出することにより行なっている。一方の側の映像の面内平均輝度が高い程、つまり、一方の側の映像の面内平均輝度が高く他方の側の映像の面内平均輝度が低い程、二重映像が改善されている。究極的には、他方の面内平均輝度が0、つまり、黒表示のときに完全に改善される結果が得られている。
図4(b)は、一方の画素群に対する映像と他方の画素群に対する映像の表示内容の違い、つまり、映像の類似性(映像が完全に一致している場合が1.0)をパラメータとして評価を行った結果である。映像の類似性は、一方の側の映像を表示する画素群(第一の画素群)個別の入力信号と、その表示画素位置に対応する、他方の側の映像を表示する画素群(第二の画素群)の表示画素位置との入力信号との比をとったものを二つの画素群間全てにおいて算出し平均した値であり、信号の一致度が大きい場合(映像が一致した場合)に二重映像が改善される結果が得られている。
図4(c)は、面内平均色度をパラメータとして評価を行った結果である。面内平均色度についても上述の評価結果同様に、二方向の映像間で一致度が大きい程、二重映像が改善される結果が得られている。
図5は、一方の映像表示にのみ着目し、周囲の環境とその表示品位(見えやすさ)との関係について評価を行った結果である。ここでは、一方の映像表示にのみ着目するため、他方の映像表示は、上述した二重映像の発生しない条件とし、ここでは黒状態として評価を行っている。また、評価方法も上述と同じ、複数の任意の評価者による評価点方式により行なわれている。
図5(a)は、周囲の明るさをパラメータとし、映像表示の明るさ(最大輝度)との関係について、映像表示の見えやすさについて評価を行った結果である。周囲の明るさが明るい程、映像表示の明るさも明るい方が表示品位が良く評価される。逆に、周囲の明るさが暗いときは映像表示の明るさを暗くした方が表示品位が良い評価結果が得られている。
図5(b)は、周囲の色をパラメータとして、映像表示の見えやすさについて評価を行った結果である。周囲の色と映像表示の色が近いほど、表示品位が悪く評価され、周囲の色と映像表示の色が補色の関係になるほど、表示品位が良い評価結果が得られている。
上述した二つの映像信号の関係、或いは周囲環境と表示品位に基づいて、前記マルチビュー表示部25に表示できる二つの映像のうち、一方向の側の映像のみの表示品位を向上させることのできる変換関数が求められている。
つまり、映像信号変換処理手段46は、上述した映像信号、或いは周囲環境と表示品位に基づいて、マルチビュー表示部に表示できる二つの映像のうち、一方向の側の映像のみの表示品位を向上させるのである。
また、前記映像信号変換処理手段46は、前記操作部48の操作により、その映像信号変換処理機能を機能させるか否かのいくつかのモード切替手段としての機能を備えている。一つは、常に映像信号変換処理機能を機能させないモードであり、一つは、操作者の手動により何れか一方の側の映像について、それを機能させるモードであり、一つは、自動で助手席に同乗者の有無を判断し、運転席側の映像の表示品位を向上すべく、その機能を自動で切り替えるモードであり、更に一つは、運転者が運転中(走行中)か否かを自動で判断し、助手席側の映像の表示品位を向上すべく、その機能を自動で切り替えるモードである。
常に映像信号変換処理機能を機能させないモード及び運転席と助手席双方に視聴者が確認されるとき、二つの画素群に入力される映像信号は、映像信号変換処理手段46では変換処理されず、二方向に標準的なマルチビュー映像出力を行う通常駆動となる。即ち、このモードで表示制御する前記映像信号選択出力手段47によって、第一の画素群と前記第二の画素群をソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動する第一駆動モード制御手段が構成される。
操作者の手動により何れか一方の側の映像について高品位表示制御を行ない、運転席または手席の何れかに視聴者が確認されないとき自動的に何れか一方の側の映像について高品位表示制御を行なう前記映像信号変換処理手段46と前記変換関数記録手段49とで、第一または第二の何れか一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、前記第一または第二の画素群を駆動する第二駆動モード制御手段が構成され、前記操作部48によってモード切替手段が構成される。即ち、前記第二駆動モード制御手段とモード切替手段により、一方の視方向に表示される映像の映像品位が向上するように、他の視方向に表示される映像を調整して表示する制御手段が構成される。
自動で助手席に同乗者の有無を判断し、運転席側の映像の表示品位を向上すべく、その機能を自動で切り替えるモードについて、図6に示すフローチャートを用いて説明する。前記撮像素子30aにより撮像され(S1)、前記データ記録部41に保存された室内の助手席付近の画像データに基づいて前記画像解析部42により画像解析される(S2)。前記視聴者検出手段45により、助手席に同乗者がいると判断される(S3)と、操作部48で選択されているコンテンツの映像信号が前記映像信号選択手段47によって選択され(S8)、前記マルチビュー表示部25の助手席側への表示画素群に出力され、運転席側への表示画素群にはナビゲーションのための画像が出力される(S9)。
この状態で前記視聴者検出手段45により助手席に同乗者がいないと判断されると(S3)、撮像データから、周囲の明るさ、色を算出される(S4)。前記操作部48で指定されているコンテンツの映像信号が前記映像信号選択手段47で選択されると(S5)、前記映像信号変換処理手段46は、運転席側に表示する映像信号に対して周囲環境から判断される最適な最大輝度の輝度調節と色補正を行い(S6)、助手席に表示する映像信号には、運転席側に表示する映像が二重映像とならないように運転席側に対する映像信号と実質的に同一の映像信号を選択し(S7)、それぞれマルチビュー表示装置に出力する(S9)。
ここに実質的に同一の映像信号とは、他方の画素群を駆動する映像信号が一方の画素群を駆動する映像信号と完全に同一である場合のみならず、他方の画素群を駆動する映像信号が一方の画素群を駆動する映像信号のソース信号から生成された信号をも広く含む意味である。マルチビュー表示装置においては、一画面で二つの映像を表示する場合には、構成上、本来ならば、通常の二倍の表示画素分のデータを表示しなくてはならない。しかし、全てを表示するためには、それに対応して画素数を増やす必要が生じるが、そのためには高精細な画素を形成する必要があり、非常に高価なものとなってしまう。そこで、データを間引き半分の解像度としている。このため、他方の画素群に一方の画素群と同一の信号を入力してもよいが、代わりに、間引かれていた映像信号を入力することでフルスペック表示とすることも可能となる。つまり、映像信号は異なるが、映像表示としては実質的に同一となるのである。
尚、上述の助手席または運転席における視聴者の有無を検知する視聴者検出手段45の構成は、上述した撮像素子30aと画像解析手段42による画像解析に限られるものではなく、座席に設置される圧力センサや人体を検出する赤外線センサなど公知の技術を使用して構成することが可能である。また、周囲環境を検出する方法も同様に撮像素子30aと画像解析手段42による画像解析に限られるものではなく、照度計や分光光度計等の公知の技術を使用して構成することが可能である。
前記操作部48において、運転者が運転中か否かを自動で判断する旨のモードの場合にも、上述したフローチャートと同様の手順で機能するものである。但し、この場合は、助手席側の映像の表示品位が向上するように機能する。また、運転者が運転中か否かの判断は、直接速度計から検出し(不図示)、あるいは他の公知の技術を用いて検出することができる。
上述の実施形態では、前記第二駆動モード制御手段によって、運転席側に表示する映像信号に対して周囲環境から判断される最適な最大輝度の輝度調節と色補正を行い、助手席に表示する映像信号には、運転席側に表示する映像が二重映像とならないように運転席側に対する映像信号と実質的に同一の映像信号を選択するものを説明したが、前記第二駆動モード制御手段による表示制御はこれに限定されるものではなく、以下の種々の態様を適宜採用することができる。
即ち、前記第二駆動モード制御手段は、一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、前記第一または第二の画素群を駆動するものであればよく、例えば、他方の画素群を同一色に駆動し、または、オフするものであってもよい。この場合、二重映像という不都合を解消するため、他方の画素群を同一色に駆動し、または、オフすることにより、一方の画素群の周囲から漏れる他方の画素群が静的になり、一方の画素群に対して輝度や色が変動するちらつき等の影響を排除できるので、一方の画素群による映像の品位が向上するようになるのであり、他方の画素群をオフして黒くする場合には、一方の画素群に表示される映像とのコントラストが際立ち、より一層映像の品位が向上するようになるのである。
また、一方の画素群の所定領域に対する映像信号の輝度または色合いの平均に基づいて他方の画素群の所定領域を同一輝度または同一色に駆動し若しくはオフするものであってもよい。この場合、一方の画素群の全面または一部領域である所定領域に対する映像信号の輝度または色合いの平均を求め、その平均に基づいて対応する他方の画素群の全面または一部領域である所定領域が、同一輝度または同一色に駆動等されるので、領域毎に適切な状態で映像の品位の向上を図ることができるようになるのである。例えば、一方の画素群の所定領域の色合いの平均に基づいて、他方の画素群の所定領域の色合いを同じ色合いで表示し、或いはその補色で表示し、一方の画素群の所定領域の輝度の平均に基づいて、他方の画素群の所定領域の輝度を下げる等の制御により、画面のちらつきを排除し、またはコントラストを際立たせる等により映像の品位が向上するようになるのである。
また、前記一方の画素群の所定領域に対する映像信号の平均輝度に基づいて他方の画素群の所定領域に対する映像信号の輝度を調整するものであってもよい。この場合には、一方の画素群の全面または一部領域である所定領域に対する映像信号(例えばYUV信号)の輝度Yまたは色合い(U,V)の平均を求め、その平均に基づいて対応する他方の画素群の全面または一部領域である所定領域に対する映像信号の輝度が調整されるので、一方の画素群に表示される映像の視認性を向上させることができるようになるのである。例えば、求められた平均輝度よりも低い平均輝度となるように他方の画素群に対する映像信号を調整することにより、コントラストを際立たせて視認性を向上させることができるようになる。
さらに、前記一方の画素群の所定領域に対する映像信号の色合いの平均に基づいて他方の画素群の所定領域に対する映像信号の色合いを調整するものであってもよい。上述した所謂二重映像は、異なる二つ映像が重なって認識されることにより発生するものであるため、異なる二つ映像が類似することにより、二重映像の程度は軽減される。このため、上述の構成を採用することにより、他方の画素群に表示される映像が、一方の画素群に表示される映像の色に類似するように調整されることで、二重映像の程度が軽減されるのである。
またさらに、これらの態様を適宜組み合わせて二重映像の問題を軽減させることも可能である。さらに上述の何れの場合であっても、図4または図5に示すような変換関数と同様の変換関数を事前に獲得し、前記変換関数記録手段49に格納しておくことにより容易に映像データの変換処理を行なうことができる。
上述の平均輝度の調節や平均色の調節については、画面全体を一つの領域として、また、映像の類似性については、個々の画素毎にその類似性を判断して映像信号の変換処理を行う場合に限らず、画面をいくつかの領域に分け、それぞれの領域毎に変換処理を行ってもよい。
つまり、画面全体を一つの領域として、画面内平均輝度の調節や画面内平均色の調節を行った場合には、各画素に同一の変換関数を乗算することとなるため、最適に調節される画素の割合が比較的低くなるが、画面をいくつかの領域に分けることにより高品位の映像表示が可能になる。
また、個々の画素毎にその類似性を判断して変換処理を行う場合には、その変換処理を個々の画素毎に異なる変換関数を用いることとなるので、高い処理能力を有する必要が生じるが、画面をいくつかの領域に分け、変換処理量を低減することにより処理能力の問題を解決することができる。
上述した実施形態では、マルチビュー表示装置として二方向に異なる映像を同時に表示するものを説明したが、二方向より多くの方向に夫々異なる映像を同時に表示するものであっても同様である。また、マルチビュー表示装置として特開2004−206089号公報に記載されたような液晶パネルを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、特開2003−15535号公報に記載されたような構成を採用するもの等の他、有機ELやプラズマディスプレイ、CRT、SED等を用いて構成されたマルチビュー表示装置一般に対しても同様に適用することができる。
25:マルチビュー表示部
30:撮像素子
40:表示制御装置
41:データ記録部
42:画像解析部
46:映像信号変換処理手段
47:映像信号選択出力手段
48:操作部
49:変換関数記録手段
30:撮像素子
40:表示制御装置
41:データ記録部
42:画像解析部
46:映像信号変換処理手段
47:映像信号選択出力手段
48:操作部
49:変換関数記録手段
Claims (10)
- 複数方向に異なる映像を同時に表示するマルチビュー表示装置を制御する表示制御装置であって、
一方の視方向に表示される映像の映像品位が向上するように、他の視方向に表示される映像を調整して表示する制御手段を備えたことを特徴とする表示制御装置。 - 前記制御手段は、前記他方の視方向に表示される映像を同一色に表示する請求項1記載の表示制御装置。
- 前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の輝度または色合いの平均に基づいて他方の視方向に表示される映像信号を同一輝度または同一色にすることを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
- 前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号と実質的に同一の映像信号に基づいて他方の視方向に表示された映像を表示することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
- 前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の平均輝度に基づいて他方の視方向に表示される映像信号の輝度を調整することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
- 前記制御手段は、前記一方の視方向に表示される映像信号の色合いの平均に基づいて他方の視方向に表示される映像信号の色合いを調整することを特徴とする請求項1または5記載の表示制御装置。
- 前記マルチビュー表示装置が設置された周囲の明るさを検出する照度検出手段を備え、前記制御手段は、検出された明るさに基づいて映像信号の輝度または色合いを調整することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
- 前記マルチビュー表示装置が設置された周囲の色合いを検出するカラー検出手段を備え、前記制御手段は、検出された色合いに基づいて映像信号の輝度または色合いを調整することを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。
- 前記マルチビュー表示装置が視認される各方向の視聴者を検出する視聴者検出手段を備え、前記制御手段は、前記マルチビュー表示装置が視認される方向の何れか一方にのみ視聴者が検出されたときに、前記他の視方向に表示される映像を調整することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の表示制御装置。
- 画面を構成する画素群が第一の画素群と第二の画素群に分散配置され、それらがソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動されることにより、二方向に異なる映像が同時に表示されるマルチビュー表示装置を制御する表示制御装置であって、
前記第一の画素群と前記第二の画素群をソースの異なる映像信号に基づいて各別に駆動する第一駆動モード制御手段と、前記第一または第二の何れか一方の画素群により表示される映像品位が向上するように、前記第一または第二の画素群を駆動する第二駆動モード制御手段と、前記第一駆動モード制御手段と前記第二駆動モード制御手段とを切替制御するモード切替手段を設けてあることを特徴とする表示制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005352912A JP2006163412A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 表示制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005352912A JP2006163412A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 表示制御装置 |
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JP2004318825 Division | 2004-11-02 | 2004-11-02 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006163412A true JP2006163412A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36665414
Family Applications (1)
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JP2005352912A Withdrawn JP2006163412A (ja) | 2005-12-07 | 2005-12-07 | 表示制御装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006163412A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007293139A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Fujitsu Ten Ltd | 表示装置及び車載用表示装置 |
-
2005
- 2005-12-07 JP JP2005352912A patent/JP2006163412A/ja not_active Withdrawn
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