JP2006163322A - 光ビーム偏向器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 偏向部材と非点隔差補正部材とを接着して一体化したものを高速回転させる際に生じる波面歪みを抑制可能な光ビーム偏向器を提供する。
【解決手段】 記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズム38の入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、非点隔差補正部材48の重心を、キュービックプリズム38の回転中心軸が通る状態で、キュービックプリズム38の光ビームの入射面に貼着一体化して構成する。この非点隔差補正部材48は、キュービックプリズムの入射面を通過し、反射面で反射し、出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定された非点隔差補正面を有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズム38の入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、非点隔差補正部材48の重心を、キュービックプリズム38の回転中心軸が通る状態で、キュービックプリズム38の光ビームの入射面に貼着一体化して構成する。この非点隔差補正部材48は、キュービックプリズムの入射面を通過し、反射面で反射し、出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定された非点隔差補正面を有する。
【選択図】 図4
Description
この発明は、レーザビームの走査光学系により円筒ドラム内面に配置した感光面を走査して露光処理するインナードラム露光装置(内面走査型光ビーム走査露光装置)等に用いて好適な、非点収差を補正した光ビーム偏向器に関する。
一般に、オフセット印刷には、感光性平版印刷版(いわゆるPS版)が利用されている。また、この平版印刷の分野では、コンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性平版印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムが実用化されている。
このようなCTPシステムでは、円筒ドラムの内周面上に配置した記録媒体である感光性平版印刷版の感光面にレーザ等の光ビームを導いて走査露光処理を行うインナードラム露光装置(内面走査型光ビーム走査露光装置)が広く用いられている。
このインナードラム露光装置には、光ビーム偏向器(モノゴンスキャナー)としてのスピナーミラー装置を備える。このスピナーミラー装置は、高速で回転駆動されるスピナーミラーに、光源側の光学系から集光ビームを反射させて、記録媒体の感光面上に対して主走査方向に偏向走査を行うと共に、副走査移動手段によってスピナーミラー部分を、インナードラム支持体の円弧中心軸の軸線方向に等速度で移動して副走査することにより、記録媒体の感光面の全面に露光処理を行う。
従来の光ビーム偏向器(モノゴンスキャナー)には、傾斜鏡(スピナーミラー)が高速で回転されるときの変形を補正するための非点隔差補正手段を具備したスピンモ−タモジユ−ルが提案されている。この光ビーム偏向器(モノゴンスキャナー)では、片側が開口され、他側が閉口された円筒筐体の内部に、傾斜鏡を配置する。この傾斜鏡は、円筒筐体の中心線に対して角度45度傾斜している。
この光ビーム偏向器では、入射光ビ−ムを円筒筐体の開口部から入光させ、傾斜鏡にて反射させる。反射光ビ−ムは、円筒筐体の側面に穿設された側開口部から出光し、記録媒体上に集光される。
この円筒筐体は、光ビ−ムを走査するために高速回転(一般には10,000rpm以上)されるので、傾斜鏡が遠心力で変形して光ビ−ム内に収差が発生する。
そこで、この円筒筐体の開口部には、傾斜鏡に対して角度の調整を可能なように光平面ガラス板を配置し、この光平面ガラス板の傾斜鏡との相対的な角度を調整することによって、収差を解消する非点収差補正を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成された従来の光ビーム偏向器の非点隔差補正手段は、高速回転される支持固定用のマウント部材である円筒筐体の内部に偏向部材(ミラー等)としての傾斜鏡を設置し、プリズム状の非点隔差補正部材としての光平面ガラス板を円筒筐体の開口部に角度調整可能に装着する構造である。
このように構成されたスピンモ−タモジユ−ルでは、偏向部材である傾斜鏡と、非点隔差補正部材である光平面ガラス板とを、マウント部材である円筒筐体に一体的に固定するため、マウント部材である円筒筐体を強固に構成する必要がある。このように傾斜鏡と光平面ガラス板とをマウントし、強固な構造とされた円筒筐体は、その自重が重くなるので、これを安定して高速回転させるモーターに大きな負荷がかかるという問題がある。また、光偏向部の重量が重くなるため、同じモータで回転できる回転速度にも制約が生じるという問題がある。
そこで、光ビーム偏向器における、モーターで高速回転させる部分の自重を軽減するため、偏向部材と非点補正部材とを接着して一体的に構成することによってマウント部材の重量を軽減することが考えられる。
しかし、光ビーム偏向器であるスピナーでは、偏向部材と非点補正部材とを接着して一体化したものを高速回転させることになるので、非点補正部材がアンバランスな状態で高速回転する際に生じる荷重を偏向部材が受けることになる。このため、高速回転する際に非点補正部材から受ける荷重によって偏向部材が弾性変形してその内部に形成された反射面に歪みを生じ、波面歪みを増大させてしまうという問題がある。
米国特許番号5,768,001号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、偏向部材と非点補正部材とを接着して一体化したものを高速回転させる際に生じる波面歪みを抑制可能な光ビーム偏向器を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の光ビーム偏向器は、記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズムの入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、入射面を通過し、反射面で反射し、出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定された非点隔差補正面とを有する非点隔差補正部材を、当該非点隔差補正部材の重心を、キュービックプリズムの回転中心軸が通る状態で、キュービックプリズムの光ビームの入射面に貼着一体化して構成したことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の光ビーム偏向器は、記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズムの入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、非点隔差補正部材と、これと同形で屈折率が異なり比重が近似する光学材料で形成された円形非点補正部材とを、互いに非点隔差補正面が接するように貼着して、入射面と出射面が平行となるように一体化し、非点隔差補正面を、入射面を通過し、反射面で反射し、出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定し、非点隔差補正部材と円形非点補正部材とを一体化したものの重心をキュービックプリズムの回転中心軸が通る状態で、非点隔差補正部材と円形非点補正部材とをキュービックプリズムの光ビームの入射面に貼着一体化して構成したことを特徴とする。
前述のように構成することにより、キュービックプリズムに非点隔差補正部材等を貼着して一体化するので、マウント部材で非点隔差補正部材を強固に固定する必要がないから、その分だけマウント部材等の高速回転される部分の重量を軽減し、安定して高速回転させられるようにできる。また、キュービックプリズムの回転軸と非点隔差補正部材等の重心とを一致させることにより、非点隔差補正部材又は非点隔差補正部材と円形非点補正部材とが一体化したものが高速回転したときに、回転中心と重心とが偏芯しているために生じる回転ブレ、振動、さらに遠心力による加重がキュービックプリズムに加わって波面歪みを生じ非点隔差が発生することを抑制し、高精度で画像を露光し、精細な画像を形成して露光記録時の画像品質を安定に保つことができる。
本発明によれば、偏向部材と非点補正部材とを接着して一体化したものを高速回転させる際に生じる波面歪みを良好に抑制できるという効果がある。
本発明の光ビーム偏向器に関する実施の形態について図1乃至図10により説明する。本実施の形態に係わる光ビーム偏向器は、オフセット印刷用の感光性平版印刷版(いわゆるPS版)を記録媒体とし、コンピュータ等のデジタルデータに基づいてレーザ露光処理をし、自動現像機で感光性平版印刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接印刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムに用いて好適なものである。
図1及び図2には、本実施の形態に係る、非点隔差補正手段を施した光ビーム偏向器を持つインナードラム露光装置を備えたCTP(Computer to Plate)システムの概略構成が示されている。
このCTPシステムは、印刷版供給カセット20の自動送給装置10と、印刷版供給カセット内の感光性平版印刷版であるPS版22を1枚づつ分離して供給する枚葉供給装置12と、インナードラム露光装置(モノゴンスキャナー)14と、バッファ装置16と、現象処理装置18とを備える。
このCTPシステムでは、露光処理の対象とする記録媒体として、例えば薄いアルミニウム板である支持体上に感光材料を含有する画像記録層を形成したPS版若しくはフォトポリマー版又は銀塩タイプの感光材料等を用いることができる。
このCTPシステムにおける自動送給装置10は、外部から作業員が搬入した複数の印刷版供給カセット20をそれぞれ保管棚24上に保管し、所要の印刷版供給カセット20を枚葉供給装置12へ供給する。
この枚葉供給装置12は、供給された印刷版供給カセット20の蓋を開放し、内部に収納されているPS版22の束を引き上げ機構26で引き上げながら、分離ローラ28で1枚づつ分離してインナードラム露光装置14へ供給する。なお、この枚葉供給装置12には、重ねられたPS版22の間に感光面保護のため挟み込まれた合紙30を分離してストックする合紙除去部32を備える。
このCTPシステムにおけるインナードラム露光装置14は、円弧内周面形状(円筒内周面の一部を構成する形状)の支持体34を母体として構成されており、この支持体34の内周面に沿ってPS版22を支持するようになっている。
このインナードラム露光装置14では、図示しない真空吸着手段によって、未記録の記録媒体であるPS版22を支持体34の内周面に確実に密着させて沿わせた状態に保持してから露光処理を行う。
このインナードラム露光装置14では、支持体34の円弧中心位置に、光ビーム偏向器としてのスピナーミラー装置36を配設する。このスピナーミラー装置36は、図3に示すように反射鏡部材(スピナーミラー)を構成する、いわゆるキュービックプリズム38(ここでは、ウエストウインド社製のボールプリズムを用いても良い)を頂面に配置した回転軸40を、図示しない制御装置のスピナードライバによって回転制御がされる駆動源としてのモータによって高速回転(例えば10,000rpm以上)可能に構成する。図2に示すように、このスピナーミラー装置36では、回転軸40の回転中心軸を支持体12の円弧中心軸と一致するように構成する。
このスピナーミラー装置36では、光源側の光学系から投射された光ビームを、回動するキュービックプリズム38の反射鏡面に反射させてPS版22の感光面に対して主走査方向への走査露光を行う。
このスピナーミラー装置36は、図示しない副走査移動手段によって、支持体34の円弧中心軸の軸線方向(図2の表面から裏面に貫通する方向)に等速度で移動制御されることにより副走査する。
このためスピナーミラー装置36では、制御装置のスピナードライバによって、そのモータの回転制御がされると共に、図示しない副走査移動手段により副走査方向に移動制御される。
このように構成されたスピナーミラー装置36は、光源側の光学系から投射され画像情報に応じて変調された光ビームを、回動するキュービックプリズム38の反射鏡面に反射させて主走査方向への走査露光を行いながら、スピナーミラー装置36を副走査方向へ移動することによって、PS版22の記録面全面に対して2次元の画像を記録する処理を行う。
このCTPシステムに設けるバッファ装置16は、インナードラム露光装置14で露光処理されたPS版22を、搬送速度を調整することによって所要のタイミングで現象処理装置18へ搬入する機能を有する。
現象処理装置18は、搬入されて来た露光済のPS版22に対する現像処理を行って潜像を顕像化して印刷版を製版する。
次に、キュービックプリズム38の反射面39に集光ビームを反射させて偏向走査を行うスピナーミラー装置36において、非点隔差の補正を行う手段について説明する。
このキュービックプリズム38に対して非点隔差の補正を行う手段は、収束光が非平行な面のプリズムを通る場合、入射面が入射光の光軸に対して傾斜していると、傾斜方向の光の集光位置がこれと直交する方向の集光位置よりもプリズム側から遠ざかる方向に移動する。また、これと反対に出射面が入射光の光軸に対して傾斜していると、傾斜方向の光の集光位置がこれと直交する方向の集光位置よりもプリズム側に近づく方向に移動するという特性を有する非点隔差補正部材を、キュービックプリズム38に光学機器用の接着剤で貼着することにより一体化して構成する。
スピナーミラー装置36における内面反射プリズムタイプのキュービックプリズム38では、第1に、キュービックプリズム38の加工製造時のひずみや製作誤差によって、
入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合、第2に、キュービックプリズム38を回転軸40に接着又は機械的な固定構造等で固定したときに、キュービックプリズム38の入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合、第3に、キュービックプリズム38が高速で回転された際に遠心力の影響でキュービックプリズム38の入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合がある。なお、キュービックプリズム38における反射面39の反射角度は、回転軸に対して傾斜する角度が45°又はそれ以外の角度であっても良い。
入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合、第2に、キュービックプリズム38を回転軸40に接着又は機械的な固定構造等で固定したときに、キュービックプリズム38の入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合、第3に、キュービックプリズム38が高速で回転された際に遠心力の影響でキュービックプリズム38の入射面から入射し、反射面で反射し、出射面から出射した光ビームに非点収差を生じる場合がある。なお、キュービックプリズム38における反射面39の反射角度は、回転軸に対して傾斜する角度が45°又はそれ以外の角度であっても良い。
そこで、これらの要因の内少なくとも一つの要因で生じる非点隔差を補正する手段をキュービックプリズム38と一体化して高速回転できるように、キュービックプリズム38に非点隔差補正部材を貼着して構成する。
このため、前述した第1、第2、第3の要因で生じるそれぞれの非点収差量を、光学的な測定又はシミュレーション等の非点収差量検出手段によって予め求めておく。また一般的に、第2の要因であるキュービックプリズム38を回転軸40に固定する際に生じる非点収差は、あまり問題とならないので、少なくとも第1又は第3の要因で生じるそれぞれの非点収差量を補正可能なように非点隔差補正部材を構成する。また、第1、第2、第3の各要因の各組み合わせで複合的に生じる非点収差量を補正可能なように非点隔差補正部材を構成しても良い。
なお例えば、図10に非点収差によって生じた非点隔差を模式的に示す。第1の加工等の要因で生じる非点隔差量が約100μmで、第3の動作上の要因で生じるそれぞれの非点隔差量が約400μmであるときに、PS版22の露光面上にビームスポットを細く絞って露光処理する都合上焦点深度が約200μmになる場合には、集光される一部の光ビームだけしか焦点が合わず、他部分の光ビームの焦点が合わないため、露光形成された画像がボケて画像品質が低下するので、これを補正する必要がある。
このキュービックプリズム38に施す非点隔差を補正する手段としての非点隔差補正部材には、予め求めた第1、第2又は第3の要因で生じる非点隔差の量と、方向とに対応して、これを補正する傾斜角度と、傾斜方向とを有する非点隔差補正面を形成する。このように形成された非点隔差補正部材は、キュービックプリズム38における入射面に貼着して一体化する。
ここで、キュービックプリズム38に施す非点隔差を補正する手段に係わる具体的な一例を示すため、キュービックプリズム38の反射面39が上に凸となる変形を生じる場合についてみると、図8(A)に示すように、反射面39の副走査方向(入射ビームに対して反射面39が傾斜する方向)に入射するスリット状の仮想光ビーム42を考えたとき、このスリット状の仮想光ビーム42は、凸面鏡で反射されて、比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lに集光する。
このとき、図8(B)に示すように、反射面39の主走査方向(入射ビームに対して反射面39が直交する方向)に入射するスリット状の仮想光ビーム44を考えたとき、このスリット状の仮想光ビーム44は、平面鏡で反射されて、比較的近くの集光点位置(主走査方向の焦点位置)Mに集光する。
この場合には、図8(C)に示すように、反射面39の副走査方向(入射ビームに対して反射面39が傾斜する方向)に入射して反射するスリット状の収束光となる仮想光ビーム42の光路上に、仮想光ビーム42の比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lを仮想光ビーム44の比較的近くの集光点位置(主走査方向の焦点位置)Mへ近づけて一致させるための適量な補正傾斜角度を有する非点隔差補正部材(非点隔差補正用のウェッジガラス)45を、その傾斜方向を反射面39の副走査方向(入射ビームに対して反射面39が傾斜する方向)に合致させると共に、出射面が入射光の光軸に対して傾斜し、入射面が入射光の光軸に直交するように配置すれば、非点隔差を補正することができる。
ここで、非点隔差補正部材45は、キュービックプリズム38に入射する光路上の収束光が通る位置に配置しても、又はキュービックプリズム38から出射する光路上の収束光が通る位置に配置しても等価である。
よって、このスピナーミラー装置36では、キュービックプリズム38の回転軸が通過する面である入射面に、比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lから比較的近くの集光点位置(主走査方向の焦点位置)Mへ焦点位置を近づけて一致させるだけの適量な補正傾斜角度を有し、かつ反射面39の副走査方向(入射ビームに対して反射面39が傾斜する方向)に沿って傾斜している傾斜面(すなわち、主走査方向を軸としてその周りに回転するよう傾斜した傾斜面)である非点隔差補正面48を設けた非点隔差補正部材45を貼着して一体化することにより、非点隔差を補正し得るように構成する。なお、非点隔差補正部材45の出射面は、入射光の光軸に直交する方向に配置する。
次に、キュービックプリズム38に施す非点隔差を補正する手段における具体的な他の例を示す、キュービックプリズム38の反射面39が凹面(下に凸)となる変形を生じる場合の図9の場合についてみると、図9(A)に示すように、反射面39の副走査方向(入射ビームに対して反射面39が傾斜する方向)に入射するスリット状の仮想光ビーム42を考えたとき、このスリット状の仮想光ビーム42は、凹面鏡で反射されて、比較的近くの位置Mに集光する。
このとき、図9(B)に示すように、反射面39の主走査方向(入射ビームに対して反射面39が直交する方向)に入射するスリット状の仮想光ビーム44を考えたとき、このスリット状の仮想光ビーム44は、平面鏡で反射されて、比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lに集光する。
この場合には、図9(C)に示すように、反射面39の主走査方向(入射ビームに対して反射面39が直交する方向)に入射して反射するスリット状の収束光となるスリット状の仮想光ビーム44の光路上に、比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lから比較的近くの集光点位置(主走査方向の焦点位置)Mへ焦点位置を近づけて一致させるだけの適量な補正傾斜角度を有する非点隔差補正部材45を、その傾斜方向を反射面39の主走査方向(入射ビームに対して反射面39が直交する方向)に合致させ、かつ出射面が入射光の光軸に対して傾斜し、入射面が入射光の光軸に直交する状態となるように適宜配置構成すれば、非点隔差を補正することができる。
また、非点隔差補正部材45は、キュービックプリズム38に入射する光路上の収束光が通る位置に配置しても等価であるから、キュービックプリズム38の回転軸が通過する面である入射面に、比較的遠くの集光点位置(副走査方向の焦点位置)Lから比較的近くの集光点位置(主走査方向の焦点位置)Mへ焦点位置を近づけて一致させるだけの適量な補正傾斜角度を有し、かつ反射面39の主走査方向(入射ビームに対して反射面39が直交する方向)に沿って傾斜している傾斜面(すなわち、副走査方向を軸としてその周りに回転するよう傾斜した傾斜面)である非点隔差補正面48を設けた非点隔差補正部材45を一体化するよう構成することにより、非点隔差を補正し得るように構成する。なお、この非点隔差補正部材45は、出射面が入射光の光軸に対して傾斜し、入射面が入射光の光軸に直交する状態で配置したものと等価に配置構成すれば、非点隔差を補正することができる。
また、実際のキュービックプリズム38における反射面39では、前述した図8又は図9に例示するような単純な変形を生じる場合ばかりでなく、種々の態様に変形する可能性があるので、各々の反射面39の状態に対応して、非点隔差補正面48の補正傾斜角度と傾斜面の傾斜方向とを、非点収差が最小となるように設定する。
すなわち、キュービックプリズム38では、その加工誤差や回転により発生する非点収差にもバラツキが生じる。そこで、この非点隔差補正手段としての非点隔差補正部材45は、非点収差のバラツキの中央に非点収差の補正量を設定することで、露光記録時の画像品質を安定に保つことができる。
さらに、キュービックプリズム38では、反射面39により非点収差の生じる方向が主走査方向と副走査方向に限られるわけではないので、非点収差の生じる方向に対応して、入射面に設ける非点隔差補正部材45の傾斜面の傾斜方向を収束ビーム中心に対して回転させるように調整し、適切に傾けた状態で貼着する。
次に、スピナーミラー装置36で、非点隔差補正部材45を貼着して一体化したキュービックプリズム38を高速回転させる時に軸ブレを生じたり振動が発生することを防止し、安定して高速回転させるための手段について説明する。
この非点隔差補正部材45を一体化したキュービックプリズム38を安定して高速回転させるための手段では、キュービックプリズム38の回転中心軸が、非点隔差補正部材45の重心を通るように構成する。
すなわち、非点隔差補正部材45の重心の位置を、プリズムの単位体積あたりの重量とプリズムの形状(頂角とサイズ)とから計算上求め、この重心の位置と、非点隔差補正部材45の平面上での中心位置との間隔をずらし量とする。そして、非点隔差補正部材45を、平面上での中心位置から算出したずらし量だけ、キュービックプリズム38の中心軸からシフトさせることにより、非点隔差補正部材45の重心がキュービックプリズム38の中心軸と一致する状態にして貼着する。要するに、プリズム状の非点隔差補正部材45の重心と、キュービックプリズム38の回転中心とを一致させるよう非点隔差補正部材45の中心を、偏向部材であるキュービックプリズム38の回転中心とをずらして接着固定する。
例えば図4(C)に示すように、非点隔差補正部材45を平面矩形のくさび形に構成した場合には、図4(A)(B)に示すように、
重心位置は、(X/2+δ0,Y/2)と表せる。なおδ0は、次式で求める。
δ0=X2tan(φ)/(12tmax)
ここで、Xは非点隔差補正部材45の一辺の長さ、Yは非点隔差補正部材45の他辺の長さ、tmaxは非点隔差補正部材45の最大肉厚、φは非点隔差補正部材45の非点隔差補正面48の傾斜角度(頂角)である。
重心位置は、(X/2+δ0,Y/2)と表せる。なおδ0は、次式で求める。
δ0=X2tan(φ)/(12tmax)
ここで、Xは非点隔差補正部材45の一辺の長さ、Yは非点隔差補正部材45の他辺の長さ、tmaxは非点隔差補正部材45の最大肉厚、φは非点隔差補正部材45の非点隔差補正面48の傾斜角度(頂角)である。
このように構成した非点隔差補正部材45は、図4(D)(E)に示すようにキュービックプリズム38に貼着して一体化する。
また、キュービックプリズム38の入射面に対して非点隔差補正部材45を貼着する際に、非点隔差補正部材45の形状とずらし量を指定することで、非点隔差補正部材45の重心とキュービックプリズム38の回転中心とを一致させる作業を容易にすることができる。
また、キュービックプリズム38に貼着した非点隔差補正部材45の重心誤差を取り除くため、接着剤等を非点隔差補正部材45の側面に付着させ。又は削りとって、全体としてバランスをとるようにしても良い。
さらに例えば図5(C)に示すように、非点隔差補正部材45を平面円形のくさび形に構成した場合には、図5(A)(B)に示すように、重心位置は、(r0+δ1,r0)と表せる。なおδ1は、次式で求める。
δ1=r02tan(φ)/(4tc)
ここで、r0は非点隔差補正部材45の半径、tcは非点隔差補正部材45の最大肉厚、φは非点隔差補正部材45の非点隔差補正面48の傾斜角度(頂角)である。
δ1=r02tan(φ)/(4tc)
ここで、r0は非点隔差補正部材45の半径、tcは非点隔差補正部材45の最大肉厚、φは非点隔差補正部材45の非点隔差補正面48の傾斜角度(頂角)である。
このように構成した非点隔差補正部材45は、図5(D)(E)に示すようにキュービックプリズム38に貼着して一体化する。
また、例えば図6(C)に示すように、非点隔差補正部材45を平面円形のくさび形に形成すると共に、非点隔差補正部材45の一部を切除して、プリズム状の非点隔差補正部材45の重心と、非点隔差補正部材45の円形中心位置とが一致するように構成しても良い。この場合には、図6(A)(B)に示すように、切除部分の形状、切除部分の量は、非点隔差補正部材45の単位体積あたりの重量と非点隔差補正部材45の形状(頂角とサイズ)とから、重心の位置が円形中心にくるように計算上求めて行う。
このように構成した非点隔差補正部材45は、図6(D)(E)に示すようにキュービックプリズム38に貼着して一体化する。
また例えば図7(B)(C)に示すように、非点隔差補正部材45と、これと同形で、異なる屈折率を有する円形非点補正部材47を互いに斜面(非点隔差補正面48)が接するように張り合わせ、入射面と出射面が平行となるように非点隔差補正部材45と円形非点補正部材47とを合体させたものの円形中心位置と、重心の位置とが同一となるようにし、図7(D)(E)に示すように、これら円形中心位置と、重心の位置と、キュービックプリズム38の回転軸とが全て一直線上にのるように配置して一体化する構成としても良い。
この図7に示すように構成する場合には、円形非点補正部材47を、非点隔差補正部材45と屈折率が異なり、かつできるだけ比重が等しい光学材料で形成することが望ましい。
なお、この図7に示すように構成した場合には、貼着して一体化した非点隔差補正部材45と円形非点補正部材47とを、収束光が通ることにより非点隔差を補正するように構成する。
前述のように非点隔差補正部材45を貼着して一体に構成したキュービックプリズム38を用いたスピナーミラー装置36で露光処理する場合には、キュービックプリズム38の高速回転時に回転軸の軸ブレを無くして滑らかに回転させることができるから、PS版22の感光面上にビームスポットを細く絞って露光処理するため焦点深度が短い場合でも、略全ての光ビームをビームスポットに良好に合焦させて、非点隔差の悪影響を受ける事無く高精度で画像を露光し、精細な画像を形成して画像品質を向上できる。
14 インナードラム露光装置
36 スピナーミラー装置
38 キュービックプリズム
39 反射面
40 回転軸
45 非点隔差補正部材
47 円形非点補正部材
36 スピナーミラー装置
38 キュービックプリズム
39 反射面
40 回転軸
45 非点隔差補正部材
47 円形非点補正部材
Claims (2)
- 記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズムの入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、
前記入射面を通過し、前記反射面で反射し、前記出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定された非点隔差補正面とを有する非点隔差補正部材を、当該非点隔差補正部材の重心を、前記キュービックプリズムの回転中心軸が通る状態で、前記キュービックプリズムの光ビームの入射面に貼着一体化して構成したことを特徴とする光ビーム偏向器。 - 記録媒体に画像を記録するため、画像情報に応じて変調された光ビームを、回転駆動されるキュービックプリズムの入射面を通り反射面で反射して出射面から光ビームを出射させて偏向し走査する光ビーム偏向器において、
非点隔差補正部材と、これと同形で屈折率が異なり比重が近似する光学材料で形成された円形非点補正部材とを、互いに非点隔差補正面が接するように貼着して、入射面と出射面が平行となるように一体化し、
前記非点隔差補正面を、前記入射面を通過し、前記反射面で反射し、前記出射面を通過することにより生じた非点収差を補正するのに適正な補正傾斜角度と傾斜方向とに設定し、
前記非点隔差補正部材と円形非点補正部材とを一体化したものの重心を前記キュービックプリズムの回転中心軸が通る状態で、前記非点隔差補正部材と円形非点補正部材とを前記キュービックプリズムの光ビームの入射面に貼着一体化して構成したことを特徴とする光ビーム偏向器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004358918A JP2006163322A (ja) | 2004-12-10 | 2004-12-10 | 光ビーム偏向器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006163322A true JP2006163322A (ja) | 2006-06-22 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102566290A (zh) * | 2010-12-22 | 2012-07-11 | 上海微电子装备有限公司 | 投影式斜坡曝光光刻机装置与方法 |
JP2018528490A (ja) * | 2015-08-31 | 2018-09-27 | リスオプテック リミテッド ライアビリティ カンパニー | 膜または表面改質のために走査光ビームを使用する装置および方法 |
CN109844612A (zh) * | 2016-10-17 | 2019-06-04 | 西默有限公司 | 光谱特征控制装置 |
-
2004
- 2004-12-10 JP JP2004358918A patent/JP2006163322A/ja active Pending
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