JP2006162720A - 画像形成方法、画像形成装置、カラーコレクションテーブルの生成方法及び画像形成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 白地で不透明な支持体上に色校正を作成することを前提とする画像形成装置を用いて、透明支持体上に印刷された印刷物の色校正を得る方法等を提供する。
【解決手段】 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正を作成する画像形成方法であって、目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されており、透明支持体を意味する識別色を設定し、識別色と色インキとの重なり色を演算し、色データの色を白インキに色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、重なり色を透明支持体上に色インキが刷り重ねられた色として画像形成する。
【選択図】 図6
【解決手段】 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正を作成する画像形成方法であって、目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されており、透明支持体を意味する識別色を設定し、識別色と色インキとの重なり色を演算し、色データの色を白インキに色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、重なり色を透明支持体上に色インキが刷り重ねられた色として画像形成する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、プラスチック包装袋などの透明支持体上にインキをおいて形成された印刷物の、色校正を形成するための方法及び、そのような色校正を形成するための画像形成装置等に関する。
印刷物は、印刷用紙上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のプロセスカラーと、必要により用いられる特色等の各種のインクを適宜刷り重ねることにより作成されるのが通常である。印刷用紙は多くの場合は白地で不透明であるから、印刷物の色調をあらかじめ確認するための色校正も、白地で不透明な支持体上に形成されるのが普通である。そのため、色校正に用いる色をデジタル的に多段階に調整可能な機能を有して的確な色校正を作成可能な画像形成装置においても、白地で不透明な支持体を用いることを前提として、色校正で用いる色をあらかじめ決定しておくのが通常である。
ところが、実際に作成される印刷物の中には、そのような印刷用紙を用いるのではなく、透明なプラスチック製包装袋等を支持体として、この上にインクを刷り重ねて作成されるものがある。このような透明支持体上に印刷された印刷物では、支持体をどのような背景に置くかによって色調が変化するし、また、色調を鮮やかに見せるために、特色としての白インクをわざわざ一部に用いて、さらにその上に色インクを重ねることもある。
このような印刷物の色校正では、色別の印刷版の画像の状態や、色インキ画像の下に白インキ画像が存在するかどうかを厳密に検査することが要求される。しかし、白色支持体上に画像形成することを前提とする上記のごとき画像形成装置では、支持体部分と白インキ画像とを区別できない。また、色調が白地支持体上にあることを前提として決定されているから、実際の印刷物の色調と異なるという問題もあった。
さらに、正確な色再現のためには、実際の印刷物における透明フィルム上の色調を光学的に測定する必要があるが、白地が無いために透明フィルムの下の物の色に影響されて正しい測定ができないし、また、標準として用いることができる適当な色見本も存在しない。これらのため、従来は、やむをえず白色版の画像と他の色版の画像を別々に出力して、色校正とするようなことも行われていた。しかし、これでは、版どうしの位置ずれが生じているような場合も認識するのが難しく、色校正としては不十分であった。
ここで、透明支持体に関係するものではないが、色見本の測定によらずにインキの刷り重ね部分の色調を計算により求める方法として、上色のインキの転写率と透明度を考慮した刷り重ね色調を加算により求める方法が特許文献1に開示されている。
特開2004−233984号公報
本発明は、白地で不透明な支持体上に色校正を作成することを前提とする画像形成装置を用いて、透明支持体上に印刷された印刷物の色校正を得る方法等を提供することを課題とする。
本発明の第1は、白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正を作成する画像形成方法であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されており、前記透明支持体を意味する識別色を設定し、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算し、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成することを特徴とする画像形成方法である。
ここで、前記の重なり色の演算を以下の式(A)に従って行い、得られたDnを前記の重なり色の濃度とすることは好ましい。
Di=ai×Oi+bi×Ui (i=1〜nの整数)・・・・・・(A)
(ここで、nは支持体上に刷り重ねられたインキ層の数を意味する2以上の整数であり、Diはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の色濃度、Uiはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の下色の濃度であって、U(i+1)=Diである。また、Oiは下色濃度Uiのインキ層上にi番目に重ねて刷られたインキ層の濃度である。なお、U1は印刷物の支持体の色濃度を意味する。また、aiは下色濃度Uiのインキ層上に重ねられた上色濃度Oiのインキの転写率を意味し、n個のaiのうち、少なくとも1つが0よりも大きくて1よりも小さく、その他は0以上1以下である。biは、上色濃度Oiのインキの透明度を意味し、いずれのbiも0よりも大きく1よりも小さい。)
(ここで、nは支持体上に刷り重ねられたインキ層の数を意味する2以上の整数であり、Diはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の色濃度、Uiはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の下色の濃度であって、U(i+1)=Diである。また、Oiは下色濃度Uiのインキ層上にi番目に重ねて刷られたインキ層の濃度である。なお、U1は印刷物の支持体の色濃度を意味する。また、aiは下色濃度Uiのインキ層上に重ねられた上色濃度Oiのインキの転写率を意味し、n個のaiのうち、少なくとも1つが0よりも大きくて1よりも小さく、その他は0以上1以下である。biは、上色濃度Oiのインキの透明度を意味し、いずれのbiも0よりも大きく1よりも小さい。)
また、前記の識別色の彩度C*を0〜30の範囲とすることは好ましい。また、前記の識別色のインキの転写率を0.40〜0.80の範囲と想定することは望ましい。また、識別色のインキの透明度を0.80〜1.00の範囲と想定することは好ましい。
発明の第2は、白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを格納したカラーコレクションテーブルを備えて目標印刷物の色校正を作成する画像形成装置であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定する手段と、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算する手段とを備え、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成することを特徴とする画像形成装置である。
発明の第3は、白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて目標印刷物の色校正を作成するためのカラーコレクションテーブルの生成方法であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定し、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算し、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色とすることを特徴とするカラーコレクションテーブルの生成方法である。
発明の第4は、白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正の画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定するステップと、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算するステップと、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成するステップとを備えることを特徴とするプログラムである。
白地で不透明な支持体上に色校正を作成することを前提とする画像形成装置を用いて、透明支持体上に印刷された印刷物の的確な色校正を得ることができる。この色校正では、透明部分と白の特色インクが重ねられている部分とが、色の違いで識別可能となり、白版を別途出力するなどの必要がない。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下の説明では、白地で不透明な支持体上に色校正を作成する画像形成装置として、支持体としての白地で不透明な紙の上にハロゲン化銀等の層が形成されたハロゲン化銀カラー感光材料(カラーペーパー)を用いて、これを多段階に光量調整可能なLED等を用いて二次元走査しながら露光し、次いで現像して色校正を得るものを例として用いる。
このような画像形成装置は、白(W)を除いた15色の各々に関して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR、G、Bの各LEDの露光量を多段階に変化させることにより、ほぼ連続的に濃度変化させることが可能である。これにより印刷インキや印刷用紙のグレードの違い等に伴う多様な色の違いに対応することができる。ただし、発色させる色調は、白地の支持体をベースにしてあらかじめ定められているものとする。
図1は、色校正の目標となる印刷物1の模式図と、その印刷時の版構成の概要を示した図である。図1の左半分に示されている印刷物1は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の、いわゆるプロセスカラー4色のインキと、特色としての白インキの合計5色のインキを用いて印刷された例である。印刷物1の上半分には白インキの画像3が設けられており、下半分は白インキの画像3が無くて、透明地の上にプロセスインキの画像4等が直接印刷されているものとする。なお、図1の例では特色は白インキの1種類だけであるが、他の特色をプロセスカラーと同様に用いても良いことは言うまでもない。
このような印刷物1を作成するにあたっては、図1の右半分に記載したような版を用いて、透明支持体10上にあらかじめ定めた順番で順次印刷が行われて作成される。なお、図1では、特色版としての白色版11と、プロセスカラーのうちのC版だけが示され、他の版であるM版、Y版、K版が省略されているが、これらの版に関してもC版と同様にして用いられるのは言うまでもない。
この図1に示したような透明支持体を用いた印刷物の色校正を、白地支持体をベースにして色調があらかじめ定められている画像形成装置を用い、または、そのような色データを用いて画像形成する方法に従って作成する。
まず、印刷物で発色する色について、刷り重ねる版との関係を図2を用いて説明しておく。図2は、印刷物におけるいわゆるプロセスカラーであるYMCKの4版を用いた場合に、色名の列に示されたベタ色(網点面積率100%)のそれぞれが、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、あらかじめ定められた順序で、印刷用紙上にそれぞれのインキを刷り重ねていくことを意味する。このインキの刷り重ねにより、種々の色調を表現する。例えば、YMCKの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。なお、白は、支持体である印刷用紙の白であるから、いずれの版も刷り重ねられない場合である。以下の説明に使用する版の色の表示は、図2の記載に従うものとする。これら4版に、さらに特色版を加えるのは任意である。
図3は、印刷物の印刷に用いられる画像データの例を示した図である。画像は、画素の集合体として構成されており、画像データは、画素ごとに「1」か「0」の2値データが、用いられる版の数だけ貼り付けられている。これら2値データは、印刷版がその画素において刷られる「1」か、刷られないか「0」を規定している。特色を用いる場合は、その特色版のデータ列が1列増えることになる。
図4は、図2のように印刷版の組み合わせから定まる印刷物の色の各々に対して、画像形成装置において、どのような色をハロゲン化銀カラー感光材料に発色させるかを定めるカラーコレクションテーブルの例である。ハロゲン化銀カラー感光材料は、一般にY、M、Cの各発色層の積層からなるため、それぞれの印刷色に対して、感光材料のY層、M層、C層のそれぞれに発色させる濃度が規定されている。これらの濃度は、白地支持体を用いることを前提としてあらかじめ定められており、プロセスカラーに対するそれらの値が、図4のテーブルの基準色の部分に格納されている。
このようなテーブルは、画像形成装置において、あらかじめY、M、Cの各層の発色を多段階に変えた条件で組み合わせ、それらの条件で露光・現像により作成されたカラーパッチに対して、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*座標及びステータスT条件下で測定されたY、M、C濃度を測定することで、印刷物の標準色に対応する適切なYMC濃度のデータが結びつけられて格納されたものである。なお、説明を簡単にするために、印刷条件により決まる印刷物の色は、すでにL*a*b*座標系の値を用いて指定されているものとした。さらに、印刷物で使用される色版の全部について、網点階調画像が求められているものとする。
印刷物でプロセスカラー以外に特色S1を用いる場合も、特色とプロセスカラーの各々との重ね色について、あらかじめ感光材料のY層、M層、C層のそれぞれに発色させる濃度を規定しておく。これらが図4のテーブルの特色の部分に格納されている。
このようなカラーコレクションテーブルと画像形成装置とを用いて、図1に示す印刷物の色校正を作成する。まず、目標とする印刷物と、上記のような画像形成装置で作成できる出力物との対比を図5の表に示す。印刷物のプロセスインキで印刷された部分は、可能な出力物では、白地ベースであらかじめ定められたYMCの画像データが対応する。また、印刷物の白インキ部分は、可能な出力物の白地の部分と同じである。また、印刷物の支持体は透明であるが、可能な出力物の支持体は白地で不透明の紙である。
このような印刷物の色校正を出力物として作成するために、以下のように考える。まず、支持体が透明であることを識別可能にするために、透明部分に任意の識別色を設定する。これを図6に示す。識別色は特色の一つとして処理し、透明支持体に白インキを介さずに印刷された色インキ部分の色は、識別色が刷り重ねられた色として処理する。このような識別色は仮想の色であり、任意の色調を用いることができるが、透明であることの代わりとして用いるにすぎない。従って、識別色はそれ自身が強い色である必要はなく、CIELAB色空間における彩度C*が、0〜30程度の範囲内のグレーのような中間色に設定するのが望ましい。より望ましくは彩度C*が0〜20程度の範囲内である。
なお、印刷物において特色等として類似の中間色を用いている場合は、識別色はこれとは異なる色にしたほうが良いのは言うまでもない。つまり、識別色は、印刷物で用いられる色から区別できる色であり、しかも彩度が比較的低い色を用いるのが望ましい。識別色は、あらかじめ一定の色に固定しておいても良いが、濃度や色相の異なるものを複数用意しておき、ユーザーが必要により選択できるようにしてもよい
図7は、この識別色を用いて色校正を作成するのに必要な、カラーコレクションテーブルの生成工程の概略を示したフローチャートである。まず、識別色をあらかじめ選択し、これを特色S1に設定する(S10ステップ)。白地支持体をベースとする画像形成装置では、プロセスカラー以外の色は、特色として処理するように設計されていることによる。これにより、図4に示したごとき特色を含む色データの格納場所を備えたカラーコレクションテーブルが用意される(S20ステップ)。
ただし、このようなカラーコレクションテーブルの上半分の基準色に関するY1〜16、M1〜16、C1〜16の色データはあらかじめ格納されているが、識別色を特色とした下半分のY1〜16、M1〜16、C1〜16の色データは、まだ格納されていない。これは、白地ベースのプロセスカラーの色はあらかじめ定められているが、識別色に関する重なり色は、まだ求められていないからである。
そこで、次に、識別色に関する重なり色の色データを求める(S30ステップ)。色データを求めるには、それぞれの色サンプルを実際にインキを用いて作成し、光学的に測色するようにしても良いが、識別色自体が仮想的に定められた色であるから、以下の式(A)を用いた逐次演算により、重なり濃度:Dnを求めるのが望ましい。
Di=ai×Oi+bi×Ui (i=1〜nの整数)・・・・・・(A)
(ここで、nは支持体上に刷り重ねられたインキ層の数を意味する2以上の整数であり、Diはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の色濃度、Uiはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の下色の濃度であって、U(i+1)=Diである。また、Oiは下色濃度Uiのインキ層上にi番目に重ねて刷られたインキ層の濃度である。なお、U1は印刷物の支持体の色濃度を意味する。また、aiは下色濃度Uiのインキ層上に重ねられた上色濃度Oiのインキの転写率を意味し、n個のaiのうち、少なくとも1つが0よりも大きくて1よりも小さく、その他は0以上1以下である。biは、上色濃度Oiのインキの透明度を意味し、いずれのbiも0よりも大きく1よりも小さい。)
(ここで、nは支持体上に刷り重ねられたインキ層の数を意味する2以上の整数であり、Diはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の色濃度、Uiはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の下色の濃度であって、U(i+1)=Diである。また、Oiは下色濃度Uiのインキ層上にi番目に重ねて刷られたインキ層の濃度である。なお、U1は印刷物の支持体の色濃度を意味する。また、aiは下色濃度Uiのインキ層上に重ねられた上色濃度Oiのインキの転写率を意味し、n個のaiのうち、少なくとも1つが0よりも大きくて1よりも小さく、その他は0以上1以下である。biは、上色濃度Oiのインキの透明度を意味し、いずれのbiも0よりも大きく1よりも小さい。)
ここで、識別色のインキの転写率は0.40〜0.80の範囲とするのが望ましい。また、同様に透明度は0.80〜1.00の範囲内とするのが望ましい。このような転写率や透明度は、識別色そのものと同様に仮想的なものであるが、この程度の範囲内に設定しておくことで、検版しやすい色校正を得ることができる。
このように式(A)を用いて重なり濃度を求めているのは、加算による重なり色の色データの演算は比較的容易であるが、減算による色データの演算は演算負荷がかなり増大するため実際上困難であるという事情による。そこで、加算による色データの演算のために、識別色を仮想的に設定して加算により識別色の重なり色を演算している。このようにして求められた重なり色の色データは、図4類似のカラーコレクションテーブルにおけるY17〜32、M17〜32、C17〜32の欄にそれぞれ格納される。
次に、このカラーコレクションテーブルの基準色の色データと特色の色データを、行と列の順序をそのままにしてそっくり交換する。この操作の概要を図8に示す。図8の(1)の部分と(2)の部分の色データをそっくり交換する。その際、(1)、(2)の部分のそれぞれの内部では、行と列の関係は維持する(S40ステップ)。このように処理して得られたカラーコレクションテーブルを図9に示す。図4のカラーコレクションテーブルと比較して、色データがそっくり交換されていることがわかる。
このように処理するのは次の理由による。画像形成装置では、カラーコレクションテーブルの各行には、それぞれが対応すべき印刷版があらかじめ定められている。そのため、図4のカラーコレクションテーブルの上半分には特色を用いないプロセスカラーの版の色データが格納されていると判断されることになり、同様に、下半分には特色を用いた場合の拡張部分の色データが格納されていると判断されることになる。そして、透明支持体をベースとする印刷物では白インキが特色として用いられるのであるから、特色を用いる場合の色データはカラーコレクションテーブルの拡張部分である下半分に位置すべきということになる。
つまり、このように色データをそっくり交換することにより、画像形成装置は、カラーコレクションテーブルの透明地ベースの色データを基準色の色データであると判断して動作し、また、白インキベースの色データを特色の色データと判断して動作することになる。このようにすることで、透明支持体を用いた印刷物の色校正を作成するための色データが特定され、画像形成装置の動作に必要なカラーコレクションテーブルが用意できたことになる。
次に、このカラーコレクションテーブルを元の画像形成装置に格納することで、透明支持体と白インキとを用いた任意の印刷物の色校正を出力することが可能になる。具体的には、図10に示した白インキ(W版)を特色版として含む画像データの画素ごとに、版の刷り重ねのデータから図9のカラーコレクションテーブルの色種を特定し、ハロゲン化銀感光材料のY層、M層、C層の発色濃度を特定する。
画素ごとに特定された発色濃度のデータは、図11に示す画像濃度テーブルに格納される。この画像濃度テーブルのデータは、画像形成装置の出力部に出力され、図12に示した露光量コードテーブルを介して、画素ごとに出力部のLEDの駆動電流データに変換され、ハロゲン化銀カラー感光材料が二次元走査されながら露光され、続いて所定の現像処理がなされる。これにより、透明支持体上に印刷された印刷物に近似した、図6に示したような色校正が得られる。
この色校正は、識別色の存在により、透明部分を白インキが乗っている部分から区別して直感的に認識することができ、白画像部分が色画像部分の下に存在するか否か、存在したとしても位置ずれが生じていないかどうかなどを簡単に判断することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に説明した発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、画像形成装置はハロゲン化銀感光材料を用いる物には限定されず、白地支持体をベースにして種々の色を表現できるものであれば特に限定されない。例えば、白地支持体上に、色の異なる画素を組み合わせにより様々な色を表現するものであっても良い。網点形状を明確に再現して検版性を高めるにはハロゲン化銀感光材料を用いたものを用いるのが好ましい。
また、上記の説明では、白色支持体をベースにした色データをあらかじめカラーコレクションテーブルに格納している画像形成装置を用いることにしているが、白色は厳密な白色である必要はなく、白色の印刷用紙として通常用いられる範囲の幅の白色であればよい。また、色データは、白ではなく青や赤に着色された印刷用紙をベースにしたデータとすることもできるが、汎用性から見て白をベースにするのがよい。
また、上記の説明では、画像形成装置において画像データの処理を行う機能は、専用ハードウェアを用いるものでも良いし、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されるものでも良い。また、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納してあってもよい。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等を言う。
Claims (7)
- 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正を作成する画像形成方法であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されており、前記透明支持体を意味する識別色を設定し、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算し、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成することを特徴とする画像形成方法。
- 前記の重なり色の演算を以下の式(A)に従って行い、得られたDnを前記の重なり色の濃度とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
Di=ai×Oi+bi×Ui (i=1〜nの整数)・・・・・・(A)
(ここで、nは支持体上に刷り重ねられたインキ層の数を意味する2以上の整数であり、Diはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の色濃度、Uiはi番目のインキ層が刷り重ねられた部分の下色の濃度であって、U(i+1)=Diである。また、Oiは下色濃度Uiのインキ層上にi番目に重ねて刷られたインキ層の濃度である。なお、U1は印刷物の支持体の色濃度を意味する。また、aiは下色濃度Uiのインキ層上に重ねられた上色濃度Oiのインキの転写率を意味し、n個のaiのうち、少なくとも1つが0よりも大きくて1よりも小さく、その他は0以上1以下である。biは、上色濃度Oiのインキの透明度を意味し、いずれのbiも0よりも大きく1よりも小さい。) - 前記の識別色の彩度C*が、0〜30の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記の識別色のインキの、転写率を0.40〜0.80の範囲とし、透明度を0.80〜1.00の範囲とすることを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成方法。
- 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを格納したカラーコレクションテーブルを備えて目標印刷物の色校正を作成する画像形成装置であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定する手段と、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算する手段とを備え、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成することを特徴とする画像形成装置。
- 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて目標印刷物の色校正を作成するためのカラーコレクションテーブルの生成方法であって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定し、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算し、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色とすることを特徴とするカラーコレクションテーブルの生成方法。
- 白色支持体をベースにしてあらかじめ決定された色データを用いて、目標印刷物の色校正の画像をコンピュータに形成させるためのプログラムであって、前記目標印刷物は透明支持体上に白インキと少なくとも1色の色インキとを用いて印刷されたものであり、前記透明支持体を意味する識別色を設定するステップと、前記識別色と前記色インキとの重なり色を演算するステップと、前記色データの色を前記白インキに前記色インキが刷り重ねられた色とし、かつ、前記重なり色を前記透明支持体上に前記色インキが刷り重ねられた色として画像形成するステップとを備えることを特徴とするプログラム。
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WO2010050946A1 (en) * | 2008-10-30 | 2010-05-06 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Imaging device calibration system and method |
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