JP2006161657A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関において、各気筒における排気ガス再循環量を均一化することで気筒間の燃焼のばらつきを抑制する。
【解決手段】V型8気筒の不等間隔点火エンジンにて、V型8気筒エンジンにて、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制するため、第1集合管54A,55Aに一方向弁81,82を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の気筒が左右のバンクに分けて配列されて各バンクの気筒が不等間隔で点火・爆発する不等間隔点火式のV型多気筒内燃機関に関するものである。
一般的なV型多気筒エンジンにおいて、シリンダブロックは上部に所定角度で傾斜した2つのバンクを有しており、各バンクに設けられた各シリンダにピストンが移動自在に嵌合し、各ピストンは下部に回転自在に支持されたクランクシャフトに連結されている。また、シリンダブロックの各バンクの上部にはシリンダヘッドが締結されることで各燃焼室が構成されており、各燃焼室には吸気ポート及び排気ポートが形成され、吸気弁及び排気弁により開閉可能となっている。そして、吸気管の下流部が2つに分岐して各バンクの吸気ポートに連結される一方、排気管の上流部が2つに分岐して各バンクの排気ポートに連結され、この排気管の下流部に触媒装置が装着されている。
例えば、V型8気筒エンジンにて、左バンクには第1気筒、第3気筒、第5気筒、第7気筒が設けられ、右バンクには第2気筒、第4気筒、第6気筒、第8気筒が設けられ、各バングに排気マニホールドを介して排気管が連結されている。そして、動弁系の動バランスを最適化するために各気筒の点火順序は、第1気筒、第8気筒、第7気筒、第3気筒、第6気筒、第5気筒、第4気筒、第2気筒となっている。また、V型8気筒エンジンでは、ピストンによるポンピングロスの低減や発生するNOxの低減などの目的で、排気弁の閉止時期を遅角すると共に吸気弁の開弁時期を進角することで、排気弁の開放期間後期と吸気弁の開放期間前期とをオーバーラップさせるようにしている。
特開平3−070810号公報 特表2003−515025号公報
ところが、上述したV型8気筒エンジンにあっては、点火順序が気筒番号順でないため、左バンクでは第1気筒、第7気筒、第3気筒、第5気筒の順に不等間隔で点火され、右バンクでは第8気筒、第6気筒、第4気筒、第2気筒の順に点火されることとなり、各バンクにおける点火(爆発)間隔が不等となっている。そのため、左バンクでは、第1気筒のオーバーラップ期間と第7気筒の排気行程が重なると共に、第3気筒のオーバーラップ期間と第5気筒の排気行程が重なってしまう。また、右バンクでは、第2気筒のオーバーラップ期間と第8気筒の排気行程が重なると共に、第6気筒のオーバーラップ期間と第4気筒の排気行程が重なってしまう。
そして、一方の気筒のオーバーラップ期間と他方の気筒の排気行程が重なると、一方の気筒の吸気弁及び排気弁の開放状態で、他方の気筒の排気弁が開放することとなり、この他方の気筒の排気ポートから排出された排気ガスが排気マニホールドを通って一方の気筒に排気脈動として悪影響を与える。即ち、一方の気筒に他方の気筒の排気脈動が作用することで、この一方の気筒では、排気マニホールドから排気ポートを通ってシリンダ(燃焼室)内に戻る排気ガス循環量、つまり、内部EGR量が増加してしまう。すると、各気筒間で内部EGR量が相違することで吸入空気量も相違し、燃焼がばらついて不安定となり、出力トルクが変動してしまうと共に、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上などの効果を得ることができない。
なお、不等間隔点火を行うエンジンにて、特定気筒における排気干渉による充填効率やノック特性のばらつきを抑制するものとして、例えば、上記特許文献1、2に記載された技術がある。ところが、特許文献1の内燃機関の排気装置は、点火順序で先行する気筒との点火間隔が小さい気筒の排気マニホールドの集合部をエゼクタ形状としたものであり、排気マニホールドの排気脈動による特定気筒における内部EGR量の増加で発生する燃焼変動を抑制することはできない。また、特許文献2の多気筒型内燃機関は、オーバーラップ期間を減少することで排気衝撃を減少したものであり、排気脈動による特定気筒の内部EGR量の増加を十分に抑制することはできず、且つ、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上を図ることができない。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、各気筒における排気ガス再循環量を均一化することで気筒間の燃焼のばらつきを抑制した内燃機関を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関は、複数の気筒が左右のバンクに分けて配列されて該各バンクの気筒が不等間隔で点火されると共に、各気筒における排気弁の開放期間と吸気弁の開放期間とがオーバーラップする期間を有する内燃機関において、前記各バンクにて、第1の気筒の前記オーバーラップ期間に第2の気筒の排気行程が重なるとき、前記第2の気筒の排気系から前記第1の気筒の排気系への排気脈動の伝達を抑制する排気ガス制御手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明の内燃機関では、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられた一方向弁であることを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられた電磁弁であり、前記第1の気筒の吸気上死点位置近傍で前記排気通路を閉止することを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒の吸気弁の開放時から排気弁の閉止時までの第1の期間と、前記第2の気筒の排気弁の開放時から前記第1の気筒の排気弁の閉止時までの第2の期間のうちの少なくとも短い期間の方だけ前記電磁弁により前記排気通路を閉止することを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられ、クランクシャフトの回転に同期して前記排気通路を開閉可能な開閉弁であり、該開閉弁は前記第1の気筒の吸気上死点位置近傍で前記排気通路を閉止することを特徴としている。
本発明の内燃機関では、前記一方向弁または前記電磁弁または前記開閉弁は、前記第1の気筒の排気ガス出口部に設けられたことを特徴としている。
本発明の内燃機関によれば、複数の気筒が左右のバンクに分けて配列され、各バンクの気筒が不等間隔で点火されると共に、各気筒における排気弁の開放期間と吸気弁の開放期間とがオーバーラップする期間を有する内燃機関にて、第1の気筒のオーバーラップ期間に第2の気筒の排気行程が重なるとき、第2の気筒の排気系から第1の気筒の排気系への排気脈動の伝達を抑制する排気ガス制御手段を設けたので、第1の気筒のオーバーラップ期間に第2の気筒の排気行程が重なるとき、排気ガス制御手段により第2の気筒から第1の気筒への排気脈動の伝達が抑制され、第2の気筒の排気脈動による第1の気筒における内部排気ガス再循環量の増加現象が抑制されることとなり、各気筒における排気ガス再循環量が均一化され、気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができる。
以下に、本発明にかかる内燃機関の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図、図2は、実施例1のV型8気筒エンジンの概略構成図、図3及び図4は、実施例1のV型8気筒エンジンの排気系に設けられた一方向弁の概略図、図5は、実施例1のV型8気筒エンジンにおける吸気弁及び排気弁の開放時期を表すタイムチャートである。
実施例1では、内燃機関としてV型8気筒エンジンを適用している。このV型8気筒エンジンにおいて、図1及び図2に示すように、シリンダブロック11は上部に所定角度で傾斜した左右のバンク12,13を有しており、各バンク12,13にそれぞれ4つのシリンダボア14,15が形成され、各シリンダボア14,15にピストン16,17がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部に図示しないクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン16,17はコネクティングロッド18,19を介してこのクランクシャフトにそれぞれ連結されている。
一方、シリンダブロック11の各バンク12,13の上部にはシリンダヘッド20,21が締結されており、シリンダブロック11とピストン16,17とシリンダヘッド20,21により各燃焼室22,23が構成されている。そして、この燃焼室22,23の上部、つまり、シリンダヘッド20,21の下面に吸気ポート24,25及び排気ポート26,27が対向して形成され、この吸気ポート24,25及び排気ポート26,27に対して吸気弁28,29及び排気弁30,31の下端部が位置している。この吸気弁28,29及び排気弁30,31は、シリンダヘッド20,21に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート24,25及び排気ポート26,27を閉止する方向に付勢支持されている。また、シリンダヘッド20,21には、吸気カムシャフト32,33及び排気カムシャフト34,35が回転自在に支持されており、吸気カム36,37及び排気カム38,39が図示しないローラロッカアームを介して吸気弁28,29及び排気弁30,31の上端部に接触している。
従って、エンジンに同期して吸気カムシャフト32,33及び排気カムシャフト34,35が回転すると、吸気カム36,37及び排気カム38,39がローラロッカアームを作動させ、吸気弁28,29及び排気弁30,31が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート24,25及び排気ポート26,27を開閉し、吸気ポート24,25と燃焼室22,23、燃焼室22,23と排気ポート26,27とをそれぞれ連通することができる。
また、このエンジンの動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁28,29及び排気弁30,31を最適な開閉タイミングに制御する吸気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)40,41と排気可変動弁機構42,43により構成されている。この吸気可変動弁機構40,41及び排気可変動弁機構42,43は、例えば、吸気カムシャフト32,33及び排気カムシャフト34,35の軸端部にVVTコントローラが設けられて構成され、油圧ポンプ(または電動モータ)によりカムスプロケットに対する各カムシャフト32,33,34,35の位相を変更することで、吸気弁28,29及び排気弁30,31の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、各可変動弁機構40,41,42,43は、吸気弁28,29及び排気弁30,31の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト32,33及び排気カムシャフト34,35には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ44,45,46,47が設けられている。
各シリンダヘッド20,21の吸気ポート24,25には吸気マニホールド48,49を介してサージタンク50が連結され、このサージタンク50には吸気管51が連結されており、この吸気管51の空気取入口にはエアクリーナ52が取付けられている。また、吸気管51には、エアクリーナ52の下流側に位置してスロットル弁を有する電子スロットル装置53が設けられている。一方、排気ポート26,27には、排気マニホールド54,55及び触媒装置56,57を介して連結管58が連結され、この連結管58には排気管59が連結され、この排気管59には触媒装置60が装着されている。
また、各シリンダヘッド20,21には、各燃焼室22,23に直接燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ61,62が装着されており、各インジェクタ61,62にはデリバリパイプ63,64が連結され、この各デリバリパイプ63,64には高圧燃料ポンプ65から所定圧の燃料を供給可能となっている。また、シリンダヘッド20,21には、燃焼室22,23の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ66,67が装着されている。
ところで、車両には電子制御ユニット(ECU)68が搭載されており、このECU68は、インジェクタ61,62の燃料噴射タイミングや点火プラグ66,67の点火時期などを制御可能となっており、検出した吸入空気量、吸気温度、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定している。即ち、吸気管51の上流側にはエアフローセンサ69及び吸気温センサ70が装着され、計測した吸入空気量及び吸気温度をECU68に出力している。また、電子スロットル装置53にはスロットルポジションセンサ71が設けられ、アクセルペダルにはアクセルポジションセンサ72が設けられており、現在のスロットル開度及びアクセル開度をECU68に出力している。更に、クランクシャフトにはクランク角センサ73が設けられ、検出したクランク角度をECU68に出力し、ECU68はクランク角度に基づいてエンジン回転数を算出する。また、シリンダブロック11には水温センサ74が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU68に出力している。
また、ECU68は、エンジン運転状態に基づいて吸気可変動弁機構40,41及び排気可変動弁機構42,43を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁30,31の開放時期と吸気弁28,29の開放時期とのオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート24,25または燃焼室22,23に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁28,29の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート24,25に吹き返す量を少なくして体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁28,29の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとして体積効率を向上させる。
ところで、本実施例のV型8気筒エンジンにおいて、図1に示すように、左バンク12には第1気筒#1、第3気筒#3、第5気筒#5、第7気筒#7が直列に設けられ、右バンク13には第2気筒#2、第4気筒#4、第6気筒#6、第8気筒#8が直列に設けられ、各バング12,13に排気マニホールド54,55を介して連結管58及び排気管59が連結されている。そして、動弁系の動バランスを最適化するために、各気筒の点火順序は、第1気筒#1、第8気筒#8、第7気筒#7、第3気筒#3、第6気筒#6、第5気筒#5、第4気筒#4、第2気筒#2となっている。
そのため、このV型8気筒エンジンでは、点火順序が気筒番号順でないため、左バンクでは第1気筒#1−(180°CA)−第7気筒#7−(90°CA)−第3気筒−(180°CA)−第5気筒#5−(270°CA)−第1気筒#1の順に不等間隔で点火され、また、右バンクでは第8気筒#8−(270°CA)−第6気筒#6−(180°CA)−第4気筒#4−(90°CA)−第2気筒#2−(180°CA)−第8気筒#8の順に点火されることとなり、各バンクにおける点火(爆発)間隔が不等間隔となっている。そのため、左バンク12では、特定の気筒のオーバーラップ期間と他の気筒の排気行程が重なってしまい、排気行程にある気筒から排出された排気ガスが排気マニホールドを通ってオーバーラップ期間にある気筒に排気脈動として作用し、この気筒の内部EGR量だけが増加してしまう。
即ち、図5に示すように、左バンク12では、第1気筒#1にて、クランク角度360°CAの近傍で吸気可変動弁機構40により吸気弁28による吸気タイミングが進角されると共に、排気可変動弁機構42により排気弁30による排気タイミングが遅角されることで、ここにオーバーラップ期間OLが設けられる。一方、第7気筒#7にて、クランク角度360°CAの近傍で排気弁30が開き始めることで排気行程が開始される。そのため、このクランク角度360°CAの近傍で、第1気筒#1のオーバーラップ期間と第7気筒#7の排気行程初期が重なってしまう。
すると、第1気筒#1の吸気弁28及び排気弁30の開放状態で、第7気筒#7の排気弁30が開放することとなり、第7気筒#7の排気ポート26から排出された排気ガスが排気マニホールド54を通って第1気筒#1に排気脈動として作用する。即ち、第7気筒#7から第1気筒#1に排気脈動が作用すると、この第1気筒#1では、この排気脈動により排気マニホールド54から排気ポート26を通って燃焼室22内に戻る内部EGR量が増加し、吸気ポート24から吸入される空気量が減少してしまう。
この現象は、第1気筒#1に限らず、第5気筒#5の排気行程にオーバーラップ期間OLが重なる第3気筒#3、また、右バンク13にて、第8気筒#8の排気行程にオーバーラップ期間OLが重なる第2気筒#2、第4気筒#4の排気行程にオーバーラップ期間OLが重なる第6気筒#6で発生するものである。そして、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3、第6気筒#6で内部EGR量が増加すると、この現象が発生しない第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の内部EGR量及び空気量と相違することとなり、燃焼がばらついて不安定となり、出力トルクが変動してしまう。
そこで、実施例1では、図1に示すように、各バンク12,13にて、第1の気筒としての第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第2の気筒としての第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制(排気ガス制御手段)可能としている。そして、この実施例1では、排気ガス制御手段として、左バンク12に連結された排気マニホールド54にて、第1気筒#1、第3気筒#3と第5気筒#5、第7気筒#7とを連結する排気通路に一方向弁81が設けられると共に、右バンク13に連結された排気マニホールド55にて、第2気筒#2、第6気筒#6と第4気筒#4、第8気筒#8とを連結する排気通路に一方向弁82が設けられている。
具体的に説明すると、左バンク12の排気マニホールド54にて、第1気筒#1の排気ポート26aに連結された分岐管54aと、第3気筒#3の排気ポート26bに連結された分岐管54bとが集合して第1集合管54Aに連結される一方、第5気筒#5の排気ポート26cに連結された分岐管54cと、第7気筒#7の排気ポート26dに連結された分岐管54dとが集合して第2集合管54Bに連結され、各集合管54A,54Bが集合して第3集合管54Cに連結され、この第3集合管54Cは連結管58に連結されている。そして、第1気筒#1、第3気筒#3と第5気筒#5、第7気筒#7とを連結する各集合管54A,54Bのうちの一方の第1集合管54Aに一方向弁81が設けられている。
また、右バンク13にて、第2気筒#2の排気ポート27aに連結された分岐管55aと、第6気筒#6の排気ポート27cに連結された分岐管55cとが集合して第1集合管55Aに連結される一方、第4気筒#4の排気ポート27bに連結された分岐管55bと、第8気筒#8の排気ポート27dに連結された分岐管55dとが集合して第2集合管55Bに連結され、各集合管55A,55Bが集合して第3集合管55Cに連結され、この第3集合管55Cは連結管58に連結されている。そして、第2気筒#2、第6気筒#6と第4気筒#4、第8気筒#8とを連結する各集合管55A,55Bのうちの一方の第1集合管55Aに一方向弁82が設けられている。
この一方向弁81,82は、気筒#1,#2,#3,#6からの排気ガスが第1集合管54A,55Aを通って第3集合管54C,55Cへ流動するのを可能とし、気筒#4,#5,#7,#8からの排気ガスが第2集合管54B,55Bを通って第1集合管54A,55Aの上流側へ流動するのを阻止するものである。
具体的に2つの例を挙げて説明する。図3に示すように、第1集合管54A,55Aは、2つの配管83,84により構成され、そのフランジ83a,84aが連結リング85を介して複数のボルト86により締結されている。この連結リング85は、配管83,84の内径よりも若干小さい貫通孔85aが穿孔されることで、配管83,84内に突出するフランジ部85bが形成されている。一方向弁としてのリード弁81a,82aは、配管83,84の内径よりも若干小さく、且つ、貫通孔85aよりも若干大きい円盤形状をなし、基端部が連結リング85のフランジ部85bに取付けられている。従って、排気ガス(図3に示す白抜きの矢印)が気筒#1,#2,#3,#6から第1集合管54A,55Aに至ると、その排圧によりリード弁81a,82aが、図3に二点鎖線で示すように変形して貫通孔85aを開け、排気ガスは第3集合管54C,55Cに流れることができる。一方、排気脈動(図3に示す黒塗りの矢印)が気筒#4,#5,#7,#8から第2集合管54B,55Bに至ると、その排圧によりリード弁81a,82aが、図3に実線で示すように復帰して貫通孔85aを閉じ、排気脈動が気筒#1,#2,#3,#6に伝達するのを阻止する。
また、図4に示すように、一方向弁としてのバタフライ81b,82bは、基端部が支持軸87により回動自在に連結された半円形状をなす2つの弁体88,89からなり、全体として配管83,84の内径よりも若干小さく、且つ、貫通孔85aよりも若干大きい円盤形状をなし、支持軸の軸端部が連結リング85のフランジ部85bに取付けられている。なお、各弁体88,89は図示しないスプリングにより貫通孔85aを閉止する方向に付勢されている。従って、排気ガス(図4に示す白抜きの矢印)が気筒#1,#2,#3,#6から第1集合管54A,55Aに至ると、その排圧によりバタフライ弁81b,82bが、図4に二点鎖線で示すように回動して貫通孔85aを開け、排気ガスは第3集合管54C,55Cに流れることができる。一方、排気脈動(図4に示す黒塗りの矢印)が気筒#4,#5,#7,#8から第2集合管54B,55Bに至ると、そのスプリングの付勢力によりバタフライ弁81b,82bが、図4に実線で示すように復帰して貫通孔85aを閉じ、排気脈動が気筒#1,#2,#3,#6に伝達するのを阻止する。
従って、左バンク12にて、第1気筒#1及び第3気筒#3におけるオーバーラップ期間に、第7気筒#7及び第5気筒#5の排気行程が重なり、この第7気筒#7及び第5気筒#5で発生した排気脈動が分岐管26c,26d及び第2集合管54Bから第1集合管54Aに伝達されるが、この第1集合管54Aに一方向弁81が設けられているため、この第1集合管54Aを通して第1気筒#1及び第3気筒#3の分岐管26a,26bに伝達されることはない。その結果、第1気筒#1及び第3気筒#3にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、左バンク12の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
同様に、右バンク13にて、第2気筒#2及び第6気筒#6におけるオーバーラップ期間に、第8気筒#8及び第4気筒#4の排気行程が重なり、この第8気筒#8及び第4気筒#4で発生した排気脈動が分岐管27b,27d及び第2集合管55Bから第1集合管55Aに伝達されるが、この第1集合管55Aに一方向弁82が設けられているため、この第1集合管55Aを通して第2気筒#2及び第6気筒#6の分岐管27a,27cに伝達されることはない。その結果、第2気筒#2及び第6気筒#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、右バンク13の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
このように実施例1の内燃機関にあっては、V型8気筒エンジンにて、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制するため、第1集合管54A,54Bに一方向弁81,82を設けている。
従って、気筒#1,#2,#3,#6におけるオーバーラップ期間に、気筒#4,#5,#7,#8の排気行程が重なり、この気筒#4,#5,#7,#8で発生した排気脈動が、第2集合管54B,55Bから第1集合管54A,55Aに伝達されるが、この第1集合管54A,55Aに一方向弁81,82が設けられているため、この第1集合管54A,55Aを通して第1気筒#1及び第3気筒#3に伝達されることはない。そのため、各気筒#1,#2,#3,#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、全てのバンク12,13の各気筒#1〜#8における内部EGR量がほぼ均一状態となる。その結果、気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができると共に、出力トルクの変動を抑制することができ、また、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上を適正に図ることができる。
なお、この実施例1にて、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系と第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系との間の第1集合管54A,55Aに一方向弁81,82を設けたが、この位置に限定されるものではない。例えば、気筒#1,#2,#3,#6の分岐管54a,54b,55a,55cに一方向弁を設けても良い。また、一方向弁81,82は、リード弁81a,82aやバタフライ81b,82bに限るものではない。
図6は、本発明の実施例2に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図、図7−1及び図7−2は、実施例2のV型8気筒エンジンにおける電磁弁の開閉制御のタイムチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のV型8気筒エンジンにおいて、図6に示すように、各バンク12,13にて、第1の気筒としての第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第2の気筒としての第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制(排気ガス制御手段)可能としている。そして、この実施例2では、排気ガス制御手段として、左バンク12に連結された排気マニホールド54にて、第1気筒#1、第3気筒#3と第5気筒#5、第7気筒#7とを連結する排気通路に電磁弁91が設けられると共に、右バンク13に連結された排気マニホールド55にて、第2気筒#2、第6気筒#6と第4気筒#4、第8気筒#8とを連結する排気通路に電磁弁92が設けられており、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で排気通路を閉止するようにしている。
具体的に説明すると、左バンク12にて、第1気筒#1、第3気筒#3と第5気筒#5、第7気筒#7とを連結する各集合管54A,54Bのうちの一方の第1集合管54Aに電磁弁91が設けられている。また、右バンク13にて、第2気筒#2、第6気筒#6と第4気筒#4、第8気筒#8とを連結する各集合管55A,55Bのうちの一方の第1集合管55Aに電磁弁92が設けられている。そして、この電磁弁91,92は常時開放弁であり、ECU68からの信号により通電して閉止することができる。そして、この電磁弁91,92の開放時には、気筒#1,#2,#3,#6からの排気ガスが第1集合管54A,55Aを通って第3集合管54C,55Cへ流動するのを可能とする。一方、気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点(TDC)位置近傍で電磁弁91,92に通電することで、第1集合管54A,55Aを閉止し、気筒#4,#5,#7,#8からの排気ガスが第2集合管54B,55Bを通って第1集合管54A,55Aの上流側へ流動するのを阻止する。
ここで、ECU68による電磁弁91,92の開閉制御について説明する。図7−1に示すように、例えば、左バンク12の第1気筒#1にて、吸気タイミングが進角されると共に排気タイミングが進角されることで、クランク角度360°CAの近傍に排気行程と吸気行程との一部が重なるオーバーラップ期間OLが発生する。一方、第7気筒#7にて、第1気筒#1の吸気行程より遅いタイミングで排気行程が開始される。この場合、このクランク角度360°CAの近傍で、第1気筒#1のオーバーラップ期間OLと第7気筒#7の排気行程は、制御期間T1で重なる。従って、ECU68は、少なくともこの制御期間T1だけ電磁弁91に通電して第1集合管54Aを閉止することで、第7気筒#7の排気脈動が第1気筒#1の内部EGR量に悪影響を与えることを防止することができる。
また、図7−2に示すように、同様に、左バンク12の第1気筒#1にて、吸気タイミングが進角されると共に排気タイミングが進角されることで、クランク角度360°CAの近傍に排気行程と吸気行程との一部が重なるオーバーラップ期間OLが発生する。一方、第7気筒#7にて、第1気筒#1の吸気行程より早いタイミングで排気行程が開始される。この場合、このクランク角度360°CAの近傍で、第1気筒#1のオーバーラップ期間OLと第7気筒#7の排気行程は、オーバーラップ期間OLと同じ制御期間T2で重なる。従って、ECU68は、少なくともこの制御期間T2(オーバーラップ期間OL)だけ電磁弁91に通電して第1集合管54Aを閉止することで、第7気筒#7の排気脈動が第1気筒#1の内部EGR量に悪影響を与えることを防止することができる。
なお、上述した説明では、第1気筒#1のオーバーラップ期間OLと第7気筒#7の排気行程が重なる制御期間T2,T2だけ電磁弁91を閉止するようにしたが、制御誤差等を考慮して吸気上死点位置近傍で第1集合管54Aを閉止するようにすることが望ましい。また、ここでは、第1気筒#1と第7気筒#7との関係において、電磁弁91の開閉制御について説明したが、排気脈動が作用する他の気筒についても同様に行うものである。そして、吸気上死点位置近傍で電磁弁91,92により第1集合管54A,55Aを閉止すると、気筒#1,#2,#3,#6から第1集合管54A,55Aへの排気ガスの流れも阻止することとなるが、吸気上死点位置近傍では、気筒#1,#2,#3,#6からの排気ガスの排出はほとんどなく、排気抵抗となることはない。
従って、左バンク12にて、第1気筒#1及び第3気筒#3におけるオーバーラップ期間に、第7気筒#7及び第5気筒#5の排気行程が重なり、この第7気筒#7及び第5気筒#5で発生した排気脈動が分岐管54c,54d及び第2集合管54Bから第1集合管54Aに伝達されるが、この第1集合管54Aに設けられた電磁弁91を第1気筒#1及び第3気筒#3の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この排気脈動が第1集合管54Aを通して第1気筒#1及び第3気筒#3の分岐管54a,54bに伝達されることはない。その結果、第1気筒#1及び第3気筒#3にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、左バンク12の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
同様に、右バンク13にて、第2気筒#2及び第6気筒#6におけるオーバーラップ期間に、第8気筒#8及び第4気筒#4の排気行程が重なり、この第8気筒#8及び第4気筒#4で発生した排気脈動が分岐管55b,55d及び第2集合管55Bから第1集合管55Aに伝達されるが、この第1集合管55Aに設けられた電磁弁92を第2気筒#2及び第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この第1集合管55Aを通して第2気筒#2及び第6気筒#6の分岐管55a,55cに伝達されることはない。その結果、第2気筒#2及び第6気筒#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、右バンク13の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
このように実施例2の内燃機関にあっては、V型8気筒エンジンにて、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制するため、第1集合管54A,54Bに第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止する電磁弁91,92を設けている。
従って、気筒#1,#2,#3,#6におけるオーバーラップ期間に、気筒#4,#5,#7,#8の排気行程が重なり、この気筒#4,#5,#7,#8で発生した排気脈動が第2集合管54B,55Bから第1集合管54A,55Aに伝達されるが、この第1集合管54A,55Aに電磁弁91,92を設けて気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、排気脈動がこの第1集合管54A,55Aを通して気筒#1,#2,#3,#6に伝達されることはない。そのため、各気筒#1,#2,#3,#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、全てのバンク12,13の各気筒#1〜#8における内部EGR量がほぼ均一状態となる。その結果、気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができると共に、出力トルクの変動を抑制することができ、また、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上を適正に図ることができる。
なお、この実施例2にて、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系と第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系との間の第1集合管54A,55Aに電磁弁91,92を設けたが、この位置に限定されるものではない。例えば、気筒#1,#2,#3,#6の分岐管54a,54b,55a,55cに電磁弁を設けても良い。
図8は、本発明の実施例3に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3のV型8気筒エンジンにおいて、図8に示すように、各バンク12,13にて、第1の気筒としての第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第2の気筒としての第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制(排気ガス制御手段)可能としている。そして、この実施例3では、排気ガス制御手段として、左バンク12に連結された排気マニホールド54にて、第1気筒#1及び第3気筒#3の各排気通路に電磁弁93,94が設けられると共に、右バンク13に連結された排気マニホールド55にて、第2気筒#2及び第6気筒#6の排気通路に電磁弁95,96が設けられており、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で排気通路を閉止するようにしている。
具体的に説明すると、左バンク12の排気マニホールド54にて、第1気筒#1の排気ポート26aに連結された分岐管54aと、第3気筒#3の排気ポート26bに連結されたと、第5気筒#5の排気ポート26cに連結された分岐管54cと、第7気筒#7の排気ポート26dに連結された分岐管54dとが集合して連結管58に連結されている。そして、第1気筒#1の分岐管54aと第3気筒#3の分岐管54bに電磁弁93,94が設けられている。また、右バンク13の排気マニホールド55にて、第2気筒#2の排気ポート27aに連結された分岐管55aと、第4気筒#4の排気ポート27bに連結された分岐管55bと、第6気筒#6の排気ポート27cに連結された分岐管55cと、第8気筒#8の排気ポート27dに連結された分岐管55dとが集合して連結管58に連結されている。そして、第2気筒#2の分岐管55aと第6気筒#6の分岐管55cに電磁弁95,96が設けられている。この電磁弁93〜96は常時開放弁であり、ECU68からの信号により通電して閉止することができる。
そして、この電磁弁93〜96の開放時には、気筒#1,#2,#3,#6の排気ガスが連結管58へ流動可能である。一方、気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点(TDC)位置近傍で電磁弁93〜96に通電することで、気筒#1,#2,#3,#6の各分岐管54a,54b,55a,55cを閉止し、気筒#4,#5,#7,#8の排気ガスが各分岐管54a,54b,55a,55cを通って気筒#1,#2,#3,#6へ流動するのを阻止する。
従って、左バンク12にて、第1気筒#1及び第3気筒#3におけるオーバーラップ期間に、第7気筒#7及び第5気筒#5の排気行程が重なり、この第7気筒#7及び第5気筒#5で発生した排気脈動が分岐管54c,54dから気筒#1,#3側に伝達されるが、分岐管54a,54bに設けられた電磁弁93,94を第1気筒#1及び第3気筒#3の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この排気脈動が第1気筒#1及び第3気筒#3に伝達されることはない。その結果、第1気筒#1及び第3気筒#3にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、左バンク12の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
同様に、右バンク13にて、第2気筒#2及び第6気筒#6におけるオーバーラップ期間に、第8気筒#8及び第4気筒#4の排気行程が重なり、この第8気筒#8及び第4気筒#4で発生した排気脈動が分岐管55b,55dから気筒#2,#6側に伝達されるが、分岐管55a,55cに設けられた電磁弁95,96を第2気筒#2及び第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この排気脈動が第2気筒#2及び第6気筒#6に伝達されることはない。その結果、第2気筒#2及び第6気筒#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、右バンク13の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
このように実施例3の内燃機関にあっては、V型8気筒エンジンにて、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制するため、排気マニホールド54,55の分岐管54a,54b,55a,55cに第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止する電磁弁93,94,95,96を設けている。
従って、気筒#1,#2,#3,#6におけるオーバーラップ期間に、気筒#4,#5,#7,#8の排気行程が重なり、この気筒#4,#5,#7,#8で発生した排気脈動が排気マニホールド54,55を通して気筒#1,#2,#3,#6側に伝達されるが、気筒#1,#2,#3,#6の分岐管54a,54b,55a,55cに電磁弁93,94,95,96を設けて気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、気筒#4,#5,#7,#8の排気脈動が気筒#1,#2,#3,#6に伝達されることはない。そのため、各気筒#1,#2,#3,#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、全てのバンク12,13の各気筒#1〜#8における内部EGR量がほぼ均一状態となる。その結果、気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができると共に、出力トルクの変動を抑制することができ、また、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上を適正に図ることができる。
図9は、本発明の実施例4に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図、図10は、実施例4のV型8気筒エンジンの縦断面図、図11は、実施例4のV型8気筒エンジンにおける開閉弁の開閉制御のタイムチャートである。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4のV型8気筒エンジンにおいて、図9及び図10に示すように、各バンク12,13にて、第1の気筒としての第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第2の気筒としての第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制(排気ガス制御手段)可能としている。そして、この実施例4では、排気ガス制御手段として、左バンク12に連結された排気マニホールド54にて、第1気筒#1及び第3気筒#3の各排気通路に開閉弁101,102が設けられると共に、右バンク13に連結された排気マニホールド55にて、第2気筒#2及び第6気筒#6の排気通路に開閉弁103,104が設けられており、各開閉弁101〜104をクランクシャフトの回転に同期して開閉可能とすることで、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で排気通路を閉止するようにしている。
具体的に説明すると、左バンク12の排気マニホールド54にて、第1気筒#1の分岐管54aと第3気筒#3の分岐管54bに開閉弁101,102が設けられている。また、右バンク13の排気マニホールド55にて、第2気筒#2の分岐管55aと第6気筒#6の分岐管55cに開閉弁103,104が設けられている。この開閉弁101〜104はクランクシャフトの回転に同期して回転して各分岐管54a,54b,55a,55cを開閉可能となっている。
即ち、第1気筒#1について説明すると、図11に示すように、開閉弁101は、クランクシャフトの1回転(360°)で1回転するものであり、吸気上死点(TDC)位置近傍と圧縮上死点(TDC)位置近傍で分岐管54aを閉止する。そのため、第1気筒#1のオーバーラップ期間(排気弁及び吸気弁の開放時期)に第7気筒#7の排気行程(排気弁の開放時期)が重なったときに、開閉弁101が分岐管54aを閉止することとなり、第7気筒#7で発生した排気脈動が第1気筒#1に伝達されるのを防止している。
従って、左バンク12にて、第1気筒#1及び第3気筒#3におけるオーバーラップ期間に、第7気筒#7及び第5気筒#5の排気行程が重なり、この第7気筒#7及び第5気筒#5で発生した排気脈動が分岐管54c,54dから気筒#1,#3側に伝達されるが、分岐管54a,54bに設けられた開閉弁101,102が第1気筒#1及び第3気筒#3の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この排気脈動が第1気筒#1及び第3気筒#3に伝達されることはない。その結果、第1気筒#1及び第3気筒#3にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、左バンク12の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
同様に、右バンク13にて、第2気筒#2及び第6気筒#6におけるオーバーラップ期間に、第8気筒#8及び第4気筒#4の排気行程が重なり、この第8気筒#8及び第4気筒#4で発生した排気脈動が分岐管55b,55dから気筒#2,#6側に伝達されるが、分岐管55a,55cに設けられた開閉弁103,104が第2気筒#2及び第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、この排気脈動が第2気筒#2及び第6気筒#6に伝達されることはない。その結果、第2気筒#2及び第6気筒#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、右バンク13の各気筒における内部EGR量がほぼ均一状態となる。
このように実施例4の内燃機関にあっては、V型8気筒エンジンにて、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6のオーバーラップ期間に、第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気行程が重なるとき、この第4気筒#4、第5気筒#5、第7気筒#7、第8気筒#8の排気系から第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の排気系への排気脈動の伝達を抑制するため、排気マニホールド54,55の分岐管54a,54b,55a,55cにクランクシャフトの回転に同期すると共に、第1気筒#1、第3気筒#3、第2気筒#2、第6気筒#6の吸気上死点位置近傍で閉止する開閉弁101,102,103,104を設けている。
従って、気筒#1,#2,#3,#6におけるオーバーラップ期間に、気筒#4,#5,#7,#8の排気行程が重なり、この気筒#4,#5,#7,#8で発生した排気脈動が排気マニホールド54,55を通して気筒#1,#2,#3,#6側に伝達されるが、気筒#1,#2,#3,#6の分岐管54a,54b,55a,55cにクランクシャフトの回転に同期する開閉弁101〜104を設けて気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点位置近傍で閉止するため、気筒#4,#5,#7,#8の排気脈動が気筒#1,#2,#3,#6に伝達されることはない。そのため、各気筒#1,#2,#3,#6にて、排気脈動により内部EGR量が増加されることはなく、全てのバンク12,13の各気筒#1〜#8における内部EGR量がほぼ均一状態となる。その結果、気筒間の燃焼のばらつきを抑制することができると共に、出力トルクの変動を抑制することができ、また、オーバーラップによる燃費の改善や排気ガス性能の向上を適正に図ることができる。
また、気筒#1,#2,#3,#6の吸気上死点位置近傍で分岐管54a,54b,55a,55cを閉止する開閉弁101〜104をクランクシャフトの回転に同期するようにしたことで、この開閉弁101〜104を別途開閉制御する必要はなく、制御の簡素化を図ることができる。
なお、この実施例4では、開閉弁101〜104を、クランクシャフトの1回転(360°)で1回転するものとし、吸気上死点(TDC)位置近傍と圧縮上死点(TDC)位置近傍で閉止するようにしたが、クランクシャフトの2回転(720°)、つまり、エンジンの1サイクルで1回転するものとし、吸気上死点(TDC)位置近傍だけで閉止するようにしてもよい。
また、上述の実施例では、排気系の配管構成を、実施例1、2では、左右バンク12,13にて、2つの気筒を集合させてから4つの気筒を集合させるものとし、実施例3、4では、左右バンク12,13にて、直接4つの気筒を集合させるものとしたが、いずれの構成であってもよい。
更に、上述した各実施例では、各気筒の点火順序を、第1気筒#1、第8気筒#8、第7気筒#7、第3気筒#3、第6気筒#6、第5気筒#5、第4気筒#4、第2気筒#2としたが、この順序に限るものではなく、各バンク12,13の気筒がそれぞれ不等間隔で点火・爆発するようになっていればよいものである。また、上述の各実施例にて、燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関としたが、燃料を吸気系に噴射するポート噴射式内燃機関であっても良い。更に、本発明の機関をV型8気筒エンジンとして説明したが、気筒数はこれに限るものではない。
以上のように、本発明にかかる内燃機関は、第1の気筒のオーバーラップ期間に第2の気筒の排気行程が重なるとき、第2の気筒の排気系から第1の気筒の排気系への排気脈動の伝達を抑制するようにしたものであり、不等間隔点火・爆発式の内燃機関に有用である。
本発明の実施例1に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。 実施例1のV型8気筒エンジンの概略構成図である。 実施例1のV型8気筒エンジンの排気系に設けられた一方向弁の概略図である。 実施例1のV型8気筒エンジンの排気系に設けられた一方向弁の概略図である。 実施例1のV型8気筒エンジンにおける吸気弁及び排気弁の開放時期を表すタイムチャートである。 本発明の実施例2に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。 実施例2のV型8気筒エンジンにおける電磁弁の開閉制御のタイムチャートである。 実施例2のV型8気筒エンジンにおける電磁弁の開閉制御のタイムチャートである。 本発明の実施例3に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。 本発明の実施例4に係る内燃機関を表すV型8気筒エンジンの概略平面図である。 実施例4のV型8気筒エンジンの縦断面図である。 実施例4のV型8気筒エンジンにおける開閉弁の開閉制御のタイムチャートである。
符号の説明
12,13 バンク
22,23 燃焼室
24,25 吸気ポート
26,26a〜26d,27,27a〜27d 排気ポート
28,29 吸気弁
30,31 排気弁
36,37 吸気カム
38,39 排気カム
40,41 吸気可変動弁機構
42,43 排気可変動弁機構
54,55 排気マニホールド
61,62 インジェクタ
66,67 点火プラグ
68 電子制御ユニット、ECU
81,82 一方向弁(排気ガス制御手段)
91,92,93,94,95,96 電磁弁(排気ガス制御手段)
101,102,103,104 開閉弁(排気ガス制御手段)
#1,#2,#3,#6 気筒(第1の気筒)
#4,#5,#7,#8 気筒(第2の気筒)

Claims (6)

  1. 複数の気筒が左右のバンクに分けて配列されて該各バンクの気筒が不等間隔で点火されると共に、各気筒における排気弁の開放期間と吸気弁の開放期間とがオーバーラップする期間を有する内燃機関において、前記各バンクにて、第1の気筒の前記オーバーラップ期間に第2の気筒の排気行程が重なるとき、前記第2の気筒の排気系から前記第1の気筒の排気系への排気脈動の伝達を抑制する排気ガス制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関において、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられた一方向弁であることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1に記載の内燃機関において、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられた電磁弁であり、前記第1の気筒の吸気上死点位置近傍で前記排気通路を閉止することを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項3に記載の内燃機関において、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒の吸気弁の開放時から排気弁の閉止時までの第1の期間と、前記第2の気筒の排気弁の開放時から前記第1の気筒の排気弁の閉止時までの第2の期間のうちの少なくとも短い期間の方だけ前記電磁弁により前記排気通路を閉止することを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項1に記載の内燃機関において、前記排気ガス制御手段は、前記第1の気筒と前記第2の気筒とを連結する排気通路に設けられ、クランクシャフトの回転に同期して前記排気通路を開閉可能な開閉弁であり、該開閉弁は前記第1の気筒の吸気上死点位置近傍で前記排気通路を閉止することを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の内燃機関において、前記一方向弁または前記電磁弁または前記開閉弁は、前記第1の気筒の排気ガス出口部に設けられたことを特徴とする内燃機関。
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