JP2006161638A - 内燃機関の過給機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラの各ブレードの先端面との間のクリアランスを小さいものとすることができる内燃機関の過給機を提供する。
【解決手段】 複数のブレード21を有するコンプレッサインペラ22と該コンプレッサインペラを収容するコンプレッサハウジング23とを備えるコンプレッサ2を具備する過給機において、コンプレッサハウジングの内面と対面するコンプレッサインペラのブレードの先端面26および該ブレードの先端面と対面するコンプレッサハウジングの内面28のうちの少なくともいずれか一方の表面上に、アルミニウムと凝着しにくい低摩擦薄膜27をコーティングした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の過給機に関する。
内燃機関の過給機(例えば、排気ターボチャージャ)には、吸気ガスを過給するためのコンプレッサが設けられる。コンプレッサは、コンプレッサハウジングとこのコンプレッサハウジング内で回転するコンプレッサインペラとを具備し、コンプレッサインペラが回転することによって内燃機関の吸気ガスの過給が行われる。
このようなコンプレッサでは、コンプレッサインペラの回転時にコンプレッサインペラが振動することがある。このような振動によってコンプレッサインペラの各ブレードの先端面とコンプレッサハウジングの内面とが接触するとコンプレッサインペラの回転抵抗となるため、コンプレッサは、コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラの各ブレードの先端面との接触を避けるために、両者の間に約0.3mm程度のクリアランスが設けられるように構成される。
ところが、コンプレッサハウジングの内面と各ブレードの先端面との間にこのようなクリアランスが存在すると、吸気ガスの一部がこの隙間から抜けてしまい、過給効率の悪化や燃費悪化を招く結果となる。コンプレッサが小型であってもこのクリアランスの大きさは変えられないため、小型のコンプレッサではコンプレッサインペラの大きさに対して相対的にクリアランスが大きくなってしまう。したがって、小型のコンプレッサにおいて特に過給効率の悪化や燃費悪化に対するクリアランスの影響が大きい。
そこで、特許文献1に記載の過給機では、コンプレッサハウジングの内面上にアブレーダブル皮膜(被削材)を形成し、このアブレーダブル皮膜の表面とコンプレッサインペラのブレード先端面との間のクリアランスを小さいものとしている。そして、コンプレッサハウジング内でコンプレッサインペラを回転させることによって、この皮膜をコンプレッサインペラのブレードの先端部により切削し、コンプレッサハウジングの内面と各ブレードの先端面との間のクリアランスを調整するようにしている。
特開平01−147119号公報 特開平01−073197号公報 特公平05−080549号公報 実開平03−052398号公報 特開平07−004256号公報
ところが、特許文献1に記載の過給機では、製造時にコンプレッサハウジングの内面上のアブレーダブル皮膜の表面とコンプレッサインペラの各ブレードの先端面との間のクリアランスを小さく設定しても、過給機の使用時にコンプレッサインペラが振動することによってコンプレッサハウジングの内面上のアブレーダブル皮膜が大きく切削されてしまい、結果的に大きなクリアランスが形成されてしまう。このため、特許文献1に記載の過給機によっても、十分に過給効率の悪化や燃費悪化を抑制することができなかった。
そこで、本発明の目的は、コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラの各ブレードの先端面との間のクリアランスを小さいものとすることができる内燃機関の過給機を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、複数のブレードを有するコンプレッサインペラと該コンプレッサインペラを収容するコンプレッサハウジングとを備えるコンプレッサを具備する過給機において、上記コンプレッサハウジングの内面と対面する上記コンプレッサインペラのブレードの先端面および該ブレードの先端面と対面する上記コンプレッサハウジングの内面のうちの少なくともいずれか一方の表面上に、アルミニウムと凝着しにくい低摩擦薄膜をコーティングした。
一般に、アルミニウム(アルミ合金を含む)は、アルミニウム同士またはアルミニウムと特定材料(例えば、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)および窒化チタンアルミニウム(TiAlN))との間で摩擦が起きると、これらの間で凝着が起き、摩擦係数が比較的高いものとなる。したがって、過給機のコンプレッサハウジングおよびコンプレッサインペラが共にアルミニウムで形成されたり、または一方がアルミニウムで形成されると共に他方の表面上に上記特定材料の薄膜がコーティングされたりした場合、コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラのブレードの先端面との間のクリアランスを小さくすると、コンプレッサインペラの回転時にコンプレッサインペラの振動によりこれら表面同士が接触してこれら表面間に大きな摩擦抵抗が発生する。
第1の発明によれば、コンプレッサハウジングの内面およびコンプレッサインペラのブレードの先端面のうちの少なくともいずれか一方の表面上にアルミニウムと凝着しにくい低摩擦薄膜がコーティングされるため、コンプレッサインペラの回転中にこれら表面同士が接触してもこれら表面間にはアルミ凝着が起こりにくく、よってこれら表面間に生ずる摩擦抵抗も小さいものとなる。したがって、これら表面間のクリアランスを小さいものとしても、コンプレッサインペラに対して大きな回転抵抗が生じることが抑制される。
第2の発明では、第1の発明において、上記低摩擦薄膜はダイヤモンドライクカーボンである。
第3の発明では、第1または第2の発明において、上記コンプレッサインペラのブレードの先端面を該コンプレッサインペラの回転方向に沿って凸状に湾曲させた。
例えば、低摩擦薄膜がダイヤモンドライクカーボンである場合、ダイヤモンドライクカーボンが高硬度(例えば、HV1500)の材料であるため、コンプレッサインペラが回転すると、コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラのブレードの先端面とのうち、低摩擦皮膜がコーティングされている方の表面がコーティングされていない方の表面を損傷させてしまう虞がある。このことは両表面がコーティングされている場合であっても同様に起こりうる。
第3の発明によれば、コンプレッサインペラのブレードの先端面を凸状に湾曲させているため、両表面が接触することによるこれら表面の損傷を最小限に抑えることができる。また、コンプレッサインペラのブレードの先端面が凸状に湾曲していると、コンプレッサインペラが回転することで対地効果(グランド効果)により各ブレードの先端面にはコンプレッサハウジングの内面から離れようとする力が発生する。かかる力は、コンプレッサインペラのブレードの先端面とコンプレッサハウジングの内面との間のクリアランスの大きさに応じて異なり、クリアランスが小さいほど大きくなる。かかる力が全てのブレードの先端面に生じると、かかる力は全体として上記クリアランスを一定の大きさに保つように作用するため、コンプレッサインペラの振動を低減することができ、よってブレードの先端面とコンプレッサハウジングの内面との接触頻度を低減することができる。
本発明によれば、コンプレッサハウジングの内面とコンプレッサインペラの各ブレードの先端面との間に生ずる摩擦抵抗が小さなものとなるため、これら表面間のクリアランスを小さいものとすることができ、吸気効率の向上および燃費向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の過給機1の断面図である。
図1に示したように、本発明の過給機1はコンプレッサ2と排気タービン3とを具備する。コンプレッサ2は、複数のブレード21を有するコンプレッサインペラ22と、このコンプレッサインペラ22を収容するコンプレッサハウジング23とを備える。一方、排気タービン3は、複数のブレード31を有するタービンホイール32と、このタービンホイール32を収容するタービンハウジング33とを備える。タービンホイール32にはタービンシャフト41が同軸に結合されており、タービンシャフト41の先端にはタービンシャフト41と同軸にコンプレッサインペラ22が互いに対して回転しないように繋止せしめられる。このため、タービンホイール32が回転すると、タービンシャフト41を介してコンプレッサインペラ22が回転せしめられる。
タービンシャフト41は、フルフロートベアリング42により支持されており、タービンシャフト41の軸線を中心に回転することができる。ベアリング42は、ベアリングハウジング43内に保持される。ベアリングハウジング43は、コンプレッサハウジング23およびタービンハウジング33と連結されていると共に、ベアリング42を冷却するための冷却水が流通せしめられるウォータジャケット44、45を有する。なお、ベアリング42には、フルフロートベアリングのみならず、ボールベアリング等、他のタイプのベアリングが採用されてもよい。
本実施形態では、タービンホイール32は、高温の排気ガスに対処するためおよび回転体慣性重量低減のためにセラミックで形成され、それ以外の構成要素、例えば、コンプレッサインペラ22、コンプレッサハウジング23、タービンシャフト41、ベアリングハウジング43等はアルミ合金で形成される。なお、タービンホイール32は、セラミック以外の材料、例えばニッケル基耐熱合金等で形成されてもよい。
作動時には、タービンハウジング33に設けられたタービン入口部34に、内燃機関本体の燃焼室(図示せず)から排出された排気ガスが流入せしめられる。かかる排気ガスは高温、高圧であり、大きな排気エネルギを有している。この排気ガスがタービン入口部34から流入してタービンホイール32のブレード31に衝突することにより、排気ガスの排気エネルギがブレード31に伝達されて、タービンホイール32が回転せしめられる。その後、排気ガスは、図1に矢印で示したように、タービンハウジング33に設けられたタービン出口部35から排出され、排気タービン3の排気下流側に設けられた排気浄化装置やマフラ(図示せず)を介して大気中に放出される。
一方、排気ガスによりタービンホイール32が回転せしめられることによって、コンプレッサインペラ22が回転せしめられる。このコンプレッサインペラ22の回転により、吸気ガスがコンプレッサ入口部24から流入せしめられると共にコンプレッサインペラ22により加圧され、内燃機関の燃焼室に連通するコンプレッサ出口部25へと流通せしめられる。これにより吸気ガスの過給が行われる。
図2は、本発明の過給機1のコンプレッサ2の拡大図であり、図3はコンプレッサインペラ22の拡大斜視図である。図2から分かるように、ブレード先端面26には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の薄膜27がコーティングされている。ここで、ブレード先端面26とは、コンプレッサインペラ22のブレード21の先端面のうちコンプレッサハウジング23の内面と対面する先端面であり、すなわちコンプレッサインペラ22の回転方向に対して平行なブレード21の表面であってコンプレッサインペラ22が回転したときにコンプレッサハウジング23の内面と対面する表面である。図3において、ブレード先端面26は斜線で示されている。
DLC薄膜は、水素を若干含有した非晶質(アモルファス)構造でダイヤモンド結合やグラファイト結合を持つものである。DLC薄膜は、非常に硬質(例えば、HV1500)であると共に、極めて平滑な表面を有している。
また、一般に、アルミニウム(アルミ合金を含む)同士またはアルミニウムと特定材料(例えば、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)および窒化チタンアルミニウム(TiAlN)等)の薄膜をコーティングした材料とを互いに摺動させた場合、両者の間に凝着が起こり、両者の間の摩擦係数は比較的高いものとなる。これに対して、DLC薄膜とアルミニウムとの間には凝着が起こりにくいため、DLC薄膜をコーティングした材料とアルミニウムとを互いに摺動させた場合、その摩擦係数は非常に低く、例えばTiN薄膜をコーティングした材料とアルミニウムとを互いに摺動させた場合の摩擦係数の半分以下である。
ところで、一般に、多くの過給機のコンプレッサでは、コンプレッサインペラ、タービンホイールおよびタービンシャフト等の製造誤差により、コンプレッサインペラ等の径方向において重量上のアンバランスが生じてしまう。このため、コンプレッサインペラが回転すると、コンプレッサインペラが振動する。この振動は回転共振により、特定の回転数において非常に大きなものとなる。このように、コンプレッサインペラが振動してコンプレッサインペラのブレード先端面がコンプレッサハウジングの内面と接触すると、コンプレッサインペラの大きな回転抵抗となってしまう。したがって、多くのコンプレッサでは、ブレード先端面と、コンプレッサハウジングの内面のうちブレード先端面と対面する内面(以下、「ハウジング内面」と称す)との間には大きなクリアランス(例えば、約0.3mm)が設けられており、これによりブレード先端面とハウジング内面とが接触することを防止している。
ところが、このようにブレード先端面とハウジング内面との間のクリアランスを大きくとりすぎると、この隙間から吸気ガスの一部が抜けてしまい、吸気ガスの圧力を効率よく高めることができなくなってしまう。すなわち、上記クリアランスを大きくとることで、過給効率が悪化してしまう。さらに、過給効率の悪化に伴い、上記クリアランスが大きい場合には上記クリアランスが小さい場合に比べて同一の過給圧にするのに必要な排気エネルギが大きなものとなり、燃費の悪化を生じる。
これに対して、本発明においては、ブレード先端面26には、DLC薄膜27がコーティングされている。上述したようにDLC薄膜は極めて平滑な表面を有していると共にアルミニウムとの間で凝着が起こりにくいため、ブレード先端面26とアルミ合金製のハウジング内面28とが接触、摺動しても、これら表面間の摩擦係数は非常に低いものとなる。したがって、ブレード先端面26とハウジング内面28とが接触してもコンプレッサインペラ22の回転抵抗にはなりにくい。
このため、本発明によれば、ブレード先端面26とハウジング内面28との間に大きなクリアランスを設ける必要がなく、当該クリアランスを小さいもの(例えば0.05mm)とすることができる。すなわち、上述したように、コンプレッサインペラ22は回転中に共振等により振動するが、かかる振動が発生するような時でもブレード先端面26が摩擦抵抗をほとんど受けない状態でハウジング内面28上を摺動することになる。このためコンプレッサインペラ22の振動の振幅は上記クリアランスに対応する大きさに制限される。
図4は、ブレード先端面26とハウジング内面28とのクリアランスが異なる場合におけるコンプレッサインペラ22の振動の様子を示している。図中、縦軸はコンプレッサインペラ22の振幅、横軸は時間を示しており、実線が本実施形態のように上記クリアランスを0.05mmにした場合、破線が従来のように上記クリアランスを0.3mmにした場合を示している。図から分かるように、本実施形態のようにクリアランスを小さくすることにより、コンプレッサインペラ22の振動の振幅は、クリアランスが大きい場合に比べて大きく制限されている。
このようにブレード先端面26とハウジング内面28との間のクリアランスを小さくすることで、ブレード先端面26とハウジング内面28との隙間から抜けてしまう排気ガスが大幅に減少せしめられ、よってコンプレッサインペラ22の回転により吸気ガスの圧力を効率よく高めることができ、過給効率の悪化を抑制することができる。また、これに伴って燃費の悪化を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、ブレード先端面26のみにDLC薄膜をコーティングしているが、ブレード先端面26に加えてコンプレッサハウジング23の内面のうちブレード先端面と対面する内面(ハウジング内面)28にもDLC薄膜をコーティングしてもよい。あるいは、ブレード先端面26にはDLC薄膜をコーティングせず、ハウジング内面28のみにDLC薄膜をコーティングしてもよい。
また、上記実施形態では、DLC薄膜をコーティングした場合について説明しているが、例えばTiN等の硬質薄膜と比較してアルミニウムと凝着しにくいと共に表面が平滑である薄膜であれば如何なる薄膜であってもよい。
ところで、上述したように、DLC薄膜は極めて硬質(例えば、HV1500)であるため、僅かな凹凸等があっても相手方材料を損傷させてしまうことがある。すなわち、DLC薄膜がコーティングされたブレード先端面26に僅かな凹凸等があるとハウジング内面28を損傷させてしまうことがある。特に、ブレード先端面26の回転方向の両縁部が直角であると、これら縁部がハウジング内面28を損傷させやすい。
このため、本実施形態では、図5に示したように、コンプレッサインペラ22のブレード先端面26をコンプレッサインペラ22の回転方向に沿って凸状に緩やかに湾曲させるようにしている。すなわち、コンプレッサインペラ22の回転方向に対して平行であって且つブレード先端面26に対して垂直な平面におけるブレード21の断面において、ブレード先端面26は凸状に湾曲(例えば、ブレード21の厚みが0.6mmである場合に10Rの湾曲)している。これにより、ブレード先端面26の緩やかに湾曲した頂部のみがハウジング内面28と接触することになるため、ブレード先端面26の回転方向の両縁部、すなわち角部がハウジング内面28と接触することが防止せしめられる。
また、本実施形態では、ブレード先端面26の表面粗さが小さいものとされる(例えば、Rz0.8以下)。これにより、ブレード先端面26にはほとんど凹凸等がなくなり、ハウジング内面28を損傷させてしまうのが抑制される。なお、ここで説明しているブレード先端面26の表面粗さとは、DLC薄膜自体の表面粗さではなく、DLC薄膜によってコーティングされるアルミ合金製ブレードの先端面の表面粗さを意味する。すなわち、DLC薄膜自体の表面粗さは極めて小さいが、DLC薄膜の表面はDLC薄膜がコーティングされるベースとなるアルミ合金製ブレードの先端面の粗さに対応した粗さとなるため、アルミ合金製ブレードの先端面が荒いと、結果的にDLC薄膜の表面もそれに伴って荒くなってしまう。そこで、本実施形態では、アルミ合金製ブレードの先端面の表面粗さを小さくすることにより、ブレード先端面26の表面粗さを小さいものとしている。
また、本実施形態では、コンプレッサ22の回転に伴ってコンプレッサインペラ22のブレード21はコンプレッサハウジング23に対して、図5の矢印Aに示したようにハウジング内面28に沿って移動する。このブレード21の移動に伴って、ブレード21に対して吸気ガスの相対流れBが発生し、この吸気ガスの相対流れの一部はブレード先端面26とハウジング内面28との間の隙間に流れ込む。
ここで、上述したようにコンプレッサインペラ22のブレード先端面26はコンプレッサインペラ22の回転方向に沿って凸状に湾曲している。したがって、ブレード先端面26とハウジング内面28との間の隙間に流れ込んだ吸気ガスの多くは湾曲したブレード先端面26に衝突する。特に、本実施形態では、ブレード先端面26とハウジング内面28との間のクリアランスが小さいことからこれら表面間で対地効果(グランドエフェクト)が起こり、図5の矢印Cの方向に、すなわちブレード21をハウジング内面28から離そうとする方向に大きな力が生じる。
かかる力は、全てのブレードにおいて発生すると共に、ブレード先端面26とハウジング内面28との間のクリアランスが小さいほど大きな力が発生するため、全てのブレード先端面26とハウジング内面28との間のクリアランスが一定になるように作用する。このことを、コンプレッサインペラ22の軸線を挟んで反対側に配置されたブレード(互いに180°離間されたブレード)を例にとって考えてみる。コンプレッサインペラ22の振動により互いに反対側に配置されたブレードのうちの一方のブレードの上記クリアランスが小さくなり、逆に他方のブレードの上記クリアランスが大きくなると、クリアランスが小さくなった方のブレード先端面26には当該ブレードをハウジング内面28から離そうとする方向に大きな力が発生する。一方、クリアランスが大きくなった方のブレード先端面26では、当該ブレードをハウジング内面28から離そうとする方向に発生する力はあまり大きくない。このため、これら力によって、両ブレードのクリアランスが等しくなるようにコンプレッサインペラ22が戻されることとなる。これにより、コンプレッサインペラ22は、振動が抑制されるようになり、コンプレッサインペラ22のブレード先端面26とハウジング内面28とが接触するのが抑制されるようになる。
したがって、本実施形態では、ブレード先端面26とハウジング内面28との間のクリアランスを考慮して、最も効果的に対地効果が発生するようにブレード先端面26の湾曲形状が定められる。
本発明の過給機の断面図である。 本発明の過給機のコンプレッサの拡大断面図である。 本発明の過給機のコンプレッサインペラの拡大斜視図である。 クリアランスが異なる場合におけるコンプレッサインペラの振幅の違いを示す図である。 コンプレッサインペラの一つのブレードとコンプレッサハウジングとを示す概略図である。
符号の説明
1 過給機
2 コンプレッサ
3 排気タービン
21 ブレード
22 コンプレッサインペラ
23 コンプレッサハウジング
26 ブレード先端面
27 DLC薄膜
28 ハウジング内面
31 ブレード
32 タービンホイール
33 タービンハウジング

Claims (3)

  1. 複数のブレードを有するコンプレッサインペラと該コンプレッサインペラを収容するコンプレッサハウジングとを備えるコンプレッサを具備する過給機において、
    上記コンプレッサハウジングの内面と対面する上記コンプレッサインペラのブレードの先端面および該ブレードの先端面と対面する上記コンプレッサハウジングの内面のうちの少なくともいずれか一方の表面上に、アルミニウムと凝着しにくい低摩擦薄膜をコーティングした内燃機関の過給機。
  2. 上記低摩擦薄膜はダイヤモンドライクカーボンである請求項1に記載の内燃機関の過給機。
  3. 上記コンプレッサインペラのブレードの先端面を該コンプレッサインペラの回転方向に沿って凸状に湾曲させた請求項1または2に記載の内燃機関の過給機。
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