JP2010249070A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく一定に維持し、かつ、軽量化を図ること。
【解決手段】ディスク22の背面(大径側の軸方向端面)23に、周方向に沿って凹所24が設けられており、この凹所24を、当該インペラ20を常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラ20に遠心力のみを加えたときに、当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、ディスク22の背面23の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラ20に熱のみを加えたときに、当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが略等しくなるように形成させた。
【選択図】図2
【解決手段】ディスク22の背面(大径側の軸方向端面)23に、周方向に沿って凹所24が設けられており、この凹所24を、当該インペラ20を常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラ20に遠心力のみを加えたときに、当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、ディスク22の背面23の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラ20に熱のみを加えたときに、当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが略等しくなるように形成させた。
【選択図】図2
Description
本発明は、航空用ガスタービン、産業用ガスタービン、舶用過給機、自動車用過給機等に用いられる遠心圧縮機のインペラに関するものである。
航空用ガスタービンに用いられる遠心圧縮機のインペラとしては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
図6に示すように、上記特許文献1に開示された遠心圧縮機のインペラ50は、ディスク(本体)52と、ディスク52の周囲に放射状に配置される複数枚のブレード51とを備えている。また、ディスク52は、回転軸8(図1参照)に取り付けられており、インペラ50は、回転軸8とともに同一方向に回転するようになっている。
なお、図6中の符号Cは、回転軸の回転軸線である。
なお、図6中の符号Cは、回転軸の回転軸線である。
常温・静止状態(無負荷状態)において図6に示す形態を呈するインペラ50は、常温にて定格回転数で回転させて遠心力のみを加えると、図7中に二点鎖線で示すように、インペラ50の吐出側の端部55が、回転軸8(図1参照)の軸方向と直交する方向、すなわち、半径方向外側に伸びて変形する。
また、常温・静止状態(無負荷状態)において図6に示す形態を呈するインペラ50は、ディスク52の背面(大径側の軸方向端面)53の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源54を置いて熱のみを加えると、その輻射熱により、図8中に一点鎖線で示すように、インペラ50の吐出側の端部55が、回転軸8の軸方向上流側に倒れて変形する。
また、常温・静止状態(無負荷状態)において図6に示す形態を呈するインペラ50は、ディスク52の背面(大径側の軸方向端面)53の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源54を置いて熱のみを加えると、その輻射熱により、図8中に一点鎖線で示すように、インペラ50の吐出側の端部55が、回転軸8の軸方向上流側に倒れて変形する。
そして、ガスタービン運転中、インペラ50には、図7中に二点鎖線で示す遠心力による変形と、図8中に一点鎖線で示す熱による変形とが生じ、結果的に、両者の変形を足し合わせた変形となるので、インペラ50の吐出側の端部55は、回転軸8の軸方向上流側に倒れて変形することになり、インペラ50とケーシング7とが接触するという安全上の問題が起こり得る。
よって、遠心圧縮機の設計段階では、インペラ50とケーシング7とが運転中に接触しないように、安全を見越して必要以上の過大なチップクリアランスを設けることとなり、圧縮機性能の低下を招いてしまう。
よって、遠心圧縮機の設計段階では、インペラ50とケーシング7とが運転中に接触しないように、安全を見越して必要以上の過大なチップクリアランスを設けることとなり、圧縮機性能の低下を招いてしまう。
そこで、上記特許文献1に開示された発明では、インペラ50の吐出側の端部55が、回転軸8の軸方向上流側に倒れても、インペラ50が有するブレード51の外径側先端56とインペラ50を収容するケーシング7の内壁面14(図1参照)との隙間、すなわち、チップクリアランスを極小(ゼロ運転クリアランス)に維持する機構が設けられている。
しかしながら、このような機構の増設は、構造の複雑化や部品点数の増加、コストアップという問題の他にガスタービンの重量を増大させるため、極限の軽量化が求められる航空用ガスタービンには不向きである。
しかしながら、このような機構の増設は、構造の複雑化や部品点数の増加、コストアップという問題の他にガスタービンの重量を増大させるため、極限の軽量化が求められる航空用ガスタービンには不向きである。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができるので、インペラとケーシングとの接触を防ぐことができ、かつ、軽量化を図ることができる圧縮機のインペラを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る圧縮機のインペラは、ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラであって、前記ディスクの大径側の軸方向端面に、周方向に沿った凹所が設けられており、この凹所は、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前の前記ブレードの先端と前記インペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まるように形成されている。
本発明に係る圧縮機のインペラは、ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラであって、前記ディスクの大径側の軸方向端面に、周方向に沿った凹所が設けられており、この凹所は、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前の前記ブレードの先端と前記インペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まるように形成されている。
また、本発明に係る圧縮機のインペラの製造方法は、ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラの製造方法であって、前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向上流側に倒れる変形量を把握し、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる前記変形量を相殺するような前記ディスクの大径側の軸方向端面の削り込み部を把握して、前記ディスクの大径側の軸方向端面に、前記削り込み部に対応する凹所を周方向に沿って削り込み加工して、圧縮機のインペラを製造する。
さらに、本発明に係る圧縮機のインペラの設計方法は、ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラの設計方法であって、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前の前記ブレードの先端と前記インペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まるように、前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に設ける周方向に沿った凹所の形状を計算して決定する。
本発明に係る圧縮機のインペラ、圧縮機のインペラの製造方法、圧縮機のインペラの設計方法によれば、ディスクの大径側の軸方向端面(背面)に周方向に沿った凹所を設けるだけで、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、その輻射熱により当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレードの先端とインペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まる。
すなわち、ガスタービン等の熱源(燃焼器など)を有する回転機械に適用される圧縮機に用いられた場合でも、当該インペラが有するブレードの外径側先端と、このインペラを収容するケーシングの内壁との隙間、すなわち、チップクリアランスが組立時から運転時にかけて略一定に維持されることとなる。
これにより、インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができるのでインペラとケーシングとの接触を防ぐことができ、かつ、軽量化を図ることができる。
すなわち、ガスタービン等の熱源(燃焼器など)を有する回転機械に適用される圧縮機に用いられた場合でも、当該インペラが有するブレードの外径側先端と、このインペラを収容するケーシングの内壁との隙間、すなわち、チップクリアランスが組立時から運転時にかけて略一定に維持されることとなる。
これにより、インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができるのでインペラとケーシングとの接触を防ぐことができ、かつ、軽量化を図ることができる。
本発明に係る圧縮機は、インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができるのでインペラとケーシングとの接触を防ぐことができ、かつ、軽量化を図ることができるインペラを具備している。
本発明に係る圧縮機によれば、圧縮性能の低下を防止することができ、圧縮性能を高効率に維持することができて、圧縮機全体の軽量化を図ることができる。
本発明に係る航空用ガスタービンは、圧縮性能の低下を防止することができ、圧縮性能を高効率に維持することができて、圧縮機全体の軽量化を図ることができる圧縮機を具備している。
本発明に係る航空用ガスタービンによれば、推進性能の低下を防止することができ、推進性能を高効率に維持することができて、航空用ガスタービン全体の軽量化を図ることができる。
本発明に係る圧縮機のインペラによれば、インペラとケーシングとのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができるのでインペラとケーシングとの接触を防ぐことができ、かつ、性能を維持しつつ軽量化を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る圧縮機のインペラについて、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る圧縮機のインペラを具備したガスタービン(ターボシャフトエンジン)を示す断面図、図2は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、常温・静止状態(無負荷状態)の図、図3は図2と同様の図であって、凹所を設けたことによる重心位置の移動を説明するための図、図4は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、常温にて定格回転数で回転させて、遠心力のみを加えたときの状態を説明するための図、図5は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、ディスクの背面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、熱のみを加えたときの状態を説明するための図である。
図1は本実施形態に係る圧縮機のインペラを具備したガスタービン(ターボシャフトエンジン)を示す断面図、図2は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、常温・静止状態(無負荷状態)の図、図3は図2と同様の図であって、凹所を設けたことによる重心位置の移動を説明するための図、図4は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、常温にて定格回転数で回転させて、遠心力のみを加えたときの状態を説明するための図、図5は本実施形態に係る圧縮機のインペラを示す図であって、ディスクの背面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、熱のみを加えたときの状態を説明するための図である。
本実施形態に係る圧縮機のインペラ(以下、「インペラ」という。)20は、航空用ガスタービン(例えば、ターボシャフトエンジン)、産業用ガスタービン、舶用過給機、自動車用過給機等に搭載される遠心圧縮機(または斜流圧縮機)に適用されるものである。
図1に示すように、ターボシャフトエンジン1は、遠心圧縮機2と、燃焼器3と、タービン4とを備えている。
図1に示すように、ターボシャフトエンジン1は、遠心圧縮機2と、燃焼器3と、タービン4とを備えている。
遠心圧縮機2は、インペラ(羽根車)20と、ディフューザー6と、これらインペラ20およびディフューザー6を収容するケーシング7とを備えている。
インペラ20は、ディスク(本体)22と、このディスク22の周囲に放射状に配置された複数枚のブレード21とを備えている。また、ディスク22は、回転軸8に取り付けられており、インペラ20は、回転軸8とともに同一方向に回転するようになっている。
このように、回転軸線Cまわりにインペラ20が回転することによって、ディスク22の小径側に位置するブレード21の前縁側から軸方向下流側に向かって、周方向に複数枚配置されたブレード21間に形成された流路内に流れ込んだ流体が、圧縮されつつ流れの方向を変えて半径方向外側に向かってディスク22の大径側に位置するブレード21の後縁側から流出する。
そして、インペラ20により圧縮された空気(流体)は、ディフューザー6を通って、主圧力室9に導かれ、燃焼器3内に入り、燃焼器3内に別途供給された燃料と混合されて燃焼させられた後、高温の燃焼ガスとなってタービンノズル10、タービン4の動翼11へ導かれる。
なお、タービン4の動翼11は、ディスク13を介して回転軸8に取り付けられており、回転軸8およびインペラとともに同一方向に回転するようになっている。
また、図1中の符号Cは、回転軸8の回転軸線である。
インペラ20は、ディスク(本体)22と、このディスク22の周囲に放射状に配置された複数枚のブレード21とを備えている。また、ディスク22は、回転軸8に取り付けられており、インペラ20は、回転軸8とともに同一方向に回転するようになっている。
このように、回転軸線Cまわりにインペラ20が回転することによって、ディスク22の小径側に位置するブレード21の前縁側から軸方向下流側に向かって、周方向に複数枚配置されたブレード21間に形成された流路内に流れ込んだ流体が、圧縮されつつ流れの方向を変えて半径方向外側に向かってディスク22の大径側に位置するブレード21の後縁側から流出する。
そして、インペラ20により圧縮された空気(流体)は、ディフューザー6を通って、主圧力室9に導かれ、燃焼器3内に入り、燃焼器3内に別途供給された燃料と混合されて燃焼させられた後、高温の燃焼ガスとなってタービンノズル10、タービン4の動翼11へ導かれる。
なお、タービン4の動翼11は、ディスク13を介して回転軸8に取り付けられており、回転軸8およびインペラとともに同一方向に回転するようになっている。
また、図1中の符号Cは、回転軸8の回転軸線である。
図2に示すように、ディスク22の背面(大径側の軸方向端面)23には、周方向に沿って凹所(窪み)24が設けられている。この凹所24は、背面23の内周側に設けられ、例えば、回転軸線Cと、ディスク22の外周端(大径側の径方向側面)25とを結ぶ半径を、内周側と外周側とに8対2で二分する点(位置)よりも内周側に設けられている。
このような凹所24を設けることにより、図3に示すように、インペラ20の輪郭を示す形状の重心位置がディスク22の正面(小径側の軸方向端面)26の方へ、すなわち、●(黒丸)からそれよりも軸方向上流側の○(白丸)へ移動することになる。
よって、凹所24は、図4中に実線で示す常温にて無負荷状態のインペラ20を回転軸8(図1参照)まわりに定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、インペラ20の吐出側の端部27が、図4中に一点鎖線で示すように、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れるように形成されている。
なお、図3中の●(黒丸)は、凹所24を備えていない二点鎖線で示されるインペラ50の輪郭を示した形状Aの重心位置、○(白丸)は凹所24を備えた実線で示され本発明に係るインペラ50の輪郭を示した形状Bの重心位置である。
このような凹所24を設けることにより、図3に示すように、インペラ20の輪郭を示す形状の重心位置がディスク22の正面(小径側の軸方向端面)26の方へ、すなわち、●(黒丸)からそれよりも軸方向上流側の○(白丸)へ移動することになる。
よって、凹所24は、図4中に実線で示す常温にて無負荷状態のインペラ20を回転軸8(図1参照)まわりに定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、インペラ20の吐出側の端部27が、図4中に一点鎖線で示すように、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れるように形成されている。
なお、図3中の●(黒丸)は、凹所24を備えていない二点鎖線で示されるインペラ50の輪郭を示した形状Aの重心位置、○(白丸)は凹所24を備えた実線で示され本発明に係るインペラ50の輪郭を示した形状Bの重心位置である。
一方、凹所24は、図5中に一点鎖線で示すように、ディスク22の背面(大径側の軸方向端面)23の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源28を置いて、実線で示す無負荷状態のインペラ20に熱のみを加えたときに、その輻射熱によりインペラ20の吐出側の端部27が、回転軸8(図1参照)の軸方向上流側に倒れるように形成されている。
すなわち、凹所24は、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とを足し合わせたときに、図1から図5にて実線で示された変形前の常温・静止状態(無負荷状態)の形態になるよう、あるいはできるだけ近づくように、かつ、インペラ20とケーシング7とが接触しない範囲で変形前のチップクリアランスよりも変形後のチップクリアランスの方が小さくなるように形成されている。
言い換えれば、凹所24は、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが相殺されるように、すなわち、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが等しくなるように、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレード21の先端とインペラ20を収容するケーシング7の内壁面14との隙間の範囲内に収まるように形成されている。
すなわち、凹所24は、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とを足し合わせたときに、図1から図5にて実線で示された変形前の常温・静止状態(無負荷状態)の形態になるよう、あるいはできるだけ近づくように、かつ、インペラ20とケーシング7とが接触しない範囲で変形前のチップクリアランスよりも変形後のチップクリアランスの方が小さくなるように形成されている。
言い換えれば、凹所24は、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが相殺されるように、すなわち、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが等しくなるように、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレード21の先端とインペラ20を収容するケーシング7の内壁面14との隙間の範囲内に収まるように形成されている。
ディスク22の背面23の削り込み量(肉の盗み量)、すなわち、凹所24の形状は、以下の手順で決定される。
まず、図8中に実線で示すように、凹所24を備えていないインペラ50のディスク52の背面(大径側の軸方向端面)53の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源54を置いて、インペラ50に熱のみを加えたときに、その輻射熱によりインペラ50の吐出側の端部55が、一点鎖線で示すように回転軸8(図1参照)の軸方向上流側に倒れる量(第2の変形量)を試験または計算等により把握する。
つぎに、常温にてインペラ20を定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、(図4を用いて説明したように)インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる第2の変形量を相殺するようなディスク22の背面23の削り込み部を計算等により把握し、ディスク22の背面23にその削り込み部に対応する凹所24を周方向に沿って削り込み加工する。この削り込み部とは、ディスク22の背面23を削り込む量や形状、位置等を含む。
つづいて、常温にてインペラ20を定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、インペラ20の吐出側の端部が、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる第2の変形量を相殺できているか否かを試験または計算等により確認し、相殺できていれば削り込み加工を終了し、できていなければ、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレード21の先端とインペラ20を収容するケーシング7の内壁面14との隙間の範囲内に収まるようになるまで上記の手順を繰り返し行って、ディスク22の背面23を周方向に沿って削り込み加工する。
まず、図8中に実線で示すように、凹所24を備えていないインペラ50のディスク52の背面(大径側の軸方向端面)53の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源54を置いて、インペラ50に熱のみを加えたときに、その輻射熱によりインペラ50の吐出側の端部55が、一点鎖線で示すように回転軸8(図1参照)の軸方向上流側に倒れる量(第2の変形量)を試験または計算等により把握する。
つぎに、常温にてインペラ20を定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、(図4を用いて説明したように)インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる第2の変形量を相殺するようなディスク22の背面23の削り込み部を計算等により把握し、ディスク22の背面23にその削り込み部に対応する凹所24を周方向に沿って削り込み加工する。この削り込み部とは、ディスク22の背面23を削り込む量や形状、位置等を含む。
つづいて、常温にてインペラ20を定格回転数で回転させて、インペラ20に遠心力のみを加えたときに、インペラ20の吐出側の端部が、回転軸8(図1参照)の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる第2の変形量を相殺できているか否かを試験または計算等により確認し、相殺できていれば削り込み加工を終了し、できていなければ、図4中に一点鎖線で示す遠心力のみによる第1の変形量と図5中に一点鎖線で示す熱のみによる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレード21の先端とインペラ20を収容するケーシング7の内壁面14との隙間の範囲内に収まるようになるまで上記の手順を繰り返し行って、ディスク22の背面23を周方向に沿って削り込み加工する。
本実施形態に係る圧縮機のインペラ20によれば、ディスク22の背面23に周方向に沿った凹所24を設けるだけで、当該インペラ20を常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラ20に遠心力のみを加えたときに、当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、ディスク22の背面23の側に、定格運転中に燃焼器3(図1参照)が発する熱量と同等の熱量を発する熱源28を置いて、当該インペラ20に熱のみを加えたときに、その輻射熱により当該インペラ20の吐出側の端部27が、回転軸線Cの軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前のブレード21の先端とインペラ20を収容するケーシング7の内壁面14との隙間の範囲内に収まる。
すなわち、ターボシャフトエンジン1に適用される遠心圧縮機2に用いられた場合でも、当該インペラ20と、このインペラ20を収容するケーシング7とのチップクリアランスが略一定に維持されることとなり、運転中にインペラ20とケーシング7とが接触することも防ぐことができる。よって、安全を見越した必要以上に過大なチップクリアランスを設定することによる性能低下を回避することができる。
また、これにより、インペラ20とケーシング7とのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができ、かつ、軽量化を図ることができる。
すなわち、ターボシャフトエンジン1に適用される遠心圧縮機2に用いられた場合でも、当該インペラ20と、このインペラ20を収容するケーシング7とのチップクリアランスが略一定に維持されることとなり、運転中にインペラ20とケーシング7とが接触することも防ぐことができる。よって、安全を見越した必要以上に過大なチップクリアランスを設定することによる性能低下を回避することができる。
また、これにより、インペラ20とケーシング7とのチップクリアランスを、特別な機構を設けることなく略一定に維持することができ、かつ、軽量化を図ることができる。
本実施形態に係るインペラ20を具備した遠心圧縮機2によれば、圧縮性能の低下を防止することができ、圧縮性能を高効率に維持することができて、圧縮機全体の軽量化を図ることができる。
本実施形態に係るインペラ20を具備したターボシャフトエンジン1によれば、推進性能の低下を防止することができ、推進性能を高効率に維持することができて、航空用ガスタービン全体の軽量化を図ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更・変形が可能である。
例えば、本発明は新規設計または新規製造のみに適用され得るものではなく、既存のインペラに対して凹所を追加工する補修や改造に適用することも可能である。
また、本発明は航空用ガスタービンのみに適用され得るものではなく、産業用ガスタービン、舶用過給機、自動車用過給機等にも適用可能である。
例えば、本発明は新規設計または新規製造のみに適用され得るものではなく、既存のインペラに対して凹所を追加工する補修や改造に適用することも可能である。
また、本発明は航空用ガスタービンのみに適用され得るものではなく、産業用ガスタービン、舶用過給機、自動車用過給機等にも適用可能である。
1 ターボシャフトエンジン(ガスタービン)
2 遠心圧縮機(圧縮機)
3 燃焼器
20 インペラ
21 ブレード
22 ディスク
23 背面(大径側の軸方向端面)
24 凹所
25 外周端(大径側の径方向側面)
50 インペラ
51 ブレード
52 ディスク
53 背面(大径側の軸方向端面)
C 回転軸線
2 遠心圧縮機(圧縮機)
3 燃焼器
20 インペラ
21 ブレード
22 ディスク
23 背面(大径側の軸方向端面)
24 凹所
25 外周端(大径側の径方向側面)
50 インペラ
51 ブレード
52 ディスク
53 背面(大径側の軸方向端面)
C 回転軸線
Claims (5)
- ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラであって、
前記ディスクの大径側の軸方向端面に、周方向に沿った凹所が設けられており、
前記凹所は、当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、
前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前の前記ブレードの先端と前記インペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まるように形成されていることを特徴とする圧縮機のインペラ。 - 請求項1に記載の圧縮機のインペラを具備してなることを特徴とする圧縮機。
- 請求項2に記載の圧縮機を具備してなることを特徴とする航空用ガスタービン。
- ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラの製造方法であって、
前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向上流側に倒れる変形量を把握し、
当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向下流側に倒れて、熱のみによる前記変形量を相殺するような前記ディスクの大径側の軸方向端面の削り込み部を把握して、前記ディスクの大径側の軸方向端面に、前記削り込み部に対応する凹所を周方向に沿って削り込み加工することを特徴とする圧縮機のインペラの製造方法。 - ディスクと、前記ディスクの周囲に配置された複数枚のブレードとを備える圧縮機のインペラの設計方法であって、
当該インペラを常温にて定格回転数で回転させて、当該インペラに遠心力のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、回転軸線の軸方向下流側に倒れる第1の変形量と、
前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に、定格運転中に燃焼器が発する熱量と同等の熱量を発する熱源を置いて、当該インペラに熱のみを加えたときに、当該インペラの吐出側の端部が、前記回転軸線の軸方向上流側に倒れる第2の変形量とが等しくなるか、あるいは、第1の変形量と第2の変形量との差が、変形前の前記ブレードの先端と前記インペラを収容するケーシングの内壁面との隙間の範囲内に収まるように、
前記ディスクの大径側の軸方向端面の側に設ける周方向に沿った凹所の形状を計算して決定することを特徴とする圧縮機のインペラの設計方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009100946A JP2010249070A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 遠心圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009100946A JP2010249070A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 遠心圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010249070A true JP2010249070A (ja) | 2010-11-04 |
Family
ID=43311660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009100946A Withdrawn JP2010249070A (ja) | 2009-04-17 | 2009-04-17 | 遠心圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010249070A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012219723A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-12 | Ihi Corp | コンプレッサ羽根車 |
US11401828B2 (en) | 2018-12-21 | 2022-08-02 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Asymmetric turbomachinery housing for thermal expansion |
CN115041857A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-13 | 西安陕鼓动力股份有限公司 | 焊接变位机用叶轮防滑落防倾倒的工装套装及其使用方法 |
-
2009
- 2009-04-17 JP JP2009100946A patent/JP2010249070A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012219723A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-12 | Ihi Corp | コンプレッサ羽根車 |
US11401828B2 (en) | 2018-12-21 | 2022-08-02 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Asymmetric turbomachinery housing for thermal expansion |
CN115041857A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-13 | 西安陕鼓动力股份有限公司 | 焊接变位机用叶轮防滑落防倾倒的工装套装及其使用方法 |
CN115041857B (zh) * | 2022-07-01 | 2023-10-20 | 西安陕鼓动力股份有限公司 | 焊接变位机用叶轮防滑落防倾倒的工装套装及其使用方法 |
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