JP2006160351A - 充填バルブ - Google Patents

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征司 後藤
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康隆 鈴木
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真治 石倉
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Abstract

【課題】 充填バルブの液吐出口近傍における液体の乱流エネルギおよびその流速差を均一化して、容器への液体の充填流形を安定させる充填バルブを提供することにある。
【解決手段】 弁体8が当接する液体流路4の弁座9を、外側に凸となる外側凸部9aと、外側凸部9aの下部に連続し、内側に凸となる第1の内側凸部9bと、第1の内側凸部9bの下部に連続し、内側に凸となる第2の内側凸部9cとに形成し、第1の内側凸部9bの下端を第2の内側凸部9cの下端に形成される液体吐出口4aより大きくして、第1の内側凸部9bにて剥離した液体の流れを第2の内側凸部9cに接触するようにし、液吐出口4a近傍における液体の乱流のエネルギおよびその流速差を均一化し、容器への液体の充填流形を安定させた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、飲料などの液体を容器に充填する液体充填装置の充填バルブに関する。
液体充填装置は、飲料などの液体を溜める液タンクと、この液タンクに開口して連結する液体供給管と、この液体供給管に連結し、充填バルブ本体に形成され、弁体により開閉される液体流路を有する充填バルブを備えており、前記液体流路を開状態にして、液体を前記液タンク、前記液体供給管および前記充填バルブを通って、容器に充填するようになっている。
充填バルブの一例として、図6に示すような形状のものがある。充填バルブ30では、充填バルブ本体31に形成された液体流路32内には略円錐状の液弁33の頂部が下方に向けて配置される。液弁33は、液体流路32の下端の液吐出口32a近傍に形成された弁座34に当接したり、離間したりする。弁座34は、外側に凸となる曲面からなる外側凸部34aと、外側凸部34aの下端に接続し、内側に凸となる曲面からなる内側凸部34bとを有する。ただし、外側凸部34aおよび内側凸部34bは、水平から約45°以上傾いた接線にそれぞれ接する。
特許文献1には、充填ノズル内の液通路を上方から下方に向けて次第に小径になるテーパ状にして容器内に充填する充填液の整流効果を高めている充填バルブが記載されている。
特開2004−136927号公報
上述した充填バルブ30内の液体の流速を解析した結果を図7に示す。ただし、ハッチングの目が細かくなるほど、液体の流れが速くなることを示す。この図に示すように、液吐出口32a近傍では、中心から側壁35にかけて液体の流れが異なる領域が細かく分布している。また、充填バルブ30内の液体の乱流エネルギを解析した結果、図8に示す。ただし、ハッチングの目が細かくなるほど、液体の乱流エネルギが大きくなることを示す。この図に示すように、液吐出口32a近傍では、側壁35付近、中心、中心と側壁35との間の順に液体の乱流エネルギが小さくなっている。すなわち、液体流路32の中心近傍では乱流エネルギが小さくなっているものの、その外側では乱流エネルギが大きい為、液体の流速差が大きくなり容器への液体の充填流形が乱れて充填中の泡立ち等が大きくなってしまうという問題があった。
特許文献1に記載される充填バルブでは、充填ノズル内の液通路を上方から下方に向けて次第に小径になるテーパ状にして容器内に充填する充填液の整流効果を高めているものの、充填液通路の下端にて液体の流れが剥離して、乱流エネルギが大きくなり、容器への充填流形が乱れて充填中の泡立ち等が大きくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、充填バルブの液吐出口近傍における液体の乱流エネルギおよびその流速差を均一化して、容器への液体の充填流形を安定させる充填バルブを提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係る充填バルブは、弁体の離間および当接により液体が流通する液体流路を開閉して、容器に前記液体を充填する充填バルブであって、前記弁体が当接する液体流路の弁座を、外側に凸となる外側凸部と、前記外側凸部の下部に連続し、内側に凸となる第1の内側凸部と、前記第1の内側凸部の下部に連続し、内側に凸となる第2の内側凸部とにより形成し、前記第1の内側凸部の下端を前記第2の内側凸部の下端に形成される液体吐出口より大きくして、前記第1の内側凸部にて剥離した前記液体の流れを前記第2の内側凸部に接触するようにしたことを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係る充填バルブは、第1の発明の充填バルブであって、前記第1の内側凸部の下端を前記液吐出口の1.1〜1.4倍の大きさにすることを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係る充填バルブは、第1の発明または第2の発明に記載された充填バルブであって、前記外側凸部、前記第1の内側凸部および前記第2の内側凸部のそれぞれに接する接線の傾きを45°より大きくすることを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明に係る充填バルブは、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに記載された充填バルブであって、前記外側凸部、前記第1の内側凸部および前記第2の内側凸部を、前記液体流路を形成する充填バルブ本体と一体的に形成したことを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明に係る充填バルブは、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに記載された充填バルブであって、前記第2の内側凸部を、前記第1の内側凸部の下部にて前記液体流路に内装された充填流形安定具により形成したことを特徴とする。
上述した課題を解決する第6の発明に係る充填バルブは、第5の発明に記載された充填バルブであって、前記充填流形安定具が、上端部に前記第2の内側凸部を形成する円筒部と、該円筒部の下部外周に設けられ、前記液体流路内への内装位置を決める鍔部とを有することを特徴とする。
第1の発明に係る充填バルブによれば、第1の内側凸部の下端にて剥離した液体の流れが第2の内側凸部に接触して、液体吐出口における液体の乱流エネルギが均一化される。また、液体の乱流エネルギが低いエネルギにて均一化されるので、流速差も均一化される。その結果、容器への液体の充填流形が安定し、充填中の泡立ち、およびその時の泡巻き込みを無くすことができる。
第2の発明に係る充填バルブによれば、第1の発明に記載の充填バルブと同様な作用効果を奏する他、第1の内側凸部の下端にて剥離した液体の流れが第2の内側凸部に効率良く接触するようになり、容器への液体の充填流形が一層安定する。
第3の発明に係る充填バルブによれば、第1の発明および第2の発明に記載の充填バルブと同様な作用効果を奏する他、第1の内側凸部の下端にて剥離した液体の流れが第2の内側凸部にさらに効率良く接触するようになり、容器への液体の充填流形がより一層安定する。
第4の発明に係る充填バルブによれば、第1の発明ないし第3の発明に記載の充填バルブと同様な作用効果を奏する他、部品点数が少なくなり、製造コストの増加を抑制することができる。
第5の発明に係る充填バルブによれば、第1の発明ないし第3の発明に記載の充填バルブと同様な作用効果を奏する他、充填バルブを大幅に設計変更する必要がないので、製造コストの増加を抑制することができる。
第6の発明に係る充填バルブによれば、第5の発明に記載の充填バルブと同様な作用効果を奏する他、充填バルブ本体に形成された液体流路の下端の液吐出口に容易に取り付けることができる。
以下に、本発明に係る充填バルブを実施するための最良の形態を実施例に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る充填バルブを有する液体充填装置の概略図であり、図2は、図1における囲み線IIの拡大図である。図3は充填バルブの液吐出口近傍における液体の流速を解析した図であり、この図におけるハッチングは液体の速度分布を示しており、ハッチングの目が細かくなるほど液体の流れが速くなることを示す。図4は充填バルブの液吐出口近傍における乱流エネルギを解析した図であり、この図におけるハッチングは液体の乱流エネルギ分布を示しており、ハッチングの目が細かくなるほど乱流エネルギが大きくなることを示す。
本発明の第1の実施例に係る充填バルブを有する液体充填装置20は、図1に示すように、飲料などの液体を溜める液タンク1と、液タンク1に開口して接続された液体供給管2と、液体供給管2に連結され、充填バルブ本体3に形成された液体流路4を備えた充填バルブ5とを有している。液タンク1に溜められた液体を、液体供給管2、充填バルブ5を通って、グリッパ12が有する保持アーム13に頚部が把持された容器14に充填するようになっている。
液体流路4には、ロッド6を介してエアシリンダ7に連結された略円錐状の液弁8の頂部が下方に向けて配置されている。液体流路4の下端(後述する第2の内側凸部9cの下端)に形成される液吐出口4a近傍には、液弁8が当接(着座)する弁座9が形成されている。ロッド6の昇降に連動して液弁8が離間・当接し、液体流路4の開閉が切り替え可能になっている。液体供給管2には、液体供給管2内の液体の流量を計測する電磁流量計10、および液体供給管2内の液体の流量を制御する流量制御弁11が介在している。
ここで、液体流路4の弁座9は、図2に示すように、上方から下方にかけて、外側に凸となる外側凸部9aと、外側凸部9aの下部に連続し、内側(液弁8側)に凸となる第1の内側凸部9bと、第1の内側凸部9bの下部に連続し、さらに内側に凸となる第2の内側凸部9cとで形成されている。
ただし、第1の内側凸部9bの下端における直径D1は、外側凸部9aの下端の直径D2より小さく、液吐出口4aの直径D3より大きく、液吐出口4aの直径D3の約1.1〜1.4倍となっており、例えば液吐出口4aの直径D3は13mm、第1の内側凸部9bの下端における直径D1は16mmとなっている。また、外側凸部9a、第1の内側凸部9bおよび第2の内側凸部9cは、水平からの角度θ1,θ2,θ3が約45°以上となる接線L1,L2,L3にそれぞれ接しており、例えば外側凸部9aは半径6mmの円弧、第1の内側凸部9bは半径18mmの円弧、第2の内側凸部9cは半径4mmの円弧となっている。垂直断面における外側凸部9aに接する2つの接線L1,L1´間の角度θ4は、87.42°となっている。弁座9を上述したような形状にすることで、第1の内側凸部9bにて剥離した液体の流れは第2の内側凸部に接触するようになる。
図3に示すように、液体流路4内における液体の流れは、液吐出口4a近傍では、従来の充填ノズルに比べて、中心と側壁15との間における液体の流れが遅くなっていることが分かる。また、液体流路4の中心からその側壁15近傍にかけて、液体が速い流れにて均一になっていることが分かる。
図4に示すように、液体流路4内における乱流エネルギは、液吐出口4aにおける側壁15近傍では、従来の充填ノズルに比べて小さくなっていることが分かる。また、液体流路4の中心からその側壁15近傍まで、乱流エネルギの差が小さく、液体の乱流エネルギが低いエネルギにて均一化されるので、流速差も均一化される。よって、充填ノズル5を通った液体を容器へ充填する際の充填流形が安定し、充填中の泡立ち、およびその時の泡の巻き込みを無くすことができる。また、外側凸部9a、第1の内側凸部9bおよび第2の内側凸部9cを、液体流路4を形成する充填バルブ本体3と一体に形成したことにより、部品点数が少なくなり、製造コストの増加を抑制することができる。
図5は、本発明の第2の実施例に係る充填バルブの概略図である。
第2の実施例に係る充填バルブは、上述した第1の実施例に係る充填バルブの先端近傍の形状を変えたものであり、同じ構造を有する。上述した充填バルブと同一部材には同一符号を付記してその説明を省略する。
本発明の第2の実施例に係る充填バルブ21では、図5に示すように、液体流路4の図中下端にキャップ状に形成され、容器への液体の充填流形を安定化させる充填流形安定具22が配置されている。充填流形安定具22は、液体流路4における液吐出口4aに取り付け可能になっている。これは、液体流路4の液吐出口4aに接合する円筒22aと、円筒22aの外周に形成され、円筒22aが液体流路4内に入り込み過ぎないように液吐出口4aに引っ掛かる鍔部22bとを有する。充填流形安定具22の円筒22aにおける上部22cは、垂直断面にて内側に凸となる円弧状に形成されており、液体流路4の第1の内側凸部9bにて剥離した流れが充填流形安定具22の円筒22aの上部22cにて接触するようになっている。
したがって、充填バルブ21によれば、第1の実施例に係る充填バルブと同様な作用効果を奏する他、液体流路4の液吐出口4aに容易に取り付けることができる。その上、充填バルブ21を大幅に設計変更する必要が無いので、製造コストの増加を抑制することができる。
本発明は、液体を容器に充填する液体充填装置の充填バルブに利用することが可能である。
本発明の第1の実施例に係る充填バルブを有する液体充填装置の概略図である。 図1における囲み線IIの拡大図である。 本発明の第1の実施例に係る充填バルブの液体吐出口近傍における液体の流速を解析した図である。 本発明の第1の実施例に係る充填バルブの液体吐出口近傍における液体の乱流エネルギを解析した図である。 本発明の第2の実施例に係る充填バルブの概略図である。 従来の充填バルブの概略図である。 従来の充填バルブの液体吐出口近傍における液体の流速を解析した図である。 従来の充填バルブの液体吐出口近傍における液体の乱流エネルギを解析した図である。
符号の説明
1 液タンク
2 液体供給管
3 充填バルブ本体
4 液体流路
5 充填バルブ
6 ロッド
7 エアシリンダ
8 液弁
9 弁座
10 電磁流量計
11 流量制御弁
12 グリッパ
13 保持アーム
14 容器
20 液体充填装置

Claims (6)

  1. 弁体の離間および当接により液体が流通する液体流路を開閉して、容器に前記液体を充填する充填バルブであって、
    前記弁体が当接する液体流路の弁座を、外側に凸となる外側凸部と、前記外側凸部の下部に連続し、内側に凸となる第1の内側凸部と、前記第1の内側凸部の下部に連続し、内側に凸となる第2の内側凸部とにより形成し、
    前記第1の内側凸部の下端を前記第2の内側凸部の下端に形成される液体吐出口より大きくして、前記第1の内側凸部にて剥離した前記液体の流れを前記第2の内側凸部に接触するようにした
    ことを特徴とする充填バルブ。
  2. 前記第1の内側凸部の下端を前記液吐出口の1.1〜1.4倍の大きさにする
    ことを特徴とする請求項1に記載された充填バルブ。
  3. 前記外側凸部、前記第1の内側凸部および前記第2の内側凸部のそれぞれに接する接線の傾きを45°より大きくする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された充填バルブ。
  4. 前記外側凸部、前記第1の内側凸部および前記第2の内側凸部を、前記液体流路を形成する充填バルブ本体と一体的に形成した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された充填バルブ。
  5. 前記第2の内側凸部を、前記第1の内側凸部の下部にて前記液体流路に内装された充填流形安定具により形成した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された充填バルブ。
  6. 前記充填流形安定具は、上端部に前記第2の内側凸部を形成する円筒部と、該円筒部の下部外周に設けられ、前記液体流路内への内装位置を決める鍔部とを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載された充填バルブ。
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