JP2006158162A - モータ駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、複数のパワートランジスタによりHブリッジ回路を構成したモータ駆動回路において、電源の出力電圧が低下、あるいは接地電位(グランド)となった場合でも、逆起電力などによる過電圧からモータ駆動回路自体及びモータを保護することを目的とする。
【解決手段】本発明のモータ駆動回路においては、出力回路が直列接続された2組の電源側出力トランジスタ及びグランド側出力トランジスタによるHブリッジ回路構成を有しており、制御電圧生成手段が出力回路への制御信号を制御し、電源電圧検出回路は電源電圧を検出して、検出した電源電圧が所定の電圧より低下すると電源側出力トランジスタをオン状態とするよう構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のモータ駆動回路においては、出力回路が直列接続された2組の電源側出力トランジスタ及びグランド側出力トランジスタによるHブリッジ回路構成を有しており、制御電圧生成手段が出力回路への制御信号を制御し、電源電圧検出回路は電源電圧を検出して、検出した電源電圧が所定の電圧より低下すると電源側出力トランジスタをオン状態とするよう構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流モータを駆動するモータ駆動回路に関し、特に、複数のパワートランジスタによりHブリッジ回路が構成され直流モータを正逆方向に駆動制御するモータ駆動回路に関する。
従来のモータ駆動回路としては、複数のパワートランジスタによりHブリッジ回路が構成されて、直流モータを正逆方向に駆動制御する回路構成が特許文献1(特開2001−037276号公報)に示されている。図7は特許文献1のモータ駆動回路の構成を示すブロック図である。
以下、特許文献1に開示された従来のモータ駆動回路について説明する。
図7において、従来のモータ駆動回路であるドライバ310には電源回路312が内蔵されており、この電源回路312は電源300の交流電圧100Vを両波整流して直流定電圧に変換して出力する。電源回路312は分岐点Pを介してHブリッジ回路314と電源電圧検出回路320に接続されており、電源回路312の出力がHブリッジ回路314と電源電圧検出回路320に入力されるよう構成されている。
図7において、従来のモータ駆動回路であるドライバ310には電源回路312が内蔵されており、この電源回路312は電源300の交流電圧100Vを両波整流して直流定電圧に変換して出力する。電源回路312は分岐点Pを介してHブリッジ回路314と電源電圧検出回路320に接続されており、電源回路312の出力がHブリッジ回路314と電源電圧検出回路320に入力されるよう構成されている。
Hブリッジ回路314は2つの電源側出力トランジスタQ1,Q3、及び2つのグランド側出力トランジスタQ2,Q4を有する。計4個の出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4において、第1の出力トランジスタQ1と第2の出力トランジスタQ2との接続点が正極モータ端子M+に接続されており、第3の出力トランジスタQ3と第4の出力トランジスタQ4との接続点が負極モータ端子M−に接続されている。これらの正極モータ端子M+と負極モータ端子M−にモータMが接続され、それぞれのモータ端子M+,M−からの駆動電流によりモータMが駆動される。
電源回路312に接続された電源電圧検出回路320は、複数のツェナーダイオードD5,D6,D7と抵抗R5とを直列接続して構成されている。電源電圧検出回路320におけるツェナーダイオードD5のカソードは分岐点Pに接続されており、最後段の抵抗R5はモータ電圧検出回路316に接続される。
電源回路312に接続された電源電圧検出回路320は、複数のツェナーダイオードD5,D6,D7と抵抗R5とを直列接続して構成されている。電源電圧検出回路320におけるツェナーダイオードD5のカソードは分岐点Pに接続されており、最後段の抵抗R5はモータ電圧検出回路316に接続される。
ドライバ310に内蔵されたモータ電圧検出回路316は、正極モータ端子M+と負極モータ端子M−とに接続され、各モータ端子M+,M−の出力電圧の平均を検出する。モータ電圧検出回路316は検出された平均電圧からフィードバック電圧Fを生成して誤差増幅回路322に出力する。
図7に示すように、モータ電圧検出回路316において、正極モータ端子M+が抵抗R6の一端に接続され、抵抗R6の他端が抵抗R8とコンデンサC1と抵抗R10に接続される。抵抗R8とコンデンサC1の各他端は接地されている。抵抗R10の他端は一端が接地された抵抗R12と演算増幅器IC1の正相入力端子に接続される。一方、負極モータ端子M−が抵抗R7の一端に接続され、抵抗R7の他端が抵抗R9とコンデンサC2と抵抗R11に接続されるとともに、電源電圧検出回路320の抵抗R5に接続される。また、抵抗R9とコンデンサC2の各他端は接地されている。抵抗R11の他端は演算増幅器IC1の逆相入力端子に接続されている。演算増幅器IC1の逆相入力端子と出力は、抵抗R13を介して接続されている。演算増幅器IC1の出力がフィードバック電圧Fとなり、誤差増幅回路322へ出力される。このように構成されたモータ電圧検出回路316において、コンデンサC1には正極モータ端子M+の平均電圧に相当する電流が蓄積され、一方、コンデンサC2には負極モータ端子M−の平均電圧に相当する電流が蓄積される。
図7に示すように、モータ電圧検出回路316において、正極モータ端子M+が抵抗R6の一端に接続され、抵抗R6の他端が抵抗R8とコンデンサC1と抵抗R10に接続される。抵抗R8とコンデンサC1の各他端は接地されている。抵抗R10の他端は一端が接地された抵抗R12と演算増幅器IC1の正相入力端子に接続される。一方、負極モータ端子M−が抵抗R7の一端に接続され、抵抗R7の他端が抵抗R9とコンデンサC2と抵抗R11に接続されるとともに、電源電圧検出回路320の抵抗R5に接続される。また、抵抗R9とコンデンサC2の各他端は接地されている。抵抗R11の他端は演算増幅器IC1の逆相入力端子に接続されている。演算増幅器IC1の逆相入力端子と出力は、抵抗R13を介して接続されている。演算増幅器IC1の出力がフィードバック電圧Fとなり、誤差増幅回路322へ出力される。このように構成されたモータ電圧検出回路316において、コンデンサC1には正極モータ端子M+の平均電圧に相当する電流が蓄積され、一方、コンデンサC2には負極モータ端子M−の平均電圧に相当する電流が蓄積される。
ドライバ310に内蔵された目標電圧設定回路318は、外部からの上昇指令または下降指令を示す信号がUP端子またはDW端子に入力され、その入力信号に応じて、モータMのモータ電圧の目標値Tを設定する。誤差増幅回路322は目標電圧設定回路318から出力された目標値Tとモータ電圧検出回路316から出力されたフィードバック電圧Fとの誤差を増幅した誤差電圧YをPWM回路324へ出力する。PWM回路324は誤差増幅回路322から出力された誤差電圧YとPWM回路324の内部で作成された三角波電圧とを比較し、誤差電圧Yに比例した電圧がモータ電圧の平均値となるパルス幅のPWM信号を出力する。このように設定されたパルス幅を有するPWM信号がロジック回路326へ入力され、Hブリッジ回路314のスイッチング素子である4つの出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4をオン・オフ動作させるための信号を生成する。このとき生成された信号は、各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4に対応するAH端子,BH端子,AL端子,BL端子から出力され、それらの信号はHレベルあるいはLレベルの信号となる。
上記のように構成された従来のモータ駆動回路において、通常回転時はAH端子とBL端子とを組とし、そしてBH端子とAL端子とを組として処理され、第1と第4の出力トランジスタQ1とQ4の組、及び第2と第3の出力トランジスタQ2とQ3の組を同時にオン・オフ動作させる。このようにして、第1と第4の出力トランジスタQ1とQ4を同時にオン動作させ、このとき第2と第3の出力トランジスタQ2とQ3を同時にオフ動作させることにより、モータMを順方向に回転(例えば、負荷の上昇動作)させることができる。反対に、第1と第4の出力トランジスタQ1とQ4を同時にオフ動作させ、このとき第2と第3の出力トランジスタQ2とQ3を同時にオン動作させることにより、モータMを逆方向に回転(例えば、負荷の下降動作)させることができる。
モータMが停止している状態から逆方向に回転した場合、誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分により、電源電圧が上昇する。このとき、電源電圧検出回路320によって予め設定されている所定の電圧を超えると、電源電圧検出回路320中のツェナーダイオードD5,D6,D7が導通し、抵抗R5を介してコンデンサC2を充電する。その結果、演算増幅器IC1の逆相入力端子の入力電圧が上昇し、そのときのフィードバック電圧Fが誤差増幅回路322に入力され、PWM回路324の順方向回転のデューティを増加させる。その結果、ロジック回路326はHブリッジ回路314の各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4を駆動制御し、モータMの逆回転動作にブレーキをかける。したがって、図7に示した従来のモータ駆動回路は、モータMによって誘起された逆起電力の影響を抑えることができ、モータ駆動回路自体及びモータMを保護することが可能となる。
前述の従来のモータ駆動回路の技術は、電源回路312が各回路を動作させるために適正な電源電圧を出力している状態であり、モータMが逆方向に回転した場合に発生する逆起電力による影響を順方向に回転させるデューティを増加させることにより、打ち消すよう構成した技術である。しかしながら、デジタルカメラや、デジタルビデオカメラなどの携帯装置では一般に乾電池や充電式電池がその電源として使用されており、それら電池の出力が低下したとき、あるいは、接地電位(グランド)となった場合には、前述のPWM回路324やロジック回路326が動作しないため、このような携帯装置においては逆起電力が発生した場合に、その逆起電力からドライバ即ち、モータ駆動回路及びモータMを保護することができないという問題があった。この問題を解決することがこの分野における重要な課題であった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、複数のパワートランジスタによりHブリッジ回路を構成したモータ駆動回路において、電源の出力電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合でも、逆起電力などによる過電圧からモータ駆動回路自体及びモータを保護することができるモータ駆動回路を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するため、適正な電源電圧が印加されている場合に動作する制御電圧生成手段と並列に、電源電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合に保護機能として動作する制御系回路を設けている。この制御系回路は、電源電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合に、電源電圧検出回路が電源電圧の低下を検出し、電源側出力トランジスタをオン状態とすることにより、モータ端子に発生した誘起電圧ノイズ成分を電源側へ回生させ、モータに対してブレーキをかけるよう構成されている。
本発明においては、電源電圧検出回路に設けた論理合成手段により、適正な電源電圧が印加されている場合に動作する制御電圧生成手段との論理合成を行い、その出力にプルダウン手段が設けられている。そのため、電源電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合、電源電圧の低下程度により、論理合成手段の出力あるいはプルダウン手段を用いることにより、電源電圧検出回路の出力をLレベル電位として、Hブリッジを構成する電源側出力トランジスタをPチャネル型MOSFETとすることにより、電源側出力トランジスタをオン状態させることができ、モータ端子に発生した過電圧を電源へ回生させることができる。
本発明のモータ駆動回路は、請求項1に記載したように、直列接続された電源側出力トランジスタとグランド側出力トランジスタを2組有し、それぞれの中間接続点をモータに対する出力端子とする出力回路、
前記出力回路に対する制御信号を出力する制御電圧生成手段、及び
電源電圧を検出し、検出した前記電源電圧が所定の電圧より低下したとき前記電源側出力トランジスタをオン状態とする信号を出力する電源電圧検出回路、を具備するよう構成される。このように構成された本発明のモータ駆動回路は、電源の出力電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合でも、逆起電力などによる過電圧からモータ駆動回路自体及びモータを保護することができる。
前記出力回路に対する制御信号を出力する制御電圧生成手段、及び
電源電圧を検出し、検出した前記電源電圧が所定の電圧より低下したとき前記電源側出力トランジスタをオン状態とする信号を出力する電源電圧検出回路、を具備するよう構成される。このように構成された本発明のモータ駆動回路は、電源の出力電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合でも、逆起電力などによる過電圧からモータ駆動回路自体及びモータを保護することができる。
本発明によれば、電源電圧が低下し、あるいは接地電位(グランド)となった場合でも、モータに発生する逆起電力に対してモータ駆動回路及びそのモータ駆動回路により駆動されるモータを確実に保護することができるという優れた効果を有するモータ駆動回路を提供することができる。
以下、本発明のモータ駆動回路の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。
《第1の実施の形態》
図1は本発明に係る第1の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Aの構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Aには、直流電圧VCCを出力する電源200が接続されている。ドライバ10Aが内蔵するHブリッジ回路14は電源側出力トランジスタQ1,Q3、グランド側出力トランジスタQ2,Q4、これらの各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4と並列に接続されるダイオードD1,D2,D3,D4、及び各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4のゲートにそれぞれの一端が接続された抵抗R1,R2,R3,R4によって構成される。抵抗R1の他端は後述する電源電圧検出回路50の出力端子であるAAH端子に接続され、抵抗R2の他端は後述する制御電圧生成手段28のAL端子に接続され、抵抗R3の他端は電源電圧検出回路50のBBH端子に接続され、そしてR4の他端は制御電圧生成手段28のBL端子に接続されている。
なお、以下の説明において、AL端子から出力される信号をALと表示し、BL端子から出力される信号をBLと表示し、AAH端子から出力される信号をAAHと表示し、BBH端子から出力される信号をBBHと表示する。
図1は本発明に係る第1の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Aの構成を示すブロック図である。
第1の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Aには、直流電圧VCCを出力する電源200が接続されている。ドライバ10Aが内蔵するHブリッジ回路14は電源側出力トランジスタQ1,Q3、グランド側出力トランジスタQ2,Q4、これらの各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4と並列に接続されるダイオードD1,D2,D3,D4、及び各出力トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4のゲートにそれぞれの一端が接続された抵抗R1,R2,R3,R4によって構成される。抵抗R1の他端は後述する電源電圧検出回路50の出力端子であるAAH端子に接続され、抵抗R2の他端は後述する制御電圧生成手段28のAL端子に接続され、抵抗R3の他端は電源電圧検出回路50のBBH端子に接続され、そしてR4の他端は制御電圧生成手段28のBL端子に接続されている。
なお、以下の説明において、AL端子から出力される信号をALと表示し、BL端子から出力される信号をBLと表示し、AAH端子から出力される信号をAAHと表示し、BBH端子から出力される信号をBBHと表示する。
図1に示すように、第1の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Aにおいては、電源側出力トランジスタQ1及びQ3をPチャネル型MOSFETで構成し、グランド側出力トランジスタQ2及びQ4をNチャネル型MOSFETで構成している。
電源側出力トランジスタQ1のソース及びダイオードD1のカソードは、分岐点Pを介して電源200に接続されており、直流電圧VCCが印加されるよう構成されている。そして電源側出力トランジスタQ1のドレインはダイオードD1のアノードに接続される。電源側出力トランジスタQ1のゲートは抵抗R1を介して、電源電圧検出回路50の出力端子であるAAH端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ1のドレインはグランド側出力トランジスタQ2のドレインに接続されており、その接続点が正極モータ端子M+に接続されている。グランド側出力トランジスタQ2のドレインはダイオードD2のカソードに接続されている。グランド側出力トランジスタQ2のソースはダイオードD2のアノードに接続されており、その接続点は接地されている。グランド側出力トランジスタQ2のゲートは抵抗R2を介して制御電圧生成手段28の出力端子であるAL端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ3及びグランド側出力トランジスタQ4も同様に、電源側出力トランジスタQ3のソース及びダイオードD3のカソードは、分岐点Pを介して電源200に接続されており、直流電圧VCCが印加されるよう構成されている。そして電源側出力トランジスタQ3のドレインはダイオードD3のアノードに接続される。電源側出力トランジスタQ3のゲートは抵抗R3を介して、電源電圧検出回路50の出力端子であるBBH端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ3のドレインはグランド側出力トランジスタQ4のドレインに接続されており、その接続点が負極モータ端子M−に接続されている。グランド側出力トランジスタQ4のドレインはダイオードD4のカソードに接続されている。グランド側出力トランジスタQ4のソースはダイオードD4のアノードに接続されており、その接続点は接地されている。グランド側出力トランジスタQ4のゲートは抵抗R4を介して制御電圧生成手段28の出力端子であるBL端子に接続される。
前述の正極モータ端子M+及び負極モータ端子M−には正逆動作するアクチュエータモータ(以後モータMと称する)が接続され駆動される。
電源側出力トランジスタQ1のソース及びダイオードD1のカソードは、分岐点Pを介して電源200に接続されており、直流電圧VCCが印加されるよう構成されている。そして電源側出力トランジスタQ1のドレインはダイオードD1のアノードに接続される。電源側出力トランジスタQ1のゲートは抵抗R1を介して、電源電圧検出回路50の出力端子であるAAH端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ1のドレインはグランド側出力トランジスタQ2のドレインに接続されており、その接続点が正極モータ端子M+に接続されている。グランド側出力トランジスタQ2のドレインはダイオードD2のカソードに接続されている。グランド側出力トランジスタQ2のソースはダイオードD2のアノードに接続されており、その接続点は接地されている。グランド側出力トランジスタQ2のゲートは抵抗R2を介して制御電圧生成手段28の出力端子であるAL端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ3及びグランド側出力トランジスタQ4も同様に、電源側出力トランジスタQ3のソース及びダイオードD3のカソードは、分岐点Pを介して電源200に接続されており、直流電圧VCCが印加されるよう構成されている。そして電源側出力トランジスタQ3のドレインはダイオードD3のアノードに接続される。電源側出力トランジスタQ3のゲートは抵抗R3を介して、電源電圧検出回路50の出力端子であるBBH端子に接続される。
電源側出力トランジスタQ3のドレインはグランド側出力トランジスタQ4のドレインに接続されており、その接続点が負極モータ端子M−に接続されている。グランド側出力トランジスタQ4のドレインはダイオードD4のカソードに接続されている。グランド側出力トランジスタQ4のソースはダイオードD4のアノードに接続されており、その接続点は接地されている。グランド側出力トランジスタQ4のゲートは抵抗R4を介して制御電圧生成手段28の出力端子であるBL端子に接続される。
前述の正極モータ端子M+及び負極モータ端子M−には正逆動作するアクチュエータモータ(以後モータMと称する)が接続され駆動される。
図1に示すように、制御電圧生成手段28は、目標電圧設定回路18、モータ電圧検出回路16、誤差増幅回路22、PWM回路24、及びロジック回路26を有する。
目標電圧設定回路18は、外部からFW端子に入力された順方向の回転指令信号(以後、FW信号と称す)、又はRV端子に入力された逆方向の回転指令信号(以後、RV信号と称す)に応じた目標値Tを生成して、出力する。目標値TはモータMのモータ電圧の目標電圧を示す信号であり、FW信号又はRV信号に対応した信号である。なお、FW信号とRV信号は、FW端子とRV端子へ同時に入力されることはない。
モータ電圧検出回路16にはモータMの端子電圧(M+及びM−)が入力され、フィードバック電圧Fが出力される。このモータ電圧検出回路16は、前述の図7に示した従来のモータ電圧検出回路316の構成において、電源電圧検出回路320からの出力が入力されない構成である。第1の実施の形態におけるモータ電圧検出回路16は、モータMの端子電圧(M+及びM−)の平均電圧がフィードバック電圧Fとして出力される。
目標電圧設定回路18は、外部からFW端子に入力された順方向の回転指令信号(以後、FW信号と称す)、又はRV端子に入力された逆方向の回転指令信号(以後、RV信号と称す)に応じた目標値Tを生成して、出力する。目標値TはモータMのモータ電圧の目標電圧を示す信号であり、FW信号又はRV信号に対応した信号である。なお、FW信号とRV信号は、FW端子とRV端子へ同時に入力されることはない。
モータ電圧検出回路16にはモータMの端子電圧(M+及びM−)が入力され、フィードバック電圧Fが出力される。このモータ電圧検出回路16は、前述の図7に示した従来のモータ電圧検出回路316の構成において、電源電圧検出回路320からの出力が入力されない構成である。第1の実施の形態におけるモータ電圧検出回路16は、モータMの端子電圧(M+及びM−)の平均電圧がフィードバック電圧Fとして出力される。
誤差増幅回路22にはモータ電圧検出回路16の出力であるフィードバック電圧Fと目標電圧設定回路18の出力である目標値Tが入力され、比較される。誤差増幅回路22は比較結果を増幅して誤差電圧YをPWM回路24に出力する。
PWM回路24では、例えばFW信号に応じた目標値Tに対してフィードバック電圧Fが低い場合、誤差増幅回路22の誤差電圧Yに基づき順方向デューティを増加させる。逆に、FW信号に応じた目標値Tに対してフィードバック電圧Fが高い場合、PWM回路24は、誤差増幅回路22の誤差電圧Yに基づき順方向デューティを減少させる。
第1の実施の形態においては、検出方式としてモータMの両端の端子電圧(M+及びM−)を用いたが、モータMに流れる電流による制御などの手段を用いても実現できる。このように設定されたPWM回路24の出力がロジック回路26に入力される。ロジック回路26の出力端子であるAH端子、BH端子、AL端子、BL端子からはそれぞれ信号AH、信号BH、信号AL、信号BLが出力され、これらの信号(AH、BH、AL、BL)が制御電圧生成手段28の出力となる。
PWM回路24では、例えばFW信号に応じた目標値Tに対してフィードバック電圧Fが低い場合、誤差増幅回路22の誤差電圧Yに基づき順方向デューティを増加させる。逆に、FW信号に応じた目標値Tに対してフィードバック電圧Fが高い場合、PWM回路24は、誤差増幅回路22の誤差電圧Yに基づき順方向デューティを減少させる。
第1の実施の形態においては、検出方式としてモータMの両端の端子電圧(M+及びM−)を用いたが、モータMに流れる電流による制御などの手段を用いても実現できる。このように設定されたPWM回路24の出力がロジック回路26に入力される。ロジック回路26の出力端子であるAH端子、BH端子、AL端子、BL端子からはそれぞれ信号AH、信号BH、信号AL、信号BLが出力され、これらの信号(AH、BH、AL、BL)が制御電圧生成手段28の出力となる。
前記制御電圧生成手段28の出力である信号AHは、電源電圧検出回路50の比較器70の出力と論理合成手段91にて論理合成される。論理合成手段91の出力AAHは、プルダウン手段81を介してプルダウンされるとともに、抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1のゲートに入力される。プルダウン手段81は、例えば抵抗あるいは定電流源にて構成される。
同様に、制御電圧生成手段28の出力である信号BHは、電源電圧検出回路50の比較器70の出力と論理合成手段93にて論理合成される。論理合成手段93の出力BBHは、プルダウン手段83を介してプルダウンされるとともに、抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3のゲートに入力される。プルダウン手段83は、例えば抵抗あるいは定電流源にて構成される。
同様に、制御電圧生成手段28の出力である信号BHは、電源電圧検出回路50の比較器70の出力と論理合成手段93にて論理合成される。論理合成手段93の出力BBHは、プルダウン手段83を介してプルダウンされるとともに、抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3のゲートに入力される。プルダウン手段83は、例えば抵抗あるいは定電流源にて構成される。
電源電圧検出回路50は、基準電圧作成回路60、比較器70、2つの論理合成手段91と93、及び2つのプルダウン手段81と83を有する。比較器70には電源電圧VCCと基準電圧作成回路60の出力である基準電圧VREFが入力され比較される。比較器70の出力は論理合成手段91と93のそれぞれに入力される。論理合成手段91と93においては、比較器70の出力と制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHとがそれぞれ論理合成され、信号AAH及び信号BBHをそれぞれが出力する。
図1に示す比較器70はヒステリシスを有し、電源電圧VCCが高電圧から降下する場合、基準電圧作成回路60の出力である基準電圧VREF以上の場合はHレベルの信号を出力し、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREF未満となるとLレベルの信号を出力する。逆に、電源電圧VCCが低電圧から上昇する場合、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREFに予め設定されたヒステリシス幅の電圧を加算した値まで上昇すると、比較器70はその出力をLレベルの信号からHレベルの信号とする。ここで比較器70の出力をHレベルからLレベルに切り替える時の閾値を制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値以上とする。また、比較器70のヒステリシス幅を電源電圧VCCが低下する過渡期に電源電圧VCCに畳重される誘起電圧ノイズ成分よりも大きく設定する。
図1に示す比較器70はヒステリシスを有し、電源電圧VCCが高電圧から降下する場合、基準電圧作成回路60の出力である基準電圧VREF以上の場合はHレベルの信号を出力し、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREF未満となるとLレベルの信号を出力する。逆に、電源電圧VCCが低電圧から上昇する場合、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREFに予め設定されたヒステリシス幅の電圧を加算した値まで上昇すると、比較器70はその出力をLレベルの信号からHレベルの信号とする。ここで比較器70の出力をHレベルからLレベルに切り替える時の閾値を制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値以上とする。また、比較器70のヒステリシス幅を電源電圧VCCが低下する過渡期に電源電圧VCCに畳重される誘起電圧ノイズ成分よりも大きく設定する。
図2は比較器70の出力電圧と電源電圧VCCとの関係を示す図である。
以下、電源電圧VCCの出力状態を、図2に示す(A)、(B)および(C)の状態に分けてそれぞれにおける動作を説明する。
(A)は定常状態[(電源電圧VCC)>(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]である。
(B)は定常状態(A)から電源電圧VCCが低下した状態であり、電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]である。図2において、(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値)をVmaxと表示する。
(C)は、電源電圧低下状態(B)から更に電源電圧VCCが低下した電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]である。
以下、電源電圧VCCの出力状態を、図2に示す(A)、(B)および(C)の状態に分けてそれぞれにおける動作を説明する。
(A)は定常状態[(電源電圧VCC)>(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]である。
(B)は定常状態(A)から電源電圧VCCが低下した状態であり、電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]である。図2において、(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値)をVmaxと表示する。
(C)は、電源電圧低下状態(B)から更に電源電圧VCCが低下した電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93における動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]である。
図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路は、制御電圧生成手段28がPWM回路24を有しているので、適時オン・オフ動作を繰り返すよう構成されている。制御電圧生成手段28の出力である信号AH,BH,AL,BLは、Hレベル又はLレベルの信号となる。
以下の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に挙げて説明する。したがって、制御電圧生成手段28の各出力信号は、AH=AAH=Lレベル、BH=BBH=Hレベル、AL=Lレベル、BL=Hレベルとして電源側出力トランジスタQ1及びグランド側出力トランジスタQ4をオン状態とする。このとき、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ1→正極モータ端子M+→モータM→負極モータ端子M−→グランド側出力トランジスタQ4→接地(グランド)と電流が流れ、モータMは順方向に回転している。
なお、モータMを逆方向に回転させる場合には、電源側出力トランジスタQ3及びグランド側出力トランジスタQ2をオン状態とすれば、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ3→負極モータ端子M−→モータM→正極モータ端子M+→グランド側出力トランジスタQ2→接地(グランド)と電流が流れ、モータMは逆方向に回転する。
以下の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に挙げて説明する。したがって、制御電圧生成手段28の各出力信号は、AH=AAH=Lレベル、BH=BBH=Hレベル、AL=Lレベル、BL=Hレベルとして電源側出力トランジスタQ1及びグランド側出力トランジスタQ4をオン状態とする。このとき、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ1→正極モータ端子M+→モータM→負極モータ端子M−→グランド側出力トランジスタQ4→接地(グランド)と電流が流れ、モータMは順方向に回転している。
なお、モータMを逆方向に回転させる場合には、電源側出力トランジスタQ3及びグランド側出力トランジスタQ2をオン状態とすれば、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ3→負極モータ端子M−→モータM→正極モータ端子M+→グランド側出力トランジスタQ2→接地(グランド)と電流が流れ、モータMは逆方向に回転する。
(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、比較器70の出力は図2に示すようにHレベルである。この時、論理合成手段91は制御電圧生成手段28からの信号AHをAAHとして出力する。同様に、論理合成手段93は制御電圧生成手段28からの信号BHをBBHとして出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して電源側出力トランジスタQ1,Q3をそれぞれオン・オフ動作させる。このように、第1の実施の形態のドライバ10Aにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路50の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、比較器70の出力は図2に示すようにHレベルである。この時、論理合成手段91は制御電圧生成手段28からの信号AHをAAHとして出力する。同様に、論理合成手段93は制御電圧生成手段28からの信号BHをBBHとして出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して電源側出力トランジスタQ1,Q3をそれぞれオン・オフ動作させる。このように、第1の実施の形態のドライバ10Aにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路50の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]
前述の定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源200→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図2に示すように比較器70の出力がLレベルとなる。この時、制御電圧生成手段28は順方向の回転指令信号(FW信号)に基づき、AH=Lレベル、BH=Hレベルを出力しているが、論理合成手段91及び93において比較器70の出力と合成され、AAH=BBH=Lレベルとなり、それぞれ抵抗R1、R3を経由して、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1、Q3ともにオン状態とする。この結果、モータMにブレーキをかけることができ、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源側へと回生させる。ここで、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源200において、電流吸収能力が少ない場合、この逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を吸収するまで過渡的に電源電圧VCCが上昇することとなる。この時、ヒステリシスを有していない比較器を用いると、電源200が適正値に復帰したと誤判定し、電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることを止めて、ブレーキ動作を停止し、再び、回転動作を始めようとする。したがって、ヒステリシスを有していない比較器を用いた場合には、モータ駆動回路及びモータMを破壊する危険がある。
前述の定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源200→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図2に示すように比較器70の出力がLレベルとなる。この時、制御電圧生成手段28は順方向の回転指令信号(FW信号)に基づき、AH=Lレベル、BH=Hレベルを出力しているが、論理合成手段91及び93において比較器70の出力と合成され、AAH=BBH=Lレベルとなり、それぞれ抵抗R1、R3を経由して、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1、Q3ともにオン状態とする。この結果、モータMにブレーキをかけることができ、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源側へと回生させる。ここで、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源200において、電流吸収能力が少ない場合、この逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を吸収するまで過渡的に電源電圧VCCが上昇することとなる。この時、ヒステリシスを有していない比較器を用いると、電源200が適正値に復帰したと誤判定し、電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることを止めて、ブレーキ動作を停止し、再び、回転動作を始めようとする。したがって、ヒステリシスを有していない比較器を用いた場合には、モータ駆動回路及びモータMを破壊する危険がある。
第1の実施の形態のモータ駆動回路では、比較器70のヒステリシス幅を電源電圧VCCが低下する過渡期に電源電圧に畳重される誘起電圧ノイズ成分以上とすることにより、過渡的な電源電圧VCCの上昇のために、ブレーキ動作を停止してしまう不具合を回避することができる。デジタルカメラなどでは内蔵するフラッシュ機能用のコンデンサを充電する時やマイクロコンピュータとのデータ転送時などにおいて、瞬間的に電源電圧VCCが低下し、その後適正電圧に復帰する場合がある。このような場合において、電源電圧低下が制御電圧生成手段28に含まれるロジック回路26の動作下限を下回らない程度までしか低下しないときでも、第1の実施の形態のモータ駆動回路は上記動作によりモータ駆動回路及びモータMを確実に保護することができる。
(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]
前述の電源電圧低下状態(B)から電源電圧VCCが更に低下して、制御電圧生成手段28及び論理合成手段91,93の動作下限電圧のうち最大電圧値以下となり、更には外部から電源200に印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれた場合などにおいて、電源電圧VCCが0V(VCC=0V)まで到ったとき、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子Mには逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28からの信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、論理合成手段91からの信号AAHあるいは論理合成手段93からの信号BBHは不定となる。このようなときでもプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加され、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができる。この結果、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
このように電源200の電圧が低下し、更には電源電圧がVCC=0Vとなった場合でも、モータ端子に誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を、電源側トランジスタをオン状態とすることにより電源200に回生することができる。この結果、モータ駆動回路及びモータが保護されている。また、第1の実施の形態の構成は、前述のように制御電圧生成手段28にて制御される通常動作時の動作には影響を及ぼさずに実現することができる。
なお、第1の実施の形態における制御電圧生成手段28では、PWM回路24を有する回路構成を例として詳述したが、PWM回路24が含まれない回路構成であっても同様の効果を奏することは言及するまでもない。また、第1の実施の形態の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に詳述したが、モータMを逆方向に回転させている場合も同様に対策できることは言及するまでもない。
前述の電源電圧低下状態(B)から電源電圧VCCが更に低下して、制御電圧生成手段28及び論理合成手段91,93の動作下限電圧のうち最大電圧値以下となり、更には外部から電源200に印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれた場合などにおいて、電源電圧VCCが0V(VCC=0V)まで到ったとき、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子Mには逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28からの信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、論理合成手段91からの信号AAHあるいは論理合成手段93からの信号BBHは不定となる。このようなときでもプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加され、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができる。この結果、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
このように電源200の電圧が低下し、更には電源電圧がVCC=0Vとなった場合でも、モータ端子に誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を、電源側トランジスタをオン状態とすることにより電源200に回生することができる。この結果、モータ駆動回路及びモータが保護されている。また、第1の実施の形態の構成は、前述のように制御電圧生成手段28にて制御される通常動作時の動作には影響を及ぼさずに実現することができる。
なお、第1の実施の形態における制御電圧生成手段28では、PWM回路24を有する回路構成を例として詳述したが、PWM回路24が含まれない回路構成であっても同様の効果を奏することは言及するまでもない。また、第1の実施の形態の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に詳述したが、モータMを逆方向に回転させている場合も同様に対策できることは言及するまでもない。
《第2の実施の形態》
図3は本発明に係る第2の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Bの構成を示すブロック図である。図3に示す第2の実施の形態のモータ駆動回路において、前述の図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第2の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Bにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路51の構成である。
第2の実施の形態のドライバ10Bにおける電源電圧検出回路51は、基準電圧作成回路60、比較器70、論理合成手段91と93、及びプルダウン手段81と83を具備するとともに、さらに回転方向判別回路100を有して構成されている。したがって、第2の実施の形態のドライバ10Bにおける電源電圧検出回路51は、前述の第1の実施の形態のドライバ10Aにおける電源電圧検出回路50の構成に回転方向判別回路100を設けたものである。第2の実施の形態において、プルダウン手段81と83は、例えば抵抗あるいは定電流源で構成されている。
図3は本発明に係る第2の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Bの構成を示すブロック図である。図3に示す第2の実施の形態のモータ駆動回路において、前述の図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第2の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Bにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路51の構成である。
第2の実施の形態のドライバ10Bにおける電源電圧検出回路51は、基準電圧作成回路60、比較器70、論理合成手段91と93、及びプルダウン手段81と83を具備するとともに、さらに回転方向判別回路100を有して構成されている。したがって、第2の実施の形態のドライバ10Bにおける電源電圧検出回路51は、前述の第1の実施の形態のドライバ10Aにおける電源電圧検出回路50の構成に回転方向判別回路100を設けたものである。第2の実施の形態において、プルダウン手段81と83は、例えば抵抗あるいは定電流源で構成されている。
回転方向判別回路100は外部から与えられる順方向の回転指令信号FW(FW信号)を用いて、回転中に仮に電源電圧低下し、あるいは電源電圧が0V(VCC=0V)となるなどの状態が発生したときに逆起電力が誘起されるモータ端子をあらかじめ判別し、逆起電力が誘起されるモータ端子と異なる電源側出力トランジスタのみを比較器70の出力に従ってオン状態とする働きを有する。回転方向判別回路100はフリップフロップ回路101、Pチャネル型MOSFET103,104,105,106、及び抵抗107,108,109,110によって構成される。順方向回転時においては、Hレベルの順方向の回転指令信号FW(FW=Hレベル)とLレベルの逆方向の回転指令信号RV(RV=Lレベル)がドライバ10Bに入力され、回転方向判別回路100には回転指令信号FWが入力されるとする。一方、逆方向回転時においては、Lレベルの順方向の回転指令信号FW(FW=Lレベル)とHレベルの逆方向の回転指令信号RV(RV=Hレベル)が回転方向判別回路100に入力されるとする。
また、順方向の回転指令信号FWはフリップフロップ回路101のセット端子Sに入力される。フリップフロップ回路101の出力QはPチャネル型MOSFET103及び104のゲートに接続され、フリップフロップ回路101の出力NQはPチャネル型MOSFET105及び106のゲートに接続される。Pチャネル型MOSFET105のソースは比較器70の出力に接続される。Pチャネル型MOSFET105のドレインは、抵抗109を介して抵抗108の一端、及び論理合成手段91の一方の入力端子に入力される。抵抗108の他端はPチャネル型MOSFET104のドレインに接続され、Pチャネル型MOSFET104のソースは電源200に接続される。Pチャネル型MOSFET103のソースは比較器70の出力に接続される。Pチャネル型MOSFET103のドレインは、抵抗107を介して抵抗110の一端、及び論理合成手段93の一方の入力端子に入力される。抵抗110の他端はPチャネル型MOSFET106のドレインに接続され、Pチャネル型MOSFET106のソースは電源200に接続される。
順方向の回転指令信号(FW=Hレベル、RV=Lレベル)が入力されている場合、制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHにより、電源側出力トランジスタQ1がオン状態、電源側出力トランジスタQ3がオフ状態である。この場合、フリップフロップ回路101の出力QはHレベル(Q=Hレベル)、出力NQはLレベル(NQ=Lレベル)となる。このため、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となり、論理合成手段93の一方の入力には電源電圧VCCが入力される。論理合成手段93は制御電圧生成手段28の出力信号BHと電源電圧VCCが入力されて、出力信号BBHにより抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3を制御する。一方、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となり、論理合成手段91の一方の入力には比較器70の出力が入力される。論理合成手段91は制御電圧生成手段28の出力信号AHと比較器70の出力が入力されて、出力信号AAHにより抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1を制御する。すなわち、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREF以下まで低下した時(図2の(B)領域)には、電源側出力トランジスタQ1はオン状態とされるが、電源側トランジスタQ3はオフ状態のままである。このとき発生した逆起電力は、オン状態となる電源側出力トランジスタQ1及び電源側出力トランジスタQ3に並列に接続されているダイオードD3により電源側へ回生されることにより、モータMにブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMが保護される。さらに電源電圧VCCが図2の(C)領域まで低下すると、プルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3がオン状態となり、モータMにブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMが保護される。
逆に、逆方向の回転指令信号(FW=Lレベル、RV=Hレベル)が入力されている場合、制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHにより電源側出力トランジスタQ1がオフ状態、電源側出力トランジスタQ3がオン状態である。この場合、フリップフロップ回路101の出力QはLレベル(Q=Lレベル)、出力NQはHレベル(NQ=Hレベル)となる。このため、Pチャネル型MOSFET105はオフ状態、Pチャネル型MOSFET104はオン状態となり、論理合成手段91の一方の入力には電源電圧VCCが入力される。論理合成手段91は制御電圧生成手段28の出力信号AHと電源電圧VCCが入力されて、出力信号AAHにより抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1を制御する。一方、Pチャネル型MOSFET106はオフ状態、Pチャネル型MOSFET103はオン状態となり、論理合成手段93の一方の入力には比較器70の出力が入力される。論理合成手段93は制御電圧生成手段28の出力信号BHと比較器70の出力が入力されて、出力信号BBHにより抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3を制御する。すなわち、電源電圧VCCが基準電圧作成回路60の基準電圧VREF以下まで低下した時(図2の(B)領域)には、電源側出力トランジスタQ3はオン状態とされるが、電源側出力トランジスタQ1はオフ状態のままである。このとき発生した逆起電力は、オン状態となる電源側出力トランジスタQ3及び電源側出力トランジスタQ1に並列に接続されているダイオードD1により電源側へ回生されることで、ブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMが保護される。電源電圧VCCが図2の(C)領域まで低下するとプルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3がオン状態となり、モータMにブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMが保護される。
次に、第2の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Bにおける電源電圧VCCの出力状態を、前述の図2に示した(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]、(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]、及び(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]に分けて、ドライバ10Bの動作について説明する。
図3に示した第2の実施の形態のドライバ10Bでは、PWM回路24を有しているので適時オン・オフ動作を繰り返すことになるが、制御電圧生成手段28によって、AH=AAH=Lレベル、BH=BBH=Hレベル、AL=Lレベル、BL=Hレベルとして電源側出力トランジスタQ1及びグランド側出力トランジスタQ4をオン状態とし、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ1→正極モータ端子M+→モータM→負極モータ端子M−→グランド側出力トランジスタQ4→接地(グランド)へと電流は流れて、モータMが順方向に回転している期間について説明する。
(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時、比較器70の出力は図2に示すようにHレベルとなる。この時、外部から入力される順方向の回転指令信号FWにより、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Hレベル、NQ=Lレベルとなり、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となるので、論理合成手段91の一方の入力端子には比較器70の出力(Hレベル)が入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるので、論理合成手段91は出力信号AAHとして信号AHをそのまま出力する。
一方、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となるので、論理合成手段93の一方の入力端子には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93は出力信号BBHとして信号BHをそのまま出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して、電源側トランジスタQ1、Q3をそれぞれオン、オフ動作させる。このように、第2の実施の形態のドライバ10Bにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路51の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時、比較器70の出力は図2に示すようにHレベルとなる。この時、外部から入力される順方向の回転指令信号FWにより、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Hレベル、NQ=Lレベルとなり、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となるので、論理合成手段91の一方の入力端子には比較器70の出力(Hレベル)が入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるので、論理合成手段91は出力信号AAHとして信号AHをそのまま出力する。
一方、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となるので、論理合成手段93の一方の入力端子には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93は出力信号BBHとして信号BHをそのまま出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して、電源側トランジスタQ1、Q3をそれぞれオン、オフ動作させる。このように、第2の実施の形態のドライバ10Bにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路51の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(基準電圧作成回路60の基準電圧VREF)]
前述の定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると、モータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少する。この駆動電流の減少に伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図2に示すように比較器70の出力はLレベルとなる。順方向の回転指令信号(FW=Hレベル)により、Pチャネル型MOSFET104がオフ状態、Pチャネル型MOSFET105がオン状態であるため、論理合成手段91の一方の入力には比較器70の出力(Lレベル)が入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるが、論理合成手段91の出力AAHはLレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1はPWM動作によらずオン状態となる。一方、Pチャネル型MOSFET103がオフ状態、Pチャネル型MOSFET106がオン状態であるので、論理合成手段93の一方の入力には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93の出力信号BBH(=BH)はHレベルとなる。この結果、電源側トランジスタQ3はオフ状態となる。したがって、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による過電圧を、オン状態の電源側出力トランジスタQ1と電源側トランジスタQ3に並列に接続されたダイオードD3とを介して電源(VCC)に回生させることにより、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。前述の実施の形態1の場合と同様に、第2の実施の形態のドライバ10Bは、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源(VCC)の電流吸収能力が少ない場合でも、ヒステリシスを有する比較器70を用いることにより誤動作を回避することができる。
前述の定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると、モータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少する。この駆動電流の減少に伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図2に示すように比較器70の出力はLレベルとなる。順方向の回転指令信号(FW=Hレベル)により、Pチャネル型MOSFET104がオフ状態、Pチャネル型MOSFET105がオン状態であるため、論理合成手段91の一方の入力には比較器70の出力(Lレベル)が入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるが、論理合成手段91の出力AAHはLレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1はPWM動作によらずオン状態となる。一方、Pチャネル型MOSFET103がオフ状態、Pチャネル型MOSFET106がオン状態であるので、論理合成手段93の一方の入力には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93の出力信号BBH(=BH)はHレベルとなる。この結果、電源側トランジスタQ3はオフ状態となる。したがって、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による過電圧を、オン状態の電源側出力トランジスタQ1と電源側トランジスタQ3に並列に接続されたダイオードD3とを介して電源(VCC)に回生させることにより、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。前述の実施の形態1の場合と同様に、第2の実施の形態のドライバ10Bは、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源(VCC)の電流吸収能力が少ない場合でも、ヒステリシスを有する比較器70を用いることにより誤動作を回避することができる。
(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]
電源電圧低下状態(B)から電源電圧VCCが更に低下し、制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下となった場合、更には外部から電源に印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれて電源電圧VCC=0Vまで到った場合などには、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータMの出力端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH,BH,AL,BLは不定となる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。この状態においても、プルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加される。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
電源電圧低下状態(B)から電源電圧VCCが更に低下し、制御電圧生成手段28、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下となった場合、更には外部から電源に印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれて電源電圧VCC=0Vまで到った場合などには、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータMの出力端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH,BH,AL,BLは不定となる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。この状態においても、プルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加される。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
このように電源電圧が低下し、更には電源電圧がVCC=0Vとなった場合でも、モータ端子に誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を、電源側出力トランジスタをオン状態とすることにより電源側に回生させることができ、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。また、第2の実施の形態の構成は、前述のように制御電圧生成手段28にて制御される通常動作時の動作に影響を及ぼさずに実現することができる。
なお、第2の実施の形態における制御電圧生成手段28では、PWM回路24を有する回路構成を例として詳述したが、PWM回路24が含まれない回路構成であっても同様の効果を奏することは言及するまでもない。また、第2の実施の形態の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に詳述したが、モータMを逆方向に回転させている場合でも同様に対策できることは言及するまでもない。
《第3の実施の形態》
図4は本発明に係る第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cの構成を示すブロック図である。図4に示す第3の実施の形態のモータ駆動回路において、図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路55の構成である。
第3の実施の形態のドライバ10Cにおける電源電圧検出回路55は、第1の基準電圧作成回路61、第2の基準電圧作成回路62、第1の比較器71、第2の比較器72、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93、プルダウン手段81及び83を具備して構成されている。
図4は本発明に係る第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cの構成を示すブロック図である。図4に示す第3の実施の形態のモータ駆動回路において、図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路55の構成である。
第3の実施の形態のドライバ10Cにおける電源電圧検出回路55は、第1の基準電圧作成回路61、第2の基準電圧作成回路62、第1の比較器71、第2の比較器72、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93、プルダウン手段81及び83を具備して構成されている。
第1の基準電圧作成回路61は第1の基準電圧REF1を第1の比較器71へ出力し、第1の比較器71は第1の基準電圧作成回路61の基準電圧REF1と電源電圧VCCとを比較する。第1の比較器71の逆相入力端子には第1の基準電圧作成回路61の第1の基準電圧REF1が入力され、正相入力端子には電源電圧VCCが入力される。第2の基準電圧作成回路62は第2の基準電圧REF2を第2の比較器72へ出力し、第2の比較器72は第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2と電源電圧VCCとを比較する。第2の比較器72の正相入力端子には第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2が入力され、逆相入力端子には電源電圧VCCが入力される。
フリップフロップ回路75には第1の比較器71の出力がセット端子Sに入力され、第2の比較器72の出力がリセット端子Rに入力される。フリップフロップ回路75の出力Qは、論理合成手段91及び93のそれぞれの一方の端子に入力される。論理合成手段91は制御電圧生成手段28の出力信号AHとフリップフロップ回路75の出力Qとを論理合成し、その出力信号AAHはプルダウン手段81を介してプルダウンされる。出力信号AAHは抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1のゲートに入力される。同様に、論理合成手段93は制御電圧生成手段28の出力信号BHとフリップフロップ回路75の出力Qとを論理合成し、その出力信号BBHはプルダウン手段83を介してプルダウンされる。出力信号BBHは抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3のゲートに入力される。
プルダウン手段81及び83は、例えば抵抗あるいは定電流源で構成されており、論理合成手段91及び93のそれぞれの出力に接続されている。
プルダウン手段81及び83は、例えば抵抗あるいは定電流源で構成されており、論理合成手段91及び93のそれぞれの出力に接続されている。
上記のように構成された第3の実施の形態のドライバ10Cにおいて、第1の比較器71は第1の基準電圧作成回路61の第1の基準電圧REF1と電源電圧VCCとを比較し、電源電圧VCC>第1の基準電圧REF1の時、Hレベルの信号をフリップフロップ回路75のセット端子Sに入力する。一方、第2の比較器72は第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2と電源電圧VCCとを比較し、電源電圧VCC<第2の基準電圧REF2の時、Hレベルの信号をフリップフロップ回路75のリセット端子Rに入力する。
第3の実施の形態のドライバ10Cにおいて、第1の比較器71の閾値である第1の基準電圧REF1と、第2の比較器72の閾値である第2の基準電圧REF2とは、(REF1)>(REF2)>(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)、という関係を満たすよう設定されている。また、第1の比較器71と第2の比較器72の閾値の差は、電源電圧VCCが低下する過渡期に電源電圧に畳重される誘起電圧ノイズ成分より大きく設定されている。
図5は、第3の実施の形態のドライバ10Cにおける電源電圧の出力状態を示すグラフであり、ドライバ10Cにおけるフリップフロップ回路75の入力信号であるセット信号とリセット信号、及び出力Qと電源電圧VCCとの関係を示す図である。
第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cにおける電源電圧の出力状態を、図5に示した(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]、(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]、及び(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]に分けて、ドライバ10Cの動作について説明する。
第3の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Cにおける電源電圧の出力状態を、図5に示した(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]、(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]、及び(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]に分けて、ドライバ10Cの動作について説明する。
図4に示した第3の実施の形態においては、PWM回路24を有しているので適時オン・オフ動作を繰り返すことになるが、制御電圧生成手段28によって、各出力信号は、AH=AAH=Lレベル、BH=BBH=Hレベル、AL=Lレベル、BL=Hレベルとなり、電源側出力トランジスタQ1及びグランド側出力トランジスタQ4をオン状態として、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ1→正極モータ端子M+→モータM→負極モータ端子M−→グランド側出力トランジスタQ4→接地(グランド)へと電流が流れ、モータMは順方向に回転している期間について説明する。
(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、フリップフロップ回路75の出力QはHレベルとなる。この時、論理合成手段91は、制御電圧生成手段28の出力信号AHをAAHとして出力する。同様に、論理合成手段93は制御電圧生成手段28の出力信号BHをBBHとして出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して、電源側出力トランジスタをそれぞれオン・オフ動作させる。このように、第3の実施の形態のドライバ10Cにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路55の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、フリップフロップ回路75の出力QはHレベルとなる。この時、論理合成手段91は、制御電圧生成手段28の出力信号AHをAAHとして出力する。同様に、論理合成手段93は制御電圧生成手段28の出力信号BHをBBHとして出力する。すなわち、定常状態においては、論理合成手段91及び93が制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1、R3を介して、電源側出力トランジスタをそれぞれオン・オフ動作させる。このように、第3の実施の形態のドライバ10Cにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路55の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]
定常状態(A)より電源電圧VCCが低下するとモータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により、負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図5に示すように、フリップフロップ回路75の出力QがLレベルとなる。この時、制御電圧生成手段28は順方向の回転指令信号FWに基づき、AH=Lレベル、BH=Hレベルを出力しているが、論理合成手段91及び93にてフリップフロップ回路75の出力と合成され、それぞれの出力信号はAAH=BBH=Lレベルとなる。論理合成手段91及び93の出力信号AAH,BBHは、抵抗R1,R3を経由して、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1,Q3のそれぞれに入力される。出力信号AAH,BBHが入力された電源側出力トランジスタQ1,Q3は、ともにオン状態となり、モータMにブレーキをかけることができ、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へと回生させる。
定常状態(A)より電源電圧VCCが低下するとモータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により、負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMという回生電流が流れようとする。この時、図5に示すように、フリップフロップ回路75の出力QがLレベルとなる。この時、制御電圧生成手段28は順方向の回転指令信号FWに基づき、AH=Lレベル、BH=Hレベルを出力しているが、論理合成手段91及び93にてフリップフロップ回路75の出力と合成され、それぞれの出力信号はAAH=BBH=Lレベルとなる。論理合成手段91及び93の出力信号AAH,BBHは、抵抗R1,R3を経由して、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1,Q3のそれぞれに入力される。出力信号AAH,BBHが入力された電源側出力トランジスタQ1,Q3は、ともにオン状態となり、モータMにブレーキをかけることができ、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へと回生させる。
なお、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源200において、電流吸収能力が少ない場合、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を吸収するまで過渡的に電源電圧VCCが上昇することになる。この時、セット信号の閾値である第1の基準電圧REF1、リセット信号の閾値である第2の基準電圧REF2を、(REF1−REF2)>(誘起電圧ノイズ成分)、と設定していない場合には、電源が適正値に復帰したと誤判定し、電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることを止めて、ブレーキ動作を停止し、再び、回転動作を始めようとする。このため、上記のように設定していない場合には、モータ駆動回路及びモータMを破壊する危険がある。第3の実施の形態においては、前述のように、フリップフロップ回路75における閾値である第1の基準電圧REF1と第2の基準電圧REF2の電位差をこの逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による上昇分以上とすることにより、過渡的な電源電圧VCCの上昇により、ブレーキ動作を停止してしまうという不具合を回避することができる。
(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]
電源電圧低下状態(B)より電源電圧が更に低下し、制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下、更には外部から電源電圧VCCに印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれてVCC=0Vまで到った場合などには、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、フリップフロップ回路75の出力Qは不定になる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。この場合もプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加される。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
電源電圧低下状態(B)より電源電圧が更に低下し、制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下、更には外部から電源電圧VCCに印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれてVCC=0Vまで到った場合などには、前述の電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、フリップフロップ回路75の出力Qは不定になる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。この場合もプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加される。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源200へ回生することができる。
このように電源電圧VCCが低下し、更には電源電圧VCCがVCC=0Vとなった場合でも、モータ端子に誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を、電源側出力トランジスタをオン状態とすることにより電源に回生させることができ、モータ駆動回路及びモータMの保護を行うことができる。また、第3の実施の形態の構成は、前述のように制御電圧生成手段28にて制御される通常動作時の動作には影響を及ぼさずに実現することができる。
なお、第3の実施の形態における制御電圧生成手段28では、PWM回路24を有する回路構成を例として詳述したが、PWM回路24が含まれない回路構成であっても同様の効果を奏することは言及するまでもない。また、第3の実施の形態の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に詳述したが、モータMを逆方向に回転させている場合でも同様に対策できることは言及するまでもない。
《第4の実施の形態》
図6は本発明に係る第4の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Dの構成を示すブロック図である。図6に示す第4の実施の形態のモータ駆動回路において、図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第4の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Dにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路56の構成である。
第4の実施の形態のドライバ10Dにおける電源電圧検出回路56は、第1の基準電圧作成回路61、第2の基準電圧作成回路62、第1の比較器71、第2の比較器72、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93、プルダウン手段81及び83を具備するとともに、さらに回転方向判別回路100を有して構成されている。したがって、第4の実施の形態のドライバ10Dにおける電源電圧検出回路56は、前述の第3の実施の形態のドライバ10Cにおける電源電圧検出回路55の構成に回転方向判別回路100を設けたものである。
図6は本発明に係る第4の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Dの構成を示すブロック図である。図6に示す第4の実施の形態のモータ駆動回路において、図1に示した第1の実施の形態のモータ駆動回路と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は第1の実施の形態の説明を適用する。第4の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Dにおいて、第1の実施の形態のドライバ10Aと異なる点は電源電圧検出回路56の構成である。
第4の実施の形態のドライバ10Dにおける電源電圧検出回路56は、第1の基準電圧作成回路61、第2の基準電圧作成回路62、第1の比較器71、第2の比較器72、フリップフロップ回路75、論理合成手段91及び93、プルダウン手段81及び83を具備するとともに、さらに回転方向判別回路100を有して構成されている。したがって、第4の実施の形態のドライバ10Dにおける電源電圧検出回路56は、前述の第3の実施の形態のドライバ10Cにおける電源電圧検出回路55の構成に回転方向判別回路100を設けたものである。
電源電圧検出回路56における回転方向判別回路100は、外部から与えられる順方向の回転指令信号FWを用いて、回転中に仮に電源電圧VCCの低下、あるいは電源電圧がVCC=0Vとなるなどの状態が発生した場合に、逆起電力が誘起されるモータ端子をあらかじめ判別する機能を有する。さらに、回転方向判別回路100は、逆起電力が誘起されるモータ端子とは異なる側の電源側出力トランジスタのみをフリップフロップ回路75の出力に従ってオン動作させる働きを有する。
図6に示すように、回転方向判別回路100は、フリップフロップ回路101、Pチャネル型MOSFET103,104,105,106及び抵抗107,108,109,110によって構成される。回転指令信号FW,RVは、順方向回転時において、FW=Hレベル、RV=Lレベル、逆方向回転時において、FW=Lレベル、RV=Hレベルの状態で目標電圧設定回路18に入力されるとする。また、順方向の回転指令信号FWはフリップフロップ回路101のセット端子Sに入力される。フリップフロップ回路101の出力端子QはPチャネル型MOSFET103及び104のゲートに接続され、フリップフロップ回路101の出力端子NQはPチャネル型MOSFET105及び106のゲートに接続される。Pチャネル型MOSFET105のソースはフリップフロップ回路75の出力に接続され、Pチャネル型MOSFET105のドレインは抵抗109を介して抵抗108の一端及び、論理合成手段91の一方の入力端子に接続される。抵抗108の他端はPチャネル型MOSFET104のドレインに接続され、Pチャネル型MOSFET104のソースは電源200に接続される。Pチャネル型MOSFET103のソースはフリップフロップ回路75の出力端子Qに接続され、Pチャネル型MOSFET103のドレインは抵抗107を介して抵抗110の一端及び、論理合成手段93の一方の入力端子に接続される。抵抗110の他端はPチャネル型MOSFET106のドレインに接続され、Pチャネル型MOSFET106のソースは電源200に接続される。
順方向の回転指令信号(FW=Hレベル、RV=Lレベル)が入力されている場合、制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHにより電源側出力トランジスタQ1がオン状態、電源側出力トランジスタQ3がオフ状態であり、また、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Hレベル、NQ=Lレベルとなる。この時、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となり、論理合成手段93の一方の入力には電源電圧VCCが入力される。論理合成手段93には制御電圧生成手段28の出力信号BHと電源電圧VCCが入力されて、出力信号BBHが出力される。出力信号BBHは抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3に入力され、電源側出力トランジスタQ3を制御する。一方、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となり、論理合成手段91の一方の入力にはフリップフロップ回路75の出力Qが入力される。論理合成手段91には制御電圧生成手段28の出力信号AHとフリップフロップ回路75の出力Qが入力されて、出力信号AAHが出力される。出力信号AAHは抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1に入力され、電源側出力トランジスタQ1を制御する。すなわち、電源電圧VCCが第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2以下まで低下した時(図5の(B)領域:電源電圧低下状態)には、電源側出力トランジスタQ1はオン状態とされるが、電源側出力トランジスタQ3はオフ状態のままである。このため、オン状態の電源側出力トランジスタQ1と電源側出力トランジスタQ3と並列に接続されているダイオードD3により逆起電力が電源側へ回生される。したがって、モータMにはブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMを保護することができる。電源電圧VCCが図5の(C)領域(電源電圧出力接地(グランド)状態)まで低下すると、プルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることにより、モータMにブレーキをかけて、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMを保護することができる。
逆に、逆方向の回転指令信号(FW=Lレベル、RV=Hレベル)が入力されている場合、制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHにより、電源側出力トランジスタQ1がオフ状態、電源側出力トランジスタQ3がオン状態であり、また、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Lレベル、NQ=Hレベルとなる。この時、Pチャネル型MOSFET105はオフ状態、Pチャネル型MOSFET104はオン状態となり、論理合成手段91の一方の入力には電源電圧VCCが入力される。論理合成手段91には制御電圧生成手段28の出力信号AHと電源電圧VCCが入力されて、信号AAHが出力される。出力信号AAHは抵抗R1を介して電源側出力トランジスタQ1を制御する。一方、Pチャネル型MOSFET106はオフ状態、Pチャネル型MOSFET103はオン状態となり、論理合成手段93の一方の入力にはフリップフロップ回路75の出力Qが入力される。論理合成手段93には制御電圧生成手段28の出力信号BHとフリップフロップ回路75の出力Qが入力されて、信号BBHが出力される。出力信号BBHは抵抗R3を介して電源側出力トランジスタQ3を制御する。すなわち、電源電圧VCCが第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2以下まで低下した時(図5の(B)領域:電源電圧低下状態)には、電源側出力トランジスタQ3はオン状態とされるが、電源側トランジスタQ1はオフ状態のままである。このため、オン状態となる電源側出力トランジスタQ3と電源側出力トランジスタQ1と並列に接続されているダイオードD1により、逆起電力は電源側へ回生される。したがって、モータMにはブレーキがかけられ、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMは保護される。電源電圧VCCが図5の(C)領域(電源電圧出力接地(グランド)状態)まで低下すると、プルダウン手段81及び83により電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることにより、モータMにブレーキをかけて、逆起電力による過電圧に対してモータ駆動回路及びモータMを保護することができる。
次に、第4の実施の形態のモータ駆動回路であるドライバ10Dにおける電源電圧VCCの出力状態を前述の図5を参照しつつ説明する。前述したように、図5において、(A)は定常状態[(電源電圧VCC)>(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]であり、(B)は電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]、(C)は電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成回路28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]を示している。定常状態(A)から電源電圧が低下すると電源電圧低下状態(B)となり、この電源電圧低下状態(B)からさらに電源電圧が低下すると電源電圧出力接地(グランド)状態(C)となる。
図6に示した第4の実施の形態では、PWM回路24を有しているので適時オン・オフ動作を繰り返すことになるが、制御電圧生成手段28によって、AH=AAH=Lレベル、BH=BBH=Hレベル、AL=Lレベル、BL=Hレベルとして、電源側出力トランジスタQ1及びグランド側出力トランジスタQ4をオン状態とし、電源電圧VCCが印加される分岐点P→電源側出力トランジスタQ1→正極モータ端子M+→モータM→負極モータ端子M−→グランド側出力トランジスタQ4→接地(グランド)と電流が流れ、モータMは順方向に回転している期間について説明する。
(A)定常状態[(電源電圧VCC)>(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、フリップフロップ回路75の出力は図5に示すようにHレベルとなる。この時、外部から入力される順方向の回転指令信号FWにより、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Hレベル、NQ=Lレベルとなり、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となる。このため、論理合成手段91の一方の入力端子にはフリップフロップ回路75のHレベルの出力Qが入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるので、論理合成手段91は出力信号AAHとして信号AHを出力する。一方、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となるので、論理合成手段93の一方の入力端子には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93は出力信号BBHとして信号BHを出力する。すなわち、論理合成手段91及び93は制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1,R3を介して、電源側出力トランジスタQ1,Q3をそれぞれオン・オフ動作する。このように、第4の実施の形態のドライバ10Dにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路56の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
電源200が適切な電圧をモータMに印加している定常状態の時は、フリップフロップ回路75の出力は図5に示すようにHレベルとなる。この時、外部から入力される順方向の回転指令信号FWにより、フリップフロップ回路101の出力は、Q=Hレベル、NQ=Lレベルとなり、Pチャネル型MOSFET104はオフ状態、Pチャネル型MOSFET105はオン状態となる。このため、論理合成手段91の一方の入力端子にはフリップフロップ回路75のHレベルの出力Qが入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるので、論理合成手段91は出力信号AAHとして信号AHを出力する。一方、Pチャネル型MOSFET103はオフ状態、Pチャネル型MOSFET106はオン状態となるので、論理合成手段93の一方の入力端子には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93は出力信号BBHとして信号BHを出力する。すなわち、論理合成手段91及び93は制御電圧生成手段28の出力信号AH及びBHをそのまま伝達し、それぞれ抵抗R1,R3を介して、電源側出力トランジスタQ1,Q3をそれぞれオン・オフ動作する。このように、第4の実施の形態のドライバ10Dにおける定常状態の動作時においては、電源電圧検出回路56の動作が制御電圧生成手段28による制御動作に影響を及ぼさないよう構成されている。
(B)電源電圧低下状態[(制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)<(電源電圧VCC)<(第2の基準電圧作成回路62の第2の基準電圧REF2)]
定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると、モータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMの方向に回生電流が流れようとする。この時、図5に示すようにフリップフロップ回路75の出力QがLレベルとなる。順方向の回転指令信号(FW=Hレベル)により、Pチャネル型MOSFET104がオフ状態、Pチャネル型MOSFET105がオン状態のため、論理合成手段91の一端にはフリップフロップ回路75のLレベルの出力Qが入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるが、論理合成手段91の出力信号AAHはLレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1はPWM動作によらずオン状態となる。一方、Pチャネル型MOSFET103がオフ状態、Pチャネル型MOSFET106がオン状態であるので、論理合成手段93の一端には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93の出力信号BBH(=BH)はHレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ3はオフ状態となる。したがって、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による過電圧を、オン状態の電源側出力トランジスタQ1、電源側トランジスタQ3に並列に接続されたダイオードD3を介して電源側に回生させる。したがって、第4の実施の形態のドライバ10Dにおいては、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。前述の第3の実施の形態の場合と同様に、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源に電流吸収能力が少ない場合には、フリップフロップ回路75の閾値である第1の基準電圧REF1と第2の基準電圧REF2の電位差を逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による上昇分以上とすることにより、過渡的な電源電圧VCCの上昇により、ブレーキ動作を停止してしまう誤動作を回避することができる。
定常状態(A)から電源電圧VCCが低下すると、モータMを順方向に駆動するために流れていた駆動電流が減少するが、それに伴いモータMに誘起される逆起電力により負極モータ端子M−→ダイオードD3→分岐点P→電源(VCC)→接地(グランド)→ダイオードD2→正極モータ端子M+→モータMの方向に回生電流が流れようとする。この時、図5に示すようにフリップフロップ回路75の出力QがLレベルとなる。順方向の回転指令信号(FW=Hレベル)により、Pチャネル型MOSFET104がオフ状態、Pチャネル型MOSFET105がオン状態のため、論理合成手段91の一端にはフリップフロップ回路75のLレベルの出力Qが入力される。論理合成手段91の他端には制御電圧生成手段28の出力信号AHが入力されるが、論理合成手段91の出力信号AAHはLレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1はPWM動作によらずオン状態となる。一方、Pチャネル型MOSFET103がオフ状態、Pチャネル型MOSFET106がオン状態であるので、論理合成手段93の一端には電源電圧VCC(Hレベル)が入力される。論理合成手段93の他端には制御電圧生成手段28の出力信号BHが入力されるので、論理合成手段93の出力信号BBH(=BH)はHレベルとなる。この結果、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ3はオフ状態となる。したがって、発生した逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による過電圧を、オン状態の電源側出力トランジスタQ1、電源側トランジスタQ3に並列に接続されたダイオードD3を介して電源側に回生させる。したがって、第4の実施の形態のドライバ10Dにおいては、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。前述の第3の実施の形態の場合と同様に、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が回生される電源に電流吸収能力が少ない場合には、フリップフロップ回路75の閾値である第1の基準電圧REF1と第2の基準電圧REF2の電位差を逆起電力による誘起電圧ノイズ成分による上昇分以上とすることにより、過渡的な電源電圧VCCの上昇により、ブレーキ動作を停止してしまう誤動作を回避することができる。
(C)電源電圧出力接地(グランド)状態[0V≦(電源電圧VCC)≦(制御電圧生成回路28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値Vmax)]
電源電圧低下状態(B)より電源電圧VCCが更に低下し、制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下、更には外部から電源VCCに印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれて電源電圧がVCC=0Vまで到った場合などには、電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、フリップフロップ回路75の出力Qは不定となる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。または、フリップフロップ回路101の出力Qあるいは出力NQは不定となる。この場合もプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加され、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源側へ回生することができる。
電源電圧低下状態(B)より電源電圧VCCが更に低下し、制御電圧生成手段28、フリップフロップ回路75、論理合成手段91、93及びフリップフロップ回路101の動作下限電圧のうちの最大電圧値以下、更には外部から電源VCCに印加されている電源手段(例えば、乾電池)が急に取り除かれて電源電圧がVCC=0Vまで到った場合などには、電源電圧低下状態(B)と同様にモータ端子には逆起電力による誘起電圧ノイズ成分が誘起される。この時、制御電圧生成手段28の出力信号AH、BH、AL、BLは不定となる。または、フリップフロップ回路75の出力Qは不定となる。または、論理合成手段91の出力信号AAHあるいは論理合成手段93の出力信号BBHは不定となる。または、フリップフロップ回路101の出力Qあるいは出力NQは不定となる。この場合もプルダウン手段81及び83にて、電源側出力トランジスタQ1及びQ3のゲートにはLレベルの信号が印加され、Pチャネル型MOSFETで構成される電源側出力トランジスタQ1及びQ3をオン状態とすることができ、逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を電源側へ回生することができる。
このように電源電圧VCCが低下し、更には電源電圧がVCC=0Vとなった場合でも、モータ端子に誘起される逆起電力による誘起電圧ノイズ成分を、電源側出力トランジスタをオン状態とすることにより電源側に回生させることができ、モータ駆動回路及びモータMを保護することができる。また、第4の実施の形態の構成は、前述のように制御電圧生成手段28にて制御される通常動作時の動作に影響を及ぼさずに実現することができる。
なお、第4の実施の形態における制御電圧生成手段28では、PWM回路24を有する回路構成を例として詳述したが、PWM回路24が含まれない回路構成であっても同様の効果を奏することは言及するまでもない。また、第4の実施の形態の説明においては、モータMを順方向に回転させている場合を例に詳述したが、モータMを逆方向に回転させている場合でも同様に対策できることは言及するまでもない。
本発明のモータ駆動回路は、インダクタンスを有するアクチュエータモータの駆動回路において、電源電圧の低下、更には電源が接地電位(グランド)となった場合において誘起される逆起電力によるモータ駆動回路及びモータの破壊に対する確実な保護機能を有する。
本発明のモータ駆動回路は、インダクタンスを有するアクチュエータモータの駆動回路において、電源電圧の低下、更には電源が接地電位(グランド)となった場合において誘起される逆起電力によるモータ駆動回路及びモータの破壊に対する確実な保護機能を有する。
本発明は、電源電圧が低下し、更には電源が接地電位(グランド)となったとき誘起される逆起電力によるモータ駆動回路及びモータの破壊に対する保護機能を有しており、モータ駆動回路において有用である。
10A ドライバ
10B ドライバ
10C ドライバ
10D ドライバ
14 Hブリッジ回路
16 モータ電圧検出回路
18 目標電圧設定回路
22 誤差増幅回路
24 PWM回路
26 ロジック回路
28 制御電圧生成手段
50 電源電圧検出回路
51 電源電圧検出回路
55 電源電圧検出回路
56 電源電圧検出回路
60 基準電圧作成回路
61 第1の基準電圧作成回路
62 第2の基準電圧作成回路
70 比較器
71 第1の比較器
72 第2の比較器
75 フリップフロップ回路
81 プルダウン手段
83 プルダウン手段
91 論理合成手段
93 論理合成手段
100 回転方向判別回路
101 フリップフロップ回路
200 電源
10B ドライバ
10C ドライバ
10D ドライバ
14 Hブリッジ回路
16 モータ電圧検出回路
18 目標電圧設定回路
22 誤差増幅回路
24 PWM回路
26 ロジック回路
28 制御電圧生成手段
50 電源電圧検出回路
51 電源電圧検出回路
55 電源電圧検出回路
56 電源電圧検出回路
60 基準電圧作成回路
61 第1の基準電圧作成回路
62 第2の基準電圧作成回路
70 比較器
71 第1の比較器
72 第2の比較器
75 フリップフロップ回路
81 プルダウン手段
83 プルダウン手段
91 論理合成手段
93 論理合成手段
100 回転方向判別回路
101 フリップフロップ回路
200 電源
Claims (10)
- 直列接続された電源側出力トランジスタとグランド側出力トランジスタを2組有し、それぞれの中間接続点をモータに対する出力端子とする出力回路、
前記出力回路に対する制御信号を出力する制御電圧生成手段、及び
電源電圧を検出し、検出した前記電源電圧が所定の電圧より低下したとき前記電源側出力トランジスタをオン状態とする信号を出力する電源電圧検出回路、
を具備するよう構成されたモータ駆動回路。 - 前記電源側出力トランジスタは、Pチャネル型MOSFETで構成されており、
前記電源電圧検出回路は、所定の基準電圧と前記電源電圧とを比較する比較器と、前記比較器の出力信号と前記制御電圧生成手段の出力信号とを論理合成した信号を出力する論理合成手段と、前記論理合成手段の出力に接続されたプルダウン手段とにより構成された請求項1に記載のモータ駆動回路。 - 前記比較器はヒステリシス特性を有する請求項2に記載のモータ駆動回路。
- 前記比較器のヒステリシスの幅を、電源電圧が低下する過渡期に前記電源電圧に重畳する誘起電圧ノイズ成分よりも大きく設定した請求項3に記載のモータ駆動回路。
- 前記電源側出力トランジスタは、Pチャネル型MOSFETで構成されており、
前記電源電圧検出回路は、第1の基準電圧と前記電源電圧とを比較する第1の比較器と、第2の基準電圧と前記電源電圧とを比較する第2の比較器と、前記第1の比較器と前記第2の比較器の出力によりそれぞれがセット又はリセットされるフリップフロップ回路と、前記フリップフロップ回路の出力信号と前記制御電圧作成手段の出力信号とを論理合成した信号を出力する論理合成手段と、前記論理合成手段の出力に接続されたプルダウン手段とにより構成された請求項1に記載のモータ駆動回路。 - 前記プルダウン手段が抵抗または定電流源である請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載のモータ駆動回路。
- 前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧の差を、前記電源電圧が低下する過渡期に生じる前記誘起電圧ノイズ成分よりも大きく設定した請求項5又は請求項6に記載のモータ駆動回路。
- 前記電源電圧検出回路が回転方向信号を受信する回転方向判別回路をさらに有し、前記回転方向判別回路の出力信号に応じて前記電源電圧の低下時に前記モータの前記誘起電圧が誘起される一方の出力端子とは異なる他方の出力端子側の電源側出力トランジスタをオン状態とするよう構成された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のモータ駆動回路。
- 前記回転方向判別回路は、少なくともフリップフロップ回路を有しており、前記モータの回転方向に関する入力された情報を記憶できるよう構成された請求項8に記載のモータ駆動回路。
- 前記回転方向判別回路は、外部指令信号に基づいて指定された電源側出力トランジスタをオン状態とするよう制御する請求項8又は請求項9に記載のモータ駆動回路。
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---|---|
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EP2040369A2 (en) | 2007-07-25 | 2009-03-25 | Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho | Load drive control circuit |
JP2009213234A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Hitachi Ltd | モーター制御装置 |
US7741794B2 (en) | 2007-06-20 | 2010-06-22 | Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho | Load drive control circuit |
CN113972884A (zh) * | 2020-07-22 | 2022-01-25 | 致新科技股份有限公司 | 过压保护电路 |
CN115622451A (zh) * | 2022-11-30 | 2023-01-17 | 基合半导体(宁波)有限公司 | 一种驱动电路、芯片及电子设备 |
-
2004
- 2004-12-01 JP JP2004349066A patent/JP2006158162A/ja active Pending
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