JP2006156087A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract


【課題】燃料ガス拡散層内に残存している空気と燃料ガス流路から拡散してきた水素により形成されるガス混合状態を解消し、白金担持カーボン担体の腐食を抑制して安定して高効率な発電性能が得られる燃料電池システムを実現する。
【解決手段】酸化剤ガス拡散層と燃料ガス拡散層15との間に電解質層(電解質膜)11を有する燃料電池システムにおいて、燃料ガス拡散層15に分散された燃焼触媒24を有する構成とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は燃料電池システムに関し、特に、電解質として固体高分子電解質膜を用いた燃料電池システムに関する。
燃料電池は、反応ガスである水素含有ガス等の燃料ガスと、空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて、燃料の持つ化学エネルギを電気エネルギに直接変換する装置である。このように、燃料電池は、化学エネルギを電気エネルギに直接変換できるため、発電効率は火力発電等の他の発電システムに比べて高く、高効率の発電装置である。加えて、発電に伴う排気ガスが生じない等の利点を有するため、低公害または無公害の発電装置として、燃料電池は地球環境保護の観点からも注目されている。自動車業界においても同様に、内燃機関に代えて作動するモータ用の電源として燃料電池を利用する気運が急速に高まっており、燃料電池を利用した自動車の開発が進められている。自動車搭載用の燃料電池としては、特に小型で高出力な発電特性であることが必須の条件であるため、各種の燃料電池の中でも固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池が注目されている。
この固体高分子電解質型燃料電池は、分子中にプロトン(水素イオン)交換基を有する固体高分子電解質膜を燃料極及び酸化剤極で挟持した膜電極接合体の外面にそれぞれガス拡散層を配置した単位セル(単セル)の外面にそれぞれ燃料極側セパレータと酸化剤極側セパレータとを配置し、それらを多数積層して構成する。ガス拡散層は、ガス拡散と電気伝導体としての役割を持つカーボン繊維により構成されたカーボンペーパやカーボン不織布から形成されている。各セパレータは、それぞれガス流路と冷却水流路とを備えている。
固体高分子電解質型燃料電池では、次式で示される反応が進行する。
燃料極:H2→2H++2e- ・・・式(1)
酸化剤極:(1/2)O2+2H++2e-→H2O ・・・式(2)
燃料極では、水素ガス等の水素を含有する燃料ガスが供給されて式(1)の反応が進行し、プロトンが発生する。プロトンは固体高分子電解質膜中に含まれる水分により、水和状態となって固体高分子電解質膜中のプロトン交換基を伝導して酸化剤極に移動する。酸化剤極では、移動したプロトンが酸化剤極に供給された酸化剤ガス中の酸素と反応して式(2)の反応が進行し、水が生成する。この際に、燃料極で生成した電子が外部回路を介して酸化剤極へ移動することにより起電力が得られ、外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
この固体高分子電解質型燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、燃料極、酸化剤極共に空気が混入している状態からシステムを起動させて燃料極に水素ガスを供給する過程で、燃料電池を構成する単セルのガスの供給方向の上流側に水素が、下流側に残留空気とが混在し、燃料ガス流路内に水素が存在する領域と存在しない領域が形成される場合がある。この場合には、燃料極側のガス供給方向上流側にアノード、下流側をカソードとした局部電池が形成される。
燃料極:O+4H+4e→2HO ・・・式(3)
酸化剤極:C+2HO→CO+4H+4e ・・・式(4)
この場合、燃料極の下流側では式(3)の反応が進行し、式(3)の反応に必要なプロトンを補うため、酸化剤極下流側では式(4)に示すカーボンの酸化反応が促進される。このように、酸化剤極において白金等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こり、燃料電池の性能を低下させる要因となる。
そこで、酸化剤極の劣化を防止するために、燃料極内の水素が存在する領域と空気が存在する領域の境界(以下、水素/空気フロントと呼ぶ。)が、1秒以下の短時間で燃料ガス流路中を通過するように水素ガスを高速で燃料ガス流路に供給することが提案されている(特許文献1参照。)。
また、システム起動時に燃料ガス流路へ水素ガスを供給した場合、燃料ガス流路内に存在する空気と水素とが混合した状態となる。このような水素と空気の混合状態が燃料電池の触媒表面上で起こった場合においても上記の水素/空気フロントが形成されるため、カーボン担体の腐食が起こる。このような水素と酸素の混合状態を防ぐために、燃料ガス流路の壁面に水素の燃焼を促進させる触媒を配置し、その触媒上で水素と酸素を直接反応させることにより水素/空気フロントの形成を防ぐ方法が提案されている(特許文献2参照。)。
米国特許出願公開第2002/0076582号明細書 特表平9−504901号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法により短時間で水素/空気フロントを通過させるためには、水素ガスを燃料ガス流路に供給する配管流路の途中にコンプレッサ等の追加装置を配置することや、燃料ガス流路の断面積を小さくして燃料ガス流路中の流速を速める方策等が必要となる。前者においては、装置の追加が必要となるためコストが高くなると共に、燃料電池システムが大型化するという問題がある。また、後者では、水素ガスの反応面が狭くなり、プロトン生成反応効率が著しく低下するという問題がある。また、仮にコンプレッサ等により水素ガスの流速が速くなった場合でも、燃料ガス流路内のガスが空気から水素へと素早く入れ替わるだけであり、燃料極触媒上に水素ガスが到達するには拡散時間が必要となる。白金担持カーボンの腐食は白金表面上で起こる反応であるため、水素ガス拡散速度が遅ければ、水素ガス拡散時間が水素/空気フロントの形成時間に対して支配的な場合、水素/空気フロントが短時間で燃料ガス流路中を通過するという効果が得られにくい。
また、特許文献2に記載された方法では、燃料ガス流路内の水素と空気の混合状態を素早く解消することはできるが、燃料ガス拡散層内に残存している空気と燃料ガス流路から拡散してきた水素により形成されるガス混合状態を解消できない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の燃料電池システムは、酸化剤ガス拡散層と燃料ガス拡散層との間に電解質層を有する燃料電池システムにおいて、燃料ガス拡散層に分散された燃焼触媒を有することを要旨とする。
本発明によれば、燃料ガス拡散層に燃焼触媒が分散されていることにより、燃料電池システム起動初期に燃料ガスが燃料ガス拡散層内に入ってきた際に、燃料ガス拡散層内に残存する酸素と燃料ガス中の水素とが反応する。この反応により、燃料ガス拡散層内に残存する酸素が消費されるため、燃料ガス拡散層内での燃料ガスと酸素の混合状態が速やかに解消され、燃料極触媒上で水素/空気フロントが形成されることを防止でき、白金担持カーボン担体の腐食を抑制することが可能となる。このため、長期に渡って安定して高効率な発電性能が得られる燃料電池システムを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムについて、図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを構成する燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す燃料電池スタック1の詳細な構成を示す展開図である。図3は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用システムを構成する燃料電池の積層方向に沿う断面図である。図4は、燃料電池システム起動初期の燃料電池内の状態を示す模式図である。図5(a)は、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを構成する単セルの燃料極側を模式的に示す断面図である。図5(b)は、図5(a)のVb部を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、燃料電池スタック1は、電気化学反応により発電を行う基本単位となる単セル2を複数積層して構成される。各単セル2は0.8V程度の起電力を生じ、これらの単セル2が、導体としての燃料電池用セパレータ3を介して直列に接続されて規定の出力電圧を発生させる。ここでは、単セル2を燃料電池用セパレータ3で挟持した一組を燃料電池4とし、燃料電池用セパレータ3に挟まれた部分がそれぞれ単セル2として機能する。そして、燃料電池スタック1内で積層されるこれらの要素は、積層方向両端にそれぞれ設けられた一対のエンドフランジ5を締結ボルト6によって締結することにより固定される。また、図1、2に示すように、燃料電池スタック1には、各単セル2に水素ガス等の水素を含有する燃料ガスを供給するための水素供給ラインと、酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給ラインと、冷却水を供給する冷却水供給ラインが設けられている。なお、以下の例では、便宜上、図3にしたがって上下を規定する。すなわち燃料電池スタック1の積層方向を上下方向と規定する。
図2に示す燃料電池4では、図3に示す断面図のように、電解質膜11の一方の面に酸化剤極、他方の面に燃料極として白金担持カーボンの触媒層がそれぞれ接合されて、酸化剤極触媒層12と燃料極触媒層13とを構成している。酸化剤極触媒層12及び燃料極触媒層13の外側には、それぞれ酸化剤ガス拡散層14及び燃料ガス拡散層15が配置されている。電解質膜11としては、固体高分子型電解質膜であるスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体膜(Nafion1128(登録商標)、デュポン株式会社)等を使用することができる。酸化剤ガス拡散層14及び燃料ガス拡散層15は、カーボン繊維を用いて形成されており、カーボンクロス、カーボンペーパ等と呼ばれている多孔質炭素膜である。この多孔質炭素膜は、直径10〜50μm程度の空孔を有しており、それぞれ反応ガス(水素を含有する燃料ガス、及び酸素を含有する酸化剤ガス。)の拡散を最適化し、反応ガスと各触媒層との接触を容易にする。また、各ガス拡散層14、15は導電性を有し、各触媒層12、13と電気的に接続されている。酸化剤ガス拡散層14及び燃料ガス拡散層15の両側には、酸化剤ガスセパレータ18(3)と燃料ガスセパレータ19(3)とが各々配置され、酸化剤ガス拡散層14と酸化剤ガスセパレータ18との間に酸化剤ガス流路16を、また、燃料ガス拡散層15と燃料ガスセパレータ19との間に燃料ガス流路17が形成される。各セパレータ18、19は、プレート状に成形したカーボンや金属の表面にガス流路及び冷却水流路が形成されており、各触媒層12、13に反応ガスの供給を行う。また、燃料ガスセパレータ19では水分の補給通路として、酸化剤ガスセパレータ18では生成した水の除去通路としても機能し、さらには、外部回路に電流を流す役割も果たす。なお、酸化剤ガス流路16を流通する酸化剤ガスと、燃料ガス流路17を流通する燃料ガスは、同一方向に流通するように構成されている。
上記燃料電池セル4では、酸化剤極触媒層12側に、酸素を含む酸化剤ガスとして空気を供給し、燃料極触媒層13側に水素を含む燃料ガスとして水素ガスを供給すると、主に、電解質膜11と酸化剤極触媒層12、及び電解質膜11と燃料極触媒層13との間の接触面において電気化学反応が進行する。以下、より具体的な反応を説明する。
上記構成の燃料電池4において、酸化剤ガス流路16及び燃料ガス流路17に空気及び水素ガスが各々供給されると、空気及び水素ガスが各ガス拡散層14、15を介して酸化剤極触媒層12と燃料極触媒層13に供給され、酸化剤極触媒層12と燃料極触媒層13において以下に示す化学反応が進行する。
燃料極触媒層:H2 →2H++2e- ・・・式(5)
酸化剤極触媒層:(1/2)O2+2H++2e-→H2O ・・・式(6)
燃料極触媒層13側に水素ガスが供給されると、化学式(5)の反応が進行して、燃料ガス中の水素(H2)がプロトン(H+)と電子(e-)に分離される。プロトンは、水和状態で電解質膜11内を移動して酸化剤極触媒層12側に到達し、電子は図示しない外部回路を流れ、出力として取り出される。一方、酸化剤極触媒層12側では、電解質膜11内を移動してきたプロトンと、外部回路を介して移動してきた電子と、酸化剤ガス流路16に供給された空気中の酸素とにより形成される三相界面上で式(6)の反応が生じる。
このような燃料電池スタック1を移動体、例えば自動車用の動力源として活用した場合には、起動及び停止が頻繁に繰り返されることになる。燃料電池スタック1を有する燃料電池システム停止中には、燃料電池スタック1への水素及び空気の供給が停止された状態で放置されるか、または、燃料電池スタック1が不活性ガス等により充満された状態で放置される。放置が長時間継続された場合には、燃料電池スタック1の外部より大気が浸入し、燃料ガス流路17内に空気が存在する可能性がある。
燃料ガス流路17内に空気が混入した状態から燃料電池システム1を起動させると、起動初期に燃料電池スタック1を構成する単セル2内には、図4に示すように、ガスの供給方向の上流側に酸化剤ガス流路16内には空気が充満し燃料ガス流路17内には水素が存在する領域20と、下流側に酸化剤ガス流路16内には空気が充満し燃料ガス流路17内には空気が存在する領域21とが形成される。そして、燃料ガス流路17において、領域20と領域21とが接する境界面に、水素と空気の界面である水素/空気フロント22が形成される。
燃料ガス流路17内の水素が存在する領域20では、上記した式(5)及び式(6)の反応が起こる。一方、水素/空気フロント22を境にして、燃料ガス流路17内に空気が存在する領域21では、燃料極触媒層13側で下式(7)に示す反応が起こる。燃料極触媒層13側において式(7)の反応が進行するためには、プロトンが必要となる。このため、燃料極触媒層13にプロトンを補うため、酸化剤極触媒層12側では下式(8)に示すカーボンの酸化反応が促進される。
燃料極触媒層:O+4H+4e→2HO ・・・式(7)
酸化剤極触媒層:C+2HO→CO+4H+4e ・・・式(8)
このように、酸化剤極触媒層12側で、白金等の触媒を担持しているカーボン担体の腐食が起こる。そして、カーボン担体の腐食により、酸化剤極触媒層12が著しく劣化する。このような劣化反応は白金等の触媒表面で起こるため、たとえ燃料ガス流路17内が全て水素ガスに置換されたとしても、燃料ガス拡散層15内に水素と空気が混合状態にある場合には酸化剤極触媒層12側では上式(8)に示すカーボンの酸化反応が起こる。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システム1を構成する単セル2では、図5(b)に示すように、燃料ガス拡散層15は燃料ガス拡散層15を構成するカーボン繊維23に接合されている燃焼触媒24を有する。燃焼触媒24は、水素ガスと空気中の酸素とを反応させて酸素を除去する。本実施の形態では、燃焼触媒24として白金を使用し、燃焼触媒24とカーボン繊維23との接合には、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと呼ぶ。)を用いる。PTFEはガスの拡散性を損なうことなく、また耐熱性・耐酸化性に優れているため、多く用いることにより白金とのより強固な結合力が得られるが、一方で量を増やしすぎると燃焼触媒である白金へのガス拡散性が低下する。このため、白金に対するPTFEの重量比率は約5wt%以下で良好な結合力が得られるため、本実施例では、白金に対するPTFEの重量比率を5wt%とする。また、白金の担持量は多いほど効果は高いが、白金は反応速度が速く、少量でも十分な酸素消費が可能であるため、本実施例では0.05mg/cmとする。なお、燃焼触媒24として白金を燃料ガス拡散層15に接合させる方法は、フッ素樹脂スラリに白金が50wt%程度となるように混合し、このスラリを燃料ガス拡散層15に塗布することにより行う。そして、この燃料ガス拡散層15に白金を塗布した面を電解質膜11に接する面とする。
なお、燃料ガス拡散層15は、非プロトン伝導性であることが好ましい。つまり、燃料ガス拡散層15を構成するカーボン繊維23が燃料極触媒層13との間でプロトンの移動がないことが好ましい。カーボン繊維23が燃料極触媒層13との間でプロトンの移動があると、カーボン繊維23に接合されている燃焼触媒24上で上記式(8)の反応が起こり、カーボン繊維23が腐食するためである。
また、燃焼触媒24は、燃料ガス拡散層15の燃料ガス拡散方向に対応した濃度勾配を有することが好ましい。この場合には、燃料ガス供給方向上流から下流まで均一に燃料ガスが燃料極触媒層13へ到達させることが可能となる。また、燃料ガス拡散層15全体に燃焼触媒24を分散させる場合と比較して、燃焼触媒24の量を減らすことができる。
次に、上記構成による単セル2における燃焼触媒24の作用について説明する。
図5(a)に示す単セル2の燃料ガス流路17内に空気が存在する状態で燃料電池システムを起動させると、燃料ガス流路17内に矢印25に示す方向に水素ガスが供給される。水素ガスの供給にしたがって、燃料ガス拡散層15の空孔内では水素と酸素が混在する状態となる。この場合、図5(b)に示すように、水素と酸素が混在したガスが燃料ガス拡散層15に分散された燃焼触媒24と接触すると、燃焼触媒24上では以下に示す反応が進行して水が生成する。
燃焼触媒:H+1/2O→HO ・・・式(9)
式(9)の反応速度は、水素のガス拡散に比べて数百倍以上の速度があり、十分に速いため、燃料ガス拡散層15空孔内の酸素が消費し終わるまで燃料極触媒層13を構成する白金担持カーボン上の白金26へ水素ガスが到達することがない。つまり、燃料極触媒層13を構成する白金担持カーボン上の白金26上で水素と酸素が混在する領域ができることを防ぐことが可能となる。このため、白金担持カーボン担体の腐食を抑制することが可能となり、長期に渡って安定して高効率な発電性能が得られる燃料電池システムを実現することができる。
なお、燃焼触媒24は、燃料ガス拡散層15の燃料ガス拡散方向に対応した濃度勾配を有することが好ましい。水素ガスは、燃料ガス拡散層15内を図5(a)に示す水素ガスの供給方向に直交するように、図5(a)中下から上に向かって拡散して電解質膜11に到達する。このため、例えば、燃料極触媒層13の白金担持カーボン上の白金26に接する直前に水素と酸素の燃焼反応を起こせば効果が得られるため、燃料ガス拡散層15の燃料極触媒層13に近い側にのみ燃焼触媒24を設ける。この場合には、燃料ガス拡散層15全体に燃焼触媒24を分散させる場合と比較して、燃焼触媒24の量を減らすことができる。また、燃焼触媒24を、燃料ガス拡散層15の水素ガスの供給方向に対して下流側に多く配置しても良い。この場合、燃料極触媒層13への水素ガス到達が遅い燃料ガス拡散層15下流側に燃焼触媒24を担持させることで、燃料ガス拡散層15下流側の水素拡散速度を上げて、燃料極触媒層13において水素ガス供給方向上流から下流まで均一に水素ガスが燃料極触媒層13へ到達させることが可能となる。
このように、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムによれば、酸化剤ガス拡散層と燃料ガス拡散層との間に電解質層を有する燃料電池システムにおいて、燃料ガス拡散層に分散された燃焼触媒を有することにより、燃料電池システム起動時に燃料ガスが燃料ガス拡散層内に入ってきた際に、燃料ガス拡散層内に残存する酸素と燃料ガス中の水素とが反応する。この反応により、燃料ガス拡散層内に残存する酸素が消費されるため、燃料ガス拡散層内での燃料ガスと酸素の混合状態が速やかに解消され、燃料極触媒上で水素/空気フロントが形成されることを防止でき、白金担持カーボン担体の腐食を抑制することが可能となる。このため、長期に渡って安定して高効率な発電性能が得られる燃料電池システムを実現することができる。また、燃焼触媒が、燃料ガス拡散層の燃料ガス拡散方向に対応した濃度勾配を有することにより、燃料ガス拡散層全体に燃焼触媒を分散させる場合と比較して、燃焼触媒の量を減らすことができる。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを構成する燃料電池スタックの外観を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを構成する燃料電池スタックの展開図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池用システムを構成する燃料電池の積層方向に沿う断面図である。 燃料電池システム起動初期の燃料電池内の状態を示す模式図である。 (a)本発明の実施の形態に係る燃料電池システムを構成する単セルの燃料極側を模式的に示す断面図である。(b)図5(a)のVb部を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 単セル
3 燃料電池用セパレータ
4 燃料電池
5 エンドフランジ
6 締結ボルト
11 電解質膜(電解質層)
12 酸化剤極触媒層
13 燃料極触媒層
14 燃料極側ガス拡散層
15 燃料ガス拡散層
16 酸化剤ガス流路
17 燃料ガス流路
18 酸化剤ガスセパレータ
19 燃料ガスセパレータ
23 カーボン繊維
24 燃焼触媒

Claims (4)

  1. 酸化剤ガス拡散層と燃料ガス拡散層との間に電解質層を有する燃料電池システムにおいて、
    前記燃料ガス拡散層に分散された燃焼触媒を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料ガス拡散層は、非プロトン伝導性であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料ガス拡散層はカーボン繊維を有し、前記燃焼触媒はフッ素樹脂により前記カーボン繊維に接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃焼触媒は、前記燃料ガス拡散層の燃料ガス拡散方向に対応した濃度勾配を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された燃料電池システム。
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