JP2006154453A - 静電荷像現像用現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

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浩介 鈴木
Fumio Kondo
富美雄 近藤
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慎一郎 八木
Hitoshi Iwatsuki
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Abstract

【課題】小粒子で、かつ画像再現性が高く、高精細で、地汚れやキャリア付着についても防止することができる現像剤を提供する。
【解決手段】少なくともキャリアとトナーとからなり、前記キャリアの体積平均粒径は20〜65μmであり、前記キャリアは、被覆層を有してなり、前記被覆層は、少なくともアクリル樹脂と粒子とからなり、当該粒子の粒子径(D)と、当該被覆樹脂膜厚(h)が、1<D/h<10の関係にあり、前記粒子総含有量が、被覆膜組成成分の45〜95wt%であり、前記キャリアの焼成温度が、160〜250℃であるものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像現像に適用する現像剤、カラー現像剤、ならびに現像剤を装填した画像形成装置、プロセスカートリッジ、及びこれらを用いた画像形成方法に関する。
従来、電子写真方式による画像形成を行うためには、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して帯電したトナー粒子を付着させて可視像を形成した後、このトナー像を紙等の記録媒体に転写し、定着して出力画像を形成していた。
近年においては、コンピュータの普及によって、コピア、プリンターの需要が急拡大していると同時に、その画質面でも高精細な画質が求められるようになってきており、キャリア及びトナーの小粒径化が進められている。
このようなキャリア及びトナーの小粒径化は、画質面では高精細な画像の形成に効果が大きいが、副作用も多数生じさせている。
上記副作用の一つとして、高温高湿環境下での保存性の悪化がある。
高湿度環境下での保存性の悪化には、現像剤の固化(キャリアとトナーがくっ付き合って塊となる現象)がある。
例えば、新品の現像剤を現像ユニットにセットする場合、通常は新品の現像剤を詰めたケースから現像ユニット側へ容易に落下移行するので、容易に現像ユニット内に現像剤を移すことができるが、固化した現像剤は容易に落下せず、現像ユニット内に現像剤が移らないので、まともに絵出しができないという問題が生じるのである。
また、現像ユニット内で固化した場合、特に現像ユニット内の攪拌羽根で崩せないレベルまで固化が進んでしまうと、異常画像の発生や、駆動不可能といった不具合も生じうる。
このような現像剤の固化については、小粒径化に伴い、キャリア、トナー共に比表面積が増加していることが原因として挙げられる。その他としても、低温定着化、オイルレス化の影響も大きいと考えられている。
また、近年のマシンの小型化に伴う現像ユニットの小型化、レイアウト上の現像剤の落下のし難さが、現像剤が固化した場合に不具合を生じさせ易くしていると考えられる。
更には、市場の多様化に伴い、使用を保証する環境も従来に比べ広くする必要があり、現像剤にはより厳しい品質が求められている。
上述したように、現像剤の固化は、今後重要な課題として解決しなければならないものであると考えられている。
ちなみに、トナーの固化については、従来から検討がなされていた(例えば、特許文献1〜4参照。)。
しかしながら、これらはいずれもトナー単体に対しての検討がなされたのみであり、現像剤としての固化については、何ら解決するものではなかった。
ところで、近年においては、電子写真方式を用いたコピアやプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行うものである。
従って、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー画像表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。
このような理由から、従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着する方法としては、平滑な表面を持ったローラーやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。
この方法は、熱効率が高く高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能であるという利点があるが、その反面、加熱定着部材表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後剥離するために、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じるという問題がある。
このオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラー表面を形成し、さらにその定着ローラー表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が一般に採用されていた。
この方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化しコスト高になってしまうという問題を有している。このため、モノクロトナーでは、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布の調整等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、さらにトナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラーに離型オイルを塗布しない、あるいはオイル塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
しかし、上述したように、カラートナーにおいては、色再現性を向上させるために、定着画像の表面を平滑にする必要があるため、溶融時の粘弾性を低下させねばならず、光沢のないモノクロトナーよりオフセットし易く、定着装置のオイルレス化や微量塗布化がより困難となる。
また、トナー中に離型剤を含有させると、トナーの付着性が高まり、転写紙への転写性が低下し、さらにトナー中の離型剤がキャリア等の摩擦帯電部材を汚染し帯電性を低下させることにより耐久性が低下するという問題を生じる。
また、従来、カラートナーにはポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の低分子量で光沢が得られ易い結着樹脂が用いられてきたが、これらの樹脂は親水性基を含有するため湿度による帯電量の変化が大きいという欠点を有していた。
さらに最近は、高画質を得るためにトナーを小粒径化する傾向にあるが、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂は従来からモノクロトナー用結着樹脂として用いられてきたスチレン系樹脂に比べ粉砕性が劣るという欠点を有している。
上述したような状況下において、従来においては、ポリエステル樹脂とDSCによる吸熱ピークを50〜90℃に有するエステルワックスを含有する非磁性一成分現像剤が提案されていた(例えば、特許文献5参照。)。これにより優れた耐ホットオフセット品質が実現できたが、エステルワックスはポリエステル樹脂との相溶性が優れておらず、複写機現像時においてワックスのキャリアスペントやフィルミングが発生し、耐久性が得られないという問題を有していた。
また、ポリエステル樹脂と、DSCによる吸熱ピークを、70〜90℃に有するエステルワックスを含有する現像剤が提案されたが(例えば、特許文献6参照。)、これについても、上記と同様に耐久性の点において、未だ解決課題を残している。
このように、オイルレスフルカラートナーにおいては、充分な低温定着性と、耐ホットオフセット性、光沢性、色の彩度が得られ、かつフィルミングの発生がなく、優れた耐久性を有する現像剤は未だ実現していなかった。
一方、キャリアに関しては、キャリア表面へのトナー成分のフィルミング防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体表面へのキャリア付着防止、感光体のキャリアによるキズ、あるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、または帯電量の調節等の目的で、通常適当な樹脂材料で被覆等を施すことにより固く高強度の被覆層を設けることが行われており、例えば特定の樹脂材料で被覆されたもの(例えば、特許文献7参照。)、更にその被覆層に種々の添加剤を添加するもの(例えば、特許文献8〜14参照。)、更にキャリア表面に添加剤を付着させたものを用いるもの(例えば、特許文献15参照。)、更にコート膜厚よりも大きい導電性粒子をコート膜に含有させたものを用いるもの(例えば、特許文献16参照。)等が開示されている。
また、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分としてキャリア被覆材に用いることが知られており(例えば、特許文献17参照)、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが知られている(例えば、特許文献18参照。)。
特公平02−051177号公報 特開平09−304959号公報 特開平09−329910号公報 特開2001−312093号公報 特開2003−156876号公報 特開2000−181120号公報 特開昭58−108548号公報 特開昭54−155048号公報 特開昭57−40267号公報 特開昭58−108549号公報 特開昭59−166968号公報 特公平1−19584号公報 特公平3−628号公報 特開平6−202381号公報 特開平5−273789号公報 特開平9−160304号公報 特開平8−6307号公報 特許第2683624号公報
本発明においては、上述したような従来の問題点に鑑み、小粒径化されたキャリアとトナーからなる現像剤においても、固化による不具合を生じることがなく、文字、及び画像再現性が高く、高精細な画像が得られ、地汚れやキャリア付着についても防止することができる現像剤、ならびに現像剤を装填した画像形成装置、プロセスカートリッジ、及びこれらを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明においては、上述したような従来における問題点の解決を図るべく、鋭意検討した結果、下記の提案を行った。
請求項1に係る発明においては、少なくともキャリアとトナーとからなる静電荷像現像用現像剤であって、前記キャリアの体積平均粒径は20〜65μmであり、前記キャリアは、被覆層を有してなり、前記被覆層は、少なくともアクリル樹脂と粒子とからなり、当該粒子の粒子径(D)と、当該被覆樹脂膜厚(h)が、1<D/h<10の関係にあり、前記粒子総含有量が、被覆膜組成成分の45〜95wt%であり、前記キャリアの焼成温度が、160〜250℃であるものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項2に係る発明においては、前記キャリアの被覆層に含有されている前記粒子が、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、又はそれらに表面処理を施したもののうちの、単独あるいはこれらの二種以上の組み合わせよりなるものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項3に係る発明においては、前記キャリアの被覆層に、シリコン樹脂が含有されているものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項4に係る発明においては、前記トナーは、少なくとも着色剤、二種以上の樹脂、及びワックスから成り、前記二種以上の樹脂と、前記ワックスとが、互いに非相溶で、海島状の相分離構造を有し、前記相分離構造は、連続相の海状の樹脂Aに島状の他の樹脂Bが分散してなり、当該島状樹脂Bの中に、実質的にワックスが内包されており、前記樹脂Aが、テトラヒドロフラン(THF)不溶解成分を含有せず、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による重量平均分子量が3000〜90000であり、前記トナーが、少なくとも無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添したものである静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項5に係る発明においては、前記トナーに外添している前記無機微粒子に、シリカ粒子が含有されているものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項6に係る発明においては、前記トナーが、フルカラートナーであるものとした静電荷像現像用現像剤を提供する。
請求項7に係る発明においては、前記各種静電潜像現像用現像剤を収納した容器を提供する。
請求項8に係る発明においては、前記各種静電潜像現像用現像剤を用いた画像形成方法を提供する。
請求項9に係る発明においては、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を具備してなり、少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるものとしたプロセスカートリッジであって、前記現像手段は、現像剤を保持してなり、当該現像剤として、前記各種静電潜像現像用現像剤を適用したプロセスカートリッジを提供する。
本発明によれば、キャリアとトナーからなる現像剤を極めて小粒子であるものとしても、固化による不具合を生じることがなく、文字及び画像の再現性が高く、高精細な画像形成を行うことができ、かつ地汚れやキャリア付着も効果的に防止できた。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
本発明においては、少なくともキャリアとトナーとからなる現像剤において、キャリアの体積平均粒径を20〜65μmとし、キャリアの被覆層について、これを少なくともアクリル樹脂と粒子とからなるものとし、この被覆層を構成する粒子の粒子径(D)と、被覆樹脂膜厚(h)とが、1<D/h<10の関係を有するものとし、被覆層における粒子総含有量が、被覆層組成成分の45〜95wt%であるものとし、キャリアの焼成温度は160〜250℃であるものと特定した。これにより、現像剤特性の顕著な向上効果が得られることが確かめられた。
先ず、キャリアの平均粒径に関しては、体積平均粒径が65μmよりも大きい場合には、キャリア付着が起りにくくなる反面、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くすると、地汚れが急速に悪化してしまい、また磁気ブラシの穂が硬くなりかつ穂の流動性が悪くなるという不具合を生じる。一方、体積平均粒径が20μm未満であると、キャリア飛散が生じ、潜像担持体へのキャリア付着という不具合が生じ易くなり好ましくない。よって、キャリアの体積平均粒径は20〜65μmとすることが好ましいことが確かめられた。
なお、ここで体積平均粒径とは、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用して測定し得たものとする。
キャリアの被覆層にアクリル樹脂を適用するのは、これは接着性が強く脆性が低いという特性を有しているため、粒子をキャリア表面に強固に固定化することができると共に、それを長期にわたり維持することができるためである。
そして、被覆層を構成する粒子については、粒子径(D)と、被覆樹脂膜厚(h)とが、1<D/h<10の関係を有するものとし、被覆層における粒子総含有量が、被覆膜組成成分の45〜95wt%とする。
このように粒子径と被覆層の樹脂膜厚との関係を規定したことによって、被覆層に比べて粒子の方を凸とすることができるので、キャリア同士及びキャリアとトナーとの接触面積を小さくすることができ、固化し難くすることができる。
そして、D/hの値が1以下の場合、粒子は結着樹脂中に埋もれてしまうため、効果が著しく低下してしまう。
一方、D/hが10以上の場合、粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため、充分な拘束力が得られず、粒子が容易に脱離してしまうという問題がある。
また、粒子の総含有率が40wt%よりも少ない場合には、キャリア粒子表面での結着樹脂の占める割合に比べ、該粒子の占める割合が少ないため、接触面積の低減効果が充分得られず好ましくない。
一方、粒子の総含有率が95wt%よりも多い場合には、結着樹脂の占める割合に比べ、この粒子の占める割合が過多となるため、粒子保持力が不足し、粒子が脱離し易くなり、充分な接触面積の低減効果が得られず好ましくない。
そして、キャリアの焼成温度を高くすると固化しにくくなるという効果が得られる。これは、キャリアの被覆層内に残存する溶媒量が低減される為であり、焼成温度を高くするほど残留溶媒の残存量が低減化するためである。
しかし、焼成温度が250℃を超えると、アクリル樹脂が劣化し始めるので、粒子保持力が低下してしまい固化し難くなる効果が低下するため好ましくない。一方、焼成温度が160℃未満の場合には、残留溶媒が多くなってしまい、固化し易くなるため、好ましくない。
上述したことから、キャリアの焼成温度は、160〜250℃であることが好適であることが確かめられた。
ところで、本発明におけるアクリル樹脂とは、アクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。
また、アクリル樹脂単体で用いてもよく、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上、含有させてもよい。架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アミノ樹脂とは、グアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限定されるものではない。
また、酸性触媒とは、触媒作用を持つもの全てを適用できる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に、キャリアの被覆層に含有する粒子については、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、又はそれらに表面処理を施したもののいずれかを、単独あるいは組み合わせて適用でき、これらを適用することにより、高い固化防止効果が得られることが確かめられた。
また、キャリアの被覆層に粒子を含有させる他の効果としては、キャリア表面へ加わる外力から被覆層を守ることが挙げられる。
この外力により粒子が容易に砕けたり摩耗したりすると、被覆層の保護効果を長期に亘って維持することが困難となり、安定した品質を得られなくなってしまい、更には、固化の低減化効果も失われてしまう。
キャリアの被覆層に含有する粒子は、強靭な性質を有し、上記外力に対し強く、割れ摩耗が生じず、長期にわたり被覆層保護効果を維持することができるものであることが必要である。
粒子の粒径は5μm以下が好ましく、被覆層中における粒子は、アクリル樹脂よって存在させるようにすることが好ましい。これは、アクリル樹脂の強い接着性により、粒子を長期に亘り保持するためであるが、必ずしもアクリル樹脂中に含有させる必要はない。
また、被覆層中には必要に応じてカーボンブラックを含有させてもよい。これにより表面電気抵抗を低減化する効果が得られる。
一般的に、電気抵抗が高いキャリアを現像剤として用いると、コピー画像の大面積の画像面では、中央部の画像濃度が非常に薄く、端部のみが濃く表現される、いわゆるエッジ効果の鋭く利いた画像となる。
画像が文字や細線の場合は、このエッジ効果のため鮮明な画像となるが、画像が中間調の場合には、非常に再現性の悪い画像となってしまう。
従って、キャリア被覆層中にカーボンブックを適量含有させることにより、画像の質の向上効果が得られる。
ここで、カーボンブラックとは、キャリアあるいはトナー用として一般的に使われているものをいずれも適用できる。
被覆層にシリコン樹脂のような脆性が高く、削れ易い樹脂を適用した場合に、被覆層の樹脂中にカーボンブラックを含有させると、削れた黒色の膜が画像中に出てしまうおそれがあり、欠陥画像の原因となってしまう。
また、被覆層にシリコン樹脂を含有させると、固化防止の改善効果が顕著に得られるということが確かめられた。
これは、シリコン樹脂は表面エネルギーが低いため、キャリア同士やキャリアとトナーとの貼り付きが生じ難く、固化し難い効果が得られるためである。
なお、シリコン樹脂とは、従来公知のシリコン樹脂のいずれも含むものとし、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタン等で変性したシリコン樹脂等が例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えば、市販品のストレートシリコン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。
シリコン樹脂単体で用いてもよく、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いてもよい。
更に、変性シリコン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)等が挙げられ、これらにおいてもキャリアの固化防止効果が得られることが確かめられた。
次に、トナーについて説明する。
トナーは少なくとも着色剤、2種類以上の樹脂、及びワックスからなるものとし、前記2種類以上の樹脂とワックスとが互いに非相溶で、海島状の相分離構造を有しており、この相分離構造は、連続相の海状の樹脂Aに島状の他の樹脂Bが分散し、この島状樹脂Bの中に実質的にワックスが内包されているものとする。ここで樹脂Aは、テトラヒドロフラン(THF)不溶解成分を含有せず、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による重量平均分子量が3000〜90000であるものとし、かつトナーが少なくとも無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添したトナーであるものとすることにより、固化防止の改善効果が顕著に得られることが分った。
上述したように、本発明におけるトナーの最大の特徴点は、少なくとも2種類以上の樹脂及びワックスを含有し、それらが互いに非相溶で海島状の相分離構造をとり、連続相である海状の樹脂Aに島状に他の樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中にワックスが内包されていることである。
トナーにおいてこのような構造を形成せしめ、さらに本発明における課題を解決するためには、樹脂A、樹脂B及びワックスのSP値が、樹脂AのSP値>樹脂BのSP値>ワックスのSP値であり、樹脂Aと樹脂BのSP値差が0.6以上であり、トナー中の樹脂及びワックスの合計量に対して樹脂Aが55〜96wt%、樹脂Bが2〜44wt%、ワックスが2〜15wt%であるものとすることが好ましい。
特性について何ら特定しない従来公知の樹脂にワックスが島状に分散した海島構造のトナーでは、粉砕時に樹脂とワックスの界面に粉砕応力が集中し易くなるため、樹脂とワックスとの界面で粉砕し易く、粉砕したトナーの表面に、添加したワックスの割合以上にワックスが露出してしまい、転写性や耐久性を低下させる原因となる。
本発明においては、トナーに関し、海状の樹脂Aに島状に他の樹脂Bが分散し、島状樹脂Bの中にワックスが内包されている構造としたことにより、粉砕応力を樹脂Aと樹脂Bとの界面にも集中させることができ、粉砕されたトナー表面へのワックスの露出量を低減化でき、転写性、耐久性に優れたトナーとすることができた。
しかもワックスは、トナー表面近傍に存在するため、耐オフセット性の低下もほとんどない。
また、応力の集中する非相溶面の増加により粉砕性が向上し、小粒径のトナーを高い生産効率をもって製造することができる。
色再現性の面からは、画像の光沢は5%以上、より好ましくは10%以上あることが好ましく、この観点から、樹脂AはTHF不溶分を含有せず重量平均分子量が3000以上90000以下、より好ましくは50000以下とし、樹脂BはTHF不溶分を含有せず重量平均分子量が3000以上60000以下とすることが好ましい。
また、樹脂A、樹脂Bは、ともに重量平均分子量が3000未満とすると充分なオフセット防止効果が得られないことが確かめられた。
また、外添剤についてであるが、無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上できることが確かめられた。
転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すことと、トナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積の低下により、上記効果が得られた。
トナーに使用するバインダー樹脂としては、従来公知のものをいずれも適用できる。
例えば、スチレン、パラクロルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリアミド、(メタ)アクリル酸、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル。ビニルメチルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、ブタジエン等の単量体の重量体、又はこれらの単量体の2種類以上からなる共重合体、或いはそれらの混合物が挙げられる。
その他、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、水添石油樹脂などが単独或いは混合して使用できる。
上述した材料の中でも、樹脂Aとしては、従来からカラートナーに用いられているポリエステル樹脂やポリオール樹脂が好適である。
なお、ポリオール樹脂としては、エポキシ骨格を有するポリエーテルポリオール樹脂をいい、(1)エポキシ樹脂、(2)2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテル、(3)エポキシ基と反応する活性水素を有する化合物を反応させ得られるポリオール樹脂が好適なものとして適用できる。
樹脂Bとしては、湿度に対する帯電の安定性、粉砕性に優れたスチレン系樹脂、特にスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が好適である。
更に、樹脂Bとしてワックス成分をビニル系樹脂によりグラフト化した相溶化剤を用いることによりワックスが微分散され、トナー表面に露出するワックス量がさらに減少し、転写性、耐久性が向上する。
なお、樹脂Aと樹脂BのSP値差を求めるとき、樹脂Aが2種類の場合の樹脂Aと樹脂BのSP値差は、樹脂A1と樹脂A2の配合比率を考慮したSP値の平均値と樹脂BのSP値との差となる。
本発明のトナーに用いられる離型剤としてのワックス類は、従来公知のものをいずれも適用できる。
例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィンワックスやフィッシャー・トロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックスや密ロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸及び高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸アミド、合成エステルワックス等及びこれらの各種変性ワックスが挙げられる。
上記ワックスの内、カルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステルワックスが好適である。その理由はポリエステル樹脂やポリオール樹脂に対してカルナウバワックス及びその変性ワックスや合成エステルワックスは、適度に微分散するため、後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。
これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、融点が70〜125℃の範囲のものを使用するのが好ましい。融点を70℃以上とすることにより転写性、耐久性が優れたトナーとすることができ、融点を125℃以下とすることにより定着時に速やかに溶融し、確実な離型効果を発揮できる。またワックスの針入度は5以下のものが好ましく、該針入度が5以下の場合、ワックスが適度な硬度を有するので、添加剤の埋め込みが生じにくいという効果がある。
これらの離型剤の使用量は、トナーに対して2〜15wt%が好適である。2wt%未満ではオフセット防止効果が不充分であり、15wt%を超えると転写性、耐久性が低下する。
更に、ワックスの選択において重要な点としては、樹脂Bに対して非相溶であることである。
但し、転写性や耐久性からトナー中のワックスの最大分散粒径が長軸径でトナーの最大粒径の1/2以下であることが好ましく、より好ましくはワックスの最大分散粒径が長軸径で0.5μm以上、かつトナーの最大粒径の1/3以下である。
また、ワックスの最大分散粒径が長軸径で0.5μm未満となると定着時にワックスがしみ出し難くなりオフセット防止効果が不充分となる。
なお、ワックスの最大分散粒径は、樹脂は溶解するが、ワックスは溶解しない溶剤にトナーを入れ樹脂を溶解させた後、光学顕微鏡で1000倍で観察して求めることができる。
トナーの最大粒径はコールターカウンターにて最大粒子の存在するチャンネルの平均値とした。なお、ワックスのSP値は、SP値既知の溶剤に対する溶解性から求めた。
カラートナー等のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料をいずれも使用でき、以下に挙げるものに限定されない。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等がある。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
また、これら着色剤は単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
カラートナー等のトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有させてもよい。例えば、荷電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.BasicRed 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド、等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチル等のジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。
ブラック以外のカラートナーにおいては、発色目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
外添剤については、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子、樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性を更に向上させることができる。転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積の低下により、この効果が得られる。
これらの無機微粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。
樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。
さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
上述した無機微粒子や樹脂微粒子は、トナー中に含有(内添)させるようにすると、外添した場合より効果は減少するが、転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。
また、外添と内添を併用することにより、外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、表面疎水化処理剤の具体的な例を以下に示す。
例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられる。
その他、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。
また、クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、例えば脂肪酸金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用することができる。
トナーの製造方法としては、従来公知の方法をいずれも適用できる。トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適である。
上記のようにして得られた溶融混練物は、冷却した後に粉砕するが、この工程においては、例えばハンマーミルやロートプレックス等を用いて先ず粗粉砕しておき、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機等を使用することが好適である。
粉砕工程は、平均粒径が3〜10μmになるように行うのが望ましい。
更に、粉砕物は風力式分級機等により、3〜9μmに粒度調整されることが好ましい。
次に、外添剤の母体トナーへ外添が行われるが、母体トナーと外添剤をミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。
この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが、優れた耐久性を実現するためには重要である。
更に、トナーの外添剤に、大粒径シリカを含有させると、固化防止効果が顕著に発揮されるようになることが確かめられた。
大粒径のシリカのように、従来から適用されていた外添剤に比して大きな粒径の外添剤を併用することにより、トナー同士及びトナーとキャリアとの距離を離すことができるとともに、接触面積の低減化効果が得られ、固化防止効果が得られる。
また、大粒径のシリカは、通常の外添剤に比べて母体トナー粒子へ埋め込まれ難い性質があり、このため、その他の外添剤も埋め込まれ難くなり、これらの相乗効果により固化防止効果が一層向上する。
大粒径シリカの粒径は、比表面積が20〜50m2/g、あるいは/及び平均粒径がトナーの平均粒径の1/100〜1/8のものを適用することが好ましい。
キャリアの磁化は、1KOeにおける磁気モーメントが、40〜90Am2/kgであることが好ましい。この範囲とすることにより、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれ、キャリアまたは現像剤へのトナーの分散(混ざり)が素早く良好となる。しかし1KOeにおける磁気モーメントが40Am2/kg未満の場合は、磁気モーメント不足によりキャリア付着が生じ好ましくない。
一方、1KOeにおける磁気モーメントが90Am2/kgを超えると、現像時に形成する現像剤の穂が硬くなり過ぎるため、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので好ましくない。
キャリアの芯材としては、電子写真用2成分キャリアとして従来公知のものをいずれも適用でき、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等、キャリアの用途、使用目的に合わせて適宜選択して用いればよく、特に限定されるものではない。
上述した本発明の静電荷像現像用現像剤は、従来公知の画像形成装置、及びこれを用いた画像形成方法に適用できる。
例えば、図1に本発明の現像剤を充填する容器を搭載した画像形成装置の一例の概略図を示す。
これは、画像形成装置本体内に装着された現像部1と、この現像部1に補給する本発明の現像剤を充填した収納容器2と、この両者を接続する現像剤送流手段3を具備している。
図1において、現像部1は、現像剤Dを充填した現像ハウジング4と、現像剤Dを攪拌混合する第1及び第2の攪拌スクリュー5、6と、現像ローラ7とを有していて、当該現像ローラ7が、潜像担持体の感光体8に対向して配置されている。感光体8は、矢印で示す方向に回転駆動され、その表面に静電潜像が形成される。図中26は、接続部材24の上にフィルター25を介して又は介さず嵌合されたキャップである。感光体8の周囲には、図示していない帯電手段、露光手段、転写手段、除電手段、クリーニング手段等、その他の公知のユニットが配置されたものである。
第1及び第2の攪拌スクリュー5、6が回転することにより、現像ハウジング4内の現像剤Dが攪拌され、そのトナーをキャリアが互いに逆極性に摩擦帯電される。かかる現像剤Dが矢印方向に回転駆動する現像ローラ7の周面に供給され、その供給された現像剤は現像ローラ7の周面に担持され、当該現像ローラ7の回転によって、その回転方向に搬送される。次いで、この搬送された現像剤は、ドクターブレート9によって量を規制され、規制後の現像剤が感光体8と現像ローラ7との間の現像領域に運ばれ、ここで現像剤中のトナーが、感光体表面の静電潜像に静電的に移行し、その静電潜像がトナー像となって可視像化される。
次に、本発明の静電荷像現像用現像剤を用いてフルカラー画像の形成を行う場合について、図を参照して説明する。
図2にカラー画像形成を行う画像形成装置の概略構成図を示す。
図2において、プリンタ本体910は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部912、画像形成部913、給紙部914から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用の黒(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y),シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部912に送信する。画像書込部912は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部913の各色毎に設けられた像坦持体(感光体)921BK、921M、921Y、921Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部913は黒(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像坦持体である感光体921BK、921M、921Y、921Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体921BK、921M、921Y、921Cの周囲には、帯電装置、上記書込部912からのレーザ光の露光部、黒、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置920BK、920M、920Y、920C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ923BK、923M、923Y、923C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置920BK、920M、920Y、920Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト922は、各感光体921BK、921M、921Y、921Cと、各1次転写バイアスローラ923BK、923M、923Y、923Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部914から給紙された後、レジストローラ916を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト950に坦持される。そして、中間転写ベルト922と転写搬送ベルト950とが接触するところで、上記中間転写ベルト922上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ960により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト950により定着装置915に搬送され、この定着装置915により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト922上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置925によって中間転写ベルト922から除去される。このベルトクリーニング装置925の下流側には、潤滑剤塗布装置(表示略)が配設されている。この潤滑剤塗布装置は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト922に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。該導電性ブラシは、中間転写ベルト922に常時接触して、中間転写ベルト922に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト922のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、シームレスベルトは、上述したような中間転写ベルト501または922を装備した中間転写ベルト方式の画像形成装置に好適に適用できる他、該中間転写ベルト501または922の代りに転写搬送ベルトを装備した転写搬送ベルト方式の画像形成装置にも適用できる。さらに、転写搬送ベルト方式の画像形成装置の場合においても、前記1感光体ドラム方式あるいは4感光体ドラム方式の何れにも適用可能である。
次に、本発明の現像剤を用いたプロセスカートリッジと、これを具備する画像形成装置について図を参照して説明する。
図3に本発明の現像剤を有するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。図3においてはプロセスカートリッジ全体を示し、感光体31、帯電手段32、現像手段33、及びクリーニング手段34を備えている。
感光体31、帯電手段32、現像手段33、及びクリーニング手段34等の構成要素のうち、現像剤を用いる現像手段33と、他の単数又は複数の手段とをプロセスカートリッジ30として一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
現像剤を用いる現像手段33を有するプロセスカートリッジ30を搭載する画像形成装置は、感光体31が所定の周速度で回転駆動される。感光体31は回転過程において、帯電手段32によりその周面に正または負の所定電位の均一耐電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体31の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段33によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体31と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体表面は、クリーニング手段34によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
次に、本発明の具体的な実施例、及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下に示す例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」とは「重量部」であるものとする。
〔実施例1〕
(キャリア形成材料)
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%):42.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%):13.0部
アルミナ粒子(0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)):36.8部
トルエン:60部
ブチルセロソルブ:60部
上記材料をホモミキサーで10分間分散し、アクリル樹脂被覆膜形成溶液を得た。
芯材として平均粒径35μmの焼成フェライト粉を用意し、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥処理を施した。
得られたキャリアを電気炉中で180℃で1時間放置して焼成した。
冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、(キャリア1)を得た。
また、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆層を観察し、その膜厚の平均値をキャリア被覆層の膜厚とした。
(トナー形成材料)
ポリエステル樹脂(A1):80部
スチレン−メチルアクリレート樹脂(B1):15部
カルナウバワックス(融点82℃、針入度1.2、SP値8):5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩):2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料):2.5部
但し、A1:THF不溶分0、重量平均分子量17000、Tg59℃、SP値10.8、B1:THF不溶分0、重量平均分子量15000、Tg62℃、SP値9.3であり、樹脂B1の粉砕性は樹脂A1及びカルナウバワックスより高かった。
上記材料を、ヘンシェルミキサーで充分に混合処理した後、2軸押出機を用いて混練し、冷却後粉砕し、分級してシアンの母体トナーを得た。
上記のようにして得た母体トナー100部に対して、外添剤として疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品、1次粒子の平均粒径が20nm)1.0部を加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合処理し、体積平均粒径約7μmのシアントナー(トナー1)を得た。
トナー中の樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大長軸径は7μmであった。
また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、樹脂A1に樹脂B1が島状に分散しており、更に樹脂B1の中にワックスが内包されていることが確認された。
上記のようにして得たトナー1を7部と、キャリア1を93部とを、ターブラミキサーを用いて混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、以下の評価を行った。
評価方法を下記に示し、評価結果を表1に示す。
〔ハーフトーン画像〕
現像ユニット内の現像剤の固化具合を確認するため、A4ハーフトーンベタ画像により評価した。
固化具合が悪い場合は、現像部ドクターブレードの後ろに現像剤の塊が詰まり、画像中にスジが生じ欠陥画像となる。
評価の方法は、市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX 8200)の改造現像ユニットの現像剤ホッパーに、攪拌部へ現像剤が落ちないようにシールをした状態で現像剤をセットし、マシン本体にセットした状態で、50℃、95%RHの環境試験室に投入し、12時間の保存を実施した。注意点としては、環境試験室に投入の際には結露させないために、温湿度を徐々に上げながら50℃、95%RHに調整することである。
12時間保存が終了した後、常温環境下に取り出し、30分以上放置して常温湿度に戻した。この際の注意点としては、現像ユニットに振動を与えてはならないことである。理由は、振動すると固化した物をほぐしてしまい、評価結果に大きく影響を与える為である。
上記のようにして高温高湿環境下で保管された現像剤の固化度合いを評価する為、現像ユニットに装着されている、現像剤ホッパーと現像ユニット攪拌部を仕切っているシールを引き抜き、現像剤を攪拌部へと落下させる。このとき、固化していなければ、現像剤はスムーズに落下し攪拌部へ移行するが、固化がひどい場合には、現像剤の落下が無く攪拌部への移行が無い状態となる。
この状態でマシンの初期設定を実施した後に、A4ハーフトーンベタ画像を出力し、画像の状態から以下のようにランク分けした。
◎:初期剤設定ができ、良好なハーフトーン画像。
○:初期剤設定は可能だが、スジがうっすら確認できる。
□:初期剤設定は可能だが、スジがはっきり確認できる。
△:現像剤の落下が少なく初期設定不能で実用上使用できないレベル。
×:現像剤の落下が無く初期設定不能で実用上使用できないレベル。
◎、○、□を合格とし、△、×を不合格とした。
〔画像の精細性〕
画像の精細性については、文字画像部の再現性によって評価した。
評価の方法としては、市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX 8200)改造機に現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性を画像により評価し、次のようにランク分けした。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
〔画像の地肌部汚れ〕
画像の地肌部汚れについては、感光体上の地肌部の汚れによって評価した。
評価の方法としては、市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX 8200)改造機に現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を現像し、現像途中に強制終了させ、感光体上が現像状態のまま取り出す。そして取り出した感光体上の画像部に、透明なテープを貼り付け剥がし取ったテープを、白紙上に貼り付けルーペにより観察し、地肌部の汚れ(トナーによる汚れ)を評価した。この地肌部汚れについては、次のようにランク分けした。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
〔キャリア付着〕
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、無画像チャートを現像した感光体表面に付着しているキャリア個数をルーペ観察により5視野カウントし、その平均の100cm2当たりのキャリア付着個数をもってキャリア付着量として評価し、次のようにランク分けした。
◎:20個以下
○:21個以上60個以下
△:61個以上80個以下
×:81個以上
とし、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
〔実施例2〕
上記実施例1において、キャリアの被覆層中の粒子を酸化チタン(0.3μm、固有抵抗107(Ω・cm))に変え、その他の条件は実施例1と同様として(キャリア2)を作製した。(キャリア2)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを、混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例3〕
上記実施例1において、キャリア被覆層中の粒子を酸化亜鉛(0.3μm、固有抵抗107(Ω・cm))に変えた。その他の条件は実施例1と同様として(キャリア3)を作製した。(キャリア3)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを、混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例4〕
上記実施例1において、キャリア被覆総の材料を以下のように変更した。その他の条件は実施例1と同様として(キャリア4)を作製した。
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%):21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%):6.4部
シリコン樹脂溶液:65.0部
(固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製))
アミノシラン:0.3部
(固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製))
アルミナ粒子(0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm))36.8部
トルエン:60部
ブチルセロソルブ:60部
上記のようにして作製した(キャリア4)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例5〕
上記実施例4において、キャリアの焼成温度を210℃に変更した。その他の条件は同様として(キャリア5)を作製した。
上記のようにして作製した(キャリア5)93部と、実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例6〕
上記実施例4において、キャリアの焼成温度を240℃に変更した。その他の条件は同様として(キャリア6)を作製した。
上記のようにして作製した(キャリア6)93部と、実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例7〕
上記実施例4において、トナーの樹脂Bに関し、ポリエチレンワックスにスチレンとブチルアクリレート、及びアクロニトリル共重合樹脂をグラフト化したもの(樹脂B2)に変更した。その他の条件は同様として(トナー2)を作製した。
但し、樹脂B2は、THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが63℃、SP値が10.2であり、樹脂B2の粉砕性は樹脂A1及びカルナウバワックスより高かった。
このトナー中樹脂のTHF不溶分は0%であり、トナーの最大粒径は18μm、トナー中のワックスの最大長軸径は7μmであった。
また、透過型電子顕微鏡でトナーの構造を観察した結果、樹脂A1に樹脂B2が島状に分散し、さらに樹脂B2の中にワックスが内包されていることが確認された。
このようにして作製した(トナー2)7部と、上記実施例4で作製した(キャリア4)93部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔実施例8〕
上記実施例7において、トナーの外添剤に大粒径シリカ(疎水化処理:有、1次粒子の平均粒径:120nm)を、母体トナー100部に対して0.5部加えた。その他の条件は同様として(トナー3)を作製した。
このようにして作製した(トナー3)7部と、上記実施例4で作製した(キャリア4)93部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔比較例1〕
上記実施例1において、キャリア被覆層中のアルミナ粒子の含有率を30wt%に変更し、焼成温度を150℃に変更した。その他の条件は同様として(キャリア7)を作製した。
このようにして作製した(キャリア7)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔比較例2〕
上記実施例1において、キャリア被覆層中のアルミナ粒子の粒径を0.12μmに変更し、D/hが0.8になるようにした。その他の条件は同様として(キャリア8)を作製した。
このようにして作製した(キャリア8)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔比較例3〕
上記実施例1において、キャリア芯材に関し平均粒径17μmの焼成フェライト粉(小粒径材料)に変更し、解砕篩の目開きを22μmに変更した。その他の条件は同様として(キャリア9)を作製した。
このようにして作製した(キャリア9)93部と、上記実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
〔比較例4〕
上記実施例1において、キャリア芯材に関し平均粒径70μmの焼成フェライト粉(大粒径材料)に変更し、解砕篩の目開きを106μmに変更した。その他の条件は同様として(キャリア10)を作製した。
このようにして作製した(キャリア10)93部と、実施例1で作製した(トナー1)7部とを混合攪拌し、トナー濃度7wt%の現像剤を得、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2006154453
上記表1に示すように、本発明の現像剤を適用した実施例1〜8については、ハーフトーン画像評価、高精細画像評価、地汚れ評価、及びキャリア付着評価のいずれにおいても、実用上良好な評価結果が得られた。
一方、キャリアの被覆層中のアルミナ粒子の含有率を30wt%とし、焼成温度を150℃とした比較例1においては、ハーフトーン画像項目で実用上充分な評価結果が得られなかった。
また、キャリアの被覆層中のアルミナ粒子の体積平均粒径を0.12μmとし、この粒子の粒子径(D)と、被覆層の膜厚(h)との比が1以下の0.8とした比較例2においては、ハーフトーン画像項目において実用上充分な評価結果が得られなかった。
また、キャリア芯材の粒径を17μmとした比較例3においては、キャリア飛散が生じ、潜像担持体へのキャリア付着という不具合が生じ易くなり、ハーフトーン画像、キャリア付着項目において実用上充分な評価結果が得られなかった。
また、キャリア芯材の粒径を70μmとした比較例4においては、キャリア付着が起りにくくなり、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くすると、地汚れが急速に悪化し、高精細画像、地汚れの項目で実用上充分な評価が得られなかった。
現像剤収納用の容器を具備する画像形成装置の概略構成図を示す。 フルカラー画像形成を行う画像形成装置の概略構成図を示す。 プロセスカートリッジの概略構成図を示す。
符号の説明
1 現像部
2 現像剤収納容器
3 現像剤送流手段
4 現像ハウジング
5 攪拌スクリュー
6 攪拌スクリュー
7 現像ローラ
8 感光体
9 ドクターブレード
24 接続部材
25 フィルター
26 キャップ
D 現像剤
30 プロセスカートリッジ
31 感光体
32 帯電手段
33 現像手段
34 クリーニング手段

Claims (9)

  1. 少なくともキャリアとトナーとからなる静電荷像現像用現像剤であって、
    前記キャリアの体積平均粒径は20〜65μmであり、
    前記キャリアは、被覆層を有してなり、
    前記被覆層は、少なくともアクリル樹脂と粒子とからなり、
    当該粒子の粒子径(D)と、当該被覆樹脂膜厚(h)が、1<D/h<10の関係にあり、
    前記粒子総含有量が、前記被覆層の組成成分の45〜95wt%であり、
    前記キャリアの焼成温度が、160〜250℃であることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  2. 前記キャリアの被覆層に含有されている前記粒子が、
    アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、又はこれらに表面処理を施したもののうちの、単独あるいはこれらの二種以上の組み合わせよりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用現像剤。
  3. 前記キャリアの被覆層に、シリコン樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の静電荷像現像用現像剤。
  4. 前記トナーは、少なくとも着色剤、二種以上の樹脂、及びワックスから成り、
    前記二種以上の樹脂と、前記ワックスとが、互いに非相溶で、海島状の相分離構造を有し、
    前記相分離構造は、連続相の海状の樹脂Aに島状の他の樹脂Bが分散してなり、
    当該島状樹脂Bの中に、実質的にワックスが内包されており、
    前記樹脂Aが、テトラヒドロフラン(THF)不溶解成分を含有せず、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による重量平均分子量が3000〜90000であり、
    前記トナーが、少なくとも無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電荷像現像用現像剤。
  5. 前記トナーに外添している前記無機微粒子に、シリカ粒子が含有されていることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤。
  6. 前記トナーが、フルカラートナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の静電荷像現像用現像剤。
  7. 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用現像剤を収納したことを特徴とする容器。
  8. 前記請求項1乃至6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用現像剤を用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
  9. 感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段を具備し、少なくとも前記現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在になされたプロセスカートリッジであって、
    前記現像手段は、現像剤を保持してなり、
    当該現像剤として、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用現像剤を適用したことを特徴とするプロセスカートリッジ。



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