JP2006154110A - パターン形成方法、パターン形成装置、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

パターン形成方法、パターン形成装置、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract


【課題】 製造工程の簡略化により製造コストの削減が可能なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 本発明のパターン形成方法は、第1基板10の一面に、第1基板10の一面よりも相対的に親液性を有するパターン領域12を形成するパターン領域形成工程と、第2基板14の一面に撥液処理して撥液領域を形成する撥液処理工程と、第1基板10と第2基板14の主面同士を微小な間隙d1を設けて略平行に配置する配置工程と、間隙d1を設けて略平行に配置した第1基板10と第2基板14とからなる一対の基板を、機能液に接触させる接触工程と、接触工程において所定時間経過の後、一対の基板を機能液から離し、第1基板10と第2基板14を離反させる離反工程と、第1基板10に形成された機能液を乾燥することにより機能液の構成材料からなるパターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、パターン形成方法、パターン形成装置、電気光学装置及び電子機器に関する。
従来から、所定の配線等のパターンを形成する方法として、フォトリソグラフィー処理法が広く利用されている。また、膜厚が比較的薄い塗膜を形成する技術として、スピンコータ法等の塗布方法が知られている。ここで、スピンコータ法とは、塗膜が形成される被処理部材をスピンチャック上に保持して、その中央部に塗布すべきパターン材料被膜、例えばレジスト材料を滴下し、その基板を高速回転させて、発生した遠心力により基板中央部から外周部に向かって、その液状液を拡散させて塗膜を形成する方法である。
以下に、従来の配線パターン形成方法を具体的に説明する。まず、被処理部材の表面全体に、スピンコート法等により、金属材料等からなるパターン材料被膜を成膜する。次に、パターン材料被膜の表面全体にフォトレジストを塗布する。そして、配線パターンが形成されたフォトマスクを用いて、フォトレジストに対して露光処理を行う。そして、露光パターンに基づいて現像処理を行い、レジストを配線パターンに対応した形状にパターニングする。次に、レジストをマスクとしてパターン材料被膜をエッチング処理する。続けて、ドライエッチング処理により、パターン材料被膜上に形成されるレジストを除去する。このようにして、従来においては配線パターンを形成していた。
特開平5−47936号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の配線パターン形成方法では以下のような問題があった。上述した従来の配線パターン形成方法では、フォトリソグラフィー処理を利用しているので、レジストの塗布、乾燥、露光及び現像の各工程を必要とする。そのため、フォトリソグラフィー処理によるパターン形成方法では、上記各工程に相当の時間が必要となる。そのため、近年、半導体装置にはコスト削減が求められ、製造工程の簡略化が要求されているが、上記方法ではこのような要求を満たすことができず、製造工程の簡略化が困難であるという問題があった。さらに、スピンコート法によってパターン材料を被処理部材に成膜する場合、他の塗布方法に比べて、膜厚の分布が少なく均一な塗膜を形成するのに適しているものの、滴下したパターン材料被膜のほとんどが基板表面からその周囲に拡散される。従って、スピンコート法による成膜方法では、パターン材料の材料効率が約5%程度と低くなるため、パターン材料のほとんどが無駄となってしまい、製造コスト削減を図ることが困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、製造工程の簡略化により製造コストの削減が可能なパターン形成方法、パターン形成装置、電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、第1基板の一面に、他の領域よりも相対的に親液性を有するパターン領域を形成するパターン領域形成工程と、第2基板の一面に撥液処理する撥液処理工程と、前記第1基板の一面と前記第2基板の一面とを微小な間隙を設けて略平行に対向配置する配置工程と、前記間隙を設けて略平行に対向配置した前記第1基板と前記第2基板とからなる一対の基板を、機能液に接触させる接触工程と、前記接触工程において所定時間経過後、前記一対の基板を前記機能液から非接触状態とし、前記第1基板と前記第2基板とを離反させる離反工程と、前記第1基板に残存された前記機能液を乾燥することにより前記機能液の構成材料からなるパターンを形成するパターン形成工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、一対の基板同士を微小な間隙を設けて配置し、機能液に接触させているため、一対の基板の間隙には毛細管現象が発生する。つまり、一対の基板の間隙に機能液が浸透し、間隙内部の液体面が容器に収容される機能液の液面よりも上昇する。このとき、第1基板の一面のパターン領域は他の領域よりも親液性とするため、機能液に対する接触角が他の領域と比較して低くなる。従って、第1の基板には、パターン領域にのみ機能液が浸透し、非パターン領域には機能液は浸透しない。また、一対の基板を離反させる際、第2基板には撥液処理が施されており、機能液に対する接触角が大きい。そのため、第2基板に機能液を付着させることなく、第1基板のパターン領域にのみ機能液が配置された状態で、基板を離反することができる。よって、パターンを形成する際に従来のようにレジストによるパターニングが不要となり、製造工程を簡略化することができ、製造コストの削減を図ることができる。また、第1基板の一面は他の領域よりも親液性を有するため、基板とパターンとの接着性を確保してパターンを形成することができる。さらに、第2基板は基板表面に撥液処理が施されているのみで機能液等は付着しないため、再利用することが可能である。なお、本発明において、微小な間隙とは、第1基板と第2基板とを間隙を設けて対向配置させ機能液に接触させた場合に、毛細管現象が発生する程度の間隙である。また、接触工程における所定期間経過後とは、第1基板のパターン領域の全域、又は所望の領域に機能液が浸透した後を意味する。
また本発明のパターン形成方法は、前記パターン領域形成工程において、前記パターン領域に親液処理することも好ましい。
この構成によれば、パターン領域は親液処理されているため、他の領域と比較して機能液に対する接触角を低くすることができる。これにより、機能液に一対の基板を接触させた場合、毛細管現象により、親液処理されたパターン領域のみ機能液が浸透する。一方、親液処理されていない領域には、機能液が浸透しない。これにより、パターン領域にのみ機能液を配置することができる。
また本発明のパターン形成方法は、前記パターン領域形成工程において、前記第1基板の一面に撥液処理した後、前記パターン領域に対応する前記撥液領域を除去して前記パターン領域を形成することも好ましい。
この構成によれば、例えばレジストによるバンクを用いてパターンを形成せずに、まず、第一基板の一面に撥液処理を施す。従って、第1基板の全面に一括して、例えばディップ法等により撥液処理を施すことができる。これにより、従来と比較して、バンクを使用しないため撥液膜を薄膜化することができ、この処理に用いる薬品等の使用量を低減することができる。また、機能液に一対の基板を接触させた場合、毛細管現象により、親液処理されたパターン領域のみ機能液が浸透する。一方、撥液処理されている撥液領域には、機能液は浸透しない。これにより、パターン領域にのみ機能液を配置することができる。
また本発明のパターン形成方法は、前記配置工程において、前記第1基板と前記第2基板との間隙を、前記パターンの膜厚に応じて制御することも好ましい。
第1基板と第2基板との間隙が変化すると、毛細管現象により、基板間に浸透する機能液の量が変化する。つまり、間隙が大きくなると、基板間に浸透する機能液の量が多くなり、間隙が小さくなると、基板間に浸透する機能液の量が少なくなる。従って、本発明によれば、一対の基板の間隙を制御することにより、間隙に浸透する機能液の量を変化させることができ、これに伴い、形成するパターンの膜厚を制御することが可能となる。よって、種々の使用形態に対応したパターンを形成することができる。
また本発明のパターン形成方法は、前記パターン領域を、前記第1基板の端部から延在させて形成することも好ましい。
この構成によれば、パターン領域が第1基板の端部から延在させて形成されている。従って、パターン領域は相対的に親液性を有するため、基板の端部を機能液に接触させることにより、機能液を直接浸透させてパターンを形成することができる。このパターン形成方法により、例えば、液晶表示装置の基板に延在するデータ線、走査線等の種々の配線を形成することができる。
また本発明のパターン形成方法は、前記パターン領域を、前記第1基板の端部から離間して形成することも好ましい。
この構成によれば、基板の端部から離れた例えば、中央部等にパターンを形成することができる。このパターン形成方法により、例えば、液晶表示装置等にスイッチング素子として用いられるTFT(Thin Film Transistor)を形成することができる。
本発明のパターン形成装置は、対向する一対の基板を保持して、前記第1基板の一面と前記第2基板の一面とを微小な間隙を設けて略平行に対向配置する配置手段と、機能液が収容された容器を保持する容器保持手段と、前記配置手段と前記容器保持手段とを相対的に移動させる相対移動手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、配置手段により、一対の基板を微小な間隙を設けて配置し、相対移動手段により、例えば、容器保持手段に保持された容器を移動させて、一対の基板に機能液を接触させることができる。これにより、一対の基板は微細な間隙を設けて配置されているため、毛細管現象が発生し、一対の基板の間隙に機能液を浸透させてパターンを形成することができる。よって、従来のパターン形成方法のようにレジスト膜によるパターニングが不要となり、製造工程を簡略化することができ、製造コストの削減が可能となる。
また本発明の電気光学装置は、上記パターン形成方法により形成されたパターンを有することを特徴とする。さらに本発明の電子機器は、上記電気光学装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、製造工程の簡略化、製造コストの削減を実現した電気光学装置及び電子機器を提供することができる。
なお、本願発明において、電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称している。具体的には、電気光学物質として液晶を用いる液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)を用いる有機EL装置、無機ELを用いる無機EL装置、電気光学物質としてプラズマ用ガスを用いるプラズマディスプレイ装置等がある。さらには、電気泳動ディスプレイ装置(EPD:Electrophoretic Display)、フィールドエミッションディスプレイ装置(FED:電界放出表示装置:Field Emission Display)等がある。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係る本実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(パターン形成装置)
図1は、本実施形態におけるパターンを形成する際に使用するパターン形成装置の一例の概略構成を示した図である。
図1に示すように、パターン形成装置40は、容器58を載置するためのテーブル44(容器保持手段)と、基板を保持するための一対の保持板54(配置手段)と、上記テーブル44や保持板54を相対的に移動させるテーブル駆動モータ48,保持板駆動モータ50(相対移動手段)とを備えている。
パターン形成装置40の底部には、断面がコの字状であり、コの字の開口部を上方に向けた支持台42が配設されている。そして、支持台42の内面には、機能液が収容された容器58を載置するためのテーブル44が設けられている。テーブル44の底面には、支持台42底面を貫通して設けられた支持シャフト46の一端が固着されて設けられている。そして、支持シャフト46の他端には、テーブル駆動モータ48が設置されている。このテーブル駆動モータ48は、支持台42に内蔵されるとともに、制御部56に電気的に接続されている。これにより、制御部56から所定命令が出力されると、テーブル駆動モータ48が駆動し、支持シャフト46が昇降移動する。これに伴い、支持シャフト46に接続されるテーブル44が昇降移動する。
支持台42の上面には、保持板駆動モータ50,50が設置されている。一対の保持板駆動モータ50,50の対向側には、ボールねじ52の一端が固着して設けられている。また、ボールねじ52のそれぞれの他端には、保持板54が固着して設けられている。この一対の保持板54,54は対向面が略平行となるように配置されるとともに、それぞれの対向面側には吸着機構が設けられている。これにより、被処理基板10(第1基板)を一方の保持板54の対向面側に、対向基板14(第2基板)を他方の保持板54の対向面側にそれぞれ吸着して保持することができるようになっている。また、保持板駆動モータ50は、制御部56に電気的に接続されている。これにより、制御部56から所定命令が出力されると、保持板駆動モータ50が駆動し、ボールねじ52が伸縮移動する。これに伴い、ボールねじ52に接続される保持板54が互いに近接離反移動する。
次に、上記パターン形成装置40の動作の一例について説明する。
まず、パターン形成装置40の一対の保持板54の対向面間に被処理基板10と対向基板14とをそれぞれ対向配置する。このとき、被処理基板10と対向基板14とが保持板54に吸着され、保持される。そして、一対の保持板54を保持板駆動モータ50を駆動して近接させ、被処理基板10と対向基板14との間隙が所定距離となったとき、保持板駆動モータ50を停止させる。これにより、被処理基板10と対向基板14と間が一定間隔に保持された状態を維持することができる。このとき、被処理基板10と対向基板14との対向面は、略平行に配置されているため、接触することはない。次に、機能液が収容された容器58をテーブル44上に配置する。次に、テーブル駆動モータ48を駆動して、テーブル44を上昇させる。これに伴い、テーブル44上に配置される容器58も上昇する。そして、被処理基板10と対向基板14とからなる一対の基板の容器側の端面が容器58に配置される機能液に接触したときに、テーブル駆動モータ48を停止させ容器58を静止させる。次に、一対の基板を機能液に所定時間接触させた後、再びテーブル駆動もモータ50を駆動し、テーブル44を降下させる。
本実施形態によれば、被処理基板10と対向基板14とからなる一対の基板に微細な間隙を設けて、この状態を維持することができる。これにより、後述するように、毛細管現象を利用して、一対の基板の間隙に機能液を浸透させ、所定形状のパターンを形成することができる。従って、上記パターン形成装置40を使用することにより、従来のパターン形成方法のようにレジスト膜によるパターニングが不要となり、製造工程を簡略化することができ、製造コストの削減が可能となる。また、一対の基板の間隙の距離を変化させることにより、毛細管現象が発生する間隙であれば、異なる膜厚の配線パターンを形成することができる。
(パターン形成方法)
次に、本実施形態の上記パターン形成装置を使用したパターン形成方法について図を参照して説明する。
図2は、本実施形態のパターン形成方法の工程を示したフローチャートである。図3(a)〜(c)は、本実施形態のパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。
まず、被処理基板及び対向基板をオゾン水等により洗浄し、表面に付着している有機物等を除去して、被処理基板10の表面全体に親液性を付与する。(洗浄工程、S71)。
なお、親液処理を施す場合と同様に、NaOHやKOH等のアルカリ溶剤で洗浄してもよい。また紫外線を照射したり、活性化したオゾンガス等の雰囲気中で紫外線を照射することによっても、同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、親液処理された領域を明確にするため、図3〜図6に示す図では親液領域を所定の膜厚を有するパターン11として図示している。
次に、図2,図3(a)に示すように、被処理基板10の表面全体に撥液処理を施す(被処理基板撥液処理工程、S72)。具体的には、まず処理室内に被処理基板10を配置し、所定の減圧状態にした後、直鎖状PFC(ポリフルオロカーボン)等からなる液体有機物を加熱して気化させ、キャリアガスとともに処理室内に導入する。同時に、CFガスを導入し、処理室内に高周波電力を導入して、プラズマを生成することにより、処理容器内の原料ガスを活性化する。すると、直鎖状有機物の結合が一部切断されて活性となり、被処理基板10の表面に到達した活性な直鎖状有機物が重合し、図3(a)に示すように、被処理基板10の表面全体に、撥液性を有する有機物の重合膜24が形成される。重合膜24の厚さは、例えば100オングストローム程度に形成する。また、撥液処理の原料液がフルオロカーボンである場合、活性化したCFを添加すると、フルオロカーボンのフッ素の一部が離脱したとしても、活性なフッ素が重合膜24に取り込まれるため、重合膜24の撥液性を向上することができる。
なお、上記撥液処理では、処理室に導入した液体有機物の蒸気に、高周波電力を導入することにより活性化したが、電子線を照射することにより、又は紫外線を照射することにより、活性化することも好ましい。さらに、別の撥液処理方法としては、被処理部材の表面を、HF若しくはHCl等のハロゲン系の酸又はその他の酸で処理することにより、撥液性を付与することも可能である。
次に、図2,図3(b)に示すように、被処理基板10の上方にマスク30を装着する(マスク装着工程、S74)。マスク30の配線パターンに対応した領域には、紫外線の透過部30aが形成されている。本実施形態では、被処理基板10の一端部から他端部まで延在する複数の配線パターンに対応した透過部30が形成されたマスク30を使用している。
次に、図2,図3(c)に示すように、配線パターン形成領域12に親液処理を施す(親液処理工程、S76)。具体的には、上述したマスク30を介して、重合膜24に紫外線を照射する。これにより、重合膜24の結合が切断され、図3(c)に示すように、紫外線照射部分の重合膜24が分解除去される。加えて、当該部分に付着していた有機物も分解されて除去される。これにより、重合膜24が分解除去された領域は、他の領域と比較して相対的に親液性を有する領域となる。本実施形態では、他の領域と比較して相対的に親液性を有する領域を配線パターン形成領域12とする。
なお、レーザや電子線を照射することにより、重合膜24または有機物を分解および除去し、親液性を付与することも可能である。また、上記親液処理に対して、酸素ガス又は、活性化したオゾンガスを導入することにより、反応性を促進して、親液性を付与することも可能である。さらに、被処理基板10の表面をNaOHやKOH等のアルカリ溶剤で処理することにより、親液性を付与することも可能である。この場合、アルカリによって被処理基板10表面の酸化膜等が除去されるとともに、OH基が被処理基板10表面に付着することにより、親水性が付与される。
次に、図2に示すように、被処理基板10と同様の方法により対向基板14の全面に撥液処理を施す(対向基板撥液処理工程、S82)。具体的には、上述したように、C10やC18などの直鎖状PFCからなる液体有機物を使用し、フッ素樹脂重合膜26を形成する。これにより、対向基板14の表面全体を撥液性にする(図示省略)。なお、対向基板14への撥液処理は、非配線パターン形成領域に紫外線の透過部が形成されたマスクを使用することにより、パターン領域を除いた非配線パターン形成領域にのみ施すことも好ましい。
次に、配線パターン形成領域に親液処理が施された被処理基板と、撥液処理が施された対向基板とを間隙を設けて対向配置させ、毛細管現象を利用して、機能液を浸透させてパターンを形成する方法について図を参照して説明する。
図4は、本実施形態の毛細管現象を利用してパターン形成する工程を示す斜視図である。図5(a)、(b)は図4(a)、(b)に示す工程に対応する側面図であり、一対の基板を機能液が配置された容器に接触させる工程を示した図である。
まず、図2,図4(a),図5(a)に示すように、配置工程において、被処理基板10と対向基板14とを所定の間隙d1を設けて、パターン形成装置40に配置する(配置工程、S86)。具体的には、まず、被処理基板10と対向基板14とをパターン形成装置40の一対の保持板54,54のそれぞれに吸着させ、保持させる。そして、一対の保持板54,54を近接させ、被処理基板10と対向基板14の間隙d1を例えば100μmに設定する。ここで、本実施形態において被処理基板10と対向基板14との間隙d1とは、被処理基板10の配線パターン形成領域12面と、対向基板14の重合膜26が形成された面との間の距離とする。一対の保持板54,54は、図5に示す保持板54の対向面の面方向が、容器58に収容される機能液28の液面に対して略垂直方向となるように設置されている。従って、一対の基板も、容器58の機能液28の液面に対して略垂直方向となる。なお、本実施形態では、被処理基板10と対向基板14との間隙d1を100μmとしたが、これに限定されることなく、毛細管現象が発生するような間隙であれば良い。
次に、図2,図4(b),図5(b)に示すように、接触工程において、被処理基板10と対向基板14とからなる一対の基板を容器58に配置された機能液28に接触させる(接触工程、S88)。具体的には、まず、パターン形成装置40のテーブル44上に機能液28が収容された容器を載置する。次に、パターン形成装置40のテーブル44を上昇させて一対の基板の容器側の端面を接触させる。これにより、毛細管現象が発生し、被処理基板10と対向基板14の間隙d1に機能液28が浸透する。本実施形態では、図4(b)に示すように、被処理基板10の配線パターン形成領域12に親液処理を施し、配線パターン形成領域12以外に撥液処理を施している。そのため、機能液28は、親液処理が施された配線パターン形成領域12を流路として、一対の基板の下方から上方にまで上昇して浸透する。なお、接触工程において、一対の基板の対向面の面方向を容器58に収容される機能液28に対して略垂直方向に接触させたが、これに限定されることはない。一対の基板の容器側の端面の間隙が機能液28に接触、浸液すれば良い。
ここで、本実施形態において配線パターン形成材料用の機能液28として、Agの金属を有機溶媒に溶解したもの、又はポリアニリンやポリピロールなどの導電性有機物を有機溶媒に溶解したもの等を使用する。有機溶媒には、アクリル樹脂や酢酸ブチル等を単独又は複数混合して使用する。なお、本実施形態では、機能液28としてAgの金属を含有するものを使用したが、Au、Cu若しくはAl等の金属又はその化合物を有機溶媒に溶解したものを使用することも好ましい。また、有機溶媒には、上記のアクリル樹脂や酢酸ブチルの他にも、水、アルコール類、エーテル類、有機エステル類、ケトンの一種類又は混合物等を使用することが可能である。
次に、図2,図4(c)に示すように、離反工程において、被処理基板10と対向基板14とを離反させる(離反工程、S90)。具体的には、まず、前記接触工程において、機能液28が被処理基板10の容器側の最表面の一端部から他端部まで浸透した後(所定時間経過後)、一対の基板を機能液28から非接触状態とし、パターン形成装置40から搬出する。次に、搬出した一対の基板の間隙d1を維持した状態で、被処理基板10が下側となるように一対の被処理基板10と対向基板14を所定位置に配置する。そして、任意の方法により対向基板14を被処理基板10から離反させる。本実施形態では、対向基板14に撥液処理が施されているため、対向基板14に機能液28が付着することなく容易に被処理基板10から対向基板14を剥離することができる。このようにして、被処理基板10の撥液処理が施された配線パターン形成領域12には、図4(c)に示すように、半円柱状の配線パターン28aが配置される。なお、一対の被処理基板10と対向基板14とを離反させる方法として、本実施形態におけるパターン形成装置40を利用することも可能である。この場合には、被処理基板10を下側にして対向基板14から離反させる。
次に、図2,図4(d)に示すように、乾燥工程において、被処理基板10の配線パターン形成領域12に配置された配線パターン28aを乾燥する(乾燥工程、S92)。具体的には、ヒーター等の加熱機構を使用して、被処理基板10の表面上を加熱し、機能液28に含有する有機溶媒を蒸発させて乾燥させる。なお、有機溶媒の蒸発を促進するため処理室内を減圧状態とし、また加熱によるパターン材料の酸化を防止するため不活性ガス雰囲気中で乾燥することも可能である。さらに反応性ガス若しくは活性化された反応ガスの雰囲気下で、仮焼成しながら乾燥を行ってもよい。
次に、図2,図4(d)に示すように、焼成工程において、上記乾燥工程で形成された配線パターン28aを焼成する(焼成工程、S94)。具体的には、例えば、処理温度350℃〜450℃範囲に設定し、酸素、窒素又は水等の雰囲気中の大気圧下において、配線パターン28aに熱処理を施す。
次に、図4(e)に示すように、配線パターン形成領域12以外に形成された重合膜24を除去する(パターニング除去工程、S96)。具体的には、親液処理を施す場合と同様に、重合膜24に紫外線を照射して除去する。この場合、当該部分に付着していた有機物も分解されて除去される。なお、紫外線の照射とともに被処理部材を加熱することにより、パターニングの除去を促進することができる。また、活性化したオゾンガス又は酸素ガスに晒すことにより、重合膜24を燃焼させて除去してもよい。この場合、フッ素樹脂重合膜24は二酸化炭素ガス及びフッ素ガスに分解され除去される。
以上説明した方法により、被処理基板10上に所定の配線パターン28aを形成する。
本実施形態によれば、一対の被処理基板10と対向基板14とを微小な間隙d1を設けて対向配置し、機能液28に接触させているため、毛細管現象を利用して所定の配線パターン28aを形成することができる。また、本実施形態では、被処理基板10の配線パターン28aを形成する領域を親液処理とし、それ以外の領域を撥液処理している。そのため、親液処理した領域にのみ機能液28を浸透させて配線パターン28aを形成することができる。これにより、従来のパターン形成方法のようにレジストによるパターニングが不要となり、製造工程を簡略化することができ、製造コストの削減が可能となる。また、被処理基板10の表面を親液処理しているため、被処理基板10と配線パターン28aとの接着性を確保することができる。さらに、対向基板14は、撥液処理が施されているため、被処理基板10とから離反する際には、機能液28等が付着しない。そのため、被処理基板10を撥液処理が施された基板として再利用することが可能である。これにより、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態では、レジストによるバンクを用いてパターンを形成せずに、配線パターン28aを形成している。従って、被処理基板10の全面に一括して、例えばディップ法等により撥液処理を施すことができる。これにより、従来と比較して、撥液処理により形成する撥液膜を薄膜化することができ、この処理に用いる薬品等の使用量を低減することができる。
[第2の実施の形態]
以下に、本実施形態について図面を参照して説明する。
上記実施形態のパターン形成方法は、被処理基板10の表面全体に撥液処理を施した後、配線パターン形成領域12に親液処理を施していた。これに対し、本実施形態では、被処理基板10の表面全体に親液処理を施した後、配線パターン形成領域12以外の部分に撥液処理を施す点において異なる。なお、その他のパターンの形成方法の基本構成は、上記第1実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6(a)〜(c)は、本実施形態のパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。
まず、洗浄工程において、被処理基板10をオゾン水等で洗浄し、表面に付着している有機物等を除去して、被処理基板10の表面全体に親液性を付与する。なお親液処理を施す場合と同様に、NaOHやKOH等のアルカリ溶剤で洗浄してもよい。また紫外線を照射したり、活性化したオゾンガス等の雰囲気中で紫外線を照射することによっても、同様の効果を得ることができる。
次に、図6(a)に示すように、マスク装着工程において、被処理基板10の表面にマスク35を装着する。マスク35は金属材料等からなるハードマスクであり、配線パターン形成領域12がマスクされ、配線パターン形成領域12以外の部分に開口部35aを有するものである。このマスク35を介して、被処理基板10の表面に撥液処理を施す。これにより、図6(b)に示すように、マスク35の開口部35aに対応する被処理基板10の表面に、重合膜24が形成される。
次に、図6(c)に示すように、マスク35を取り外す。これにより、マスク35が装着されていた領域、配線パターン形成領域12には上記洗浄処理による親液性が残り、配線パターン形成領域12以外の部分には重合膜24により撥液性が付与される。その後は、第1実施形態に係るパターン形成方法と同じ工程により、配線パターン28aを形成することができる。
本実施形態によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。即ち、一対の被処理基板10と対向基板14とを微小な間隙d1を設けて対向配置し、機能液28に接触させているため、毛細管現象を利用して所定の配線パターン28aを形成することができる。また、本実施形態では、被処理基板10の配線パターン28aを形成する領域を親液処理とし、それ以外の領域を撥液処理している。そのため、親液処理した領域にのみ機能液28を浸透させて配線パターン28aを形成することができる。これにより、従来のパターン形成方法のようにレジストによるパターニングが不要となり、製造工程を簡略化することができ、製造コストの削減が可能となる。
<電気光学装置>
次に、上記パターン形成方法により形成した配線パターンを備える電気光学装置の一例である液晶表示装置について説明する。
図7は、本発明に係る液晶表示装置について、各構成要素とともに示す対向基板側から見た平面図である。図8は図7のH−H’線に沿う断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
図7及び図8において、本実施の形態の液晶表示装置(電気光学装置)160は、対をなすTFTアレイ基板16と対向基板20とが光硬化性の封止材であるシール材60によって貼り合わされ、このシール材60によって区画された領域内に液晶64が封入、保持されている。シール材60は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されてなり、液晶注入口を備えず、封止材にて封止された痕跡がない構成となっている。
シール材60の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り62が形成されている。シール材60の外側の領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板16の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板16の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板16と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
なお、液晶表示装置160においては、使用する液晶64の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、C−TN法、VA方式、IPS方式モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
また、液晶表示装置160をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板16の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
<電子機器>
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図9は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図9において、600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図9に示す電子機器は、上記実施形態のパターン形成方法により形成された配線パターンを有する液晶表示装置を備えたものであるので、製造工程の簡略化、製造コストの削減を図ることができる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
なお、上述した半導体装置は、携帯電話以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用することが可能である。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記実施形態では、基板の端部から延在する配線パターンを形成していたが、基板の端部から離間して形成される配線パターン以外のパターンを形成することも可能である。例えば、液晶表示装置のスイッチング素子として用いられるTFT、画素電極等を形成することができる。このとき、配線パターン以外のパターンを形成する場合に用いる機能液としては、例えば、ITO、SiO若しくはSnO等を有機溶媒に溶解したものを使用することができる。なお、パターン材料溶液としてITO(Indium Tin Oxide)を使用し、透明電極パターン等を形成する場合には、酸化インジウムに酸化錫を1〜5重量%ドープしたITOを、有機溶媒に溶かして使用する。有機溶媒には例えばn−酢酸ブチル等の酢酸エステル類を採用し、濃度0.02mol/L程度に希釈して使用する。この場合、被処理部材への塗布は常温下で行い、その後200℃以上で焼成する。その他にも、パターン材料溶液として、液体の(CSn(OCOCH、又は液体若しくは気体のTEOS等を使用することも可能である。
また、上記実施形態では、配線パターン形成領域に親液処理を施し、その他の非配線パターン領域に撥液処理を施している。これに対し、配線パターン形成領域にのみ親液処理を施すことも可能である。さらには、非配線パターン形成領域にのみ撥液処理を施すことも可能である。これによれば、上述したように配線パターン形成領域にのみ機能液を浸透させることができる。
また、上記実施形態では、基板の間隙に機能液を供給する手段として、機能液が収容された容器に基板を浸液させることにより機能液を基板の間隙に供給させていた。これに対し、機能液が収容された容器に代えて、キャップコーターを用いて基板の間隙に機能液を供給することも好ましい。
また、上記実施形態では、被処理基板と対向基板とからなる一対の基板の間隙をパターン形成装置を用いることにより制御していた。これに代えて、上記一対の基板の間隙にスペーサを配置することによって、被処理基板と対向基板との間隙を維持することも好ましい。
さらに、被処理基板と対向基板との間隙を、毛細管現象が発生する範囲内において変化させることにより、形成される配線パターンの膜厚を制御することも好ましい。これによれば、種々の使用形態に対応した配線パターンを形成することができる。
パターン形成装置の構成を模式的に示した図である。 第1実施形態に係るパターン形成方法のフローチャートである。 第1実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。 第1実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。 (a)は図4(a)に対応し、(b)は図4(b)に対応するパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。 第2実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示した斜視図である。 液晶表示装置を対向基板の側から見た平面図である。 図7のH−H’線に沿う液晶表示装置の断面図である。 本発明の電子機器の具体例を示す図である。
符号の説明
10…被処理基板(第1基板)、 12…配線パターン形成領域(パターン領域)、 14…対向基板(第2基板)、 28…機能液、 28a…配線パターン、 40…パターン形成装置、 44…テーブル(容器保持手段)、 48…テーブル駆動モータ(相対移動手段)、 54…保持板(配置手段)、 50…保持板駆動モータ(相対移動手段)

Claims (9)

  1. 第1基板の一面に、他の領域よりも相対的に親液性を有するパターン領域を形成するパターン領域形成工程と、
    第2基板の一面に撥液処理する撥液処理工程と、
    前記第1基板の一面と前記第2基板の一面とを微小な間隙を設けて略平行に対向配置する配置工程と、
    前記間隙を設けて略平行に対向配置した前記第1基板と前記第2基板とからなる一対の基板を、機能液に接触させる接触工程と、
    前記接触工程において所定時間経過後、前記一対の基板を前記機能液から非接触状態とし、前記第1基板と前記第2基板とを離反させる離反工程と、
    前記第1基板に残存された前記機能液を乾燥することにより前記機能液の構成材料からなるパターンを形成するパターン形成工程と、
    を有することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 前記パターン領域形成工程において、前記パターン領域に親液処理することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記パターン領域形成工程において、前記第1基板の一面に撥液処理した後、前記パターン領域に対応する前記撥液領域を除去して前記パターン領域を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記配置工程において、前記第1基板と前記第2基板との間隙を、前記パターンの膜厚に応じて制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記パターン領域を、前記第1基板の端部から延在させて形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記パターン領域を、前記第1基板の端部から離間して形成することを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
  7. 対向する一対の基板を保持して、前記第1基板の一面と前記第2基板の一面とを微小な間隙を設けて略平行に対向配置する配置手段と、
    機能液が収容された容器を保持する容器保持手段と、
    前記配置手段と前記容器保持手段とを相対的に移動させる相対移動手段と、
    を備えることを特徴とするパターン形成装置。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のパターン形成方法により形成されたパターンを有することを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項8に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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