JP2006154092A - コンタクトレンズの洗浄方法およびそれに用いる洗浄液 - Google Patents

コンタクトレンズの洗浄方法およびそれに用いる洗浄液 Download PDF

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Abstract

【構成】この発明は、界面活性剤及び/または粘稠剤を含む液剤を、発泡状態で噴射することができる容器からコンタクトレンズに噴射し、手指洗浄する方法であって、手指洗浄中の所定時間経過後に泡が消失することにより、使用者が洗浄完了を認識できることを特徴とする。
【効果】本発明による洗浄方法に従ってレンズを洗浄すれば、手指洗浄の効果を最大限に発揮させることができ、レンズの洗浄不足や、過洗浄によるレンズ表面の傷などの発生を抑えた快適なレンズの装用サイクルを提供することができる。また、本発明の方法によれば、使用者による洗浄操作という、通常コントロールすることができない工程をある程度一定に制御することができるため、従来の浸漬洗浄法に比較して界面活性剤濃度を適切な範囲で使用することができ、より眼に安全で、快適なレンズの処理液剤を提供することができる。

Description

本発明は、コンタクトレンズに付着した汚れの除去に有効な洗浄方法および、当該洗浄方法に好適な洗浄液に関する。
コンタクトレンズ(以後レンズという)は含水性および非含水性に大別される。含水性のレンズは、異物感が少なく、装用感が優れている反面、レンズ素材が多量の水分を含有するため、装用に伴って付着した涙液成分による汚れが原因で細菌が繁殖する可能性が高く、毎日の洗浄および消毒が必須である。また、非含水性のレンズであっても、レンズ素材内部に汚れが浸入するおそれまではなくても、使用により表面に汚れが付着することに変わりがなく、快適に装用を継続するためには使用後の洗浄は必須なのである。
このような汚れの洗浄方法としては、外した後のレンズ表面に界面活性剤を含有する液剤を塗布し、手指でレンズを擦り合わせて洗浄する方法や、単に液剤に浸漬するだけでレンズの洗浄のみならず消毒までも行う方法もある。洗浄剤の供給者はできるだけ汚れが除去しやすいように、液剤自体のもつ洗浄力を高めたものを供給することで、一定の洗浄効果が期待されるような液剤を提供する。浸漬洗浄方法としては、特開昭57−48712号公報において、重炭酸ナトリウム、酵素及び界面活性剤を含有する洗浄剤によりレンズを洗浄する方法が、特開平1−179123号公報においては、過炭酸塩および界面活性剤を用いたレンズの洗浄方法が、特開平2−289255号には、抗菌剤と界面活性剤および酵素を含有する液剤を用いたレンズの洗浄消毒方法がそれぞれ提案されている。
前二者例示の洗浄方法は、炭酸ガスや酸素ガスの発生による泡の機械的な洗浄作用と、界面活性剤の化学的な洗浄作用との協動効果によってレンズを洗浄しようとするものであるが、単に泡が存在するだけではその機械的作用は僅かであって、実際の洗浄力は界面活性剤による汚れの可溶化力に依存しており、後者の洗浄消毒方法にあっては、酵素を併用して蛋白質汚れも同時に洗浄することができるものの、やはり汚れを可溶化力により除去する点において異なることはない。要するにこれらの方法では、手指でレンズを擦り洗浄する方法に比べて、物理的な効果が劣るため、擦り洗浄方法に用いる界面活性剤の濃度を相対的に高くする必要があるのである。従って、これらの処理後のレンズはそのまま眼に装用することは困難であり、仮にそのまま装用できるようにしようとすると安全性向上の為に必然的に界面活性剤濃度を低く抑えることとなり、十分な洗浄効果が得難くなるのである。
一方、手指により擦り合わせる方法にあっては、物理的に汚れを除去する効果が高い為、界面活性剤の量を少なくできるので、洗浄後のレンズをそのまま、または同じ洗浄剤でかるく濯いだ後装用できるというメリットがある。しかし、レンズの表面と手指が直接接触するためにレンズに傷がつきやすく、また、洗浄に際してどの程度の時間擦り合わせるかは、使用者それぞれの任意によるため、必要以上の洗浄を行ったが故にレンズ表面に傷などを発生させたり、逆に洗浄が僅かであるが故に汚れが蓄積したりして、レンズの使用寿命が短くなり、あるいは表面状態の悪いレンズの装用によって、眼障害を惹起するなどの問題があるのである。こうしたレンズ表面と手指との接触をできるだけソフトにするために、洗浄成分をムース状に発泡して使用する組成物が特開平4−110825号公報により提案されている。この組成物によれば、レンズにムース状の洗浄組成物が塗布される結果、手指とレンズ表面との間に泡のクッションが形成され、レンズ表面の傷発生を抑えることができる。しかし、この方法においても、使用者の洗浄時間により効果に違いが生じるという問題を解決するには至っていない。また、ムース状にするために配合するエタノールやイソプロピルアルコールはソフトコンタクトレンズへのダメージが懸念される。
特開昭57−48712号公報 特開平1−179123号公報 特開平2−289255号公報 特開平4−110825号公報
ここにおいて、本発明は、上述した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、レンズ使用者に、洗浄の終了を明確に認識できる態様において示すことができる洗浄方法を提供することを目的とする。
そして、本発明にあっては上記課題を解決するために、以下に示すレンズの洗浄方法を提案するものである。すなわち、界面活性剤及び/または粘稠剤を含む液剤を、発泡状態で噴射してコンタクトレンズを洗浄する方法であって、所定時間経過後に泡が消失することにより、使用者が洗浄完了を認識できることを、その要旨とするものである。また、消泡時間はレンズへ噴射する洗浄液の量によって当然に異なるところから、本発明においては、一応の目安としてレンズ1枚当たりの使用液剤量を0.25mLとした場合に、洗浄操作が5〜50秒の範囲内で消泡が視認できるような洗浄方法である。
本発明による洗浄方法に従ってレンズを洗浄すれば、手指洗浄の効果を最大限に発揮させることができ、レンズの洗浄不足や、過洗浄によるレンズ表面の傷などの発生を抑えた、快適なレンズの装用サイクルを提供することができる。また、本発明の方法によれば、使用者による洗浄操作という、通常コントロールすることができない工程をある程度一定に制御することができるため、従来の浸漬洗浄法に比較して界面活性剤などを適切な濃度範囲で使用することができ、より眼に安全で、快適なレンズの処理液剤を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
前記、界面活性剤及び/または粘稠剤を含む液剤は、従来公知の泡噴出ポンプ容器を用いて噴射されることによりレンズに発泡状態の液剤を塗布し、手指にて洗浄中に所定時間経過により消泡する現象が認められることによって、使用者に洗浄完了を明示することができるというものである。本発明に用いる液剤を収納する容器としては、例えば、実公昭60−24426号などに開示されるような、大気をポンプ作用により圧縮して容器内に充填し、吹き出し口から内溶液剤を噴出するものや、特開平4−110825号に開示されるようなエアゾル缶を使用する方法もある。これらいずれの容器を使用する場合であっても、空気と液剤との混合によって噴射時に発泡体が得られればよく、発泡の方式、容器は特に限定されるものではない。
本発明にあっては、発泡状態から消泡するまでに一定時間が必要とされるので、従来技術における使用者ごとに洗浄時間が異なることに起因する洗浄効果の違いが生じることがない。使用者は手指による擦り合わせの回数や、時計などにより洗浄時間を計測することなく、消泡するまで洗浄を続けるだけで良いため、コンプライアンスの得やすい方法である。また、液剤の販売者にしてみれば、洗浄方法の指導に際し、単純に「消泡するまで洗浄する」との説明だけでよく、さらに、液剤製造者にとっても、一定の洗浄時間を前提とした、界面活性剤の配合を検討すれば良いため、浸漬のみの洗浄方法の場合のように汚れの程度の酷いレベルに合わせた過剰量の界面活性剤を添加する必要がないなど、それぞれの立場にとって有益な方法となるのである。
本発明における消泡までの所定期間は、洗浄剤の噴射量により左右されるが、通常レンズ1枚の洗浄に使用される液量を0.25mLとした場合、従来の手指洗浄で採用されていたレンズの片面当たりの擦り回数約20回を目安として約5秒から50秒に設定するのが好ましく、より好ましくは5秒から40秒、最も好ましくは5秒から30秒である。この所定期間において、消泡が速すぎると、十分な洗浄効果が期待できないばかりでなく、レンズ表面と手指との間の泡によるクッション作用が得られなくなるので、レンズ表面に傷が発生しやすいからであり、また、あまりに長時間消泡しない場合には、使用者に過度の洗浄を強いる結果となって、用法を守らせることが困難になるだけでなく、必要以上の擦り合わせは却ってレンズ表面に傷を生じさせることになるからである。
本発明では、発泡状態の洗浄剤を得るために、液剤中に界面活性剤及び/または粘稠剤が添加されることとなる。界面活性剤は従来から公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、のいずれか、またはこれらを適宜組み合わせて使用しても良いが、洗浄後のレンズをそのまま、または、同じ洗浄剤を使用して簡単に濯ぎ操作をするだけで、再装用するような場合にも便利で安全性を考慮すれば非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
上記の陰イオン性界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を有するカルボキシ化エーテル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を有するアルキルエーテルリン酸塩/硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エーテル、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などが挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンラノリンアルコール類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類等を挙げることが出来るのであり、中でも、好ましくはポリオキシエチレン鎖構造を含有しているものが採用される。陽イオン界面活性剤としては、長鎖アルキルアミン酢酸塩、長鎖アルキルトリメチルアンモニウムクロライドなどが使用でき、また、両性界面活性剤としては、アルキルポリアミノエチルグリシン等のグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、等の酢酸ベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルアミノプロピオン酸塩等の両性界面活性剤等が挙げられる。
上記界面活性剤の使用量は、使用する界面活性剤によって異なるが、本発明の目的たる発泡状態を現出しかつ、所定期間経過後に消泡する性質を有することが必要であり、その為には、0.05〜2.0w/v%の範囲が好ましく、0.05〜1.0w/v%がより好ましい。界面活性剤の濃度が0.05w/v%より低い場合には、発泡状態にすることが困難となり、一方、2.0w/v%より多い場合には、消泡に長期間を要することとなるからである。
本発明で使用される粘稠剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アラビアゴム、コンドロイチン硫酸、などから適宜選択される一種以上を使用することができる。これらの粘稠剤のうち好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールであり、特に好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。粘稠剤はレンズの手指洗浄に際して、レンズ表面の滑りを良くするので、レンズの表面に傷を生じ難くし、またレンズ表面に適当に吸着することで、レンズを装用した時に涙濡れ性を向上させる効果もある。これら、粘稠剤は、単独で使用してもよいが、前記界面活性剤と併用することにより、発泡性と消泡性を併せ持つ液剤が得られる点で好ましい。
上記粘稠剤の使用量は、界面活性剤同様、用いる粘稠剤によって異なるので一律に決定することは困難であるが、本発明の目的たる手指洗浄を効果的に実施し、かつ、レンズ表面の保護という点を考慮すると、液剤の粘度が15mm/s以下、好ましくは10mm/s以下になるようにする。そのような粘度範囲とするためには、一般的に粘稠剤濃度を、0.1〜2w/v%の範囲に、好ましくは0.1〜1.0w/v%に調製する。粘稠剤の濃度が0.1w/v%より低い場合には、単独で使用しても発泡状態にすることがほとんど不可能であり、2w/v%より多く使用すると、液剤の粘度が高く成りすぎて、この場合にも発泡状態とすることができないからである。
本発明に使用される液剤には、上記以外の成分としてレンズの洗浄剤または洗浄消毒剤中に通常使用されている各種の成分、例えば、緩衝剤、等張化剤、金属封鎖剤、抗菌剤、清涼化剤、などを添加することができる。これら添加剤は、本発明の洗浄方法を阻害しない範囲で、かつ、レンズ素材に対する影響や、レンズに付着して眼に入った場合でも眼障害を起こさない範囲で使用される。
前記緩衝剤としては、例えば、ホウ酸塩緩衝剤、リン酸塩緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、炭酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、グリシン緩衝剤などが挙げられる。これらの緩衝剤は、液剤のpHを安定化し、処理後のレンズを装用した場合に眼に刺激が無いような状態とする為に使用される。本発明の方法に使用される液剤のpHは5〜9であることが好ましく、6〜8であることがより好ましい。従って、このpH範囲となるように、上記緩衝剤を使用する。また、これらは0.001〜5w/v%、好ましくは0.01〜2w/v%の濃度範囲で使用することが望ましい。
前記等張化剤は、本発明の方法に使用する液剤を保存液としても使用する場合、特に含水レンズに用いる場合に涙液と同程度の浸透圧に調整するために使用される。これらの例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、などの無機塩類の他、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、トレハロースなどの多価アルコール類を通常の用法、用量で使用できる。
前記金属封鎖剤は、涙液中に存在するカルシウムイオン等の二価の金属イオンと蛋白質などとが、レンズに複合的な汚れを形成することを防止する目的で添加するものであって、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、クエン酸及びその塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ヘキサメタリン酸Na、ニトリロ三酢酸等が使用でき、0.01〜5w/v%の範囲で使用する。
前記抗菌剤は、本発明方法に使用する液剤の防腐剤として、またはレンズを保存中に消毒する目的等で使用されるものであり、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロロブタノール、パラオキシ安息香酸、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリクワテリウム−1、ポリクワテリウム−6、ポリクワテリウム−22などがあり、これらを0.00001〜0.5w/v%の範囲で使用する。
前記清涼化剤は、主にレンズの装用感を改良するために使用されることが有り、本発明の洗浄方法においてもその液剤に添加することにより、同様の効果が得られる。具体例としては、メントール、ボルネオール、カンフル、ゲラニオール、ハッカ水、ユーカリ油等が挙げられる。これらは、0.0001〜0.1w/v%の範囲で使用される。
上記各種成分を適宜配合して調製された液剤を、前記従来公知の泡噴出容器に収納し、レンズの洗浄に際して発泡状態でレンズに塗布した後、手指洗浄中に自然に消泡する変化を見せるため、使用者は消泡時をもって洗浄の終了を認識することができる。このように、明確に視認できる洗浄終了の合図は、従来の洗浄方法における洗浄回数の指定や、洗浄時間の指定とは異なり、レンズ使用者に実際に受け入れられやすい為、液剤提供者側で使用者の洗浄効果を比較的コントロールしやすいものとなる。
ところで、本発明方法においては、液剤を収容する泡噴出容器が必須の使用となる。これは、用時調整(例えば、使用時に錠剤と液剤とを混合して発泡させる)方法を用いた場合には、使用者が洗浄の都度、発泡状態の液剤を調整しなければならず、操作上も、また洗浄システムとしても到底受け入れ難いものとなってしまうからである。泡噴出容器の具体例としては、実公平6−24394号に開示されるような容器が好適に用いられる。これらの泡噴出ポンプは、基本的には容器口部に装着された蓋体の内部に垂設されたシリンダ内のピストン管の上下動によるポンプ機構によって、容器内の液剤が空気との混合により発泡し、更に多孔体を通過し均質な泡が生成され、蓋体の天面を貫通して上方に延びるピストン管の上部の噴出ノズルから外部へ発泡状態の液剤を噴出する構造を有する。このような容器であれば、使用者はノズルを押下げるだけで簡単に発泡状態の液剤を得られ、押下げるノズルのストロークを一定とすることにより、使用液剤の量を一定にすることが出来るため、消泡までの時間を一定とすることができ、結果として一定の洗浄時間を確保できるのである。また、このような容器であれば、液剤を詰替用として供給することができるため、経済的にも、また使用後のゴミなどの問題に対しても有効な方法となりうる。
他の容器の例としては、耐圧性のエアゾル缶などに噴射剤として、LPG、ブタン、ブチレン等を液剤とともに封入し、噴射させるような場合であっても良い。噴射剤は一般的には、液剤の3〜15重量%に調整される。この量が少ないと液の発泡状態が悪く、また液が完全に噴射される前に噴射剤が消費されてしまい、液剤を使い切ることができず、多すぎると、噴射される液量が多くなり、液剤を浪費することになるからである。
以下本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係るコンタクトレンズの洗浄方法について、幾つかの実施例を例示する。
[実施例1]
表1及び表2の配合量(表中の百分率はw/v%の濃度を示す)によって、液剤No.1〜15及び比較液剤No.1〜2の洗浄液を調製した。なお表中の成分については下記に示すものである。
Pluronic F87(BASF,POE・POPブロックポリマー類)
Lutrol F127(BASF,POE・POPブロックポリマー類)
ニッコールHCO−60(日光ケミカルズ,POE硬化ヒマシ油類)
Tetronic 1107(BASF,POE・POP置換エチレンジアミン類)
メトローズ60SH−50,4000(信越化学工業,ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
PLASDONE K−30,K−90(ISP,ポリビニルピロリドン)
PVA−217(クラレ,ポリビニルアルコール)
表1
Figure 2006154092
表2
Figure 2006154092
表1及び表2の各組成の混合液をそれぞれ均一になるまで撹拌して混合し、無菌濾過を行って、予め容器内を清浄にした同一形状、同一容積の市販の容器(商品名:キレイキレイ 販売元:ライオン株式会社)に充填した。こうして調製し、充填した液剤について、レンズへの噴射および手指洗浄を行った。その結果、液剤No.1〜3の液剤は良好に噴射され表1に記載の洗浄時間経過時には、消泡されていた。また、液剤No.4〜15については、粘稠剤の影響により、洗浄時のレンズ表面のすべりが良好で、洗浄感の優れたものであった。一方、比較液剤No.1については、発泡したが泡が消失せず、また、比較液剤No.2については、粘性が高すぎて(動粘度19.3mm2/s)発泡状態にすることができなかった。なお、液剤No.10は前記比較液剤No.2と同種成分で構成されその添加量を変更したものであり、その動粘度は3.0mm2/sであって、表2に記載の通り適度な泡立ちと約15秒後に消泡した。
[実施例2]
本発明の洗浄効果の均一性を証明するために、液剤No.15について、従来の手指洗浄を行った場合と、本発明方法に従って洗浄した場合とで、洗浄効果の比較を行った。まず、以下の手順に従い、汚れレンズを作成した。
−洗浄効果試験−
(1)ソルビタンモノオレイン酸エステル:6w/v%、ヒマシ油:16w/v%、ラノリン:35w/v%、オレイン酸:5w/v%、ソルビタントリオレイン酸エステル:4w/v%、セチルアルコール:2w/v%、コレステロール:2w/v%、及び酢酸コレステロール:30w/v%を溶解し、攪拌によって均一化された人工脂質液2.5部と、生理食塩水97.5部とを混合して人工脂質溶液を調製した。
(2)ハードコンタクトレンズ(メニコンスーパーEX:株式会社メニコン製)を供試レンズとして(各50枚)用意し、その表面に前記人工脂質溶液を5μLずつ、レンズ両面に均一に付着させて、人工脂質汚れ付着レンズを得た。
(3)そして、この得られた人工脂質汚れ付着レンズを手の平にとり、これに液剤No.15を通常のボトルから0.25mL滴下し、指先で6秒間こするように指示した被験者群と、本発明の方法を用いて消泡までに約6秒である同液剤を0.25mL使用した被験者群とで、手指洗浄を行い、洗浄後のレンズ表面を目視により外観の観察をしたところ、従来の手指洗浄による場合には、試験レンズ50枚中3枚に汚れが残留しているレンズが確認されたが、本発明の方法による手指洗浄の場合には、試験レンズ50枚すべてについてレンズ表面の汚れが除去されていた。
このことから、本発明方法によれば、一定の洗浄効果が期待できることが分かる。
[実施例3]
表3に示す配合量(表中の百分率はw/v%の濃度を示す)によって、液剤No.16〜17の洗浄液を調製した。ここで液剤No.16は、界面活性剤および粘稠剤とを含有した液剤に抗菌剤を含むため、洗浄後に保存液として当該液剤を使用すれば、消毒をも可能となるようにしたものである。また、液剤No.17については、清涼化剤を添加して、洗浄後のレンズをそのまま、同液剤で濯いだのち、装用した場合に清涼感が得られる様に調製した。なお、液剤の容器としては、実開昭58−137463号公報に記載されるような、液の泡立ち状態を変えて噴射できるノズルを有する容器を使用した。このノズルにより、手指洗浄時には発泡状態の液剤が、またレンズ収納ケース内への液剤の充填に際しては、泡立ちを抑えた液剤がそれぞれ噴射される。これにより、液剤をレンズの洗浄だけでなく、保存液や消毒液などとしても兼用できることとなる。
表3
Figure 2006154092
上記液剤No.16を用いて、含水性ソフトレンズ(メニコンソフトMA:株式会社メニコン製)の洗浄消毒の比較試験を行った。
−洗浄消毒効果試験−
(1)供試菌として黄色ブドウ球菌(S.a.;Staphylococcus aureus)及びカンジダ・アルビカンス(C.a.;Candida albicans)を用い、S.a.についてはソイビーンカゼイン培地で35℃×24時間培養したもの、C.a.についてはブドウ糖ペプトン培地で23℃×48時間培養したものを用いて、それぞれ生理食塩水に懸濁し、107〜108cfu/mLの供試菌液となるように調製した。
(2)前記供試菌液10μLを前記ソフトレンズの両面に塗布し、5分間空気中で乾燥させる。こうしてレンズ表面に菌体を吸着させたのち、液剤No.16を用いて、発泡状態の液剤又は通常のボトルから滴下した同量の液剤により、各レンズを5秒間手指洗浄(この際手指には手術用ゴム手袋をして、手指からのレンズへの汚染を防止)する。
(3)その後、レンズを2mLの無菌生理食塩水の入った試験管内に入れてボルテックスミキサーにより撹拌し、レンズから菌体を分離して、残留菌数を測定した。その結果を表4に示す。
表4
Figure 2006154092
その結果、残留菌数は本発明方法による場合の方が、単純に滴下した従来技術による場合に比べて少なく、手指洗浄による洗浄効果の向上が確認された。また、各試験の被験者間での残留菌数についても、本発明方法による場合の方が一定の範囲に収まっており、操作の均一性が担保されていることが分かる。
また、液剤No.17を使用した場合について実際に装用試験を行った結果、当然の結果ながら、清涼化剤入りの液剤に保存されたレンズの装用時には、使用者に清涼感を与えることが確認された。

Claims (7)

  1. 界面活性剤及び/または粘稠剤を含む液剤を、発泡状態で噴射してコンタクトレンズを洗浄する方法であって、手指洗浄中の所定時間経過後に泡が消失することにより、使用者が洗浄完了を認識できることを特徴とするコンタクトレンズの洗浄方法。
  2. 前記泡の消失に要する時間が、洗浄液剤0.25mL噴射時において、5〜50秒の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  3. 前記界面活性剤の濃度が0.05〜2.0w/v%であることを特徴とする液剤を使用する請求項1又は2記載の洗浄方法。
  4. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1乃至3記載の洗浄方法。
  5. 前記液剤の粘度が15mm2/s以下となるように、粘稠剤の濃度を調製された液剤を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄方法。
  6. 前記粘稠剤が水溶性セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アラビアゴム、コンドロイチン硫酸、から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1又は2、あるいは請求項5記載の洗浄方法。
  7. 請求項1乃至6記載の洗浄方法に使用する洗浄液。
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