JP2006153942A - 撮影レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトで、良好な性能を持つインナーフォーカス式マクロレンズを提供する。
【解決手段】 物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ群、負のパワーを持つ第2レンズ群、正のパワーを持つ第3レンズ群、負のパワーを持つ第4レンズ群を有し、無限遠から至近距離までのフォーカスの際に、第1レンズ群は固定、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、以下の条件式を同時に満たすことを特徴とする撮影レンズ。
0.58<sk/f<0.70
0.65<f34/f<0.72
sk・・・無限遠から至近までの最短のバックフォーカス
f・・・全系の焦点距離
f34・・・第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離。
【選択図】 図1

Description

本発明は写真用カメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等において、撮影倍率無限遠から等倍までの撮影が可能な、インナーフォーカス式マクロレンズに関するものである。
従来より写真用カメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラにおいて、近距離物体の撮影を主たる目的とした撮影レンズにマクロレンズまたはマイクロレンズ(以下「マクロレンズ」と称する)と呼ばれるものがある。
マクロレンズは一般の標準レンズや望遠レンズなどの他の撮影レンズと比べて、特に近距離物体において高い光学性能が得られるように設計されている。
また、マクロレンズは多くの場合、近距離物体から無限遠物体に至る広範囲の物体に対しても利用される。
一般に無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングの際、撮影倍率が大きくなるにつれて諸収差の変動が激しくなり、光学性能が悪化する。この為、従来より諸収差の変動を補正するためにフローティングが行われてきた。
特開平2−19814号公報や、特開平2−285313号公報では、正の第1レンズ群、正の第2レンズ群、負の第3レンズ群の3つのレンズから構成される近距離撮影可能なレンズ系において低倍率から高倍率への撮影を行うにあたり、負の第3レンズ群を像面に対して固定したまま正の第1レンズ群、第2レンズ群を物体側に移動させるとともに第1レンズ群、第2レンズ群の間隔を変化させフローティングを行うフォーカシング方式を提案している。
また、フローティングの際に第1レンズ群を移動させる方式では、一般にレンズ群の移動量が大きく、オートフォーカス(自動合焦)機能を備えたカメラには駆動トルクが大きく、高速のオートフォーカスが難しくなる傾向があり、フォーカシング時全長の変化がないインナーフォーカスタイプが好ましい。特開2000−231056号公報では、インナーフォーカスタイプで正の第1レンズ群、負の第2レンズ群、正の第3レンズ群、負の第4レンズ群を有し、2,3,4レンズ群のフローティングによってフォーカスを行う方式を提案している。
近年では1眼レフカメラのデジタル化によって、カメラのイメージサイズに最適な交換レンズの開発が進んでいる。従来のフィルムカメラよりもイメージサイズの小さいデジタル1眼レフカメラにおいては、従来よりもレンズの全長を短くすることが可能であるが、必要なバックフォーカスを保ちつつ、コンパクトな設計を目指す必要がある。
特開平2−19814号公報 特開平2−285313号公報 特開2000−231056号公報
本発明は撮影倍率無限遠から等倍までの撮影が可能で、レンズ全長をコンパクト化し、しかもフォーカシングに伴う収差の変動を良好に補正したインナーフォーカスタイプの撮影レンズの提供を目的とする。
請求項1の発明は、物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ群、負のパワーを持つ第2レンズ群、正のパワーを持つ第3レンズ群、負のパワーを持つ第4レンズ群を有し、無限遠から至近距離までのフォーカスの際に、第1レンズ群は固定、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
Figure 2006153942
sk...無限遠から至近距離までの最短のバックフォーカス
f...全系の焦点距離
f34...第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
請求項2の発明は、請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
Figure 2006153942
請求項3の発明は、請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
Figure 2006153942
請求項4の発明は、物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ群、負のパワーを持つ第2レンズ群、正のパワーを持つ第3レンズ群、負のパワーを持つ第4レンズ群を有し、無限遠から至近距離までのフォーカスの際に、第1レンズ群は固定、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、以下の条件式を満たすことを特徴とする。
Figure 2006153942
F4...第4レンズ群の焦点距離
ω...半画角
請求項5の発明は、請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする。
Figure 2006153942
本発明によれば以上のように、AFに有利なインナーフォーカス方式を採用し、無限遠から等倍までの緒収差の変動を効果的に補正したコンパクトなマクロレンズを達成することができる。
本実施形態の撮影レンズは、写真用カメラやビデオカメラ、ビデオスチルカメラ等の画角12°、Fナンバー2.8程度の口径比を有した撮影レンズに好適に用いられるものである。図1〜図4は、それぞれ後述の数値実施例1〜4(本実施形態)の撮影レンズのレンズ断面図である。図1(A)〜図4(A)は無限遠物体に対する合焦時の状態、図1(B)〜図4(B)は近距離物体(等倍率)に対する合焦時の状態を示している。
数値実施例1〜4の撮影レンズにおいて、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際し、第1レンズ群は固定とし、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動する。数値実施例4において、第4レンズ群は無限遠物体から近距離物体へのフォーカシング時固定であり、数値実施例1,2,3において、第4レンズ群は無限遠物体から近距離物体へのフォーカシング時可動である。
図5〜図8は、それぞれ数値実施例1〜4の場合の収差図の状態を示している。
実線 d線
2点鎖線 g線
1点鎖線 c線
点線 F線
図5(A)〜図8(A)は、無限遠状態での収差図を示し、図5(B)〜図8(B)は至近状態(最大撮影倍率−1.0倍)での収差図を示している。
本発明のインナーフォーカス式マクロレンズのレンズ構成の特徴について説明する。
無限遠から至近距離までの最短のバックフォーカスをskとすると、無限遠の全系の焦点距離との間に次の条件式を同時に満足する。
Figure 2006153942
この条件式はレンズの全長と収差の補正に関する式である。条件式(2)の上限を超えると、絞りより後方のレンズ群のパワーが弱くなり、全長の大型化、軸外諸収差の悪化につながる。条件式(2)の下限を超えると、絞り後方のレンズ群のパワーが強くなり、コンパクト化には有利となるが、必要なバックフォーカスを保つことが困難になる。
第4群の焦点距離をf4とすると、無限遠状態の全系の焦点距離fとの間には
Figure 2006153942
の関係式がある。この条件式の上限値を超えると絞り後方の群のパワーが強くなり、全長のコンパクト化につながるが、必要なバックフォーカスを保つことが困難になる。条件式の下限を超えると、絞り後方のレンズ群のパワーが弱くなり、全長の大型化、軸外諸収差の悪化につながる。
また、条件式(1)、(2)、(3)を満足するレンズにおいて、第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離をf34、全系無限遠の焦点距離をfの間には、
Figure 2006153942
の関係式がある。この関係式の上限を超えると、絞り後方のレンズ群のパワーが弱くなり、大型化につながる。また下限を超えると、コンパクト化には有利であるが、必要なバックフォーカスを確保するのが困難になる。
以下に、各実施例の諸元を示す。各実施例とも開口絞りは第2レンズ群と第3レンズ群の間に位置している。実施例の諸元表中の左端の数字は物体側からの面番号を示し、rは曲率半径、dは面間隔、ndは屈折率、νdはアッベ数である。
Figure 2006153942
Figure 2006153942
Figure 2006153942
Figure 2006153942
(A)本発明のマクロレンズの数値実施例1の無限遠状態のレンズ断面図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例1の等倍状態のレンズ断面図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例2の無限遠状態でのレンズ断面図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例2の等倍状態のレンズ断面図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例3の無限遠状態のレンズ断面図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例3の等倍状態のレンズ断面図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例4の無限遠状態でのレンズ断面図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例4の等倍状態のレンズ断面図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例1の無限遠状態の収差図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例1の等倍状態の収差図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例2の無限遠状態での収差図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例2の等倍状態の収差図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例3の無限遠状態の収差図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例3の等倍状態の収差図。 (A)本発明のマクロレンズの数値実施例4の無限遠状態での収差図、(B)本発明のマクロレンズの数値実施例4の等倍状態の収差図。
符号の説明
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
SP 絞り

Claims (5)

  1. 物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ群、負のパワーを持つ第2レンズ群、正のパワーを持つ第3レンズ群、負のパワーを持つ第4レンズ群を有し、無限遠から至近距離までのフォーカスの際に、第1レンズ群は固定、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、以下の条件式を同時に満たすことを特徴とする撮影レンズ。
    Figure 2006153942
    sk...無限遠から至近距離までの最短のバックフォーカス
    f...全系の焦点距離
    f34...第3レンズ群と第4レンズ群の合成焦点距離
  2. 請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする撮影レンズ。
    Figure 2006153942
    f4...第4レンズ群の焦点距離
    ω...半画角
  3. 請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする撮影レンズ。
    Figure 2006153942
  4. 物体側から順に、正のパワーを持つ第1レンズ群、負のパワーを持つ第2レンズ群、正のパワーを持つ第3レンズ群、負のパワーを持つ第4レンズ群を有し、無限遠から至近距離までのフォーカスの際に、第1レンズ群は固定、第2レンズ群は像側に移動し、第3レンズ群は物体側に移動し、以下の条件式を同時に満たすことを特徴とする撮影レンズ。
    Figure 2006153942
    f4...第4レンズ群の焦点距離
    ω...半画角
  5. 請求項1の発明において、以下の条件式を満足することを特徴とする撮影レンズ。
    Figure 2006153942
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