JP2006152381A - 熱間圧延用高Cr系ロール外層材および熱間圧延用高Cr系複合ロール - Google Patents

熱間圧延用高Cr系ロール外層材および熱間圧延用高Cr系複合ロール Download PDF

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Abstract

【課題】 耐摩耗性、耐食性および耐焼付き性がともに優れた熱間圧延用ロール外層材および複合ロールを提案する。
【解決手段】 ロール外層材を、質量%で、C:0.9〜3.0%、Si:0.2〜2%、Mn:0.2〜2%、Cr:6〜25%、Mo:0.8〜4%を含み、さらに、P:0.10〜0.6%、B:0.05〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とする。さらに、V:3.0%未満、Nb:1.0%未満あるいはNi:3%以下を選択して単独または複合して含有してもよい。外層をこのような組成とすることにより、耐摩耗・耐食性と耐焼付き性を兼備した熱間圧延用複合ロールとすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱間圧延用複合ロールに係り、とくに鋼板や形鋼の熱間圧延に好適な熱間圧延用複合ロールに関する。
近年、鋼板の熱間圧延技術の進歩は著しく、それに伴い、使用される熱間圧延用ロール特性の向上、とくに耐摩耗性の向上が強く要望されてきた。このような耐摩耗性向上の要求に対し、外層を、Crを含み硬質の共晶炭化物を含有する組織を有する高Cr系ロール外層材とした複合ロール(以下、高Cr系複合ロールともいう)が開発され、鋼板、形鋼、鋼管等各種熱間圧延用ロールとして使用されてきた。また高Cr系ロールは多量のCrを含有することから耐食性にも優れ、熱水等腐食環境下で現在も多用されている。
また、最近では、外層を、高速度鋼組成に類似した組成とし、硬質炭化物を析出、分散させて耐摩耗性を格段に向上させたハイス系複合ロールが開発され、各種の熱間圧延用ロールとして使用されている。
しかし、高Cr系複合ロールやハイス系複合ロールは、いずれも高すべり圧延や高合金材を被圧延材とする圧延を行うと、被圧延材がロールに焼付き、被圧延材(製品)に疵をつけたり、早期のロール改削を要するなどの問題があった。このため、焼付きが発生しやすい熱間圧延では、黒鉛を有し耐焼付き性に優れたNiグレン鋳鉄ロールを使用せざるを得ない状況であった。しかし、従来のNiグレン鋳鉄ロールでは耐摩耗性が劣り、さらに耐腐食性にも劣るため、ロール寿命が短いという問題があった。
このような状況から、Niグレン鋳鉄ロールの耐摩耗性を向上する試みがなされている。例えば、特許文献1には、Niグレン鋳鉄に1.0〜5.0%のVを添加して、耐摩耗性を向上させるとした熱間圧延用ロールが提案されている。また、特許文献2には、Niグレン鋳鉄に2.0〜8.0%のVを添加し、0.5〜5%の黒鉛に加えて0.2〜10%のMC型炭化物を出現させて耐摩耗性を向上させるとした熱間圧延用ロールが提案されている。
また、特許文献3には、2〜10%のCrと0.1〜10%のWと、V、Nbのうちの1種または2種を合計で1.5〜10%含み、黒鉛を有するハイス系鋳鉄材が提案されている。また、特許文献4には、Cr、V、Nbの合計含有量を3%以下に制限し、2%以上の黒鉛を晶出させて、肌荒れの発生を抑制した耐摩耗性熱間圧延用ロールが提案されている。これらの耐摩耗性熱間圧延用ロールは、いずれも黒鉛を有するロールである。また、特許文献5には、C:3.0〜4.2%、Cr:0.2〜18%、W:2.0〜10%、Co:0.2〜5%、P:0.01〜0.5%を含有する合金チルドロールが提案されている。
特開平1−287248号公報 特開平6−335712号公報 特開平6−256889号公報 特開2001−181780号公報 特開昭60−29423号公報
最近の鉄鋼圧延では、圧延製品の品質向上と効率的生産のため、圧延速度の増加や連続圧延量の増加などが指向されており、さらに被圧延材の高合金化等により、熱間圧延用ロールの使用環境はますます過酷化しており、耐摩耗性、耐焼付き性がともに優れた熱間圧延作業ロールが要望されている。特許文献1〜特許文献4に記載された技術で製造された熱間圧延用ロールは、黒鉛を含有することから、一般のハイス系複合ロールや高Cr系ロールにくらべて耐焼付き性には優れているが、耐摩耗性や耐食性が劣るという問題がある。また、特許文献5に記載された技術で製造されたロールは、耐焼付き性が不十分であるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題を有利に解決し、高Cr系ロールに匹敵する優れた耐摩耗性と耐食性を有し、さらに、Niグレン鋳鉄ロールに匹敵するような優れた耐焼付き性とを兼備する熱間圧延用ロール外層材および熱間圧延用複合ロールを提案することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、まず、絞り事故に遭遇した熱間圧延用ロールの焼付き部について組織を詳細に調査した。その結果、焼付いた鋼板とロールの界面には、被圧延材である鋼板とロール材、さらには鋼板表面に生成しているスケール(黒皮)とが融合した相が形成されており、絞り事故による加工・摩擦発熱で、ロール表面が極めて高温になることがわかった。このことから、本発明者らは、絞り事故による発熱で鋼板とロール材が融合した相が形成したとしても、例えば、ロール表面が剥離してロールに鋼板が付着することを防止できれば、焼付きの発生を防止できることになることに想到した。そして、ロール表面が剥離して焼付きの発生を防止するためには、絞り事故の際の加工・摩擦発熱でロール表面が溶融・剥離できるロール組成にすることがよいという考えに到達した。
本発明者らは、耐摩耗性と耐食性に優れることから、依然として熱間圧延用ロールとして使用される機会が多い高Cr系組成のロール外層材に着目し、高Cr系組成のロール外層材をベースに、上記した考えに基づき、ロール外層材の融点低下におよぼす各種要因について検討した。その結果、P,Bを適正量複合して含有する高Cr系ロール外層材組成とすることにより、低融点化合物相の生成が促進され、耐摩耗性、耐食性を劣化させることなく、熱間圧延用高Cr系複合ロールの耐焼付き性を顕著に向上させることができることを知見した。
本発明は、このような知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)質量%で、C:0.9〜3.0%、Si:0.2〜2%、Mn:0.2〜2%、Cr:6〜25%、Mo:0.8〜4%を含み、さらに、P:0.10〜0.6%、B:0.05〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3.0%未満および/またはNb:1.0%未満を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
(3)(1)又は(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
(4)外層と内層が溶着一体化してなる熱間圧延用複合ロールであって、前記外層が、質量%で、C:0.9〜3.0%、Si:0.2〜2%、Mn:0.2〜2%、Cr:6〜25%、Mo:0.8〜4%を含み、さらに、P:0.10〜0.6%、B:0.05〜0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用高Cr系複合ロール。
(5)(4)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3.0%未満および/またはNb:1.0未満を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用高Cr系複合ロール。
(6)(4)又は(5)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする熱間圧延用高Cr系複合ロール。
本発明によれば、鋼板の熱間圧延用ロールとして好適な、耐摩耗性、耐食性および耐焼付き性を兼備した複合ロールが安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
本発明の熱間圧延用高Cr系複合ロールの外層(ロール外層材)の組成限定理由について説明する。なお、組成における質量%は単に%と記す。
P:0.10〜0.6%
Pは、本発明では重要な元素であり、融点の低いM−C−P系共晶化合物(Mは金属)を形成して耐焼付き性を向上させる作用を有する元素である。このような効果はP単独添加では圧延用ロールとしては十分ではなく、Bとの複合添加を必要とする。このような効果を得るために本発明ではPは0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.6%を超える含有は、材料を脆化させる。このため、本発明ではPは0.10〜0.6%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.2〜0.5%である。
B:0.05〜0.5%
Bは、本発明ではPとともに重要な元素であり、融点の低いM−C−(P,B)系共晶化合物(Mは金属)を形成して耐焼付き性を著しく向上させる作用を有し、本発明ではPと複合して添加する。Bは、Pとともに含有することにより、P単独含有にくらべ、さらに融点の低い共晶化合物相を多量に形成させる重要な作用を有する。このような効果は0.1%以上のPとの共存下において、B:0.05%以上の含有で認められる。一方、B:0.5%を超える含有は、材料を脆化させる。このため、本発明ではBは0.05〜0.5%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.07〜0.4%である。
C:0.9〜3.0%
Cは、基地硬さを増加させるとともに、Cr、Mo等と結合して硬質炭化物を形成し、ロールの耐摩耗性を向上させるために必要な元素であり、本発明では、0.9%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超えて含有すると共晶炭化物が多量に出現し、MC型炭化物が粗大化して、耐肌荒れ性が低下する。このため、Cは0.9〜3.0%の範囲に限定した。
Si:0.2〜2%
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、また、湯流れ性を向上させる作用も有する。このような効果を得るために本発明では0.2%以上の含有を必要とする。一方、2%を超えて含有しても、上記した効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず、経済的に不利となる。このため、Siは0.1〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.3〜1.5%である。
Mn:0.2〜2%
Mnは、溶鋼中のSをMnSとして固定し、耐摩耗性を阻害するSを除去する作用を有するとともに、焼入れ性を向上し材料の硬さを増加させ、耐摩耗性を向上させる効果を有する。このような効果は0.2%以上の含有で認められる。一方、2%を超えて含有すると、偏析が顕著となると共に、材料が脆化する。このため、Mnは0.2〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.3〜1.5%である。
Cr:6〜25%
Crは、耐食性を向上させる最も重要な成分であり、さらにMoと共に硬質な共晶炭化物を生成し、耐摩耗性と耐肌荒れ性を向上させる元素であることから、本発明では6%以上の含有を必要とする。一方、25%を超えて含有すると、炭化物の偏析が著しくなる。このため、Crは6〜25%の範囲に限定した。なお、好ましくは耐食性の観点から8〜25%である。
Mo:0.8〜4%
Moは、Cr、あるいはV、Nbとともに含有することにより、より強靭な硬質炭化物を生成して、耐摩耗性を向上させる効果を有する。このような効果を得るために、本発明では、Mo:0.8%以上の含有を必要とするが、4%を超えて含有すると、炭化物量が過多となり、材料が脆化する。このため、Moは0.8〜4%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.8〜3.5%である。
上記した基本成分に加えて本発明では、さらにV:3%未満、Nb:1%未満、およびNi:3%以下を必要に応じ選択して単独あるいは複合して含有することができる。
V:3.0%未満
Vは、硬質なMC炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる効果を有する。とくに更なる耐摩耗性向上を要求された場合に含有させることが好ましい。このような効果は0.5%以上の含有で顕著となるが、3.0%以上含有すると、耐焼付き性が劣化する。このため、含有させる場合には3.0%未満に限定することが好ましい。
Nb:1.0%未満
Nbは、Vと同様に硬質なMC炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる効果を有し、とくに更なる耐摩耗性向上を要求された場合に含有させることが好ましい。このような効果は、0.10%以上の含有で顕著となるが、1.0%以上含有するとMC炭化物の偏析が著しくなる。このため、含有させる場合は1.0%未満に限定することが好ましい。
Ni:3%以下
Niは、焼入れ性を向上し、材料の硬さを増加させる作用を有する元素であり、通常の焼入れでは所望の硬さが確保できない恐れのある場合に含有することが好ましい。このような効果は、0.05%以上の含有で顕著となるが、3%を超えて含有すると、オーステナイトが安定化し、残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下して、耐摩耗性が低下する。このため、本発明ではNiは3%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.1〜2.5%である。
本発明のロール外層材では、上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、N:0.008%以下、S:0.1%以下、Al:0.05%以下、Cu:0.1%以下がそれぞれ許容できる。なお、Nは、通常の溶解であれば、0.05%以下程度は混入するが、この程度の混入は本発明の効果に影響することはない。
つぎに、好ましい製造方法について説明する。
本発明では、ロール外層材の製造方法はとくに限定されない。遠心鋳造法や連続肉盛鋳造法などが好ましいが、製造コストの観点から遠心鋳造法がより好ましい。
遠心鋳造法でロール外層材を鋳造する場合、ロール外層材の凝固途中あるいは完全に凝固したのち、鋳型の回転を停止し内層材を静置鋳造して、複合ロールとすることが好ましい。これにより、ロール外層材の内面側が再溶解され外層と内層とが溶着一体化した複合ロールとなる。
静置鋳造される内層は、鋳造性と機械的性質に優れた球状黒鉛鋳鉄,いも虫状黒鉛鋳鉄、黒鉛鋼などを用いることが好ましい。また、外層と内層の間に、黒鉛鋼や高炭素鋼からなる中間層を設けても良い。遠心鋳造法でロールを製造する場合には,中間層は外層の遠心鋳造に引き続いて遠心鋳造すればよい。
本発明の熱間圧延用複合ロールは、鋳造後、熱処理を施されることが好ましい。熱処理は、800℃〜1050℃に加熱し焼入れする焼入れ処理と、さらに400〜600℃に加熱し焼戻しする焼戻処理を1回以上施す処理とすることが好ましい。焼入れの加熱温度が800℃未満では、加熱温度が低すぎて硬さの確保が困難となる。一方、加熱温度が1050℃を超えて高くなると、P、Bの低融点共晶化合物相が溶融するため、ミクロポロシティー欠陥が増加する。このため、焼入れ加熱温度は800〜1050℃の範囲の温度とすることが好ましい。また、焼戻し温度が400℃未満では、靭性が不足し、一方、600℃を超えて高くなると、硬さが低下する。このため、焼戻し温度は400〜600℃の範囲の温度とすることが好ましい。
表1に示す組成を有する溶湯を、高周波溶解炉で溶解し、ロール外層材に相当するリング状試験片(外径:250mmφ、肉厚:70mm)を遠心鋳造法により鋳造した。なお、鋳込み温度は1350〜1500℃、遠心力は重力倍数で140Gとした。鋳造後、得られたリング状試験片に、表2に示す条件で焼入れ処理,焼戻し処理を施した。各リング状試験片について、焼戻し処理後に硬さHsを測定した。なお、Niグレン鋳鉄材を従来例(リング状試験材No.NIG)、従来組成の高Cr系ロール外層材を従来例(リング状試験材No.HCR)とした。
得られたリング状試験材から試験片を採取し、熱間摩耗耐食試験および焼付き試験を実施した。試験方法は次の通りとした。
(1)熱間摩耗腐食試験
リング状試験材から試験片(外径:60mmφ、肉厚:10mm)を採取し、相手材(材質:S45C,大きさ:190mmφ、肉厚:15mm)と試験片との2円盤転がりすべり接触方式で実施した。試験片を回転数600rpmで回転させながら相手材を860℃に加熱し、試験片を水冷し、試験片と相手材のすべり率を10%として、荷重80kgf(784N)で圧接しながら60min間転動させる試験を10回行った。なお、試験片は、熱間で長時間冷却水を浴びながら相手材と転がり接触することにより、摩耗と腐食により重量を減じてゆく。ここでは、この重量減を摩耗減量と呼ぶ。試験後、試験片の摩耗減量を測定した。耐摩耗耐食性は、Niグレン鋳鉄の摩耗減量に対する比(=(NIGの摩耗減量)/(試験片の摩耗減量))で評価した。この数値が大きい場合が耐摩耗性と耐食性がともに優れることを意味する。
(2)焼付き試験
リング状試験材から試験片(25mm厚の板状)を採取し、図1に示す方式の試験機で焼付き試験を実施した。試験片に、高周波誘導加熱コイルにより、930℃に加熱されて190rpmで回転する円板状の相手材(材質:SUS410、大きさ:190mmφ、肉厚:15mm)を荷重100kgf(980N)で20s間圧接した。試験後の試験片表面に相手材がへばり付いたように焼付いている場合を「焼付き有り」(×)、へばり付きがなく表面が摩耗している場合を「焼付きなし」(○)として、耐焼付き性を評価した。
得られた結果を表2に示す。
本発明例はいずれも、従来例(リング状試験材No.NIG )に比べ優れた耐摩耗・耐食性を有し、しかも焼付きの発生もなく、耐摩耗性、耐食性、耐焼付き性がともに優れたロール外層材となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は耐摩耗・耐食性、耐焼付き性のいずれか、あるいはすべてが低下している。なお、PあるいはBが本発明範囲を低く外れたリング状試験材No.I、No.Jでは、焼付きが発生している。
焼付き試験に使用した試験機の概要を模式的に説明する説明図である。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C:0.9〜3.0%、 Si:0.2〜2%、
    Mn:0.2〜2%、 Cr:6〜25%、
    Mo:0.8〜4%
    を含み、さらに、
    P:0.10〜0.6%、 B:0.05〜0.5%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3.0%未満および/またはNb:1.0%未満を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延用高Cr系ロール外層材。
  4. 外層と内層が溶着一体化してなる熱間圧延用複合ロールであって、前記外層が、質量%で、
    C:0.9〜3.0%、 Si:0.2〜2%、
    Mn:0.2〜2%、 Cr:6〜25%、
    Mo:0.8〜4%
    を含み、さらに、
    P:0.10〜0.6%、 B:0.05〜0.5%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とする耐焼付き性に優れた熱間圧延用高Cr系複合ロール。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、V:3.0%未満および/またはNb:1.0%未満を含有する組成とすることを特徴とする請求項4に記載の熱間圧延用高Cr系複合ロール。
  6. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:3%以下を含有する組成とすることを特徴とする請求項4または5に記載の熱間圧延用高Cr系複合ロール。
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