JP2006151395A - 食品用吸水シートおよび食品用包装容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内部に被包装物Wを収納可能な空間を有する包装用容器1であって、容器1内面の少なくとも一部には不織布層と不織布層が積層される基材となるフィルム層とからなる吸水層を設け、調理時に被包装物Wから浸出する液体を吸収する。
【選択図】 図1
Description
より詳細には、図5に表す従来の包装用袋100は、それぞれ同じ大きさの方形からなる表面側フィルム101と裏面側フィルム102とを対向させた状態で、3辺を熱融着により固着した熱融着部103を構成する。このように包装用袋100は、熱融着部103を設けることで内部に被包装物を挿入可能な空間部104を構成する。また熱融着部103を設けない1辺にはシール用のジッパー105を設ける。ジッパー105は、対向する一方面には断面形状が凸状の雄部材を設け、他方面には断面形状が凹状の雌部材を設け、対向した状態で双方を押圧することで雄部材及び雌部材が嵌合して係止可能である。
そして、空間部104に被包装物を挿入した後、ジッパー105を嵌合係止させて被包装物を包装する。
そして、一般に食品包装に用いる包装用袋101は、冷蔵庫あるいは冷凍庫等での使用に耐え、また、加熱時に電子レンジにて加熱可能な耐熱温度特性であるフィルム素材を用いてあり、またジッパー105も、密閉度が高く容易に嵌合が解除しないものが用いられている。
従って、従来の包装用袋101は、冷蔵庫あるいは冷凍庫での冷蔵あるいは冷凍保存が可能で、しかも電子レンジによる加熱調理が可能である。
従来の包装用容器200は、筐体形状が変形しない程度の硬質な高分子樹脂材料をプレス成形して加工した円筒形のトレーであり、図6に表すように、円筒形の本体201の上部開口にポリエチレン等のフィルムからなる蓋フィルム202を、本体201の上縁に熱融着して内部の空間部203に被包装物を密封可能であった。
そして、従来の包装用容器200は、本体201の底部に突部204を設け、電子レンジ等で加熱した際に空間部203の被包装物Wから浸出した水分や油分等の浸出液が凹部205にたまり、被包装物Wに付着しないような構造となっている。
食品用包装容器の上面となる表面フィルムには、ポリエステルフィルムを用いる。また、下面となる裏面フィルムには、表面側に不織布を敷設したポリエチレンフィルムを用い、不織布の層が吸水層を構成する。不織布層は化成系のパルプを用いることにより、表裏フィルムの周囲部を熱融着する。
周囲部は、ポリエステルフィルム層とポリエチレンフィルム層との間に不織布層を設けることで、熱融着時の貼着力はポリエチレンフィルムとポリエステルフィルムとを熱融着させたときよりも弱く、食品用包装容器内圧が上昇した際には、熱融着部が容易に剥離する。しかしながら、中間層として不織布層が存在するので表裏層が完全に離別して大きな剥離空間を形成せず、調理時に発生した蒸気等の流出が一気に起きず、適度な内圧を保つ。
図1はこの発明の実施例1を表す斜視説明図であり、図2は同中央断面説明図であり、図3は実施例1の他の例を表す斜視説明図である。
表面フィルム2は、透明なポリエステルフィルムからなり、包装袋1の内容物である被包装物Wを外部から視認可能である。
このように、熱融着させる温度を不織布層32の溶融温度未満とすることで、裏面フィルム3のフィルム層31及び表面フィルム2とが加熱により溶融しても不織布層32は溶融せず、不織布層32を構成する化成系繊維はその姿を残したまま表面フィルム2とフィルム層31とが熱融着される。
熱融着部4は、包装袋1の側縁のうち3方を予め熱融着しておき、残る1方は未熱融着として開口部41を形成しておく。このように開口部41を形成することで、被包装物Wを挿入可能としておき、被包装物Wを包装袋1内に挿入後に開口部41を熱融着して包装を完了する。
即ち、包装袋1を電子レンジにて加熱調理された際には、包装袋1の内部にある被包装物Wである食品が加熱されたために蒸気を発生する。該蒸気は、包装袋1を膨張させ内圧を上昇させる。この膨張時、包装袋1の周囲部である熱融着部4の熱融着は、表面フィルム2を構成するポリエステルフィルムと裏面フィルム3のフィルム層31を構成するポリエチレンフィルムとが溶融して貼着しているが、これらフィルムの間には、溶融していない不織布層32の繊維が存在するため、熱融着部4全面にわたる各フィルム相互の熱融着より弱い融着力となっている。このため、熱融着部4は内圧に堪えきれずに熱融着部4が表面フィルム2及び裏面フィルム3間で剥離されることとなる。
表面フィルム2及び裏面フィルム3間での剥離が進むと、やがて熱融着部4の外方端部に達する。すると、該端部と包装袋1内部とは挿通状態となるが表面フィルム2とフィルム層31との間に存在する不織布層32の繊維が両面間に介在して大きく開口するのを妨げるので包装袋1の内外を閉塞した状態を維持している。
上記のように構成する包装袋1では、半加工された野菜などを包装した後、電子レンジにて加工可能である。即ち、例えば洗浄済みの生の枝豆や洗浄後カットした薩摩芋や皮を剥いた後のとうもろこしを包装袋1の未熱融着である開口部41から挿入する。そして、被包装物Wを挿入した後に開口部41を熱融着する。
また、直接的に被包装物Wから素材汁等の液体が浸出するが、該浸出した液体も被包装物Wの下方に位置する不織布層32によって吸収される。そして吸収された液体は、不織布層32によって上部に載置された被包装物Wへは容易に戻らない。
上記は被包装物Wが生野菜の場合を例にしたが、被包装物Wがソーセージ(あるいはソーセージ様の食品、以下これを含めてソーセージという。)の場合にも、従来の容器による加温では、密閉した容器内で加温する場合には圧力が上がりすぎで爆発の危険があるので、容器の蓋等を開けた状態で加温する必要があった。そして、このように調理する従来の容器では、電子レンジによる調理に7分程度の調理時間を要していた。
尚、この実施例では、被包装物Wを包装した後に被包装物Wを商品として販売する例であるため包装袋1の熱融着部4は4方を熱融着するように構成したが、被包装物Wを包装せずに、包装袋1自身を商品とした販売する場合などには、被包装物Wは消費者が家庭において包装袋1内に挿入する必要があるため、開口部41には、シール用のジッパー5を設けて構成しても良い。ジッパー5は、表面フィルム2の裏面フィルム3側面に断面形状が凸状の雄部材を設け、裏面フィルム3の表面フィルム2側面には断面形状が凹状の雌部材を設け、対向した状態で双方を押圧することで雄部材及び雌部材が嵌合して係止可能である。このとき、裏面フィルム3側のジッパー5設置部には、不織布層32を設けずにフィルム層31の上に直接ジッパー5を設けるが、不織布層32を設けた上にジッパー5を設けても良い。そして、この場合には包装袋1内に被包装物Wを挿入した後、ジッパー5を嵌合係止させて被包装物Wを包装する。
図4に表す例は、食品用包装容器を形状維持可能に軟質な高分子樹脂を射出成形等によって成形した例であり、ポリプロピレンを容器形状に成形加工してある。この包装用容器10は、被包装物Wが顧客から容易に視認可能であると共に販売棚に整列させることができるので、小売り時に野菜や肉等の被包装物Wを包装して販売する場合に用いる等、種々の利用が考えられる。
このように中敷き12の上部に被包装物Wを載置した後、ポリ塩化ビニリデン等の薄膜高分子樹脂からなるラップ13によって、容器本体11上面を容器本体11ごとラッピングして被包装物Wを包装用容器10に収納する。
このように被包装物Wを収容した包装用容器10を電子レンジにて調理すると、被包装物Wから蒸気や汁が浸出する。この浸出した汁や気化した後に包装用容器10内壁にて凝結した液体は、実施例1同様に中敷き12によって吸収されることとなる。
従って、包装用容器10内に収容されて電子レンジにて調理された被包装物Wは、実施例1同様良好に調理される。
更に、上記の実施例1に於ける裏面フィルム3である吸水層、及び、実施例2に於ける中敷き12である吸水層は、何れも化成系の不織布層と基材としてのポリエチレンフィルムまたはペットフィルムまたはナイロンフィルムを積層して構成している。しかしながら、実施例1を例に取れば、不織布層32はパルプを糸形状に加工することなく、また編み込まずに構成すればよいので、パルプ全般が利用可能であり、電子レンジに於ける温度上昇等に耐えうれば特に限定されず、同様にフィルム層31も不織布層32を上面に構成でき、包装袋1からの液体の漏れが無い素材であれり、電子レンジに於ける温度上昇等に耐えうれば特に限定されない。具体的には、不織布層32の素材としては、紙全般、布類、吸水性のあるレジン等が考えられ、紙全般ではレーヨン紙、和紙、上質紙、新聞紙、更紙、ティッシュペーパの様な吸水紙や、板紙としての段ボール原紙、クラフト紙、白板紙等が上げられる。また、基材となるフィルム層31は、上記各不織布層32を上面に構成可能である且つ電子レンジによる調理に耐えられると共に液漏れを起こさない素材であればよく、不織布層32の素材によって適宜選択すれば足りる。
また、実施例1においても、実施例2同様にフィルム層31及び不織布層32からなる裏面フィルム3同様の吸水シートを、電子レンジによる調理に耐える袋内に単に挿入して用いても良く、この様な吸水シートの利用では、食品を購入した後に適宜利用可能となるので、利用範囲が更に拡大し、電子レンジによる調理の幅が拡大される。
1 包装袋
2 表面フィルム
3 裏面フィルム(吸水シート)
31 フィルム層
32 不織布層
4 熱融着部
41 開口部
5 シール用ジッパー
10 包装用容器
11 容器本体
12 中敷き(吸水シート)
13 ラップ
Claims (2)
- 食品用包装容器内面の少なくとも一部に載置可能であり、不織布層と不織布層が積層される基材となるフィルム層とからなる吸水層を構成し、調理時に食品用包装容器内の被包装物から浸出する液体を吸水層が吸収可能であることを特徴とする食品用吸水シート。
- 内部に被包装物を収納可能な空間を有する包装用容器であって、容器内面の少なくとも一部には不織布層と不織布層が積層される基材となるフィルム層とからなる吸水層を設け、調理時に被包装物から浸出する液体を吸収することを特徴とする食品用包装容器。
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