JP2006151291A - 電動二輪車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気モータを用いて走行する電動二輪車に適用され、コーナリング中の走行安定性を向上させることができる電動二輪車の制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る電動二輪車の制御装置は、電気モータを用いて走行する電動二輪車のスロットルの開度に応じた駆動力制御信号に基づいて、電気モータの回転によって生じる駆動力を制御するモータ制御量を演算するモータ制御量演算部と、電動二輪車の車速を検出する車速検出部と、横Gを検出する横G検出部と、検出した車速及び横Gに基づいて、モータ制御量の補正に用いられる補正量を生成する補正量生成部とを備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、電気モータを用いて走行する電動二輪車のスロットルの開度に応じた駆動力制御信号に基づいて、電気モータの回転によって生じる駆動力を制御する電動二輪車の制御装置に関する。
従来、自動二輪車の駆動力(トラクション)の制御に関して、車速とハンドルの切れ角とを用いて自動二輪車のバンク角を演算し、演算したバンク角に基づいて駆動力を制御、具体的には、エンジンに装着されている点火プラグの点火タイミングを調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、近年では、エンジン(主に50cc〜125ccクラス)に代えて、電気モータ(以下、モータと適宜省略する)を用いて走行する“電動二輪車”が開発されている。
特開平5−637号公報(第17−18頁、第48−49図)
しかしながら、上述した従来の駆動力の制御方法には、次のような問題があった。すなわち、車速とハンドルの切れ角とを用いて演算されるバンク角に基づいて駆動力を制御する方法では、ハンドルの切れ角がコーナリング中でもあまり大きくならない自動二輪車の走行状態(姿勢)を正確に推定することには限界があった。
また、上述した“電動二輪車”に用いられるモータは、エンジンと比較すると、一般的にトルクの出力特性がとても滑らかなことが知られている。
図1は、モータ及びエンジンのトルクの出力特性を説明するための説明図である。同図に示すように、モータ及びエンジンのトルク実効値が同一である場合、モータが出力するトルクの最大値と最小値との差、つまり、トルク変動(図中のΔMO)は、エンジンのトルク変動(図中のΔENG)よりも小さい。
モータでは、一般的に、磁極(ステータ及びロータ)の形状に起因して、エンジン(例えば、単気筒)よりも細かい間隔でトルクが断続的に発生するため、当該エンジンと比較して、トルクの出力特性がより滑らかなのである。
ところが、このようなモータのトルクの出力特性は、トラクション性能(車輪がスリップせずに路面を蹴る性能)に大きな影響を及ぼすのである。具体的には、トルク実効値が同一である場合、上述したトルクの最大値と最小値との差(ΔMO,ΔENG)が大きいほど、トラクション性能が高くなることが判明している。
すなわち、パワーユニットとしてモータを用いる場合、エンジンを用いる場合と比較して、トラクション性能が低下してしまうため、特に、ライダーによるコーナリング中の電動二輪車の操作が難しくなり、充分な電動二輪車の走行安定性を確保することができないといった問題があった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、電気モータを用いて走行する電動二輪車に適用され、コーナリング中の走行安定性を向上させることができる電動二輪車の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、電気モータ(モータ13)を用いて走行する電動二輪車(電動二輪車10)のスロットルの開度に応じた駆動力制御信号に基づいて、前記電気モータの回転によって生じる駆動力を制御するモータ制御量を演算するモータ制御量演算部(モータ制御量演算部105)と、前記電動二輪車の車速を検出する車速検出部(車速センサ101,補正量生成部103)と、前記電動二輪車の車幅方向の加速度である横方向加速度を検出する横方向加速度検出部(横Gセンサ113,補正量生成部103)と、前記車速検出部によって検出された前記車速、及び前記横方向加速度検出部によって検出された前記横方向加速度に基づいて、前記モータ制御量の補正に用いられる補正量を生成する補正量生成部(補正量生成部103)とを備え、前記モータ制御量演算部は、前記補正量を用いて、前記モータ制御量を演算することを特徴とする電動二輪車の制御装置(例えば、制御装置100A)であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、電動二輪車の車速及び横Gに基づいて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性を向上させることができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記電動二輪車に生じるヨーイングの速度であるヨーレートを検出するヨーレート検出部(ヨーレートセンサ111,補正量生成部103)をさらに備え、前記補正量演算部は、前記車速、前記横方向加速度、及び前記ヨーレート検出部によって検出された前記ヨーレートに基づいて、前記補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記電動二輪車に生じるローリングの速度であるロールレートを検出するロールレート検出部(ロールレートセンサ112,補正量生成部103)をさらに備え、前記補正量演算部は、前記車速、前記横方向加速度、及び前記ロールレート検出部によって検出された前記ロールレートに基づいて、前記補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度が所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度及び前記ヨーレートが所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度及び前記ロールレートが所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至第6の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記駆動力を所定の周波数(駆動力周波数ft)で繰り返し変動させる前記補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記駆動力制御信号の値を補正する補正量を生成し、前記補正量によって補正された前記駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、前記所定の周波数を上昇させることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第7または第8の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記駆動力を所定の振幅(駆動力振幅At)で変動させる前記補正量を生成することを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第9の特徴に係り、前記補正量生成部は、前記駆動力制御信号の値を補正する補正量を生成し、前記補正量によって補正された前記駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、前記所定の振幅を大きくすることを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第1乃至第10の特徴に係り、前記電動二輪車の前後方向の加速度である前後方向加速度を検出する前後方向加速度検出部(前後Gセンサ115)をさらに備え、前記補正量生成部は、前記前後方向加速度検出部によって検出された前記前後方向加速度に基づいて、前記電動二輪車が減速状態にあると判定した場合、前記補正量の生成を中止することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、電気モータを用いて走行する電動二輪車に適用され、コーナリング中の走行安定性を向上させることができる電動二輪車の制御装置を提供することができる。
次に、本発明に係る電動二輪車の制御装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1実施形態]
(制御装置が搭載される電動二輪車の概略構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aが搭載される電動二輪車10の概略斜視図である。
(制御装置が搭載される電動二輪車の概略構成)
図2は、本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aが搭載される電動二輪車10の概略斜視図である。
同図に示すように、電動二輪車10は、前輪11及び後輪12を有する自動二輪車であり、モータ13を用いて走行することができる。具体的には、モータ13は、ドライブベルト部14を介して後輪12を駆動する。
電動二輪車10のライダーは、スロットルグリップ15を用いてスロットルの開度を調整することによって、モータ13の回転によって生じる駆動力を調整する。
制御装置100Aは、シート16の下方に搭載されている。制御装置100Aには、電動二輪車10に生じるモーメントなどを検出するセンサによって構成されるセンサ部110が接続されている。
また、制御装置100Aには、前輪11近傍に取り付けられ、電動二輪車10の車速を検出する車速センサ101が接続されている。
(制御装置を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成)
図3は、制御装置100Aを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Aは、車速センサ101、補正量生成部103、モータ制御量演算部105及びセンサ部110によって構成されている。駆動力制御信号生成部150は、スロットルグリップ15によるスロットルの開度に応じた駆動力制御信号を生成し、生成した駆動力制御信号をモータ制御量演算部105に出力するものである。
図3は、制御装置100Aを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Aは、車速センサ101、補正量生成部103、モータ制御量演算部105及びセンサ部110によって構成されている。駆動力制御信号生成部150は、スロットルグリップ15によるスロットルの開度に応じた駆動力制御信号を生成し、生成した駆動力制御信号をモータ制御量演算部105に出力するものである。
具体的には、駆動力制御信号生成部150は、スロットルグリップ15によるスロットルの開度が全閉、つまり、スロットルグリップ15が全く回動させられていない状態では、“0”を出力し、スロットルグリップ15によるスロットルの開度が全開、つまり、スロットルグリップ15が最も大きく回動させられた状態では、“1”を出力する。すなわち、駆動力制御信号生成部150は、スロットルグリップ15の回動状態に応じて、“0”〜“1”の何れかの値を有する駆動力制御信号(例えば、0.2や0.5)を出力する。
モータ制御量演算部105は、スロットルグリップ15によるスロットルの開度に応じた駆動力制御信号に基づいて、モータ13の回転によって生じる駆動力を制御する“モータ制御量”を演算するものである。モータ制御量演算部105は、本実施形態において、モータ制御量演算部を構成する。
具体的には、モータ制御量演算部105は、駆動力制御信号に基づいて、交流0〜50アンペアの何れか電流(モータ制御量)をモータ制御インバータ160に出力する。より具体的には、モータ制御量演算部105は、駆動力制御信号が“0”の場合、0アンペアの電流を出力し、駆動力制御信号が“1”の場合、50アンペアの電流を出力する。
また、モータ制御量演算部105は、補正量生成部103によって生成され、駆動力制御信号に基づいて演算されたモータ制御量の補正に用いられる“補正量”を用いて、モータ制御インバータ160に出力されるモータ制御量を演算する。なお、当該補正量を用いたモータ制御量の演算方法については、後述する。
車速センサ101は、上述したように、電動二輪車10の車速を検出するものである。具体的には、車速センサ101は、前輪11近傍に取り付けられており、前輪11とともに回転するロータと、当該ロータの回転数(回転角度)を検出するピックアップによって構成されている。
また、本実施形態に係るセンサ部110は、電動二輪車10の車幅方向の加速度である横方向加速度(以下、横G)を検出する横Gセンサ113によって構成されている。
補正量生成部103は、車速センサ101及び横Gセンサ113と接続されており、車速センサ101によって出力された信号に基づいて演算される車速、及び横Gセンサ113によって出力された信号に基づいて演算される横Gに基づいて、モータ制御量の補正に用いられる補正量を生成するものである。
本実施形態では、車速センサ101及び補正量生成部103によって、車速検出部が構成される。また、横Gセンサ113及び補正量生成部103によって、横方向加速度検出部が構成される。
補正量生成部103は、図6に示すように、車速センサ101を用いて検出した車速と対応付けられた横Gが所定の閾値を超えた場合、電動二輪車10が“スピン状態“にあると判定し、駆動力を低下させる補正量を生成する。なお、”スピン状態“とは、電動二輪車10の車輪(前輪11,後輪12)が路面とのグリップを失いつつある状態を含み、必ずしも電動二輪車10がスピンした状態をいうものではない。
具体的には、補正量生成部103は、駆動力制御信号生成部150によって出力された駆動力制御信号の値を低下させる補正量を生成する。
例えば、補正量生成部103は、当該補正量として、駆動力制御信号の値の50%(1/2)を削除することをモータ制御量演算部105に通知する。モータ制御量演算部105は、駆動力制御信号生成部150によって出力された駆動力制御信号の値が0.8であった場合、駆動力制御信号の値の50%である0.4を削除し、補正後の駆動力制御信号の値(実効値)として、“0.4”を用いてモータ制御量(電流値)を演算する。
また、補正量生成部103は、モータ13の回転によって生じる駆動力を駆動力周波数ft(所定の周波数)で繰り返し変動させる補正量を生成する。具体的には、補正量生成部103は、図10に示すように、駆動力を駆動力周波数ft(例えば、100Hz以下)で繰り返し変動させる補正量を生成する。
さらに、補正量生成部103は、スロットルの開度、つまり、駆動力制御信号の値(実効値)が大きくなるにしたがって、駆動力周波数ftを上昇させる。具体的には、補正量生成部103は、図8に示すように、駆動力制御信号の値(実効値)に比例して、駆動力周波数ftを上昇させる。
また、補正量生成部103は、駆動力を駆動力振幅At(所定の振幅)で変動させる補正量を生成する。具体的には、補正量生成部103は、図10に示すように、駆動力を駆動力振幅Atで変動させる補正量を生成する。
さらに、補正量生成部103は、スロットルの開度、つまり、駆動力制御信号の値(実効値)が大きくなるにしたがって、駆動力振幅Atを大きくする。具体的には、補正量生成部103は、図9に示すように、駆動力制御信号の値(実効値)に比例して、駆動力振幅Atを大きくする。
なお、補正量生成部103及びモータ制御量演算部105のより具体的な動作については、後述する。
モータ制御インバータ160は、制御装置100A(モータ制御量演算部105)によって出力されたモータ制御量、つまり、正弦波状の交流電流を所定の周波数を有する矩形波状の交流電流に変換するものである。
具体的には、モータ制御インバータ160は、モータ制御量演算部105によって出力されたモータ制御量を、周波数が約100Hzである矩形波状の交流電流に変換する。
モータ13は、モータ制御インバータ160によって出力される交流電流によって回転する。モータ13が回転することによって、後輪12がドライブベルト部14を介して回転させられ、駆動力が発生する。
(制御装置の動作)
次に、上述した制御装置100Aの動作について説明する。図4は、制御装置100Aの動作フロー図である。同図に示すように、ステップS10において、制御装置100Aは、電動二輪車10の車速が閾値(例えば、10km/h)以上か否かを判定する。
次に、上述した制御装置100Aの動作について説明する。図4は、制御装置100Aの動作フロー図である。同図に示すように、ステップS10において、制御装置100Aは、電動二輪車10の車速が閾値(例えば、10km/h)以上か否かを判定する。
電動二輪車10の車速が閾値未満の場合(ステップS10のNo)、ステップS20において、制御装置100Aは、電動二輪車10が停車状態または極低速(例えば、10km/h未満)での走行状態と判定し、モータ制御量の補正処理を行わない。
電動二輪車10の車速が閾値以上の場合(ステップS10のYes)、ステップS30において、制御装置100Aは、電動二輪車10の車速を判定する。具体的には、制御装置100Aは、車速センサ101によって出力される信号に基づいて、電動二輪車10の車速を判定する。
ステップS40において、制御装置100Aは、ステップS30において判定した車速に対応する横Gが第1閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Aは、横Gセンサ113によって出力される信号に基づいて演算された横Gが一定の値以上か否かを判定する。
車速に対応する横Gが第1閾値未満である場合(ステップS40のNo)、ステップS50において、制御装置100Aは、電動二輪車10が直進状態であると判定する。
車速に対応する横Gが第1閾値以上である場合(ステップS40のYes)、ステップS60において、制御装置100Aは、ステップS30において判定した車速に対応する横Gが第2閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Aは、図5に示すような判定マップを用いて、車速に対応する横Gが“スピン状態領域”内となるか否かを判定する。なお、第1閾値は、第2閾値より小さな値である。
車速に対応する横Gが第2閾値未満である場合(ステップS60のNo)、ステップS70において、制御装置100Aは、電動二輪車10がコーナリング状態であると判定する。
車速に対応する横Gが第2閾値以上である場合(ステップS60のYes)、ステップS80において、制御装置100Aは、電動二輪車10がスピン状態であると判定する。
ステップS90において、制御装置100Aは、スピン状態であると判定した電動二輪車10の駆動力を制御する。具体的には、制御装置100Aは、以下のようにして、電動二輪車10の駆動力を制御する。
すなわち、図6に示すように、制御装置100Aは、検出した車速及び横Gに基づいて、電動二輪車10の状態が、エリア1〜エリア9のうち、どのエリアに位置するかを判定する。なお、図6において“スピン状態領域”と示されている領域は、図5に示されているスピン状態領域と同一である。
次に、制御装置100Aは、位置するエリアに応じて補正量の大小を決定する。具体的には、制御装置100Aは、図7に示すような対応付けによって、補正量を決定する。
より具体的には、制御装置100Aは、電動二輪車10の状態がエリア3,6に位置すると判定した場合、補正量V1を選択する。補正量V1は、駆動力制御信号生成部150(図3参照)によって出力される駆動力制御信号の値の50%(1/2)を削除することを意味する。例えば、駆動力制御信号の値が0.8である場合、0.4が削除され、補正後の駆動力制御信号の値(実効値)として、0.4が用いられる。
さらに、制御装置100Aは、電動二輪車10の状態がエリア2,5,8,9に位置すると判定した場合、補正量V2を選択する。補正量V2は、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値の15%を削除することを意味する。
また、制御装置100Aは、電動二輪車10の状態がエリア1,4,7に位置すると判定した場合、駆動力制御信号を補正しない。
制御装置100Aは、補正量V1,V2の何れかの補正量に基づいて、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値を補正する。さらに、制御装置100Aは、駆動力制御信号の実効値を用いて、モータ制御量を演算し、駆動力を制御する。
また、制御装置100Aは、駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、駆動力周波数ft(図10参照)を上昇させる。具体的には、制御装置100Aは、図8に示すように、駆動力制御信号の実効値に比例して、駆動力周波数ftを上昇させる。
さらに、制御装置100Aは、駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、駆動力振幅At(図10参照)を大きくする。具体的には、制御装置100Aは、図9に示すように、駆動力制御信号の実効値に比例して、駆動力振幅Atを大きくする。
(駆動力の制御例)
次に、図10を参照して、上述した制御装置100Aによる駆動力の制御の一例について説明する。図10は、電動二輪車10の走行過程における駆動力の大きさを示している。
次に、図10を参照して、上述した制御装置100Aによる駆動力の制御の一例について説明する。図10は、電動二輪車10の走行過程における駆動力の大きさを示している。
同図に示すように、時刻t0〜t1まで、電動二輪車10は直進状態であり、ライダーは、スロットルグリップ15(図1参照)を回動させることによって、駆動力を徐々に増大させている。
次いで、時刻t1を超えた時点で、電動二輪車10は、コーナーに差し掛かり、ライダーは、スロットルグリップ15を戻すことによって、駆動力を一定の値(図中のT1)に減少させている。
ライダーは、時刻t2を超えても駆動力(スロットル開度)を当該一定の値(T1)に維持(図中の点線)している。しかしながら、時刻t2を超えた時点で、横Gが急激に増大し、車速及び横Gに基づいて、電動二輪車10がスピン状態となっていると制御装置100Aによって判定される。
なお、時刻t2を超えた時点で、横Gが急激に増大する要因としては、コーナーの曲率半径がさらに小さくなることなどがある。
時刻t2〜t3では、制御装置100Aは、補正量を演算し、駆動力を低下(例えば、T1の50%に相当する駆動力をカットする)させるとともに、駆動力周波数ft及び駆動力振幅Atにより、当該駆動力を変動させる。
時刻t3〜t4では、横G(または車速)が、時刻t2〜t3まで期間よりも低下し、電動二輪車10がスピン状態でないと判定、つまり、コーナリング状態と制御装置100Aによって判定される。このため、駆動力は補正されることなく、スロットル開度に応じた駆動力が発生する。
時刻t4〜t5では、制御装置100Aは、車速及び横Gに基づいて、再び補正量を演算し、駆動力を低下(例えば、T1の15%に相当する駆動力をカットする)させる。なお、時刻t4〜t5では、時刻t2〜t3と比較して、横G(または車速)が低いため、駆動力の低下割合が低くなっている(上述した図7に係る説明を参照)。
また、時刻t4〜t5のように、駆動力を補正する時間が比較的短時間である場合、時刻t2〜t3において行われていた駆動力周波数ft及び駆動力振幅Atによる駆動力の変動を行わないようにしてもよい。
(作用・効果)
以上説明した制御装置100Aによれば、電動二輪車10の車速及び横Gに基づいて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性を向上させることができる。
以上説明した制御装置100Aによれば、電動二輪車10の車速及び横Gに基づいて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性を向上させることができる。
具体的には、電動二輪車10の車速及び横Gが所定の閾値を超えた場合、ライダーによるスロットルの開度に応じて発生する駆動力が低下するため、電動二輪車10がスピンしたり、コースアウトしたりする確率が低減し、コーナリング中の電動二輪車10の走行安定性を確保することができる。
さらに、駆動力の補正中には、当該駆動力が駆動力周波数ftで繰り返し変動するとともに、駆動力振幅Atで変動するため、電動二輪車10のトラクション性能を向上させることができる。上述したように、トルク実効値が同一である場合、トルクの最大値と最小値との差が大きいほど、トラクション性能が高くなるためである。
電動二輪車10では、モータ13が用いられているため、エンジンを用いる自動二輪車と比較して、一般的にトルクの最大値と最小値との差が小さくなり、トラクション性能の確保において不利である。
制御装置100Aによれば、トルクの最大値と最小値との差を大きくすることができるため、モータ13を用いる電動二輪車10のトラクション性能を向上させることができる。このため、コーナリング中の電動二輪車10の走行安定性をより高めることができる。
また、制御装置100Aによれば、補正後の駆動力制御信号の値(実効値)が大きくなるにしたがって、駆動力周波数ftが上昇するとともに、駆動力振幅Atが大きくなるため、出力トルクが大きい場合でも、所望のトラクション性能を確保することが容易となる。
(変更例)
図11は、上述した制御装置100Aの変更例に係る制御装置100A’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100A’は、制御装置100Aと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
図11は、上述した制御装置100Aの変更例に係る制御装置100A’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100A’は、制御装置100Aと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
前後Gセンサ115は、電動二輪車10の前後方向の加速度である前後方向加速度(以下、前後G)を検出するものである。本変更例では、前後Gセンサ115及び補正量生成部103によって、前後方向加速度検出部が構成される。
本変更例に係る補正量生成部103は、前後Gセンサ115によって検出された前後Gに基づいて、電動二輪車10が減速状態にあるか否かを判定する。また、補正量生成部103は、電動二輪車10が減速状態にあると判定した場合、補正量の生成を中止する。
すなわち、電動二輪車10が減速状態にある場合に駆動力を補正すると、かえって電動二輪車10の挙動が不安定になる場合があるため、制御装置100A’は、電動二輪車10が減速状態にあるか否かを検出する機能をさらに備えたものである。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る制御装置100Bについて説明する。制御装置100Bは、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aに代えて、電動二輪車10に搭載することができる。なお、以下、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aと異なる部分について主に説明するものとし、同様の部分については、その説明を適宜省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係る制御装置100Bについて説明する。制御装置100Bは、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aに代えて、電動二輪車10に搭載することができる。なお、以下、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aと異なる部分について主に説明するものとし、同様の部分については、その説明を適宜省略する。
(制御装置を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成)
図12は、制御装置100Bを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Bは、制御装置100Aと比較すると、センサ部110にヨーレートセンサ111が追加されている。
図12は、制御装置100Bを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Bは、制御装置100Aと比較すると、センサ部110にヨーレートセンサ111が追加されている。
ヨーレートセンサ111は、電動二輪車10に生じるヨーイングの速度であるヨーレートを検出するものである。
本実施形態に係る補正量生成部103は、電動二輪車10の車速と対応付けられた横G及びヨーレートが所定の閾値を超えた場合、電動二輪車10が“スピン状態“にあると判定し、駆動力を補正する。
なお、本実施形態では、ヨーレートセンサ111及び補正量生成部103によって、ヨーレート検出部が構成される。
(制御装置の動作)
次に、上述した制御装置100Bの動作について説明する。図13は、制御装置100Bの動作フロー図である。以下、上述した制御装置100Aの動作フロー図(図4参照)と異なる部分について、主に説明する。
次に、上述した制御装置100Bの動作について説明する。図13は、制御装置100Bの動作フロー図である。以下、上述した制御装置100Aの動作フロー図(図4参照)と異なる部分について、主に説明する。
ステップS140において、制御装置100Bは、ステップS130において判定した車速に対応するヨーレートが所定の閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Bは、ヨーレートセンサ111によって出力される信号に基づいて演算されヨーレートが一定の値以上か否かを判定する。
車速に対応するヨーレートが所定の閾値以上である場合(ステップS140のYes)、ステップS160において、制御装置100Bは、ステップS130において判定した車速に対応する横Gが所定の閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Bは、図15(a)〜(d)に示すような判定マップを用いて、車速に対応するヨーレート及び横Gが“スピン状態領域”内となるか否かを判定する。
なお、図14(a)〜(c)は、図15(a)〜(c)に示されているスピン状態領域の判定のベースとなっている判定マップ例(10,30,50km/h時)を示している。
以下、上述した制御装置100Aと同様に、電動二輪車10がスピン状態であると判定された場合、制御装置100Bは、電動二輪車10の駆動力を制御する。具体的には、制御装置100Bは、以下のようにして、電動二輪車10の駆動力を制御する。
すなわち、制御装置100Bは、検出した車速に基づいて、車速(10,30,50及び70km/h時)に対応した図15(a)〜(d)のうちの何れかの判定マップを選択する。さらに、制御装置100Bは、選択した判定マップを用い、検出したヨーレート及び横Gに基づいて、電動二輪車10の状態が、エリア1〜エリア4のうち、どのエリアに位置するかを判定する。
なお、検出した車速が10、30,50または70km/h以外である場合、制御装置100Bは、図15(a)〜(d)に示す判定マップに基づいて、スピン状態領域の判定に用いられるヨーレート及び横Gを求めることができる。
次に、制御装置100Bは、位置するエリアに応じて補正量の大小を決定する。具体的には、制御装置100Bは、図16に示すような対応付けによって、補正量を決定する。
より具体的には、制御装置100Bは、電動二輪車10の状態がエリア4に位置すると判定した場合、補正量V11を選択する。補正量V11は、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値の50%(1/2)を削除することを意味する。
さらに、制御装置100Bは、電動二輪車10の状態がエリア2,3に位置すると判定した場合、補正量V12を選択する。補正量V12は、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値の25%(1/4)を削除することを意味する。
また、制御装置100Bは、電動二輪車10の状態がエリア1に位置すると判定した場合、駆動力制御信号を補正しない。
(作用・効果)
以上説明した制御装置100Bは、上述した制御装置100Aの作用・効果に加え、以下の作用・効果を奏することができる。すなわち、制御装置100Bでは、電動二輪車10の車速、横Gに加え、ヨーレートも用いて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性をさらに向上させることができる。
以上説明した制御装置100Bは、上述した制御装置100Aの作用・効果に加え、以下の作用・効果を奏することができる。すなわち、制御装置100Bでは、電動二輪車10の車速、横Gに加え、ヨーレートも用いて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性をさらに向上させることができる。
(変更例)
図17は、制御装置100Bの変更例に係る制御装置100B’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100B’は、制御装置100Bと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
図17は、制御装置100Bの変更例に係る制御装置100B’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100B’は、制御装置100Bと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
制御装置100B’に前後Gセンサ115が追加されている理由は、上述した制御装置100A’(図11参照)と同様に、電動二輪車10が減速状態にある場合に駆動力を補正すると、かえって電動二輪車10の挙動が不安定になる場合があるためである。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る制御装置100Cについて説明する。制御装置100Cは、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aに代えて、電動二輪車10に搭載することができる。なお、以下、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aと異なる部分について主に説明するものとし、同様の部分については、その説明を適宜省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係る制御装置100Cについて説明する。制御装置100Cは、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aに代えて、電動二輪車10に搭載することができる。なお、以下、上述した本発明の第1実施形態に係る制御装置100Aと異なる部分について主に説明するものとし、同様の部分については、その説明を適宜省略する。
(制御装置を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成)
図18は、制御装置100Cを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Cは、制御装置100Aと比較すると、センサ部110にロールレートセンサ112が追加されている。
図18は、制御装置100Cを含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100Cは、制御装置100Aと比較すると、センサ部110にロールレートセンサ112が追加されている。
ロールレートセンサ112は、電動二輪車10に生じるローリング(バンク)の速度であるロールレートを検出するものである。
本実施形態に係る補正量生成部103は、電動二輪車10の車速と対応付けられた横G及びロールレートが所定の閾値を超えた場合、電動二輪車10が“スピン状態“にあると判定し、駆動力を補正する。
なお、本実施形態では、ロールレートセンサ112及び補正量生成部103によって、ロールレート検出部が構成される。
(制御装置の動作)
次に、上述した制御装置100Cの動作について説明する。図19は、制御装置100Cの動作フロー図である。以下、上述した制御装置100Aの動作フロー図(図4参照)と異なる部分について、主に説明する。
次に、上述した制御装置100Cの動作について説明する。図19は、制御装置100Cの動作フロー図である。以下、上述した制御装置100Aの動作フロー図(図4参照)と異なる部分について、主に説明する。
ステップS240において、制御装置100Cは、ステップS230において判定した車速に対応するロールレートが所定の閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Cは、ロールレートセンサ112によって出力される信号に基づいて演算されたロールレートが一定の値以上か否かを判定する。
車速に対応するロールレートが所定の閾値以上である場合(ステップS240のYes)、ステップS260において、制御装置100Cは、ステップS230において判定した車速に対応する横Gが所定の閾値以上か否かを判定する。具体的には、制御装置100Cは、図21(a)〜(d)に示すような判定マップを用いて、車速に対応するロールレート及び横Gが“スピン状態領域”内となるか否かを判定する。
なお、図20(a)〜(c)は、図21(a)〜(c)に示されているスピン状態領域の判定のベースとなっている判定マップ例(10,30,50km/h時)を示している。
以下、上述した制御装置100Aと同様に、電動二輪車10がスピン状態であると判定された場合、制御装置100Cは、電動二輪車10の駆動力を制御する。具体的には、制御装置100Cは、以下のようにして、電動二輪車10の駆動力を制御する。
すなわち、制御装置100Cは、検出した車速に基づいて、車速(10,30,50及び70km/h時)に対応した図21(a)〜(d)のうちの何れかの判定マップを選択する。さらに、制御装置100Cは、選択した判定マップを用い、検出したロールレート及び横Gに基づいて、電動二輪車10の状態が、エリア1〜エリア4のうち、どのエリアに位置するかを判定する。
なお、検出した車速が10、30、50または70km/h以外である場合、制御装置100Cは、図21(a)〜(d)に示す判定マップに基づいて、スピン状態領域の判定に用いられるロールレート及び横Gを求めることができる。
次に、制御装置100Cは、位置するエリアに応じて補正量の大小を決定する。具体的には、制御装置100Cは、図22に示すような対応付けによって、補正量を決定する。
より具体的には、制御装置100Cは、電動二輪車10の状態がエリア4に位置すると判定した場合、補正量V21を選択する。補正量V21は、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値の50%(1/2)を削除することを意味する。
さらに、制御装置100Cは、電動二輪車10の状態がエリア2,3に位置すると判定した場合、補正量V22を選択する。補正量V22は、駆動力制御信号生成部150によって出力される駆動力制御信号の値の25%(1/4)を削除することを意味する。
また、制御装置100Cは、電動二輪車10の状態がエリア1に位置すると判定した場合、駆動力制御信号を補正しない。
(作用・効果)
以上説明した制御装置100Cは、上述した制御装置100Aの作用・効果に加え、以下の作用・効果を奏することができる。すなわち、制御装置100Cでは、電動二輪車10の車速、横Gに加え、ロールレートも用いて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性をさらに向上させることができる。
以上説明した制御装置100Cは、上述した制御装置100Aの作用・効果に加え、以下の作用・効果を奏することができる。すなわち、制御装置100Cでは、電動二輪車10の車速、横Gに加え、ロールレートも用いて駆動力が補正されるため、コーナリング中の電動二輪車の走行安定性をさらに向上させることができる。
(変更例)
図23は、制御装置100Cの変更例に係る制御装置100C’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100C’は、制御装置100Cと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
図23は、制御装置100Cの変更例に係る制御装置100C’を含む駆動力制御機構の論理ブロック構成を示している。同図に示すように、制御装置100C’は、制御装置100Cと比較すると、センサ部110に前後Gセンサ115が追加されている。
制御装置100C’に前後Gセンサ115が追加されている理由は、上述した制御装置100A’(図11参照)と同様に、電動二輪車10が減速状態にある場合に駆動力を補正すると、かえって電動二輪車10の挙動が不安定になる場合があるためである。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の第1〜第3実施形態(以下、実施形態)を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の第1〜第3実施形態(以下、実施形態)を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述した実施形態では、駆動力周波数ft及び駆動力振幅Atにより、駆動力を変動させていたが、駆動力周波数ft及び駆動力振幅Atを用いて駆動力を変動させないようにしてもよい。また、駆動力周波数ftに応じて駆動力をON/OFFするような制御を行うこともできる。
上述した実施形態では、補正後の駆動力制御信号の値(実効値)の大きさにしたがって、駆動力周波数ftを上昇させ、駆動力振幅Atを大きくする形態としたが、駆動力周波数ft、駆動力振幅Atは、駆動力制御信号の実効値にかかわらず一定であってもよい。
上述した実施形態では、電動二輪車10がスピン状態か否かを判定するために、図6などに示した判定マップを用いられていたが、当該判定マップを用いることなく、演算によって電動二輪車10がスピン状態か否かを判定してもよい。
また、制御装置100A、100A’、100B及び100B’にロールレートセンサ112を追加し、ロールレートも含めて電動二輪車10がスピン状態か否かを判定してもよい。
さらに、上述した実施形態では、駆動力制御信号生成部150によって出力された駆動力制御信号の値を削除することによって、駆動力制御信号の実効値を演算し、モータ制御量(電流値)を補正する形態としたが、モータ制御量を直接補正する形態としてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…電動二輪車、11…前輪、12…後輪、13…モータ、14…ドライブベルト部、15…スロットルグリップ、16…シート、100A,100A’,100B,100B’,100C,100C’…制御装置、101…車速センサ、103…補正量生成部、105…モータ制御量演算部、110…センサ部、111…ヨーレートセンサ、112…ロールレートセンサ、113…横Gセンサ、115…前後Gセンサ、150…駆動力制御信号生成部、160…モータ制御インバータ、ft…駆動力周波数、At…駆動力振幅
Claims (11)
- 電気モータを用いて走行する電動二輪車のスロットルの開度に応じた駆動力制御信号に基づいて、前記電気モータの回転によって生じる駆動力を制御するモータ制御量を演算するモータ制御量演算部と、
前記電動二輪車の車速を検出する車速検出部と、
前記電動二輪車の車幅方向の加速度である横方向加速度を検出する横方向加速度検出部と、
前記車速検出部によって検出された前記車速、及び前記横方向加速度検出部によって検出された前記横方向加速度に基づいて、前記モータ制御量の補正に用いられる補正量を生成する補正量生成部と
を備え、
前記モータ制御量演算部は、前記補正量を用いて、前記モータ制御量を演算することを特徴とする電動二輪車の制御装置。 - 前記電動二輪車に生じるヨーイングの速度であるヨーレートを検出するヨーレート検出部をさらに備え、
前記補正量演算部は、前記車速、前記横方向加速度、及び前記ヨーレート検出部によって検出された前記ヨーレートに基づいて、前記補正量を生成することを特徴とする請求項1に記載の電動二輪車の制御装置。 - 前記電動二輪車に生じるローリングの速度であるロールレートを検出するロールレート検出部をさらに備え、
前記補正量演算部は、前記車速、前記横方向加速度、及び前記ロールレート検出部によって検出された前記ロールレートに基づいて、前記補正量を生成することを特徴とする請求項1に記載の電動二輪車の制御装置。 - 前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度が所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度及び前記ヨーレートが所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを特徴とする請求項2に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記車速と対応付けられた前記横方向加速度及び前記ロールレートが所定の閾値を超えた場合、前記駆動力を低下させる補正量を生成することを特徴とする請求項3に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記駆動力を所定の周波数で繰り返し変動させる前記補正量を生成することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記駆動力制御信号の値を補正する補正量を生成し、前記補正量によって補正された前記駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、前記所定の周波数を上昇させることを特徴とする請求項7に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記駆動力を所定の振幅で変動させる前記補正量を生成することを特徴とする請求項7または8に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記補正量生成部は、前記駆動力制御信号の値を補正する補正量を生成し、前記補正量によって補正された前記駆動力制御信号の実効値が大きくなるにしたがって、前記所定の振幅を大きくすることを特徴とする請求項9に記載の電動二輪車の制御装置。
- 前記電動二輪車の前後方向の加速度である前後方向加速度を検出する前後方向加速度検出部をさらに備え、
前記補正量生成部は、前記前後方向加速度検出部によって検出された前記前後方向加速度に基づいて、前記電動二輪車が減速状態にあると判定した場合、前記補正量の生成を中止することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の電動二輪車の制御装置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009078576A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Honda Motor Co Ltd | 電動二輪車 |
JP2010263767A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-18 | Equos Research Co Ltd | 車両 |
CN102378703A (zh) * | 2009-03-31 | 2012-03-14 | 爱考斯研究株式会社 | 车辆 |
JP2013209053A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Honda Motor Co Ltd | 自動二輪車 |
-
2004
- 2004-11-30 JP JP2004347438A patent/JP2006151291A/ja active Pending
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