JP2006149336A - 即席発泡化マカロニの製造方法、即席発泡化マカロニ及びそれを含有する即席発泡化マカロニ製品 - Google Patents

即席発泡化マカロニの製造方法、即席発泡化マカロニ及びそれを含有する即席発泡化マカロニ製品 Download PDF

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Abstract

【課題】 速やか且つ均一に湯戻しされる良好な復元性と、復元後の良好な食感を有する即席マカロニの製造方法、並びにそのような即席マカロニを提供すること。
【解決手段】 マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%以上の被加熱マカロニを得る加熱工程と、前記被加熱マカロニを乾燥し、水分15%以下の乾燥マカロニを得る乾燥工程と、前記乾燥マカロニを焙焼することにより発泡化させ、内部に空胞構造を有する発泡化マカロニを得る焙焼工程とを有する即席発泡化マカロニの製造方法。内部に空胞構造を有する即席発泡化マカロニ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、即席発泡化マカロニの製造方法、即席発泡化マカロニ及びそれを含有する即席発泡化マカロニ製品に関する。
近年、様々な種類の即席麺が開発されてきている。例えば、即席麺は、使用される穀類の種類や添加物等の違いに応じて、中華麺、うどん、そば、欧風麺等があり、これらのカップ麺も多く市販されている。このようなカップ麺では、湯を注いだ後の復元性や食感等を改良するために様々な工夫がなされている。
例えば、特許文献1には、押出し成形後に、麺線化した麺を茹で、その後に蒸煮して水分を50〜65重量%に調整し、これを乾燥することにより麺の厚みが厚くても短時間で熱水復元し、食感が良好な洋風即席麺を製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、混練、成形後に、特定の温度、湿度等の条件下にパスタを蒸煮し、これを乾燥することにより湯戻りが良好で、かつ湯戻り後の食感及び製品の透明感が良好な早戻りパスタを製造する方法が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載される方法により製造される即席麺のいずれも復元性や食感の点で改良の余地がある。また、日本農林規格(平成15年5月6日農林水産省告示第739による改訂後の、平成12年12月19日農林水産省告示第1643号)では、マカロニ類は、「デュラム小麦のセモリナ若しくは普通小麦粉又は強力小麦粉のファリナ若しくは普通小麦粉に水を加え、これに卵、野菜等を加え又は加えないで練り合わせ、マカロニ類成形機から高圧で押し出した後、切断し、及び熟成乾燥したものをいう」と規定されている。上記特許文献1及び2に記載される麺は、この農林規格に規定される、最終的にマカロニ類とするための熟成乾燥よりも前の段階における処理条件等に注目して復元性等を改良しようとしたものである。
特開平6−237720号公報 特開平8−38085号公報
本発明は、上記従来の即席麺の問題点を解決することにあり、速やか且つ均一に湯戻しされる良好な復元性と、復元後の良好な食感を有する即席マカロニの製造方法、そのような即席マカロニ及びそのような即席マカロニを含有するマカロニ製品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、日本農林規格に規定される、マカロニ類(すなわち、熟成乾燥後のマカロニ類となったもの)を原料として用いて、これを茹で又は蒸し等によりマカロニ類に含まれる澱粉の少なくとも一部をα化し、水分を上昇させ、次いで、これを乾燥した後に、焙焼することにより、その内部に空胞構造を有するマカロニが得られ、そのようにして得られたマカロニの復元性及び食感が従来のものよりも顕著に改良されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の即席発泡化マカロニの製造方法を提供する。
(1)マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%以上の被加熱マカロニを得る加熱工程と、前記被加熱マカロニを乾燥し、水分15%以下の乾燥マカロニを得る乾燥工程と、前記乾燥マカロニを焙焼することにより発泡化させ、内部に空胞構造を有する発泡化マカロニを得る焙焼工程とを有する即席発泡化マカロニの製造方法。
(2)前記マカロニ、前記加熱工程開始後且つ終了前のマカロニ、及び/又は前記被加熱マカロニの相互固着を防止するための固着防止工程を、前記加熱工程の開始前、前記加熱工程の開始後且つ終了前、及び/又は前記加熱工程の終了後に更に有する(1)に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
(3)前記加熱工程が、第一の加熱工程と第二の加熱工程との2回に分割して行われ、かつ前記固着防止工程が前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程との間に行われるものであり、前記第一の加熱工程が、前記マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%未満の第一の被加熱マカロニを得る工程であり、前記固着防止工程が、固着防止剤の水溶液に前記第一の被加熱マカロニを浸漬して、水分55%以上の吸水マカロニを得る工程であり、前記第二の加熱工程が、前記吸水マカロニを蒸して、前記水分55%以上の被加熱マカロニを得る工程である(2)に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
(4)前記焙焼工程が、前記乾燥マカロニを120℃以上に加熱した粉体と接触させることにより行われる(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
また、本発明は、内部に空胞構造を有する即席発泡化マカロニも提供する。この即席発泡化マカロニの空胞構造は、即席発泡化マカロニの内部にのみ存在することができる。この内部に空胞構造を有する即席発泡化マカロニは、上記方法により製造することができる。
また、上記即席発泡化マカロニは、スープ等の浮き身として使用することができる。
さらに、上記即席発泡化マカロニは、これを容器に収容し、必要に応じて粉末スープ等を添付した容器入り即席発泡化マカロニ製品においても好適に使用することができる。
本発明の方法によれば、速やか且つ均一に湯戻しされる良好な復元性と、復元後の良好な食感を有する即席発泡化マカロニを製造することができる。
また、本発明の即席発泡化マカロニは、その内部に空胞構造を有するため、速やか且つ均一に湯戻しされる良好な復元性と、復元後の良好な食感を有することができる。このような本発明の即席発泡化マカロニは、スープ等の浮き身として使用することができる。
<定義>
本明細書において、「マカロニ」は、上記背景技術の欄で述べた日本農林規格に規定される要件を満足する「マカロニ類」をいう。したがって、本発明の「マカロニ」には、その形状(棒状、管状、板状、ツイスト状、ラセン場、リボン状、貝殻状、アルファベット状等)や、太さや厚みとは無関係に全ての日本農林規格に規定される「マカロニ類」が含まれる。
また、「水分x%」は、式:{水の重量/(水の重量+固形分重量)}×100により求めた麺の含水量をいう。
さらに、処理による「歩留まりx%」は、式:[(処理後の水の重量+固形分重量)/(処理前の水の重量+固形分重量)]×100により求めた処理前に対する処理後の重量の変化割合をいう。
<本発明の方法>
まず、本発明の即席発泡化マカロニの製造方法について詳細に説明する。
本発明の即席発泡化マカロニの製造方法には、(I)マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%以上の被加熱マカロニを得る加熱工程と、(II)前記被加熱マカロニを乾燥し、水分15%以下の乾燥マカロニを得る乾燥工程と、(III)前記乾燥マカロニを焙焼することにより発泡化させ、内部に空胞構造を有するマカロニを得る焙焼工程とが含まれる。
本発明の方法を適用するマカロニには、上述したように、日本農林規格に規定される「マカロニ類」が含まれ、市販品を使用することができる。マカロニの形(形状、大きさ、厚さ等)に特に制限はないが、厚さが1mm以下の場合、本発明の効果をよりよく発揮することができる。
<(I)加熱工程>
本発明では、まず、マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%以上の被加熱マカロニを得る。この加熱工程は、茹であるいは蒸し等により行うことができる。この加熱工程で使用する水分の量やその温度、加熱時間等は、加熱工程を施すことにより被加熱マカロニの水分が55%以上に上昇するように適宜設定することができる。麺の水分は、好ましくは、60%以上、更に好ましくは70%以上にすることができる。なお、水分の上限は80%までとすることが可能であるが、麺が柔らかくなりすぎることを防止するためや、乾燥効率等の観点からは70%以下にすることが好ましい。
被加熱マカロニの水分を上述した範囲内に調節するためには、加熱温度やその時間を調節すればよい。例えば、市販のマカロニを使用して加熱工程を茹でにより行う場合には、加熱時間を表示される推奨茹で時間の約2倍を目安にすることができる。また、マカロニに元来含まれる水分(通常10%)を考慮して歩留まりを指標として用いると便利である。水分と歩留まりとは一定の関係があり、水分55%は、歩留まり約208%に相当する。また、水分60%、70及び80%の歩留まりは、それぞれ約231%、約308%及び約462%に相当する。
この加熱工程では、水分を適切な値に調節することに加えて、マカロニが含有する澱粉のα化度も適切な値に調節することが本発明の効果を奏する上で重要である。本発明の方法では、最終生成物である即席発泡化マカロニのα化度が75%〜100%の範囲になることが好ましい。加熱工程で得られた被加熱マカロニのα化は、後の工程での条件によっては、さらに進み、α化度が大きくなるとがある。したがって、この加熱工程でのα化度は後の工程の条件に応じて、適宜調節することが好ましい。ここでα化度は、後述する実施例1に記載のグルコアミラーゼ法により測定したものとする。
<任意の固着防止工程及び任意の冷却工程>
本発明の方法では、上記加熱工程の開始前、加熱工程の開始後且つ終了前、及び/又は加熱工程の終了後に、加熱工程開始前のマカロニ、加熱工程開始後であるが加熱工程を終了していないマカロニ、及び/又は加熱工程終了後の被加熱マカロニが相互に固着することを防止するために、固着防止工程を施すことができる。
また、本発明の方法では、上記加熱工程の終了後に冷却工程を施すこともできる。
固着防止工程は、固着防止剤{例えば、油脂、乳化剤等}及び/又はほぐし剤可溶性植物繊維等)}をマカロニ等と接触させることにより行うことができる。接触方法の一例としては、固着防止剤の水溶液にマカロニ等を浸漬又は塗布する方法や直接固着防止剤を塗布する方法等を挙げることができる。固着防止剤の水溶液に浸漬する場合には、固着防止剤の濃度及び浸漬時間は、固着防止剤により発揮される固着防止機能等に依存するが、通常、0.2%〜5%程度、及び0.5分〜20分程度にすることができる。
また、冷却工程は、被加熱マカロニを水(温度約10〜30℃)に浸漬させることにより行うことができる。この冷却工程を施すことにより、被加熱マカロニの水分やα化度を所望の状態で停止させることができる。
本発明の方法では、上記の固着防止工程を浸漬により行えば、この冷却工程も兼ねることができるので便利である。なお、以下に説明するように、本発明の方法において、特にこの固着防止工程を浸漬によって行う場合には、浸漬時間が長いと浸漬中に被加熱マカロニの水分が上昇することがある。したがって、固着防止工程の浸漬時間、その他の条件は、被加熱マカロニの水分が所望の値から外れないように選択することが望ましい。
一方、本発明の方法では、上述した固着防止工程の水分上昇作用を積極的に利用して、水分55%以上の被加熱マカロニを得ることも可能である。これを「変形加熱工程」と称して、以下に説明する。
<(I’)変形加熱工程>
変形加熱工程は、上述した本発明の加熱工程(I)を第一の加熱工程と第二の加熱工程の2回に分けて行い、これらの第一の加熱工程と第二の加熱工程との間に、上述した浸漬による固着防止工程を行うものである。
より詳細には、この変形加熱工程では、第一の加熱時間を上述した本発明の方法で行う加熱工程の時間よりも短くすることにより水分55%未満にまでしか上昇させない段階で停止し、第一の被加熱マカロニとする。この第一の被加熱マカロニを、固着防止剤を含有する水溶液に浸漬することにより、固着を防止するとともに水分55%以上にまで上昇させ、吸水マカロニとする。この吸水マカロニを蒸す(第二の加熱工程)ことにより水分55%以上の第二の被加熱マカロニとする。
本発明の方法の変形加熱工程では、第一の加熱工程での時間が短いために、マカロニが含有する澱粉のα化が本発明の方法での加熱工程によるα化ほどには進まない。しかしながら、固着防止工程後に行う第二の加熱工程(蒸し工程)によりα化をさらに進めることができる。その結果、この変形加熱工程(I’)により得られる第二の被加熱マカロニの水分とα化度は、本発明の方法における加熱工程(I)により得られる被加熱マカロニと同様とすることができる。また、この変形加熱工程(I’)では、水分55%以上になってからα化が進むので、得られる第二の被加熱マカロニでは均一に水分を55%以上にすることができ、好ましい。
このようにして本発明の変形加熱工程(I’)で得られる第二の被加熱マカロニは、本発明の方法の加熱工程(I)で得られる被加熱マカロニと同様に、以下に説明する乾燥工程に供することができる。
<(II)乾燥工程>
本発明の方法では、被加熱マカロニを乾燥し、水分15%以下の乾燥マカロニを得る乾燥工程を行う。
被加熱マカロニの乾燥は、乾燥マカロニが水分15%以下になれば如何なる方法により行ってもよい。例えば、熱風を用いると乾燥時間を短縮することができるので好ましい。熱風の温度は、100℃以下が好ましい。これは、乾燥マカロニ内部に存在していた水が蒸発することによりこの工程で空胞が形成され、後の発泡化工程での発泡が阻害される結果、適切な大きさ及び形の空胞構造の構築が妨げられること等を防止するためである。熱風の温度や送風時間は、使用するマカロニの形状、厚さ等により異なるが、通常、40〜90℃程度で30分〜120分とすることができる。
乾燥マカロニの水分は、好ましくは15%以下、更に好ましくは8〜13%にすることが、次の焙焼工程における発泡化により形成される空洞の大きさ、数や形等、を好適にすることができる等の理由で好ましい。また、乾燥マカロニは、水分5%以上にしておくことにより、次に施す焙焼工程で乾燥マカロニを焦げにくくすることができる。
乾燥マカロニのα化度は、加熱条件によっては加熱工程を施した被加熱マカロニのα化度よりも大きくなることもあるし、被加熱マカロニのα化度がそのまま維持されることもある。
<任意の熟成工程>
本発明の方法では、乾燥マカロニは、これを焙焼工程に供する前に、乾燥マカロニの水分を均一化する等のために熟成工程に供することができる。この熟成工程では、乾燥マカロニの水分が所望の値から乖離しないような条件下(例えば、ラップのような水分非透過性材料で乾燥マカロニを密閉状態に被覆)に乾燥マカロニを置けばよい。
<(III)焙焼工程>
本発明の方法では、必要に応じて熟成工程を施した乾燥マカロニを焙焼することにより発泡化させ、即席発泡化マカロニ(以下、「本発明の即席マカロニ」ともいう)を得る。
この焙焼工程は、乾燥マカロニに含有される水を速やかに蒸発させることにより発泡化させ、乾燥マカロニの内部に複数の空胞構造を設けることを目的として行うものである。したがって、そのような目的を達成することができるものであれば、どのような焙焼方法によってもよい。焙焼温度や時間等の条件は、乾燥マカロニの量や大きさ、水分量等に応じて、適宜設定すればよい。
焙焼工程の一例を挙げると、乾燥マカロニを高温(120℃以上)に熱した粉体(例えば、食塩、二酸化珪素、炭酸カルシウム)と一緒に攪拌することにより行うことができる。粉体の温度や、攪拌の時間は、発泡化を起こしつつ、乾燥マカロニが焦げないような温度(好ましくは、180℃以下)や時間にすることができる。また、粉体を用いて焙焼工程を行った後には、ふるい等を用いて乾燥マカロニから粉体を除去することが好ましい。
<本発明の即席マカロニ>
本発明の方法により好適に製造することができる本発明の即席マカロニは、上述した焙焼工程において乾燥マカロニ内部に複数の空胞構造が設けられていることを特徴の一つとする。この空胞構造を形成する空胞の大きさは、大きいものから小さいものまで様々であり、その分布も均一であるとは限らない。例えば、断面の最大直径が約1〜2mm程度の空胞や、それよりも断面直径が小さい空胞がランダムに配置されている。また、空胞は、乾燥マカロニ表面には実質的に開口部を有しない密閉状態にあることが好ましい。ここで、実質的に開口部を有しないとは、肉眼で確認できる程度の大きさの開口部が存在しないことをいう。本発明では、このような実質的に開口部を有しない状態を「内部のみに空胞構造を有する」という。
本発明の即席マカロニの比重は、0.35〜0.70の範囲にあることが本発明の効果を奏するために好ましく、0.35〜0.60の範囲にあることがさらに好ましい。ここで、比重は、後述の実施例1に記載した方法で測定したものとする。
本発明の即席マカロニは、上述したような比較的大きい空洞を内部に有するので、原料として用いる未処理の状態にあるマカロニよりも大きく膨張している。本発明の即席マカロニを上述した本発明の方法で製造した場合(本発明の即席マカロニの製造方法は、これに限定されるものではない)、焙焼工程で固体の熱媒体(食塩等の粉体)による接触熱交換で、被過熱物(マカロニ)は速やかに中心部近くまで過熱され(通常、数十秒程度)、急激な水蒸気が発生すること、さらに生地が十分にα化されている為に発生した水蒸気によって風船状に膨らむからであると考えられる。その結果、即席マカロニの外形は、未処理マカロニとほぼ相似形に膨張している。このような本発明の空胞構造は、例えば、熱風乾燥のような固体以外の熱媒体を用いて乾燥した場合に形成され得るものとは明確に異なる。
本発明の即席マカロニは、水分10%以下が好ましく、水分8%以下が更に好ましい。即席マカロニは水分5%以上とすることによりで焙焼工程での焦げを防止することができる。
また、本発明の即席マカロニは、その内部に空胞構造を有しているため、比重が軽く、スープその他の浮き身として使用することができる。
また、本発明の即席マカロニは、適当量を容器に収容し、即席マカロニ製品とすることもできる。そのような即席マカロニ製品には、粉末スープその他の調味料等を添付した容器入り即席マカロニスープ製品等が含まれる。
本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
次のようにして本発明の即席マカロニを製造した。
(1)市販のツイストマカロニ(水分10%、厚み約0.8mm、マカロニの包装に表示される推奨ゆで時間2分)を100g原料として使用した。
(2)沸騰水(2L)で6分間茹でて、1分水冷した(水温20℃)。このときの水分は70%、原料歩留まり約308%となった。
(3)可溶性大豆繊維「ソヤファイブ」(不二製油(株)製)1%からなる水溶液(30℃)に30秒浸漬した。
(4)温度70℃、湿度20%で80分熱風乾燥を行った。この時の最終水分が12%となった。
(5)水分を維持しつつ均一化するため1日エージングさせた。
(6)食塩(2kg)を150℃に熱し、エージングさせたマカロニを入れ、加熱しながらよく攪拌した。
(7)加熱後のマカロニをふるいに入れ、食塩を落として、発泡化した即席マカロニが得られた。
得られた即席マカロニのα化度及び比重を以下の方法で測定したところ、α化度は、83.5%、比重は、0.41であった。
<α化度の測定(グルコアミラーゼ法)>
1.試料の調製
検体をエタノール及びアセトンで脱水処理した後、100メッシュのふるいを通過したものを試料とする。
2.検液の調製
表1に示す工程により検液(S)及び検液(R)を調製する。
Figure 2006149336
酵素液の代わりに予め酵素液を沸騰水浴中で10分間加熱した液を添加すること以外は検液(R)の調製法と同様に操作したもの(R0)をブランクとする。
検液(S)、(R)及びブランク(R0)について、グルコースオキシダーゼ法(グルコースC−IIテストワコー)によりブドウ糖量を測定する。
3.α化度は、以下の計算式により求める。
Figure 2006149336
As:グルコースオキシダーゼ法における検液(S)の吸光度
AR:グルコースオキシダーゼ法における検液(R)の吸光度
Br:グルコースオキシダーゼ法におけるブランク(R0)の吸光度
<比重の測定>
100mLメスシリンダーにXg(5〜10g)の即席マカロニを入れ、水を100mLの線まで(浮いている即席マカロニは棒で押さえる)入れたときの全量Yg(水+即席マカロニ重量)を測定する。
比重は、次の式で求める。
比重 = X / (100−Y+X)
(実施例2)
(1)市販のツイストマカロニ(実施例1と同じもの)を100g原料として使用した。
(2)沸騰水(2L)で1分間茹でた。このときの水分が45%となった。
(3)可溶性大豆繊維「ソヤファイブ」(不二製油(株)製)1%と、「エマテック」(理研ビタミン(株)製)からなる水溶液(30℃)に16分間浸漬した。溶液を吸水して、原料歩留まり220%となった。
(4)バッチタイプの蒸し機を使用し、3分間蒸しを行った。
(5)温度60℃、湿度20%で60分間熱風乾燥を行った。この時の最終水分が8%となった。
(6)食塩(2kg)を165℃に熱し、熱風乾燥させたマカロニを入れ、加熱しながらよく攪拌した。
(7)加熱後のマカロニをふるいに入れ、食塩を落として、発泡化した即席マカロニが得られた。
(実施例3)
実施例1で製造した発泡化即席マカロニ15gを蓋付きカップにいれ、スープ、その他のかやく(凍結乾燥ほうれん草、凍結乾燥豚肉、凍結乾燥人参等)を収納し、封緘してカップ入り即席マカロニスープ製品を製造した。
この即席マカロニスープ製品の包装を開け、蓋の一部開けて熱湯を150mL注ぎ、蓋を閉めた状態で3分経過した後にカップの中を観察した。マカロニがスープに浮いていることを確認した。
(測定例1及び2)
実施例1及び2、並びに市販の即席パスタ(対照)について、断熱性のある容器に入れ、熱湯150mLを注ぎ、よく混ぜ、3分間放置後の官能評価(戻り、硬さ及び弾力)、並びにマカロニの浮き具合を評価した。
評価は、それぞれの項目について、官能評価に携わる要員10名により、下記の評価用語に即して、1〜7点の7段階で評価した。
戻り 1:とても戻りが悪い、4:ふつう、7:とても戻りが良い
硬さ 1:とても軟らかい、 4:ふつう、7:とても硬い
弾力 1:とても弱い、 4:ふつう、7:とても強い
浮き具合 1:完全に沈んでいる、4:中庸、 7:完全に浮いている
表2に評価結果を示す。なお、評価は、10名の平均値とした。
Figure 2006149336
上記表2の結果から実施例1及び2で製造した本発明の即席マカロニは、全ての評価項目において市販品より優れていることが分かる。本発明の即席マカロニは、特に、戻り及び浮き具合が市販品よりも優れていることが分かる。

Claims (9)

  1. マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%以上の被加熱マカロニを得る加熱工程と、
    前記被加熱マカロニを乾燥し、水分15%以下の乾燥マカロニを得る乾燥工程と、
    前記乾燥マカロニを焙焼することにより発泡化させ、内部に空胞構造を有する発泡化マカロニを得る焙焼工程と
    を有する即席発泡化マカロニの製造方法。
  2. 前記マカロニ、前記加熱工程開始後且つ終了前のマカロニ、及び/又は前記被加熱マカロニの相互固着を防止するための固着防止工程を、前記加熱工程の開始前、前記加熱工程の開始後且つ終了前、及び/又は前記加熱工程の終了後に更に有する請求項1に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
  3. 前記加熱工程が、第一の加熱工程と第二の加熱工程との2回に分割して行われ、かつ前記固着防止工程が前記第一の加熱工程と前記第二の加熱工程との間に行われるものであり、
    前記第一の加熱工程が、前記マカロニを水分の存在下に加熱して、水分55%未満の第一の被加熱マカロニを得る工程であり、
    前記固着防止工程が、固着防止剤の水溶液に前記第一の被加熱マカロニを浸漬して、水分55%以上の吸水マカロニを得る工程であり、
    前記第二の加熱工程が、前記吸水マカロニを蒸して、前記水分55%以上の被加熱マカロニを得る工程である
    請求項2に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
  4. 前記焙焼工程が、前記乾燥マカロニを120℃以上に加熱した粉体と接触させることにより行われる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の即席発泡化マカロニの製造方法。
  5. 内部に空胞構造を有する即席発泡化マカロニ。
  6. その内部のみに前記空胞構造を有する請求項5に記載の即席発泡化マカロニ。
  7. 浮き身として使用する請求項5又は6に記載の即席発泡化マカロニ。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の即席発泡化マカロニを容器に収容した容器入り即席発泡化マカロニ製品。
  9. 請求項8に記載の容器入り即席発泡化マカロニ製品が、粉末スープを更に具備する容器入り即席マカロニスープ製品。
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