JP2006148439A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、誤補正を防止し適切な欠陥補正を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】CCD16を有する撮像部と、撮像部から出力された画像信号を処理する信号処理部2と、信号処理部2で処理された画像信号に対して画像処理を行う画像処理部3と、CCD16の垂直転送ライン上の欠陥箇所から延びるライン性の不良であるVライン傷について、その位置とレベルとを所定の検出基準に基づいて検出するVライン傷検出部52と、Vライン傷検出部による検出結果が、真のVライン傷を示しているかどうかの確度を、所定の判定基準に基づいて判定する確度判定部55と、確度判定部55の判定に基づいて補正条件を選択し、Vライン傷の補正を行うVライン傷補正部53とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】CCD16を有する撮像部と、撮像部から出力された画像信号を処理する信号処理部2と、信号処理部2で処理された画像信号に対して画像処理を行う画像処理部3と、CCD16の垂直転送ライン上の欠陥箇所から延びるライン性の不良であるVライン傷について、その位置とレベルとを所定の検出基準に基づいて検出するVライン傷検出部52と、Vライン傷検出部による検出結果が、真のVライン傷を示しているかどうかの確度を、所定の判定基準に基づいて判定する確度判定部55と、確度判定部55の判定に基づいて補正条件を選択し、Vライン傷の補正を行うVライン傷補正部53とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像装置に係る発明であって、特に、CCDの欠陥を補正する機能を持つ撮像装置に関するものである。
撮像装置に用いられるCCD(Charge Coupled Devices)は、撮像装置の小型化、高性能化に伴って小サイズ化、高画素化している。このCCDの小サイズ化、高画素化に伴い、CCDに画素欠陥が増え、撮影画像に与える影響があった。そこで、特許文献1では、画素欠陥の番地を事前に記録しておき、画素欠陥の位置を特定し補正する技術が開示されている。さらに、特許文献2では、色分離(インターポレーション)において画素欠陥、並びに、その近傍の画素を補間する場合に、画素欠陥を考慮した色分離方法が開示されている。
しかし、CCDの小サイズ化、高画素化がさらに進むことによって、画素間のピッチはさらに狭まり画素だけに限らず垂直転送ライン上にも欠陥が発生しやすくなってきている。この垂直転送ライン上の欠陥は、欠陥箇所に起因して画像上で生じるライン性の傷(「Vライン傷」と称する)となるため、撮影画像に与える影響は画素欠陥の場合より大きくなる。さらに、このVライン傷は、CCDの温度によって欠陥のレベル変化する温度依存性もある。そのため、従来より開示されている補正では、誤補正が多く、十分対応できない問題があった。
そこで、本発明は、垂直転送ライン上の欠陥に対して補正行う撮像装置であって、誤補正を防止し適切な欠陥補正を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、CCDを有する撮像部と、撮像部から出力された画像信号を処理する信号処理部と、信号処理部で処理された画像信号に対して画像処理を行う画像処理部と、CCDの垂直転送ライン上の欠陥箇所から延びるライン性の不良であるVライン傷について、その位置とレベルとを所定の検出基準に基づいて検出するVライン傷検出部と、Vライン傷検出部による検出結果が、真のVライン傷を示しているかどうかの確度を、所定の判定基準に基づいて判定する確度判定部と、確度判定部の判定に基づいて補正条件を選択し、Vライン傷の補正を行うVライン傷補正部とを備える。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、所定の判定基準となるVライン傷の基準位置及び基準レベルを記憶するVライン傷記憶部をさらに備え、確度判定部は、Vライン傷検出部で検出されたVライン傷の位置及びレベルを、Vライン傷記憶部に記憶されている基準位置及び基準レベルと比較して確度を判定する。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の撮像装置であって、確度判定部は、Vライン傷検出部で検出されたVライン傷の位置が基準位置と一致せず、且つVライン傷のレベルが基準レベルより大きい場合に、検出されたVライン傷の位置及びレベルの確度を判定する。
また、請求項4の発明は、請求項2に記載の撮像装置であって、確度判定部は、Vライン傷検出部で検出されたVライン傷の位置が基準位置と一致しない場合、Vライン傷検出部に再検出を行わせる。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置であって、撮像部の状態を検出する状態検出部をさらに備え、Vライン傷補正部は、状態検出部の検出された状態より、レベルの検出データがオーバーフローするかを判定するオーバーフロー判定を行う。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の撮像装置であって、撮像部の状態を示す指標として、撮像部の温度が用いられており、状態検出部は、温度を測定または推定する手段としてタイマー及び温度計のうち少なくとも一つを備える。
また、請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の撮像装置であって、Vライン傷補正部は、オーバーフロー判定に基づき、補正方法を選択する。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置であって、Vライン傷検出部は、垂直転送ラインを所定期間停止させて、Vライン傷の位置及びレベルの検出を行い、Vライン傷検出部は、レベルの検出データがオーバーフローしていると判断した場合、垂直転送ラインを停止する所定期間を短縮して、Vライン傷のレベルを再度検出する。
請求項1に記載の撮像装置は、確度判定部で、Vライン傷検出部による検出結果が、真のVライン傷を示しているかどうかの確度を、所定の判定基準に基づいて判定するので、誤補正を防止することができ、最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項2に記載の撮像装置は、Vライン傷記憶部に記憶されている基準位置及び基準レベルと比較して確度を判定するので、工場出荷時等の基準に基づいてVライン傷の出方を再確認でき、最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項3に記載の撮像装置は、検出された位置が基準位置と一致せず、且つVライン傷のレベルが基準レベルより大きい場合に、検出された位置及びレベルの確度を判定するので、誤補正を防ぎ最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項4に記載の撮像装置は、位置が基準位置と一致しない場合、Vライン傷検出部に再検出を行わせるので、検出される傷レベルの精度が上がり、誤補正を防ぎ最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項5に記載の撮像装置は、検出された状態をに基づいて検出データのオーバーフローを判定することができるため、最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項6に記載の撮像装置は、状態を示す指標として、撮像部の温度及び動作時間による温度予測を用いているので、検出データのオーバーフローを予測し、検出データのオーバーフローを回避することができる。
請求項7に記載の撮像装置は、オーバーフロー判定に基づいて補正方法を選択するので、検出データのオーバーフローを回避し、最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
請求項8に記載の撮像装置は、検出データがオーバーフローしていると判断した場合、垂直転送ラインを停止する所定期間を短縮するので、検出データのオーバーフローを解消し、最適なVライン傷補正を行うことができる効果がある。
(実施の形態1)
<撮像装置の要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。ここで、図1(a)〜(c)は、それぞれ撮像装置1の正面図、背面図及び上面図に相当している。
<撮像装置の要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の要部構成を示す図である。ここで、図1(a)〜(c)は、それぞれ撮像装置1の正面図、背面図及び上面図に相当している。
撮像装置1は、デジタルカメラとして構成されており、撮影レンズ10を備えている。
撮像装置1は、その上面にモード切替スイッチ12とシャッターボタン13とが設けられている。
モード切替スイッチ12は、被写体を撮像してその静止画を記録する静止画撮影モード(RECモード)と、動画撮影を行う動画モード(MOVEモード)と、メモリーカード9(図2参照)に記録された画像を再生する再生モード(PLAYモード)とを切替えるためのスイッチである。
シャッターボタン13は、半押し状態(S1オン)と、さらに押し込まれた全押し状態(S2オン)とを検出可能な2段階スイッチになっている。上記の静止画撮影モードにおいてシャッターボタン13が半押しされると、ズーム・フォーカスモータドライバー47(図2参照)が駆動されて、合焦位置に撮影レンズ10を移動させる動作が行われる。一方、静止画撮影モードにおいてシャッターボタン13が全押しされると、本撮影動作、つまり記録用の撮影動作が行われる。
撮像装置1の背面には、撮影された画像などを表示するLCD(Liquid Crystal Display)モニタ42と、電子ビューファインダー(EVF)43と、コマ送り・ズームスイッチ15とが設けられている。
コマ送り・ズームスイッチ15は、4つのボタンで構成され、再生モードにおける記録画像のコマ送りや、撮影時のズーミングを指示するためのスイッチである。このコマ送り・ズームスイッチ15の操作により、図2のズーム・フォーカスモータドライバー47が駆動されて、撮影レンズ10に関する焦点距離を変更できる。
図2は、撮像装置1の機能ブロックを示す図である。
撮像装置1は、撮像センサ16と、撮像センサ16にデータ伝送可能に接続する信号処理部2と、信号処理部2に接続する画像処理部3と、画像処理部3に接続するカメラ制御部40とを備えている。
撮像センサ16は、R(赤)、G(緑)、B(青)の原色透過フィルターがピクセル単位に市松状に配列(ベイヤー配列)されたエリアセンサ(撮像素子)として構成されており、全画素読み出しタイプである。この撮像センサ16の温度については、撮像装置1の筐体内の温度を測定する温度センサー49により検出が可能となっている。
撮像センサ16において露光によって電荷の蓄積が完了すると、光電変換された電荷信号は、遮光された撮像センサ16内の垂直・水平転送路へとシフトされ、ここからバッファを介し画像信号として出力される。
信号処理部2は、CDS21とAGC22とA/D変換部23とを有しており、いわゆるアナログフロントエンドとして機能する。
撮像センサ16から出力されたアナログ画像信号は、CDS21でサンプリングされノイズが除去された後、AGC22により撮影感度に相当するアナログゲインが乗算されて感度補正が行われる。
A/D変換部23は、14ビットの変換器として構成されており、AGC22で正規化されたアナログ信号をデジタル化する。デジタル変換された画像信号は、画像処理部3で所定の画像処理が施されて画像ファイルが生成される。
画像処理部3は、点欠陥補正部51とVライン傷検出部52とVライン傷補正部53とを備えている。また、画像処理部3は、デジタル処理部3pと画像圧縮部36とビデオエンコーダー38とメモリカードドライバー39とを備えている。
画像処理部3に入力された画像データについては、まず点欠陥補正部51において予め記憶されている点欠陥アドレスに基づき欠陥が存在する画素データが補正データに置換される。そして、Vライン傷検出部52及びVライン傷補正部53において、撮像センサ16の垂直転送ライン(垂直CCD)の欠陥箇所に起因して画像上で生じるライン性の傷(以下では、「Vライン傷」と称する)を検知して補正する(後で詳述)。なお、Vライン傷検出部52で検出された傷のアドレスは、傷アドレスメモリ54に格納されることとなる。
デジタル処理部3pは、画素補間部31とホワイトバランス制御部32とガンマ補正部33と輪郭強調部34と解像度変換部35とを有している。
デジタル処理部3pに入力される画像データは、撮像センサ16の読み出しに同期し画像メモリー41に書込まれる。以後は、この画像メモリー41に格納された画像データにアクセスし、デジタル処理部3pで各種の処理が行われる。
画像メモリー41内の画像データは、まずホワイトバランス制御部32によりRGB各画素が独立にゲイン補正され、RGBのホワイトバランス補正が行われる。このホワイトバランス補正では、撮影被写体から本来白色となる部分を輝度や彩度データ等から推測し、その部分のR、G、Bそれぞれの平均値とG/R比及びG/B比とを求め、これらの情報に基づいてR及びBの補正ゲインとして制御される。
ホワイトバランス補正された画像データは、画素補間部31でRGB各画素をそれぞれのフィルターパターンでマスキングした後、高帯域まで画素値を有するG画素については、注目画素に対する周辺12画素のコントラストパターンに基づき画素値の空間的な変化を推定し、周囲4画素のデータに基づき被写体のパターンに最適な画素値を算出して割り当てる。一方、R画素及びB画素に関しては、周囲の8画素の同色画素値に基づいて補間する。
画素補間された画像データは、ガンマ補正部33で各出力機器に合った非線形変換、具体的にはガンマ補正及びオフセット調整が行われ、画像メモリー41に格納される。
輪郭強調部34は、画像データに応じたハイパスフィルターによって輪郭を際立たせるエッジ強調処理を行う。
そして、画像メモリー41に格納された画像データは、解像度変換部35で設定された画素数に水平垂直の縮小又は間引きが行われ、画像圧縮部36で圧縮処理を行った後、メモリカードドライバー39にセットされるメモリーカード9に記録される。この画像記録時には、指定された解像度の撮影画像が記録される。また、解像度変換部35では、画像表示時についても画素間引きを行って、LCDモニタ42やEVF43に表示するための低解像度画像を作成する。プレビュー時には、画像メモリー41から読み出された640×240画素の低解像度画像がビデオエンコーダー38でNTSC/PALにエンコードされ、これをフィールド画像としてLCDモニタ42やEVF43で画像再生が行われる。
カメラ制御部40は、CPU及びメモリを備え、撮像装置1の各部を統括的に制御する部位である。具体的には、上記のモード切替スイッチ12やシャッターボタン13などを有するカメラ操作スイッチ50に対して撮影者が行う操作入力を処理する。また、カメラ制御部40は、撮影者によるモード設定スイッチ12の操作により、被写体を撮像してその画像データを記録する静止画撮影モードや動画モード、再生モードへの切替えを行う。
撮像装置1は、本撮影前の撮影準備状態において被写体を動画的態様でLCDモニタ42に表示するプレビュー表示(ライブビュー表示)時には、絞り44の光学絞りが絞りドライバー45によって開放固定となる。また、シャッタースピード(SS)に相当する撮像センサ16の電荷蓄積時間(露光時間)に関しては、撮像センサ16で取得したライブビュー画像に基づき、カメラ制御部40が露出制御データを演算する。そして、算出された露出制御データに基づいて予め設定されたプログラム線図により、撮像センサ16の露光時間が適正となるようにタイミングジェネレーターセンサードライバー46に対するフィードバック制御が行われる。
そして、本撮影時では、ライブビュー時に測光された光量データに基づいて予め設定されたプログラム線図によって絞りドライバー45とタイミングジェネレーターセンサードライバー46とで撮像センサ16への露光量が制御される。
以上の構成を有する撮像装置については、撮像センサ16で取得された画像データにおいてVライン傷の検出・補正を行えるが、これらについて以下で説明する。
<Vライン傷の検出について>
図3は、撮像センサ16の構成を示す図である。
図3は、撮像センサ16の構成を示す図である。
撮像センサ16においては、各フォトダイオード161で光電変換され蓄積された電荷が各垂直転送ライン毎に設けられた垂直CCD(以下では「VCCD」ともいう)162に読み出され、1水平期間の周期で最下段の水平CCD163に転送される。そして、水平CCD163に転送された電荷は、画素クロックに基づき読み出されることで水平画素方向の読み出しが行われる。
このような撮像センサ16の動作により、2次元的に配列されたフォトダイオード161で取得した2次元画像に対して水平ライン毎にスキャン読み出しが行われることとなる。
ここで、フォトダイオード161に欠陥がある場合には、この欠陥によって発生する電荷が信号電荷に加算されるため、撮影画像において点欠陥として再現されることとなる。この点欠陥については、点欠陥補正部51において、欠陥に起因して発生する電荷に相当する画素レベルが減算される補正が行われる。
一方、垂直転送ラインの一部に同様の欠陥箇所(傷)Fpが存在する場合には、欠陥箇所Fpに電荷が読み出されるフォトダイオードとX方向のアドレスが等しいフォトダイオードからの電荷は、欠陥箇所Fpが存在する垂直CCD16fを通って撮像センサ16から出力されることとなる。このため、欠陥箇所Fpに対して電荷転送方向Haの上流から転送される信号電荷群Faに電荷が加算されることとなり、図4に示すように撮影画像G1おいて明度の高いライン性の傷(Vライン傷)Gaとして再現される。
上述した点欠陥の場合には撮影画像に与える劣化要因は少ないものの、図4に示すようなVライン傷Gaの場合には画質に対する影響が非常に大きくなるため、その検出が重要となるが、以下では、この検出方法を説明する。
図5及び図6は、Vライン傷の検出原理を説明するための図である。
Vライン傷Ga(図4)については、上述したように図3に示す垂直CCD162の欠陥箇所Fpを通って読み出される信号画素群Faに起因して画像上で生じるライン性の明度傷として発生する。
そこで、図5に示すように垂直CCD162の転送を一定期間(例えば200水平期間)停止することにより欠陥箇所Fpで発生する電荷量を増大させた後に、フォトダイオードからの電荷をVCCDに転送することなく画像読み出しを行うこととする。これにより、垂直CCD162上の欠陥箇所Fpに信号電荷が読み出されるフォトダイオードDpの画素データを強調して撮像センサ16から出力できることとなる。
このように欠陥箇所Fpが強調され撮像センサ16から出力された画像G2では、図6に示すように、Vライン傷Gaのうち欠陥箇所Fpに電荷が読み出されるフォトダイオードDp(図5)の位置に対応したB画素Gpの画素レベルが垂直CCD162の転送停止期間に正比例して強調されることとなる。
以上のような画像G2が読み出された後に、画像G2から明度の高い輝点となる画素Gpのアドレスを検出することで、Vライン傷の下端に対応する欠陥箇所の位置(アドレス)を検知できることとなる。以下では、撮像装置1によるVライン傷の検出について具体的に説明する。
図7は、撮像装置1におけるVライン傷の検出動作を示すフローチャートである。
まず、シャッターに相当する絞り44を閉じた(ステップST1)後に、VCCD162において電荷の高速はき出しが設定される(ステップST2)。
ステップST3では、上述したように、VCDD162での転送を200水平転送期間停止する。これにより、VCCD162の欠陥箇所で電荷が増幅されることとなる。
ステップST4では、撮像センサ16からフォトダイオードからの電荷をVCCDに転送することなく画素データを順次に読み出す。
ステップST5では、ステップST4で読み出されたレベルを1/200倍で正規化した画素レベルが、予め定められた傷レベルリファレンス(閾値)Vrefより大きいかを判定する。ここで、傷レベルリファレンスVrefより大きい場合には、ステップST6に進み、傷レベルリファレンスVref以下の場合には、ステップST7に進む。
ステップST6では、傷レベルリファレンスVrefより大きい欠陥画素(傷)に関して画像上のアドレス(H,V)を、傷アドレスメモリ54に登録する。この際には、傷レベル(画素値)も登録する。
ステップST7では、撮像センサ16からの画像読み出しが完了したかを判定する。ここで、画像読み出しが完了した場合には、ステップST8に進み、未完の場合には、ステップST4に戻る。
ステップST8では、傷アドレスメモリ54に格納されている傷のアドレスを並び替える。この場合には、例えば傷レベルの大きい順に、つまり昇順に傷アドレスの順番が変更される。
ステップST9では、ステップST8で並び替えられた傷アドレスに基づき、傷レベルが上位40位以内に入る傷アドレスと傷レベルとを、傷アドレスメモリ54に再登録する。この傷レベルについては、200水平転送期間停止して得られた画素データに関して1/200倍で正規化したレベルが登録されることとなる。
以上のような撮像装置1の動作により、Vライン傷の検出を適切に行えることとなるが、この検出動作は、例えば撮像装置1の工場出荷前に管理された所定の温度にて行われ、工場出荷時には、傷アドレスメモリ54に必要な情報がデフォルトのデータとして格納されている状態にする。
なお、上記のステップST8の動作については、Vライン傷の傷レベルに基づき並べ替えるだけでなく、Vライン傷の範囲も考慮して並べ替えるようにしても良い。例えば、(傷レベル)×(Vライン傷の範囲)から得られる情報に基づき、並べ替えを行う。これにより、画像全体に与える各Vライン傷の影響を考慮した並べ替えが可能となる。
撮像センサ16のVライン傷は、温度依存性を有しているが、この特性について、以下で説明する。
図8は、撮像センサ16におけるVライン傷の温度依存性を説明するための図である。図8(a)〜(c)は、常温時(例えば20度)、30度及び40度の高温時における撮像センサ16の状態の一例と、撮像センサ16から出力された画像Gtとを表している。
常温時の撮像センサ16においては、図8(a)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は1箇所Fp1のみであり、撮像センサ16から出力される画像Gtで生じるVライン傷も1本Ga1だけとなる。
30度の高温時の撮像センサ16においては、常温時に比べて顕在化されるVライン傷の箇所が温度に依存して1つ増加する。すなわち、図8(b)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は2箇所Fp1、Fp2となり、撮像センサ16から出力される画像GtにおけるVライン傷も2本Ga1、Ga2となる。
40度の高温時の撮像センサ16においては、30度の高温時に比べて顕在化されるVライン傷が温度に依存してさらに1つ増加する。すなわち、図8(c)に示すように傷として認識される垂直CCDの欠陥箇所は3箇所Fp1〜Fp3となり、撮像センサ16から出力される画像GtにおけるVライン傷が3本Ga1〜Ga3となる。
このように撮像センサ16においては、Vライン傷が温度依存性を有しているため、上述したVライン傷の検出は、温度毎に検出することが好ましい。
<Vライン傷の補正について>
撮像装置1のVライン傷補正部53においては、検出されたVライン傷に対して(1)オフセットによる補正と、(2)画素補間による補正とを選択的に行えるようになっている。これら2種類の補正方法について以下で説明する。
撮像装置1のVライン傷補正部53においては、検出されたVライン傷に対して(1)オフセットによる補正と、(2)画素補間による補正とを選択的に行えるようになっている。これら2種類の補正方法について以下で説明する。
(1)オフセットによる補正
図9は、オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。
図9は、オフセットによるVライン傷の補正を説明するための図である。
オフセットによるVライン傷の補正では、まず撮像センサ16から出力された画像G3においてVライン傷Gaに起因するオフセット成分Loを検出する。そして、このオフセット成分Loを画像G3におけるVライン傷Gaの画素レベルから減算することで、画像ノイズとしての傷が消去された補正画像G4を生成する。
このようなオフセットによる補正方法では、上述のように撮像装置1の工場出荷時に傷アドレスメモリ54に格納されるデフォルトのVライン傷データに基づき傷レベル(オフセット成分Lo)を推定して補正しても良いが、温度依存性が大きいVライン傷の特性を考慮すると、撮影時にリアルタイムでオフセット量(補正量)を求めるのが好ましい。このオフセット量の検出方法について説明する。
撮像センサ16は、図10に示すように黒レベルを検出するためのオプチカル・ブラック部(以下「OB部」という)16ba、16bbを有している。ここで、各OB部から垂直CCD162に読み出された電荷は、下段のOB部16baの方が先に水平CCD163に転送され、上段のOB部16bbの方が後で転送されることとなる。以下では、垂直CCD162に2つの欠陥箇所Fp1、Fp2が存在するケースについてのオフセット量の検出を説明する。
図11に示すように撮像センサ16から出力された画像G5においては、上段のOB部16bbから読み出され垂直CCD162の欠陥箇所Fp1を通過してその影響を受けた画素Gb2は、下段のOB部16baから読み出され欠陥箇所Fp1を通過せずその影響を受けていない画素Gb1より上記のオフセット量だけ画素レベルが大きくなっている。同様に、上段のOB部16bbから読み出され垂直CCD162の欠陥箇所Fp2を通過した画素Gb4は、欠陥箇所Fp2を通過しない画素Gb3より上記のオフセット量だけ画素レベルが増加している。
したがって、図11に示すVライン傷Ga1の傷レベル(オフセット量)は、画素Gb2のレベルから画素Gb1のレベルを減算することにより得られ、Vライン傷Ga2のオフセット量は、画素Gb4のレベルから画素Gb3のレベルを減算することにより得られることとなる。
次に、撮像装置1における上記のオフセット量(傷レベル)の検出動作について説明する。
図12は、撮像装置1におけるVライン傷の傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。
ステップST11では、レリーズして露光を行う。すなわち、撮影者によりシャッターボタン13が全押し(S2オン)されて、被写体を撮影する動作が行われる。
ステップST12では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出す。
ステップST13では、ステップST12で撮像センサ16から読み出された画素データをキャプチャーする処理を行う。
ステップST14では、ステップST12で読み出された画素のアドレスが、傷アドレスメモリ54に登録されているVライン傷のアドレスに該当するかを判定する。ここで、登録アドレスに該当する場合には、ステップST15に進み、該当しない場合には、ステップST18に進む。
ステップST15では、ステップST12で読み出された画素が転送された垂直CCD162の両端にあるOB部16ba、16bb(図10)の黒レベルを検出し、これらの黒レベルの差分を求めて、傷レベルを検出する。
ステップST16では、ステップST15で検出された傷レベルが、傷レベルリファレンスVrefより大きいかを判定する。ここで、傷レベルリファレンスVrefより大きい場合には、ステップST17に進み、傷レベルリファレンスVref以下の場合には、ステップST18に進む。
ステップST17では、ステップST16において傷レベルリファレンスVrefより大きい欠陥画素(傷)に関して画像上のアドレス(H,V)を、傷アドレスメモリ54に登録する。この際には、傷レベルも登録する。
ステップST18及びステップST19では、図7に示すステップST7及びステップST8と同様の動作を行う。
ステップST20では、ステップST19で並び替えられた傷アドレスに基づき、傷レベルが上位20位以内に入る傷アドレスと傷レベルとを、傷アドレスメモリ54に再登録する。
以上のような撮像装置1の動作により、撮影中に傷レベルの検出が可能となり、オフセットによるVライン傷の補正を適切に行えることとなる。
なお、予め決められた温度範囲内で工場出荷時等に検出されたVライン傷の情報を傷アドレスメモリ54に記録しておけば、この情報を利用してVライン傷の補正を行えるため、より高速な補正処理が可能となる。
(2)画素補間による補正
図13は、画素補間によるVライン傷の補正を説明するための図である。
図13は、画素補間によるVライン傷の補正を説明するための図である。
画素補間によるVライン傷の補正では、Vライン傷の周辺に位置する画素ラインのデータに基づき置換データを作成し、この置換データでVライン傷の画素データを置換する処理を行う。
例えば、画像G6において、Vライン傷Gaの左右に配置される同色の画素ラインJ1、J2を検出し、これらの画素ラインJ1、J2に関する画素レベルの平均値でVライン傷Gaの画素データを置換する。これにより、傷が消去された補正画像G7が生成される。
このような画素補間による補正方法では、オフセットによるVライン傷の補正に比べて精度が低くなるものの、Vライン傷の箇所(アドレス)が既知である場合には、傷レベルの検出が不要となる。そして、画素補間による補正方法においては、Vライン傷のオフセット値が温度特性を有する事に対する考慮が基本的に不要である。
<傷レベル(オフセット量)検出の変形例>
上記の実施形態における撮影時の傷レベル(オフセット量)検出については、工場出荷時に行う傷レベル検出(図7)に類似した方法により行っても良い。この検出方法について説明する。
上記の実施形態における撮影時の傷レベル(オフセット量)検出については、工場出荷時に行う傷レベル検出(図7)に類似した方法により行っても良い。この検出方法について説明する。
図14は、本発明の変形例に係る傷レベルの検出動作を示すフローチャートである。
ステップSP1及びステップSP2では、図12に示すステップST11及びステップST13と同様の動作を行う。
ステップSP3では、キャプチャー処理が完了したかを判定する。ここで、キャプチャー処理が完了した場合には、ステップSP4に進み、完了していない場合には、ステップSP2の動作を繰り返す。
ステップSP4〜SP7では、図7に示すステップST1〜ST4と同様の動作を行う。
ステップSP8では、図12に示すステップST14と同様の動作を行う。
ステップSP9では、傷レベルの検出を行う。具体的には、200水平転送期間停止して得られた画素データに関して1/200倍で正規化したレベルを、傷レベルとして検出する。
ステップSP10〜SP14では、図12に示すステップST16〜ST20と同様の動作を行う。
以上のような動作によっても、撮影時においてVライン傷の傷レベルを適切に検出できることとなる。
<確度判定について>
上記で述べたように、Vライン傷Gaの補正を行う場合、欠陥箇所の位置(傷アドレス)及び傷レベルを検出することが重要である。特に、オフセットによる補正を行う場合、傷レベルを正しく検出できなければ、Vライン傷Gaの補正を行っても撮影画像をさらに劣化させる可能性もある。そこで、本実施の形態に係る撮像装置1では、Vライン傷Gaについて傷アドレス及び傷レベルを検出した後に、その検出結果が真のVライン傷Gaを示しているかどうかの確度を、所定の所定基準に基づいて判定する確度判定を行っている。
上記で述べたように、Vライン傷Gaの補正を行う場合、欠陥箇所の位置(傷アドレス)及び傷レベルを検出することが重要である。特に、オフセットによる補正を行う場合、傷レベルを正しく検出できなければ、Vライン傷Gaの補正を行っても撮影画像をさらに劣化させる可能性もある。そこで、本実施の形態に係る撮像装置1では、Vライン傷Gaについて傷アドレス及び傷レベルを検出した後に、その検出結果が真のVライン傷Gaを示しているかどうかの確度を、所定の所定基準に基づいて判定する確度判定を行っている。
図15は、本実施の形態に係る撮像装置1の機能ブロックを示す図である。図15に示す機能ブロックは、基本的に図2に示した機能ブロックと同じであるが、確度判定部55を設けている点が異なる。この確度判定部55は、Vライン傷検出部52において所定の検出基準に基づいて検出された傷アドレス及び傷レベルが、所定の判定基準に基づいて、真のVライン傷Gaを示しているかどうかの確度を判定している。そして、Vライン傷補正部53は、確度判定部55の判定に基づいて補正条件(傷レベル(オフセット量)など)を選択し、Vライン傷の補正を行っている。
図16は、確度判定部55を備える撮像装置1におけるVライン傷Gaの検出動作を示すフローチャートである。図16に示すフローチャートでは、撮影時の傷アドレス(欠陥箇所の位置)及び傷レベル(オフセット量)の検出について、図14のフローチャートに示す方法により行っている。つまり、ステップSR1〜SR11では、図14に示すステップSP4〜SP14と同様の動作を行う。また、オフセット値を得る動作として図12の動作も行っている。
次に、ステップSR12では、確度判定部55において、撮影時に検出した傷アドレス(ステップSR11で再登録した傷レベル上位20)と、傷アドレスメモリ54に工場出荷時に登録されている傷アドレスのうち上位20までの傷アドレス(以下、単に「登録されている上位傷アドレス」と称す)との比較を行っている。つまり、ステップSR12では、撮影時に検出した傷アドレスが、登録されている上位傷アドレスと一致するか否かを基準に確度判定を行っている。
そして、ステップSR13で、撮影時に検出した傷アドレスと登録されている上位傷アドレスとが一致した場合は検出結果が、真のVライン傷Gaを示しているとの確度を有しているとしてステップSR14に進み、一致しなかった場合はステップSR15に進む。なお、撮影時に検出した傷アドレスは、登録されている上位傷アドレスと一致しない場合でも、傷アドレスメモリ54に登録されている傷アドレスのうち上位21から40までの傷アドレス(以下、単に「登録されている下位傷アドレス」と称す)とは一致するものとする。
ステップSR14では、Vライン傷補正部53において、撮影時に検出した傷レベルが真のVライン傷Gaを示しているとして、撮影時に検出した傷レベルをオフセット量(補正条件)として選択して補正を行う。一方、ステップSR15では、検出エラー判定が開始される。まず、ステップSR16では、登録されている下位傷アドレスのうち、撮影時に検出した傷アドレスと一致するアドレスを求め、当該登録されている下位傷アドレスの傷レベル(以下、単に「登録されている傷レベル」と称す)と撮影時に検出した傷レベルとの大小比較が行われる。ここで、撮影時に検出した傷レベルが登録されている傷レベル以上であればステップSR17に進み、撮影時に検出した傷レベルが登録されている傷レベル未満であればステップSR18に進む。
ステップSR17では、撮影時に検出した傷レベルの方が真のVライン傷Gaを示しているとして、撮影時に検出した傷レベルをオフセット量(補正条件)として選択して補正を行う。一方、ステップSR18では、登録されている傷レベルの方が真のVライン傷Gaを示しているとして、登録されている傷レベルをオフセット量(補正条件)として選択して補正を行う。ステップSR19では、補正を行う全てのVライン傷Gaのアドレスを読み出したかを判定し、全て読み出していればフローを終了し、全て読み出していなければステップSR4に戻る。
上記のように、撮影時に検出した傷アドレス及び傷レベルについて確度判定を行い、その判定結果に基づいてVライン傷Gaの補正を行うことで、本実施の形態に係る撮像装置1は誤補正を少なくすることができる。なお、上記の確度判定部55では、登録されている上位傷アドレスを基準に、撮影時に検出した傷アドレスが、真のVライン傷Gaを示しているかどうかの確度判定を行ったが、本発明はこれに限られず、他の基準を用いて確度を判定しても構わない。また、上記では、工場出荷時に行う傷レベル検出(図7)では、傷レベルが上位40以内に入る傷アドレス及び傷レベルを傷アドレスメモリ54に登録し、撮影時に検出する傷アドレス及び傷レベルでは、傷レベルが上位20以内に入る傷アドレス及び傷レベルを傷アドレスメモリ54に登録している。しかし、本発明はこれに限られず、工場出荷時に傷レベルを上位何位登録し、撮影時に上位何位登録するかはCCDの品質等を考慮して自由に設定することができる。
<変形例>
次に、確度判定部55を備える撮像装置1におけるVライン傷Gaの検出動作を示す別のフローチャートを図17に示す。図17に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートのステップSR16に代えて、ステップSR20とステップSR21が設けられている。ステップSR20では、撮影時に検出した傷アドレスのうち一致しなかった不整合アドレスについて、再度傷レベルの検出(再検出)を行う。ステップSR21では、再検出した傷レベルが登録されている傷レベル以上であればステップSR17に進み、再検出した傷レベルが登録されている傷レベル未満であればステップSR18に進む。
次に、確度判定部55を備える撮像装置1におけるVライン傷Gaの検出動作を示す別のフローチャートを図17に示す。図17に示すフローチャートは、図16に示すフローチャートのステップSR16に代えて、ステップSR20とステップSR21が設けられている。ステップSR20では、撮影時に検出した傷アドレスのうち一致しなかった不整合アドレスについて、再度傷レベルの検出(再検出)を行う。ステップSR21では、再検出した傷レベルが登録されている傷レベル以上であればステップSR17に進み、再検出した傷レベルが登録されている傷レベル未満であればステップSR18に進む。
以上のように、本実施の形態に係る撮像装置1では、確度判定部55において、再傷レベル検出を行うので、傷レベルの検出精度が向上し、Vライン傷補正での誤検出を少なくすることができる。
(実施の形態2)
<オーバーフロー判定について>
上記で説明したように、Vライン傷Gaに対してオフセットによる補正を行う場合、傷レベルの精度が補正の良否を左右することになる。そのため、傷レベルの検出データがオーバーフローすると正確な傷レベルを把握することができず、Vライン傷Gaの補正を精度良く行うことができなくなる。また、上記で説明したようにVライン傷Gaの傷レベルは、温度依存性を有しており、撮像装置1の起動後一定時間経過してCCDの温度が高くなると傷レベルも高くなる。さらに、撮像装置1の撮影感度を高感度に設定した場合、CCDの温度が高くなると傷レベルが飽和状態に達し、傷レベルの検出データがオーバーフローする可能性が高くなる。
<オーバーフロー判定について>
上記で説明したように、Vライン傷Gaに対してオフセットによる補正を行う場合、傷レベルの精度が補正の良否を左右することになる。そのため、傷レベルの検出データがオーバーフローすると正確な傷レベルを把握することができず、Vライン傷Gaの補正を精度良く行うことができなくなる。また、上記で説明したようにVライン傷Gaの傷レベルは、温度依存性を有しており、撮像装置1の起動後一定時間経過してCCDの温度が高くなると傷レベルも高くなる。さらに、撮像装置1の撮影感度を高感度に設定した場合、CCDの温度が高くなると傷レベルが飽和状態に達し、傷レベルの検出データがオーバーフローする可能性が高くなる。
そこで、本実施の形態に係る撮像装置1では、撮像部の状態を示す指標(CCDの温度や撮影感度など)を検出する状態検出部(図15では温度センサー49やカメラ制御部40がこれにあたる)を設け、撮像装置1の状態に基づいて、傷レベルの検出データがオーバーフローする可能性が高いと判定される場合には、オフセットによる補正に代えて、傷レベルが不要な画素補間による補正でVライン傷の補正を行う。
図18は、撮像装置1における検出データのオーバーフローに対する処置を示すフローチャートである。まず、ステップSU1では、露光時間の演算を行い、撮影環境に最適な露光時間を設定する。ステップSU2では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出す。ステップSU3では、ステップSU2で読み出された画素データのアドレスが、傷アドレスメモリ54に登録されているVライン傷のアドレスに該当するかを判定する。ここで、登録アドレスに該当する場合には、ステップSU4に進み、該当しない場合には、ステップSU9に進む。
ステップSU4では、撮像装置1を起動してから20分経過したかを判定する。これは、カメラ制御部40内のタイマーで行う。ここで、撮像装置1の起動後の時間が20分以上の場合には、ステップSU5に進み、該当しない場合には、ステップSU7に進む。ステップSU5では、撮像装置1の撮影感度がISO感度800以上であるかを判定する。これは、カメラ制御部40内の設定の判断により行う。ここで、撮影感度がISO感度800以上の場合には、ステップSU6に進み、該当しない場合には、ステップSU7に進む。ステップSU6では、隣接ライン画素による画素置換補正(画素補間による補正)でVライン傷Gaの補正を行う。なお、隣接ライン画素による画素置換補正(画素補間による補正)は、補正を行うために傷レベルを検出する必要がなく、検出データのオーバーフローの影響を受けずにVライン傷Gaの補正を行うことができる。
ステップSU7では、傷レベルの検出を行う。具体的には、200水平転送期間停止して得られた検出データに関して1/200倍で正規化したレベルを、傷レベルとして検出する。ここで、検出データがオーバーフローすると、1/200倍で正規化された傷レベルが正確に検出できなくなる。なお、撮像装置1では、起動後20分未満、又は起動後20分以上で且つ撮影感度がISO感度800未満であれば、200水平転送期間停止して得られる検出データがオーバーフローする可能性が低い。ステップSU8では、ステップSU7で検出された傷レベルをオフセット量として、オフセットによる補正を行う。ステップSU9では、全画像の読み出しが完了したかを判定する。ここで、全画像の読み出しが完了している場合には、フローチャートは終了し、完了していない場合には、ステップSU2に戻る。
上記で説明した撮像装置1では、検出データのオーバーフロー判定を撮像部の状態を示す指標(CCDの温度や撮影感度など)に基づいて行い、その判定結果により補正方法(オフセットによる補正、画素補間による補正など)を選択する。すなわち、オーバーフロー判定をした場合は、画素補間による補正を行うことで、検出データのオーバーフローにより正確な傷レベルが得られない場合であっても、適切なVライン傷補正を行うことができる。
<変形例>
図19は、撮像装置1における検出データのオーバーフローに対する処置を示す別のフローチャートである。まず、シャッターに相当する絞り44を閉じた(ステップSV1)後に、VCCD162において電荷の高速はき出しが設定される(ステップSV2)。ステップSV3では、VCDD162での転送を200水平転送期間停止する。これにより、VCCD162の欠陥箇所で電荷が増幅されることとなる。
図19は、撮像装置1における検出データのオーバーフローに対する処置を示す別のフローチャートである。まず、シャッターに相当する絞り44を閉じた(ステップSV1)後に、VCCD162において電荷の高速はき出しが設定される(ステップSV2)。ステップSV3では、VCDD162での転送を200水平転送期間停止する。これにより、VCCD162の欠陥箇所で電荷が増幅されることとなる。
ステップSV4では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出す。ステップSV5では、ステップSV4で読み出された画素データのアドレスが、傷アドレスメモリ54に登録されているVライン傷のアドレスに該当するかを判定する。ここで、登録アドレスに該当する場合には、ステップSV6に進み、該当しない場合には、ステップSV10に進む。
ステップSV6では、傷レベルの検出を行う。具体的には、200水平転送期間停止して得られた検出データに関して1/200倍で正規化したレベルを、傷レベルとして検出する。ステップSV7では、ステップSV6で検出された検出データがオーバーフローしているかを判定する。なお、オーバーフローしているかの判定は、1/200倍で正規化する前の検出データがオーバーフローしているか否かである。ここで、検出データがオーバーフローしている場合には、ステップSV8に進み、該当しない場合には、ステップSV9に進む。ステップSV8では、検出データがオーバーフローした傷アドレスをエラーアドレスとして傷アドレスメモリ54に登録する。一方、ステップSV9では、検出した傷レベルを補正に用いるオフセット量として登録する。オーバーフローしているかどうかの判定には、例えば、A/D変換後のデータビットが255(240以上でも可)である場合等により判断する。
ステップSV10では、全画像の読み出しが完了したかを判定する。ここで、全画像の読み出しが完了している場合には、ステップSV11に進み、完了していない場合には、ステップSV4に戻る。ステップSV11では、VCDD162での転送を50水平転送期間停止する。これにより、VCCD162の欠陥箇所で電荷が増幅されることとなるが、200水平転送期間停止した場合に比べてその増幅は小さくなる。
ステップSV12では、撮像センサ16から画素データを順次に読み出す。ステップSV13では、ステップSV12で読み出された画素データのアドレスが、傷アドレスメモリ54に登録されているエラーアドレスに該当するかを判定する。ここで、エラーアドレスに該当する場合には、ステップSV14に進み、該当しない場合には、ステップSV15に進む。
ステップSV14では、50水平転送期間停止して得られた検出データ(画像データ)に関して1/50倍で正規化したレベルを、傷レベルとして検出し、当該傷レベルを補正に用いるオフセット量として登録する。ステップSV15では、全画像の読み出しが完了したかを判定する。ここで、全画像の読み出しが完了している場合には、フローチャートは終了し、完了していない場合には、ステップSV12に戻る。
本変形例に係る撮像装置1では、Vライン傷検出部52において、検出データがオーバーフローしているかを判定する。検出データがオーバーフローしている場合、垂直転送ラインを停止する期間を短縮(例えば、200水平転送期間停止から50水平転送期間停止に短縮)して、傷レベルを再度検出する。垂直転送ラインを停止する期間を短縮することで、正規化する前の検出データを小さくすることができ、オーバーフローを回避することができる。よって、図19のフローを行う撮像装置1では、検出データのオーバーフローを回避でき、適切なVライン傷補正を行うことができる。本実施の形態では、全画素読み出しのCCDの例で示しているが、複数フィールド読み出しのCCDを用いても構わない。複数フィールド読み出しのCCDの場合は、画素データを一旦1フレームに並べて変えてから補正を行うことで、本実施の形態と同じ補正を行うことができる。
1 撮像装置
2 信号処理部
3 画像処理部
16 撮像センサ
16ba、16bb オプチカル・ブラック(OB)部
49 温度センサー
51 点欠陥補正部
52 Vライン傷検出部
53 Vライン傷補正部
54 傷アドレスメモリ
55 確度判定部
161 フォトダイオード
162 垂直CCD
163 水平CCD
Fp、Fp1、Fp2、Fp3 垂直CCD上の欠陥箇所
2 信号処理部
3 画像処理部
16 撮像センサ
16ba、16bb オプチカル・ブラック(OB)部
49 温度センサー
51 点欠陥補正部
52 Vライン傷検出部
53 Vライン傷補正部
54 傷アドレスメモリ
55 確度判定部
161 フォトダイオード
162 垂直CCD
163 水平CCD
Fp、Fp1、Fp2、Fp3 垂直CCD上の欠陥箇所
Claims (8)
- CCDを有する撮像部と、
前記撮像部から出力された画像信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部で処理された画像信号に対して画像処理を行う画像処理部と、
前記CCDの垂直転送ライン上の欠陥箇所に起因して画像上で生じるライン性の傷であるVライン傷について、その位置とレベルとを所定の検出基準に基づいて検出するVライン傷検出部と、
前記Vライン傷検出部による検出結果が、真のVライン傷を示しているかどうかの確度を、所定の判定基準に基づいて判定する確度判定部と、
前記確度判定部の判定に基づいて補正条件を選択し、前記Vライン傷の補正を行うVライン傷補正部とを備える撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置であって、
前記所定の判定基準となる前記Vライン傷の基準位置及び基準レベルを記憶するVライン傷記憶部をさらに備え、
前記確度判定部は、前記Vライン傷検出部で検出された前記Vライン傷の前記位置及び前記レベルを、前記Vライン傷記憶部に記憶されている前記基準位置及び前記基準レベルと比較して前記確度を判定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置であって、
前記確度判定部は、前記Vライン傷検出部で検出された前記Vライン傷の前記位置が前記基準位置と一致せず、且つ前記Vライン傷の前記レベルが前記基準レベルより大きい場合に、検出された前記Vライン傷の前記位置及び前記レベルの前記確度を判定することを特徴とする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置であって、
前記確度判定部は、前記Vライン傷検出部で検出された前記Vライン傷の前記位置が前記基準位置と一致しない場合、前記Vライン傷検出部に再検出を行わせることを特徴とする撮像装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置であって、
前記撮像部の状態を検出する状態検出部をさらに備え、
前記Vライン傷補正部は、前記状態検出部の検出された前記状態より、前記レベルの検出データがオーバーフローするかを判定するオーバーフロー判定を行うことを特徴とする撮像装置。 - 請求項5に記載の撮像装置であって、
前記撮像部の前記状態を示す指標として、前記撮像部の温度が用いられており、前記状態検出部は、前記温度を測定または推定する手段としてタイマー及び温度計のうち少なくとも一つを備えることを特徴とする撮像装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の撮像装置であって、
前記Vライン傷補正部は、前記オーバーフロー判定に基づき、前記補正方法を選択することを特徴とする撮像装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の撮像装置であって、
前記Vライン傷検出部は、前記垂直転送ラインを所定期間停止させて、前記Vライン傷の前記位置及び前記レベルの検出を行い、
前記Vライン傷検出部は、前記レベルの検出データがオーバーフローしていると判断した場合、前記垂直転送ラインを停止する前記所定期間を短縮して、前記Vライン傷の前記レベルを再度検出することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004334469A JP2006148439A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004334469A JP2006148439A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | 撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=36627619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004334469A Pending JP2006148439A (ja) | 2004-11-18 | 2004-11-18 | 撮像装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007124056A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Canon Inc | 画像処理装置、制御方法、及びプログラム |
JP2010226259A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Rhythm Watch Co Ltd | 検知システムおよびその信号処理方法 |
JP2014033304A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Canon Inc | 縦線検出装置 |
-
2004
- 2004-11-18 JP JP2004334469A patent/JP2006148439A/ja active Pending
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