JP2006145099A - 積層型熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続ポートの周辺領域における乱流の発生を防止するとともに、死水域を減少させることができる積層型熱交換器を提供する。
【解決手段】複数のプレートが積層されて構成され、プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、これらの流体通路のうち少なくとも一方の流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、他方の流体通路に連通する流体連通路が形成された接続ポートが設けられた積層型熱交換器であって、接続ポートの外壁面は、直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成している。
【選択図】図1A
【解決手段】複数のプレートが積層されて構成され、プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、これらの流体通路のうち少なくとも一方の流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、他方の流体通路に連通する流体連通路が形成された接続ポートが設けられた積層型熱交換器であって、接続ポートの外壁面は、直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成している。
【選択図】図1A
Description
本発明は、積層型熱交換器に関する。
近年、積層型熱交換器としては、高温流体通路のみ複数のプレートを積層して構成し、これをケーシング等で包み込んだもの(以下、「タイプA」という。)と、高温流体通路及び低温流体通路の双方とも複数のプレートを積層して構成するもの(以下、「タイプB」という。)とがある。
そして、かかる積層型熱交換器においては、例えば、低温流体通路を構成する上下プレート間に接続ポートが設けられており、接続ポートの内壁面には、高温流体通路に連通する高温流体連通路が形成されて高温流体が流れ、他方、接続ポートの外壁面には、低温流体が接触して流れるようになっている。このようにして高温流体通路を流れる高温流体と低温流体通路を流れる低温流体との間で熱交換が行われる(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2001−174173号公報
特開2001−304787号公報
しかしながら、従来の積層型熱交換器における接続ポートの外壁面は、単純な円形状又は矩形状であるため、その周辺を流れる低温流体等に渦巻等の乱流が生じ、流れが均一化されない。その結果、接続ポートの周辺領域には死水域が形成され、プレートの熱伝達率が低下し、積層型熱交換器の熱交換効率が低下してしまうという問題がある。
また、このように熱交換効率が低下してしまうと、死水域におけるプレートに局部的な熱応力が発生してしまうという問題もある。
そこで、本発明は、接続ポートの周辺領域における乱流の発生を防止するとともに、死水域を減少させることができる積層型熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数のプレートが積層されて構成され、プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、これらの流体通路のうち少なくとも一方の流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、他方の流体通路に連通する流体連通路が形成された高温流体用接続ポートが設けられた積層型熱交換器であって、高温流体用接続ポートの外壁面は、直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする。
また、本発明は、複数のプレートが積層されて構成され、プレート間に、内燃機関から供給される高温流体が流れる高温流体通路と、プレートの長手方向と平行に低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、低温流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、高温流体通路に連通する高温流体連通路が形成された高温流体用接続ポートが設けられた内燃機関用の積層型熱交換器であって、高温流体用接続ポートの外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は低温流体の流れ方向に対向して上流側に、直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする。
また、本発明の高温流体用接続ポートの外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に流線形状に延設され、且つ次第に収束して鋭角をなす先端部を形成していることを特徴とする。
また、本発明の高温流体用接続ポートの外壁面は、低温流体の流れ方向に長軸が設けられた断面略楕円形状であることを特徴とする。
また、本発明の楕円は、短軸の長さをa、長軸の長さをbとして、下記数式(1)の関係にあることを特徴とする。
a<0.8×b……数式(1)
a<0.8×b……数式(1)
また、本発明は、複数のプレートが積層されて構成され、プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、プレートの対角線方向に低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、プレートの一方の対角部位に各々設けられる高温流体通路に連通する高温流体連通路と、プレートの他方の対角部位に各々設けられる低温流体通路に連通する低温流体連通路と、低温流体通路を構成する上下プレート間に接続して設けられる高温流体連通路が形成された高温流体用接続ポートと、高温流体通路を構成する上下プレート間に接続して設けられる低温流体連通路が形成された低温流体用接続ポートと、を備えた内燃機関用の積層型熱交換器であって、高温流体用接続ポートの外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は低温流体の流れ方向に対向して上流側に、曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、積層型熱交換器において、接続ポートの周辺領域における乱流の発生を防止するとともに、死水域を減少させることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の積層型熱交換器を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、いずれも内燃機関用の積層型熱交換器について説明しているが、本発明は必ずしもこのような形態に限られるものではなく、内燃機関以外の積層型熱交換器についても適用可能である。また、各実施形態では、高温流体用接続ポートの外壁面について説明しているが、本発明は高温流体用接続ポートの外壁面のみならず、低温流体用接続ポートの外壁面についても適用可能である。
===第一実施形態===
まず、本発明の第一実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプAの内燃機関用の積層型熱交換器であり、コアケーシング等で包み込まれて低温流体が流れる空間が形成されるようになっている。
まず、本発明の第一実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプAの内燃機関用の積層型熱交換器であり、コアケーシング等で包み込まれて低温流体が流れる空間が形成されるようになっている。
図1Aは、本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1の一部を示す分解斜視図である。
図1Aに示すように、内燃機関用の積層型熱交換器1は、複数のプレート5a,5bが積層されて構成されており、これらの上下プレート5a,5b間には、内燃機関から供給された高温流体(例えば、オイルの温度:約100〜120℃,EGRガスの温度:約500〜700℃)が流れる高温流体通路2と、プレート5a,5bの長手方向と平行に低温流体が流れる低温流体通路3とが交互に積層配置され、この低温流体通路3には、上下のプレート5b,5a間を接続する高温流体用接続ポート40が設けられている。そして、この内燃機関用の積層型熱交換器1には、各段のプレート5a,5bを貫通する高温流体連通路4が鉛直方向に設けられており、接続金具を介して内燃機関から供給された高温流体を各段の高温流体通路2に分配するとともに、低温流体によって冷却された(高温)流体を再び接続金具を介して内燃機関に還元するようになっている。
上記構成の本発明において、高温流体用接続ポート40は、低温流体通路3を構成する上下プレート5b,5a間に接続して設けられており、その内壁面には高温流体通路2に連通する高温流体連通路4が形成されている。なお、高温流体通路2には、オフセット型のフィン7が設けられているが、インナーフィンやコルゲートフィン等の他の形態のフィンが設けられていてもよく、あるいは低温流体通路3と同様にフィンが設けられていなくともよい。
図1Bは、図1Aの高温流体用接続ポート40の周辺における低温流体の流れを示す平面図である。
図1Bに示すように、高温流体用接続ポート40は、低温流体路3の上流側及び下流側の二箇所に、低温流体の流れに沿って平行に設けられており、いずれも低温流体通路3を構成する上下プレート5b,5a間に接続されている。このため、低温流体通路3を流れる低温流体は、高温流体用接続ポート40の外壁面に接触しながら、その周辺部を経由して上流側から下流側の方向に流れ、コアケーシング11に形成された空間に至るようになっている。なお、高温流体用接続ポート40の設置個数、設置位置等、適宜設計し得ることは言うまでもない。
上記構成の本発明において、上流側の高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に直線的に延設されており、且つ次第に収束する先端部40aを形成しており、下流側の断面が略三角形状となっている。また、下流側の高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に対向して上流側に直線的に延設されており、且つ次第に収束する先端部40bを形成しており、上流側の断面が略逆三角形状となっている。一方、高温流体用接続ポート40の内壁面は、高温流体用接続ポート40の外壁面とは異なり、断面が円形状となっているが、高温流体連通路4を形成し得るような形状であれば、高温流体用接続ポート40の外壁面と同じ形状であってもよい。
なお、同図において、上流側及び下流側の高温流体用接続ポート40の外壁面は、各々、対称的な形状となっているが、非対称的な形状であってもよい。また、高温流体用接続ポート40の先端部40a,40bは逆方向に形成されているが、同一方向に形成されていてもよい。その他の組み合わせについても、適宜設計し得ることは言うまでもない。
そして、上記形状の場合には、高温流体用接続ポート40の外壁面から受ける通流抵抗が低減するため、低温流体は上流側から下流側にスムースに流れ、低温流体通路3を流れる低温流体の流れが均一化するようになる。その結果、高温流体用接続ポート40の先端部40a,40b及びその周辺領域における乱流が減少し、死水領域が著しく減少する。さらに、高温流体用接続ポート40の外壁面が単純な断面円形状の場合と比べると、高温流体用接続ポート40の外壁面と低温流体との接触面積(伝熱面積)が増大するため、熱交換効率が向上するようになる。
ところで、高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は低温流体の流れ方向に対向して上流側に曲面的に延設され、且つ次第に収束する先端部を形成するものであってもよい。かかる高温流体用接続ポート40の外壁面としては、両面又は一面のみが緩やかな凹曲面又は凸曲面で構成されたものがあり、例えば、低温流体の流れ方向に沿って下流側に流線形状に延設され、且つ次第に収束して鋭角をなす先端部40cを形成したもの(図1C(a)参照)や、低温流体の流れ方向に長軸が設けられた断面略楕円形状であるもの(図1C(b)参照)等が挙げられる。
図1Cは、外壁面が曲面的に延設された高温流体用接続ポート40を示す平面図であり、(a)は流線形状の高温流体用接続ポート40を示す平面図、(b)は断面略楕円形状の高温流体用接続ポート40を示す平面図である。
図1C(a)に示すように、高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に流線形状に延設され、且つ次第に収束して鋭角をなす先端部40cを形成している。そして、上記形状の場合には、高温流体用接続ポート40の外壁面から受ける通流抵抗がより低減するため、低温流体は接続ポート40の先端部40c及びその周辺領域をスムースに流れ、低温流体通路3を流れる低温流体の流れがいっそう均一化するようになる。その結果、接続ポート40の先端部40c及びその周辺領域における乱流が減少し、死水領域が著しく減少する。さらに、接続ポート40の外壁面とその周辺領域を流れる低温流体との接触面積(伝熱面積)が増大するため、熱交換効率が向上するようになる。
また、図1C(b)に示すように、高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に長軸が設けられた断面略楕円形状となっている。この楕円は、短軸の長さをa1、長軸の長さをb1として、下記数式(2)の関係にあり、長軸上の上流側及び下流側に各々先端部40d,40eが形成されている。
a1<0.8×b1……数式(2)
a1<0.8×b1……数式(2)
そして、上記形状の場合には、高温流体用接続ポート40の先端部40d(上流側)から受ける通流抵抗が低減するとともに、先端部40e(下流側)から受ける通流抵抗も低減するため、低温流体は高温流体用接続ポート40の周辺領域をスムースに流れ、低温流体通路3を流れる低温流体の流れが均一化するようになる。その結果、高温流体用接続ポート40の先端部40d,40e及びその周辺領域における乱流が減少し、死水領域が著しく減少する。さらに、高温流体用接続ポート40の外壁面とその周辺領域を流れる低温流体との接触面積(伝熱面積)が増大するため、熱交換効率がよりいっそう向上するようになる。
なお、高温流体用接続ポート40の外壁面は、低温流体の流れ方向に短軸が設けられた断面略楕円形状であってもよく(a1>b1)、あるいは上流側又は下流側のみ断面略楕円形状(断面略半楕円形状)であってもよい。
以上の構成によれば、いずれも高温流体用接続ポート40の周辺領域における低温流体による乱流の発生を防止し、高温流体用接続ポート40の周辺領域に形成される死水域を減少させることができるようになる。このため、熱交換効率の低下を防止することが可能となり(乱流部約5%の有効伝熱面積の確保に成功し、冷却性能が約3%向上)、その結果、プレート5a,5bの冷却不足による局部的な熱応力の発生を抑制して、プレート5a,5bの破損や亀裂等を未然に防ぐこともできるようになる。
===第二実施形態===
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプBの内燃機関用の積層型熱交換器(以下、「タイプB1」という。)である。この内燃機関用の積層型熱交換器1は、複数のプレート5が積層されて構成されており、これらの上下プレート5間には、内燃機関から供給された高温流体が流れる高温流体通路2と、プレートの長手方向に平行に低温流体が流れる低温流体通路3とが交互に積層配置されており、プレート5の長手方向両端側に長手方向と平行に設けられる高温流体通路2に連通する高温流体連通路4と、高温流体連通路4の外側両端に高温流体連通路4と直列に設けられる低温流体通路3に連通する低温流体連通路6と、低温流体通路3を構成する上下プレート5間に接続して設けられる高温流体連通路4が形成された高温流体用接続ポート41と、高温流体通路2を構成する上下プレート5間に接続して設けられる低温流体連通路6が形成された低温流体用接続ポート60とを備えている(図示せず)。なお、説明の便宜上、第一実施形態と同一又は類似箇所には同一符号を付し、異なる箇所及び新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付している。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプBの内燃機関用の積層型熱交換器(以下、「タイプB1」という。)である。この内燃機関用の積層型熱交換器1は、複数のプレート5が積層されて構成されており、これらの上下プレート5間には、内燃機関から供給された高温流体が流れる高温流体通路2と、プレートの長手方向に平行に低温流体が流れる低温流体通路3とが交互に積層配置されており、プレート5の長手方向両端側に長手方向と平行に設けられる高温流体通路2に連通する高温流体連通路4と、高温流体連通路4の外側両端に高温流体連通路4と直列に設けられる低温流体通路3に連通する低温流体連通路6と、低温流体通路3を構成する上下プレート5間に接続して設けられる高温流体連通路4が形成された高温流体用接続ポート41と、高温流体通路2を構成する上下プレート5間に接続して設けられる低温流体連通路6が形成された低温流体用接続ポート60とを備えている(図示せず)。なお、説明の便宜上、第一実施形態と同一又は類似箇所には同一符号を付し、異なる箇所及び新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付している。
図2は、高温流体用接続ポート41の周辺における低温流体の流れを示す平面図である。
図2に示すように、高温流体用接続ポート41及び低温流体用接続ポート60は、各々、低温流体路3の上流側及び下流側の二箇所に、低温流体の流れに沿って同一の平行線上に設けられており、高温流体用接続ポート41は、両端の低温流体用接続ポート60で挟まれる内側領域の長手方向両端側に配置されている。
上記構成の本発明において、上流側の高温流体用接続ポート41の外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って下流側に直線的に延設されており、且つ次第に収束する先端部41aを形成している(下流側断面略三角形状)。また、下流側の高温流体用接続ポート41の外壁面は、低温流体の流れ方向に対向して上流側に直線的に延設されており、且つ次第に収束する先端部41bを形成している(上流側断面略逆三角形状)。一方、高温流体用接続ポート41の内壁面は、高温流体用接続ポート41の外壁面と同様の形状であるが、高温流体連通路4を形成し得るような形状であれば、高温流体用接続ポート41の外壁面と異なる形状(例えば、断面円形状)であってもよい。
ところで、高温流体用接続ポート41の外壁面は、第一実施形態と同様、低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は低温流体の流れ方向に対向して上流側に曲面的に延設され、且つ次第に収束する先端部を形成するものであってもよい(図示せず。但し図1C参照)。かかる高温流体用接続ポート41の外壁面としては、両面又は一面のみが緩やかな凹曲面又は凸曲面で構成されたものがあり、例えば、低温流体の流れ方向に沿って下流側に流線形状に延設され、且つ次第に収束して鋭角をなす先端部を形成したもの(図1C(a)参照)や、低温流体の流れ方向に長軸が設けられた断面略楕円形状であるもの(図1C(b)参照)等が挙げられる。
以上の構成によれば、第一実施形態と同様、高温流体用接続ポート41の周辺領域における低温流体による乱流の発生を防止し、高温流体用接続ポート41の周辺領域に形成される死水域を減少させることができるようになる。このため、熱交換効率の低下を防止することが可能となり、その結果、プレート5の冷却不足による局部的な熱応力の発生を抑制して、プレート5の破損や亀裂等を未然に防ぐこともできるようになる。
===第三実施形態===
さらに、本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプBの内燃機関用の積層型熱交換器(以下、「タイプB2」という。)である。この内燃機関用の積層型熱交換器1は、複数のプレート5が積層されて構成されており、これらの上下プレート5間には、内燃機関から供給された高温流体が流れる高温流体通路2と、高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路3とが交互に積層配置されており、プレート5の一方の対角部位に各々設けられる高温流体通路2に連通する高温流体連通路4と、プレート5の他方の対角部位に各々設けられる低温流体通路3に連通する低温流体連通路6と、低温流体通路3を構成する上下プレート5間に接続して設けられる高温流体連通路4が形成された高温流体用接続ポート42と、高温流体通路2を構成する上下プレート5間に接続して設けられる低温流体連通路6が形成された低温流体用接続ポート60とを備えている(図示せず)。なお、説明の便宜上、第一実施形態及び第二実施形態と同一又は類似箇所には同一符号を付し、異なる箇所及び新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付している。
さらに、本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態における内燃機関用の積層型熱交換器1は、上記したタイプBの内燃機関用の積層型熱交換器(以下、「タイプB2」という。)である。この内燃機関用の積層型熱交換器1は、複数のプレート5が積層されて構成されており、これらの上下プレート5間には、内燃機関から供給された高温流体が流れる高温流体通路2と、高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路3とが交互に積層配置されており、プレート5の一方の対角部位に各々設けられる高温流体通路2に連通する高温流体連通路4と、プレート5の他方の対角部位に各々設けられる低温流体通路3に連通する低温流体連通路6と、低温流体通路3を構成する上下プレート5間に接続して設けられる高温流体連通路4が形成された高温流体用接続ポート42と、高温流体通路2を構成する上下プレート5間に接続して設けられる低温流体連通路6が形成された低温流体用接続ポート60とを備えている(図示せず)。なお、説明の便宜上、第一実施形態及び第二実施形態と同一又は類似箇所には同一符号を付し、異なる箇所及び新たに付加される箇所にのみ新たな符号を付している。
上記構成の本発明において、高温流体用接続ポート42の外壁面は、低温流体の流れ方向に沿って上流側に延設されているとともに、低温流体の流れに対向して下流側に延設されており、且つ次第に収束する先端部42a,42bを形成している(いわゆる「変形涙滴型ポート」ともいう)。なお、本発明における高温流体用接続ポートの外壁面は、必ずしも上流側及び下流側の双方に延設されたものに限られるものではなく、上流側又は下流側のいずれか一方に延設されているものであってもよい。
図3は、高温流体用接続ポート42の周辺における低温流体の流れを示す平面図である。
図3に示すように、タイプB2の内燃機関用の積層型熱交換器1において、低温流体用接続ポート60の一方から流入した低温流体は、対角部位にある他方の低温流体用接続ポート60から流出するまでの間に、高温流体用接続ポート42の上流側及び下流側の外壁面の抵抗を受けるため、その外壁面の周辺領域に死水域が形成されやすい。
しかしながら、高温流体用接続ポート42の外壁面は、低温流体の流れを形成する主流側の流線に沿うように延設されており、且つ上流側及び下流側に次第に収束する先端部42a,42bを形成している。このため、低温流体は高温流体用接続ポート42の外壁面に沿って滑らかに流れるようになっており、先端部42a,42b及びその周辺領域には死水域が形成されにくい。また、低温流体の流れが高圧である場合にも、高温流体用接続ポート42の外壁面によって通流抵抗を低減させることができるため、圧損低減を図り容易に変形してしまうことがないような構造となっている。なお、高温流体用接続ポート42の外壁面は、図3に示すような形態に限られるものではなく、例えば、低温流体の流れ方向に沿って上流側及び下流側に円弧状に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成するような形態であってもよい。
以上の構成によれば、高温流体用接続ポート42の周辺領域における低温流体の乱流を防止し、高温流体用接続ポート42の周辺領域に形成される死水域を減少させることができるようになる。このため、熱交換効率の低下を防止することが可能となり、その結果、プレート5の冷却不足による局部的な熱応力の発生を抑制して、プレート5の破損や亀裂等を未然に防ぐこともできるようになる。
1 内燃機関用の積層型熱交換器
2 高温流体通路
3 低温流体通路
4 高温流体連通路
5(5a,5b) プレート
6 低温流体連通路
7 フィン
11 コアケーシング
40 高温流体用接続ポート
41,42 高温流体用接続ポート
60 低温流体用接続ポート
2 高温流体通路
3 低温流体通路
4 高温流体連通路
5(5a,5b) プレート
6 低温流体連通路
7 フィン
11 コアケーシング
40 高温流体用接続ポート
41,42 高温流体用接続ポート
60 低温流体用接続ポート
Claims (6)
- 複数のプレートが積層されて構成され、前記プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、前記高温流体との間で熱交換する低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、これらの流体通路のうち少なくとも一方の流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、他方の流体通路に連通する流体連通路が形成された接続ポートが設けられた積層型熱交換器であって、
前記接続ポートの外壁面は、
直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする積層型熱交換器。 - 複数のプレートが積層されて構成され、前記プレート間に、内燃機関から供給される高温流体が流れる高温流体通路と、前記プレートの長手方向と平行に低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、前記低温流体通路には、その上下のプレート間を接続すると共に、前記高温流体通路に連通する高温流体連通路が形成された高温流体用接続ポートが設けられた内燃機関用の積層型熱交換器であって、
前記高温流体用接続ポートの外壁面は、
前記低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は前記低温流体の流れ方向に対向して上流側に、直線的又は曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする積層型熱交換器。 - 前記高温流体用接続ポートの外壁面は、
前記低温流体の流れ方向に沿って下流側に流線形状に延設され、且つ次第に収束して鋭角をなす先端部を形成していることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用の積層型熱交換器。 - 前記高温流体用接続ポートの外壁面は、
前記低温流体の流れ方向に長軸が設けられた断面略楕円形状であることを特徴とする請求項2に記載の積層型熱交換器。 - 前記楕円は、
短軸の長さをa、長軸の長さをbとして、下記数式(1)の関係にあることを特徴とする請求項4に記載の積層型熱交換器。
a<0.8×b……数式(1) - 複数のプレートが積層されて構成され、前記プレート間に、高温流体が流れる高温流体通路と、前記プレートの対角線方向に低温流体が流れる低温流体通路とが交互に積層配置されており、前記プレートの一方の対角部位に各々設けられる前記高温流体通路に連通する高温流体連通路と、前記プレートの他方の対角部位に各々設けられる前記低温流体通路に連通する低温流体連通路と、前記低温流体通路を構成する上下プレート間に接続して設けられる前記高温流体連通路が形成された高温流体用接続ポートと、前記高温流体通路を構成する上下プレート間に接続して設けられる前記低温流体連通路が形成された低温流体用接続ポートと、を備えた内燃機関用の積層型熱交換器であって、
前記高温流体用接続ポートの外壁面は、
前記低温流体の流れ方向に沿って下流側に、及び/又は前記低温流体の流れ方向に対向して上流側に、曲面的に延設されており、且つ次第に収束する先端部を形成していることを特徴とする積層型熱交換器。
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