JP2006144870A - 燃料カートリッジおよびこれを用いた燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料を内部に収納する燃料カートリッジを高温保存した際に、燃料が燃料カートリッジ外へ漏洩してしまうという課題があった。
【解決手段】燃料カートリッジ内部に、燃料を収納する燃料タンクと、燃料を触媒燃焼する触媒燃焼部と、燃料タンクから燃料カートリッジ外部へ燃料を供給する第1の燃料供給管と、第1の燃料供給管に配置された第1の弁と、燃料タンクから触媒燃焼部へ燃料を供給する第2の燃料供給管と、第2の燃料供給管に配置された第2の弁と、を有しており、第2の弁は、燃料タンクの圧力が一定値以上の値に上昇すると開放する弁であること、を特徴とする燃料カートリッジを提供する。これにより、高温保存しても燃料の漏洩の無い安全性の高い燃料カートリッジを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を内部に収納し、持ち運ぶことができる燃料カートリッジ、およびそれを用いた燃料電池システムに関するものである。
燃料電池システムは、燃料と発電部とからなる発電デバイスであり、その高いエネルギー密度、静粛性、環境に優しい、といった特徴から、有望なポータブル電源として期待されている。
燃料電池システムを用いたポータブル電源は、電力が必要な時に燃料を供給すればいつでも発電することができる、という特徴を有しており、二次電池のように充電をする手間を省くことができるという点で魅力的である。
燃料電池システムへの燃料の追加は、燃料を内部に収納する燃料収納容器を取り外して持ち歩くことが可能な燃料カートリッジとすることにより、簡易に行うことができる。燃料が無くなれば、空になった燃料カートリッジを取り外し、新しい燃料カートリッジを燃料電池システムに取り付けることにより、燃料の供給が可能となり、発電することができる。
これらの燃料カートリッジには、燃料の漏洩防止対策を十分に施しておく必要がある。なぜなら、燃料電池に用いられる燃料としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン、トリオキサン等のメトキシ基含有化合物、鎖状あるいは環状アルカン等の炭化水素燃料、あるいは、水素吸蔵合金に代表される金属水素化物、シクロヘキサンやデカリンおよびカーボンナノチューブ等の水素吸蔵材料、水素化ホウ素ナトリウムや水素化リチウムアルミニウム等の金属水素錯化合物、水素ガス等の各種燃料が使用可能であるが、これらの多くは可燃性あるいは毒性を有しているからである。したがって、これら燃料がカートリッジ外へ漏洩することを防止する対策を十分に施すことは非常に重要性が高い。
従来の燃料漏洩防止対策を施した燃料カートリッジとしては、例えば燃料の流動性を抑制することによって漏洩を抑制するという目的で、燃料をゲル化させるようなゲル化剤、あるいは燃料を吸着させる燃料吸着剤を燃料カートリッジ内に設けるということが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、燃料が例えば水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化リチウムアルミニウムのような金属水素錯化合物である場合には、金属水素錯化合物と化学反応を起こすことにより、これら燃料を消費する、例えばケトンなどの化学物質を燃料カートリッジ内に設けるということも開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−152765号公報
しかしながら、従来の燃料漏洩防止対策として、ゲル化剤あるいは吸着剤による燃料の流動性抑制による漏洩抑制が開示されているが、これらゲル化剤あるいは吸着剤により流動性を失った燃料は、高温に曝された場合には流動性を回復し、揮発してカートリッジ外へ漏洩する可能性がある。
また、燃料が金属水素錯化合物である場合には、ケトン等の化学物質との反応により燃料を消費することが開示されているが、この場合、燃料との反応により可燃物であるアルコールが生成する。従って、高温に曝された場合には生成したアルコールが揮発し、カートリッジ外へ漏洩する可能性がある。
使用条件を考慮すると、燃料カートリッジは高温下で放置されることを想定しておく必要が有るが、従来例による燃料漏洩防止対策では、燃料等の可燃性あるいは毒性可能性のある化学物質がカートリッジ外へ漏洩することを無くすことは困難である。
高温放置の際の燃料カートリッジからの燃料漏洩の可能性について、以下に具体例を挙げて説明する。
炎天下、車のダッシュボードの上に放置された場合などを想定すると、カートリッジ温度は80℃程度まで上昇しうる。80℃における各種燃料の蒸気圧を25℃の蒸気圧と比較し、(表1)に示す。
Figure 2006144870
(表1)に示すように、各種燃料は80℃環境下で放置されると、蒸気圧がおよそ4倍から10倍に増大することがわかる。このように、高温時には燃料の蒸気圧が増大するため、従来例のような燃料の流動性を低下させるだけでは、カートリッジ外への漏洩を完全に無くすことは非常に困難であることがわかる。実際に、活性炭等の吸着剤にアルコールを吸着させても、高温にすればアルコールが気化して出てくることがわかっている。また、吸水性の高分子にアルコールを吸収させた場合も同様である。
高温保存時の燃料蒸気圧の上昇により、燃料タンクから燃料が漏洩したり、もしくは燃料タンクが破裂したりする危険性もあると考えられることから、こうした危険性を回避するために、より一層の燃料漏洩防止対策を燃料カートリッジに施す必要がある。
前記従来の課題を解決するために、燃料を内部に収容し、持ち運ぶことが可能な本発明の燃料カートリッジは、燃料カートリッジ内部に燃料を収納する燃料タンクと、燃料を触媒燃焼する触媒燃焼部と、燃料タンクから燃料カートリッジ外部へ燃料を供給する第1の燃料供給管および第1の燃料供給管に配置された第1の弁と、燃料タンクから触媒燃焼部へ燃料を供給する第2の燃料供給管および第2の燃料供給管に配置された第2の弁とを有しており、第2の弁は燃料タンクの圧力が一定値以上の値に上昇すると開放する弁であるという構成の燃料カートリッジを提供するものである。
使用する燃料としては、アルコール類、エーテル類、メトキシ基含有化合物、炭化水素燃料、金属水素化物、水素吸蔵材料、金属水素錯化合物、および水素ガスからなる群より選択された少なくとも1種の化合物を含む燃料であることが好ましい。
また、前記第2の弁は、ゴムやバネなど弾性体の弾性力を利用した圧力開放弁であっても良い。特に、使用する燃料の蒸気圧が高い場合に、本構成の圧力開放弁が有効である。本構成の圧力開放弁は消費電力を必要とせず、弁の簡易化かつ小型化が可能となるからである。
また、前記第2の弁は、気液分離膜を利用した圧力開放弁であっても良い。特に、使用する燃料の蒸気圧が低い場合に、本構成の圧力開放弁が有効である。また、本構成の圧力開放弁は消費電力を必要とせず、弁の簡易化かつ小型化が可能となるからである。
また、燃料の温度上昇を抑制する温度上昇抑制部を備えていても良い。高温時の燃料漏洩の根本原因となる燃料の温度上昇を抑制することができるためである。温度上昇抑制部としては、断熱材や冷却材を用いることができる。また、冷却材としては、化学反応による吸熱を利用した冷却材が好適に用いられる。これらの温度上昇抑制部は消費電力を必要とせず、燃料カートリッジの簡易化かつ小型化を可能とすることができる。
また、燃料カートリッジ内の燃料を使用して発電する燃料電池システムから生じる排ガスを、燃料カートリッジ内の触媒燃焼部に導入する排ガス導入管と、排ガス導入管に配置された第3の弁とを備えており、第3の弁が燃料電池システムの運転時に開放することを特徴とする燃料カートリッジとすることも有効である。燃料電池発電部において生成する排ガスも触媒燃焼部において燃焼処理し、安全な状態で電池外へ排出することが出来るからである。
本発明の燃料カートリッジを接続して発電することのできる燃料電池システムは、燃料電池発電部および燃料カートリッジのそれぞれに別個の触媒燃焼部を設ける必要がなく、燃料カートリッジ内に一つ設けるだけでよいため、燃料電池システムの簡易化かつ小型化を可能とすることができるという点で有効である。
本発明の燃料カートリッジによれば、高温環境下に放置した場合にも、燃料漏洩の危険性を回避することのできる安全性の高い燃料カートリッジを提供することができる。また、本発明の燃料カートリッジを接続することにより発電することができる燃料電池システムは、発電により生成する排ガスを燃料カートリッジ内の触媒燃焼部で燃焼処理することができるので、燃料あるいは燃料酸化副生成物等が漏洩する危険性を回避することができると共に、燃料電池システムの簡易化かつ小型化を可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料カートリッジの概略図である。図1において燃料カートリッジ10は、接続部11を有しており、接続部11を介して燃料電池システム(図示せず)と接続することが出来るようになっている。また、燃料カートリッジ10の内部には、燃料電池システムで使用する燃料を収納する燃料タンク12および燃料を触媒燃焼する触媒燃焼部16が配置されている。燃料タンク12に接続された第1の燃料供給管13は、接続部11まで伸びている。第1の燃料供給管13の途中に配置した第1の弁15を開放することにより、燃料は図中実線矢印の向きに接続部11まで、すなわち燃料電池システムへと供給される。第1の弁15は、燃料電池システムからの開信号や、使用者の操作などによって開くことができる。具体的には、前記第1の弁15は燃料カートリッジ10が燃料電池システムと接続される時に開くことができるものである。
このような弁としては、特に方式に依らず、電気信号により開閉制御が可能な電磁弁や、あるいは機械的に開閉制御が可能な弁を用いることができる。
また、図1中の燃料タンク12と触媒燃焼部16とは、第1の燃料供給管13から分岐した第2の燃料供給管14で接続されており、第2の燃料供給管14の途中に配置した第2の弁17の開放により、燃料は図中点線矢印の向きに触媒燃焼部16へと供給される。第2の弁17は、燃料タンク12および第2の燃料供給管14内の圧力、すなわち、第2の弁17の入口にかかる圧力が上昇し、第2の弁17の入口と出口との圧力差が一定値に達した場合に開く機能を有しており、燃料タンク12および第2の燃料供給管14の内圧が上昇した場合に、燃料タンク12および第2の燃料供給管14内の燃料を触媒燃焼部16に供給することで内部の圧力を低下させ、燃料漏洩の危険性を回避することができる。なお、第2の燃料供給管14は、第1の燃料供給管13から分岐させずに燃料タンク12と触媒燃焼部16とを直接接続しても、同様の効果を得ることができる。
第2の弁17としては、燃料タンク12および第2の燃料供給管14の内圧が一定値に達した場合に開き、一定値を下回った場合に閉じる圧力開放弁を用いることができる。第2の弁17を開放するための圧力閾値としては、燃料の室温での蒸気圧以上の値であって、かつ燃料タンク12および第2の燃料供給管14の耐圧以下の値で設定することができる。ここでいう燃料タンク12および第2の燃料供給管14の耐圧とは、これらの内部から外部へガスリークが起こり始める圧力のことを指す。また、好ましくは燃料の室温での蒸気圧以上の値であって、燃料の80℃での蒸気圧以下の値で設定することが望ましい。
触媒燃焼部16に供給された燃料は、そこで空気吸排気口18から取り込んだ空気中の酸素と反応し、水や二酸化炭素になり、空気吸排気口18から燃料カートリッジ10外部へ、危険性、毒性の全く無い状態で安全に排出される。また、この空気吸排気口18には異物の混入による閉塞等の危険性を回避するために、フィルターを設置しておくことが有効である。フィルターとしては、空気中の塵やごみを除去するダストフィルターとして、繊維からなる織物、綿、多孔質膜などを用いてもよい。さらには必要に応じ、触媒燃焼部16中の触媒を空気中の被毒物質から保護する機能を有するフィルターを用いても良く、この場合は活性炭やその他の吸着剤をフィルターに保持させて用いると良い。
このようなカートリッジにすることにより、例えば高温保存などのような燃料蒸気圧が上昇し、燃料タンク内の内圧が上昇してしまう場合においても、燃料を完全に危険性、毒性の無い状態に転換し、外部へ排出することにより、燃料タンク内の内圧を低下させ、カートリッジ外部への燃料等の可燃性あるいは毒性がある化学物質の漏洩がない、非常に信頼性の高い燃料カートリッジを提供することができる。
触媒燃焼部16および第2の弁17の具体的な構造について、それぞれ以下に図面を用いて説明する。
図2は本実施の形態1における触媒燃焼部16の構造の一例を示す概略図である。図2において触媒燃焼部16は、触媒部26を内包する外装体24からなり、触媒部26は外装体24の内部に一体化された構造となっている。外装体24の一端は第2の燃料供給管14に接続され、他端は開放している。外装体24の側面のうち、触媒部26と接する部分には空気取り入れ用の孔28が空いている。なお、第2の燃料供給管14が外装体26を兼ねても良い。
図2において、円筒多孔質形状の触媒部26は、外装体24とほぼ同径であり、触媒部26を外装体24の内部に入れ、一体化することができる。図2の実線矢印の向きに燃料が触媒部26に到達し、外装体24の側面の孔28から取り込まれた空気中の酸素と触媒部26内で反応し、水や二酸化炭素となり、図中点線矢印の向きに触媒燃焼部16外へ排出される。
触媒部26で用いることのできる触媒は、燃料が酸素と速やかに酸化反応を起こすことのできる触媒であれば何でもよく、白金や、パラジウム、イリジウム等に代表されるような貴金属や、これらの酸化物、あるいは、これらを含んだ合金を用いることができる。取り扱い上の利便性を考えると、アルミナやシリカのような酸化物粒子や多孔質体にこれら触媒を担持させたものが有効である。例えば図2に示すような円筒多孔質構造のセラミックスの表面に触媒金属を担持させた触媒部26は、取り扱いが容易である。なお、図2では円筒形の触媒燃焼部16を示したが、第2の燃料供給管14から供給される燃料が触媒部26に到達する形状であれば、どのような形状であっても構わない。
上述した触媒部26による燃料の酸化燃焼は、吸着剤による燃料の吸着等と比較して、燃料の流動性を抑制するだけではなく、本質的に燃料を安全な状態に転換していることからより安全であると言えるのみならず、小型化の観点からも有効である。なぜなら吸着剤やゲル化剤の場合、燃料の量に比例した量の吸着剤やゲル化剤等の化学物質が必要であるが、本発明の触媒燃焼部は、燃料の量には依存せず、燃料が多量にある場合でも触媒燃焼部は小さくすることが出来ることから、小型化の点からも有効であるという特徴を有する。
次に、本実施の形態1における第2の弁17の構造について説明する。図3−Aは本実施の形態における第2の弁17の構造の一例として、ゴムの圧縮力を利用した弁を示す概略図であり、図3−Bは弁のみを斜め上から見た概略図である。
図3−Aおよび図3−Bにおいて、第2の燃料供給管14の中にゴムの圧縮力を利用した第2の弁17が設置されている。図3−Aにおいて、上板32側の第2の燃料供給管14が触媒燃焼部16に接続されており、下板31側の第2の燃料供給管14が第1の燃料供給管13に接続されている。
第2の弁17は、下板31と上板32と、それらの間にゴム33を挟んだ構造になっている。弁の内側の圧力、すなわち下板31側の圧力が一定値以上の値まで大きくなった場合に、ゴム33が変形し、上板32と下板31との間が押し広げられ、これらの間、あるいはゴムとこれらの間に隙間が生じ、第2の弁17が開放する。第2の弁17が開放することで、弁の内側から弁の外側、すなわち上板32側へ圧力が開放される。開放圧力の閾値は、ゴムの弾性率を変化させることにより、概ね0.3〜2.5MPa程度の圧力範囲で任意に設定することができる。なお、このような構造の圧力開放弁は、弁の内側の圧力が一定値に達した場合に開き、一定値を下回った場合に閉じ、かつ逆止弁としての作用も有し、有効である。
本実施の形態1における第2の弁17の別の形態について説明する。図4−Aは本実施の形態における第2の弁17の構造の一例として、バネの圧縮力を利用した弁を示す概略図であり、図4−Bは弁のみの部品をそれぞれ分け、斜め上から見た概略図である。
図4−Aおよび図4−Bにおいて、第2の燃料供給管14の中にバネの圧縮力を利用した第2の弁17が設置されている。図4−Aにおいて、上板42側の第2の燃料供給管14が触媒燃焼部16に接続されており、下板41側の第2の燃料供給管14が第1の燃料供給管13に接続されている。
第2の弁17は、円筒状の空洞を有する下板41と、上板42とが、その間にOリング43を挟み、バネ45により押さえつけられている構造になっている。下板41は、第2の燃料供給管14の中に固定されている。弁の内側の圧力、すなわち下板41側の圧力が一定値以上の値まで大きくなった場合に、バネ45が図中実線矢印の向きに圧縮されることにより、下板41と上板42との間が押し広げられ、第2の弁17が開く。第2の弁17が開放されることにより、弁の内側から弁の外側すなわち上板42側へ圧力が開放される。開放圧力の閾値は、バネの弾性率を変化させることにより、概ね0.3〜2.5MPa程度の圧力範囲で設定することができる。なお、このような構造の圧力開放弁は、内圧が一定値に達した場合に開き、一定値を下回った場合に閉じ、かつ逆止弁としての作用も有し、有効である。
これらの二つの例で説明した圧力開放弁は、弁の開閉のための閾値が、概ね0.3〜2.5MPa程度であることから、高温時、具体的には80℃程度での燃料蒸気圧がこれらの範囲に入る燃料、したがって蒸気圧の高い燃料に用いた場合に好適である。具体的には、ギ酸メチル、ブタン、ジメチルエーテルのような有機燃料、あるいは水素ガス燃料の場合に好適に用いられる。水素ガスは、圧縮水素以外にも、水素吸蔵合金に代表される金属水素化物、シクロヘキサンやカーボンナノチューブ等の水素吸蔵材料、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素錯化合物等の水素発生燃料でも同様である。
これら2つの例で説明した圧力開放弁以外にも、内部と外部の圧力差が一定値に達した場合に、その圧力差を緩和するように開放する弁であればよく、これらの例以外にも、圧力センサを用いる圧力開放弁であってもよい。具体的には、弁の内側の圧力を圧力センサで検知し、該圧力センサの表示値が一定値に達した場合に弁が開放し、一定値を下回った場合に弁が閉じるように制御することができる。
本実施の形態1において示した燃料カートリッジにより、例えば高温環境下での保存などにより燃料蒸気圧が上昇し、燃料タンク内の内圧が上昇してしまう場合においても、燃料を完全に危険性、毒性の無い状態に転換し、外部へ排出することにより、燃料タンク内の内圧を低下させ、カートリッジ外部への燃料の漏洩がない非常に安全かつ信頼性の高い燃料カートリッジを提供することができる。
(実施の形態2)
本発明における実施の形態2の燃料カートリッジは、圧力開放弁である第2の弁17以外は実施の形態1と同じ構成であるため、気液分離膜を利用した第2の弁17についてのみ図面を用いて説明する。
図5−Aは本実施の形態における第2の弁17の構造の一例として、気液分離膜を利用した弁を示す概略図であり、図5−Bは弁のみを斜め上から見た概略図である。
図5−Aおよび図5−Bにおいて、第2の燃料供給管14の中に気液分離膜を利用した第2の弁17が設置されている。図5−Aにおいて、上板52側の第2の燃料供給管14が触媒燃焼部16に接続されており、下板51側の第2の燃料供給管14が第1の燃料供給管13に接続されている。
第2の弁17は、下板51と上板52との間に気液分離膜53を挟んだ構造になっており、圧力開放弁の内側、すなわち下板51側と、圧力開放弁の外側、すなわち上板52側とで圧力差が生じた場合に、その圧力差を打ち消すように、下板51側から上板52側へ気体が透過し、圧力を開放する。
気液分離膜53としては、無機膜では、ゼオライトや、多孔質シリカ、多孔質アルミナのようなセラミックスフィルターを用いることができる。また、有機膜では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPVdF(ポリフッ化ビニリデン)等に代表されるフッ素樹脂、あるいはニトロセルロースやポリイミドなどの炭化水素樹脂からなる多孔質膜を用いることができる。
これらの気液分離膜53を用いた弁は、実施の形態1で説明した一定の圧力閾値に達した場合に初めて開く弁とは機能が異なる。これらの気液分離膜53は貫通孔が開いており、多孔質膜となっている。多孔質膜の内側と外側に圧力差が生じた場合に、その圧力差を打ち消すようにガスが多孔質膜を通過していき、圧力差がなくなるか、もしくは非常に小さくなった際にガスの通過が止まる。したがって、このような弁を用いることのできる燃料は、室温での蒸気圧が0.1MPa以下の燃料の場合であり、例えばメタノールやエタノールやプロパノールのような室温で液体である燃料の場合に好適に用いられる。
また、燃料が気化した燃料蒸気は通過して構わないが、燃料液体そのものの通過は望ましくない。これは、多孔質膜の孔を閉塞してしまう危険性があるためである。したがって、多孔質膜は、燃料の液体状態での透過が起こらないように、燃料液体に対する親和性の低い表面を有することが望ましい。具体的には、多孔質膜の表面はフッ素樹脂コートなどが施されていることが望ましい。
また、気液分離膜53としては無機や有機の多孔質膜を例として挙げたが、これ以外にも特定のガスのみを選択的に透過させる選択透過膜も利用可能である。具体的には、Pd膜や、AgPd膜などの緻密質の水素選択透過膜が用いられうる。燃料タンク内部の水素圧力が増大した際に、水素は膜を透過し、触媒燃焼部16に導入され、燃料タンク内部の圧力を低下させる。この際に用いられる燃料としては、圧縮水素ガス以外にも、水素吸蔵合金に代表される金属水素化物、シクロヘキサンやカーボンナノチューブ等の水素吸蔵材料、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素錯化合物等の水素発生燃料でも同様である。
(実施の形態3)
本発明における実施の形態3の燃料カートリッジ10は、燃料タンク12の周囲に温度上昇抑制部68を配置した点以外は実施の形態1と同じ構成である。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は本実施の形態における燃料カートリッジの概略図である。図6において、燃料タンク12の周囲に温度上昇抑制部68が配置されている。その他の構成は図1と同じであるので説明は省略する。温度上昇抑制部68を燃料タンク12の周囲に配置する目的は、燃料の温度上昇の防止である。そもそも、燃料カートリッジからの燃料漏洩の危険性は、燃料の温度が上がってしまうことよる燃料の蒸気圧上昇に起因しているため、燃料の温度上昇を防止する温度上昇抑制部68を設置することにより、燃料カートリッジの燃料漏洩防止能力は、より一層高まると考えられる。図6では、燃料タンク12を覆うように燃料温度上昇防止部68を設置しているが、これはもちろん燃料の存在しうる範囲、すなわち燃料タンク12から第1の燃料供給管13、あるいは第2の燃料供給管14まで設置することが有効である。
本実施の形態に用いることのできる温度上昇抑制部68としては、具体的には断熱材などによる周囲との断熱が一例として挙げられる。また、温度上昇抑制部68としては、断熱材以外にも積極的に燃料を冷却する冷却材であってもよいし、あるいはこれらの両方を複合したものであってもよい。これらの両方を複合する場合、冷却材で燃料タンク12や第1の燃料供給管13、第2の燃料供給管14などを覆った外側に断熱材を設けることが有効である。
また、本実施の形態に用いることのできる冷却材としては、化学反応による吸熱反応を利用した冷却材を用いることができる。具体的には、化学物質の固体から液体へ相変化する際の融解熱、液体から気体へ相変化する際の気化熱、あるいは、固体が液体へ溶解する際の溶解熱等の、化学反応による吸熱反応を利用した冷却材が有効である。融解熱あるいは気化熱を利用する場合、それらの相変化温度が、第2の弁17が開き、触媒燃焼部16に燃料が供給され始める温度付近であることが望ましい。
相変化の際の吸熱を利用する冷却材として、例えば融点が59℃である酢酸ナトリウム三水和物は安全性が高く、さらに加熱すると水分を放出して無水塩となるため、前記冷却材として好適に用いることができる。また、融点が40〜65℃程度であるパラフィンなども好適に用いることができる。
固体が液体へ溶解する際の溶解熱を利用する冷却材として、水に溶解する塩化ナトリウムや硝酸アンモニウム等の塩を用いることができる。さらにその利用方法としては、例えば溶媒と塩を温度上昇により融解するパラフィン等で隔離しておくことが有効である。この場合、温度上昇時に隔離物であるパラフィンが溶融し、溶媒と塩とが混合し、吸熱反応が起こる。あるいは別の方法としては、圧力上昇により破れるゴムなどを用いて、溶媒と塩とを隔離しておくことが有効である。この場合、燃料蒸気圧の上昇により、隔離物であるゴムが破れ、溶媒と塩とが混合し、吸熱反応が起こる。なお、これらの吸熱反応に用いる化学物質である溶媒や塩が、燃料タンク内に保有する燃料や水であっても良い。
(実施の形態4)
本発明における実施の形態4の燃料カートリッジ10は、触媒燃焼部16に接続された新たな管および弁が存在する点以外は実施の形態1と同じ構成である。以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図7は本実施の形態4における燃料カートリッジの概略図である。図7において、触媒燃焼部16に燃料電池システム(図示せず)に接続された排ガス導入管78と、排ガス導入管78の途中に第3の弁79が配置されている。その他の構成は図1と同じであるので説明は省略する。
排ガス導入管78と第3の弁79とは、燃料電池システムの発電により生成した排ガスを触媒燃焼処理するために触媒燃焼部16へ導入する役割を有する。したがって、第3の弁79は、燃料カートリッジ10が単独で存在している場合には開くことが無く、少なくとも燃料電池システムに接続されており、かつシステムなどからの開信号を受けた場合等に開く弁である。
このような弁としては、特に方式に依らず、電気信号により開閉制御が可能な電磁弁や、あるいは機械的に開閉制御が可能な弁が用いることができる。
また、排ガス導入管78には、燃料電池システムからの燃料排ガス、空気排ガス、あるいはそれらの両方を混合した排ガスが通る管を接続してもよい。
排ガス導入管78および第3の弁79の役割をより詳しく説明するため、燃料カートリッジ10と接続する燃料電池システムの概略図を図8に示す。図8において、燃料は燃料ポンプ82により、燃料導入管83を通って空気極(図示せず)と燃料極(図示せず)と電解質膜(図示せず)とを含む発電部81に供給され、発電により生成した燃料排ガスは燃料排出管84を通って排出される。ここで、燃料導入管83は燃料カートリッジ10を燃料電池システムにセットした際に、燃料カートリッジ10内の第1の燃料供給管13と接続される。一方、空気は空気ポンプ85により発電部81に供給され、発電により生成した空気排ガスは空気排出管86を通って排出される。
燃料排ガス中には未反応の燃料が含まれているため、排出する前に、燃焼処理する必要がある。そこで、燃料排出管84を燃料カートリッジ10内の排ガス導入管78に接続すれば、燃料カートリッジ10内の触媒燃焼部16において処理することができ、燃料電池システム内に別途燃焼部あるいは処理部を設ける必要が無くなり、システムの小型化に寄与することができる。
また、空気排出管86を通って排出される空気排ガスにも、燃料あるいは燃料酸化副生成物が混入する可能性がある。発電部81内を燃料がリークして空気極に達する場合があるからである。したがって、空気排ガスも、排出する前に、燃焼処理をすることが有効である。そこで、空気排出管86を燃料カートリッジ10内の排ガス導入管78に接続すれば、燃料カートリッジ10内の触媒燃焼部16において処理することができ、燃料電池システム内に別途燃焼部あるいは処理部を設ける必要が無くなり、システムの小型化に寄与することができる。また、空気排ガスには、未反応の酸素も多量に含まれており、これを燃料カートリッジ10内の触媒燃焼部16に導入することは、触媒燃焼部16へ酸素を供給することになり、燃料の燃焼能力が増し、効率良く触媒燃焼することができる。
燃料電池システムからの燃料排ガスおよび空気排ガスの両方を燃料カートリッジ10内の触媒燃焼部16に導入する場合、これらの排出管を1本にまとめて、排ガス導入管78に接続してもよいし、または、触媒燃焼部16への排ガス導入管を2本にして、それぞれ別の管のままで、触媒燃焼部16へ供給してもよい。
本実施の形態における燃料電池システムでは、燃料を発電部81に供給した後、未利用燃料を含んだ排ガスを直接触媒燃焼部16に導入する例を示したが、燃料排ガスから未利用燃料と排ガスとを分離し、未利用燃料を再度発電部81へ戻し、排ガスのみを触媒燃焼部16に戻すことが出来るような分離部を有していても構わない。また、本実施の形態4では、燃料供給にポンプを一例として用いたが、これは弁であってもよいし、あるいは液体燃料の場合にはウィックのような吸い上げ部材であってもよく、いずれでも構わない。空気極で用いたポンプも同様で、これはファンであっても良いし、もしくは、供給機構が何も無く、ただ空気が自然拡散できるように孔が空いているだけでも構わない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
本実施例1においては、実施の形態1で説明した構成の燃料カートリッジであって、図1記載の構成の燃料カートリッジを作製した。
燃料タンクには、ステンレスボトルを用い、燃料供給管には、内部に針金の入った樹脂ホースを用いた。第1の燃料供給管を2つに分岐させて第2の燃料供給管を配置し、第1の燃料供給管を第1の弁である二方コックで閉じ、第2の燃料供給管には第2の弁としての圧力開放弁を配置し、触媒燃焼部と接続した。圧力開放弁としては、図3−Aに示す弾性体の圧縮力を利用した圧力開放弁を用いた。圧力開放弁に用いる弾性体としてエチレン―プロピレン共重合体(EPDM)を用いた弁を用い、弁の圧力開放閾値は0.8MPaとした。
触媒燃焼部としては、目の大きさが約1mm角のアルミナ−シリカ系のハニカム状押し出し成形品を骨格構造体とした直径15mm、厚さ10mmのものを用い、その表面にディップ法により白金/アルミナ系の触媒を担持させた触媒部を、内径15mmのステンレス製の筒からなる外装体に入れて用いた。外装体の側面には、直径1mmの孔を多数あけ、触媒部へ空気が流入できるようにした。
また、燃料タンクの中には、燃料として液化ガスであるブタンを10ml入れた。
触媒燃焼部、燃料タンク、第1の燃料供給管、第2の燃料供給管、そしてこれら2つの燃料供給管に接続される2つの弁を全て含むようにポリプロピレン製の外装ケースに入れ、燃料カートリッジを作製した。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、燃料タンクの温度は80℃になっていたものの、可燃性ガスの漏洩は全く確認されなかった。
(実施例2)
本実施例の燃料カートリッジは、第2の弁である圧力開放弁としては、図4−Aに示す弾性体としてステンレス製のバネを用いた弁を用い、弁の圧力開放閾値は1.8MPaとしたこと以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。また、燃料タンクの中には、燃料として液化ガスであるジメチルエーテルを10ml入れた。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、燃料タンクの温度は80℃になっていたものの、可燃性ガスの漏洩は全く確認されなかった。
(実施例3)
本実施例の燃料カートリッジは、第2の弁である圧力開放弁としては、図5−Aに示す気液分離膜を用いる弁としたこと以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。
気液分離膜としては、フッ素系FEP樹脂膜(膜厚25μm、平均孔径0.1μm)を用いた。また、燃料タンクの中には、燃料としてメタノールを10ml入れた。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、燃料タンクの温度は80℃になっていたものの、可燃性ガスの漏洩は全く確認されなかった。
(実施例4)
本実施例の燃料カートリッジは、燃料タンクと第1および第2の燃料供給管とをガラスウール断熱材で包んだこと以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。また、燃料タンクの中には、燃料として液化ガスであるブタンを10ml入れた。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、燃料タンクの温度は80℃になっていたものの、可燃性ガスの漏洩は全く確認されなかった。
(実施例5)
本実施例の燃料カートリッジは、燃料タンクと第1および第2の燃料供給管とをガラスウール断熱材で包み、断熱材と燃料タンクとの間に冷却材を配置したこと以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。冷却材としては、酢酸ナトリウム三水和物5mlを用いた。また、燃料タンクの中には、燃料として液化ガスであるブタンを10ml入れた。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、可燃性ガスの漏洩は全く確認されなかった。また、燃料タンクの温度は3時間後には80℃にはなったものの、恒温槽設置後1時間半までは60℃で保持していた。
(比較例1)
本比較例の燃料カートリッジは、圧力開放弁および触媒燃焼部を設置せず、その代わりに燃料吸着部として、活性炭10mlの吸着剤を設置したこと以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。また、燃料タンクの中には、燃料としてジメチルエーテルを10ml入れた。
このようにして作製した燃料カートリッジを、80℃恒温層の中に3時間設置し、恒温層のダンパー付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。また、燃料タンクの温度を測定するために、燃料タンクに接するように、燃料カートリッジ内部に熱電対を配置した。
その結果、燃料タンクの温度は80℃であり、濃度3%の可燃性ガスが確認され、燃料が漏洩していることが確認された。
(実施例6)
本実施例においては、実施の形態4で説明した構成の燃料カートリッジおよび燃料電池システムを作製した。
本実施例の燃料カートリッジは、下記の点以外は、実施例1で説明した燃料カートリッジと同じ構成とした。
第2の弁である圧力開放弁として、気液分離膜であるフッ素系FEP樹脂膜(膜厚25μm、平均孔径0.1μm)を用いた。また、燃料タンクの中には、燃料として64重量%のメタノール水溶液10mlを入れた。また、燃料電池システムからの排ガスを燃料カートリッジ内の触媒燃焼部へ導入する排ガス導入管および第3の弁を設置した。第3の弁は手動式の開閉弁とした。燃料電池システム内では、燃料極での排ガスを排出する燃料排出管、および空気極での排ガスを排出する空気排出管を接合して1本の管とし、燃料カートリッジ内の排ガス導入管に接続した。
燃料電池システム内の発電部には、電極面積20cmの素電池を5セル積層し、出力が約3Wのものを用いた。燃料の供給にはポンプを用い、0.1ml/分で供給した。また、空気の供給にはブロアーを用い、500ml/分で供給した。
燃料電池システムの発電開始と同時に、燃料電池システムからの排ガスを燃料カートリッジ内の触媒燃焼部へ導入する排ガス導入管に設置した第3の弁を開いた。
このようにして作製した燃料電池システムに対して、燃料カートリッジの空気吸排気口付近に、接触燃焼方式の可燃性ガスセンサを設置して、可燃性ガスの漏洩の有無を調査した。
その結果、可燃性ガスの漏洩は確認されず、また、燃料電池システムはほぼ3Wの出力で95分間安定して発電することが出来た。
本発明にかかる燃料カートリッジは燃料電池用の燃料カートリッジとして、特に有用である。また、このような燃料カートリッジの用途はこの限りではなく、内部に液体あるいは気体を収納する必要のある、液体あるいは気体の収納容器において利用可能である。
具体的な用途としては、ガスコンロなどの調理器具用途、あるいはランプ等の照明器具用途、あるいは石油ストーブ等の暖房器具用途など、その他の産業分野において利用可能である。
本発明の実施の形態1における燃料カートリッジの概略図 本発明の実施の形態1における触媒燃焼部の概略図 本発明の実施の形態1における圧力開放弁の概略図 本発明の実施の形態1における圧力開放弁を斜め上方より見た概略図 本発明の実施の形態1における圧力開放弁の概略図 本発明の実施の形態1における圧力開放弁を斜め上方より見た概略図 本発明の実施の形態2における圧力開放弁の概略図 本発明の実施の形態2における圧力開放弁を斜め上方より見た概略図 本発明の実施の形態3における燃料カートリッジの概略図 本発明の実施の形態4における燃料カートリッジの概略図 本発明の実施の形態4における燃料電池システムの概略図
符号の説明
10 燃料カートリッジ
11 接続部
12 燃料タンク
13 第1の燃料供給管
14 第2の燃料供給管
15 第1の弁
16 触媒燃焼部
17 第2の弁
18 空気吸排気口
24 外装体
26 触媒部
28 孔
31,41,51 下板
32,42,52 上板
33 ゴム
43 Oリング
45 バネ
53 気液分離膜
68 温度上昇抑制部
78 排ガス導入管
79 第3の弁
81 発電部
82 燃料ポンプ
83 燃料導入管
84 燃料排出管
85 空気ポンプ
86 空気排出管

Claims (11)

  1. 燃料を内部に収容する燃料カートリッジであって、
    前記燃料カートリッジ内部に前記燃料を収納する燃料タンクと、前記燃料を触媒燃焼する触媒燃焼部と、前記燃料タンクから前記燃料カートリッジ外部へ前記燃料を供給する第1の燃料供給管と、前記第1の燃料供給管に配置された第1の弁と、前記燃料タンクから前記触媒燃焼部へ前記燃料を供給する第2の燃料供給管と、前記第2の燃料供給管に配置された第2の弁と、を有しており、
    前記第2の弁は、前記燃料タンクの圧力が一定値以上の値に上昇すると開放する弁であること、を特徴とする燃料カートリッジ。
  2. 前記触媒燃焼部に空気を吸排気する空気吸排気口を備えたこと、を特徴とする請求項1に記載の燃料カートリッジ。
  3. 前記空気吸排気口にフィルターを備えたこと、を特徴とする請求項2に記載の燃料カートリッジ。
  4. 前記第2の弁が、弾性体の弾性力を利用した圧力開放弁であること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料カートリッジ。
  5. 前記第2の弁が、気液分離膜を利用した圧力開放弁であること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料カートリッジ。
  6. 前記燃料の温度上昇を抑制する温度上昇抑制部を備えたこと、を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料カートリッジ。
  7. 前記温度上昇抑制部は断熱材からなること、を特徴とする請求項6に記載の燃料カートリッジ。
  8. 前記温度上昇抑制部は冷却材からなること、を特徴とする請求項6に記載の燃料カートリッジ。
  9. 前記燃料を使用して発電する燃料電池システムから生じる排ガスを、前記触媒燃焼部に導入する排ガス導入管と、前記排ガス導入管に配置された第3の弁とを備えており、
    前記第3の弁は、前記燃料電池システムの運転時に開放すること、を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の燃料カートリッジ。
  10. 前記燃料がアルコール類、エーテル類、メトキシ基含有化合物、炭化水素燃料、金属水素化物、水素吸蔵材料、金属水素錯化合物、および水素ガスからなる群より選択された少なくとも1種の化合物を含む燃料であること、を特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の燃料カートリッジ。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の燃料カートリッジを接続して発電する燃料電池システム。
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