JP2006144746A - 熱音響エンジンおよびその制御方法 - Google Patents

熱音響エンジンおよびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 内燃機関の排熱を回収するために熱音響エンジンを搭載した従来の車両は、その運転状態によって熱音響エンジンの稼働が停止してしまう場合がある。
【解決手段】 内部が密閉され、作動流体が充填された気柱管12と、この気柱管12内に組み込まれ、作動流体が通過可能な蓄熱器13と、この蓄熱器13の一端面側に介在する作動流体を加熱するための排気ガスを供給する内燃機関11と、蓄熱器13の1端面側に介在する作動流体を冷却するための低温側熱交換器15とを有し、蓄熱器13の両端面間に所定の温度勾配を与えて作動流体に熱音響自励振動を生じさせる本発明の熱音響エンジン10は、排気ガスの温度を検出する排気ガス温度センサ33と、この温度センサ33によって検出される排気ガスの温度が熱音響エンジン10の稼働後に所定温度以下に下がった場合、排気ガスの温度が上昇するように内燃機関11の作動を制御する制御装置28とを具える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気柱管の内部で作動流体の熱音響自励振動を発生させる熱音響エンジンおよびその制御方法に関する。
熱音響エンジンは、熱伝導率の良好なヘリウムやアルゴンなどの作動流体を充填した気柱管内に作動流体が通過可能な蓄熱部を組み込み、この蓄熱部の両端面間に温度勾配を形成して作動流体の熱音響自励振動を発生させるようにしたものであり、それ自体、機械的な可動部を持たないという大きな特徴を有する。発電機や冷凍機への応用が進められている。
この熱音響エンジンにおける熱音響自励振動によって生じた進行波を利用して発電を行う熱音響発電機が特許文献1にて提案されている。この熱音響発電機は、作動流体が通過可能な蓄熱器ならびにこの蓄熱器を挟むように配される加熱部および放熱部の他に、熱音響自励振動によって生じた進行波に応動して発電を行う発電機と、作動流体の圧力振動を任意の周波数で発生させる周波数調整器とを気柱管に接続し、効率の良い発電を行い得るようにしたものである。この周波数調整器は、リニアモータとピストンシリンダとを含み、ピストンシリンダを往復動することによって気柱管内の作動流体に機械的圧力振動を与え、所望の周波数の熱音響自励振動を得ることが可能となる。
一方、熱音響エンジンを利用して内燃機関から排出される排気ガスの排熱を回収するようにした技術が特許文献2に開示されている。この排気熱エネルギー回収装置は、内燃機関の排気浄化用触媒コンバータに接続する共鳴管と、この共鳴管の基端側に設けられた蓄熱器ならびにこの蓄熱器を挟むように配される高温熱交換器および低温熱交換機を含む音波発生部と、共鳴管の末端部に設けられて音波を機械振動に変換し、次いで電気エネルギーに変化するトランスデューサとを具えている。
特開2003―324932号公報 特開2002−122020号公報
特許文献2に開示されているように、内燃機関から排出される排気ガスの排熱を回収するため、この内燃機関と共に熱音響エンジンが搭載された車両においては、内燃機関から排出される排気ガスの温度が車両の運転状態に応じて変化するため、特に低駆動トルクでの定速走行が続くような場合、作動流体の熱音響自励振動が止まって熱音響エンジンの継続的な稼働ができなくなる可能性がある。通常、熱音響エンジンは、作動流体の熱音響自励振動が安定的に始まる稼働開始温度が、作動流体の熱音響自励振動が起こらなくなる稼働停止温度よりも一般的に高く、ヒステリシス現象が見られる。このため、一度熱音響エンジンがストールしてしまうと、その稼働開始温度以上に温度が上昇しない限り、熱音響エンジンの稼働が安定的には再開せず、その間は排熱の有効利用がなされない状態となったままとなってしまう。
このような不具合を防止するためには、特許文献1に開示されたような周波数調整器をさらに組み込み、気柱管内の作動流体に対して強制的な機械的振動を与えることが必要となるが、そのための部品点数およびコストが嵩む欠点を有する。
本発明の目的は、作動流体の熱音響自励振動が意図せず中断するような不具合を容易かつ確実に回避し得る熱音響エンジンおよびその制御方法を提供することにある。
本発明の第1の形態は、内部が密閉され、作動流体が充填された気柱管と、この気柱管内に組み込まれ、前記作動流体が通過可能な蓄熱器と、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体を供給する加熱手段と、前記蓄熱器の他端面側に介在する作動流体を冷却するための冷却手段とを具え、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンであって、前記加熱媒体の温度を検出する温度センサと、この温度センサによって検出される前記加熱媒体の温度が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がった場合、前記加熱媒体の温度が上昇するように前記加熱手段の作動を制御する制御手段とをさらに具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、蓄熱器の一端面側に介在する作動流体が加熱手段から供給される加熱媒体によって加熱され、蓄熱器の他端面側に介在する作動流体が冷却手段から供給される冷却媒体によって冷却される。これによって蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配をもたらし、気柱管内に充填された作動流体に熱音響自励振動を生じさせ、この熱音響自励振動によるエネルギーを電気的に変換したり、あるいは熱的に再変換して外部に取り出す。この熱音響エンジンの作動中に温度センサによって加熱媒体の温度を検出し、これが所定温度以下に下がった場合、加熱媒体の温度が上昇するように加熱手段の作動が制御装置によって制御される。この結果、蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配が与えられ、作動流体の熱音響自励振動が継続して発生することとなる。
本発明の第1の形態による熱音響エンジンにおいて、所定温度は、作動流体の熱音響自励振動が始まる温度よりも低く、かつ熱音響自励振動が停止する温度よりも高い温度であることが好ましい。
本発明の第2の形態は、内部が密閉され、作動流体が充填された気柱管と、この気柱管内に組み込まれ、前記作動流体が通過可能な蓄熱器と、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体を供給する加熱手段と、前記蓄熱器の他端面側に介在する作動流体を冷却するための冷却媒体を供給する冷却手段とを具え、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンであって、前記加熱媒体および前記冷却媒体の温度差を検出する温度差検出手段と、この温度差検出手段によって検出される温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になった場合、前記加熱手段および前記冷却手段の少なくとも一方の作動を制御して前記加熱媒体および前記冷却媒体の温度差を前記所定温度差よりも大きくする制御手段とをさらに具えたことを特徴とするものである。
本発明においても、蓄熱器の一端面側に介在する作動流体が加熱手段から供給される加熱媒体によって加熱され、蓄熱器の他端面側に介在する作動流体が冷却手段から供給される冷却媒体によって冷却される。これによって蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配をもたらし、気柱管内に充填された作動流体に熱音響自励振動を生じさせ、この熱音響自励振動によるエネルギーを電気的に変換したり、あるいは熱的に再変換して外部に取り出す。この熱音響エンジンの作動中に温度差検出手段により加熱媒体および冷却媒体の温度差を検出し、これが所定温度差以下になった場合、加熱手段および冷却手段の少なくとも一方の作動が制御装置によって制御される。この結果、蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配が与えられ、作動流体の熱音響自励振動が継続して発生することとなる。
本発明の第2の形態による熱音響エンジンにおいて、所定温度差は、作動流体の熱音響自励振動が始まる温度差よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度差よりも大きい温度差であることが好ましい。
本発明の第1および第2の形態による熱音響エンジンにおいて、加熱手段が内燃機関を含み、加熱媒体がこの内燃機関から排出される排気ガスであってよい。この場合、制御手段は、内燃機関の点火時期および吸気スロットル弁の開度の少なくとも一方を制御するものであってよい。さらに、冷却媒体が内燃機関を冷却するための冷却水であってよい。
本発明の第3の形態は、作動流体が密閉充填された気柱管内に作動流体が通過可能な蓄熱器を組み込み、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱すると共に他端面側に介在する作動流体を冷却し、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンの制御方法であって、前記作動流体を加熱するための加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったか否かを判定するステップと、前記加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったと判断した場合、前記加熱媒体が前記所定温度以上となるように加熱するステップとを具えたことを特徴とするものである。
本発明の第4の形態は、作動流体が密閉充填された気柱管内に作動流体が通過可能な蓄熱器を組み込み、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱すると共に他端面側に介在する作動流体を冷却し、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンの制御方法であって、前記作動流体を加熱するための加熱媒体および冷却するための冷却媒体の温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったか否かを判定するステップと、前記温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったと判断した場合、前記加熱媒体および前記冷却媒体の少なくとも一方の温度を調整して前記温度差が所定温度差よりも大きくなるように制御するステップとを具えたことを特徴とするものである。
本発明の第4の形態による熱音響エンジンの制御方法において、所定温度差は、作動流体の熱音響自励振動が始まる温度差よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度差よりも大きい温度差であることが好ましい。
本発明の第3のまたは第4の形態による熱音響エンジンの制御方法において、加熱媒体が内燃機関から排出される排気ガスであってよい。この場合、加熱媒体を加熱するステップは、内燃機関の点火時期を遅角側に制御するステップおよび吸気スロットル弁の開度を大きくするように制御するステップの少なくとも一方を含むものであってよい。また、冷却媒体が内燃機関を冷却するための冷却水であってよい。
本発明の第1の形態の熱音響エンジンによると、蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体の温度を検出する温度センサと、この温度センサによって検出される加熱媒体の温度が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がった場合、加熱媒体の温度が上昇するように加熱手段の作動を制御する制御手段とを具えているので、運転中の熱音響エンジンのストールを防止して作動流体の熱音響自励振動を継続的に発生させ続けることができる。
これと同様な効果は、作動流体を加熱するための加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったか否かを判定するステップと、加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったと判断した場合、加熱媒体が所定温度以上となるように加熱するステップとを具えた本発明の第3の形態の熱音響エンジンの制御方法においても得ることができる。
所定温度が、作動流体の熱音響自励振動が始まる温度よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度よりも大きい温度の場合、加熱媒体や冷却媒体に対する制御を最小限に抑え、エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。
本発明の第2の形態の熱音響エンジンによると、蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体および蓄熱器の他端面側に介在する作動流体を冷却するための冷却媒体の温度差を検出する温度差検出手段と、この温度差検出手段によって検出される温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になった場合、加熱手段および冷却手段の少なくとも一方の作動を制御して加熱媒体および冷却媒体の温度差を所定温度差よりも大きくする制御手段とを具えているので、運転中の熱音響エンジンのストールを確実に防止して作動流体の熱音響自励振動を継続的に発生させ続けることができる。
これと同様な効果は、作動流体を加熱するための加熱媒体および冷却するための冷却媒体の温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったか否かを判定するステップと、温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったと判断した場合、加熱媒体および冷却媒体の少なくとも一方の温度を調整して温度差が所定温度差よりも大きくなるように制御するステップとを具えた本発明の第4の形態の熱音響エンジンの制御方法においても得ることができる。
所定温度差が、作動流体の熱音響自励振動が始まる温度差よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度差よりも大きい温度差の場合、加熱媒体や冷却媒体に対する制御を最小限に抑え、エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。
加熱手段が内燃機関を含み、加熱媒体がこの内燃機関から排出される排気ガスの場合、内燃機関の排熱の有効利用が可能となり、車両全体として見た場合のエネルギーの損失をより抑えることができる。特に、制御手段が内燃機関の点火時期および吸気スロットル弁の開度の少なくとも一方を制御する場合、加熱冷媒を加熱するための独立した特別な手段が不要であり、稼働状態の安定した熱音響エンジンを極めて低コストにて実現することができる。しかも、車両の走行中であっても乗員に違和感をほとんど与えることなく、排気ガスの温度を迅速かつ容易に上昇させることができ、熱音響エンジンのストールを確実に防止することが可能である。また、冷却手段が内燃機関を冷却するための冷却水を含む場合、冷却媒体の最高温度を内燃機関側でほぼ一定に維持することができるため、排気ガスの温度のみを制御するだけでより容易に本発明を実施することが可能となる。
本発明による熱音響エンジンを車両に組み込んだ一実施形態について、図1〜図4を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施形態のみに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも当然応用することができる。
本実施形態の概念を図1に示す。すなわち、本実施形態における熱音響エンジン10は内燃機関11からの排熱を利用して発電を行うものであり、内部が密閉され、アルゴンやヘリウムなどの伝熱効率の良い軽量な作動流体が充填された気柱管12と、この気柱管12内に組み込まれ、作動流体が通過可能な蓄熱器13と、この蓄熱器13の一端面側に介在する作動流体を加熱するための内燃機関11の排気ガスが導かれる高温側熱交換器14と、蓄熱器13の他端面側に介在する作動流体を冷却するための内燃機関11の冷却水が導かれる低温側熱交換器15とを具え、蓄熱器13の両端面間に所定の温度勾配を与えて作動流体に熱音響自励振動を生じさせるようになっている。
一方、この熱音響エンジン10を稼働させるための本実施形態の内燃機関11は、ピストン16の往復動に連動して吸気スロットル弁(以下、単にスロットル弁と略称する)17の開度に応じた吸気が吸気管18からサージタンク19を介して吸気弁20により所定のタイミングにて燃焼室21内に吸い込まれ、燃料噴射弁22から燃焼室21内に供給される燃料と混合され、点火プラグ23により点火されて燃焼し、その排気ガスが排気弁24により所定のタイミングにて燃焼室21から排気管25に押し出され、その途中に組み込まれた排気ガス浄化装置26を通過して外部に排出されるものである。本発明の加熱手段および冷却手段としても機能する内燃機関11の構成に関しては、本実施形態に限定されるものではなく、従来から周知の任意の内燃機関を適宜採用することができることは言うまでもない。
点火プラグ23の点火時期は、点火装置27を介して制御装置28により制御され、同様に燃料噴射弁22による燃料の噴射時期およびその噴射量なども制御装置28により制御される。また、本実施形態においては、車両の所定の運転状態において運転者による図示しないアクセルペダルの踏み込み量とは関係なく、スロットル弁17の開度をアクチュエータ29により変えることができるようになっているが、このアクチュエータ29の作動は、制御装置28によって制御される。
円形断面のステンレス鋼などで形成される本実施形態における気柱管12は、ループ管部12aと、このループ管部12aに基端部が接続する共鳴管部12bとを具えているが、当然のことながらこのような構造に限定されるわけではない。上述した蓄熱器13ならびに高温側および低温側熱交換器14,15はループ管部12aの部分に組み込まれている。共鳴管部12bの末端部には、音響波を電気エネルギーに変換する音波−電気変換器30が組み込まれている。この音波−電気変換器30には、音波−電気変換器30から得られる電流を整流すると共にその電圧を一定に変圧する安定化回路31を介して車両に搭載された二次電池32が接続し、この熱音響エンジン10にて得られる電気エネルギーを回収するようにしている。
蓄熱器13は、ループ管部12aの長手方向に沿って延在する多数の開口を有し、ここを作動流体が通過することができるようになっており、セラミックスなどで形成されたハニカム構造体や、ステンレス鋼や銅などで形成された金属網を微小間隔で配列したもの、あるいはステンレス鋼などの金属製繊維を多数絡めた、いわゆる金属ウールなどを採用することができる。
本発明における加熱手段としての高温側熱交換器14には、この熱音響エンジン10と共に搭載された内燃機関11にて発生する高温、例えば500〜600℃程度の排気ガスが排気管25を介して導かれ、蓄熱器13の一端側に介在する作動流体との間で熱交換を行ってこれを加熱する。下流側が排気ガス浄化装置26に連通する排気管25の途中には、この排気管25内を流れる排気ガスの温度を検出するための排気ガス温度センサ33が付設され、その検出信号が車両の制御装置28に出力されるようになっている。
本発明における冷却手段としての低温側熱交換器15には、循環式の冷却水配管34が導かれ、蓄熱器13の他端側に介在する作動流体との間で熱交換を行ってこれを冷却する。低温側熱交換器15に連通する冷却水配管34の途中には、冷却水循環ポンプ35が組み込まれており、この冷却水配管34内の冷却水の水温が所定温度以上になると、車両に組み込まれた図示しないラジエータによって強制冷却され、例えばほぼ120℃以下の温度に保持される。つまり、低温側熱交換器15に供給される冷却水の水温は最高でも約120℃以下となる。この冷却水配管34に組み込まれた冷却水循環ポンプ35と低温側熱交換器15との間の冷却水配管34の途中にも、この冷却水配管34内を流れる冷却水の温度を検出するための冷却水温度センサ36が付設され、その検出信号が制御装置28に出力されるようになっている。
このようにして、蓄熱器13の両端面間に所定の温度勾配(本実施形態では蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTが約380℃以上)を与え、周知の原理によって共鳴管部12b内に充填された作動流体に熱音響自励振動を起こさせる。内燃機関11を始動して熱音響エンジン10を稼働させた場合、このときの蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTの変化の一例を図2に模式的に示す。周知のように、熱音響エンジン10は停止状態から作動流体に熱音響自励振動が与えられて稼働状態になる稼働開始温度差Tと、稼働状態から作動流体の熱音響自励振動がなくなる稼働停止温度差Tとの間にヒステリシスがあり、稼働開始温度差Tよりも稼働停止温度差Tの方が小さな値となっている。従って、蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTが稼働開始温度差T以上になって一度熱音響エンジン10が稼働状態に移行してしまえば(時刻t1以降)、この温度差ΔTが稼働停止温度差T以下に小さくならない限り、熱音響エンジン10は稼働し続けることとなる。
本実施形態では、時刻t,tにて蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTが稼働開始温度差Tよりも小さく、かつ稼働停止温度差Tよりも多少大きめの予め設定した制御開始温度差T以下になった場合、排気ガス温度を上昇させることにより、蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTを大きくし、熱音響エンジン10の意図しない停止を防止している。
この制御形態を図3のフローチャートを用いてより具体的に説明すると、制御装置28は排気ガス温度センサ33および冷却水温度センサ36からの検出信号に基づき、排気ガスと冷却水との温度差ΔTをS1のステップにて検出し、これが稼働開始温度差T以上であるか否かをS2のステップにて判定し、検出された温度差ΔTが稼働開始温度差T以上である、つまり熱音響エンジン10が稼働状態に移行したと判断した場合、S3のステップに移行して再び排気ガスと冷却水との温度差ΔTを検出し、これが制御開始温度差T以下であるか否かをS4のステップにて判定し、検出された温度差ΔTが制御開始温度差T以下である、つまり熱音響エンジン10が停止してしまうおそれがあると判断した場合、S5のステップに移行して点火進角制御を行い、点火進角を例えば1度遅角してS3のステップに戻る。
このようにして排気ガスの温度を上昇させ、蓄熱器13の両端面間の温度差ΔTを稼働停止温度差Tよりも常に大きく維持することにより、熱音響エンジン10の安定した稼働状態を維持することができる。
点火進角と排気ガス温度との関係を図4に示す。すなわち、点火進角が小さくなるほど排気ガス温度を大きく上昇させることができ、例えば1度程度の遅角でも排気ガスの温度が3〜4℃程度上昇することを理解されよう。
なお、内燃機関11が暖機状態から安定状態に移行した場合、上述したように冷却水温がほぼ一定に保持されることから、冷却水温を検出せずに排気ガス温度センサ33からの検出信号のみ利用し、稼働開始温度差T,稼働停止温度差Tおよび予め設定した温度差Tに対応する排気ガス温度(稼働開始温度,稼働停止温度および制御開始温度)をそれぞれ予め設定し、例えば上述した各温度差よりも約140℃程度ずつ高温に設定し、これに基づいて制御することも可能であり、この場合には熱音響エンジン10に対する制御をより容易に行うことができる。さらに、排気ガス温度センサ33を用いずに内燃機関11の運転状態に関するマップから排気ガス温度を予測することによっても制御を行うことが可能である。
上述した実施形態では、点火時期を遅角側にずらすことによって排気ガスの温度を上昇させるようにしたが、アクチュエータ29を作動してスロットル弁17の開度を大きめにすることによっても排気ガスの温度を上昇させることが可能であり、少なくとも一方を制御することによって熱音響エンジン10の意図しない稼働停止を防止することができる。 さらに、本実施形態では熱音響エンジン10を発電機として利用したが、空気調和装置の冷凍機として利用することも当然可能である。この場合には高温側および低温側熱交換器15と蓄熱器13とを気柱管12にさらに組み込む必要があるが、これは例えば特許第3015786号公報に開示されている技術を利用すれば良い。
なお、本実施形態に開示された技術は、内燃機関11の点火時期やスロットル弁17の開度などの運転状態を強制的に変更し、停止状態にある熱音響エンジン10を稼働状態へと迅速に移行させる場合にも応用することができる。
本発明による熱音響エンジンを内燃機関で駆動する車両に搭載した一実施形態の概念図である。 図1に示した実施形態における時間と排気ガス温度との関係を模式的に表すグラフである。 図1に示した実施形態における熱音響エンジンの制御手順を表すフローチャートである。 図1に示した内燃機関における点火進角と、排気ガスおよび冷却水の温度差との関係を表すグラフである。
符号の説明
10 熱音響エンジン
11 内燃機関
12 気柱管
12a ループ管部
12b 共鳴管部
13 蓄熱器
14 高温側熱交換器
15 低温側熱交換器
16 ピストン
17 スロットル弁(吸気スロットル弁)
18 吸気管
19 サージタンク
20 吸気弁
21 燃焼室
22 燃料噴射弁
23 点火プラグ
24 排気弁
25 排気管
26 排気ガス浄化装置
27 点火装置
28 制御装置
29 アクチュエータ
30 音波−電気変換器
31 安定化回路
32 二次電池
33 排気ガス温度センサ
34 冷却水配管
35 冷却水循環ポンプ
36 冷却水温度センサ
ΔT 蓄熱器の両端面間の温度差
稼働開始温度差
稼働停止温度差
制御開始温度差
1〜t 時刻

Claims (9)

  1. 内部が密閉され、作動流体が充填された気柱管と、この気柱管内に組み込まれ、前記作動流体が通過可能な蓄熱器と、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体を供給する加熱手段と、前記蓄熱器の他端面側に介在する作動流体を冷却するための冷却手段とを具え、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンであって、
    前記加熱媒体の温度を検出する温度センサと、
    この温度センサによって検出される前記加熱媒体の温度が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がった場合、前記加熱媒体の温度が上昇するように前記加熱手段の作動を制御する制御手段と
    をさらに具えたことを特徴とする熱音響エンジン。
  2. 前記所定温度は、前記作動流体の熱音響自励振動が始まる温度よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度よりも大きい温度であることを特徴とする請求項1に記載の熱音響エンジン。
  3. 内部が密閉され、作動流体が充填された気柱管と、この気柱管内に組み込まれ、前記作動流体が通過可能な蓄熱器と、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱するための加熱媒体を供給する加熱手段と、前記蓄熱器の他端面側に介在する作動流体を冷却するための冷却媒体を供給する冷却手段とを具え、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンであって、
    前記加熱媒体および前記冷却媒体の温度差を検出する温度差検出手段と、
    この温度差検出手段によって検出される温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になった場合、前記加熱手段および前記冷却手段の少なくとも一方の作動を制御して前記加熱媒体および前記冷却媒体の温度差を前記所定温度差よりも大きくする制御手段と
    をさらに具えたことを特徴とする熱音響エンジン。
  4. 前記所定温度差は、前記作動流体の熱音響自励振動が始まる温度差よりも小さく、かつ熱音響自励振動が停止する温度差よりも大きい温度差であることを特徴とする請求項3に記載の熱音響エンジン。
  5. 前記加熱手段が内燃機関を含み、前記加熱媒体がこの内燃機関から排出される排気ガスであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の熱音響エンジン。
  6. 前記制御手段は、前記内燃機関の点火時期および吸気スロットル弁の開度の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項5に記載の熱音響エンジン。
  7. 前記冷却手段が前記内燃機関を冷却するための冷却水を含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の熱音響エンジン。
  8. 作動流体が密閉充填された気柱管内に作動流体が通過可能な蓄熱器を組み込み、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱すると共に他端面側に介在する作動流体を冷却し、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンの制御方法であって、
    前記作動流体を加熱するための加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったか否かを判定するステップと、
    前記加熱媒体が熱音響エンジンの稼働後に所定温度以下に下がったと判断した場合、前記加熱媒体が前記所定温度以上となるように加熱するステップと
    を具えたことを特徴とする熱音響エンジンの制御方法。
  9. 作動流体が密閉充填された気柱管内に作動流体が通過可能な蓄熱器を組み込み、この蓄熱器の一端面側に介在する作動流体を加熱すると共に他端面側に介在する作動流体を冷却し、前記蓄熱器の両端面間に所定の温度勾配を与えて前記作動流体に熱音響自励振動を生じさせる熱音響エンジンの制御方法であって、
    前記作動流体を加熱するための加熱媒体および冷却するための冷却媒体の温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったか否かを判定するステップと、
    前記温度差が熱音響エンジンの稼働後に所定温度差以下になったと判断した場合、前記加熱媒体および前記冷却媒体の少なくとも一方の温度を調整して前記温度差が所定温度差よりも大きくなるように制御するステップと
    を具えたことを特徴とする熱音響エンジンの制御方法。
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