JP2006143754A - 脱硫方法、燃料電池システムおよび水素製造システム - Google Patents
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Abstract
【解決方法】 一般式(1)
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
で表される、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤を用いて、0.2〜4MPaの加圧下にて、硫黄化合物を含有するガスから硫黄化合物を吸着除去することを特徴とする脱硫方法、並びに、改質器または水素製造装置の前段に、脱硫する原料ガスを加圧する圧縮機が備えられているとともに、該圧縮機の後段であって改質器または水素製造装置の前段にて、硫黄化合物を含有する原料ガスから硫黄化合物を吸着除去する脱硫器が備えられていることを特徴とする燃料電池システムまたは水素製造システム。
【選択図】 なし
Description
天然ガスやLPGには、付臭剤といわれる硫黄化合物が微量に含まれており、この付臭剤は、ガスが漏れたときに人が気づくように安全のために添加されている。一般に、付臭剤としては、悪臭を有するターシャリーブチルメルカプタンや、ジメチルサルファイド、あるいはテトラヒドロチオフェンのような微量でも特有な臭いが感じられる硫黄化合物が使用されている。
本発明者らは、上記問題点に鑑み、燃料電池発電システムにおいて、天然ガス、LPGガスなどの原料ガスに供給段階で付臭剤として添加されている硫黄化合物を、ガス中から効果的かつ確実に除去できる脱硫方法およびシステムを開発すべく、鋭意検討した。
その結果、特定構造の結晶性シリケートに触媒活性金属を担持した脱硫剤を用いて、加圧下にて、硫黄化合物を含有する原料ガスから硫黄化合物を吸着除去すること、あるいは、システムとして脱硫工程の条件を考慮して圧縮機を配置すること等によって、上記問題点が解決されることを見出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
[式(1)中、Rはアルカリ金属およびHからなるグループから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは8族元素、希土類元素、Ti、V、Cr、Nb、SbおよびGaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、LはMg、Ca、SrおよびBaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、モル比a、b、cおよびyは0≦a、0≦b≦20、a+b=1および11≦y≦3000である。]
で表され、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れる、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤を用いて、0.2〜4MPaの加圧下にて、硫黄化合物を含有するガスから硫黄化合物を吸着除去する脱硫方法を提供するものである。ここで、ガスには上記した原料ガスの他、既に原料の改質を行った後の燃料ガス(水素含有ガス)も含まれる。
ここで、(1)均一に担持させるとは、触媒活性金属は担体である結晶性シリケートの全体に亘り、略均一に担持されている場合をいう。(2)分割担持とは、担体である結晶性シリケートを複数の部分に分割して、異なる複数の部分にはそれぞれ異なる種類の触媒活性金属を担持させている場合をいう。このように結晶性シリケートへ触媒活性金属を分割担持させた場合には、脱硫の際に、異なる複数の部分を原料ガスがそれぞれ通過するように配置することが必要である。(3)傾斜担持とは、上記分割担持において、その分割する部分の境界線をガスの流れ方向に対して斜めに傾斜させて配置する場合をいう。これによって、ガスの流れ方向に対しては、異なる触媒活性金属が一部で重なって存在する領域があることとなる。
酸素含有ガスとしては、酸素を含むガスであれば広く用いることが可能であり、一般的には、空気、あるいは、100%のボンベ酸素などが用いられる。また、燃料ガスは、改質器による原料ガスの改質により得られる水素含有ガスであり、一般的に燃料ガスのdry水素濃度は、20〜80%程度である。
また、本発明に係る燃料電池システムおよび水素製造システムによれば、原料ガスに含まれる付臭剤の硫黄化合物を除去でき、長期間安定して、原料ガスを改質して水素を生成することができるので、該水素を用いて効率的に発電することができる。
実施の形態(その1)
本発明の第1である脱硫方法では、一般式(1)
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
で表され、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れる、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤を用いて、0.2〜4MPaの加圧下にて、硫黄化合物を含有するガスから硫黄化合物を吸着除去する。
脱硫剤に流通させるガスとして原料ガスを用いる場合、ガス中に含有する付臭剤の硫黄化合物をppbオーダーになるまで除去する。原料ガスは、脱硫剤を流通させる前段にて、圧縮機(コンプレッサー)によって0.2〜4MPa、好ましくは0.5〜4MPa、特に好ましくは0.8〜4MPaに加圧される。0.2MPa未満では、十分な脱硫効果が得られず、脱硫剤の後流に硫黄化合物(S含有化合物)が流下し易い。よって、例えば燃料電池システムに用いた場合、長時間の使用によって後段の各種触媒が硫黄化合物によって被毒されてしまい、性能低下を生じる。一方、0.5MPa以上であれば、より一層確実に多くの活性金属を用いた脱硫剤で優れた効果が得られるので好ましく、特に0.8MPa以上であれば、活性金属の種類によらず含酸素硫黄化合物(COS)などの脱硫しにくい化合物も略完全な脱硫が可能である。逆に、4MPaを超えて加圧することによっても脱硫効果は変わらず、4MPaを超える加圧は不要な工程となるので好ましくない。
脱硫剤は、上記一般式(1)で表される結晶性シリケートに、4〜12族の元素から選択される少なくとも1種である触媒活性金属が担持される。触媒活性金属としては、例えば、4族としてTi、Zr、Hfの元素、5族としてV、Nb、Taの元素、6族としてCr、Mo、Wの元素、7族としてMn、Tc、Reの元素、8族としてFe、Ru、Osの元素、9族としてCo、Rh、Irの元素、10族としてNi、Pd、Ptの元素、11族としてCu、Ag、Auの元素、12族としてZn、Cd、Hgの元素が挙げられる。
(1)均一に担持させる場合には、触媒活性金属は担体である結晶性シリケートの全体に亘り、異なる2種以上の触媒活性金属をそれぞれ略均一に担持させる。
(2)分割担持させる場合には、先ず、担体である結晶性シリケートを複数の部分に分割して、異なる複数の部分にはそれぞれ異なる種類の触媒活性金属を担持させる。例えば結晶性シリケートを2つの部分、A部分とB部分に分割する。そして、A部分とB部分には、それぞれ異なる触媒活性金属を担持させる。但し、分割させる際の各部分の体積の割合は特に限定されるものではなく、ガス流通の際に前段となるA部分の体積比1〜9に対して、後段となるB部分の体積比9〜1の範囲で適宜、変化させることができる。
このような結晶性シリケートへ触媒活性金属を分割担持させた脱硫剤で脱硫する際には、異なる複数の部分を原料ガスがそれぞれ通過するように配置する。具体的には、A部分およびB部分の2つに分割担持されている場合、ガスの流れ方向に対して前段にはそのガス流路の全面に亘ってA部分となるように配置し、A部分の後段には該ガス流路の全面に亘ってB部分となるように配置する。これによって、原料ガスはA部分に導入されて脱硫された後、確実にB部分を通過して脱硫される。
(3)傾斜担持させる場合には、上記(2)分割担持において、複数の部分に分割する結晶性シリケートの境界線を斜めに傾斜させる。そして、ガスの流れ方向に対して境界線を斜めに傾斜させて配置する。ここで上記の例を用いれば、境界線はA部分とB部分との境界線であり、A部分とB部分がガスの流れ方向に対しては、一部で重なって存在する領域がある。
ゼオライト系担体である結晶性シリケートの調製工程の一例を説明する。
水ガラス1号(SiO2含有)560重量部を水530〜550重量部に溶解し、この溶液を溶液Aとする。一方、水400重量部に硫酸アルミニウム70〜75重量部、塩化第二鉄10〜12重量部、酢酸カルシウム4〜6重量部、塩化ナトリウム24〜28重量部、濃塩酸190〜210重量部を溶解し、この溶液を溶液Bとする。溶液Aと溶液Bを一定の割合で供給し、沈殿を生成させ、充分攪拌してPH8のスラリーを得る。このスラリーをオートクレーブに仕込み、さらにテトラプロピルアンモニウムブロマイド48〜52重量部を添加し、100℃〜200℃で1時間〜100時間水熱合成し、合成後、水洗し、乾燥した後、さらに、300℃〜600℃で1時間〜12時間、焼成することにより、脱水された状態において結晶性シリケートを得る。
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
で表される。式(1)中、Rはアルカリ金属およびHからなるグループから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは8族元素、希土類元素、Ti、V、Cr、Nb、SbおよびGaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、LはMg、Ca、SrおよびBaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、モル比a、b、cおよびyが0≦a、0≦b≦20、a+b=1および11≦y≦3000である。また、該結晶性シリケートは、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れるものである。
上記工程で得られた結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持する。得られたH型の結晶性シリケート上に担持する触媒活性金属は、上記した4族から12族の金属が好ましい。
触媒活性金属が存在する金属塩の溶液の例として、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸クロムなどの硝酸塩類を用いることができる。また、硝酸塩の他、硫酸塩、塩化物等も用いることができる。
本実施の形態では、触媒活性金属が存在する金属塩の溶液を用いて、含浸法にて触媒活性金属を結晶性シリケートに担持する。なお、活性金属を結晶性シリケートに担持する方法は、含浸法の他、あらかじめ球状、円柱状に成型した結晶性シリケートを活性金属溶液に浸漬させ、吸水含浸させる方法などがある。
上記工程による担持後の結晶性シリケートを、乾燥および焼成する。得られた触媒粉末を加圧成型して、固形型の脱硫剤を得る。固形型には、円柱状、球状、リング状、ハニカム状(ソリッド型、コート型)があるが、これらに限定されるものではない。
上記1)〜3)の工程により得られた脱硫剤は、上述した加圧下で用いることにより、極めて優れた脱硫効果を発揮する。
本実施の形態では、燃料電池システムに上記本発明の第1である脱硫方法を用いる場合の具体的な運転方法について、説明する。
各種触媒を用いた装置が備えられている燃料電池システムの一例を挙げれば、概略以下のような構成からなる。すなわち、燃料電池システムは、原料ガスの供給導管が接続されており、燃料ガスを生成する改質器と、該改質器に接続する高温シフト装置(HTS:high temperature shift)および/または低温シフト装置(LTS:low temperature shift)と、該シフト装置に接続するPROx装置と、該PROx装置に接続し、高分子電解質膜の一方の側に該燃料ガス、他方の側に酸素含有ガスをそれぞれ導入して電極反応を行う固体高分子型燃料電池装置とからなる。
その場合、改質器の前段に脱硫器を設けて、該脱硫器中に上記脱硫剤を設置する。そして、供給する原料ガスを0.2〜4MPaに加圧してから流通させることによって、原料ガス中の付臭剤であるターシャリーブチルメルカプタンや、ジメチルサルファイド、テトラヒドロチオフェン、COSなどの硫黄化合物は吸着除去される。脱硫した原料ガスは、上記のように加圧されているので、常圧まで減圧した後、改質器に導入する。
シフト装置からの燃料ガスは、空気を加え、PROx装置に送られる。PROx装置は、一酸化炭素選択酸化触媒によって、COを選択除去するための装置である。このPROx装置では、さらに10ppm以下までCOを除去する。
アノード電極(H2供給側) : H2 → 2H+ + 2e-
カソード電極(O2供給側) : O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
電池全体 : 2H2 + O2 → 2H2O
これらの電極反応により、電池が構成され、PEFC装置では起電力を得ることができる。
本実施の形態では、水素製造システムに上記本発明の第1である脱硫方法を用いる場合の具体的な運転方法について、説明する。
水素製造システムの一例を挙げれば、概略以下のような構成からなる。すなわち、水素製造システムは、原料ガスの供給導管が接続され、水素分離膜が内蔵されている、水素含有ガスを生成する水素製造装置とからなる。
その場合、水素製造装置の前段に脱硫器を設けて、該脱硫器中に上記脱硫剤を設置する。そして、供給する原料ガスを0.2〜4MPaに加圧してから流通させることによって、原料ガス中の付臭剤であるターシャリーブチルメルカプタンや、ジメチルサルファイド、テトラヒドロチオフェン、COSなどの硫黄化合物は吸着除去される。
本実施の形態では、本発明の第4である脱硫器を備えた燃料電池システムの具体的な態様について、説明する。
本実施の形態の燃料電池システムは、脱硫された原料ガスと水を反応させることにより、水素含有ガスを生成する改質器と、該改質器の後段にて、高分子電解質膜の一方の側に該水素含有ガス、他方の側に酸素含有ガスをそれぞれ導入して、電極反応を行う固体高分子型燃料電池(PEFC装置)と、を備える。これに加えて、上記実施の形態(その2)と同様に、改質器に接続するHTS装置および/またはLTS装置と、該シフト装置に接続するPROx装置と、を備えている。
本実施の形態では、本発明の第5である脱硫器を備えた水素製造システムの具体的な態様について、説明する。
本実施の形態の水素製造システムは、脱硫された原料ガスと水を反応させることにより、水素含有ガスを生成する水素製造装置を備える。この水素製造装置は、その内部に、例えば、パラジウム合金などからなる水素分離膜を備えている。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものでない。
水ガラス1号(SiO2:30wt%含有)5616gを水5429gに溶解し、この溶液を溶液Aとした。一方、水4175gに硫酸アルミニウム718.9g、塩化第二鉄110g、酢酸カルシウム47.2g、塩化ナトリウム262g、濃塩酸2020gを溶解し、この溶液を溶液Bとした。溶液Aと溶液Bを一定割合で供給し、沈殿を生成させ、充分攪拌してpHが8のスラリーを得た。このスラリーを20リットルのオートクレーブに仕込み、さらにテトラプロピルアンモニウムブロマイドを500g添加し、160℃で72時間水熱合成し、合成後水洗し乾燥した後、さらに500℃で3時間焼成することにより、脱水された状態においてH2O[0.25Fe2O3・0.8Al2O3・0.2CaO]27SiO2の組成を有する結晶性シリケート1を得た。
得られた結晶性シリケート1について、CuKα線を用いる粉末X線回折測定を行い、最強線から第15位までのピークの格子面間隔(d値)及び相対強度を、下記表1に示す。
前記結晶性シリケート1を40℃で、4NのNH4Cl水溶液に浸漬し、3時間攪拌してNH4イオン交換を実施した。イオン交換後、洗浄して100℃、24時間乾燥させた後、400℃、3時間焼成することによりH型の結晶性シリケート1を得た。前記H型結晶性シリケート1に硝酸鉄(II)水溶液を用いた含浸法にて酸化鉄を3%担持後、乾燥及び焼成して得られた
触媒粉末を加圧成型して固形型脱硫剤1を得た。
実施例1の含浸法にて、硝酸鉄水溶液の代わりに硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸マンガン及び硝酸クロムを用いる事以外は、前述に記載した実施例1と同様にして固形型脱硫剤2〜7を得た。
実施例1の含浸法にて、硝酸鉄水溶液と同時に硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸マンガン又は硝酸クロムを添加した事以外は、前述に記載した実施例1と同様にして固形型脱硫剤8〜13を得た。
実施例1で得られた結晶性シリケートを用いて、75℃でFeが10mmol存在する塩化鉄水溶液に浸漬し、12時間攪拌してFeイオン交換を実施した。イオン交換後、ろ過、水洗、110℃で一晩乾燥させた後、触媒粉末を加圧成型して固形型脱硫剤14を得た。
実施例4のイオン交換する活性金属の原料として塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化マンガンまたは塩化クロムを用いること以外は前述した実施例1と同様にして固形型脱硫剤15〜20を得た。
実施例1のH型結晶性シリケート1の代わりに、Al2O3を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較脱硫剤1を得た。
固形型触媒1〜20について、LPG中に含まれる硫黄分の除去試験を実施した。試験条件を表2に記載する。表2に示すように、脱硫剤の量(触媒量)を10cc、圧力を常圧(1気圧程度:1013.25hPa(ヘクトパスカル)程度)、反応管入口温度を常温(15℃〜35℃)、GHSV(Gas Hourly Space Velocity:1時間当たりで触媒単位体積当たりの処理ガス容積(m3/m3・h))を3500h-1、使用ガスをLPGとした。このときのLPGの組成は、C3H8が約98%、硫化ジメチルが約1ppm、ターシャルブチルメルカプタンが約0.5ppm、COSが約3ppmであった。
その脱硫性能評価結果を触媒調製リストと併せて、表3に示す。脱硫性能は、触媒(脱硫剤)出口でのS濃度が0.01ppm以上となるまでの時間で評価した。表3中の脱硫性能にあるとおり、結晶性シリケートを用いた脱硫剤1〜20はいずれも、担体としてAl2O3を用いた比較脱硫剤1よりもLPG中のS分をppbオーダーまで長時間除去可能であり、なおかつ加圧下にて脱硫性能は大幅に向上することが分かった。
Claims (14)
- 一般式(1)
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
[式(1)中、Rはアルカリ金属およびHからなるグループから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは8族元素、希土類元素、Ti、V、Cr、Nb、SbおよびGaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、LはMg、Ca、SrおよびBaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、モル比a、b、cおよびyは0≦a、0≦b≦20、a+b=1および11≦y≦3000である。]
で表され、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れる、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤を用いて、
0.2〜4MPaの加圧下にて、硫黄化合物を含有するガスから硫黄化合物を吸着除去することを特徴とする脱硫方法。 - 前記触媒活性金属が、4〜12族の元素から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の脱硫方法。
- 前記触媒活性金属として異なる2種以上の触媒活性金属を、前記結晶性シリケートに均一に担持させて用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱硫方法。
- 前記触媒活性金属として異なる2種以上の触媒活性金属を、前記結晶性シリケートに分割担持させて用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱硫方法。
- 前記触媒活性金属として異なる2種以上の触媒活性金属を、前記結晶性シリケートに傾斜担持させて用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱硫方法。
- 前記硫黄化合物が、硫化ジメチル、ターシャルブチルメルカプタンおよびテトラヒドロチオフェンからなる群より選択される1種以上の化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱硫方法。
- 原料ガスの供給導管が接続されており、燃料ガスを生成する改質器と、該改質器に接続する高温シフト装置および/または低温シフト装置の少なくとも1つと、該シフト装置に接続するPROx装置と、該PROx装置に接続し、高分子電解質膜の一方の側に該燃料ガス、他方の側に酸素含有ガスをそれぞれ導入して電極反応を行う固体高分子型燃料電池装置と、を備え、原料ガスを燃料ガスに改質して流通させる燃料電池システムの運転方法であって、
前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱硫方法を用いて前記原料ガスの脱硫を行う工程と、この脱硫した原料ガスを常圧まで減圧して前記改質器に導入する工程とを含むことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。 - 原料ガスの供給導管が接続されており、水素含有ガスを生成する水素製造装置を備えた水素製造システムの運転方法であって、
前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱硫方法を用いて、原料ガスの脱硫を行う工程を含むことを特徴とする水素製造システムの運転方法。 - 脱硫された原料ガスと水を反応させることにより、燃料ガスを生成する改質器と、該改質器の後段にて、高分子電解質膜の一方の側に該燃料ガス、他方の側に酸素含有ガスをそれぞれ導入して、電極反応を行う固体高分子型燃料電池と、を含む燃料電池システムであって、
前記改質器の前段に、脱硫する原料ガスを加圧する圧縮機が備えられているとともに、
該圧縮機の後段であって前記改質器の前段にて、硫黄化合物を含有する原料ガスから硫黄化合物を吸着除去する脱硫器が備えられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記圧縮機が、原料ガスを0.2〜4MPaに加圧することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
- 前記脱硫器には、一般式(1)
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
[式(1)中、Rはアルカリ金属およびHからなるグループから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは8族元素、希土類元素、Ti、V、Cr、Nb、SbおよびGaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、LはMg、Ca、SrおよびBaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、モル比a、b、cおよびyは0≦a、0≦b≦20、a+b=1および11≦y≦3000である。]
で表され、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れる、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤が設置されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の燃料電池システム。 - 脱硫された原料ガスと水を反応させることにより、水素含有ガスを生成する水素製造装置を含む水素製造システムであって、
前記水素製造装置の前段に、脱硫する原料ガスを加圧する圧縮機が備えられているとともに、
該圧縮機の後段であって前記水素製造装置の前段にて、硫黄化合物を含有する原料ガスから硫黄化合物を吸着除去する脱硫器が備えられていることを特徴とする水素製造システム。 - 前記圧縮機が、原料ガスを0.2〜4MPaに加圧することを特徴とする請求項12に記載の水素製造システム。
- 前記脱硫器には、一般式(1)
(1±0.8)R2O・[aM2O3・bLO・cAl2O3]・ySiO2 ・・・(1)
[式(1)中、Rはアルカリ金属およびHからなるグループから選択される少なくとも1種の元素であり、Mは8族元素、希土類元素、Ti、V、Cr、Nb、SbおよびGaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、LはMg、Ca、SrおよびBaからなるグループから選択される少なくとも一種の元素であり、モル比a、b、cおよびyは0≦a、0≦b≦20、a+b=1および11≦y≦3000である。]
で表され、CuKα線を用いる粉末X線回折で格子面間隔3.65±0.1Å、3.75±0.1Å、3.85±0.1Å、10.0±0.3Åおよび11.2±0.3Åに最強ピークから第5位までのピークが現れる、結晶性シリケートに、触媒活性金属を担持した脱硫剤が設置されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の水素製造システム。
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