JP2006143667A - ピペコリン酸アミド誘導体及び抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、工業製品及び原材料品、家庭用品、生活資材、土建・塗料用、機械・器具用、医療用、畜産用、漁業用の抗菌剤として有用である下式(1)で表されるピペコリン酸アミド誘導体に関するものである。
(式中、R1はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基を表し、R2は低級アルキル基、R3CO−基(R3は低級アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のベンジル基)を表し、mは1又は2の整数を表し、nは0〜5の整数を表す。)
上記式(1)で表される本発明のピペコリン酸アミド誘導体の一部は、医薬目的などとして知られているが、抗菌活性を有することは全く知られていない。
国際公開第03/037274号パンフレット
欧州特許第564924号明細書
Bioorganic & Medicinal ChemistryLetters,(2002),12(10),p.1429
European Journalof Medicinal Chemistry,(1998),31(1),p.23
Biochemistry,(1997),36(44), p.13494
本発明の課題は、上記式(1)で表されるピペコリン酸アミド誘導体及びそれを有効成分とする抗菌剤を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、上記式(1)で表されるピペコリン酸アミド誘導体が抗菌剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は次の通りである。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
(式中、R1、R2及びnは前記と同義である。)
で示されるピペコリン酸アミド誘導体を有効成分とする抗菌剤に関するものである。
第2の発明は、次式(2)で示されるピペコリン酸アミド誘導体に関するものである。
(式中、R4はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基を表し、R2は前記と同義である。)
本発明の上記式(1)で表されるピペコリン酸アミド誘導体は、優れた抗菌効果を有するものである。
前記の化合物で表した各種の置換基などは、次の通りである。
なお、本発明の説明において、化合物は、化学式に付した括弧付き数字,記号などをもって、「化合物(数字,記号など)」とも称する〔例えば、式(1)で示されるものを化合物(1)とも称する。〕。
なお、本発明の説明において、化合物は、化学式に付した括弧付き数字,記号などをもって、「化合物(数字,記号など)」とも称する〔例えば、式(1)で示されるものを化合物(1)とも称する。〕。
〔化合物(1)におけるR1〕
R1としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基である。
R1としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基である。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、フッ素原子が好ましい。
低級アルキル基としては、炭素原子数1〜5個の直鎖状又は分岐状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を挙げることができるが、好ましくはメチル基である
低級アルキル基としては、炭素原子数1〜5個の直鎖状又は分岐状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を挙げることができるが、好ましくはメチル基である
低級アルコキシ基としては、炭素原子数1〜4個の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基などを挙げることができるが、好ましくはメトキシ基である。
〔化合物(1)におけるR2〕
R2としては低級アルキル基、R3CO−基(R3は低級アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のベンジル基)である。
R2としては低級アルキル基、R3CO−基(R3は低級アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のベンジル基)である。
ここで、低級アルキル基としては、前述のアルキル基を挙げることができるが、メチル基、エチル基が好ましい。
R3CO−基としては、R3が前述のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、1〜3個の前述のハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されても良いフェニル基)、置換若しくは非置換のベンジル基(例えば、1〜3個の前述のハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されても良いベンジル基)を挙げることができるが、アセチル基、n-プロピオニル基、シクロプロパンカルボニル基、2,6−ジフルオロベンゾイル基、2,4,6−トリクロロベンゾイル基、フェニルアセチル基が好ましい。
R3CO−基としては、R3が前述のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、置換若しくは非置換のフェニル基(例えば、1〜3個の前述のハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されても良いフェニル基)、置換若しくは非置換のベンジル基(例えば、1〜3個の前述のハロゲン原子又は低級アルキル基で置換されても良いベンジル基)を挙げることができるが、アセチル基、n-プロピオニル基、シクロプロパンカルボニル基、2,6−ジフルオロベンゾイル基、2,4,6−トリクロロベンゾイル基、フェニルアセチル基が好ましい。
〔化合物(1)におけるn〕
nとしては、0〜5の整数であるが、好ましくは0〜2である。
nとしては、0〜5の整数であるが、好ましくは0〜2である。
本発明の化合物(1)はアミノ基を有しているので、これに由来する酸付加塩も本発明に含まれる。
酸付加塩を形成する酸としては、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)、カルボン酸(ギ酸、シュウ酸、フマル酸、アジピン酸、ステアリン酸、アコニット酸など)、スルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、サッカリンなどを挙げることができる。
酸付加塩を形成する酸としては、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)、カルボン酸(ギ酸、シュウ酸、フマル酸、アジピン酸、ステアリン酸、アコニット酸など)、スルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)、サッカリンなどを挙げることができる。
また、本発明の化合物(1)は、1個の不斉炭素原子を含むため、これに由来する個々の光学異性体、ラセミ体又はそれらの混合物の何れも本発明に含まれる。
前記の本発明の化合物(1)の合成法を、更に詳細に述べる。
化合物(1)は、以下に示す合成法によって合成することができる。
化合物(1)は、以下に示す合成法によって合成することができる。
(合成法)
1.化合物(1−1)の合成
化合物(1)においてR2が水素原子の化合物(1−1)は、次に示すように、化合物(2)と化合物(3)とを溶媒中、塩基の存在下で反応させることによって合成することができる。
1.化合物(1−1)の合成
化合物(1)においてR2が水素原子の化合物(1−1)は、次に示すように、化合物(2)と化合物(3)とを溶媒中、塩基の存在下で反応させることによって合成することができる。
(式中、R1、m及びnは前記と同義である。)
原料のモル比は任意に設定できるが、通常、化合物(3)1モルに対して化合物(4)は0.5〜2モルの割合であるが、好ましくは1.0〜1.2倍モルの割合である。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタリン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンのような塩素化された又はされていない芳香族の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフランのような環状エーテル類、及びこれらの溶媒の混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(3)の濃度が5〜80重量%になるようにして使用することができるが、10〜70重量%が好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ポタシュウムブトキサイド、水素化ナトリウム、炭酸カリ、炭酸ソーダなどの塩基を挙げることができるが、好ましくは、ナトリウムメトキサイドである。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して0.1〜2モルであるが、好ましくは0.1〜1.0モルである。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して0.1〜2モルであるが、好ましくは0.1〜1.0モルである。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から溶媒の沸点以下の温度範囲内であり、好ましくは40〜110℃である。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが、通常3〜12時間である。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが、通常3〜12時間である。
原料化合物(3)及び原料化合物(4)は、市販品を使用することができる。
以上のようにして製造された目的物(1−1)は、反応終了後、洗浄、抽出、濃縮など通常の後処理を行い、必要に応じて蒸留やクロマトグラフィーなど公知の方法で精製することができる。
2.化合物(1−2)の合成
化合物(1)においてR2が低級アルキル基、R3CO−基(R3は低級アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のベンジル基)の化合物(1−2)は、次に示すように、化合物(1−1)と化合物(5)とを溶媒中、塩基の存在下で反応させることによって合成することができる。
化合物(1)においてR2が低級アルキル基、R3CO−基(R3は低級アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、置換若しくは非置換のベンジル基)の化合物(1−2)は、次に示すように、化合物(1−1)と化合物(5)とを溶媒中、塩基の存在下で反応させることによって合成することができる。
(式中、R1、R2、m及びnは前記と同義であり、Xはクロル原子を表す。)
原料のモル比は任意に設定できるが、通常、化合物(1−1)1モルに対して化合物(5)は0.5〜2モルの割合であるが、好ましくは1.0〜1.2倍モルの割合である。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタリン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼンのような塩素化された又はされていない芳香族の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフランのような環状エーテル類、及びこれらの溶媒の混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(1−1)の濃度が5〜80重量%になるようにして使用することができるが、10〜70重量%が好ましい。
塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ポタシュウムブトキサイド、水素化ナトリウム、炭酸カリ、炭酸ソーダなどの塩基を挙げることができるが、好ましくは、トリエチルアミンである。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して0.1〜2モルであるが、好ましくは1.0〜1.2モルである。
塩基の使用量は、化合物(2)1モルに対して0.1〜2モルであるが、好ましくは1.0〜1.2モルである。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から溶媒の沸点以下の温度範囲内であり、好ましくは0〜40℃である。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが、通常0.5〜4時間である。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが、通常0.5〜4時間である。
原料化合物(5)は、市販品を使用することができる。
以上のようにして製造された目的物(1−2)は、反応終了後、洗浄、抽出、濃縮など通常の後処理を行い、必要に応じて蒸留やクロマトグラフィーなど公知の方法で精製することができる。
〔抗菌効果〕
本発明の化合物(1)で抗菌効果が認められる菌としては、大腸菌(E.-coli)、酵母(Sacchalomyces.celibiciae)、クロカビ(Aspergillus niger)、カワラタケ(Trametes vesicola)、オオウズラタケ(Fomitopsis palustris)を挙げることができる。
本発明の化合物(1)で抗菌効果が認められる菌としては、大腸菌(E.-coli)、酵母(Sacchalomyces.celibiciae)、クロカビ(Aspergillus niger)、カワラタケ(Trametes vesicola)、オオウズラタケ(Fomitopsis palustris)を挙げることができる。
本発明の抗菌剤は、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有するものである。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、固体又は液体希釈剤,界面活性剤,分散剤,固着剤などを配合し、例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,粒剤,水和剤,顆粒水和剤,水性懸濁剤,油性の懸濁剤,乳濁剤,可溶化製剤,油剤,マイクロカプセル剤,エアゾールなどの組成物として調整して使用することが好ましい。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、固体又は液体希釈剤,界面活性剤,分散剤,固着剤などを配合し、例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,粒剤,水和剤,顆粒水和剤,水性懸濁剤,油性の懸濁剤,乳濁剤,可溶化製剤,油剤,マイクロカプセル剤,エアゾールなどの組成物として調整して使用することが好ましい。
個体希釈剤としては、例えば、タルク,ベントナイト,モンモリロナイト,クレー,カオリン,炭酸カルシウム,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などが挙げられる。
液体希釈剤としては、例えば、炭化水素類(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレン,ジメチルナフタレン,ジメチルキシリルエタンなど)、塩素化炭化水素類(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、アミド化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど)、スルホキシ化合物(ジメチルスルフォキシドなど)、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの尿素化合物(N,N−ジメチルイミダゾリジノンなど)、スルフォラン及び水などが挙げられる。
液体希釈剤としては、例えば、炭化水素類(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレン,ジメチルナフタレン,ジメチルキシリルエタンなど)、塩素化炭化水素類(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、アミド化合物(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど)、スルホキシ化合物(ジメチルスルフォキシドなど)、N,N−ジメチルイミダゾリジノンなどの尿素化合物(N,N−ジメチルイミダゾリジノンなど)、スルフォラン及び水などが挙げられる。
固着剤及び分散剤としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ベントナイト、ザンサンガム、アラビアガムなどが挙げられる。
エアゾール噴射剤としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、プロパン、ハロゲン化炭化水素(フルオロカーボンなど)などが挙げられる。
エアゾール噴射剤としては、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、プロパン、ハロゲン化炭化水素(フルオロカーボンなど)などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類、アルキルサルフェート塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、アルキルソルビタンエステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどを挙げることができる。
本剤の製造では、前記の固体又は液体希釈剤、界面活性剤、分散剤及び固着剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%、粉剤では通常0.3〜25重量%、水和剤及び顆粒水和剤では通常1〜90重量%、粒剤では通常0.5〜10重量%、水性及び油性懸濁剤では通常0.5〜40重量%、乳濁剤では通常1〜30重量%、可溶化製剤では通常0.5〜20重量%、エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。マイクロカプセルでは通常0.5〜20重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて施用することによって各種の用途に供することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%、粉剤では通常0.3〜25重量%、水和剤及び顆粒水和剤では通常1〜90重量%、粒剤では通常0.5〜10重量%、水性及び油性懸濁剤では通常0.5〜40重量%、乳濁剤では通常1〜30重量%、可溶化製剤では通常0.5〜20重量%、エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。マイクロカプセルでは通常0.5〜20重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて施用することによって各種の用途に供することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〔化合物(1)の合成〕
(1)N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]ピペコリン酸アミド〔化合物番号1で示される化合物(1)〕の合成
2−(4−メチルフェニル)エチルアミン(1.35g)とピペコリン酸エチルエステル(1.57g)をトルエン(30ml)に溶解し、ナトリウムメトキサイドの28%メタノール溶液(0.8g)を加えて、4時間加熱還流した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=5:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を1.4g得た。
(1)N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]ピペコリン酸アミド〔化合物番号1で示される化合物(1)〕の合成
2−(4−メチルフェニル)エチルアミン(1.35g)とピペコリン酸エチルエステル(1.57g)をトルエン(30ml)に溶解し、ナトリウムメトキサイドの28%メタノール溶液(0.8g)を加えて、4時間加熱還流した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=5:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を1.4g得た。
m.p.85〜87℃
1H−NMR(CDCl3,δppm)
1.33〜2.23(7H,m)、2.32(3H,s)、
2.63〜2.79(2H,m)、2.92〜2.99(2H,m)、
3.13〜3.17(1H,m)、3.45〜3.52(2H,m)、
6.78(1H,s)、7.06〜7.13(4H,m)
1.33〜2.23(7H,m)、2.32(3H,s)、
2.63〜2.79(2H,m)、2.92〜2.99(2H,m)、
3.13〜3.17(1H,m)、3.45〜3.52(2H,m)、
6.78(1H,s)、7.06〜7.13(4H,m)
(2)N−(2−フェニルエチル)ピペコリン酸アミド〔化合物番号2で示される化合物(1)〕の合成
2−フェニルエチルアミン(1.21g)とピペコリン酸エチルエステル(1.57g)をトルエン(30ml)に溶解し、ナトリウムメトキサイドの28%メタノール溶液(0.8g)を加えて、50〜60℃で4時間攪拌した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=5:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を1.2g得た。
2−フェニルエチルアミン(1.21g)とピペコリン酸エチルエステル(1.57g)をトルエン(30ml)に溶解し、ナトリウムメトキサイドの28%メタノール溶液(0.8g)を加えて、50〜60℃で4時間攪拌した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=5:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を1.2g得た。
m.p.87〜88℃
1H−NMR(CDCl3,δppm)
1.32〜1.95(7H,m)、2.63〜2.64(1H,m)、
2.79〜2.84(1H,m)、2.93〜2.97(2H,m)、
3.14〜3.18(1H,m)、3.47〜3.54(2H,m)、
6.79(1H,s)、7.17〜7.33(5H,m)
1.32〜1.95(7H,m)、2.63〜2.64(1H,m)、
2.79〜2.84(1H,m)、2.93〜2.97(2H,m)、
3.14〜3.18(1H,m)、3.47〜3.54(2H,m)、
6.79(1H,s)、7.17〜7.33(5H,m)
(2)1−フェニルアセチル−N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]ピペコリン酸アミド〔化合物番号5で示される化合物(1)〕の合成
N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]−ピペコリン酸アミド(0.5g)とトリエチルミン(0.5g)をトルエン(20ml)に溶解し、室温攪拌下にフェニルアセチルクロライド(0.3g)のトルエン(5ml)溶液を滴下し、1時間攪拌した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を0.7g得た。
N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]−ピペコリン酸アミド(0.5g)とトリエチルミン(0.5g)をトルエン(20ml)に溶解し、室温攪拌下にフェニルアセチルクロライド(0.3g)のトルエン(5ml)溶液を滴下し、1時間攪拌した。
反応終了後、水を加え、トルエン層を分取し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下に溶媒を留去して、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、展開溶媒:酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製することによって、無色粉状結晶の目的物を0.7g得た。
m.p.93〜95℃
1H−NMR(CDCl3,δppm)
1.46〜2.25(7H,m)、2.31(3H,s)、
2.63〜2.79(3H,m)、3.33〜3.62(3H,m)、
3.68(2H,s)、6.02(1H,s)、
7.00〜7.34(9H,m)
1.46〜2.25(7H,m)、2.31(3H,s)、
2.63〜2.79(3H,m)、3.33〜3.62(3H,m)、
3.68(2H,s)、6.02(1H,s)、
7.00〜7.34(9H,m)
(5)表中のその他の化合物(1)の合成
前記の実施例1(1)〜(3)の方法に準じて、表1中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物(1)及びそれらの物性を表1に示す。
前記の実施例1(1)〜(3)の方法に準じて、表1中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物(1)及びそれらの物性を表1に示す。
実施例4〔効力試験〕
[材料および方法]
1)試料
表1に示す化合物を供試した。
各化合物はDMSO(ジメチルスルフォキシド)に溶解して100,000mg/L(リットル)溶液を調製した。
[材料および方法]
1)試料
表1に示す化合物を供試した。
各化合物はDMSO(ジメチルスルフォキシド)に溶解して100,000mg/L(リットル)溶液を調製した。
2)培地の調製
2−1)大腸菌(E. coli)および酵母(Sacchalomyces. Celibiciae)の培地調整
大腸菌はLB液体培地を、酵母はMY培地を用いて、培地10mLに上記表1に示す化合物の薬剤溶液(以下薬剤溶液と記載。)50μL(最終薬剤濃度500mg/L)を添加して薬剤添加培地を調製した。
2−1)大腸菌(E. coli)および酵母(Sacchalomyces. Celibiciae)の培地調整
大腸菌はLB液体培地を、酵母はMY培地を用いて、培地10mLに上記表1に示す化合物の薬剤溶液(以下薬剤溶液と記載。)50μL(最終薬剤濃度500mg/L)を添加して薬剤添加培地を調製した。
2−2)クロカビ(Aspergillus niger)、カワラタケ(Trametes versicola)およびオオウズラタケ(Tyromyces palustris)の培地調整
PDA培地10mLを溶融後、寒天が凝固する前に薬剤溶液50μL(最終薬剤濃度500mg/L)を添加し攪拌して試験用プレートを調製した。
PDA培地10mLを溶融後、寒天が凝固する前に薬剤溶液50μL(最終薬剤濃度500mg/L)を添加し攪拌して試験用プレートを調製した。
3)抗菌試験
3−1)大腸菌および酵母に対する抗菌試験
一晩液体培養で増殖させた後、菌体を含む培地10μLを上記の薬剤添加培地に添加して、25℃、100rpmで一晩旋回培養した。培養後、この培地10μLを採取し、薬剤を含まない新鮮な培地10mLに移して培養した後、660nmの吸光度を測定して、以下の計算式から阻害率を算出した。
3−1)大腸菌および酵母に対する抗菌試験
一晩液体培養で増殖させた後、菌体を含む培地10μLを上記の薬剤添加培地に添加して、25℃、100rpmで一晩旋回培養した。培養後、この培地10μLを採取し、薬剤を含まない新鮮な培地10mLに移して培養した後、660nmの吸光度を測定して、以下の計算式から阻害率を算出した。
A:無処理区の吸光度
B:薬剤処理区の吸光度
B:薬剤処理区の吸光度
効果の判定は以下の4段階の基準で行った。
A:90〜100%阻害
B:70〜89%阻害
C:50〜69%阻害
D:阻害率50%未満
A:90〜100%阻害
B:70〜89%阻害
C:50〜69%阻害
D:阻害率50%未満
3−2)クロカビ、カワラタケおよびオオウズラタケに対する抗菌試験
クロカビの胞子をおよそ1×105個/mL含むPDA培地(厚さ約1mm)、カワラタケおよびオオウズラタケの菌叢が全面に増殖したPDAプレートを用い、各々メスで約1.5mm角に切り出したものを接種片とした。これらの接種片を試験用プレートに置床して、25℃で4日間培養した。培養後、接種片から菌糸が伸張して形成された菌叢の直径を測定して、以下の計算式から阻害率を算出した。
クロカビの胞子をおよそ1×105個/mL含むPDA培地(厚さ約1mm)、カワラタケおよびオオウズラタケの菌叢が全面に増殖したPDAプレートを用い、各々メスで約1.5mm角に切り出したものを接種片とした。これらの接種片を試験用プレートに置床して、25℃で4日間培養した。培養後、接種片から菌糸が伸張して形成された菌叢の直径を測定して、以下の計算式から阻害率を算出した。
A:無処理区の菌叢直径(mm)
B:薬剤処理区の菌叢直径(mm)
B:薬剤処理区の菌叢直径(mm)
効果の判定は以下の4段階の基準で行った。
A:90〜100%阻害
B:70〜89%阻害
C:50〜69%阻害
D:阻害率50%未満
A:90〜100%阻害
B:70〜89%阻害
C:50〜69%阻害
D:阻害率50%未満
上記の抗菌試験の結果、大腸菌に対しては、化合物番号3、17及び20がAの効果を示した。
酵母に対しては、化合物番号1、3、17、19及び20がAの効果を示し、化合物番号18がBの効果を示し、化合物番号2及び8がCの効果を示した。
酵母に対しては、化合物番号1、3、17、19及び20がAの効果を示し、化合物番号18がBの効果を示し、化合物番号2及び8がCの効果を示した。
クロカビに対しては、化合物番号15及び20がAの効果を示し、化合物番号3がBの効果を示し、化合物番号10、12及び14がCの効果を示した。
カワラタケに対しては、化合物番号1、3、12、15、18、19及び20がAの効果を示し、化合物番号7、9、10、14及び17がBの効果を示し、化合物番号2及び11がCの効果を示した。
オオウズラタケに対しては、化合物番号1、3、15、17、18、19及び20がAの効果を示し、化合物番号2がCの効果を示した。
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