JP2006143434A - ケーブル巻取装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ケーブルの乱巻きや巻取不良を確実に防止し、ケーブルの損傷を抑制する。
【解決手段】本発明によるケーブル巻取装置は、ダンパー１２及びガイドローラ１４を通じて供給されたケーブル１５をリール９に巻取る巻取装置１０において、ダンパー１２とガイドローラ１４間の距離Ｌ１よりガイドローラ１４とリール１２間の距離Ｌ２を短くした。
【選択図】 図４

Description

本発明は、ダンパー、ガイドローラを介してケーブルを巻取る巻取装置に関し、特に乱巻きなどを防止するための構造に関する。

図１に本発明が適用される橋形移動式クレーンを示す。このクレーン１は、他の大型クレーンなどにより吊りこまれ、床上に敷設された鉄板などからなる一対の基板２上に設けたガイドレール３上に設置されるもので、両ガイドレール３に沿って走行可能な一対のサドル４と、サドル４上に立設された脚部５と、脚部５の上部間を連結した梁６と、梁６の長手方向に沿って移動可能なホイスト７とを備え、ホイスト７は作業者の手元にもたれるリモコンスイッチ８により、往復移動及びホイスト７に吊下されたフックの上下操作などが可能であるとともに、サドル４に設けた図示しない車輪駆動用モータを駆動してガイドレール３に沿った往復移動を可能としている。

以上のクレーン１は電動式であるため、ケーブルを介して工場内に設けた電源の接続端に接続しており、このケーブルは基板２上に配索され、クレーン１が電源側から遠ざかる方向に移動する場合にはケーブルを繰出しつつ移動し、電源側に近付く場合にはケーブルを巻取りつつ移動することによってケーブルのからみつきやサドル４により踏みつけてしまうことを防止するために、電源引込側のサドル４には巻取用リール９を含む巻取装置を具備している。

図２、図３は前記クレーン１に装備された従来の巻取装置１０を示すものであり、リール９の両側フランジ９ａはブラケット１１により回転可能に支持されており、ダンパー１２及びガイドローラ１４を介してケーブル１５がリール９側に導入され、リール９の外周に巻付けられ、ブラケット１１の一側部よりリール９の外側に導出され、サドル４の各部に配置された駆動部側に配線接続される。

リール９の内部には図示しない巻取用のバネ装置が内蔵されている。バネ装置は、一般に電気掃除機などに見られるコード巻取用の装置と類似する構造であり、これによりリール９には常時巻取方向に緩いテンションが加わっており、ケーブル１５に引張り力が生ずると巻取方向のテンションに抗してリール９が繰出し方向に回転し、ケーブル１５にたわみが生ずるとそのたわみ分に応じたテンションが作用することでケーブル１５を自動的に巻取り、これによってケーブル１５はガイドレール３に沿って常時直線状に配索され、前述するケーブルのからみつきや、踏みつけを防止している。

前記ダンパー１２はリール９の前段においてケーブル１５を緊張状態にガイドするものである。また、ガイドローラ１４はその両側を軸受ブラケット１６に固定された案内軸１７に回転可能に軸受されるとともに、案内軸１７の軸方向に往復移動可能としたものであり、これによってガイドローラ１４はリール９の軸方向にケーブル１５を往復移動させつつ巻取ガイドしている。

ところが、以上の物理的配置関係では、ケーブル１５はリール９に対し、図３に示すごとく、乱巻き状態に巻取られたり、巻取不良が発生することが多く、ケーブル１５を損傷するおそれがあった。

この原因としては、ダンパー１２とガイドローラ１４間の距離Ｌ１に対してガイドローラ４−リール９間の距離Ｌ２が遠く、これにより、ダンパー１２−ガイドローラ１４間に生ずるテンションに比べて、ガイドローラ１４−リール９間のテンションが小さいため、図２の破線で示すごとくケーブル１５のゆるみによる振れが生じ、この状態のまま巻取られるためであると推定された。

また、ガイドローラ１４のガイド面がリール９の巻取半径の外側に位置しているため、前記振れを規制することができないことも原因の一つであると推定された。

本発明は以上の課題を解決するものであり、簡単な構造変更でありながら、ケーブルの乱巻きや巻取不良を確実に防止し、ケーブルの損傷を抑制できるようにしたケーブル巻取装置を提供するものである。

前記目的を達成するため本発明は、ダンパー及びガイドローラを通じて供給されたケーブルをリールに巻取る巻取装置において、前記ダンパーとガイドローラ間の距離よりガイドローラとリール間の距離を短くしたことを特徴とするものである。

また本発明は、前記ガイドローラのガイド面がリールの巻取半径内に位置していることを特徴とするものである。

したがって本発明では、巻取装置の単なるガイドローラの位置変更だけの簡単な構造変更により、乱巻や巻取不良を防止できる。

請求項２記載の発明とすることで、ケーブルに多少のゆるみにより振れが発生しても、ケーブルはリールの巻取位置外周に貼付くような形で巻取られ、かつ既に巻取られたケーブル位置が横方向のガイドとなるため、ケーブルは横一列に整列状態で巻取られる。

以下本発明の実施の形態を図４，５を用いて説明する。但し、装置の主要構造は従来と同様であり、単にガイドローラの位置変更しただけなので、前記図２，３に示す同一部材には同一符号を援用して説明する。

この巻取装置１０は、ガイドローラ１４のブラケット６に対する取付位置が従来（図４中に破線で示す）とは異なるだけであり、その他は従来と同一である。

すなわち、ガイドローラ１４の案内軸１７はブラケット１６の上部側であって、ガイドローラ１４の案内面がリール９の巻取半径の内側に位置する箇所に配置される位置に取付けられ、ガイドローラ１４はこの案内軸１７に回転可能かつ横移動可能にガイドされてケーブル１５をリール９側に供給するようになっている。

以上の物理的配置では、ダンパー１２とガイドローラ１４間の距離Ｌ１に対し、ガイドローラ１４とリール９間の距離Ｌ２が短くなるので、ガイドローラ１４−リール９間のテンションをダンパー１２−ガイドローラ１４間のテンションより高めるようにし、かつケーブル１５が巻取位置外周に貼付くような形で案内される。

したがって、リール９に巻取られるケーブル１５は、図５に示すごとく、既に巻取られた隣接ケーブル１５に位置を規制されつつその隣り側に巻取られるため、常時整列状態の巻取動作が可能となるのである。

本発明が適用される橋形移動クレーンを示す斜視図である。 同クレーンに装備された従来のケーブル巻取装置の側面説明図である。 同正面説明図である。 本発明に係るケーブル巻取装置の側面説明図である。 同正面説明図である。

符号の説明

９ ケーブルリール
１０ ケーブル巻取装置
１２ ダンパー
１４ ガイドローラ
１５ ケーブル
１６ ブラケット
１７ 案内軸
Ｌ１ ダンパー−ガイドローラ間距離
Ｌ２ ガイドローラ−リール間距離

Claims (2)

1. ダンパー及びガイドローラを通じて供給されたケーブルをリールに巻取る巻取装置において、
   前記ダンパーとガイドローラ間の距離よりガイドローラとリール間の距離を短くしたことを特徴とするケーブル巻取装置。
2. 請求項１において、ガイドローラのガイド面がリールの巻取半径内に位置していることを特徴とするケーブル巻取装置。
   

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