JP2006143338A - 繊維機械の糸処理条件設定システム - Google Patents

Abstract

【課題】複数の繊維処理ユニットにより構成される機台を複数並設してなる各種繊維機械において、各機台に設けてある機台中央制御装置を一つのパソコンにＬＡＮ接続して、既設定してある糸処理条件を他の機台に対して全く同じ設定条件で転送して運転し得るようになした糸処理条件設定システムを提供すること。
【解決手段】複数の繊維処理ユニットＵ１〜Ｕｎにより構成される機台１０Ａ〜１０Ｎを複数並設してなり、前記各機台に機台中央制御装置ＭＣ１〜ＭＣｎを備えた繊維機械において、前記各機台中央制御装置にＬＡＮ接続してなる転送操作用制御装置１４を備え、前記転送操作用制御装置により、任意の機台の糸処理条件設定ファイルを取り込み、取り込んだ情報を他の機台の機台中央制御装置に転送するようになしたことを特徴とする繊維機械の糸処理条件設定システム。
【選択図】図１

Description

この発明は、複数の繊維処理ユニットにより構成される機台を複数並設してなる各種繊維機械、例えば、自動ワインダーなどにおいて、各機台に設けてある機台中央制御装置を一つのパソコンにＬＡＮ接続して、既設定してある糸処理条件を他の機台に対して全く同じ設定条件で転送して運転し得るようになした繊維機械における糸処理条件設定システムに関するものである。

周知のように、例えば、自動ワインダーのような繊維機械は、複数の繊維処理ユニット（巻取りユニット）を列状に配列して機台を構成し、一般的に、この機台を複数台並列状態に設置したものとして構成されている。例えば、このような繊維機械において、各繊維処理ユニットにそれぞれ設けられたアクチュエータ、並びに全繊維処理ユニットに共通に設けられたアクチュエータを合わせると極めて多数のアクチュエータが存在する。上記繊維機械における各機台の端部には、それぞれ機台中央制御装置（メインコントローラ）が配置されており、各機台内に存在する多数のアクチュエータに対する駆動指令は、このメインコントローラの表示手段（ディスプレイ）および操作入力手段（キーボード等）を介して行われている。すなわち、繊維機械の初期設定時、あるいは仕様変更時などによる再調整時に一部の繊維機械処理ユニット（アクチュエータ）のみをテスト的に駆動する際、作業者は、機台端部に設けてあるメインコントローラの操作入力手段に対して直接入力操作を行っている。

このような繊維機械において、例えば、自動ワインダーによれば、各機台に設けてあるメインコントローラの入力操作により、それぞれ巻取設定値（ロット）が設定されるようになっている。前記巻取設定値のパラメータとしては、巻取速度、番手、巻取張力、巻取パッケージの巻取量（定長設定）、パッケージ重量、糸欠陥に関する設定などの各種項目があり、各機台におけるメインコントローラにより巻取条件として設定することができるようになっている。

このような繊維機械において、異なる機台で同じ巻取設定値で巻くように設定していたとしても、オペレータが、途中で設定値を少し変更してしまうケースがある。このことによって、同じ製品が仕上がるはずが、機台毎に異なる品種の製品が出来てしまうことがある。ここで、変更された設定値を元に戻すためには、変更されていない設定値データを保有している機台まで行き、設定値データを記憶媒体に移して取得し、さらに、該記憶媒体を元に戻すべき機台まで持参してデータ入力するという手間が必要である。また、繊維機械を備える工場においては、機台が複数並設したところが多く敷地が広大であり、前記作業はオペレータにとって負担である。

従来、特許文献１に開示されているような繊維機械に対するアクチュエータ駆動方法が提供されている。この特許文献１に記載のものは、テスト駆動等により一部の処理ユニットのみを駆動する際、簡単な入力操作のみにより、作業者がその処理ユニットを観察しながら、すなわち処理ユニット近傍から離れることなく、必要なアクチュエータの駆動操作（駆動／停止切り換えまたは速度制御）が行える繊維機械を提供することを目的とするものであり、無線通信機１０を構成要件とするものであって、当該無線通信機を介在して、作業者の手動操作により、機台のメインコントローラを制御しようとするものである。この特許文献１に記載のものは、あくまでも、作業者の手動操作によって無線通信機を介してメインコントローラを制御するものであり、複数台の機台を、その糸処理条件に合わせて自動的に設定し、省力化を図るものではない。

特開２００３−２５３８号公報（要約、図１、図４）

そこで、この発明は、上記する従来技術の問題点を解消すべくなしたものであって、特に重要な要素は、複数の繊維処理ユニットにより構成される機台を複数並設してなる各種繊維機械、例えば、自動ワインダーなどにおいて、各機台に設けてある機台中央制御装置を一つのパソコンにＬＡＮ接続して、既設定してある糸処理条件を他の機台に対して転送して、自動的に異なる機台を全く同じ設定条件で運転し得るようになし、入力作業の省力化を図ってなる繊維機械における糸処理条件設定システムを提供することにある。

この発明は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、複数の繊維処理ユニットにより構成される機台を複数並設してなり、前記各機台に機台中央制御装置を備えた繊維機械において、前記各機台中央制御装置にＬＡＮ接続してなる転送操作用制御装置を備え、前記転送操作用制御装置により、任意の機台の糸処理条件設定ファイルを取り込み、取り込んだ情報を他の機台の機台中央制御装置に転送するようになしたことを特徴とする繊維機械の糸処理条件設定システムを構成するものである。

さらに、この発明において請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の繊維機械の糸処理条件設定システムであって、前記機台中央制御装置は、前記糸処理条件を決定する設定値が、異なる複数種の糸処理条件設定ファイルを格納可能であり、前記格納された複数種の糸処理条件設定ファイルの中から選択的に転送対象を指定し得るようになしたことを特徴とするものである。

さらに、この発明において請求項３に記載の発明は、請求項１あるいは請求項２に記載の繊維機械の糸処理条件設定システムであって、転送された情報の受信と、転送された糸処理条件設定ファイルの取り込み操作の入力の検出とにもとづいて、前記機台中央制御装置に転送された糸処理条件設定ファイルを格納する制御を行うようにしたことを特徴とするものである。

さらにまた、この発明において請求項４に記載の発明は、請求項１〜請求項３のいずれかに記載の繊維機械における糸処理条件設定システムであって、前記機台中央制御装置における糸処理条件設定ファイルに関する情報を表示可能とする表示部を備え、糸処理条件設定ファイルの転送情報入力にもとづき、前記表示部に転送情報入力状態を表示する制御を行うようにしたことを特徴とするものでもある。

この発明になる繊維機械における糸処理条件設定システムによれば、繊維機械における各機台に設けてある機台中央制御装置（メインコントローラ）と転送操作用コンピュータ（ホストコンピュータ）とをＬＡＮ接続し、機台中央制御装置と転送操作用コンピュータとの間で糸処理条件の設定値を転送するように構成したことにより、異なる機台を既設定した糸処理条件設定値で自動的に、且つ、確実に運転することができ、作業の省力化の点において極めて有効に作用するものといえる。

また、この発明になる繊維機械における糸処理条件設定システムによれば、糸処理条件を決定する設定値が、異なる複数種の糸処理条件設定ファイルを格納可能であり、複数種の糸処理条件設定ファイルの中から選択的に転送対象を指定し得るように構成したことにより、機台によっては巻取りの対象となる原料（羊毛用、綿用など）を限定して巻き取るものもあり、設定ファイルの中には不要なものがあるが、そのような場合に、不要な設定ファイルの取り込みを排除することができる。

また、この発明になる繊維機械における糸処理条件設定システムによれば、転送された情報の受信と、転送された糸処理条件設定ファイルの取り込み操作の入力の検出とにもとづいて、機台中央制御装置に転送された糸処理条件設定ファイルを格納する制御を行うように構成したことにより、機台の中のユニット稼働中に設定ファイルの設定値が突然変更になり、駆動条件が急変することを防止することができる。

以下、この発明になる繊維機械の糸処理条件設定システムについて、図面に示す具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。図１は、この発明になる繊維機械における糸処理条件設定システムの全体的な構成の一例を示すもので、例えば、繊維機械が、自動ワインダーである場合に適用した実施形態を示す概略的なブロック線図である。図１に示す実施例において、繊維機械である自動ワインダーＡＷの機台１０Ａ〜１０Ｎは、それぞれ複数の巻取機ユニットＵ１〜Ｕｎを列状に配列したもので構成されており、各機台は、その端部に各機台毎の統括コンピュータとしてのメインコントローラ（機台中央制御装置）ＭＣ１〜ＭＣｎを備えている。このメインコントローラは、液晶ディスプレイ等の表示手段１１およびキーボードなどの操作入力手段１２を備えており、表示手段１１の表示内容を参照しながら操作入力手段１２に対する操作入力を行って各種設定が行えるようになっている。メインコントローラＭＣ１〜ＭＣｎに対する設定入力項目の一例として、巻取速度、番手、巻取張力、巻取パッケージの巻取量（定長設定）、パッケージ重量、糸欠陥に関する設定などを含む糸処理条件の項目がある。これらの各項目を１セットにした単位を糸処理条件設定ファイル（ロット）と称し、本実施例では、設定値が異なる各ロットにロット名を付与している。

この発明では、前記各機台１０Ａ〜１０ＮにおけるメインコントローラＭＣ１〜ＭＣｎは、ハブ１３を介して転送操作用コンピュータ１４にＬＡＮ接続してある。前記転送操作用コンピュータ１４は、指定された特定のメインコントローラＭＣの糸処理条件の設定値を取り込み、この設定値を異なる機台のメインコントローラＭＣに書き込み、転送するＦＴＰ（File Transfer Protocol) ツールとして構成されている。このＦＴＰは、ＴＣＰ／ＩＰを利用したネットワーク上においてファイル転送の機能をもつプロトコルである。

図１に示す実施例では、メインコントローラＭＣと転送操作用コンピュータ１４において、それぞれ通信用ソフトおよび設定値転送用機器が設けられており、転送操作用コンピュータに設定値管理用ソフトが設けられている。設定値管理用ソフトは、例えば、エクセルなどの表計算ソフトまたはデーターベースソフトからなっている。

次いで、この発明になる繊維機械の糸処理条件設定システムについて、図２〜図５に示す操作手順にもとづいて説明する。図２は、転送操作用コンピュータ１４のディスプレイ１５を概略的に示すものであり、図５は、メインコントローラＭＣにおけるディスプレイ１１を概略的に示すものである。

まず、この発明では、各機台１０Ａ〜１０Ｎにおける各メインコントローラＭＣ１〜ＭＣｎとロットファイルを送信するツールが入っている転送操作用コンピュータ１４とをＬＡＮで接続し、この接続状態を確認した後、前記転送操作用コンピュータ１４内に格納したプログラムを実行する。この段階で、指定する特定のメインコントローラＭＣｘのＩＰアドレスをアドレス表示枠１６内に入力する。しかる後、〔オンライン〕キー１７を押して、転送操作用コンピュータ１４と特定のメインコントローラＭＣｘとを接続すると、[Setting] 枠１８内に、メインコントローラＭＣｘ内に保存されているロット数Ｌａが表示されるとともに、確認画面１９にメインコントローラＭＣｘ内に保存されているロットファイル名の一覧が表示される。この段階で、前記確認画面１９に表示されたロット名の中から転送操作用コンピュータ１４に取り込むロット名を選択することができ、選択した場合、その選択したロット数Ｌｘが、[Setting] 枠１８内にＬｘ／Ｌａで表示される（図２参照）。本実施例では、システム処理上、各機台（特定のメインコントローラＭＣｘ）の所在地をＩＰアドレスを割り当て、認識するようになっている。

図２の段階で、〔取り込み〕キー２０を押すと、ロット名（選択した場合は選択されたロット名）が転送操作用コンピュータ１４内に取り込まれ、この取り込まれたロット名が、取り込み画面２１に表示される。図３は、ロット名が取り込まれた後の画面表示の状態を概略的に示すものである。この段階で、〔オフライン〕キー１７を押して、メインコントローラＭＣｘとの接続を終了する。

次いで、当該転送操作用コンピュータ１４内に取り込まれたロット名を、他の異なる機台におけるメインコントローラＭＣに転送する手順について説明する。まず、前記アドレス表示枠１６内に転送先のメインコントローラＭＣｙのＩＰアドレスを入力し、〔オンライン〕キー１７を押して、ＩＰアドレスに指定したメインコントローラＭＣｙと接続する。[Setting] 枠１８内にメインコントローラＭＣｙに保存されているロット数が、確認画面１９にそのロット名が表示され、取り込み画面２１に当該転送操作用コンピュータ１４内に取り込まれているロット名が表示される。この段階においても、前記取込み画面２１に表示されているロット名の中から転送したいロット名を選択することもできる。

転送したいロット名を選択した後、〔書き込み〕キー２２を押すと、選択したロット名がメインコントローラＭＣｙに書き込まれ、この書き込まれたロット名が転送書き込み画面２３に表示される。図４は、ロット名がメインコントローラＭＣｙに書き込まれた後の画面表示の状態を概略的に示すものである。

一方、これに対して、転送先の機台におけるメインコントローラＭＣｙ側では、転送されたロットを取り込む作業が行われる。この作業は、まず、メインコントローラＭＣｙの液晶ディスプレイ等の表示手段１１で、ロットデータ取り込み画面２４を呼び出すことによって、当該ロットデータ取り込み画面２４に転送操作用コンピュータ１４から転送されたロット名が表示される。これを確認した後、〔取り込み〕キー２５を押すことによって、転送されたロットをメインコントローラＭＣｙ内に取り込むことができ、全ての作業を終了する。

この発明では、糸処理条件を決定する設定値が異なる複数種の糸処理条件設定ファイルを格納可能である。この複数種の糸処理条件設定ファイルの中から選択的に転送対象を指定することができるようになっており、それによって、機台によっては巻取りの対象となる原料（羊毛用、綿用など）を限定して巻き取るものもあり、設定ファイルの中には不要なものがあるが、そのような場合に、不要な設定ファイルの取り込みを排除することができる。

さらに、この発明では、転送された情報の受信と、転送された糸処理条件設定ファイルの取り込み操作の入力の検出とにもとづいて、機台中央制御装置に転送された糸処理条件設定ファイルを格納する制御を行うようにしてあり、それによって、機台の中のユニット稼働中に設定ファイルの設定値が突然変更になり、駆動条件が急変することを防止することができる。この好ましい実施例によれば、オペレータは、機台の稼働状況を確認し、稼働停止、中断状態を見計らって、ロット情報が転送されたか否かの確認を機台中央制御装置にて行い、転送情報があれば取り込み操作入力を行うことができる。

さらにまた、この発明では、機台中央制御装置における糸処理条件設定ファイルに関する情報を表示可能とする表示部を備えたものからなっており、糸処理条件設定ファイルの転送情報入力にもとづき、表示部に転送情報入力状態を表示する制御を行うように構成されている。

図１は、この発明になる繊維機械における糸処理条件設定システムの全体的な構成の一例を示すもので、例えば、繊維機械が、自動ワインダー出ある場合に適用した実施形態を示す概略的なブロック線図である。 図２〜図４は、転送操作用コンピュータの操作手順に沿って、ディスプレイを概略的に示すものであり、図２は、確認画面中に、転送操作用コンピュータ内に取り込みたいロット名を選択表示した状態を示す概略図である。 図３は、転送操作用コンピュータ内に選択されたロット名が取り込まれ、取り込みが完了した状態を示す概略図である。 図４は、転送側における機台のメインコントローラへの書き込みが完了した状態を示す概略図である。 図５は、転送側における機台のメインコントローラのディスプレイを概略的に示すものであり、ロットデータ取り込み画面を示す概略図である。

符号の説明

１０Ａ〜１０Ｎ 複数の機台
Ｕ１〜Ｕｎ 複数の巻取機ユニット
ＭＣ１〜ＭＣｎ 機台中央制御装置（メインコントローラ）
ＭＣｘ 取り込み側のメインコントローラ
ＭＣｙ 転送先のメインコントローラ
１１ メインコントローラの表示手段
１３ ハブ
１４ 転送操作用制御装置（ホストコンピュータ）
１５ 転送操作用制御装置のディスプレイ
Ｌａ メインコントローラＭＣｘ内に保存されているロット数
Ｌｘ 選択したロット数
１６ アドレス表示枠
１７ 〔オン／オフライン〕キー
１８ Setting 枠
１９ 確認画面
２０ 〔取り込み〕キー
２１ 取り込み画面
２２ 〔書き込み〕キー
２３ 転送書き込み画面
２４ メインコントローラのロットデータ取り込み画面
２５ 〔取り込み〕キー

Claims (4)

1. 複数の繊維処理ユニットにより構成される機台を複数並設してなり、前記各機台に機台中央制御装置を備えた繊維機械において、前記各機台中央制御装置にＬＡＮ接続してなる転送操作用制御装置を備え、前記転送操作用制御装置により、任意の機台の糸処理条件設定ファイルを取り込み、取り込んだ情報を他の機台の機台中央制御装置に転送するようになしたことを特徴とする繊維機械の糸処理条件設定システム。
2. 前記機台中央制御装置は、前記糸処理条件を決定する設定値が異なる複数種の糸処理条件設定ファイルを格納可能であり、前記格納された複数種の糸処理条件設定ファイルの中から選択的に転送対象を指定し得るようになしたことを特徴とする請求項１に記載の繊維機械の糸処理条件設定システム。
3. 転送された情報の受信と、転送された糸処理条件設定ファイルの取り込み操作の入力の検出とにもとづいて、前記機台中央制御装置に転送された糸処理条件設定ファイルを格納する制御を行うようにしたことを特徴とする請求項１あるいは請求項２に記載の繊維機械の糸処理条件設定システム。
4. 前記機台中央制御装置における糸処理条件設定ファイルに関する情報を表示可能とする表示部を備え、糸処理条件設定ファイルの転送情報入力にもとづき、前記表示部に転送情報入力状態を表示する制御を行うようにしたことを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれかに記載の繊維機械の糸処理条件設定システム。
   

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