JP2006142909A - 空気入りタイヤ、タイヤ装着方法及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速耐久性を維持してベルト耐久性を向上した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 カーカスのタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜した複数本のスチールコード19を含む1層のスチールベルト層20Aを配置し、その外側に複数本の芳香族ポリアミドコードを含む1層のキャップベルト層を配置する。スチールベルト層20Aは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、タイヤ赤道面CLを中心としてベルト半幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域20Aa内では、平面視したときのタイヤ赤道面上でのスチールコード19のコードパスをベルト端側へ延長した仮想線FLに対し、仮想線FLからのスチールコード19Lsの離間距離が、スチールコード19の直径の10倍未満に制限する。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤにかかり、特に、高速耐久性を維持してベルト耐久性を向上した空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、カーカスとキャップベルト層との間に配置される所謂スチールベルト層は、スチールコードがタイヤ周方向に対して傾斜する、所謂クロス構造で配置される事が一般的であった。
一般的に、トレッドバンドはトロイダル状に変形形成されたカーカスケース外周面輪郭形状に対して比較的平坦な形状(回転中心に沿った断面で見たときに)に形成される。
近年、低燃費性の要請により、タイヤの軽量化ニーズが高まり、スチールベルト層の単層化が研究されてきており、その類例として特許文献1〜3等が提案されている。
特開2001―233012号公報 特開2001―233023号公報 特開平8―290708号公報
一般に、トロイダル状に変形したカーカスケースの大きな曲率の円弧状外周面に、殆ど平坦に近い形状で形成されたトレッドバンドを圧着成型する場合、特にスチールバイアスベルト層(互いにコード方向が交差する2枚以上のベルトからなる)の中央部とベルト端部との外周長差(中央部外周長>端部外周長)によって、ベルト端部のコードは、前記外周長差を吸収するために、コードの長手方向にウェーブして形成されており、このウェーブしたベルト端部に発生する応力集中により、そのタイヤ(ベルト)の高速耐久性が制約を受けた状態で使用されて来ているのが一般的であった。
しかしながら、スチールベルト層の単層化研究が進むにつれて、クロスベルト構造では互いにクロスする向きに配置されるスチールコード同士がお互いのウェーブ化の動きを抑制しあっていたものが、単層構造ではその抑止力が弱まり、ウェーブがより一層大きくなり、クロスベルト構造に比べて高速耐久性を低下させる原因となるため、ベルト層端部の許容可能な所定のウェーブ量を有するタイヤ開発の必要性が生じてきた。
単層スチールベルト層のスチールコードの向きに沿ってプライステァーと称される力がタイヤに発生するので、この力を適正に取り扱わないと、車両の片流れ現象が生じて車両が歩道側に流れるなど、或いは、トレッドゴム内に働く応力の向きが片一方に偏向するため、トレッドゴムの変形歪みが片一方に偏向して早期摩耗や偏摩耗が促進されて好ましくない。
例えば、特許文献1に提案されるトレッドパターンとバイアスベルト構造との残留コーナリングフォースを相乗的に利用して中央が高く、両側が低い形状の道路、所謂カマボコ型道路での車両の片流れをより安全サイド(反歩道側)に誘導するトレッド構造は、カマボコ型道路の場所に限ってはそれなりの効果を奏するものの、道路はいたるところで全てカマボコ型に造られていたり、きれいなカマボコ型を維持しているとは限らず、平坦路での直進性、コーナリング安定性、耐摩耗性等が必ずしも十分でない場合があった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、高速耐久性を維持してベルト耐久性を向上した空気入りタイヤ、タイヤ装着方法及び空気入りタイヤの製造方法の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数本の有機繊維コードを含む少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを含む1層のスチールベルト層と、前記スチールベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、複数本の有機繊維コードを含むキャップベルト層と、前記キャップベルト層のタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を有することを特徴とする空気入りタイヤであって、前記キャップベルト層の有機繊維コードは、螺旋状に巻回されており、前記スチールベルト層は、前記空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、タイヤ赤道面を中心としてベルト幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内では、平面視したときのタイヤ赤道面上での前記スチールコードのコードパスをベルト端側へ延長した仮想線に対し、前記仮想線からの前記スチールコードの離間距離が、前記スチールコードの直径の10倍未満に制限されている、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、カーカスのタイヤ径方向外側部分は、スチールコードを含む1層のスチールベルト層と、有機繊維コードを含むキャップベルト層とで補強されている。
ここで、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧(適用サイズにおける単輪の最大負荷能力に対応する)を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、タイヤ赤道面を中心としてベルト幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内で、平面視したときのタイヤ赤道面上でのスチールコードのコードパスをベルト端側へ延長した仮想線に対し、仮想線からのスチールコードの離間距離が、スチールコードの直径の10倍未満に制限されていない、実質上直線形状に保たれていない場合には、スチールベルト層の端部において局部応力が集中してしまい、ベルト層の耐久性が低下する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、前記スチールコードが、無撚りのモノフィラメントコードである、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
スチールコードに無撚りのモノフィラメントコードを用いることにより、スチールベルト層のゲージを薄くでき、軽量化に好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、前記キャップベルト層の有機繊維コードが、芳香族ポリアミドコードである、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
スチールベルト層のタイヤ径方向外側に高弾性の芳香族ポリアミドコードを螺旋巻きしたキャップベルト層を配設することで、高いタガ効果が得られ、走行中のトレッドの変形偏向が低減されることで耐熱性、耐摩耗性、及び高速走行安定性が向上する。
さらに、耐熱性、耐摩耗性の向上により、トレッドにソフトコンパウンドの搭載が可能となることで、グリップを増し、旋回時の制駆動特性を向上することも可能となる。
また、螺旋巻きしたことにより、芳香族ポリアミドコードの向きは、タイヤ周方向に対して略平行となる。したがって、スチールベルト層のタイヤ径方向外側に配置したキャップベルト層が、単層のスチールベルト層を配置したことに起因するプライステアーの影響発現を低減することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、トレッド部には、タイヤ赤道面を中心とするベルト幅の70%以内の主要中央領域に、タイヤ周方向に対して前記スチールコードとは反対方向に傾斜する傾斜溝がタイヤ周方向に複数形成されている、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
タイヤ赤道面を中心とするベルト幅の70%以内のトレッド主要中央領域に、タイヤ周方向に対してスチールコードとは反対方向に傾斜する傾斜溝をタイヤ周方向に複数形成することで、単層のスチールベルト層から生じる残留コーナリングフォースと、傾斜溝によりトレッド周上に多数配置されるラグ部から生じる残留コーナリングフォースとが相殺し合って、トレッドゴム内部に働く応力の向きが一方向に偏向することが減殺され、トレッドゴムの歪み変形の偏向されて耐摩耗性が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の空気入りタイヤを車両に装着するタイヤ装着方法であって、前記車両の左輪と右輪とでは、前記傾斜溝の傾斜方向が反対方向に設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
空気入りタイヤを四輪車に装着する際に、装着前面視(車両を前方正面から見たとき)における、同一車軸上の左右輪タイヤの、トレッド主要中央領域に配置される傾斜溝が、左右装着輪を見たときに、ハの字(向かって左側のタイヤでは傾斜溝が右上がりで、右側のタイヤでは傾斜溝が左上がり)、もしくは逆ハの字(向かって左側のタイヤでは傾斜溝が左上がりで、右側のタイヤでは傾斜溝が右上がり)を呈するように装着することにより、完全には除去し切れずに残留して左右輪から生じてくるプライステアーの影響を左右で相殺し合えて操縦安定性、耐摩耗性向上により好ましい。
請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法は、ベルト成型フォーマー上でスチールベルト層、キャップベルト層、及びトレッドゴムを順次貼り付けてトレッドバンドを成型するトレッドバンド成型工程と、ドラムにプライを貼り付け中央部を径方向外側へ膨出させてトロイダル状のカーカスケースを形成するカーカスケース成型工程と、トロイダル状のカーカス外周面にトレッドバンドを嵌合させ、トレッドゴムの外側より圧着ステッチャーをかけてトレッドバンドとカーカスケースとを圧着させる圧着工程と、圧着工程を経た生タイヤを加硫金型に装填して加硫成型を行う加硫成型工程と、を有し、前記圧着工程では、製品時トレッド幅のタイヤ赤道面からトレッド端までの60%位置に対応するトレッドゴム上の対応点よりも外側のトレッド端側領域では、前記トレッド端側領域よりも内側の内側領域でのステッチャー圧着力の25〜35%の範囲内のステッチャー圧着力で成型する、ことを特徴としている。
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用を説明する。
トレッドバンド成型工程では、ベルト成型フォーマー上でスチールベルト層、キャップベルト層、及びトレッドゴムが順次貼り付けられてトレッドバンドが成型される。
一方、カーカスケース成型工程では、ドラムにプライが貼り付けられて中央部が径方向外側へ膨出されてトロイダル状のカーカスケースが形成される。
圧着工程では、トロイダル状のカーカス外周面にトレッドバンドが嵌合され、トレッドゴムの外側より圧着ステッチャーがかけられてトレッドバンドがカーカスケースに圧着される。
この圧着工程では、製品時トレッド幅のタイヤ赤道面からトレッド端までの60%位置に対応するトレッドゴム上の対応点よりも外側のトレッド端側領域では、トレッド端側領域よりも内側の内側領域でのステッチャー圧着力の25〜35%の範囲内のステッチャー圧着力で圧着が行われる。
これにより、製品タイヤのタイヤ赤道面上でのスチールコードのコードパスを延長した仮想線に対し、タイヤ赤道面を中心としてベルト幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内で、仮想線からのスチールコードの離間距離をスチールコードの直径の10倍未満に制限された空気入りタイヤを提供できる。
ここで、トレッド端側領域のステッチャー圧着力が、内側領域でのステッチャー圧着力の25%未満になると、カーカスケースとトレッドバンドとを適正に圧着できなくなる。
一方、トレッド端側領域のステッチャー圧着力が、内側領域でのステッチャー圧着力の35%を超えると、上記仮想線からのスチールコードの離間距離をスチールコードの直径の10倍未満に制限された空気入りタイヤを提供できなくなる。
なお、製品時トレッド幅とは、製品タイヤをJATMA YEAR BOOK(2004年度版)に定める適用リムに装着し、180kPaの内圧を充填し、最大負荷能力の88%に相当する質量を加えたときのトレッド面の最大接地幅を意味する。
以上説明したように本発明の空気入りタイヤ、タイヤ装着方法及び空気入りタイヤの製造方法によれば、高速耐久性を維持してベルト耐久性を向上することができる、という優れた効果を有する。
次に、本発明の空気入りタイヤの一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤ10はビード部11に埋設されたビードコア12の周りにタイヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス14と、カーカス14の本体部14Aと巻上部(折返部分)14Bとの間に配置されるビードフィラー15と、カーカス14のクラウン部に位置するトレッド部16と、カーカス14のサイド部に位置するサイドウォール部18と、カーカス14のクラウン部とトレッド部16との間配置された二層のベルト層20を備えている。
カーカス14は、タイヤ周方向と直交する方向に配列された複数の有機繊維コードを含む2枚のラジアルカーカスプライから構成されている。
本実施形態のベルト層20は、1層のスチールベルト層20Aと、このスチールベルト層20Aの外周面に配置される1層のキャップベルト層20Bとで構成されている。
図2(A)に示すように、スチールベルト層20Aは、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコード19が互いに平行に配列されている。
本実施形態では、スチールコード19のタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度が55°に設定されているが、傾斜角度はこの値に限定されない。
本実施形態では、スチールベルト層20Aをタイヤ外周側から平面視したときに、スチールコード19が右上がりに傾斜している。
スチールコード19としては、無撚りのモノフィラメントコードを用いることが好ましい。本実施形態では、スチールコード19としては、無撚りのモノフィラメントコードを用いている。
一方、キャップベルト層20Bは、有機繊維コードを復数本含む(場合によっては1本でも良い)ゴム引きされた狭幅のストリップを、有機繊維コードがタイヤ周方向に実質的に平行(0°〜5°)となるように螺旋状に、タイヤ幅方向一方側から他方側へエンドレスに巻き付けることで構成されている。
キャップベルト層20Bの有機繊維コードは、高強力な有機繊維コード、本実施形態では芳香族ポリアミドコードを用いている。
本実施形態では、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、図2(A),(B)に示すように、タイヤ赤道面CLを中心としてスチールベルト層20Aのベルト幅BWの少なくとも85%位置からショルダー側の領域20Aa内では、平面視したときのタイヤ赤道面CL上でのスチールコード19のコードパスをベルト端側へ延長した仮想線FLに対し、仮想線FLからのスチールコード19の離間距離Lsが、スチールコード19の直径dの10倍未満に制限されている。即ち、スチールコード19は、ベルト端付近で略直線形状を保っている。
なお、図3に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド部16には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向主溝22,24と、スチールコード19(図3では図示せず)とはタイヤ赤道面CLに対して反対方向に傾斜した複数の傾斜溝26,28が形成されている。
また、図3において、TWはトレッド幅を示している。
次に、この空気入りタイヤ10の製造方法を説明する。
先ず、図示しないベルト成型フォーマー上で、スチールベルト層20A、キャップベルト層20B、及びトレッド部16を構成するトレッドゴム17(図4参照)を順次貼り付けてトレッドバンドを成型する(トレッドバンド成型工程)。
また、別のドラムでは、インナーライナー、及びカーカスプライを貼り付け、左右両側にビードコア、ビードフィラー等を配置してカーカスプライの両端部分を折り返した後、サイドウォール部18を構成するサイドゴムをカーカス14の側面に貼り付け、カーカスプライの中央部を径方向外側へ膨出させてトロイダル状のカーカス14を成型する(カーカスケース成型工程)。
次に、圧着工程では、トロイダル状のカーカス14の外周面にトレッドバンドを嵌合させ、トレッドゴム17の外側より図示しない圧着ステッチャーをかけてトレッドバンドとカーカスケースとを圧着させる。
図1に示すように、製品である空気入りタイヤ10のタイヤ赤道面CLからトレッド端16E側へトレッド半幅1/2TWの60%位置をP1としたときに、上記圧着工程では、図4に示すように、前記位置P1に対応するトレッドゴム17上の対応点P2よりも外側のトレッド端側領域17Aにおいては、その内側の内側領域17Bでのステッチャー圧着力の25〜35%の範囲内のステッチャー圧着力で圧着を行い、生タイヤを完成させる。
その後、生タイヤを加硫金型に装填し、従来通り加硫を行うことで、上述した様に、タイヤ赤道面CLを中心としてスチールベルト層20Aのベルト幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内で、仮想線FLからのスチールコード19の離間距離がスチールコード19の直径の10倍未満に制限された空気入りタイヤ10を得ることができる。
(作用)
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10では、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコード19を配列したスチールベルト層20Aによりトレッド部16の面内曲げ剛性が得られ、コーナリング時の横力に耐えることができる。
また、タイヤ赤道面CLに対して実質状平行に配置された複数本の高強力な芳香族ポリアミドコードを配列したキャップベルト層20Bをスチールベルト層20Aの上に配置したので、トレッド部16の高い周方向剛性が得られ、内圧の保持性が向上でき、また、高い高速耐久性が得られる。
走行中のトレッド部16の変形偏向が低減されることで耐熱性、耐摩耗性、及び高速走行安定性が向上する。さらに、耐熱性、耐摩耗性の向上により、トレッドゴム17にソフトコンパウンドの搭載が可能となることで、グリップを増し、旋回時の制駆動特性を向上することも可能となる。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、JATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、タイヤ赤道面CLからスチールベルト層20Aのベルト半幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内20Aaで、仮想線FLからのスチールコード19の離間距離が、スチールコード19の直径の10倍未満に制限されて実質上直線形状とされているので、スチールベルト層20Aの端部において局部応力が集中することが避けられ、スチールベルト層20Aの耐久性が向上する。
また、本実施形態では、スチールコード19としては、無撚りのモノフィラメントコードを用いているので、スチールベルト層20Aのゲージを薄くでき、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、スチールベルト層20Aの外周に螺旋巻きされてタイヤ周方向に対する角度がタイヤ周方向に対して略平行となる芳香族ポリアミドコードからなるキャップベルト層20Bが配置されているので、単層のスチールベルト層20Aを配置したことに起因するプライステアーの影響発現を低減することができる。
さらに、タイヤ赤道面CLを中心とするベルト幅の70%以内のトレッド主要中央領域に、タイヤ周方向に対してスチールコード19とは反対方向に傾斜する傾斜溝26,28をタイヤ周方向に複数形成したので、単層のスチールベルト層20Aから生じる残留コーナリングフォースと、傾斜溝26,28によりトレッド周上に多数配置されるラグ部から生じる残留コーナリングフォースとが相殺し合って、トレッドゴム内部に働く応力の向きが一方向に偏向することが減殺され、トレッドゴム17の歪み変形の偏向されて耐摩耗性が向上する。
なお、この空気入りタイヤ10を四輪車に装着する際には、装着前面視における、同一車軸上の左右輪タイヤの、トレッド主要中央領域に配置される傾斜溝26,28が、左右装着輪を見たときに、ハの字、もしくは逆ハの字を呈するように装着することが好ましい。これにより、完全には除去し切れずに残留して左右輪から生じてくるプライステアーの影響を左右で相殺し合えて操縦安定性、及び耐摩耗性向上につながる。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例のタイヤ1種、及び本発明の適用された実施例のタイヤ2種を用意し、高速耐久性試験を実施した。
供試タイヤの構造は以下の表1に記載した通りである。また、タイヤサイズは何れも215・45ZR17である。
また、高速耐久性試験は、供試タイヤを室内のドラム試験機に装着し、内圧、荷重、速度km/hで連続走行させ、走行不能となった走行距離を測定した。評価は、従来例のタイヤの走行距離を100とする指数表示とした。数値が大きいほど高速耐久性に優れていることを表している。
Figure 2006142909
試験の結果から、本発明の適用された実施例の空気入りタイヤは、従来例の空気入りタイヤに対して高速耐久性が大幅に向上しているのが分かる。
なお、従来例の空気入りタイヤは、スチールベルト層の端部でスチールコードがウェーブして成型されているため、その不安定さから加硫後にスチールコード端部の折れ曲がりや、スチールコードがタイヤ外部に露出する等の不具合が発生する場合があり、安定性した供給ができなかったが、本発明の製造方法によれば、スチールコードを事実上直線形状に保つことが可能となり、製造工程上の不良発生を抑制して空気入りタイヤの安定性した供給が実現できた。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの断面図(タイヤ赤道面片側)である。 (A)はスチールベルト層のスチールコードを示す平面図であり、(B)は図2(A)の矢印Aが示すベルト端付近の拡大図である。 トレッドの平面図である。 生タイヤの断面図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
14 カーカス
16 トレッド部
17 トレッドゴム
19 スチールコード
20 ベルト
20A スチールベルト層
20B キャップベルト層

Claims (6)

  1. 複数本の有機繊維コードを含む少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを含む1層のスチールベルト層と、
    前記スチールベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、複数本の有機繊維コードを含むキャップベルト層と、
    前記キャップベルト層のタイヤ径方向外側に配置されトレッド部を構成するトレッドゴム層と、
    を有することを特徴とする空気入りタイヤであって、
    前記キャップベルト層の有機繊維コードは、螺旋状に巻回されており、
    前記スチールベルト層は、前記空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOKに定める適用リムに装着し、最大内圧を充填して一旦リムにフィットさせた後に内圧を抜き取った大気圧状態下において、タイヤ赤道面を中心としてベルト幅の少なくとも85%位置からショルダー側の領域内では、平面視したときのタイヤ赤道面上での前記スチールコードのコードパスをベルト端側へ延長した仮想線に対し、前記仮想線からの前記スチールコードの離間距離が、前記スチールコードの直径の10倍未満に制限されている、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記スチールコードが、無撚りのモノフィラメントコードである、ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記キャップベルト層の有機繊維コードが、芳香族ポリアミドコードである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. トレッド部には、タイヤ赤道面を中心とするベルト幅の70%以内の主要中央領域に、タイヤ周方向に対して前記スチールコードとは反対方向に傾斜する傾斜溝がタイヤ周方向に複数形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 請求項4に記載の空気入りタイヤを車両に装着するタイヤ装着方法であって、
    前記車両の左輪と右輪とでは、前記傾斜溝の傾斜方向が反対方向に設定されている、ことを特徴とするタイヤ装着方法。
  6. ベルト成型フォーマー上でスチールベルト層、キャップベルト層、及びトレッドゴムを順次貼り付けてトレッドバンドを成型するトレッドバンド成型工程と、
    ドラムにプライを貼り付け中央部を径方向外側へ膨出させてトロイダル状のカーカスケースを形成するカーカスケース成型工程と、
    トロイダル状のカーカス外周面にトレッドバンドを嵌合させ、トレッドゴムの外側より圧着ステッチャーをかけてトレッドバンドとカーカスケースとを圧着させる圧着工程と、
    圧着工程を経た生タイヤを加硫金型に装填して加硫成型を行う加硫成型工程と、
    を有し、
    前記圧着工程では、製品時トレッド幅のタイヤ赤道面からトレッド端までの60%位置に対応するトレッドゴム上の対応点よりも外側のトレッド端側領域では、前記トレッド端側領域よりも内側の内側領域でのステッチャー圧着力の25〜35%の範囲内のステッチャー圧着力で成型する、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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