JP2006141210A - キメラ遺伝子の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 染色体転座より生じるキメラ遺伝子の検出方法に関して、数多く存在するキメラ遺伝子をスループット高く一度に検出する方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に固定化されたキメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む少なくとも2種類以上のプローブに対し、キメラ遺伝子由来の核酸を含む試料をハイブリダイズさせることにより、2種以上のキメラ遺伝子を一度に検出することを特徴とするキメラ遺伝子の検出方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に固定化されたキメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む少なくとも2種類以上のプローブに対し、キメラ遺伝子由来の核酸を含む試料をハイブリダイズさせることにより、2種以上のキメラ遺伝子を一度に検出することを特徴とするキメラ遺伝子の検出方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は染色体転座より生じるキメラ遺伝子の検出方法に関する。より詳細には、数多く存在するキメラ遺伝子をスループット高く一度に検出する方法に関する。
白血病の病型には特徴的な染色体転座が認められることが広く知られており、染色体転座によって結果的に生じるキメラ遺伝子もまた白血病の発症において重要な働きをすることが知られている(非特許文献1及び2参照)。また、染色体の転座は白血病の発症以外においても、白血病の分類、治療法の選択、及び予後の経過等に密接に関連しており(非特許文献3及び4参照)、染色体の転座を検出することは白血病の診断に不可欠な検査項目となっている。
この様な染色体の転座を染色体レベルで検出する方法としてはFISH(Fluorescence In Situ Hybridization)法が広く知られている(非特許文献5及び6参照)。FISH法では、転座点を挟んでキメラ遺伝子を構成する関連遺伝子それぞれに特異的な塩基配列を有する異なる蛍光色素で標識された蛍光プローブを準備した後、これらを検体である染色体にハイブリダイズする。その後、蛍光顕微鏡を用いて異なる蛍光プローブが染色体上のどの位置にハイブリダイズしているかを観察する。
一方、転写産物であるキメラ遺伝子を検出する方法としては、逆転写反応を用いたRT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)法が広く知られている(非特許文献7参照)。RT-PCR法では、キメラ遺伝子の転座点を挟んで設定されたフォワード側プライマ及びリバース側プライマを用いて増幅の有無又は増幅された量を検出する。検出方法としては、増幅産物をゲル泳動により観察する方法(非特許文献8参照)と蛍光標識したプローブを用いる方法(非特許文献9参照)がある。
また、RT-PCR法と同様にフォワード側プライマとリバース側プライマを設定してキメラ遺伝子を検出する方法としてはNASBA法等も挙げられる(特許文献1および2参照)。
白血病に関連する染色体の転座としては既に報告されているもので29種類もの遺伝子の組み合わせが存在する。さらに、転座を起こす遺伝子が同じ組み合わせであっても、遺伝子の転座位置が異なるタイプが数多く存在し、80種類以上のキメラ遺伝子の存在が報告されている(非特許文献10参照)。しかしながら、FISH法では1アッセイで用いることができる蛍光色素の種類に限りがあるため、白血病に関連する数多くのキメラ遺伝子をスループット高く検出することができない。また、白血病の診断ではキメラ遺伝子の定量に基づく微小残存病変(MRD;Minimal Residual Disease)の解析が重要であるが、FISH法は定量性が低いためMRDの解析も難しい。FISH法よりスループットが高い方法としてマルチプレックスRT-PCR法も提案されている(非特許文献10参照)が、8回もの増幅反応と電気泳動による検出が必要でありスループットが高い検出方法とは言い難い。
一方、定量性が高く、スループットの向上が検討された方法としてReal-time PCR法を用いた方法が報告されている(特許文献3参照)。しかしながら、Real-time PCR法では増幅される産物の大きさによって増幅の効率が異なることが知られており、定量性を高めるためには増幅産物の大きさをある程度揃える必要がある。ここで、Real-time PCR法では増幅される増幅産物の大きさをもって対象であるキメラ遺伝子の種類を同定するため、検出対象遺伝子の増幅産物の大きさをある程度揃えながら、且つキメラ遺伝子ごとに増幅産物の大きさが異なるようなフォワード側プライマとリバース側プライマの設定が必要となる。そのため、検出対象の遺伝子数が増えれば増える程プライマ設計の自由度が小さくなり、結果としては80種類ものキメラ遺伝子を同時に検出するようなプライマセットを設計することは不可能となる。さらに、Real-time PCR法では、増幅に必要な酵素とともに検出に必要な蛍光プローブも必要であるため、検査コストが高くなるといった問題もある。前述のNASBA法においても、スループット、定量性ともにReal-time PCR法と同様の問題が存在する。
本発明の課題は、数多く存在するキメラ遺伝子をPCR法を用いることなくスループット高く一度に検出する方法を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明では、支持体上に固定化されたキメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む少なくとも2種類以上のプローブに、キメラ遺伝子由来の核酸(増幅産物)を含む試料をハイブリダイズさせる。支持体上には数多くの各エキソン配列内の部分塩基配列に対応するプローブが固定化されているため、一度に多くのキメラ遺伝子を検出することができる。
また、本発明のキメラ遺伝子の検出方法では、あらかじめ試料中の核酸を標識するなどして、各プローブとハイブリダイズした核酸からの信号強度を解析することで、転座を起こす遺伝子の組み合わせは同じであるが遺伝子の転座位置が異なる2種以上のキメラ遺伝子を識別して一度に検出することができる。
本発明のキメラ遺伝子の検出方法において、キメラ遺伝子由来の核酸を含む試料は、たとえば下記工程(1)〜(4)により調製する。
(1)検体から得たRNAに対し逆転写反応を行い1本鎖DNAを合成する工程
(2)上記1本鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを合成する工程
(3)上記2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼを用いてcRNAを増幅する工程
(4)上記cRNAを鋳型として逆転写反応を行い一本鎖DNAを合成する工程
上記工程(1)の逆転写反応では、キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に対し、これと相補的な塩基配列を含むプライマを用いる。このプライマには、cRNAの増幅効率を高めるために、RNAポリメラーゼのプロモータ配列を結合させることが好ましい。
(1)検体から得たRNAに対し逆転写反応を行い1本鎖DNAを合成する工程
(2)上記1本鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを合成する工程
(3)上記2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼを用いてcRNAを増幅する工程
(4)上記cRNAを鋳型として逆転写反応を行い一本鎖DNAを合成する工程
上記工程(1)の逆転写反応では、キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に対し、これと相補的な塩基配列を含むプライマを用いる。このプライマには、cRNAの増幅効率を高めるために、RNAポリメラーゼのプロモータ配列を結合させることが好ましい。
また、上記工程(4)の逆転写反応では、キメラ遺伝子の転座点より5’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列を含むプライマを用いる。
本発明では、こうした配列特異的なプライマを用いて検出に必要な遺伝子由来の産物のみを特異的に増幅するため、検出時のノイズを低減させることができる。
本発明はまた、本発明のキメラ遺伝子の検出方法に用いられるキットも提供する。本発明のキットは、下記(a)〜(c)を必須の構成要素とするが、必要に応じて酵素、基質、検出用試薬など検出に必要な他の試薬等を含んでいてもよい。
(a)キメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む2種類以上のプローブを固定化した支持体
(b)キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に相補的な塩基配列を含む第1プライマ
(a)キメラ遺伝子の転座点より5’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列を含む第2プライマ
本発明のキメラ遺伝子の検出方法やそのためのキットは、キメラ遺伝子の発生と密接に関連した疾患、たとえば白血病の診断(白血病の分類、治療法の選択、及び予後の経過等)に利用することができる。白血病に関連したキメラ遺伝子の検出の場合、前記プローブやプライマとして、配列番号1〜51で示される塩基配列を含むプローブ、配列番号52〜64で示される塩基配列を含む第1プライマ、配列番号65〜77で示される第2プライマを用いることができる。
(a)キメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む2種類以上のプローブを固定化した支持体
(b)キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に相補的な塩基配列を含む第1プライマ
(a)キメラ遺伝子の転座点より5’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列を含む第2プライマ
本発明のキメラ遺伝子の検出方法やそのためのキットは、キメラ遺伝子の発生と密接に関連した疾患、たとえば白血病の診断(白血病の分類、治療法の選択、及び予後の経過等)に利用することができる。白血病に関連したキメラ遺伝子の検出の場合、前記プローブやプライマとして、配列番号1〜51で示される塩基配列を含むプローブ、配列番号52〜64で示される塩基配列を含む第1プライマ、配列番号65〜77で示される第2プライマを用いることができる。
本発明のキメラ遺伝子の検出方法によれば、数多く存在するキメラ遺伝子のタイプをスループット高く一度に検出することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、キメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含み、かつ支持体上に固定化された少なくとも2種類以上のプローブに、2種類以上のキメラ遺伝子由来の核酸増幅産物を含む試料をハイブリダイゼーションさせた後、得られた信号強度を用いて試料中に存在するキメラ遺伝子の種類を同定する。本発明では、キメラ遺伝子を構成する遺伝子の組み合わせのみならず、同じ組み合わせであって転座位置が異なる様々なキメラ遺伝子の種類も同時に検出することができる。
本発明では、キメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含み、かつ支持体上に固定化された少なくとも2種類以上のプローブに、2種類以上のキメラ遺伝子由来の核酸増幅産物を含む試料をハイブリダイゼーションさせた後、得られた信号強度を用いて試料中に存在するキメラ遺伝子の種類を同定する。本発明では、キメラ遺伝子を構成する遺伝子の組み合わせのみならず、同じ組み合わせであって転座位置が異なる様々なキメラ遺伝子の種類も同時に検出することができる。
以下にt(9;22)(q34;q11)での染色体転座の結果生じるBCR遺伝子とABL遺伝子のキメラ遺伝子の例を用いて詳細を説明する。図1に示すように、BCR遺伝子とABL遺伝子間の染色体転座には4種類のキメラ遺伝子が存在する。したがって、実際の臨床サンプルではキメラ遺伝子ではない通常タイプのBCR遺伝子とABL遺伝子、及び型が不明である1種類のキメラ遺伝子が共存する系においてサンプル内に存在するキメラ遺伝子のタイプを同定することが必要となる。
本発明では、図2に示すように、キメラ遺伝子のエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を支持体上の異なる特定位置に固定化し、臨床サンプル由来の産物とハイブリダイゼーションさせる。そして、各プローブが固定化された領域より得られたシグナル強度を用いてサンプル内に存在するキメラ遺伝子のタイプを同定する。
ここで、上記のt(9;22)(q34;q11)の転座以外についても、同じ支持体上の異なる位置に同様なエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を固定化すれば、一度に数多くのキメラ遺伝子の検出を行うことができる。
また、本発明では、下記工程(1)〜(4)により、各種検体から調製した核酸増幅産物を用いてキメラ遺伝子を検出する。
(1)検体から得たRNAに対し逆転写反応を行い1本鎖DNAを合成する工程
(2)上記1本鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを合成する工程
(3)上記2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼを用いてcRNAを増幅する工程
(4)上記cRNAを鋳型として逆転写反応を行い一本鎖DNAを合成する工程
(1)検体から得たRNAに対し逆転写反応を行い1本鎖DNAを合成する工程
(2)上記1本鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを合成する工程
(3)上記2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼを用いてcRNAを増幅する工程
(4)上記cRNAを鋳型として逆転写反応を行い一本鎖DNAを合成する工程
工程(1)では、キメラ遺伝子と相補的な塩基配列を有するプライマ、及び逆転写酵素を用いて一本鎖DNAを合成する。この時用いられるプライマの配列内にはRNAポリメラーゼが作用するためのプロモータ配列を有することが好ましい。
このようなプロモータ配列としては、用いるポリメラーゼがT7RNAポリメラーゼならば5'-AATTGTAATACGACTCACTATAGGG-3'(配列番号78)が知られている。また、用いられるプロモータ配列にはその後に続く複製開始点までのスペーサーを含んでいても良い。例えば、5'-AGGAGAG-3'が知られており、必要によりその一部分をプロモータ配列の3’末端に結合しても良い。増幅領域によっては、スペーサー配列を挿入することで増幅効率の向上が可能である。その他のプロモータ配列としては、T3RNAポリメラーゼならば5'-ATTAACCCTCACTAAAG-3'(配列番号79)、SP6RNAポリメラーゼならば5'-ATTTAGGTGACACTATA-3' (配列番号80)が挙げられる。特に、本発明ではT7RNAポリメラーゼとそのプロモータ配列を使用することが好ましい。
また、プライマとしては、全キメラ遺伝子共通に用いることができるpolyT配列を用いることもできるが、各々のキメラ遺伝子ごとに設計された特異的な配列を含むプライマ用いることが特に好ましい。こうした特異的な配列を有するプライマを用いることで、解析対象遺伝子由来の産物のみを特異的に増幅し、検出時のノイズを低減することができる。
工程(2)では、工程(1)で得られた1本鎖DNAを鋳型にDNAポリメラーゼを作用させて2本鎖DNAを合成する。得られた2本鎖DNAの端部には、RNAポリメラーゼのプロモータ配列が存在するため、工程(3)でRNAポリメラーゼを作用することにより、転写反応が進行しcRNAを増幅することができる。
最後に、工程(4)では、工程(3)で得られたcRNAを鋳型に逆転写反応を行い、一本鎖DNAを合成する。この時、用いられるプライマ配列としては、全キメラ遺伝子共通に用いることができるランダムヘキサマー配列や各々のキメラ遺伝子ごとに設計された特異的な配列を用いることもできるが、各々のキメラ遺伝子ごとに設計された特異的な配列を含むプライマを用いることが好ましい。
工程(1)及び工程(4)ともに、特異的な配列を有するプライマを用いることで図1に示したBCR遺伝子やABL遺伝子のようなキメラ遺伝子ではない通常の遺伝子の生成を抑えることができ、検出時のノイズを大幅に低減することができる。
また、本発明の検出方法によれば、キメラ遺伝子以外の白血病関連遺伝子であるWT1(Blood, Nov 1994; 84: 3071 - 3079)や内在性コントロール遺伝子であるGAPD( GlycerAldehyde-3-Phosphate Dehydrogenase)、ACTB(Actin, beta)等を同時に検出することができる。こうして内在性コントロール遺伝子より得られる信号強度とキメラ遺伝子由来の信号強度を比較すれば、サンプル内に含まれるキメラ遺伝子の発現量を定量することができMRDの解析を行うことが可能になる。また、定量性の向上を目的に、外在性のサンプルを別途混合した後得られた信号強度とキメラ遺伝子の由来の信号強度を比較することでMRDの解析を行ってもよい。
プローブにハイブリダイズした核酸の検出方法は特に限定されず、蛍光、リン光、発光又は放射線同位体等を適宜用いることができる。蛍光検出を用いる場合は、工程(4)の逆転写反応時に蛍光標識された塩基を核酸に直接取り込ませる方法やアミノアリル基に代表される適当な官能基を有する塩基を取り込ませた後得られた生成物にN-ヒドロキシスクシイミド基等が導入された蛍光物質を反応させ、標識化する方法等を用いることができる。また、工程(4)で得られた産物に対して、シクロホスファミドのようなアルキル化剤を用いて標識する方法等も用いることができる。また、標識化された産物を用いない検出方法として、ハイブリダイゼーション後の二本鎖DNAに対して特殊な化合物をインターカレートさせた後、これらの化合物を発光又は電気的に検出する方法等も用いることができる。
支持体上に固定化する配列は、当該配列内にキメラ遺伝子のエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含んでいれば特に制限はない。一般に、支持体上に固定化された塩基配列と溶液中の産物のハイブリダイゼーションにおいては、支持体に近いほど立体障害によるハイブリダイゼーション効率の低下が大きくなる。そこで、ハイブリダイゼーション効率の向上を目的として、支持体に近い部分にpolyT配列のようなスペーサー配列を挿入してもよい。
本発明で用いられる支持体の材質としては、プラスチック、無機高分子、金属、天然高分子及びセラミックから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。プラスチックとして具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリイミド及びアクリル樹脂などが、無機高分子としては、ガラス、水晶、カーボン、シリカゲル、及びグラファイトが、金属としては、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、磁石等の常温固体金属が、セラミックとしては、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及び炭化ホウ素等を例示することができる。
前記支持体の形状も特に制限はないが、ハイブリダイゼーション後の信号強度を検出するにあたって、市販の検出装置をそのまま用いるためにも板状の支持体を用いることが好ましい。また、ハイブリダイゼーションの効率向上を目的に、微粒子の形状をした支持体や、表面上に微細加工が施された支持体等を用いることができる。
支持体上に部分配列を固定化する方法についても特に制限はなく、物理的吸着を用いる方法(Genome Res. 1996 Jul;6(7):639-45.)、Linking試薬を用いて共有結合で固定化する方法(特開2002-204693)、又はチオール基と金の特異的相互作用を用いる方法(J. Am. Chem. Soc.1997; 119(38); 8916-8920.)等様々な方法を用いることができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
1.プローブの設計、合成
検出対象である染色体転座について、特開2003−052385に示される方法を用いて、各キメラ遺伝子のエキソン配列内の部分塩基配列を有するプローブを設計した(表1)。設計されたプローブ配列にしたがい、DNA自動合成機(Applied Biosystem社製、model 394 DNA synthesizer)を用いてオリゴヌクレオチドを合成した後、高速液体クロマトグラフィで精製し、本発明で用いるプローブを準備した。
(実施例1)
1.プローブの設計、合成
検出対象である染色体転座について、特開2003−052385に示される方法を用いて、各キメラ遺伝子のエキソン配列内の部分塩基配列を有するプローブを設計した(表1)。設計されたプローブ配列にしたがい、DNA自動合成機(Applied Biosystem社製、model 394 DNA synthesizer)を用いてオリゴヌクレオチドを合成した後、高速液体クロマトグラフィで精製し、本発明で用いるプローブを準備した。
2.プローブの固定
市販のスライドガラス(Gold Seal Brand社製)をアルカリ溶液(水酸化ナトリウム;50g、蒸留水;150ml、95%エタノール;200ml)に室温で2時間浸した。次に、スライドガラスを蒸留水中に移し3回リンスしてアルカリ溶液を完全に除去した。その後、洗浄したスライドガラスを10%のポリ-L-リジン(シグマ社製)水溶液に1時間浸した後、スライドガラスを引き出し、マイクロタイタープレート用遠心機を用いて500r.p.m.で1分間遠心してポリ-L-リジン水溶液を除去した。その後、スライドガラスを吸引式恒温機に入れ、40℃で5分間乾燥し、ポリ-L-リジンが導入されたスライドガラスを準備した。得られたスライドガラスに対して、スポッティング装置(SPBIO 2000;日立ソフトウェアエンジニアリング社製)を用いてスライドガラスの所定の位置にプローブを固定化した。最後に、スライドガラスをUVクロスリンク機で60mJ照射してから、ブロッキング処理液(無水コハク酸;5g、N-メチル-ピロリジノン;315ml、0.2M 四ホウ酸ナトリウム;35ml)に15分浸した後、95%エタノールに1分間浸してからマイクロタイタープレート用遠心機を用いて500r.p.m.で1分間遠心してスライドガラス上のエタノールを除去した。
市販のスライドガラス(Gold Seal Brand社製)をアルカリ溶液(水酸化ナトリウム;50g、蒸留水;150ml、95%エタノール;200ml)に室温で2時間浸した。次に、スライドガラスを蒸留水中に移し3回リンスしてアルカリ溶液を完全に除去した。その後、洗浄したスライドガラスを10%のポリ-L-リジン(シグマ社製)水溶液に1時間浸した後、スライドガラスを引き出し、マイクロタイタープレート用遠心機を用いて500r.p.m.で1分間遠心してポリ-L-リジン水溶液を除去した。その後、スライドガラスを吸引式恒温機に入れ、40℃で5分間乾燥し、ポリ-L-リジンが導入されたスライドガラスを準備した。得られたスライドガラスに対して、スポッティング装置(SPBIO 2000;日立ソフトウェアエンジニアリング社製)を用いてスライドガラスの所定の位置にプローブを固定化した。最後に、スライドガラスをUVクロスリンク機で60mJ照射してから、ブロッキング処理液(無水コハク酸;5g、N-メチル-ピロリジノン;315ml、0.2M 四ホウ酸ナトリウム;35ml)に15分浸した後、95%エタノールに1分間浸してからマイクロタイタープレート用遠心機を用いて500r.p.m.で1分間遠心してスライドガラス上のエタノールを除去した。
3.標識産物の調製
(1) RNAの調製
TRIzol 試薬(Invitrogen社製)を用いてK562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)よりtotal RNAを抽出した。
(1) RNAの調製
TRIzol 試薬(Invitrogen社製)を用いてK562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)よりtotal RNAを抽出した。
(2) 1本鎖DNAの合成
得られたtotal RNA 5μgの水溶液に対して、所定の濃度に調整された表2に記載の全ての第1プライマの混合溶液1μlを加えて70℃で10分間インキュベートした。次に、5×1st Strandバッファー(Invitrogen社製)4μl、10mMのdNTP mixture 1μl、100mM DTT 2μl、RNase Inhibitor(TOYOBO社製)0.5μl、及び逆転写酵素であるSuperScriptII(Invitrogen社製)2μlの混合液を加えた後42℃で1時間インキュベートした。
得られたtotal RNA 5μgの水溶液に対して、所定の濃度に調整された表2に記載の全ての第1プライマの混合溶液1μlを加えて70℃で10分間インキュベートした。次に、5×1st Strandバッファー(Invitrogen社製)4μl、10mMのdNTP mixture 1μl、100mM DTT 2μl、RNase Inhibitor(TOYOBO社製)0.5μl、及び逆転写酵素であるSuperScriptII(Invitrogen社製)2μlの混合液を加えた後42℃で1時間インキュベートした。
(3) 2本鎖DNAの合成
反応チューブ内に10×2nd Strandバッファー 15μl、906mM KCl 15μl、10mM dNTP mixture 3μl 、DNA polymerase I(Invitrogen社製)4μl、Ribonuclease H(TaKaRa社)0.25μl、DNA Ligase(TaKaRa社)0.25μl、及びDEPC水92.5μlの混合液150μlを加えて16℃で2時間インキュベートした後、T4 DNA polymerase(TOYOBO社)2μl加えてさらに10分間インキュベートした。その後、得られた2本鎖DNAをQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)で精製した。
反応チューブ内に10×2nd Strandバッファー 15μl、906mM KCl 15μl、10mM dNTP mixture 3μl 、DNA polymerase I(Invitrogen社製)4μl、Ribonuclease H(TaKaRa社)0.25μl、DNA Ligase(TaKaRa社)0.25μl、及びDEPC水92.5μlの混合液150μlを加えて16℃で2時間インキュベートした後、T4 DNA polymerase(TOYOBO社)2μl加えてさらに10分間インキュベートした。その後、得られた2本鎖DNAをQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)で精製した。
(4) cRNAの増幅
精製した2本鎖DNA水溶液に対して、MEGAscript T7 in vitro RNA Transcription Kit(Ambion社製)を用いてcRNAを増幅した後、得られたcRNAをRNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて精製した。
精製した2本鎖DNA水溶液に対して、MEGAscript T7 in vitro RNA Transcription Kit(Ambion社製)を用いてcRNAを増幅した後、得られたcRNAをRNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて精製した。
(5) cRNAを鋳型とした1本鎖DNAの合成
得られたcRNA水溶液に対して、所定の濃度に調整された表2に記載の全ての第2プライマの混合溶液1μlを加えて70℃で10分間インキュベートした。次に、5×1st Strandバッファー(Invitrogen社製)6μl、dNTP mixture(dATP、dGTP、dTTPは25mM、dCTPのみ15mM)0.6μl、1mM Cy5-dCTP 3μl、100mM DTT 3μl、RNase Inhibitor(TOYOBO社製)0.5μl、DEPC水 4.9μl、及び逆転写酵素であるSuperScriptII(Invitrogen社製)2μlの混合液を加えた後42℃で1時間インキュベートした。その後、得られたDNAをQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)で精製した。
得られたcRNA水溶液に対して、所定の濃度に調整された表2に記載の全ての第2プライマの混合溶液1μlを加えて70℃で10分間インキュベートした。次に、5×1st Strandバッファー(Invitrogen社製)6μl、dNTP mixture(dATP、dGTP、dTTPは25mM、dCTPのみ15mM)0.6μl、1mM Cy5-dCTP 3μl、100mM DTT 3μl、RNase Inhibitor(TOYOBO社製)0.5μl、DEPC水 4.9μl、及び逆転写酵素であるSuperScriptII(Invitrogen社製)2μlの混合液を加えた後42℃で1時間インキュベートした。その後、得られたDNAをQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)で精製した。
4.ハイブリダイゼーション
精製されたDNA溶液に対して、20×Denhardt,s soution(SIGMA社製)、20×SSC 、及びドデシル硫酸ナトリウムを適量混合し、最終濃度が2×Denhardt,s soution、 4×SSC、0.2%ドデシル硫酸ナトリウムとなるようなハイブリダイゼーション溶液24.5μlを調製した。その後、プローブが固定化されたスライドガラス上にハイブリダイゼーション溶液を滴下しカバーガラスを乗せた後、40℃の恒温槽内に12時間放置してハイブリダイゼーション反応を行った。
精製されたDNA溶液に対して、20×Denhardt,s soution(SIGMA社製)、20×SSC 、及びドデシル硫酸ナトリウムを適量混合し、最終濃度が2×Denhardt,s soution、 4×SSC、0.2%ドデシル硫酸ナトリウムとなるようなハイブリダイゼーション溶液24.5μlを調製した。その後、プローブが固定化されたスライドガラス上にハイブリダイゼーション溶液を滴下しカバーガラスを乗せた後、40℃の恒温槽内に12時間放置してハイブリダイゼーション反応を行った。
5.信号強度の検出
20×SSCの10倍希釈液と10%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液の300倍希釈液との混合液中にスライドガラスを浸漬してカバーガラスをはずした後、20×SSCの100倍希釈液でスライドガラスを洗浄した。次に、マイクロタイタープレート用遠心機を用いてスライドガラス上の水分を除いた後、マイクロアレイ用スキャナー(Scan Array 5000;PerkinElmer社製)及び、画像解析ソフト(QuantArray、PerkinElmer社製)を用いて各プローブが固定化された各々のスポットの蛍光強度を測定し表3に示した。同時に、得られた各エキソンの信号強度のパターンより決定されたキメラ遺伝子のタイプも示した。
20×SSCの10倍希釈液と10%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液の300倍希釈液との混合液中にスライドガラスを浸漬してカバーガラスをはずした後、20×SSCの100倍希釈液でスライドガラスを洗浄した。次に、マイクロタイタープレート用遠心機を用いてスライドガラス上の水分を除いた後、マイクロアレイ用スキャナー(Scan Array 5000;PerkinElmer社製)及び、画像解析ソフト(QuantArray、PerkinElmer社製)を用いて各プローブが固定化された各々のスポットの蛍光強度を測定し表3に示した。同時に、得られた各エキソンの信号強度のパターンより決定されたキメラ遺伝子のタイプも示した。
(実施例2)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにNB4株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにNB4株を用いた。
(実施例3)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにRS4;11株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにRS4;11株を用いた。
(実施例4)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにTHP-1株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにTHP-1株を用いた。
(実施例5)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにKasumi-1株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにKasumi-1株を用いた。
(実施例6)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにReh株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにReh株を用いた。
(実施例7)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにME-1株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにME-1株を用いた。
(実施例8)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにCEM株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにCEM株を用いた。
(実施例9)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにHL60株を用いた。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、K562株(慢性骨髄性白血病由来細胞株)の代わりにHL60株を用いた。
実施例1〜8では既に発現している白血病キメラ遺伝子のタイプが知られている白血病由来細胞株に対して、本発明のキメラ遺伝子の検出方法を用いてキメラ遺伝子の検出を行った(表4)。各細胞株より検出されたキメラ遺伝子のタイプを表3に示したが、検出されたタイプは既に知られているタイプと一致しており本発明の有用性が証明された。一方、実施例9で用いた細胞株については、白血病キメラ遺伝子が発現していないことが知られており、本発明の検出方法を用いた場合でも同様の結果が得られることが確認できた。
(実施例10)
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、インフォームドコンセントのもと造血器腫瘍の患者より採取された抹消血から、QIAGEN社のQIAamp Blood Mini Kitを用いて末梢血内に存在する白血球よりtotal RNAを抽出する。
実施例1における各工程のうち、3.標識産物の調製の「(1)RNAの調製」において、インフォームドコンセントのもと造血器腫瘍の患者より採取された抹消血から、QIAGEN社のQIAamp Blood Mini Kitを用いて末梢血内に存在する白血球よりtotal RNAを抽出する。
抽出されたtotal RNAについて、本発明のキメラ遺伝子の検出方法を用いてキメラ遺伝子の検出を行う。白血病キメラ遺伝子が検出された検体について、Real-time PCR法(特開2002−136300等参照)あるいはNASBA法により確認実験を行う。
本発明のキメラ遺伝子の検出方法は、数多く存在するキメラ遺伝子をスループット高く一度に検出することができる。したがって、白血病等のキメラ遺伝子の発生と密接に関連した疾患の研究、診断、治療法の選択など、基礎研究から臨床応用まで幅広く利用することができる。
1・・・BCR遺伝子のエキソン1
2・・・BCR遺伝子のエキソン2
3・・・BCR遺伝子のエキソン3
4・・・BCR遺伝子のエキソン4
5・・・ABL遺伝子のエキソン12
6・・・ABL遺伝子のエキソン13
7・・・ABL遺伝子のエキソン14
8・・・ABL遺伝子のエキソン15
9・・・支持体
10・・・BCR遺伝子のエキソン2内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
11・・・BCR遺伝子のエキソン3内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
12・・・ABL遺伝子のエキソン12内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
13・・・ABL遺伝子のエキソン14内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
2・・・BCR遺伝子のエキソン2
3・・・BCR遺伝子のエキソン3
4・・・BCR遺伝子のエキソン4
5・・・ABL遺伝子のエキソン12
6・・・ABL遺伝子のエキソン13
7・・・ABL遺伝子のエキソン14
8・・・ABL遺伝子のエキソン15
9・・・支持体
10・・・BCR遺伝子のエキソン2内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
11・・・BCR遺伝子のエキソン3内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
12・・・ABL遺伝子のエキソン12内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
13・・・ABL遺伝子のエキソン14内の部分塩基配列を又はこれと相補的な塩基配列を含むプローブ
配列番号1〜51−人工配列の説明:合成DNA(プローブ)
配列番号52〜64−人工配列の説明:合成DNA(プライマ)
配列番号65〜77−人工配列の説明:合成DNA(プライマ)
配列番号78−人工配列の説明:T7RNAプロモータに由来する配列
配列番号79−人工配列の説明:T3RNAプロモータに由来する配列
配列番号80−人工配列の説明:SP6RNAプロモータに由来する配列
配列番号52〜64−人工配列の説明:合成DNA(プライマ)
配列番号65〜77−人工配列の説明:合成DNA(プライマ)
配列番号78−人工配列の説明:T7RNAプロモータに由来する配列
配列番号79−人工配列の説明:T3RNAプロモータに由来する配列
配列番号80−人工配列の説明:SP6RNAプロモータに由来する配列
Claims (11)
- 支持体上に固定化されたキメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む少なくとも2種類以上のプローブに対し、キメラ遺伝子由来の核酸を含む試料をハイブリダイズさせ、2種以上のキメラ遺伝子を一度に検出することを特徴とするキメラ遺伝子の検出方法。
- 各プローブにハイブリダイズした核酸の信号強度を解析することにより、転座を起こした遺伝子の組み合わせは同じであるが遺伝子の転座位置が異なる2種以上のキメラ遺伝子を識別することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記キメラ遺伝子由来の核酸を含む試料を調製する工程として、下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
(1)検体から得たRNAに対し逆転写反応を行い1本鎖DNAを合成する工程
(2)上記1本鎖DNAを鋳型として2本鎖DNAを合成する工程
(3)上記2本鎖DNAを鋳型としてRNAポリメラーゼを用いてcRNAを増幅する工程
(4)上記cRNAを鋳型として逆転写反応を行い一本鎖DNAを合成する工程 - 前記工程(1)の逆転写反応において、キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に相補的な塩基配列を含むプライマを用いることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 前記プライマが、さらにRNAポリメラーゼのプロモータ配列を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 前記工程(4)の逆転写反応において、キメラ遺伝子の転座点より5’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列を含むプライマを用いることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記工程(1)のプライマが配列番号52〜64のいずれか1で示される塩基配列を含み、前記工程(4)のプライマが配列番号65〜77のいずれか1で示される塩基配列を含むことを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記プローブが、配列番号1〜51のいずれか1で示される塩基配列を含むものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法を用いた、白血病のin vitro診断方法。
- 下記(a)〜(c)を含むキメラ遺伝子の検出用キット。
(a)キメラ遺伝子の転座点を挟むエキソン配列内の部分塩基配列又はこれと相補的な塩基配列を含む2種類以上のプローブを固定化した支持体
(b)キメラ遺伝子の転座点より3’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列に相補的な塩基配列を含む第1プライマ
(c)キメラ遺伝子の転座点より5’側に存在する少なくとも10塩基以上の連続した塩基配列を含む第2プライマ - 前記プローブが配列番号1〜51のいずれか1で示される塩基配列を含み、前記第1プライマが配列番号52〜64のいずれか1で示される塩基配列を含み、前記第2プライマが配列番号65〜77のいずれか1で示される塩基配列を含むことを特徴とする、請求項10に記載のキット。
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