JP2006139934A - 直接メタノール型燃料電池用プロトン交換膜 - Google Patents

直接メタノール型燃料電池用プロトン交換膜 Download PDF

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Abstract

【課題】一般的にメタノール遮断性に良い性能を示す芳香族炭化水素系プロトン交換膜において、特に高濃度メタノールを燃料として使用した際にさらに優れた発電特性を示す材料を得る。
【解決手段】イオン交換容量が0.7から1.3meq/gの範囲にあることを特徴とする芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜により上記目的が達成される。本プロトン交換膜はスルホン酸基が芳香環に直接結合したポリアリーレンエーテル系化合物であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、直接メタノール型燃料電池用高分子電解質膜として有用な芳香族炭化水素系プロトン交換膜に関するものである。
液体電解質のかわりに高分子固体電解質をイオン伝導体として用いる電気化学的装置の例として、水電解槽や燃料電池を上げることができる。これらに用いられる高分子膜は、カチオン交換膜としてプロトン導電率とともに化学的、熱的、電気化学的および力学的に十分安定なものでなくてはならない。このため、長期にわたり使用できるものとしては、主に米デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」を代表例とするパーフルオロカーボンスルホン酸膜が使用されてきた。しかしながら、メタノールを燃料とする燃料電池においては、膜内のメタノール透過による性能低下がおこり、十分な性能を発揮することはできない。さらに、膜のコストが高すぎることも燃料電池技術確立の障害として指摘されている。
このような欠点を克服するため、非フッ素系芳香族環含有ポリマーにスルホン酸基を導入した芳香族炭化水素系高分子電解質膜が種々検討されている。ポリマー骨格としては、耐熱性や化学的安定性を考慮すると、主鎖骨格に芳香環構造を有するものが有利と考えられポリアリーレンエーテル、ポリアリーレン、ポリイミドなどのポリマーにスルホン酸基を導入したものが知られている。この中で、ポリアリーレンエーテルケトン類やポリアリーレンエーテルスルホン類などの、ポリアリーレンエーテル化合物は特に有望な構造としてとらえることができ、ポリアリーレンエーテルスルホンをスルホン化したもの(例えば、非特許文献1参照。)、ポリエーテルエーテルケトンをスルホン化したもの(例えば、特許文献1参照。)等が報告されている。これらは、ポリマーにスルホン化剤を反応させてスルホン酸基を導入するものであるが、スルホン化されたモノマーを用いた重合により直接スルホン化ポリマーを得る方法も報告されている(例えば、特許文献2〜5参照)。これらのポリマーからなるプロトン交換膜は、一般にメタノール透過性がパーフルオロカーボンスルホン酸膜よりも小さい値を示し、直接メタノール型燃料電池には有望な材料と考えられている。パーフルオロカーボンスルホン酸膜のようにメタノール透過性の高い膜では、希釈したメタノール水溶液を使用しないと発電性能がでにくいが、高濃度のものが使用できればシステムがコンパクト化でき、より利便性の高いものとできる。芳香族炭化水素ポリマー系膜はパーフルオロカーボンスルホン酸膜よりも良好な発電特性を示す傾向にあるものの、プロトン伝導性とメタノール遮断性は一般に二律背反的な特性であり、プロトン伝導特性を優先するとメタノール透過性が高くなるための発電特性低下が起こりやすく、メタノール遮断特性を優先させると膜抵抗が高くなることによる発電特性低下がおこりやすくなる。このため、芳香族炭化水素ポリマー系膜においても、プロトン伝導性に視点を置いた膜を使用すると、燃料メタノール水溶液の濃度を高くした場合に燃料極から対極へのメタノール透過が増加してしまうため、発電特性は十分なものとならなかった。
特開平6−93114号公報 米国特許出願公開第2002/0091225号 国際公開第2003/095509号 国際公開第2004/033534号 国際公開第2004/086584号 ジャーナル・オブ・メンブラン・サイエンス(Journal of Membrane Science)、(オランダ)1993年、83巻、P.211−220
本発明の目的は、一般的にメタノール遮断性に良い性能を示す芳香族炭化水素系プロトン交換膜において、特に高濃度メタノールを燃料として使用した際にさらに優れた発電特性を示す材料を得ることにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記に示す芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜により、上記目的が達成されることを見いだすに至った。
すなわち、本発明は下記(1)〜(8)により達成される。
(1)濃度25wt%以上のメタノール水溶液を燃料として使用する直接メタノール型燃料電池において使用する、イオン交換容量が0.7から1.3meq/gの範囲にあることを特徴とする芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜。
(2)芳香族炭化水素ポリマーの芳香環上に直接スルホン酸基が結合していることを特徴とする第1の発明に記載のプロトン交換膜。
(3)芳香族炭化水素ポリマーがポリアリーレンエーテル系ポリマーであることを特徴とする第2の発明に記載のプロトン交換膜。
(4)芳香族炭化水素ポリマーが、一般式(1)および/または一般式(2)で示される構成成分を含むことを特徴とする第3の発明に記載のプロトン交換膜。
Figure 2006139934
Figure 2006139934
ただし、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。Ar’,Ar”は置換基を含んでいても良い2価の芳香族基を示す。
(5)水中80℃で測定したイオン導電率が25℃で測定した値よりも3倍以上高いことを特徴とする第1の発明から第4の発明のいずれかに記載のプロトン交換膜。
(6)平均膜厚が5μmから35μmの間にあることを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれかに記載のプロトン交換膜。
(7)セル温度が35℃以上で使用されることを特徴とする第1の発明から第6の発明のいずれかに記載のプロトン交換膜。
(8)第1の発明から第7の発明のいずれかに記載のプロトン交換膜を使用したことを特徴とする直接メタノール型燃料電池。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物により、一般にメタノール遮断性が良好な芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜の中でも、特に高濃度メタノールを燃料とする直接メタノール型燃料電池において優れた発電特性を示すものが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、燃料電池用のプロトン交換膜として従来主に使用されてきたパーフルオロカーボンスルホン酸系膜に対して、一般に良好なプロトン伝導性を示しながら、メタノールのクロスオーバーを抑制することができる特徴を持つ芳香族炭化水素系プロトン交換膜の中でも、特にメタノールの透過抑制効果に優れるために高濃度メタノールを燃料としても発電効率が低下しにくい燃料電池を得ることができる有用な高分子材料を提供するものである。すなわち、イオン交換容量が0.7から1.3meq/gの範囲にあることを特徴とする特定範囲の芳香族炭化水素ポリマーからプロトン交換膜を作製することにより、濃度25wt%以上のメタノール水溶液を燃料として使用する直接メタノール型燃料電池において特に優れた発電性能を示すことを見いだし、本発明に到達したものである。イオン交換容量が0.7meq/gより小さい場合は、メタノール透過を抑制する点においては良い性能を示すが、プロトン伝導性が低くなりすぎるために膜抵抗値が大きくなり、発電特性が十分なものとならない傾向となる。また、イオン交換容量が1.3meq/gより大きくなると、プロトン伝導性が高くなるために膜抵抗値の低い膜を作製することができるが、同時にメタノールの透過性も大きくなるために発電特性が低下する傾向が現れ、特に燃料であるメタノール水溶液のメタノール濃度が高くなるとこの傾向が顕著となり、十分な燃料電池特性が得られない傾向となる。イオン交換容量を0.7から1.3meq/gの範囲にすることで、メタノール濃度が高くても優れた発電特性を示すプロトン交換膜とすることができる。イオン交換容量が0.8から1.2meq/gの範囲であればより好ましいプロトン交換膜となると言えるが、イオン交換容量が0.9から1.1meq/gの範囲であればさらに好ましいと言える。本発明の芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜はメタノールの透過性を抑える効果が高いだけでなく、メタノール濃度を高くしていっても透過性を抑える効果が高いレベルを保つことに特徴がある。このため、この効果が明確に現れるメタノール濃度が25wt%以上であると言える。メタノール濃度が30wt%以上であればより好ましいと言え、35wt%以上であればさら好ましく、40wt%以上であればそれ以上に好ましいと言える。燃料電池におけるアノード反応は等モルのメタノールと水が反応することから、メタノール濃度は約65%以下であることが好ましいと言える。ただし、ここで言うメタノール濃度とはアノード反応が起こる触媒層近傍の濃度のことであり、例えば燃料タンクに25wt%以上のメタノール水溶液を入れて使用していたとしても、電極反応部で濃度希釈されているような場合は本発明の範囲にあるということはできない。
本発明のプロトン交換膜に使用される芳香族炭化水素ポリマーとは、結合部位を除く構成成分の主成分が芳香族ユニットにより構成されているものをいう。芳香族ユニットが主成分であることにより、機械特性、熱特性、化学的安定性などが優れたものとなるためである。このため、この範疇に入るものであればポリマー構造が特に限定されることはない。一般には、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリフェニルキノキサリン、ポリアリールケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド等の構成成分の少なくとも1種を含むポリマー骨格から構成されるものが挙げられる。なお、ここでいうポリスルホン、ポエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むとともに、特定のポリマー構造に限定するものではない。プロトン伝導性を発現させるために、これらのポリマーに対してスルホン酸基を導入することができる。スルホン酸基は芳香環上に直接結合していても、側鎖など何らかのスペーサーを介して結合していてもかまわない。スルホン酸基の安定性や芳香族ポリマーとしての特徴を活かすためには、スルホン酸基は芳香環上に結合していることが好ましい。
上記酸性基を含有するポリマーのうち、芳香環上にスルホン酸基を持つポリマーは、上記例のような骨格を持つポリマーに対して適当なスルホン化剤を反応させることにより得ることができる。このようなスルホン化剤としては、例えば、芳香族環含有ポリマーにスルホン酸基を導入する例として報告されている、濃硫酸や発煙硫酸を使用するもの(例えば、Solid State Ionics,106,P.219(1998))、クロル硫酸を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.295(1984))、無水硫酸錯体を使用するもの(例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,22,P.721(1984)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,23,P.1231(1985))等が有効である。これらの試薬を用い、それぞれのポリマーに応じた反応条件を選定することにより目的のスルホン酸基含有ポリマーを得ることができる。また、特許第2884189号に記載のスルホン化剤等を用いることも可能である。これら芳香環がスルホン化されたポリマーの構造は特に限定されることはないが、例えば、J.Electrochem.Soc.,Vol.147,P.1677(2000)、WO2000−15691国際公開特許公報、WO00/24796国際公開特許公報、Macromol.Symp.,Vol.188,P.73(2002)、Macromol.Rapid.Commun.Vol.23,P.753(2002),J.Memb.Sci.,Vol.185,P.73(2001),J.Polym.Sci.Polym.Chem.,Vol.39,P.3211(2001)、J.Memb.Sci.,Vol.173,P.17(2000)、等に記載されているものが例示される。
また、上記酸性基含有ポリマーは、重合に用いるモノマーの中の少なくとも1種に酸性基を含むモノマーを用いて合成することもできる。例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドにおいては、芳香族ジアミンの少なくとも1種にスルホン酸基含有ジアミンを用いてスルホン酸基含有ポリイミドとすることが出来る。スルホン酸基含有ジアミンの例としては、1,3−ジアミノベンゼン−5−スルホン酸、1,4−ジアミノベンゼン−2−スルホン酸、1,3−ジアミノベンゼン−4−スルホン酸、ベンジジン−3,3’−ジスルホン酸、等が例示される。ポリイミド合成に使用されるテトラカルボン酸無水物は、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物や、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸無水物などの六員環酸無水物を含んでいることが好ましい。これらスルホン酸基含有ポリイミドの構造は特に限定されるわけではないが、例えば、Polymer,Vol.42、P.359(2001)、Macromolecules,Vol.35,P.6707(2002)、Macromolecules,Vol.35,P.9022(2002)、US2002/0091225特許公報、等に記載されているものが例示される。
芳香族ジアミンジオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズオキサゾール、芳香族ジアミンジチオールと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズチアゾール、芳香族テトラミンと芳香族ジカルボン酸から合成されるポリベンズイミダゾールの場合は、芳香族ジカルボン酸の少なくとも1種にスルホン酸基含有ジカルボンを使用することにより酸性基含有ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾールとすることが出来る。ここで使用されるスルホン酸基含有ジカルボン酸としては、2,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジカルボキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、4,6−ジカルボキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、2,2’−ジスルホ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ジスルホ−4,4’−ビフェニルジカルボン酸などのスルホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸およびこれらの誘導体を挙げることができる。また、ここで用いる芳香族テトラミン類、芳香族ジアミンジオール類、芳香族ジアミンジチオール類およびそれらの誘導体としては、特に限定されるものではないが、たとえば、2,5−ジヒドロキシパラフェニレンジアミン、4,6−ジヒドロキシメタフェニレンジアミン、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール、4,6−ジアミノ−1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジアミノ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゼンジチオール、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジオール、3,3’−ジメルカプトベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェニルベンゼンジチオール、3,3’−ジアミノベンジジン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)チオエーテル、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)チオエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルチオエーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)スルホン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)メタン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)ケトン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ケトン、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ケトン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェノキシ)ベンゼン、ビス(3,4,−ジアミノフェノキシ)ベンゼンなどおよびこれらの誘導体が挙げられる。これら酸性基含有ポリベンザゾールの構造は特に限定されることはないが、例えば、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.,Vol.15,P.1309(1977)、USP−5,312,895号公報、WO02/38650国際公開公報、等に記載されているものが例示される。
芳香族ジハライドと芳香族ジオールから合成されるポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなどは、モノマーの少なくとも1種にスルホン酸基含有芳香族ジハライドやスルホン酸基含有芳香族ジオールを用いることで合成することが出来る。この際、スルホン酸基含有ジオールを用いるよりも、スルホン酸基含有ジハライドを用いる方が、重合度が高くなりやすいとともに、得られた酸性基含有ポリマーの熱安定性が高くなるので好ましいと言える。スルホン酸基含有ジハライドの例としては、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、およびそれらのスルホン酸基が1価カチオン種との塩になったものが挙げられる。これらのスルホン酸基含有ジハライドは、スルホン酸基導入量をコントロールするためにスルホン酸基を有さない芳香族ジハライドと併用することができる。これらスルホン酸基を有さない芳香族時ハライドとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル等が例示される。また、これらの芳香族ジハライドとともに重合に使用される芳香族ジオールとしては、例えば、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール等があげられるが、この他にも芳香族求核置換反応によるポリアリーレンエーテル系化合物の重合に用いることができる各種芳香族ジオールを使用することもできる。これらより合成されるスルホン酸基含有ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンの構造は特に限定されることはないが、例えば、US2002/0091225特許公報、Macromol.Chem.Phys.,Vol.199,P.1421(1998)、Polymer,Vol.40,P.795(1999)、等に記載されているものが例示される。これらポリアリーレンエーテル系ポリマーは、他の芳香族ポリマーと比べて、加工性、安定性、プロトン伝導特性、メタノール透過抑制特性などバランスのとれた性能を示すので、好ましいポリマーであると言える。
本発明のプロトン交換膜に使用されるポリアリーレンエーテル系化合物は、下記一般式(1)および/または一般式(2)で示される構成成分を含んでいることが好ましい。一般式(1)および一般式(2)の両方の構成成分を含んでいることもさらに好ましい。
Figure 2006139934
Figure 2006139934
ただし、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。Ar’,Ar”は置換基を含んでいても良い2価の芳香族基を示す。
上記一般式(2)で示される構成成分は、下記一般式(3)で示される構成成分であることが好ましい。式中のAr’ ’ ’は置換基を含んでいても良い2価の芳香族基を示す。
Figure 2006139934
このほか、本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物には、その分子鎖中、すなわちポリマーの主鎖、側鎖、末端基として、熱および/または光により架橋する成分を含有していてもよい。熱架橋性基としては、エチレン基、エチニル基、エチニレン基などの反応性不飽和結合含有成分等が例示されるが、これらに限定されることはなく、熱による反応でポリマー鎖間に新たな結合を形成しうるものであればよい。光架橋性基としては、ベンゾフェノン基、α−ジケトン基、アシロイン基、アシロインエーテル基、ベンジルアルキルケタール基、アセトフェノン基、多核キノン類、チオキサントン基、アシルフォスフィン基、エチレン性不飽和基などを挙げることができる。中でもベンゾフェノン基などの光によりラジカルを発生することのできる基と、メチル基やエチル基などの炭化水素基を有する芳香族基などの、ラジカルと反応することのできる基との組み合わせが好ましい。エチレン性不飽和基を用いる場合には、ベンゾフェノン類、α−ジケトン類、アシロイン類、アシロインエーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アセトフェノン類、多核キノン類、チオキサントン類、アシルフォスフィン類などの光重合開始剤を加えておくことが好ましい。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物である上記一般式(1)および一般式(2)で表される構造のポリマーを得るには、下記一般式(4)および一般式(5)で示されるジハロゲン化化合物をモノマーとして含む芳香族求核置換反応を使用することができる。式中、Yはスルホン基またはケトン基、Xは1価のカチオン種、Zは塩素またはフッ素を示す。一般式(4)で表される化合物の具体例としては、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルケトン、3,3’−ジスルホ−4,4’−ジフルオロジフェニルケトン、およびそれらのスルホン酸基が1価カチオン種との塩になったもの等が挙げられる。1価カチオン種としては、ナトリウム、カリウムや他の金属種や各種アミン類等でも良く、これらに制限される訳ではない。一般式(5)で表される化合物としては、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、等を挙げることができる。
Figure 2006139934
Figure 2006139934
上述の芳香族求核置換反応において、上記一般式(4)、(5)以外に使用できる活性化ジフルオロ芳香族化合物やジクロロ芳香族化合物のモノマーとして、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、デカフルオロビフェニル、デカフルオロジフェニルエーテル、デカフルオロベンゾフェノン等が例示されるがこれらに制限されることなく、芳香族求核置換反応に活性のある他の芳香族ジハロゲン化合物、芳香族ジニトロ化合物、芳香族ジシアノ化合物なども使用することができる。また、これらの化合物は単独で使用しても良いが、2種以上の混合物として使用しても良い。これらのうち、一般式(4)および/または一般式(5)で示されるジハロゲン化化合物を用いることが好ましいと言える。
また、上述の一般式(1)で表される構成成分中のAr’および上述の一般式(2)で表される構成成分中のAr”として使用できる芳香族ジオール成分モノマーの例としては、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ハイドロキノン、レゾルシン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル等があげられるが、この他にも芳香族求核置換反応によるポリアリーレンエーテル系化合物の重合に用いることができる各種芳香族ジオールを使用することもできる。また、これらの芳香族ジオールには、メチル基、ハロゲン、シアノ基、スルホン酸基およびその塩化合物などの置換基が結合していても良い。置換基の種類は特に限定されることはなく、芳香環あたり0〜2個であることが好ましい。これら芳香族ジオールは、単独で使用することができる他、複数の芳香族ジオールを併用することも可能である。
本発明のポリアリーレンエーテル系化合物の重合においては、ハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物を反応性モノマー成分として加えて重合することもできる。この際に用いるハロゲン化芳香族ヒドロキシ化合物も特に制限されることはないが、4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−4’−クロロジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−フルオロジフェニルスルホン、4−クロロ−4’−(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン、4−フルオロ−4’−(p−ヒドロキシフェニル)ベンゾフェノン、等を例として挙げることができる。これらは、単独で使用することができるほか、2種以上の混合物として使用することもできる。
また、上述の架橋性末端構造を導入する場合には、本発明のポリアリーレンエーテル系化合物の重合の際に、架橋基含有末端構造を与える一官能性末端封鎖剤を加えることで得ることができる。一官能性末端封鎖剤の例としては、具体的には3−フルオロプロペン、3−フルオロ−1−プロピン、4−フルオロ−1−ブテン、4−フルオロ−1−ブチン、3−フルオロシクロヘキセン、4−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、2−フルオロスチレン、4−フルオロエチニルベンゼン、3−フルオロエチニルベンゼン、α−フルオロ−4−エチニルトルエン、4−フルオロスチルベン、4−(フェニルエチニル)フルオロベンゼン、3−(フェニルエチニル)フルオロベンゼン、3−クロロプロペン、3−クロロ−1−プロピン、4−クロロ−1−ブテン、4−クロロ−1−ブチン、3−クロロシクロヘキセン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、2−クロロスチレン、4−クロロエチニルベンゼン、3−クロロエチニルベンゼン、α−クロロ−4−エチニルトルエン、4−クロロスチルベン、4−(フェニルエチニル)クロロベンゼン、3−(フェニルエチニル)クロロベンゼン、3−ヒドロキシプロペン、3−ヒドロキシ−1−プロピン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−ヒドロキシ−1−ブチン、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシエチニルベンゼン、3−エチニルフェノール、4−エチニルベンジルアルコール、4−ヒドロキシスチルベン、4−(フェニルエチニル)フェノール、3−(フェニルエチニル)フェノール、4−クロロベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−ペンチルフェノール,4−ベンジルフェノール等が挙げられる。これらの架橋基含有末端封鎖剤は、単独で使用してもよいが2種以上を混合して使用してもよい。
また、架橋性基を有するモノマーとしての具体例としては、1−ブテン−3,4−ジオール、3,5−ジヒドロキシスチレン、3,5−ジヒドロキシスチルベン、1−ブチン−3,4−ジオール、1−ブテン−3,4−ジオール、2,4−ヘキサジイン−1,6−ジオール、2−エチニルヒドロキノン、2−(フェニルエチニル)ヒドロキノン、5−エチニルレゾルシン、2−ブテン−1,4−ジオール、4,4'−ジヒドロキシスチルベン、1,4−ブチンジオール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセチレン、1,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)アセチレン、3,3−ジフルオロプロペン、3,3−ジフルオロプロピン、3,3,3−トリフルオロプロピン、3,4−ジフルオロ−1−ブテン、1,4−ジフルオロ−2−ブテン、3,4−ジフルオロ−1−ブチン、1,4−ジフルオロ−2−ブチン、1,6−ジフルオロ−2,4−ヘキサジイン、3,4−ジフルオロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、2,5−ジフルオロエチニルベンゼン、3,5−ジフルオロエチニルベンゼン、α,α−ジフルオロ−4−エチニルトルエン、α,α,α−トリフルオロ−4−エチニルトルエン、2,4−ジフルオロスチルベン、4,4'−ジフルオロスチルベン、1,2−ビス(4−フルオロフェニル)アセチレン、3,4−ジフルオロ(フェニルエチニル)ベンゼン、3,3−ジクロロプロペン、3,3−ジクロロプロピン、3,3,3−トリクロロプロピン、3,4−ジクロロ−1−ブテン、1,4−ジクロロ−2−ブテン、3,4−ジクロロ−1−ブチン、1,4−ジクロロ−2−ブチン、3,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジフルオロシナミック酸、2,5−ジクロロエチニルベンゼン、3,5−ジクロロエチニルベンゼン、α,α−ジクロロ−4−エチニルトルエン、α,α,α−トリクロロ−4−エチニルトルエン、2,4−ジクロロスチルベン、4,4'−ジクロロスチルベン、1,2−ビス(4−クロロフェニル)アセチレン、3,4−ジクロロ(フェニルエチニル)ベンゼン、4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4‘−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、4−ベンジルレゾルシン、2,5−ジメチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、等が挙げられる。これらの架橋基モノマーを本発明のポリアリーレンエーテル系化合物の重合の際に加えることで、分子鎖内部に架橋性基を導入することができる。
本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物を芳香族求核置換反応により重合する場合、上記一般式(4)、一般式(5)で例示されるような活性化ジフルオロ芳香族化合物及び/またはジクロロ芳香族化合物と芳香族ジオール類を塩基性化合物の存在下で反応させることで重合体を得ることができる。重合は、0〜350℃の温度範囲で行うことができるが、50〜250℃の温度であることが好ましい。0℃より低い場合には、十分に反応が進まない傾向にあり、350℃より高い場合には、ポリマーの分解も起こり始める傾向がある。反応は、無溶媒下で行うこともできるが、溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、芳香族求核置換反応において安定な溶媒として使用できるものであればよい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用されても良い。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等があげられるが、芳香族ジオール類を活性なフェノキシド構造にしうるものであれば、これらに限定されず使用することができる。芳香族求核置換反応においては、副生物として水が生成する場合がある。この際は、重合溶媒とは関係なく、トルエンなどを反応系に共存させて共沸物として水を系外に除去することもできる。水を系外に除去する方法としては、モレキュラーシーブなどの吸水材を使用することもできる。芳香族求核置換反応を溶媒中で行う場合、得られるポリマー濃度として5〜50質量%となるようにモノマーを仕込むことが好ましい。5質量%よりも少ない場合は、重合度が上がりにくい傾向がある。一方、50質量%よりも多い場合には、反応系の粘性が高くなりすぎ、反応物の後処理が困難になる傾向がある。重合は、モノマーを反応初期に一括して投入し、ランダム性の高い連鎖分布を持つポリマーにすることが好ましい。重合反応終了後は、反応溶液より蒸発によって溶媒を除去し、必要に応じて残留物を洗浄することによって、所望のポリマーが得られる。また、反応溶液を、ポリマーの溶解度が低い溶媒中に加えることによって、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物の濾取によりポリマーを得ることもできる。必要に応じて、沈殿生成前に、濾過処理を行っても良い。
また、本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物は、後で述べる方法により測定したポリマー対数粘度が0.1以上であることが好ましい。対数粘度が0.1よりも小さいと、イオン伝導膜として成形したときに、膜が脆くなりやすくなる。還元比粘度は、0.3以上であることがさらに好ましい。一方、還元比粘度が5を超えると、ポリマーの溶解が困難になるなど、加工性での問題が出てくるので好ましくない。なお、対数粘度を測定する溶媒としては、一般にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどの極性有機溶媒を使用することができるが、これらに溶解性が低い場合には濃硫酸を用いて測定することもできる。
本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物は、単体として使用することができるが、他のポリマーとの組み合わせによる樹脂組成物として使用することもできる。これらのポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12などのポリアミド類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル類、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸エステル類などのアクリレート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやジエン系ポリマーを含む各種ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアリレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾールなどの芳香族系ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂等、特に制限はない。ポリベンズイミダゾールやポリビニルピリジンなどの塩基性ポリマーとの樹脂組成物は、ポリマー寸法性の向上のために好ましい組み合わせと言える、これらの塩基性ポリマー中に、さらにスルホン酸基、ホスホン酸基等の酸性基を導入しておくと、組成物の加工性がより好ましいものとなる。これら樹脂組成物として使用する場合には、本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物は、樹脂組成物全体の50質量%以上100質量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70質量%以上100質量%未満である。本発明のスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物の含有量が樹脂組成物全体の50質量%未満の場合には、この樹脂組成物を含むイオン伝導膜のスルホン酸基濃度が低くなり良好なイオン伝導性が得られない傾向にあり、また、スルホン酸基を含有するユニットが非連続相となり伝導するイオンの移動度が低下する傾向にある。なお、本発明の化合物および組成物は、必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、などの各種添加剤を含んでいても良い。
上述の酸性基含有塩基性ポリマーとの組成物に使用されるものとしては、下記の式(6)で表される構成成分を含む酸性基含有ポリベンズイミダゾールが好ましい。
Figure 2006139934
式(6)においては、m1は、1から4の整数を表し、R1はイミダゾール環を形成できる4価の芳香族結合ユニットを、R2は2価の芳香族ユニットを表し、R1およびR2はいずれも芳香環の単環であっても複数の芳香環の結合体あるいは縮合環であってもよく、安定な置換基を有していてもよい。Z3は、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を表し、その一部が塩構造となっていてもよい。
上記の式(6)で示す構造を含む酸性基含有ポリベンズイミダゾール系化合物を合成する経路は特には限定されないが、通常は化合物中のイミダゾール環を形成し得る芳香族テトラミン類およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物と、芳香族ジカルボン酸およびその誘導体よりなる群から選ばれる一種以上の化合物との反応により合成することができる。その際、使用するジカルボン酸の少なくとも一部としてスルホン酸基やホスホン酸基、またはそれらの塩を含有するジカルボン酸を使用することで、得られるポリベンズイミダゾール中にスルホン酸基やホスホン酸基を導入することができる。スルホン酸基やホスホン酸基を含むジカルボン酸はそれぞれ一種以上を組み合わせて使用することが出来るが、スルホン酸基含有ジカルボン酸とホスホン酸基含有ジカルボン酸を同時に使用することも可能である。
ここで、ポリベンズイミダゾール系化合物の構成要素であるベンズイミダゾール系結合ユニットや、スルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する芳香族ジカルボン酸結合ユニットや、スルホン酸基もホスホン酸基も有さない芳香族ジカルボン酸結合ユニットや、その他の結合ユニットは、ランダム重合および/または交互的重合により結合していることが好ましい。また、これらの重合形式は一種に限られず、二種以上の重合形式が同一の化合物中で並存していてもよい。
本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物およびその樹脂組成物は、押し出し、圧延またはキャストなど任意の方法でフィルム状の成形体とすることでプロトン交換膜とすることができる。このうち、適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。この溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなどの非プロトン性極性溶媒や、メタノール、エタノール等のアルコール類から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。溶液中の化合物濃度は0.1〜50質量%の範囲であることが好ましい。溶液中の化合物濃度が0.1質量%未満であると良好な成形物を得るのが困難となる傾向にあり、50質量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。溶液からフィルムを得る方法は従来から公知の方法を用いて行うことができる。たとえば、加熱、減圧乾燥、化合物を溶解する溶媒と混和することができる化合物非溶媒への浸漬等によって、溶媒を除去してフィルムを得ることができる。プロトン交換膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストであり、キャストした溶液から上記のように溶媒を除去してプロトン交換膜を得ることができる。溶媒の除去は、乾燥によることがプロトン交換膜の均一性からは好ましい。また、化合物や溶媒の分解や変質を避けるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。溶媒が、有機溶媒の場合には、加熱又は減圧乾燥によって溶媒を留去させることが好ましい。このようにして得られたフィルム中のスルホン酸基はカチオン種との塩の形のものを含んでいても良いが、必要に応じて酸処理することによりフリーのスルホン酸基に変換することもできる。
本発明のプロトン交換膜をポリマー溶液のキャスト法により作製する場合、キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1500μmであることが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。溶液の厚みが10μmよりも薄いとイオン伝導膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1500μmよりも厚いと不均一な高分子電解質膜ができやすくなる傾向にある。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、溶液の流れ出しを防ぐ枠などを用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜にすることができる。例えば、加熱により溶媒除去する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどして化合物の凝固速度や溶媒除去速度を調整することができる。本発明のプロトン交換膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、プロトン交換膜の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には5〜150μmであることが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましく、5〜35μmであることが最も好ましい。イオン伝導膜の厚みが5μmより薄いとイオン伝導膜の取扱が困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、150μmよりも厚いとプロトン交換膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向にある。本発明のプロトン交換膜は、イオン交換容量が0.7から1.3meq/gと通常使用される芳香族炭化水素ポリマー系化合物としてはイオン交換容量が低い値を持っていることに特徴がある。このため、より低いイオン交換容量のポリマーを用いる場合は、好ましい膜厚の範囲の中でもより薄い膜厚を選定することが好ましいと言える。プロトン交換膜として使用する場合、膜中のスルホン酸基は金属塩になっているものを含んでいても良いが、適当な酸処理によりフリーのスルホン酸に変換することもできる。この場合、硫酸、塩酸、等の水溶液中に加熱下あるいは加熱せずに膜を浸漬処理することで行うことも効果的である。また、イオン伝導膜のイオン伝導率は1.0x10-3S/cm以上であることが好ましい。イオン伝導率が1.0x10-3S/cm以上である場合には、そのイオン伝導膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にあり、1.0x10-3S/cm未満である場合には燃料電池の出力低下が起こる傾向にある。本発明のプロトン交換膜は、イオン伝導性において、特に温度が高い条件でより性能が高くなる特徴も有している。水中25℃で測定したイオン導電率に対して、水中80℃で測定したイオン伝導率の値が3倍以上あることで、ダイレクトメタノール型燃料電池であれば特に室温以上での運転においてより優れた発電特性を示すと言える。水中25℃で測定したイオン導電率に対して、水中80℃で測定したイオン伝導率の値が4倍以上であればさらに好ましいと言える。
本発明のイオン伝導膜は、メタノールを燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池にも有用であることが特徴である。平均厚さ50μmの膜を作製し、5Mメタノール水溶液を用いて25℃で測定したメタノール透過速度が5mmol/m2・sec以下の値を示すイオン伝導膜が好ましい。メタノール透過速度は2mmol/m2・sec以下であればさらに好ましく、1mmol/m2・sec以下であればより好ましい。このようなメタノール透過性を示すときに特に優れた発電特性を示すためである。メタノール透過特性は膜厚に依存する場合があるため、メタノール透過性評価は平均厚み50μmの試料を作製して評価しているが、実際に燃料電池用イオン伝導膜として使用する際には、特に膜厚を限定しているわけではなく、好ましくは上記で述べた範囲を指定することができる。メタノール透過性評価時の平均厚み50μmの膜とは、実質上は平均厚み48μmから平均厚み52μmの範囲に入っているものを示すものとする。また、本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物からなるプロトン交換膜は、メタノールの透過性に対して温度の影響を受けにくいことも特徴である。一般に、芳香族炭化水素ポリマー系のプロトン交換膜は温度が高くなるとメタノールへの膨潤性が増して、メタノール透過速度も顕著に大きくなってしまう傾向を持つ。しかし、本発明の芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜は温度増加によるメタノールの膨潤性が他のポリマーほど大きくなることがないので、発電温度が35℃を越えても良好な発電特性を示すことができる。また、一方では上述のように温度が高くなったときのイオン伝導性の増加が大きいことも、35℃を越えても良好な発電特性を示す要因と考えられる。発電温度が45℃以上である場合は他のプロトン交換膜よりさらに好ましいと言え、55℃以上であればさらに好ましいと言える。この優れた特性はメタノール濃度が高い燃料を使う際により有用となる。また、この特徴を示すことは燃料としてメタノール水溶液を使う場合だけでなく、水素など他の燃料を使う場合においても良好な温度特性を示すことも意味している。ダイレクトメタノール型燃料電池の場合は、燃料がメタノール水溶液であるので、発電温度は100℃以下であることが好ましい。
本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物およびその樹脂組成物からなるプロトン交換膜において、熱および/または光により架橋する成分を含有している場合は、熱処理および/または光照射処理により架橋構造を導入することによりさらに寸法安定性に優れたものとすることができる。熱架橋させる際の加熱温度は、架橋性ポリマーの構造、架橋基の種類、架橋基導入量などにより異なるが、通常150〜450℃、好ましくは200〜400℃である。加熱時間は加熱温度や架橋性ポリマーの構造などにより異なるが、通常0.01〜50時間、好ましくは0.02〜24時間である。圧力は常圧、減圧、加圧のいずれでもかまわない。ガス雰囲気は空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気のいずれでもかまわない。加熱温度が高い場合には、スルホン酸基は塩の状態にして熱処理することが好ましい。また、光架橋する際に用いる光源としては、特に限定されないが、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライド灯等を使用することができる。照射線量はポリマー構造およびその膜厚により異なるが、通常、100〜50000mJ/cm2、好ましくは300〜30000mJ/cm2である。
また、上述した本発明のプロトン交換膜またはフィルム等を電極に接合することによって、プロトン交換膜またはフィルム等と電極との接合体を得ることができる。この接合体の作製方法としては、従来から公知の方法を用いて行うことができ、例えば、電極表面に接着剤を塗布しプロトン交換膜と電極とを接着する方法またはプロトン交換膜と電極とを加熱加圧する方法等がある。この中でも本発明の芳香族炭化水素ポリマー系化合物およびその樹脂組成物を主成分とした接着剤を電極表面に塗布して接着する方法が好ましい。プロトン交換膜と電極との接着性が向上し、また、プロトン交換膜のイオン伝導性を損なうことが少なくなると考えられるためである。
上述したプロトン交換膜またはフィルム等と電極との接合体を用いて、燃料電池を作製することもできる。本発明のイオン伝導膜またはフィルム等は、耐熱性、加工性、イオン伝導性および寸法安定性に優れているため、高温での運転にも耐えることができ、作製が容易で、良好な出力を有する燃料電池を提供することができる。また、上述のようにメタノールを直接燃料とする燃料電池として使用することも好ましい。
以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
溶液粘度:ポリマー粉末を0.5g/dlの濃度でN−メチルピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度ln[ta/tb]/c)で評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度)。
TGA:島津製作所製熱重量測定計(TGA−50)を用い、アルゴン雰囲気中、昇温速度10℃/minで測定を行った(途中、150℃で30分保持して水分を十分除去する)。
イオン伝導性測定:自作測定用プローブ(テフロン(登録商標)製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。また、測定プローブを25℃または80℃に保った超純水中に浸漬することで同様の測定を行い、水中プロトン導電率も算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]x膜厚[cm]x抵抗極間勾配[Ω/cm]
イオン交換容量:窒素雰囲気下で一晩乾燥した試料の重量をはかり、水酸化ナトリウム水溶液と撹拌処理した後、塩酸水溶液による逆滴定でイオン交換容量(IEC)を求めた。
メタノール透過速度:25℃に調整した5M(モル/リットル)または10Mのメタノール水溶液に24時間浸漬した膜をH型セルに挟み込み、セルの片側に100mlの5Mメタノール水溶液を、他方のセルに100mlの超純水(18MΩ・cm)を注入し、25℃で両側のセルを撹拌しながら、イオン交換膜を通って超純水中に拡散してくるメタノール量をガスクロマトグラフを用いて測定することで算出した(イオン交換膜の面積は、2.0cm2)。
発電評価:Pt/Ru触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC61E54)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液(品番:SE−20192)を、Pt/Ru触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1になるように加えた。次いで撹拌してアノード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、ガス拡散層となる東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が0.8mg/cm2になるようにスクリーン印刷により塗布乾燥して、アノード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。また、Pt触媒担持カーボン(田中貴金属工業株式会社TEC10V40E)に少量の超純水およびイソプロピルアルコールを加えて湿らせた後、デュポン社製20%ナフィオン溶液(品番:SE−20192)を、Pt触媒担持カーボンとナフィオンの重量比が2.5:1となるように加え、撹拌してカソード用触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを、撥水加工を施した東レ製カーボンペーパーTGPH−060に白金の付着量が0.8mg/cm2となるように塗布・乾燥して、カソード用電極触媒層付きカーボンペーパーを作製した。上記2種類の電極触媒層付きカーボンペーパーの間に、膜試料を、電極触媒層が膜試料に接するように挟み、ホットプレス法により130℃、8MPaにて3分間加圧、加熱することにより、膜−電極接合体とした。この接合体をElectrochem社製評価用燃料電池セルFC25−02SPに組み込み、燃料電池発電試験機(株式会社東陽テクニカ製)を用いて発電試験を行った。発電は、セル温度40℃で、アノードおよびカソードにそれぞれ40℃に調整した5Mまたは8Mのメタノール水溶液(1.5ml/min)および高純度酸素ガス(80ml/min)を供給しながら行った。
実施例1
3,3’−ジスルホ−4,4’−ジクロロジフェニルスルホン2ナトリウム塩(略号:S−DCDPS)10.0000g(0.020356mole)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)14.0059g(0.081425mole)、4,4’−ビフェノール18.9527g(0.101781mole)、炭酸カリウム16.1773g(0.11705mole)を200ml四つ口フラスコに計り取り、窒素を流した。120mlのN−メチル−2−ピロリドンを入れて、加熱撹拌し、反応温度を195−200℃に上昇させて5時間反応させた。放冷の後、重合液を水中に注いでポリマーをストランド状に沈殿させた。得られたポリマーは、1日新鮮な水に浸漬後、乾燥した。ポリマーの対数粘度は1.18を示した。
ポリマー9gをNMP21mlに溶解し、ホットプレート上ガラス板に約450μm厚にキャストし、フィルム状になるまでNMPを留去した後、水中に一晩以上浸漬した。得られたフィルムは、希硫酸(濃硫酸6ml、水300ml)中で1日浸漬処理して塩をはずした後、純水中に1時間づつ2回浸漬することで酸成分を除去し、乾燥した。本フィルムのイオン伝導性を測定したところ80℃95%RHにおいて0.039S/cm、25℃水中において0.016S/cmの値を示した。また、水中80℃におけるイオン伝導性は0.069S/cmを示した。本フィルムの熱重量測定による減量開始温度(200℃での試料重量を基準にして測定)は310℃、3%重量減少温度は386℃であった。滴定で求めたIECは1.13meq/gを示した。5Mのメタノール透過速度は1.2mmol/m2・sec、10Mのメタノール透過速度は4.0mmol/m2・secを示した。平均厚み30μmの膜を作製し、発電評価を行ったところ、0.05A/cm2の電流密度における電圧は、5Mメタノール水溶液の場合0.25V、8Mメタノール水溶液の場合0.22Vを示した。
実施例2
S−DCDPSとDCBNの混合比を変える以外は実施例1と同様にしてポリマーを合成、フィルム作製し、評価を行った。結果を表1に示す。(実施例2A,2B,2C,2D)
比較例1
S−DCDPSとDCBNの混合比を変える以外は実施例1と同様にしてポリマーを合成、フィルム作製し、評価を行った。結果を表1に示す。(比較例1A,1B)
Figure 2006139934
比較例2
ナフィオン117膜(登録商標)(デュポン社製)膜について実施例1と同様の評価を行った。滴定で求めたIECは0.88meq/gを示した。発電評価を行ったところ、0.05A/cm2の電流密度における電圧は、5Mメタノール水溶液の場合0.19V、8Mメタノール水溶液の場合0.07Vを示した。
実施例3
3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホン1.830g(6.575x10-3mole)、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸1.084g(4.405x10-3mole)、テレフタル酸0.360g(2.170x10-3mole)、ポリリン酸(五酸化リン含量75%)20.5g、五酸化リン16.5gを重合容器に量り取る。窒素を流し、オイルバス上ゆっくり撹拌しながら100℃まで昇温 する。100℃で1時間保持した後、150℃に昇温 して1時間、200℃に昇温 して7時間重合した。重合終了後放冷し、水を加えて重合物を取り出し、家庭用ミキサーを用いてpH試験紙中性になるまで水洗を繰り返した。得られたポリマーは80℃で終夜減圧乾燥した。硫酸を用いて測定したポリマーの対数粘度は、1.07を示した。
本ポリマー1gをNMP5mlの溶解し、実施例1におけるポリマー溶液と混合して均一溶液とし、実施例1と同様のフィルム作成法によりブレンドフィルムを作製した。本フィルムの滴定で求めたIECは0.98meq/gを示した。5Mのメタノール透過速度は1.0mmol/m2・sec、10Mのメタノール透過速度は3.78mmol/m2・secを示した。平均厚み28μmの膜を作製し、発電評価を行ったところ、0.05A/cm2の電流密度における電圧は、5Mメタノール水溶液の場合0.23V、8Mメタノール水溶液の場合0.22Vを示した。
実施例4
4−フェノキシビフェニル1.53g(0.00620mol)、ジフェニルエーテル1.96g(0.01153mol)、イソフタル酸クロリド(3.60g(0.01773mol)をジクロロエタン200mlに溶解し、氷浴で冷却した後塩化アルミニウム6.15g(0.0461mol)を加えた。1時間攪拌した後、氷欲を除き室温でさらに17時間重合を続けた。反応物はメタノールに注いでポリマーを取り出し、希塩酸に引き続き熱水で洗浄を繰り返した後、乾燥した。収量4.92g。濃硫酸中で測定した対数粘度は1.47。
ポリマー1gを濃硫酸20mlに溶解し、65℃に加熱して9時間攪拌した。ポリマー溶液を水中に注いでポリマーを回収し、洗液が中性になるまで水洗を繰り返した後乾燥した。得られたスルホン化ポリマーの収量は1.1gであった。スルホン化ポリマー500mgをNMP2.5mlに室温で攪拌して溶解し、ホットプレート上で加温したガラス板上に厚み200μmにキャストし、溶媒を留去後、水浸漬してフィルムを得た。フィルムは100℃希硫酸中1時間浸漬処理した後、100℃純水中でさらに1時間浸漬処理した。得られた膜のイオン交換容量は、0.97meq/gであった。本フィルムのイオン伝導性を測定したところ80℃95%RHにおいて0.029S/cm、25℃水中において0.018S/cmの値を示した。また、水中80℃におけるイオン伝導性は0.061S/cmを示した。5Mのメタノール透過速度は0.79mmol/m2・sec、10Mのメタノール透過速度は2.31mmol/m2・secを示した。平均厚み25μmの膜を作製し、発電評価を行ったところ、0.05A/cm2の電流密度における電圧は、5Mメタノール水溶液の場合0.25V、8Mメタノール水溶液の場合0.21Vを示した。
比較例3
実施例4において、4−フェノキシビフェニルとジフェニルエーテルのモル比を25:75とする以外は同様にしてポリマーを合成し、評価した。濃硫酸中で測定した対数粘度は2.33のポリマーが得られ、作製したフィルムのイオン交換容量は1.59meq/gであり、80℃95%RHにおいて0.14S/cm、25℃水中において0.07S/cmの値を示した。また、水中80℃におけるイオン伝導性は0.15S/cmを示した。平均厚み35μmの膜を作製し、発電評価を行ったところ、0.05A/cm2の電流密度における電圧は、5Mメタノール水溶液の場合0.25V、8Mメタノール水溶液の場合0.11Vを示した。
本発明の芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜により、高濃度メタノールを使用する直接メタノール型燃料電池において優れた発電特性を示すことができる。本発明の膜はイオン伝導膜として、水素やメタノールを原料として使用する燃料電池や水電解槽に使うことができるが、各種電池用電解質、表示素子、センサー、バインダー類、添加剤などとしても利用することが期待される。

Claims (8)

  1. 濃度25wt%以上のメタノール水溶液を燃料として使用する直接メタノール型燃料電池において使用する、イオン交換容量が0.7から1.3meq/gの範囲にあることを特徴とする芳香族炭化水素ポリマー系プロトン交換膜。
  2. 芳香族炭化水素ポリマーの芳香環上に直接スルホン酸基が結合していることを特徴とする請求項1に記載のプロトン交換膜。
  3. 芳香族炭化水素ポリマーがポリアリーレンエーテル系ポリマーであることを特徴とする請求項2に記載のプロトン交換膜。
  4. 芳香族炭化水素ポリマーが、一般式(1)および/または一般式(2)で示される構成成分を含むことを特徴とする請求項3に記載のプロトン交換膜。
    Figure 2006139934
    Figure 2006139934
    ただし、Yはスルホン基またはケトン基、XはHまたは1価のカチオン種を示す。Ar’,Ar”は置換基を含んでいても良い2価の芳香族基を示す。
  5. 水中80℃で測定したイオン導電率が25℃で測定した値よりも3倍以上高いことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロトン交換膜。
  6. 平均膜厚が5μmから35μmの間にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプロトン交換膜。
  7. セル温度が35℃以上で使用されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプロトン交換膜。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のプロトン交換膜を使用したことを特徴とする直接メタノール型燃料電池。
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