JP2006139655A - タッチパネル付き表示装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネルのキャリブレーションをユーザが専用の操作や知識を必要なしに実現する。
【解決手段】ユーザが表示装置3上で、ボタンやアイコンなどの画像部品オブジェクトを押圧を操作する際の操作を利用して、GUI部2が押圧された事による選ばれた画像部品オブジェクトの重心座標(Xg,Yg)と、画像部品オブジェクトの略中心位置(Xp.Yp)を比較することにより、係数補正部7により位置自動的にタッチパネル4の換算式を補正をする事が実現できうるものである。
【選択図】図1
【解決手段】ユーザが表示装置3上で、ボタンやアイコンなどの画像部品オブジェクトを押圧を操作する際の操作を利用して、GUI部2が押圧された事による選ばれた画像部品オブジェクトの重心座標(Xg,Yg)と、画像部品オブジェクトの略中心位置(Xp.Yp)を比較することにより、係数補正部7により位置自動的にタッチパネル4の換算式を補正をする事が実現できうるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、操作性の向上のために画面上にタッチパネルを備えたタッチパネル付きの表示装置およびプログラムに関するものであり、使用に伴う経時変化などに起因するタッチパネルを押圧時の座標ズレをユーザに負担を掛けずに自動的に補正する手法に関する。
情報機器での入力操作指示や機能の選択を行うチェックボックスやボタン、アイコンなどの画像部品オブジェクトを画面上に描画させて直感的に行う方法を用いたグラフィカル・ユーザインターフェイス(GUI)技術の採用が広まっている。このGUI技術ではマウスなどのポインティングデバイスでカーソルを画像部品オブジェクト上に移動させてマウスをクリックする等の操作をする事により、その画像部品オブジェクトに関連された設定の変更や画面の遷移、プログラムの実行を行うことも可能であるが、更に操作したい画像部品オブジェクトにカーソルを移動させてクリックするよりも、画像部品オブジェクトを直接に押圧することでより直感的な操作ができる事から、タッチパネルを備えた表示装置が広まってきている。
こうした表示装置に用いられるタッチパネルの一般的な制御方式として、ブラウン管や液晶等の表示画面に抵抗膜を貼付し、指や専用のペンで押圧した場合の押圧位置の違いにより生じる抵抗値の変化を電圧値としてコントローラ回路に入力し、この電圧値を画面上でのXY座標値に換算する構成が用いられている。
しかし、タッチパネルの抵抗値は、押圧箇所により抵抗値の変化が線形でない事や、製造のばらつきなどを生じたりする事から、コントローラ回路に入力した電圧値を、更に換算式に当てはめて座標値を算出する方式を取っている。これらの換算式は個々の表示装置に取り付けられたタッチパネルに合わせて製造時や設置時に、内蔵されたプログラムなどのツールを使って係数値が最適値に調整される場合も多い。
それでも、使用状況に応じた経年変化により抵抗値が変化する場合があるため、、実際に押圧した位置の座標と換算後の座標がズレた場合に備えて、ユーザ向けのキャリブレーションプログラムによる補正手段を組み込んで置くのが一般的である。
ユーザ向けのキャリブレーションプログラムの方式としては、キャリブレーションのための押圧操作により意図しないプログラムが実行されたりする不都合を避けるため、キャリブレーション以外の動作をしない専用モードに移行する方法がある。また他の方法として、指定位置を押圧するよう促す補正用のマーカだけをを表示する専用の画面や画面上の領域を決め、マーカ範囲内を押圧された場合にはマーカの中心位置とのユーザの実際の押圧位置を換算した座標位置を表示することにより、ユーザがズレ具合を目視で確認できるようにする方法などが採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のタッチパネル装置では、所定画面の対角コーナ等の所定位置に外周枠を示した矩形領域を表示し、この矩形領域内が押圧された場合には換算式で変換した判定座標にマーク表示をしてユーザにフィードバック確認を行うと共に、もし判定座標が矩形領域の中心と所定の条件を越えてずれている場合は組み込みプログラムにより換算式を修正するようにしている。
特開2003−5914号公報
しかしユーザは、表示装置の何らかのボタンを押しながら電源を入れ直したりといった特殊な操作をして専用モードに移行したり、特定画面の特定矩形領域内を押した場合にのみ押圧位置にフィードバック確認用のマーカが表示されてズレ具合を確認できて換算式の修正が行われるといったことを、予備知識として習得し意識しておかなければならない。
本発明では、上記課題を解決するために、ユーザが通常操作においてボタンやアイコンなどの画像部品オブジェクトを押圧操作を利用して自動的にタッチパネルの換算式を補正をするため、ユーザが改めて補正機能モードに移行したり、補正用のマーカを表示した画面に移って特別な領域を押圧するといった動作を行う必要がなくなるものである。
前記課題を解決するために本発明は、画像表示面に付設したタッチパネルと、前記タッチパネルを押圧した信号から座標位置に変換して押圧位置座標を出力する演算を行う座標出力部と、前記画像表示面に画像部品オブジェクトを表示すると共に前記画像部品オブジェクトへのイベントや属性を管理する表示制御部と、前前記表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として選択した画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値をフィードバックして前記座標出力部の演算内容を補正する座標演算補正部を備えて構成するようにしている。
このことにより、ユーザが通常操作においてボタンやアイコンなどの画像部品オブジェクトを押圧操作を利用して自動的にタッチパネルの換算式を補正をする事が実現できうるものである。
このように、本発明によれば、日常にタッチパネル付きの表示装置の機能を使っていく上で、特にユーザが補正を行うモードや操作箇所を意識することなく自動的に補正が行え、ユーザの押圧位置と装置が変換する座標位置がズレないタッチパネル付きの表示装置およびプログラムが提供できる。
第1の発明は、画像表示面に付設したタッチパネルと、前記タッチパネルを押圧した信号から座標位置に変換して押圧位置座標を出力する演算を行う座標出力部と、前記画像表示面に画像部品オブジェクトを表示すると共に前記画像部品オブジェクトへのイベントや属性を管理する表示制御部と、前前記表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として選択した画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値をフィードバックして前記座標出力部の演算内容を補正する座標演算補正部を有して構成するようにしている。このことにより、ユーザの通常の操作を通じてタッチパネルの押圧座標への換算の補正ができるようになっている。
第2の発明は、第1の発明に加えて、表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトのX方向幅若しくはY方向幅の少なくとも一方が所定の画素数幅の範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない構成としている。このことにより、特異に縦長や横長のボタンなどユーザが略中心位置以外を押圧する可能性のある場合を除いて信頼性の高い補正ができる。
第3の発明は、第1の発明に加えて、表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトのX方向幅とY方向幅の比率が所定の範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない構成としている。このことにより、特異に縦長や横長のボタンである場合の他、くびれのある形状など特殊な形状の場合にも、ユーザが略中心位置以外を押圧する可能性のある場合を除いて信頼性の高い補正ができる。
第4の発明は、表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトの画素面積が所定の画素数範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない構成としている。このことにより、略中心位置が比較的広くユーザの押圧位置がブレる可能性のある場合を除いて信頼性の高い補正ができる。
第5の発明は、表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、所定の時間内に別の画像部品オブジェクトが選択された場合には、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない構成としている。このことにより、ユーザの押圧間違いによる操作のやり直しなどの意図を汲み取ることができ、略中心位置を外した押圧操作などが行われた可能性の高い操作などを補正から外すことができる。
第6の発明は、略中心位置を画像部品オブジェクトの重心位置とする構成としている。このことにより、一般的な形状の画像部品オブジェクトにおいてユーザが押圧位置として定めやすい略中心位置を角度高く定めることができる。
第7の発明は、略中心位置を画像部品オブジェクトのX方向の最大および最小座標、Y方向の最大および最小座標の平均値とする構成としている。このことにより、丸形や矩形などの標準的な形状の画像部品オブジェクトのみから構成される場合には簡単な演算で略中心位置を角度高く定めることができる。
第8の発明は、座標演算補正部にフィードバックする差異値として、所定回数の画像部品オブジェクトの選択の際における差異値を平均値した値を用いる構成としている。このことにより、簡易な演算でユーザの単発的な押圧位置のブレなどを低減化でき、精度の高い補正ができる。
第9の発明は、座標演算補正部にフィードバックする差異値として、所定回数の画像部品オブジェクトの選択の際における差異値の標準偏差値を用いる構成としている。このことにより、統計的な演算を用いてユーザの押圧位置のブレなどを低減化でき、精度の高い補正ができる。
第10の発明は、表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトが予め選出した画像部品オブジェクトの場合のみ、略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いる構成としている。このことにより、表示画面の中心付近に表示される補正効果の小さい画像部品オブジェクトや操作頻度の少ない画像部品オブジェクトなど補正効果の高い画像部品オブジェクトに限定して確度高い補正ができる。
第11の発明は、第1ないし第10の発明のいずれかに記載のタッチパネル付き表示装置の少なくとも一つの手段をコンピュータに実行させるためのプログラムとしている。この構成によれば、プログラムであるので電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明のタッチパネル付き表示装置の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施例1におけるタッチパネル付き表示装置の構成の一例を示したブロック図である。図1の主制御部1は、表示装置全体の制御を行い、マイクロコンピュータとプログラム及びその周辺回路で構成する。グラフィカル・ユーザインターフェイス部2(以下、GUI部2)は、表示装置3にユーザとの対話操作画面を表示するものであり、プログラムに従ってボタンやアイコン、図形などの画像部品オブジェクトを配置すると共に、画像部品オブジェクトの表示座標やサイズ、境界線の種別や太さ、背景色や前面色などの属性を管理している。
図1は、本発明の実施例1におけるタッチパネル付き表示装置の構成の一例を示したブロック図である。図1の主制御部1は、表示装置全体の制御を行い、マイクロコンピュータとプログラム及びその周辺回路で構成する。グラフィカル・ユーザインターフェイス部2(以下、GUI部2)は、表示装置3にユーザとの対話操作画面を表示するものであり、プログラムに従ってボタンやアイコン、図形などの画像部品オブジェクトを配置すると共に、画像部品オブジェクトの表示座標やサイズ、境界線の種別や太さ、背景色や前面色などの属性を管理している。
タッチパネル4は、液晶やブラウン管などで構成する表示装置3の前面部に抵抗膜を塗布して縦横方向の抵抗成分を出力するように構成する。このタッチパネル4からの縦つまりY方向、および横つまりX方向の抵抗成分は、ユーザの押圧位置に応じてそれぞれ変化するため、これを電圧変換部5により電圧信号として取り出し、座標変換部6に入力する。
座標変換部6は、個別のタッチパネル4毎のばらつきを補正し、表示装置3でのXY座標値に換算を行う。通常、タッチパネル4の押圧位置による抵抗成分の変化は線形ではなく、またXY方向の抵抗成分や押圧時の変化率も個々のタッチパネルにより異なる。座標換算部6では、これらを考慮した換算式を実行するプログラムを格納し、この換算式の係数値に相当する値を記憶すると共に、これらの係数値を個々のタッチパネルに合わせて最適化すること補正を行い、電圧変換部5から入力された電圧値からXY座標値を算出し、主制御部1を介してGUI部2に入力している。
タッチパネル4の換算式の形式の一例としては、以下の2点キャリブレーションなどの方法が代表的である。この方法では、まずキャリブレーション用の画面上の対角位置コーナーに2点のXY座標(X1,Y1)、(X2、Y2)にマーカ“+”の交差点が一致するように表示してユーザにこのマーカーの交差点を押圧させて、この際に入力されたXY方向の電圧値(ADX1、ADY1)、(ADX2、ADY2)から7つの係数a〜gを算出する。この係数a〜gを用いてユーザがタッチパネル4を押圧した際に入力された電圧値(ADXu、ADYu)から、表示画面での座標(Xu,Yu)を求めるキャリブレーション式を作成する方法である。
Xu=(a*ADXu+b*ADYu+c)/g (1)
Yu=(d*ADXu+e*ADYu+f)/g (2)
本発明の一実施の形態でも、表示装置の製造時にこうした方法でキャリブレーションを行い、表示装置内のメモリに記憶しておけば、設置後本発明の実施の形態により補正を行う場合の初期の換算式として用いることができる。
Xu=(a*ADXu+b*ADYu+c)/g (1)
Yu=(d*ADXu+e*ADYu+f)/g (2)
本発明の一実施の形態でも、表示装置の製造時にこうした方法でキャリブレーションを行い、表示装置内のメモリに記憶しておけば、設置後本発明の実施の形態により補正を行う場合の初期の換算式として用いることができる。
なお、この他キャリブレーションの方法としては、4点キャリブレーションなどの方法も開示されており、本発明においても、特にこの2点キャリブレーションの形式に限定されるものではない。
更に、以上の説明において、GUI部2や座標換算部6、係数補正部7は、主制御部1のプログラムを動作させるマイクロコンピュータと同じマイクロピュータ上で動作するプログラムとして構成しても構わない。
次に、図2は、本発明の実施例1における画面表示例の一例であり、暗証番号や電話番号などの数字情報をユーザが入力する画面などに使用する画面の一例である。図2の11〜16に示す「1」、「2」、「3」…や、「決定」「取消」などの文字を囲んだ網掛け枠は、ボタンを示す画像部品オブジェクトの一例であり、各画像部品オブジェクトの大きさや形状、色などの属性はGUI部2が管理し、主制御部1のプログラムから画像部品オブジェクトの識別IDと属性をGUI部2に受け渡すことにより、GUI部2により画面上に表示される。各画像部品オブジェクトが押圧されて選択された場合に行うべき処理は、画像部品オブジェクトの識別IDをキーとして対応する実行プログラムが主制御部1に記憶される。
例えば、画像部品オブジェクト15を押圧した際には、テキスト表示フィールド10に「2」のアスキーコードを表示して記憶するプログラムが記憶されており、画像部品オブジェクト12の「決定」が選択された場合には、テキスト表示フィールド10に表示された数字列を暗証番号として認証判定するプログラムに受け渡すプログラムが記憶されている。
図2の画面を操作する場合のような通常のユーザ操作において、座標換算部6の換算式を補正する場合の処理について、以下図1、図2を使って順を追って説明する。
今、画像部品オブジェクト15の「2」の領域内が押圧されると、ユーザが押圧した事による抵抗値の変化により電圧変換部5および座標換算部6によりXY座標(Xp、Yp)に変換され、主制御部1を介してGUI部2に入力される。GUI部2では、現在表示している画像部品オブジェクトのリストから画像部品オブジェクト12の「2」の数字キーの領域であることを判別し、画像部品オブジェクト12の選択されたことを示すイベントを主制御部1に送り、主制御部1は対応したプログラムを実行する。
実施例1ではこの際選択された画像部品オブジェクト12の重心座標(Xg,Yg)の座標も主制御部1を介して係数補正部7に入力する。係数補正部7では、この重心座標(Xg,Yg)と先立って座標変換部6から入力された(Xp,Yp)とを比較する。一般的なユーザにおいては、画面上の画像部品オブジェクトを押圧する際には、画像部品オブジェクトの重心位置、特に「2」などのラベルの中心位置を押圧する傾向にあるため、補正が正しく行われている場合にはこのXY座標(Xp,Yp)と重心座標(Xg,Yg)はほぼ一致する。
ところが、経年変化など起因してタッチパネル4の抵抗値に変化が生じキャリブレーションが必要なケースでは、XY座標(Xp,Yp)と重心座標(Xg,Yg)に差異を生じるため、係数補正部7では、これらが一致するように係数を最適化し座標換算部6に記憶し直す。
係数を最適化する方法は、タッチパネルの特性などに応じて種々の方法が考えられ、最適な方法を適用できるが、2座標の差異を(△X, △Y)とすると、X、Yの係数の補正割合を(式1)、(式2)を微分した(式3)、(式4)を解いて求める方法などが考えられる。α、βはそれぞれXY座標係数の補正率である。
(1+α)a△X+(1+β)b△Y=0 (3)
(1+α)c△X+(1+β)d△Y=0 (4)
更に、係数補正部7は、この差異の差異△X,△Yについては、画像部品オブジェクトの選択のたびに行うのではなく、簡易な計算で実施できうる平均値演算を用いて何十回などの所定の回数の平均値を△X、△Yとして用いたり、精度の高い統計手法を用いて一定数の座標組の結果を使って計算した平均偏差などの値を△X、△Yとして用いてもよいし、移動平均の手法を用いて最新の座標組からさかのぼってn回の所定回数を用いて計算しても良い。こうした処理により、単発的に略中心位置とズレた位置を押圧してしまった場合などの悪影響を低減させる上で効果がある。
(1+α)a△X+(1+β)b△Y=0 (3)
(1+α)c△X+(1+β)d△Y=0 (4)
更に、係数補正部7は、この差異の差異△X,△Yについては、画像部品オブジェクトの選択のたびに行うのではなく、簡易な計算で実施できうる平均値演算を用いて何十回などの所定の回数の平均値を△X、△Yとして用いたり、精度の高い統計手法を用いて一定数の座標組の結果を使って計算した平均偏差などの値を△X、△Yとして用いてもよいし、移動平均の手法を用いて最新の座標組からさかのぼってn回の所定回数を用いて計算しても良い。こうした処理により、単発的に略中心位置とズレた位置を押圧してしまった場合などの悪影響を低減させる上で効果がある。
更に、各画像部品オブジェクトの領域の重心位置と比較する方法について説明したが、X方向Y方向の最大および最小値のXY中心座標で代表する方式や、画像部品オブジェクト上に表示する「1」や「決定」などのフォント領域の重心や中心値などの値で代用しても構わない。特に、丸型や矩形などの画像部品オブジェクト多用される場合には、視覚的な画像部品オブジェクトと重心座標やXY中心座標がほぼ一致する上、座標位置の算出も簡易な計算で可能である。
この他、図中での画像部品オブジェクト11の「1文字戻る」ボタンのように、画像部品オブジェクトが横長や縦長や特殊な形状などの場合は、操作の流れでその直前に押圧した画像部品オブジェクトに近い側を押圧するなどの、ユーザが重心から偏った位置を押圧する可能性が考えられるため、こういった特殊な形状の画像部品オブジェクトに関しては、X方向幅若しくはY方向幅の少なくとも一方が予め決定しておいた所定の画素数幅の範囲を超えるかどうかを判定して補正対象から外すことも有効である。
また、この特殊な形状の画像部品オブジェクトかどうかの判定方法としては、該当する画像部品オブジェクトのX方向幅とY方向幅の比率が予め決定しておいた所定の範囲を超えるかどうかを判定する方法でも簡易な計算で実現でき有効なものである。
更に、画像部品オブジェクトの表示面積が押圧する指先の面積などと相対比較して十分に大きい場合や逆に小さすぎる場合にも、略中心位置から偏った位置を押圧する可能性が考えられるため、こういった表示面積の広い画像オブジェクトに関しては、画像部品オブジェクトの画素面積が、指先などで押圧される範囲の画素数などを根拠として予め決定しておいた所定の画素数範囲を超えるかどうかを判定して補正の対象から外すことも有効である。
以上のケースの以外にも、GUI部2が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、予め決定しておいた所定の時間内に別の画像部品オブジェクトが押圧されて選択された場合には前者の押圧操作を補正に反映しない構成とすることも有効である。これは、ユーザが正しい画像部品オブジェクトを押圧した際には画面が切り替わったりする処理を待つため、次の押圧まで数秒以上待つ場合が多いと考えられるのに対して、他の画像部品オブジェクトに近い端部分や隣り合った別の画像部品オブジェクトを押圧した場合には、画面が切り替わる前に操作の追確認やキャンセルのための押圧し直しを行おうと即座に別の画像部品オブジェクトを再押圧するなどの傾向があると考えられる。このため、数秒といった所定の時間内にやり直された操作を補正に用いない事で、略中心位置が押圧されていない可能性のあるユーザの不確実な操作を補正から外すことができうるものである。
更に、補正の対象とする画像部品オブジェクトは予め選出しておいた画像部品オブジェクトを押圧する操作に限定して、その画像部品オブジェクトのIDなどをGUI部2に記憶しておくといった方法も有効である。この際、縦長や横長や面積が極端に大小した画像表示オブジェクトなどの特殊な形状や大きさの画像オブジェクトに加えて、同一画面上で他の画像部品オブジェクトと連続して押圧操作される用途のため前画像部品オブジェクトに近い略中心位置から離れた端部分を押圧される可能性が高い画像部品オブジェクトなど、操作シーケンス的に略中心位置が押圧されない要因が考えられる画像部品オブジェクトなどを意図的に選出から外しておけば、より確度高い補正ができものである。
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以上のように、本発明によれば、日常にタッチパネル付きの表示装置の機能を使っていく上で、特にユーザが補正を行うモードや操作箇所を意識することなく自動的に補正が行え、ユーザの押圧位置と装置が変換する座標位置がズレないタッチパネル付きの表示装置およびプログラムが提供できる。
2 GUI部(表示制御部)
3 表示装置
4 タッチパネル
5 電圧変換部(座標出力部)
6 座標換算部(座標出力部)
7 係数補正部(座標演算補正部)
10 テキスト表示フィールド(画像部品オブジェクト)
11 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
12 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
13 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
14 数字キー(画像部品オブジェクト)
15 数字キー(画像部品オブジェクト)
16 数字キー(画像部品オブジェクト)
3 表示装置
4 タッチパネル
5 電圧変換部(座標出力部)
6 座標換算部(座標出力部)
7 係数補正部(座標演算補正部)
10 テキスト表示フィールド(画像部品オブジェクト)
11 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
12 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
13 コマンドキー(画像部品オブジェクト)
14 数字キー(画像部品オブジェクト)
15 数字キー(画像部品オブジェクト)
16 数字キー(画像部品オブジェクト)
Claims (11)
- 画像表示面に付設したタッチパネルと、前記タッチパネルを押圧した信号から座標位置に変換して押圧位置座標を出力する演算を行う座標出力部と、前記画像表示面に画像部品オブジェクトを表示すると共に前記画像部品オブジェクトへのイベントや属性を管理する表示制御部と、前記表示制御部が前記押圧位置座標を含む操作対象として選択した画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値をフィードバックして前記座標出力部の演算内容を補正する座標演算補正部を備えたタッチパネル付き表示装置。
- 表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトのX方向幅若しくはY方向幅の少なくとも一方が所定の画素数幅の範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
- 表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトのX方向幅とY方向幅の比率が所定の範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
- 表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトの画素面積が所定の画素数範囲を超える場合は、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
- 表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、所定の時間内に別の画像部品オブジェクトが選択された場合には、該画像部品オブジェクトの略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いない請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
- 略中心位置を画像部品オブジェクトの重心位置とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
- 略中心位置を画像部品オブジェクトのX方向の最大および最小座標、Y方向の最大および最小座標の平均値とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
- 座標演算補正部にフィードバックする差異値として、所定回数の画像部品オブジェクトの選択の際における差異値を平均値した値を用いる請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
- 座標演算補正部にフィードバックする差異値として、所定回数の画像部品オブジェクトの選択の際における差異値の標準偏差値を用いる請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
- 表示制御部が押圧位置座標を含む操作対象として画像部品オブジェクトを選択した際に、該画像部品オブジェクトが予め選出した画像部品オブジェクトの場合のみ、略中心位置座標と前記押圧位置座標との差異値を座標演算補正部の補正に用いる請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のタッチパネル付き表示装置の少なくとも一つの手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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- 2004-11-15 JP JP2004330224A patent/JP2006139655A/ja active Pending
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