JP2006138618A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機を冷蔵庫の天面の凹部に積載した冷蔵庫において、冷蔵庫の上段の収納性や使い勝手を改善し、見栄えをよくした冷蔵庫を提供する。
【解決手段】前面に扉を備えた貯蔵室が配置された箱本体1を有し、箱本体1の天面23と背面28aに渡って貯蔵室内の最上段収納スペース29a側に凹ませた凹部27に圧縮機11を設置するものであって、圧縮機11を密閉容器内に固定子112と回転子111からなる電動要素110と電動要素110によって駆動される圧縮要素113とを収納し、前記圧縮要素113は密閉容器に対して弾性的に支持された往復動型であり、圧縮機11の頂部が箱本体1の天面23より低くなるように、圧縮機11の電動要素110を複数の回転数で運転されるインバーター駆動の電動機とし、回転子111に永久磁石151を用いることで圧縮機11の高さを低減し、上段の収納性を向上し、見栄えも良くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機を冷蔵庫の天面に積載した冷蔵庫に関するものである。
以下、図面を参照しながら上記従来の冷蔵庫について説明する。
従来の冷蔵庫は、冷蔵庫本体の下部後方に機械室を配置し、この機械室内に圧縮機等の冷凍サイクルの高圧側構成物を収容するものが一般的であったが、近年、冷蔵庫は、使い勝手の良さや省スペースの観点から収納性の向上、また、地球環境の観点から省エネルギー性の向上が求められており、この要請に応えるための方向性として、機械室を使い勝手の悪い冷蔵庫本体の天面や、もしくは冷蔵庫本体の背面上部に設置するという方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の構成を示すものである。
冷蔵庫の箱本体1は、上から冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4という構成からなり、冷蔵室2は冷蔵室回転扉5を有し、野菜室3は、野菜室引出扉6、冷凍室4は、冷凍室引出扉7を有している。
そして、庫内ファン8と蒸発器9等からなる冷却ユニット10は、最下段の貯蔵室として収納部を形成する冷凍室4の開口部の高さ寸法と概ね同じ高さとして冷凍室4の背面後部に設置し、圧縮機11を使い勝手の良くない冷蔵庫の箱本体1の天面11aと背面11bに渡って冷蔵室2側に凹ませた凹部12に設置している。
冷蔵室2には、食品等を収納する為の棚12bが複数個設けられており、最上段の棚12bで区画された最上段収納スペース12cと第2段収納スペース12dにかけては、箱本体1の背面上部に設けた凹部12が、凸部12eとして出張っている。
このような構成において、圧縮機11の移動に伴い、圧縮機11の収納体積分だけ冷凍室4及び野菜室3の高さが低くなるので、冷蔵室2と野菜室3を区画する区画壁の位置を下方に下げることが出来、野菜室3内の収納物の取り出しが容易となる。
特開平11−183014号公報
しかしながら、上記従来の構成では、冷蔵庫下段の収納性は向上しても、冷蔵庫の上隅部位に出来た凸部12eが意匠的に見栄えが悪く、収納性も低下するので、出来る限り凸部12eを小さくするため、凹部12を低くする必要があり、凹部12の高さを決定する最大因子である圧縮機11の高さを低くする課題があった。
また、圧縮機11を設置する凹部12の高さを極力小さくするためには、圧縮機11の形式や形態からすれば回転圧縮機機構を有する横型のロータリ圧縮機等が有効な手段となり得る。
しかしながら、ロータリ圧縮機は一般的に小型化を実現するために機械部を容器である圧縮機シェル内面に直止めしており、運転時の振動が外部に伝播しやすい構造となっている。このため、冷蔵庫の箱本体1に振動が伝達する懸念のある圧縮機上部配置型の冷蔵庫においては、特に圧縮機11の位置が圧縮機下部設置型の従来冷蔵庫と比べて使用者の耳に近くなるため、圧縮機11の振動や振動伝達による共振音が不快に感じられやすくなる問題があり、圧縮機設置スペースの低減による使い勝手や外観品位の向上と低振動,低騒音化の両立を図ることが困難であるという課題があった。
また、冷蔵庫の手の届きにくく収納性の良くない天面11aを、収納用途以外に有効利用し、実質的な収納容量を減らさないで冷蔵庫の使い勝手を良くすることが課題であった。
すなわち、圧縮機の移設に伴って、食品等の収納性の向上のために、箱本体1の外形寸法によって定まる外容積に占める庫内の内容積を出来る限り大きくすることが冷蔵庫全体に関わる課題でもあった。
一方、冷蔵庫の上隅部位において、凹部12による庫内への出張りが、最上段収納スペース12cの棚底部より下方に出ていると、使用者の目の高さ付近の位置であるため庫内の外観意匠面で冷蔵庫としての品位を損なうものであり好ましくなかった。
また、二段目の収納スペース内に手で食品等を収納する際に、間口の高さより奥側の高さが低いので、途中で食品等がつかえて入らなくなり不便となる課題や、奥側から食品等を取り出すとき、斜めになるとつかえて出てこなくなる課題があった。
さらには、冷却性能面での課題として、天面11aと背面11bに渡る凹部12に設置された圧縮機11を効率よく冷却することも必要であった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、収納効率と使い勝手の両立を図り、さらには外観意匠や冷却性能の品位を損なわずにこれらを実現できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、本発明の冷蔵庫は、前面に扉を備えた貯蔵室が配置された箱本体を有し、箱本体の天面と背面に渡って貯蔵室内の最上段収納スペース側に凹ませた凹部を形成し、密閉容器内に固定子と回転子からなる電動要素と電動要素によって駆動される圧縮要素とを収納し、前記圧縮要素は密閉容器に対して弾性的に支持され、圧縮室と前記圧縮室内で往復動するピストンを備えた往復動型である圧縮機を凹部に設置するものであって、圧縮機の頂部が箱本体の天面より低くなるように、圧縮機の電動要素を複数の回転数で運転されるインバーター駆動の電動機とし、電動要素の回転子に永久磁石を用いることで圧縮機の高さを低減したものである。
これによって、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部の庫内の収納スペース側への出張り(凸部)を小さくして見栄えを良くし、実質的な有効スペースを侵害しないで庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
また、横型のロータリ圧縮機等と比較して圧縮機の低振動化を図りやすいものの、構造上、高さ寸法が大きくなるために圧縮機上部配置型の冷蔵庫には適用上の制限があった往復動型圧縮機であっても圧縮機全体の高さを低くすることが出来、圧縮機を上部に配置する際に大きな課題となる振動を低減することが可能となるので、冷蔵庫本体に振動が伝達する懸念のある圧縮機上部配置型の冷蔵庫でも、使用者の不快感を取り除きながら圧縮機を設置する凹部の高さを小さくすることができる。
本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫の下段の内容積を大きくすることで使い勝手を良くするとともに、冷蔵庫上部に配置した圧縮機収容スペースの庫内側への出張りを小さく、庫内構造と調和したものとすることができ、庫内の見栄えもよく収納性を高めた冷蔵庫が提供できる。
さらに、圧縮機を上部に配置する際に大きな課題となる振動を低減することが可能となるので、冷蔵庫本体に振動が伝達する懸念のある圧縮機上部配置型の冷蔵庫でも、使用者の不快感を取り除きながら圧縮機を設置する凹部の高さを小さくすることで、使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、前面に扉を備えた貯蔵室が配置された箱本体を有し、前記箱本体の天面と背面に渡って前記貯蔵室内の最上段収納スペース側に凹ませた凹部を形成し、密閉容器内に固定子と回転子からなる電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収納し、前記圧縮要素は密閉容器に対して弾性的に支持され、圧縮室と前記圧縮室内で往復動するピストンを備えた往復動型である圧縮機を前記凹部に設置するものであって、前記圧縮機の頂部が前記箱本体の前記天面より低くなるように、前記圧縮機の前記電動要素を複数の回転数で運転されるインバーター駆動の電動機とし、前記電動要素の前記回転子に永久磁石を用いることで前記圧縮機の高さを低減したものである。
これによって、高負荷時の冷凍能力を周波数可変により保証して圧縮要素の気筒容積をコンパクト化でき、かつ永久磁石を用いたインバーター電動機とすることで回転トルク発生に必要な励磁電流が不要となって固定子や回転子の積厚を薄くでき、この結果、圧縮機の圧縮要素や電動要素の高さを小さくして圧縮機全体の高さを低くすることが出来、圧縮機を設置する凹部の高さを小さく出来るので、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部の庫内の収納スペース側への出張り(凸部)を小さくして見栄えを良くし、庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
さらに、横型のロータリ圧縮機等と比較して圧縮機の低振動化を図りやすいものの、構造上、高さ寸法が大きくなるために圧縮機上部配置型の冷蔵庫には適用上の制限があった往復動型圧縮機であっても圧縮機全体の高さを低くすることが出来、圧縮機を上部に配置する際に大きな課題となる振動を低減することが可能となるので、冷蔵庫本体に振動が伝達する懸念のある圧縮機上部配置型の冷蔵庫でも、使用者の不快感を取り除きながら圧縮機を設置する凹部の高さを小さくして冷蔵庫の下段の収納性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の冷蔵庫に加えて、凹部に連通する通風ダクトが箱本体の天面となるように設け、圧縮機の頂部が箱本体の天面より低く、通風ダクトの下面よりも高くなるようにしたものである。
これによって、圧縮機の頂部が箱本体の天面より低く、通風ダクトの下面よりも高い位置に配置されるので、圧縮機収容部の庫内側への出張り代が小さくなり庫内スペースをより有効に活用できる。
また、通風ダクトの高さ分を含めた凹部高さに圧縮機高さを納めればよいので、大型の冷蔵庫などで、小型化の要素は盛り込んでも冷凍能力的に比較的サイズの大きい圧縮機を採用せざるを得ない場合にも設計の自由度を広げることができる。
また、圧縮機の頂部が、通風ダクトの通風方向の投影面内に配置されるので、圧縮機で最も温度が高い頂部が効率よく冷却され、圧縮機の特性、信頼性も向上する。
併せて、圧縮機等の冷却に必要な通風ダクトが、手が届きにくく使い勝手の悪い天面に配置されるので、天面を収納用途以外に有効利用でき、庫内全体の収納性も向上する。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の冷蔵庫に加えて、圧縮機の電動要素は、固定子を構成する固定子鉄心の複数の突極部に絶縁体を介して巻線を巻回した突極集中巻型としたものである。
これによって、巻線が離れたスロット間に渡ることが無く、一つ一つの突極部に集中して密に巻かれるので巻線がスロット間を渡ることによる巻線の盛り上がりが無くなって、圧縮機の電動要素の高さをさらに低減することが出来、圧縮機全体の高さもさらに低くすることが出来、圧縮機を設置する凹部の高さを小さく出来るので、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部の庫内の収納スペース側への出張り(凸部)を小さくして見栄えを良くし、庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫に加えて、回転子に収納された永久磁石は、希土類の永久磁石としたものである。
これによって、希土類磁石は、一般的に用いられているフェライト磁石より、磁束密度が約4倍程度大きいため、磁石の高さを低くしても同等以上の磁束が得られることとなって圧縮機の電動要素の高さをさらに低減することが出来、圧縮機全体の高さもさらに低くすることが出来、圧縮機を設置する凹部の高さを小さく出来るので、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部の庫内の収納スペース側への出張り(凸部)を小さくして見栄えを良くし、庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫に加えて、圧縮機は内部低圧型であって、電動要素は密閉容器内の下方に配設されるとともに前記密閉容器に対して支持部材を介して弾性的に支持されており、圧縮要素は前記電動要素の上部に配設されるとともに前記密閉容器に対して弾性的な形状からなる高圧配管を介して接続されているものである。
これによって、圧縮機の振動源である圧縮要素を密閉容器内の弾性支持部に対して電動要素部を介して配置する為、圧縮要素を直接的に弾性支持する場合と比べて弾性支持部からの距離をより遠くすることができ、また圧縮要素で発生した振動は剛性が高い電動要素の固定子を通過する際に減衰された上で圧縮機の弾性支持部から圧縮機の外部へ伝達する為、圧縮機の振動を低減することができる。このため、圧縮機位置が使用者の耳に近くなる圧縮機上部配置型の冷蔵庫でも、使用者の不快感を取り除きながら圧縮機を設置する凹部の高さを小さくして冷蔵庫の下段の収納性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
また、圧縮要素の高圧配管は弾性的な形状からなることで、圧縮要素の振動を高圧配管で十分に減衰した上で圧縮機の外部へ伝達する為、圧縮機の振動をさらに低減することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫に加えて、最上段収納スペースの棚底部と、凹部の室内側底壁面とを、略同一水平面としたものである。
これによって、最上段収納スペースの棚と圧縮機収容凹部の室内側底壁面とが外観的にほぼ連続的につながって見栄えが良い状態で、圧縮機も所定の凹部内に収納することができる。
さらに、冷蔵庫の上から2段目の収納スペースに、食品等を収納または取り出す際、間口の高さが奥まで同じ高さであるので、途中で食品等がつかえてしまうことがなくなり、出し入れがし易くなり使い勝手が向上する。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明の冷蔵庫に加えて、最上段収納スペースの高さを、350mlの缶飲料規格品をたてて収納できる高さとしたものである。
これによって、圧縮機を最上部後方に設置して庫内側に食い込みながらも最上段の収納スペースとの外観上の調和を図り、通常使い勝手が悪いことから、比較的収納場所として空いている最上段スペースのうち特に使い勝手の悪い後方スペースを圧縮機収容凹部にあて、比較的使いやすい前方スペースに、冷蔵庫に収納される食品の中で、一度に複数個収納されることが多い缶飲料を、縦に並べて収納することが出来るので、冷蔵室全体の収納数も多くなり、最上段の収納スペースも有効に活用できることになる。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫において、箱本体の天面の床面からの高さを1800mm以下としたものである。
これによって、日本人の標準的な身長の女性が使いやすいように庫内の使い勝手に配慮し、ついでこの高さ範囲で圧縮機11の高さ寸法を極力コンパクト化することで、庫内側の有効スペースの侵害を抑え、収納効率を最大限に高めることができる。
以下、本発明による圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の概略断面図、図2は、同実施の形態における冷蔵庫の概略背面図、図3は、同実施の形態における冷蔵庫の概略部品展開図、図4は、同実施の形態における冷蔵庫の圧縮機の縦断面図、図5は、同実施の形態における冷蔵庫の圧縮機の水平断面図、図6は、同実施の形態における冷蔵庫の圧縮機のインダクション電動機とインバーター電動機の比較図、図7は、同実施の形態における冷蔵庫の圧縮機の突極集中巻固定子の平面図である。図8は、同実施の形態における冷蔵庫の圧縮機の脚部分の斜視図である。
以下図1から図8に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、背景技術と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図1から図3において、箱本体1は、ABSなどの樹脂体を真空成形した内箱13とプリコート鋼板などの金属材料を用いた外箱14とで構成された空間に発泡充填する断熱体15を注入してなる断熱壁を備えている。断熱体15は、例えば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォームなどが用いられる。また、発泡材としては、ハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらに良い。
箱本体1は複数の断熱区画に区分されており、前面には、扉15aがある。扉15aは、上部を回転扉式、下部を引出式とする構成をとってある。断熱区画された貯蔵室15bは、上から冷蔵室2、並べて設けた引出式の切替室16および製氷室17と引出式の野菜室3と引出式の冷凍室4となっている。各断熱区画には、それぞれ断熱性を有した扉15aが、ガスケット18を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉5、切替室引出扉19、製氷室引出扉20、野菜室引出扉6、冷凍室引出扉7である。
冷蔵室回転扉5には、扉ポケット21が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚22が設けられている。
次に箱本体1の詳細を説明する。箱本体1の外箱14は、天面23の奥側を切り取ったU字曲げした外殻パネル24と底面パネル25と背面パネル26と凹部27を形成する機械室パネル28とをシール性を確保して組み立てることで構成されている。組み立てられた箱本体1は、天面23と背面28aに渡る部分に凹部27が形成されている。凹部27は、庫内の最上段棚29と内箱13で区画された最上段収納スペース29a及び第2段棚30と最上段棚29で区画された第2段棚収納スペース30a側に凸部30bとして出張っている。また、より好ましくは凸部30bの室内側底壁面30cと最上段棚29の棚底部30dを略同一水平面としている。
また、底面パネル25と背面パネル26には、指先を引っ掛けることが可能な窪みからなる取っ手が設けられている。
また、内箱13は、外箱14より一回り小さく、背面奥部が内側に窪んだ構成となっており、外箱14の中に組み入れることで断熱体15が発泡充填される空間が箱本体1に形成される。したがって機械室パネル28の左右部も断熱体15が発泡充填されて断熱壁が形成され、強度も確保されることになる。
次に冷凍サイクルについて説明する。冷凍サイクルは、凹部27の設置面28bに配設した圧縮機11と圧縮機11に接続された吐出配管31と外殻パネル24の天面23や側面、凹部27や底面パネル25に設けた凝縮器(図示せず)と、減圧器であるキャピラリー32と水分除去を行うドライヤー(図示せず)と、野菜室3と冷凍室4の背面で庫内ファン8を近傍に配置した蒸発器9と、吸入配管33を環状に接続して構成されている。
凹部27には、ビスなどで固定された天面カバー34が設けられており、凹部27に設けられた圧縮機11や機械室ファン34a、凝縮器(図示せず)、ドライヤー(図示せず)、吐出配管31、吸入配管33の一部などを収納している。天面カバー34の上部は、天面23と略同一平面としており、圧縮機11の頂部34bは天面23より低い位置にある。
キャピラリー32と吸入配管33は、概ね同等の長さの銅管であり、端部を残して、熱交管可能にはんだ付けされている。キャピラリー32は、減圧の為、内部流動抵抗が大きい細径の鋼管が用いられており、その内径は、0.6ミリから1.0ミリ程度で長さとともに調節して減圧量を設計する。吸入配管33は、圧力損失を低減する為に大径の銅管が用いられており、その内径は、6ミリから8ミリ程度である。又、キャピラリー32と吸入配管33は、熱交換器部35の長さを確保するために、冷蔵庫2の背面を蛇行させることでコンパクトにまとめて、内箱13と背面パネル26との間にある断熱体15に埋設されている。キャピラリー32と吸入配管33は、一方の端部を内箱13の野菜室3後方付近から突き出して蒸発器9と接続されており、他方の端部を機械室パネル28の設置面28bの縁に設けた切欠部から上方に突き出して、ドライヤー(図示せず)や凝縮器(図示せず)、圧縮機11と各々接続されている。
また、吸入配管33と吐出配管31には、圧縮機11との接続部の近傍に、接続の柔軟性を持たせる為のUターン部36が設けられており、凹部27に収納されている。さらに組立て作業性やサービス性を向上させることを狙いに、配管の密集度を軽減し、後方から配管接続部を目視できるようにするために、配管接続部は、圧縮機11の背面側に面して圧縮機11の左右に振り分けて配置されている。
次に、圧縮機11の詳細について説明する。
図4から図8において、厚さ2から4mmの圧延鋼板を深絞り成形により形成してなるすり鉢状の下容器101と逆すり鉢状の上容器102を係合し、係合部分を全周溶接接合して密閉容器103が形成され、密閉容器103の内部には、冷媒104と底部に冷凍機油105が貯留されている。密閉容器103の下側には、脚106が固着されており、脚106に係止された弾性部材107を介して、冷蔵庫の凹部27に設けたピン108に、弾性部材107の孔109を遊嵌させることで位置を固定している。
また、脚106は密閉容器103内に支持部材である支持部113aとスプリング114を介して弾性支持されるともに、圧縮機11の上下方向の重心Aと、圧縮機の脚106と弾性部材107との当接面106aとの距離Bが、圧縮機11の上下方向の重心Aと支持部材の下端面113bとの距離Cよりも短くなるように構成している。
本実施の形態のように、圧縮機の高さ方向の重心Aが、圧縮機の脚106と弾性部材107との当接面106aよりも上方にあるものにおいては、圧縮機の内部における支持部材の下端面113bよりも圧縮機の脚106と弾性部材107との当接面106aの方が上方に位置している。
また、弾性部材107の高さを、圧縮機の凹部への設置面Dと圧縮機の最下端部Eとの距離Fよりも大きくしている。
脚106は密閉容器に固着する固着面106bと上方に立ち上がる曲げ部106cと、弾性部材を係止する弾性部材配置下面106dを有しており、固着面106bと曲げ部106cと弾性部材配置下面106dのうちの少なくとも2箇所にまたいで延在するリブ106eを設けている。
電動要素110は、回転子111と突極集中巻の固定子112よりなる。圧縮要素113は電動要素110の上方に構築され、電動要素110によって駆動される。
電動要素110と圧縮要素113は、ともに密閉容器103に収納され、下容器101の底部と固定子112の下端に支持部材である支持部113aとスプリング114とを介して弾性支持されている。
この固定子112の下端に備えられた支持部113aとスプリング114とが機械部を弾性支持する支持部材である。
下容器101の一部を構成するターミナル115は、密閉容器103の内外で電気(図示せず)を連絡するもので、リード線116を通して電動要素110に電気を供給する。また密閉容器103には、冷凍システムの吐出配管31に接続する為の吐出チューブ120と吸入配管33に接続する為の吸入チューブ121と、冷凍システムに冷媒104を封入後、システムを閉空間にするための封止チューブ122が設けられている。
圧縮要素113の運転により、冷媒104は、吸入配管33と吸入チューブ121を通って、密閉容器103の内部に吸込まれ、吐出チューブ120から吐出配管31へと吐出される。
この吐出配管31は圧縮要素113と密閉容器の吐出チューブ120とを弾性的に接続している。
次に、圧縮要素113の詳細を以下に説明する。
シャフト130は、回転子111を圧入や焼嵌めにより固定した主軸部131と、主軸部131に対して偏芯して形成された偏芯部132を有する。シリンダブロック133は、略円筒形の圧縮室134を有するとともに、シャフト130の主軸部131を軸支する為の軸受部135を有し、電動要素110の上方に形成されている。
この時、回転子111の圧縮要素側には回転子凹部111aが形成されており、この回転子凹部111a内に軸受部135が延出している。
ピストン136は、圧縮室134に遊嵌され、連結手段137でシャフト130の偏芯部132に連結され、シャフト130の回転運動をピストン136の往復運動に変換し、ピストン136が圧縮室134の空間を拡大、縮小することで密閉容器103内の冷媒104を吸入マフラー140の吸入口141から吸込み、シリンダヘッド142の内部に設けられたバルブ(図示せず)を介して、シリンダブロック133に形成された吐出マフラー143と吐出管144、吐出チューブ120を通って密閉容器103の外部の吐出配管31に吐出する。
高圧配管である吐出管144は、内径1.5mmから3.0mmの鋼管で、L字やU字曲げを使って柔軟性を持つように形成されており、圧縮要素113と密閉容器103の吐出チューブ120とは弾性をもって接続されている。
次に電動要素110の詳細を以下に説明する。
回転子111は、0.2mmから0.5mmの珪素鋼板を積み重ねた本体部150と本体部150に設けた永久磁石151を収納する孔152と永久磁石151を挿入した後に孔152を塞ぐ端板153よりなり、かしめピン154により一体に固着されている。
そして、固定子112は、0.2mmから0.5mmの珪素鋼板を積み重ねた固定子鉄心161と0.3mmから1mmの絶縁被覆を施した銅線である巻線162からなる。固定子鉄心161は、所定間隔において突極部171が円環状に形成されており、突極部171に巻線162が巻かれており(突極集中巻と称する)、各巻線間は、連絡線172で一本に接続されている。
次にインバーター電動機とインダクション電動機を比較して説明する。
説明を判りやすくする為に、図6において、中心線を境に、左側にインダクション電動機の断面と、右側にインバーター電動機の断面を比較して示している。それぞれの電動機は、ほぼ同一の最大冷凍能力を有する圧縮機に用いられているものである。インバーター電動機の固定子112の固定子鉄心161の高さL1は、インダクション電動機の固定子180の固定子鉄心181の高さH1よりも大幅に低くなっている。また、インバーター電動機の回転子111の高さL4もインダクション電動機の回転子182の高さH4よりも低くなっている。さらに、突極集中巻を用いたインバーター電動機では、巻線162が固定子鉄心161からはみ出す高さであるコイルエンド高さ、L2、L3が、インダクション電動機の巻線183のコイルエンド高さのH2、H3よりも大幅に低くなっている。さらに、永久磁石151を希土類磁石を用いることによって、永久磁石151の高さL5、インバーター電動機の固定子鉄心161の高さL1と回転子111の高さL4をさらに低くすることが出来る。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下その動作、作用を説明する。
まず各断熱区画の温度設定について説明する。冷蔵室2は、冷蔵保存の為に凍らない温度を下限に通常1〜5℃で設定されている。切替室16は、ユーザーの設定により、温度設定の変更が可能であり、冷凍室温度帯から冷蔵、野菜室温度帯まで所望する温度帯に設定することが出来る。また製氷室17は、独立の氷保存室であり、−18〜−10℃の比較的高い温度で設定されている。
野菜室3は、冷蔵室2と同等もしくは若干高い温度設定の2〜7℃にすることが多い。冷凍室4は、冷凍保存のために通常−22〜−18℃で設定されているが、保存状態の向上のために、さらに低い例えば−30迄の低温で設定されることもある。
各室は、異なる温度設定を効率よく維持する為に、断熱壁によって区分されているが断熱壁は、断熱体15を、内箱13と外箱14の間に発泡充填することにより形成される。断熱体15は、十分な断熱性能を有するとともに、箱本体1の強度を確保する。
次に冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて温度センサー(図示せず)および制御基板(図示せず)からの信号により冷却運転が開始および停止される。冷却運転開始の指示によって圧縮機11は高温高圧の冷媒104を吐出する。吐出された冷媒104は、吐出配管31を通って凝縮器(図示せず)にて放熱して凝縮液化し、キャピラリー32で減圧され低温低圧の液冷媒となり、蒸発器9に至り、蒸発器9内の冷媒は蒸発気化され、熱交換された低温の冷気をダンパ(図示せず)で分配することで各室の冷却が行われる。
次に圧縮機11の動作について説明する。
圧縮機11に通電がなされると、ターミナル115、リード線116を通って電動要素110の固定子112に電気が供給され、固定子112が発生する回転磁界により回転子111が回転する。回転子111の回転により、回転子に連結されたシャフト130の偏芯部132がシャフト130の軸心より偏芯した回転運動を行う。シャフト130の偏芯運動は、偏芯部132に連結された連結手段137によって往復運動に変換され、連結手段137の他端に連結されたピストン136の往復運動となり、ピストン136は、圧縮室134内の容積を変化させながら冷媒104の吸入圧縮を行う。
ピストン136が、圧縮室134内で一往復中に吸入、吐出する容積を気筒容積と云い、気筒容積の大小で冷却する能力が変化する。
以上のような動作を行う冷蔵庫において、弾性部材107と脚106によって支持された圧縮機11は、冷蔵庫の天面23と背面28aに渡って形成された凹部27に搭載されているのであるが、凹部の深さ(高さ)は、少なくとも圧縮機11の下容器101の底部と設置面28bの最小隙間と、圧縮機11の高さと、上容器102と天面カバー34との最小隙間と、天面カバー34の厚みが必要である。圧縮機11と設置面28bや天面カバー34との接触を回避する為に最小隙間が必要であり、天面カバー34は強度面から最小肉厚が決まるとすると、凹部の深さ(高さ)は、圧縮機11の高さで決定されてくる。
一方、冷蔵庫の庫内には、凹部27により、凸部30bが出張ってくる。凸部30bが大きいと収納性が悪くなるとともに、冷蔵室回転扉5を開けて冷蔵室2の庫内を見たときに、凸部30bの出張りで見栄えが悪くなる。従って、圧縮機11の高さを低くする技術が必要になる。
圧縮機11の高さについて具体的に説明する。圧縮機11は、下容器101、上容器102に2から4mmの鋼板を使っており、あわせて約7mmである。下容器101と上容器102は、それぞれ上下方向に曲率を持たせた形状をしている。これは冷蔵庫が設置された居住空間を快適にするために、騒音の低い仕様が望まれるためで、容器に曲率をもたせることにより、容器の剛性、固有値が上がり、共振による騒音が抑制される。曲率は、半径でおよそR100mmからR150mmであり、この曲率を得るために、片側でおよそ13mm強が必要である。
次に、密閉容器103の底には、冷凍機油105が貯留されている。冷凍機油105は、圧縮機11の様々な条件での運転を保証するために、およそ200から250ml封入されており、高さでは、約20mmを占める。さらに、冷凍機油105と電動要素110が接触すると異常な入力増加となるため、接触しないための空間距離として約9mmが必要となる。
圧縮機11を冷蔵庫の天面23に積載した冷蔵庫では、圧縮機11がユーザーの耳の位置に近づくことから、圧縮機11の騒音も小さく抑えることがより重要なため、密閉容器103の剛性の向上が重要であり、信頼性向上の観点から、冷凍機油105の確保も重要である。これらのことから、板厚の7mm、曲率による13mm、曲率とオイルによる20mm、空間距離確保に必要な9mmを合わせて49mmが必要であり、この寸法を小さくすることは、特性上適切でない。
従って、圧縮機11の高さは電動要素110と圧縮要素113により概ね決まってくる。圧縮要素113は、気筒容積を小さくすることにより、ピストン136や連結手段137、シャフト130、軸受部135をコンパクトにすることが出来るが、気筒容積が小さくなると冷凍能力が小さくなる。本実施の形態では、小さい気筒容積で大きい能力を得るために、商用電源周波数(日本国内においては、50Hzまたは60Hz)よりも高い回転数で運転することで圧縮要素113をコンパクトにしている。より具体的には、気筒容積で約30%小さくてすむため、ピストン136の径が小さくて済み、シャフト130に作用する荷重も小さくなるので、シャフトの荷重を支える軸受部135の長さも短くすることが出来、電動要素110を圧縮要素113に近づけて構成することが可能となる。インバーターによる高回転をうまく利用することにより、発明者の設計では、5から10mmコンパクトにすることが出来ている。
なお、インバーター方式による電動要素110の複数の回転数の設定は、必ずしも日本国内における商用電源周波数(50Hzまたは60Hz)よりも高い周波数に相当する回転数を含んでいることを要件としない。
すなわち、複数定める周波数の上限を商用電源周波数(日本国内に限らず)を上回らない設定の組み合わせとして省エネルギー効果や静音効果を期待し、小型化に関しては、上述のインバーター化による電動要素110の厚み低減効果によって対応し、圧縮要素113の気筒容積のコンパクト化は敢えて採用しない組み合わせもある。
次に電動要素110は、図6の中心線より左側に示すように、インダクション電動機では、固定子180や回転子182の積厚H1及びH4が大きくないと圧縮機11の運転に必要なトルクが発生しない。これに対して、回転子111に永久磁石151を用いたインバーター電動機を用いることにより、回転トルクの発生に必要な励磁電流が必要でなくなるため固定子112の積厚L1や回転子111の積厚L4は低くすることが出来、電動要素110をコンパクトにすることが出来る。より詳しく説明すると、インダクション電動機は、回転子側(2次側)に電流を流さなければならず、この励磁電流を得るために、高い積厚が必要であるが、インバーター電動機は、2次側に磁石があるため、トルクを発生するための励磁電流が不要となり、積厚を低くすることが出来るのである。
さらに、電動要素110の固定子112の巻線162が、固定子鉄心161からはみ出す寸法は、分布巻における巻線183のはみ出し寸法H2、H3と比較すると、突極集中巻においては、巻線が離れたスロット間に渡ることが無く、一つ一つの突極部に集中して密に巻かれるので巻線がスロット間を渡ることによる巻線の盛り上がりが無くなるためL2、L3に示すように大幅に小さくなり、固定子112の全高がさがり、電動要素110をさらにコンパクトにすることが出来る。
またさらに、インバーター電動機の永久磁石151に希土類の磁石を用いると、一般的なフェライト磁石に対して、磁束密度が約4倍、エネルギー積で約10倍を有するなど磁気特性がすぐれ、小さくても十分な特性を得ることが出来る。従って、永久磁石151の高さL5や固定子L1の高さをさらに低くすることが出来、電動要素110をさらにコンパクトにすることが出来る。
また、本実施の形態においては、回転子111の圧縮要素113側には回転子凹部111aが形成されており、この回転子凹部111a内に軸受部135が延出しているので、本発明によると軸受部135の長さを短くすることがなく電動要素110と圧縮要素113とを高さ方向の投影面において重ねあわせて配置することで、電動要素110と圧縮要素113を含めた機械部全体の高さを大きく低減することができ、圧縮機の信頼性を低下させることなく圧縮機の高さをより低減することができる。
より具体的に説明すると、発明者の設計では、インダクション電動機では、固定子180の積厚が42mm、巻線183のコイルエンド高さH2、H3が25mm、回転子182の高さH4が65mmであるのに対し、インバーター電動機では、固定子112の積厚L1が26mm、同じく希土類磁石を用いた場合は、さらに低くL1が16mm、固定子112の巻線162のコイルエンド高さL2、L3は、突極集中巻を用いるとL2、L3が9mmとなる。また、回転子111の積厚は、35mm、希土類磁石を用いると20mmまで小さくすることが出来、インダクション電動機による圧縮機と比較すると、最大で58mm小さくすることが出来ている。
さらに、上記のように回転子111の圧縮要素113側には回転子凹部111aが回転子の高さ方向の半分以上の深さで形成されており、この回転子凹部111a内に軸受部135が延出しているので、回転子111の積厚を35mm、希土類磁石を用いると20mmまで小さくした上で、さらに軸受部135の延出代である10mm程度まで機械部の高さを小さくすることができるので、合計で25mm程度機械部全体の高さを低減することができる。
以上のように圧縮機11の頂部が箱本体1の天面23より低くなるように、圧縮機11の電動要素110を少なくとも商用電源周波数より高い周波数を含む複数の回転数で運転されるインバーター駆動の電動機とし、電動要素110の回転子111に永久磁石151を用いることで圧縮機11を小さく出来、圧縮機11を設置する凹部27の高さを小さく出来るので、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部27の庫内の収納スペース側への凸部30bの出張りを小さくして見栄えを良くし、庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
また、圧縮機11の固定子112を構成する固定子鉄心161の複数の突極部171に絶縁体を介して巻線162を巻回した突極集中巻型とすることや永久磁石151に希土類磁石を用いることによりさらに圧縮機11を小さく出来、圧縮機11を設置する凹部27の高さを小さく出来るので、冷蔵庫の下段の収納性を向上するとともに、凹部27の庫内の収納スペース側への凸部30bの出張りを小さくして見栄えを良くし、庫内の収納スペースが広くなり収納性も大幅に向上することが出来る。
一方、本実施の形態の圧縮機11は、特に、圧縮要素113は圧縮室134と圧縮室134内で往復動するピストン136を備えた往復動型を採用しており、密閉容器103に対して圧縮要素113と電動要素110とがスプリング114を介して弾性的に支持されている。
上述のように、圧縮要素113と電動要素110との支持構造部以外の要素で圧縮機11の高さ低減を図ることにより、ロータリ圧縮機等と比較して低振動化を図りやすいものの、構造上、高さ寸法の大きさで圧縮機上部配置型の冷蔵庫には適用上の制限があった往復動型圧縮機であっても圧縮機全体の高さを低くすることが出来、圧縮機11を上部に配置する際に大きな課題となる振動を低減することが可能となるので、箱本体1に振動が伝達する懸念のある圧縮機上部配置型の冷蔵庫でも、使用者の不快感を取り除きながら圧縮機11を設置する凹部27の高さを小さくして冷蔵庫の下段の収納性を向上した使い勝手のよい冷蔵庫を提供することができる。
また、往復動型圧縮機は内部低圧型であって、電動要素110は密閉容器103内の下方に配設されるとともに密閉容器103に対して支持部材である支持部113aとスプリング114を介して弾性的に支持されており、圧縮要素113は電動要素110の上部に配設されるとともに密閉容器103に対して弾性的な形状からなる高圧配管である吐出管144を介して接続されているものであり、圧縮機の振動源である圧縮要素113を密閉容器103内の支持部材に対して電動要素部110を介して配置する為、圧縮要素113を直接的に弾性支持する場合と比べて弾性支持部からの距離をより遠くすることができ、また圧縮要素113で発生した振動は剛性が高い電動要素110の固定子を通過する際に減衰された上で圧縮機の支持部材から圧縮機の外部へ伝達する為、圧縮機の振動を低減することができる。
また、圧縮要素113内の高圧配管である吐出管144は弾性的な形状からなることで、圧縮要素113の振動は吐出管144によって減衰された上で圧縮機の外部へ伝達する為、圧縮機の振動をさらに低減することができる。
また、脚106は密閉容器103内に支持部材である支持部113aとスプリング114を介して弾性支持されるともに、圧縮機の上下方向の重心Aと、圧縮機の脚106と弾性部材107との当接面106aとの距離Bが、圧縮機の上下方向の重心Aと支持部材の下端面113bとの距離Cよりも短くしており、これによって、圧縮機の振動の振幅は、重心A付近が最も小さく重心から離れるにつれて振動が大きくなるような重心まわりに圧縮機全体が振動することから、機械部を支持する支持部材の下面より重心に近い脚106と弾性部材107との当接面の振動の振幅が小さくなるので、さらに、冷蔵庫への振動伝達を低減できる。
また、本実施の形態によると圧縮機の脚と弾性部材との当接面106aは支持部材の下端面113bよりも上方に位置しているものであり、これによって、圧縮機の振動は振動発生源である機械部より下方に向かって支持部材を経て伝達した後、方向が上方へと変化し脚106を介して弾性部材107へと伝達する。よって、振動の伝達経路が複雑になるので振動は伝達経路内でより減衰され、さらに支持部材から圧縮機の脚106と弾性部材107との当接面106aまでの距離を長くとることができるので、特に周波数の高い領域の振動伝達が減衰され、脚106と弾性部材107との当接面106aの振動の振幅が小さくなるので、さらに、冷蔵庫への振動伝達を低減できることとなり、不快な振動や、振動に起因する騒音発生の無い高品位の冷蔵庫を提供することできる。
また、脚106は密閉容器103に固着する固着面106bと上方に立ち上がる曲げ部106cと、弾性部材を係止する弾性部材配置下面106dを有するものであり、これによって、脚は接合等の作業性の良い密閉容器103の下部の固着面106bに位置し、弾性部材を配置する面はより重心に近い弾性部材配置下面にすることが、曲げ部を簡単な脚の曲げにより形成することで出来、製造が非常に容易である。
また、曲げ部106cの形成により、脚106の密閉容器103への固着面から、弾性部材107を配置する弾性部材配置下面までの距離を長くとることが可能となり、固着面106bからの振動伝達の距離が長くなるので、特に周波数の高い領域の伝達が減衰され、より冷蔵庫への振動伝達をすくなくすることが出来る。従って、製造が容易で、冷蔵庫への振動伝達を低減できることとなり、不快な振動や、振動に起因する騒音発生の無い高品位の冷蔵庫を提供することが低コストで達成できることとなる。
さらに脚106に曲げ部106cと弾性部材配置下面106dにまたいで延在するリブ106eを設けたことで、脚106の剛性が高くなり、脚106自体が持つ固有値が上がるとともに、脚106自体が振動しにくくなるので、密閉容器103の固着面から脚を経て弾性部材、冷蔵庫本体への振動伝達をより減少することが出来る。また、リブの形成は、製造の容易なプレスにより可能であり、脚の強度が高くなるので、冷蔵庫の輸送衝撃により、脚が変形してしまうと行った別課題も改善することが出来る。
従って、製造が容易で、冷蔵庫への振動伝達を低減できることとなり、不快な振動や、振動に起因する騒音発生の無い高品位の冷蔵庫を提供することが低コストで達成できることとなる。
以上のように、圧縮機11の高さ方向の小型化要素としては、大きく区別して電動要素110により対応する観点と圧縮要素113により対応する観点があるが、これらの両要素を共に採用するか、いずれかの要素に留めるかは高さ低減の要求値と他の特性や品質上の観点とのバランスで選択すればよい。
たとえば、比較的高精度の耐久信頼性が要求されず騒音,振動の大きな要因にはなりにくい電動要素110に纏わる高さ低減要素を主体として構成する方法は、圧縮機11を上部配置する構成においては騒音,振動への影響を抑えながら小型化を図れる面で有利な点がある。
一方、圧縮要素113のコンパクト化により目的を達成しようとする場合は、低コスト化による小型化実現の期待もでき、コストパフォーマンス的に有利な点がある。
また、上述のように圧縮機11を冷蔵庫の箱本体1の上部に配置して、使用者の耳に近い位置となる以上、従来の冷蔵庫に増して騒音や振動に対する配慮が必要であり、圧縮機11の高さ低減による小型化が、冷蔵庫としての騒音,振動に影響を及ぼさないような小型化要素の組み合わせが肝要であり、電動要素110,圧縮要素113を支持する構造や密閉容器103を支持する構造に騒音,振動を抑制方向としながら高さ低減を図る工夫を取り入れたり、騒音,振動に悪影響の生じる単なる高さ低減の設計を敢えて組み入れない配慮も有効である。
次に、冷蔵庫の最上段収納スペース29aと第2段収納スペース30aに着目すると、最上段収納スペース29aの奥は手が届きにくい場所であり、凸部30bで最上段収納スペース29の奥側が塞がれても使い勝手としては、奥行きが浅くなり、手の届く範囲に食品等の収納物があるので、消費期限を過ぎて置き忘れてしまうことを防止でき、使い勝手は逆に良くなる。一方、凸部30bが第2段収納スペース30a側に出張ってくると冷蔵室回転扉5を開けた時に凸部30bが目立ち、見栄えが悪くなるとともに、第2段収納スペース30aの奥に食品等を収納または取り出す際、途中で食品等がつかえて出し入れがしづらくなるような不便があるが、最上段収納スペース29aの棚底部30dと、凹部27の室内側底壁面である凸部30bの水平面とを、略同一水平面とすることによって、外観的にほぼ連続的につながって凸部30bの出張りを感じなくなり見栄えがよい状態で、圧縮機11も所定の凹部27内に収容することができる。
また、凸部30bの出張りを感じなくなり見栄えが良くなるとともに、第2段収納スペース30aの間口の高さより低い食品等の収納物は、奥までスムーズに出し入れが出来不便が無くなる。
より具体的に寸法を見ると、最上段収納スペース29aの棚底部30d迄の天面23からの距離は、天面23と庫内との断熱壁厚を25mm、最上段収納スペース29aの高さを140mm(庫内最上部なので、高さ123mm,直径66mmの350ml缶飲料の規格品を斜めに倒して引き出すことまでを考慮して取り出せる寸法を定めた場合が140mmとなる)とし、棚板厚みを10mmで設計すると、175mmとなる。凹部27の圧縮機11の設置面28bの厚みを20mm、圧縮機11と設置面28bの隙間及び天面カバー34内面との隙間を各3mm、天面カバー34の厚みを2mmとして、最上段収納スペース29aの棚底部30dと、凹部27の室内側底壁面30cを、略同一水平面とすると、凹部27内に収容可能な圧縮機11の最大高さは147mmである。
これに対して、より具体的に圧縮機11の寸法を見ると、密閉容器103の下容器101と上容器102の厚みの合計が7mm、上容器102の曲率を得るための高さが14mm、シリンダブロック133の圧縮室134のある上部分が39mm、軸受部135のある側の固定子112取り付け面までの寸法が20mm、固定子112の高さが26mm、固定子112の下端から回転子111の下端までの寸法が9mm、回転子111の下端から冷凍機油105までの距離が9mm、冷凍機油105の高さが20mmで、これらを合計すると、144mmであり、本実施の形態における前述の凹部27内の高さスペースに収容することが出来ている。
このように、従来標準的な容量の冷蔵庫におけるこの種の圧縮機の高さ寸法が概ね190mm以上であることから、大きな高さ寸法の小型化が図れる。特に、商用電源より高い周波数を含む複数の回転数で運転される回転子111に永久磁石151を用いたインバーター電動機を用いることにより、圧縮機11の圧縮要素113や電動要素110を適切な寸法で構成することが出来て、密閉容器103の騒音を良好に保つための剛性を保ちながら、圧縮機11を所定の凹部27内に収容することができ、凹部27の室内側底壁面である凸部30bの水平面とを、略同一水平面とすることによって、外観的にほぼ連続的につながって凸部30bの出張りを感じなくなり見栄えのよい冷蔵庫を提供できる。
さらに、高さ方向の小型化要素を電動要素110の改良を主体として取り入れることによって、圧縮要素113の仕様変更に伴う騒音,振動面の信頼性確保の課題が軽減されるので、特に、圧縮機11を冷蔵庫上部に配置して騒音,振動が懸念される形態の冷蔵庫に対しては騒音,振動の課題を解決しながら高さの小型化を図れる有効な手段となり得る。
なお、本実施の形態では箱本体1の地上高、すなわち天面23の床面からの高さを1800mm以下としている。この高さは標準的な身長の日本人女性が上方に手を伸ばして届く範囲の最大高さより設定している。
天面23の床面からの高さが1800mmより高くなれば、圧縮機11の高さ寸法を大きくコンパクト化しなくても凹部27内に収容することが容易になってくるが、反面冷蔵庫上部の使い勝手は一層悪くなり、冷蔵庫全体としての収納効率と使い勝手を両立させにくくなる。
本実施の形態では天面23の床面からの高さを1800mm以下に抑えることで、まず庫内の使い勝手に配慮し、ついでこの高さ範囲で圧縮機11の高さ寸法を極力コンパクト化することで、庫内側の有効スペースの侵害を抑えるメリットが最大限に生かせ、収納効率を最大限に高めることができるものである。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の概略断面図である。
なお、図1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
また、実施の形態1と共通する構成や作用効果については逐一述べないが、本実施の形態に適用して不合理が生じる事項でない限り、同様の内容が含まれているとするものである。
図9において、箱本体1の天面200の直下には、凹部27に連通する通風ダクト201を設け、通風ダクト201の下面202より高く、天面200より低い位置に圧縮機11の頂部203がくるように圧縮機11を凹部27の設置面28bに設置している。通風ダクト201の上部には、凝縮器204が配置されており、凝縮器204は、吐出配管31に連通している。通風ダクト201の天面200は、凹部27の天面カバー34の上の面と略同一水平面、あるいは一体に構成している。また、通風ダクト201は、取入口205から空気を吸込み、凝縮器204、圧縮機11を設置した凹部27を通って、天面カバー34の排出口206から排気している。
以上のような構成において、圧縮機11の頂部が箱本体1の天面200より低く、通風ダクト201の下面202よりも高い位置に配置されるので、圧縮機11を収容する凹部27の庫内側への出張り代、すなわち凸部30bの突出代が小さくなり庫内スペースをより有効に活用できる。
また、通風ダクト201の高さと凹部27の高さを併せた高さ範囲内に圧縮機11の高さが収まるように設計すればよいので、たとえば大型の冷蔵庫などで、実施の形態1による小型化の要素は種々盛り込んでも、さらに、冷凍能力的に比較的サイズの大きい圧縮機を採用せざるを得ない場合においては、設計の自由度を広げることができ、大型の冷蔵庫においても圧縮機11を天面後方に納めた収納性の高い冷蔵庫を提供することが容易になる。
一方、圧縮機11の冷却に必要な通風ダクト201は、冷蔵庫の庫内で手が届きにくい天面200に配置されるので、天面200の近傍を収納用途以外に有効利用できる。また、圧縮機11の頂部203が箱本体1の天面200より低く、通風ダクト201の下面202よりも高い位置に配置されるので、圧縮機11の頂部が、通風ダクト201の通風方向の投影面内に配置されることになって、圧縮機11で最も温度が高い頂部203が効率よく冷却され、圧縮機11の特性、信頼性も向上する。またさらに、凝縮器204を通風ダクト201の内部に構成することによって、凝縮器204の放熱効果が高まり、システムの効率を向上することが出来る。
次に、冷蔵庫の最上段収納スペース29aと第2段収納スペース30aに着目すると、最上段収納スペース29aの奥は手が届きにくい場所であり、凸部30bで最上段収納スペース29aの奥側が塞がれても使い勝手としては、奥行きが浅くなり、手の届く範囲に食品等の収納物がくるので、消費期限を過ぎて置き忘れてしまうことを防止でき、使い勝手は逆に良くなる。一方、凸部30bが第2段収納スペース30a側に出張ってくると冷蔵室回転扉5を開けた時に凸部30bが目立ち、見栄えが悪くなるとともに、第2段収納スペース30aの奥に食品等を収納するまたは取り出す際に、途中で食品等がつかえて出し入れがしづらくなるような不便があるが、最上段収納スペース29aの棚底部30dと、凹部27の室内側底壁面で30cを、略同一水平面とすることによって、外観的にほぼ連続的につながって凸部30bの出張りを感じなくなり見栄えがよい状態で、圧縮機も所定の凹部27内に収容することができる。
また、第2段収納スペース30aの間口の高さより低い食品等の収納物は、奥までスムーズに出し入れが出来、不便が無くなる。
そしてさらに、最上段収納スペース29aは高い位置にあり、収納しづらいため、出来るだけ収納部の高さを低くするために、350ml缶飲料の規格品(高さ123mm)が収納可能な最小高さにすると最上段収納スペース29aの収納部高さは上部に隙間2mmをみて125mmに設定することが最も効率的に庫内を利用できることとなる。
図9に示す冷蔵庫において、より具体的に寸法を見ると、最上段収納スペース29aの棚底部30dから通風ダクト201を含めた天面200及び天面カバー34の上面迄の距離は、通風ダクト201を形成する天面200の板厚を2mmとし、通風ダクト201の内寸高さを18mm、通風ダクト201の下面202と庫内との断熱壁厚を25mm、最上段収納スペース29aの高さを350mlの缶飲料規格品が入る最小の高さの125mmとし、棚板厚みを10mmで設計すると、180mmとなる。凹部27の圧縮機11の設置面28bの厚みを20mm、圧縮機11と設置面28bの隙間及び天面カバー34内面との隙間を各3mm、天面カバー34の厚みを2mmとして、最上段収納スペース29aの棚底部30dと、凹部27の室内側底壁面30cを、略同一水平面とすると、凹部27と通風ダクト201を併せた高さ内に収容可能な圧縮機11の最大高さは152mmであり、実施の形態1で示した高さ寸法144mmの圧縮機11を用いると収容設計することが十分に出来、冷蔵庫の大型化に対応して圧縮機サイズを大型化する要請にも応えやすい構成となる。
すなわち、圧縮機11の庫内側に食い込んだ収容スペースと最上段の収納スペースとの外観上の調和を図り、通常使い勝手が悪いことから、比較的収納場所として空いている最上段収納スペース29aのうち特に使い勝手の悪い後方スペースを圧縮機収容凹部27にあて、比較的使いやすい前方スペースに、冷蔵庫に収納される食品の中で、一度に複数個収納されることが多い缶飲料を、縦に並べて収納することが出来るので、冷蔵室全体の収納数も多くなり、最上段収納スペース29aも有効に活用できることになる。
以上のように、凹部27に連通する通風ダクト201が箱本体1の天面200となるように設け、圧縮機11の頂部203が箱本体1の天面200より低く、通風ダクト201の下面202よりも高くなるようにすることによって、圧縮機11等の冷却に必要な通風ダクト201が、手が届きにくく使い勝手の悪い天面200の近傍に配置されるので、天面200の近傍を収納用途以外に有効利用でき、庫内の収納性も向上する。また、圧縮機11の頂部203が箱本体1の天面200より低く、通風ダクト201の下面202よりも高い位置に配置されるので、圧縮機11で最も温度が高い頂部203が効率よく冷却され、圧縮機11の特性、信頼性も向上する。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機の概略断面図である。
図11は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機の概略断面図である。
また、実施の形態1および2と共通する構成や作用効果については逐一述べないが、本実施の形態に適用して不合理が生じる事項でない限り、同様の内容が含まれているとするものである。
図においては圧縮要素209は、シャフト210の偏芯部210aを挟んで同軸上に主軸部210bと副軸部210cと主軸部210bを軸支する軸受部である主軸受220と副軸部210cを軸支する副軸受221を有したものである。
また、偏芯部210aには、連結部材230を介して圧縮室231内を往復動するピストン232が備えられている。
また、図より密閉容器250は上容器251と下容器252とを備えており、下容器252に固着した複数の脚260は弾性部材270を介して凹部に設置するものであって、凹部の圧縮機設置面280には窪み281を設けるとともに、窪み281に弾性部材270を配設することで、弾性部材270の高さを圧縮機設置面280と圧縮機の最下部290との距離よりも大きくなるように圧縮機を搭載している。また、弾性部材270の下側を窪み281内で嵌め込み固定してある。
以上のような構成の圧縮機について、以下動作、作用を説明する。
圧縮機が運転中は圧縮室231にて冷媒を高圧力まで圧縮する為、この圧縮荷重がピストン232および連結部材230を介して偏芯部210aに伝達する。
このようなシャフト210の偏芯部が受ける圧縮荷重がシャフト210全体に伝達したわむことで、シャフトの主軸部210bと主軸受220との間の摺動部には大きな面圧がかかる。
この面圧はシャフト210の主軸部210bと主軸受220との摺動長さが短くなればなる程大きくなるが、本実施の形態においては、シャフト210の主軸部210bと主軸受220に加えて、シャフト210の副軸部210cとそれを軸支する副軸受221の2箇所でシャフト210を軸支している為、振動源であるピストン232を両側から支えることができ、よりシャフトのたわみを防止し、シャフト210の摺動面の信頼性を向上させることができる。
また、従来に比べて主軸受220の摺動長を短くしても、副軸受221の摺動長で補完することでシャフト210全体の摺動長を確保することができるので、圧縮機の信頼性を低下させることなく圧縮機の高さをより低減することができる。
よって、往復動型圧縮機において、高さを低減する際の大きな課題の一つであったシャフト210を軸支する軸受長の確保に対して、本発明によると往復運動を行うピストン232を備えた偏芯部210aを挟んで両側に主軸受220と副軸受221とがあることで、振動源であるピストン232を両側から支えることができ、よりシャフト210のたわみを防止し、シャフトの摺動面の信頼性を向上させることができるので、従来に比べて主軸受の摺動長が短くしても圧縮機の信頼性を確保することができるので、圧縮機の信頼性を低下させることなく圧縮機の高さをより低減することができる。
なお、本実施の形態では副軸受221は偏芯部210aを挟んで主軸受220と反対側に備えたが、回転子240を挟んで主軸部210bと同軸上に副軸部を設けても、同様にシャフト210を軸支する軸受長を確保することができ、従来に比べて主軸受の摺動長が短くしても圧縮機の信頼性を確保することができるので、圧縮機の信頼性を低下させることなく圧縮機の高さをより低減することができる。
また、凹部に設置するものであって、凹部の圧縮機設置面280には窪み281を設けるとともに、窪み281に弾性部材270を配設することで、弾性部材270の高さを圧縮機設置面280と圧縮機の最下部290との距離よりも大きくなることによって、冷蔵庫への圧縮機からの振動を伝達するために効果的な弾性部材270の高さを高くすることが出来る。一方、設置面の肉厚は、冷蔵庫の庫内への凸部の大きさを決める因子であるが、冷蔵庫の冷却特性を得るためと圧縮機を支える構造体として、ある程度の厚みは必要であるが、窪みの形成により、弾性部材の高さを高くすることによる振動伝達の低減と、設置面の肉厚の確保による冷却特性の確保と圧縮機を支える構造体としての強度の確保を両立することが出来るので圧縮機からの振動を伝達するために効果的な弾性部材の高さを高くすることで、不快な振動や、振動に起因する騒音発生を大幅に軽減することが出来るとともに、冷蔵庫の断熱性の確保による特性の維持や、構造体の強度を確保することによる耐輸送性の維持も出来、高品位の冷蔵庫を提供することできる。
また、弾性部材の下側を嵌め込み固定したことで、弾性部材を余分な部品を加えずに位置固定をすることが出来、圧縮機の位置ずれが無くなり、弾性部材の支持面の変化による振動伝達変化も軽減でき、弾性部材の冷蔵庫設置面での不快な振動や振動に起因する騒音発生を大幅に軽減した高品位の冷蔵庫を、安価にしかも耐輸送性も向上しながら提供することが出来る。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、庫内が有効且つ便利に使えるので、家庭用や業務用の冷蔵庫などの冷却装置を用いた機器に適用できる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の概略断面図 同実施の形態の冷蔵庫の概略背面図 同実施の形態の冷蔵庫の概略部品展開図 同実施の形態の冷蔵庫の圧縮機の縦断面図 同実施の形態の冷蔵庫の圧縮機の水平断面図 同実施の形態の冷蔵庫の圧縮機のインダクション電動機とインバーター電動機の比較図 同実施の形態の冷蔵庫の圧縮機の突極集中巻固定子の平面図 同実施の形態の圧縮機の脚部分の斜視図 本発明の実施の形態2における冷蔵庫の概略断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機の概略断面図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫の圧縮機の概略断面図 従来の冷蔵庫の概略断面図
符号の説明
1 箱本体
11 圧縮機
15a 扉
15b 貯蔵室
23,200 天面
27 凹部
28a 背面
29a 最上段収納スペース
30c 室内側底壁面
30d 棚底部
34b,203 頂部
101 下容器
102 上容器
103 密閉容器
106 脚
106b 固着面
106c 曲げ部
106d 弾性部材配置下面
107,270 弾性部材
110 電動要素
111,240 回転子
111a 回転子凹部
112 固定子
113,209 圧縮要素
130,210 シャフト
131,210b 主軸部
132,210a 偏芯部
134,231 圧縮室
135 軸受部
136,232 ピストン
151 永久磁石
161 固定子鉄心
171 突極部
201 通風ダクト
202 下面
210c 副軸部
220 主軸受
221 副軸受
280 圧縮機設置面
281 窪み

Claims (8)

  1. 前面に扉を備えた貯蔵室が配置された箱本体を有し、前記箱本体の天面と背面に渡って前記貯蔵室内の最上段収納スペース側に凹ませた凹部を形成し、密閉容器内に固定子と回転子からなる電動要素と前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを収納し、前記圧縮要素は密閉容器に対して弾性的に支持され、圧縮室と前記圧縮室内で往復動するピストンを備えた往復動型である圧縮機を前記凹部に設置するものであって、前記圧縮機の頂部が前記箱本体の前記天面より低くなるように、前記圧縮機の前記電動要素を複数の回転数で運転されるインバーター駆動の電動機とし、前記電動要素の前記回転子に永久磁石を用いることで前記圧縮機の高さを低減した冷蔵庫。
  2. 凹部に連通する通風ダクトが箱本体の天面となるように設け、圧縮機の頂部が前記箱本体の前記天面より低く、前記通風ダクトの下面よりも高くなるようにした請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 圧縮機の電動要素は、固定子を構成する固定子鉄心の複数の突極部に絶縁体を介して巻線を巻回した突極集中巻型である請求項1または2に記載の冷蔵庫。
  4. 回転子に収納された永久磁石は、希土類の永久磁石からなる請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 圧縮機は内部低圧型であって、電動要素は密閉容器内の下方に配設されるとともに前記密閉容器に対して支持部材を介して弾性的に支持されており、圧縮要素は前記電動要素の上部に配設されるとともに前記密閉容器に対して弾性的な形状からなる高圧配管を介して接続されている請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 最上段収納スペースの棚底部と、凹部の室内側底壁面とを、略同一水平面とした請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 最上段収納スペースの高さを、350mlの缶飲料規格品をたてて収納できる高さとした請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 箱本体の天面の床面からの高さを1800mm以下とした請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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