JP2006135029A - ドライエッチング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理基板の上に均一な電界を形成することにより、被処理基板におけるエッチングレート分布の均一化を図る。
【解決手段】ドライエッチング装置Sは、真空容器である処理室12と、処理室12内の上部に配置され、電気的に接地された上部電極11と、処理室12内の下部において上部電極11に対向して配置され、上部電極11側の表面に被処理基板Lが載置される下部電極15と、下部電極15に接続された電源部25と、処理室12の内部に処理ガスを導入するガス供給手段10とを備えている。そして、電源部25は、下部電極15に対して並列に接続され、下部電極15へ同時に電圧を印加するように構成された高周波電源26と低周波電源27とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】ドライエッチング装置Sは、真空容器である処理室12と、処理室12内の上部に配置され、電気的に接地された上部電極11と、処理室12内の下部において上部電極11に対向して配置され、上部電極11側の表面に被処理基板Lが載置される下部電極15と、下部電極15に接続された電源部25と、処理室12の内部に処理ガスを導入するガス供給手段10とを備えている。そして、電源部25は、下部電極15に対して並列に接続され、下部電極15へ同時に電圧を印加するように構成された高周波電源26と低周波電源27とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドライエッチング装置に関するものである。
従来より、減圧された処理室の内部に設置された被処理基板に対し、プラズマエッチング等のドライエッチングを施すドライエッチング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。ドライエッチング装置は、例えば薄膜トランジスタ(Thin-Film Transistor:TFT)等の半導体装置を製造する場合に、好適に用いられている。
ここで、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)を行う一般的なドライエッチング装置について、図3を参照して簡単に説明する。ドライエッチング装置100は、真空容器である処理室104と、処理室104の内部に収容された一対の電極板106,118と、上記処理室104の内部に処理ガスを導入するガス供給手段130とを備えている。
上記一対の電極板106,118は、互いに平行に配置され、カソード電極である下部電極106と、アノード電極である上部電極118とにより構成されている。
上部電極118は、処理室104の上部に固定され、処理室104の壁面を介して接地されている。一方、下部電極106は、整合器110を介して高周波電源112に接続されると共に、上部電極118側の表面に被処理基板Lが載置されるようになっている。高周波電源112の周波数は、通常、工業的によく用いられる13.56MHzである。こうして、上部電極118と下部電極106との間に、所定の電圧を印加してプラズマ放電を発生させるようになっている。
上記ガス供給手段130は、処理室104の上部に形成されている。すなわち、処理室104の上部には、上部電極118が固定されることにより、上部電極118と処理室104の上壁との間にチャンバ131が区画形成されている。また、処理室104の上壁には、上記チャンバ131に連通するガス供給管120が接続されている。さらに、上部電極118には、複数のガス導入口122が貫通形成されている。このことにより、ガス供給管120から上記チャンバへ供給された処理ガスが、各ガス導入口122を介して、処理室104の内部へ供給されるようになっている。
被処理基板Lは、上部電極118と下部電極106との間でプラズマ放電を発生させると共に、処理室104内に処理ガスを供給することによって、ドライエッチングが施される。また、処理室104の下方には、排気管124が接続され、処理室104内の排気ガスを外部へ排出するようになっている。
特開平7−142455号公報
ところが、上記従来のドライエッチング装置には、被処理基板におけるエッチングレートの分布を均一にすることが難しいという問題がある。
すなわち、上部電極と下部電極との間に形成される電界の分布は、各電極の外縁部において外側に張り出すように広がって形成されるため、被処理基板の中央領域と外縁領域とで異なっている。さらに、被処理基板の上方から供給される処理ガスは、被処理基板の中央領域から外縁領域へ向かって放射状に流れている。
その結果、図4に示すように、被処理基板上に形成されるプラズマ放電のプラズマ密度も中央領域と外縁領域とで異なることとなるため、被処理基板におけるエッチングレートの分布が不均一となることが避けられない。
この問題は、被処理基板が比較的大きくて、被処理基板の外周部が下部電極の外周部近傍まで達している場合に、特に、顕著になる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被処理基板の上に均一な電界を形成することにより、被処理基板におけるエッチングレート分布の均一化を図ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ドライエッチング装置の下部電極に対し、高周波電源と低周波電源とを並列に接続し、各電源から下部電極へ同時に電圧を印加するようにした。
具体的に、本発明に係るドライエッチング装置は、真空容器である処理室と、上記処理室内の上部に配置され、電気的に接地された上部電極と、上記処理室内の下部において上記上部電極に対向して配置され、上記上部電極側の表面に被処理基板が載置される下部電極と、上記下部電極に接続された電源部と、上記処理室の内部に処理ガスを導入するガス供給手段とを備えたドライエッチング装置であって、上記電源部は、上記下部電極に対して並列に接続され、上記下部電極へ同時に電圧を印加するように構成された高周波電源と低周波電源とを備えている。
上記高周波電源の周波数は、13.56MHzであることが好ましい。
上記低周波電源の周波数は、3.2MHzであることが好ましい。
上記高周波電源は、上記下部電極に0.56W/cm2の電力を投入する一方、上記低周波電源は、上記下部電極に0.0185W/cm2の電力を投入するように構成されていてもよい。
−作用−
次に、本発明の作用について説明する。
次に、本発明の作用について説明する。
被処理基板にドライエッチング処理を行う場合には、まず、被処理基板を下部電極における上部電極側の表面に載置する。続いて、処理室内を真空状態としつつ、下部電極に対し、並列に接続された高周波電源及び低周波電源から電圧を同時に印加する。このとき、例えば、高周波電源の周波数を13.56MHzとし、0.56W/cm2の電力を投入することが好ましい。一方、例えば、低周波電源の周波数を3.2MHzとし、0.0185W/cm2以上の電力を投入することが好ましい。このことにより、基板面内におけるエッチングレートの均一性を高めることが可能となる。
さらに、ガス供給手段から処理室の内部に処理ガスを供給する。このことにより、処理ガスがプラズマにより解離・分解され、反応性イオン等が形成されて、被処理基板の表面がエッチングされる。
このとき、下部電極には、並列に接続された高周波電源及び低周波電源から同時に電圧が印加されているため、各電源からの電圧波が合成され、被処理基板の中央領域と外縁領域とで均一な電界を発生させることが可能となる。その結果、被処理基板の上でプラズマが均一に生じるため、被処理基板におけるエッチングレートの分布を均一化させることが可能となる。
本発明によれば、下部電極に並列に接続した高周波電源及び低周波電源のそれぞれから、下部電極へ同時に電圧を印加するようにしたので、被処理基板の中央領域と外縁領域とで均一な電界を発生させることができる。その結果、被処理基板の上でプラズマを均一に生じさせて、被処理基板におけるエッチングレート分布の均一化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、例えば図1で上方を「上方」と称し、下方を「下方」称する。
《発明の実施形態1》
図1及び図2は、本発明に係るドライエッチング装置の実施形態を示している。
図1及び図2は、本発明に係るドライエッチング装置の実施形態を示している。
本実施形態のドライエッチング装置Sは、いわゆる平行平板型のRIE(Reactive Ion Etching)方式のドライエッチング装置である。
上記ドライエッチング装置Sは、真空容器である処理室12と、処理室12の内部に収容された一対の電極板11,15と、処理室12の内部に処理ガスを導入するガス供給手段10と、上記一対の電極板11,15の一方に接続された電源部25とを備えている。
上記一対の電極板11,15は、互いに平行に配置され、カソード電極である下部電極15と、アノード電極である上部電極11とにより構成されている。
上部電極11は、処理室12内の上部に配置され、処理室12の壁面を介して電気的に接地されている。つまり、処理室12の壁は、導電性を有する金属等により形成されており、上部電極11に導通している。
一方、下部電極15は、処理室12内の下部において上部電極11に対向して配置されている。下部電極15における上部電極11側の表面には、ドライエッチング処理の対象である被処理基板Lが載置されるようになっている。被処理基板Lは、例えば、表面に半導体層等が積層されたガラス基板等である。
また、下部電極15は、昇降機構30により上下に移動するように構成されている。昇降機構30は、下部電極15の下面に上端が接続されたピストン部41と、ピストン部41を気密状に覆うベローズ部42とを有している。ピストン部41の下端は、処理室12の底部に形成された貫通孔を介して外部に延びており、図示省略のシリンダ部に接続されている。こうして、ピストン部41が、ベローズ部42により封止された状態で、上下動することにより、下部電極15を昇降させるようになっている。
上記ガス供給手段10は、処理室12の上部に形成されている。すなわち、処理室12の上部内壁面には、上部電極11が装着されることにより、上部電極11の上面と処理室12の上部内壁面との間に、チャンバ31が区画形成されている。また、処理室12の上壁には、上記チャンバ31に連通するガス供給管32が接続されている。さらに、上部電極11には、複数のガス導入口33が貫通形成されている。このことにより、ガス供給管32からチャンバ31へ供給された処理ガスが、各ガス導入口33を介して、処理室12の内部へ供給されるようになっている。
一方、上記処理室12の底面には、処理室12内の排ガス等を外部へ排気する排気管34が設けられている。排気管34は、図示省略の真空ポンプに接続されており、ドライエッチング処理時に、処理室12の内部を真空に維持するようになっている。
上記電源部25は、整合器22を介して下部電極15に接続されている。電源部25は、比較的高い周波数の電圧を発生する高周波電源26と、比較的低い周波数の電圧を発生する低周波電源27とにより構成されている。例えば、高周波電源の周波数は、通常、工業的によく用いられる13.56MHzである。また、低周波電源の周波数は、3.2MHzである。
そして、高周波電源26と低周波電源27とは、下部電極15に対して並列に接続されており、下部電極15へ同時に電圧を印加するように構成されている。高周波電源26は、例えば、下部電極15に0.56W/cm2の電力を投入するようになっている。一方、低周波電源27は、下部電極15に0.0185W/cm2の電力を投入するように構成されている。
こうして、ドライエッチング装置Sは、高周波電源26及び低周波電源27から下部電極15へ同時に電圧を印加することにより、上部電極11と下部電極15との間にプラズマ放電を発生させるようになっている。
次に、上記ドライエッチング装置Sにより、被処理基板Lにドライエッチング処理を行う場合について説明する。
まず、昇降機構30を駆動して下部電極15を下方へ移動させる。その後、下部電極15の上面の所定位置に被処理基板Lを載置して固定する。続いて、昇降機構30を駆動して下部電極15を上方へ移動させる。このことにより、被処理基板Lの上面と、上部電極11の下面との間に所定の間隔を設けておく。
次に、図示省略の真空ポンプを作動させて、排気管34を介して処理室12内を排気することにより、処理室12の内部を真空状態とする。その後、処理室12の内部を真空に維持した状態で、ガス供給手段10により処理室12の内部に処理ガスを導入すると共に、上部電極11と下部電極15との間にプラズマ放電を発生させる。
すなわち、処理ガスは、ガス供給管32を通って一旦チャンバ31の内部に滞留する。その後、処理ガスは、上部電極11に形成された複数のガス導入口33から、被処理基板Lへ向かって、シャワー状に供給される。一方、下部電極15には、13.56MHzの高周波電圧が高周波電源26から0.56W/cm2の電力で供給されると共に、3.2MHzの低周波電圧が低周波電源27から0.0185W/cm2の電力で供給される。このことにより、上部電極11と下部電極15との間にはプラズマ放電が発生する。
被処理基板Lの上方に供給された処理ガスは、プラズマにより解離・分解される。その結果、反応性イオン等が形成されて、被処理基板Lの表面がエッチングされる。
−実施形態1の効果−
したがって、この実施形態1によると、下部電極15には、並列に接続された高周波電源26及び低周波電源27から同時に電圧が印加されているため、各電源26,27からの電圧波が合成され、図2に示すように、被処理基板Lの中央領域と外縁領域とで均一な電界を発生させることができる。その結果、被処理基板Lにおけるエッチングレートの分布を均一化させることができる。
したがって、この実施形態1によると、下部電極15には、並列に接続された高周波電源26及び低周波電源27から同時に電圧が印加されているため、各電源26,27からの電圧波が合成され、図2に示すように、被処理基板Lの中央領域と外縁領域とで均一な電界を発生させることができる。その結果、被処理基板Lにおけるエッチングレートの分布を均一化させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態では、高周波電源26の周波数を13.56MHzとし、低周波電源27の周波数を3.2MHzとしたが、本発明はこれに限定されず、他の周波数の組み合わせとしてもよい。例えば、高周波電源26の周波数を13.56MHzとする一方、低周波電源27の周波数を、例えば、0.8MHz以上且つ6.0MHz以下の値に設定するようにしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、高周波電源26の周波数を13.56MHzとし、低周波電源27の周波数を3.2MHzとしたが、本発明はこれに限定されず、他の周波数の組み合わせとしてもよい。例えば、高周波電源26の周波数を13.56MHzとする一方、低周波電源27の周波数を、例えば、0.8MHz以上且つ6.0MHz以下の値に設定するようにしてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、低周波電源27の周波数が0.8MHz未満であると、
被処理基板Lへのイオン入射のエネルギーが大きくなりすぎるために、基板表面に形成された薄膜へのダメージが大きくなってしまう。また、積層膜の選択エッチングを行う場合には、その選択比を得ることが難しく、エッチングの制御が困難になってしまう。一方、低周波電源27の周波数が6.0MHzよりも大きいと、13.56MHz成分による基板表面への電界分布と大差がなくなってしまい、二つの周波数電源を用いる意義が失われるという問題が生じる。したがって、上述のように、低周波電源27の周波数は、0.8MHz以上且つ6.0MHz以下であることが好ましい。
被処理基板Lへのイオン入射のエネルギーが大きくなりすぎるために、基板表面に形成された薄膜へのダメージが大きくなってしまう。また、積層膜の選択エッチングを行う場合には、その選択比を得ることが難しく、エッチングの制御が困難になってしまう。一方、低周波電源27の周波数が6.0MHzよりも大きいと、13.56MHz成分による基板表面への電界分布と大差がなくなってしまい、二つの周波数電源を用いる意義が失われるという問題が生じる。したがって、上述のように、低周波電源27の周波数は、0.8MHz以上且つ6.0MHz以下であることが好ましい。
以上説明したように、本発明は、ドライエッチング装置について有用であり、特に、被処理基板の上に均一な電界を形成して、被処理基板におけるエッチングレート分布の均一化を図る場合に適している。
L 被処理基板
S ドライエッチング装置
10 ガス供給手段
11 上部電極
12 処理室
15 下部電極
26 高周波電源(電源部)
27 低周波電源(電源部)
S ドライエッチング装置
10 ガス供給手段
11 上部電極
12 処理室
15 下部電極
26 高周波電源(電源部)
27 低周波電源(電源部)
Claims (4)
- 真空容器である処理室と、
上記処理室内の上部に配置され、電気的に接地された上部電極と、
上記処理室内の下部において上記上部電極に対向して配置され、上記上部電極側の表面に被処理基板が載置される下部電極と、
上記下部電極に接続された電源部と、
上記処理室の内部に処理ガスを導入するガス供給手段とを備えたドライエッチング装置であって、
上記電源部は、上記下部電極に対して並列に接続され、上記下部電極へ同時に電圧を印加するように構成された高周波電源と低周波電源とを備えている
ことを特徴とするドライエッチング装置。 - 請求項1において、
上記高周波電源の周波数は、13.56MHzである
ことを特徴とするドライエッチング装置。 - 請求項2において、
上記低周波電源の周波数は、3.2MHzである
ことを特徴とするドライエッチング装置。 - 請求項3において、
上記高周波電源は、上記下部電極に0.56W/cm2の電力を投入する一方、上記低周波電源は、上記下部電極に0.0185W/cm20.5kWの電力を投入するように構成されている
ことを特徴とするドライエッチング装置。
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2004
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