図1は、本発明の実施例による自動伴奏装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
自動伴奏装置1はバス2、RAM3、ROM4、CPU5、タイマ6、外部記憶装置7、検出回路8、パネル操作子9、表示回路10、ディスプレイ11、音源回路12、効果回路13、サウンドシステム14、演奏操作子15、MIDIインターフェイス16、通信インターフェイス17を含んで構成される。
バス2には、RAM3、ROM4、CPU5、外部記憶装置7、検出回路8、表示回路10、音源回路12、効果回路13、MIDIインターフェイス16、通信インターフェイス17が接続される。
ユーザは、検出回路8に接続される複数のパネル操作子9を用いて、各種設定をすることができる。パネル操作子9は、例えば、ロータリーエンコーダ、スイッチ、パッド、フェーダ、スライダ、マウス、文字入力用キーボード、演奏用の鍵盤、ジョイスティック、ジョグシャトル等、ユーザの入力に応じた信号を出力できるものならどのようなものでもよい。
また、本実施例では、パネル操作子9が、後述する各種処理等で、ユーザが各種設定、選択、自動演奏の開始及び停止等の指示を入力するために用いられる。
また、パネル操作子9は、マウス等の他の操作子を用いて操作するディスプレイ11上に表示されるソフトスイッチ等でもよい。
表示回路10は、ディスプレイ11に接続され、各種情報をディスプレイ11に表示することができる。ユーザは、このディスプレイ11に表示される情報を参照して、各種設定を行う。ディスプレイ11は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)等で構成される。また、ディスプレイ11は、外部の表示装置を接続することにより構成してもよい。
また、ディスプレイ11に、タッチパネルを用いることができる。この場合は、ディスプレイ11上に表示されるスイッチ等をユーザが押すことによりユーザの指示が入力される。
外部記憶装置7は、外部記憶装置用のインターフェイスを含み、そのインターフェイスを介してバス2に接続される。外部記憶装置7は、例えばフロッピディスクドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HDD)、光磁気ディスク(MO)ドライブ、CD−ROM(コンパクトディスク−リードオンリィメモリ)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、半導体メモリ等である。
外部記憶装置7には、各種パラメータ、各種データ、及び本実施例を実現するためのプログラム等を記憶することができる。また本実施例では、外部記憶装置7に、自動伴奏用の伴奏スタイルデータをプリセットデータ又はユーザデータとして複数記憶している。
RAM3は、フラグ、レジスタ又はバッファ、各種パラメータ等を記憶するCPU5のワーキングエリアを有する。ROM4には、各種パラメータ及び制御プログラム、又は本実施例を実現するためのプログラム等を記憶することができる。この場合、プログラム等を重ねて、外部記憶装置7に記憶する必要は無い。CPU5は、ROM4又は、外部記憶装置7に記憶されている制御プログラム等に従い、演算又は制御を行う。
タイマ6は、CPU5に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング等をCPU5に供給する。
外部記憶装置7として、ハードディスクドライブ(HDD)が接続されている場合には、制御プログラム又は本実施例を実現するためのプログラム等は、外部記憶装置7内のハードディスク(HDD)に記憶させることもできる。ハードディスクからRAM3に制御プログラム等を読み出すことにより、ROM4に制御プログラム等を記憶させている場合と同様の動作をCPU5にさせることができる。このようにすると、制御プログラム等の追加やバージョンアップ等が容易に行える。
また、ハードディスクドライブに加えて、CD−ROMドライブが接続されている場合には、制御プログラム又は本実施例を実現するためのプログラム等をCD−ROMに記憶させることもできる。CD−ROMからハードディスクに制御プログラムや本実施例を実現するためのプログラム等をコピーすることができる。制御プログラム等の新規インストールやバージョンアップを容易に行うことができる。
音源回路12は、外部記憶装置7等に記録されたシーケンスデータ又はMIDIインターフェイスに接続されたMIDI機器18等から供給されるMIDI信号、演奏信号等に応じて楽音信号を生成し、効果回路13を介して、サウンドシステム14に供給する。
効果回路13は、音源回路12から供給されるデジタル形式の楽音信号に各種効果を与える。
サウンドシステム14は、D/A変換器及びスピーカを含み、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音する。
なお、音源回路12は、波形メモリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント合成方式、VCO(Voltage Controlled Oscillator)+VCF(Voltage Controlled Filter)+VCA(Voltage Controlled Amplifier)のアナログシンセサイザ方式等、どのような方式であってもよい。
また、音源回路12は、専用のハードウェアを用いて構成するものに限らず、DSP(Digital Signal Processor)+マイクロプログラムを用いて構成してもよいし、CPU+ソフトウェアのプログラムで構成するようにしてもよいし、サウンドカードのようなものでもよい。
さらに、1つの音源回路を時分割で使用することにより複数の発音チャンネルを形成するようにしてもよいし、複数の音源回路を用い、1つの発音チャンネルにつき1つの音源回路で複数の発音チャンネルを構成するようにしてもよい。
演奏操作子15は、検出回路8に接続され、ユーザの演奏動作に従い、演奏信号を供給する。本実施例では、演奏操作子15として、演奏用の鍵盤、パッドが用いられている。なお、演奏操作子15はこれらに限らず、ユーザが演奏情報を入力できるものであればどのようなものでもよい。例えば、文字入力用のキーボードや、マウス、ジョイスティック等を演奏操作子15として用いることも出来る。
MIDIインターフェイス(MIDI I/F)16は、電子楽器、その他の楽器、音響機器、コンピュータ等に接続できるものであり、少なくともMIDI信号を送受信できるものである。MIDIインターフェイス16は、専用のMIDIインターフェイスに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェイスを用いて構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。
MIDI機器18は、MIDIインターフェイス16に接続される音響機器及び楽器等である。MIDI機器18の形態は鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、音源装置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するものであってもよい。ユーザは、このMIDI機器18を演奏(操作)することにより演奏情報の入力を行うこともできる。
また、MIDI機器18は、演奏情報以外の各種データ及び各種設定を入力するための操作子としても用いることが出来る。
通信インターフェイス17は、LAN(ローカルエリアネットワーク)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク19に接続可能であり、該通信ネットワーク19を介して、サーバコンピュータ20と接続し、HDD等外部記憶装置7、又はRAM4等内に、サーバコンピュータ20から制御プログラムや本実施例を実現するためのプログラム、伴奏スタイルデータ等をダウンロードすることができる。
なお、通信インターフェイス17及び通信ネットワーク19は、有線のものに限らず無線でもよい。また双方を備えていてもよい。
図2は、本実施例による伴奏スタイルデータSTDのフォーマットを表す概念図である。伴奏スタイルデータSTDは、例えばSMF(Standard MIDI File)フォーマットに準拠した、自動演奏データである。SMFフォーマットによるデータは、ヘッダーチャンクHCと1つ以上のチャンクと呼ばれるデータ群で構成されている。
本実施例による伴奏スタイルデータSTDは、ヘッダーチャンクHCと、少なくとも基本伴奏データチャンクBPC、基本コード変換情報チャンクBCC、セクション差し替えチャンクSRC、トラック差し替えチャンクTRC、ミキサー情報チャンクMIC、パネル設定情報チャンクPSC及びデータベース情報チャンクDICのうち1つ以上のチャンクを含んで構成される。
ヘッダーチャンクHCは、データフォーマット種類(SMFフォーマットO、1等)、チャンク構成(チャンク数等)などが記録されているチャンクである。
基本伴奏データチャンクBPCは、複数セクション(イントロ、メイン、フィルイン、エンディング等〉の各セクションにつき複数トラック(コードバッキング、べース、リズム等)の基本(差し替え前の)伴奏データを記憶している。
なお、基本伴奏データチャンクBPCにおいては、リズムトラックを除く各トラックの伴奏データは、所定のコードに基づいて作成されており、演奏時に指定されるコードに従ってコード変換される。例えば、所定のコードはCメジャーであり、伴奏データ中の音高を演奏時に指定されるコードに合うように変換される。なお、この伴奏データの所定のコードは、固定でも良いし可変でも良い。
また、基本伴奏データチャンクBPCは、セクションごとに異なる1〜複数小節の長さの伴奏データである。
基本コード変換情報チャンクBCCは、基本伴奏データのコード変換に関する情報を記憶している。すなわち、コード変換の際に用いるテーブル等、コード変換の特性を設定するための情報を記憶している。基本コード変換情報チャンクBCCは、各セクションに対して用意されている。
セクション差し替えチャンクSRCは、あるセクション(例えばイントロ)について、基本伴奏データ又はコード変換情報と差し替えるためのデータを記憶している。セクション差し替えチャンクSRCには、差し替え伴奏データチャンクと差し替えコード変換情報チャンクの双方がある。
このセクション差し替えチャンクSRCがあると、基本伴奏データチャンクBPCの対応セクションのデータと、基本コード変換情報チャンクBCCの対応セクションのデータは、無視され、セクション差し替えチャンクSRCの内容が反映される。これにより、このセクション差し替えチャンクSRCを追加するだけで、基本伴奏データや基本コード変換情報を壊さずに、簡単に基本伴奏データや基本コード変換情報の一部を変更することができる。
トラック差し替えチャンクTRCは、あるセクション(例えばメイン)のあるトラック(例えばベース)について、基本伴奏データ又はコード変換情報と差し替えるデータを記憶している。トラック差し替えチャンクTRCには、差し替え伴奏データチャンクと差し替えコード変換情報チャンクの双方がある。
トラック差し替えチャンクTRCは、セクション差し替えチャンクSRCと同様、基本伴奏データや基本コード変換情報の一部(トラック単位)を変更することができる。
なお、トラック差し替えチャンクTRCのセクションは、セクション差し替えチャンクSRCのセクションと同じでも良く、その場合、トラック差し替えチャンクTRCで指定されたトラックのみがトラック差し替えチャンクTRCの指定に従い、それ以外のトラックはセクション差し替えチャンクSRCの指定に従う。
ミキサー情報チャンクMICは、各セクション、各トラックのミキサー情報(音量、効果、音色等の設定変更情報)を記憶している。このミキサー情報チャンクMICにより、基本伴奏データ内の音量、効果、音色のデータを壊さずに、これらのパラメータを変更することができる。
このように、伴奏スタイルデータ内に音量、効果等の設定変更をするためのミキサー情報を持たせると、音量や効果等の設定を変更しただけの伴奏パターンを簡単に作ることができる。
パネル設定情報チャンクPSCは、各種パネル設定情報(演奏操作子を操作したときの音量や音色、効果、自動伴奏の設定等)を1〜複数組記憶している。このパネル設定情報チャンクPSCにより、伴奏スタイル毎に、最適なパネル設定状態とすることができる。
また、パネル設定情報チャンクPSC中に複数組のパネル設定情報が記憶されている場合、さらにセクション毎に、最適なパネル設定状態とすることができる。
また、このように伴奏スタイルデータ中にパネル設定情報を含めることにより、マニュアル演奏時の設定等のパネル設定情報を変更しただけの伴奏パターンを簡単に作ることができる。
さらに、後述するように、このパネル設定情報を複数持ち、各パネル情報と複数のセクションを対応付けるようにしている。このため、セクションの切替えに応じて自動的にパネル設定も変更することができる。
データベース情報チャンクDICは、音楽データベース(各伴奏スタイルデータがどのような楽曲、音楽ジャンルにおいて利用するのに適するかを検索可能としたもの)に登録する情報を記憶している。
例えば、伴奏スタイルのイメージと合致する実際の楽曲名、音楽ジャンル名、伴奏スタイルのイメージを連想することが出来るキーワード等を記憶している。
ゴーストチャンクは、基本伴奏データ、基本コード変換情報、セクション差し替え、トラック差し替えの各チャンクについて作成することが出来る。ゴーストチャンクとは、他の伴奏スタイルデータの対応するチャンクを指し示すパス(例えば、Path:¥ドライブ名¥フォルダ名¥ファイル名)を記憶したチャンクで、実際のデータや情報(すなわち実体)を持たないチャンクである。
このゴーストチャンクを持つことにより、他の伴奏スタイルデータのチャンクと同じ内容を、少ない記憶容量で使用することが出来、データや情報の一部差し替えも簡単にできるようになる。
なお、セクション差し替えチャンクSRC、トラック差し替えチャンクTRCは、双方ある必要はなく、一方のみあってもよいし、なくてもよい。この場合は、基本データのみとなる。
また、セクション差し替えチャンクSRC、トラック差し替えチャンクTRCはそれぞれ複数存在してもよい。ゴーストチャンクは、あってもよいし、なくてもよい。ミキサー情報は、ゴーストチャンクにも有効であり、ゴーストチャンクにより指し示されたパスの伴奏スタイルデータに対してミキサー情報が効くようになっている。
図3は、図1のCPU5で行う伴奏スタイルデータ作成処理を表すフローチャートである。この伴奏スタイルデータ作成処理中、ユーザは、図1のディスプレイ11に表示される情報を参照して、パネル操作子9等を用いて、各種情報、設定の入力を行う。
また、それぞれのデータ及び情報の供給(入力)は、ユーザが図1のパネル操作子9、演奏操作子15又はMIDIインターフェイス16に接続されるMIDI機器18を用いて入力することにより行われる。
また、外部記憶装置7等に保存されている既存のデータ又は情報をチャンク内に記憶してもよい。また、通信I/F17、通信ネットワーク19を介して、サーバコンピュータ20からダウンロードするようにしてもよい。
ステップSA1では、伴奏スタイルデータ作成処理を開始して、次のステップSA2に進む。
ステップSA2では、基本伴奏データとして、他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定するか否かをユーザに確認する。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定する場合は、YESの矢印で示すステップSA3に進む。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定しない場合、すなわち、実伴奏データを入力する場合は、NOの矢印で示すステップSA4に進む。
ステップSA3では、ユーザが指定する他の伴奏スタイルへのパスを基本伴奏データチャンクBPC内に記憶する。その後、ステップSA5に進む。
ステップSA4では、基本伴奏の実伴奏データを供給して、基本伴奏データチャンクBPC内に記憶する。実伴奏データを記憶したら、ステップSA5に進む。
ステップSA5では、基本コード変換情報として、他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定するか否かをユーザに確認する。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定する場合は、YESの矢印で示すステップSA6に進む。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定しない場合、すなわち、コード変換情報を入力する場合は、NOの矢印で示すステップSA7に進む。
ステップSA6では、ユーザが指定する他の伴奏スタイルへのパスを基本コード変換情報チャンクBCC内に記憶する。その後、ステップSA8に進む。
ステップSA7では、コード変換情報を供給して、基本コード変換情報チャンクBCC内に記憶する。コード変換情報を記憶したら、ステップSA8に進む。
ステップSA8では、セクション差し替えチャンクSRCを作成するか否かをユーザに確認する。セクション差し替えチャンクSRCを作成する場合は、YESの矢印で示すステップSA9に進み、作成しない場合は、NOの矢印で示す図4のステップSA12に進む。
ステップSA9では、セクション差し替えデータとして、他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定するか否かをユーザに確認する。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定する場合は、YESの矢印で示すステップSA10に進む。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定しない場合、すなわち、セクション差し替えデータを入力する場合は、NOの矢印で示すステップSA11に進む。
ステップSA10では、ユーザが指定する他の伴奏スタイルへのパスをセクション差し替えチャンクSRC内に記憶する。その後、図4のステップSA12に進む。
ステップSA11では、実伴奏データとコード変換情報の両方又はいずれか一方を供給してセクション差し替えチャンクSRC内に記憶する。その後、図4のステップSA12に進む。
図4は、図3の伴奏スタイルデータ作成処理の続きを表すフローチャートである。
ステップSA12では、トラック差し替えチャンクTRCを作成するか否かをユーザに確認する。トラック差し替えチャンクTRCを作成する場合は、YESの矢印で示すステップSA13に進み、作成しない場合は、NOの矢印で示す図4のステップSA16に進む。
ステップSA13では、トラック差し替えデータとして、他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定するか否かをユーザに確認する。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定する場合は、YESの矢印で示すステップSA14に進む。他の伴奏スタイルデータのゴーストを指定しない場合、すなわち、トラック差し替えデータを入力する場合は、NOの矢印で示すステップSA15に進む。
ステップSA14では、ユーザが指定する他の伴奏スタイルへのパスをトラック差し替えチャンクTRC内に記憶する。その後、ステップSA16に進む。
ステップSA15では、実伴奏データとコード変換情報の両方又はいずれか一方を供給してトラック差し替えチャンクTRC内に記憶する。その後、ステップSA16に進む。
ステップSA16では、ミキサー情報チャンクMICを作成するか否かをユーザに確認する。ミキサー情報チャンクMICを作成する場合は、YESの矢印で示すステップSA17に進み、作成しない場合は、NOの矢印で示すステップSA18に進む。
ステップSA17では、ミキサー情報を供給してミキサー情報チャンクMIC内に記憶する。その後、ステップSA18に進む。
ステップSA18では、パネル設定情報チャンクPSCを作成するか否かをユーザに確認する。パネル設定情報チャンクPSCを作成する場合は、YESの矢印で示すステップSA19に進み、作成しない場合は、NOの矢印で示すステップSA20に進む。
ステップSA19では、パネル設定情報を供給してパネル設定情報チャンクPSC内に記憶する。その後、ステップSA20に進む。
ステップSA20では、データベース情報チャンクDICを作成するか否かをユーザに確認する。データベース情報チャンクDICを作成する場合は、YESの矢印で示すステップSA21に進み、作成しない場合は、NOの矢印で示すステップSA22に進む。
ステップSA21では、データベース情報を供給してデータベース情報チャンクDIC内に記憶する。その後、ステップSA22に進む。
ステップSA22では、伴奏スタイルデータ作成処理を終了する。
図5は、伴奏スタイルデータ再生時のデータの流れを説明するための概念図である。図中矢印はデータの流れを示す。また、矢印に付された括弧内の数字はデータがフラッシュメモリ、フロッピーディスク、HDD等の外部記憶装置7の伴奏スタイルデータ記憶領域71からRAM3の伴奏スタイルデータ再生時作業領域31に読み込まれる順番を示す。
図5(A)は、伴奏スタイルデータ中に、ゴーストチャンクがない場合の例である。
まず、基本伴奏データと基本コード変換情報が記憶領域71から作業領域31にコピーされる。次に、セクション差し替えチャンクSRCで指定されたセクションの伴奏データとコード変換情報が記憶領域71から作業領域31に上書きコピーされる。これにより作業領域31の指定セクションの基本伴奏データと基本コード変換情報は、差し替え伴奏データと、差し替えコード変換情報により上書きされる。
最後に、トラック差し替えチャンクTRCで指定されたセクションの指定トラックの伴奏データとコード変換情報が記憶領域71から作業領域31に上書きコピーされる。これにより作業領域31の指定セクションの指定トラックの伴奏データとコード変換情報は、差し替え伴奏データと、差し替えコード変換情報により上書きされる。
図5(B)は、伴奏スタイルデータ中に、ゴーストチャンクがある場合の例である。
まず、基本伴奏データと基本コード変換情報が記憶領域71から作業領域31にコピーされる。
次に、セクション差し替えゴーストチャンクSGCで指定されたパスに記憶された伴奏スタイルデータを参照し、指定セクションの基本伴奏データと基本コード変換情報が記憶領域71から作業領域31に上書きコピーされる。
最後に、トラック差し替えチャンクTRCで指定されたセクションの指定トラックの伴奏データとコード変換情報が記憶領域71から作業領域31に上書きコピーされる。これにより作業領域31の指定セクションの指定トラックの伴奏データとコード変換情報は、差し替え伴奏データと、差し替えコード変換情報により上書きされる。
図6は、伴奏スタイルデータ中にゴーストチャンクがある場合の、作業領域31の最終データの例を表す概念図である。
再生される元の伴奏スタイルデータSTD1には、イントロセクション用に、コード、ベース、リズムの各トラックの基本伴奏データ、すなわち、イントロ・コードIC1、イントロ・ベースIB1、イントロ・リズムIR1が記憶されている。
また、メインセクション用にも、同様に、メイン・コードMC1、メイン・ベースMB1、メイン・リズムMR1が記憶されている。
さらに、フィルインセクションにも、同様に、フィルイン・コードFC1、フィルイン・ベースFB1、フィルイン・リズムFR1が記憶されている。
また、セクション差し替えデータとしてセクション差し替えゴーストチャンクSGCであるゴースト・メインGMが記憶されている。ゴースト・メインGMには、伴奏スタイルデータSTD3のメインセクションを参照するためのパスが記憶されている。
さらに、トラック差し替えデータとして、イントロセクションのリズムトラック用に、イントロ・リズムIR2が記憶されている。
この伴奏スタイルデータSTD1を再生する場合、まずイントロ・コードIC1、イントロ・ベースIB1、イントロ・リズムIR1、メイン・コードMC1、メイン・ベースMB1、メイン・リズムMR1、フィルイン・コードFC1、フィルイン・ベースFB1、フィルイン・リズムFR1が記憶領域71から作業領域31にコピーされる。
その後、ゴースト・メインGMの指し示す伴奏スタイルデータSTD3のメインセクションからメイン・コードMC3、メイン・ベースMB3、メイン・リズムMR3が作業領域31に上書きコピーされる。
最後に、イントロ・リズムIR2が作業領域31に上書きコピーされ、図6に示すようなデータが記録された作業領域31になる。
すなわち、伴奏スタイルデータとして再生されるのは、作業領域31に記憶されたものであるので、再生時には、例えば、イントロセクションのリズムトラックには差し替えデータであるイントロ・リズムIR2が再生され、メインセクションの各トラックは伴奏スタイルデータSTD3のメインセクションからメイン・コードMC3、メイン・ベースMB3、メイン・リズムMR3が再生されることになる。
このように、ゴーストチャンクを用いることにより、他の場所に保存されているデータを改めて(重複して)保存する必要がなくなり、記憶領域71を節約することが出来る。
また、再生時の作業領域31に差し替えデータを上書きコピーするだけなので、伴奏スタイルデータ中の基本伴奏データ等には変更は加えられない。よって、元のデータを壊すことなく、データに変更を加えることが出来る。
もともとのデータに戻したいときは、差し替えデータチャンクや、ゴーストチャンクを削除するだけでよい。
図7は、図1のCPU5で行う伴奏スタイルデータ選択処理を表すフローチャートである。ユーザは、図1のパネル操作子9等を用いて、各種設定、選択、情報の入力等を行う。
ステップSB1では、伴奏スタイルデータ選択処理を開始して、次のステップSB2に進む。
ステップSB2では、ユーザの指示により、所望の伴奏スタイルデータを選択する。その後、次のステップSB3に進む。
ステップSB3では、ステップSB2で選択された伴奏スタイルデータのヘッダーチャンクHCを読み出して各種設定を行う。その後、次のステップSB4に進む。
ステップSB4では、選択伴奏スタイルデータの基本伴奏データチャンクBPCを読み出し、該チャンクがゴーストチャンクか否かを判別する。該チャンクがゴーストチャンクであれば、YESの矢印で示すステップSB5に進む。該チャンクがゴーストチャンクでなければ、NOの矢印で示すステップSB6に進む。
ステップSB5では、該チャンク内に記憶されたパスに基づき、参照先伴奏スタイルデータの基本伴奏データを読出しRAM3の再生時作業領域31にコピーする。その後、ステップSB7に進む。
ステップSB6では、該チャンクの基本伴奏データを読み出し、作業領域31にコピーする。その後、ステップSB7に進む。
ステップSB7では、選択伴奏スタイルデータの基本コード変換情報チャンクBCCを読み出し、該チャンクがゴーストチャンクか否かを判別する。該チャンクがゴーストチャンクであれば、YESの矢印で示すステップSB8に進む。該チャンクがゴーストチャンクでなければ、NOの矢印で示すステップSB9に進む。
ステップSB8では、該チャンク内に記憶されたパスに基づき、参照先伴奏スタイルデータの基本コード変換情報を読出しRAM3の再生時作業領域31にコピーする。その後、ステップSB10に進む。
ステップSB9では、該チャンクの基本コード変換情報を読み出し、作業領域31にコピーする。その後、ステップSB10に進む。
ステップSB10では、選択伴奏スタイルデータ中にセクション差し替えチャンクSRCがあるか否かを判別する。セクション差し替えチャンクSRCがあれば、YESの矢印で示すステップSB11に進み、無ければ、NOの矢印で示す図8のステップSB14に進む。
ステップSB11では、選択伴奏スタイルデータのセクション差し替えチャンクSRCを読み出し、該チャンクがゴーストチャンクか否かを判別する。該チャンクがゴーストチャンクであれば、YESの矢印で示すステップSB12に進む。該チャンクがゴーストチャンクでなければ、NOの矢印で示すステップSB13に進む。
ステップSB12では、該チャンク内に記憶されたパスに基づき、参照先伴奏スタイルデータの基本伴奏データと基本コード変換情報の内、該チャンクで指定されたセクションのデータ、情報を読出しRAM3の再生時作業領域31に上書きコピーする。その後、図8のステップSB14に進む。
ステップSB13では、該チャンクの差し替え伴奏データと差し替えコード変換情報を読み出し、作業領域31に上書きコピーする。その後、図8のステップSB14に進む。
図8は、図7の伴奏スタイルデータ選択処理の続きを表すフローチャートである。
ステップSB14では、選択伴奏スタイルデータ中にトラック差し替えチャンクTRCがあるか否かを判別する。トラック差し替えチャンクTRCがあれば、YESの矢印で示すステップSB15に進み、無ければ、NOの矢印で示すステップSB18に進む。
ステップSB15では、選択伴奏スタイルデータのトラック差し替えチャンクTRCを読み出し、該チャンクがゴーストチャンクか否かを判別する。該チャンクがゴーストチャンクであれば、YESの矢印で示すステップSB16に進む。該チャンクがゴーストチャンクでなければ、NOの矢印で示すステップSB17に進む。
ステップSB16では、該チャンク内に記憶されたパスに基づき、参照先伴奏スタイルデータの基本伴奏データと基本コード変換情報の内、該チャンクで指定されたセクションの指定されたトラックのデータ、情報を読出しRAM3の再生時作業領域31に上書きコピーする。その後、ステップSB18に進む。
ステップSB17では、該チャンクの差し替え伴奏データと差し替えコード変換情報を読み出し、作業領域31に上書きコピーする。その後、ステップSB18に進む。
ステップSB18では、選択伴奏スタイルデータのミキサー情報チャンクMICを読み出し、ミキサー情報を設定する。その後、次のステップSB19に進む。
ステップSB19では、選択伴奏スタイルデータのパネル設定情報チャンクPSCを読み出し、パネル設定情報をRAM3のレジスタに記憶する。その後、次のステップSB20に進む。
ステップSB20では、パネル自動設定モードか否かが判断される。現在、パネル自動設定モードであるときは、YESの矢印で示すステップSB21に進む。パネル自動設定モードでないときは、NOの矢印で示すステップSB22に進む。
ステップSB21では、図12に示すパネル設定処理を行う。パネル設定処理が終了したら、次のステップSB22に進む。
ステップSB22では、選択伴奏スタイルデータのデータベース情報チャンクDICを読み出し、データベース情報を更新する。その後、次のステップSB23に進み、伴奏スタイルデータ選択処理を終了する。
図9は、図8のステップSB18でRAM3のレジスタに記憶されたパネル設定情報を表す概念図である。
パネル設定情報レジスタ32には、図8のステップSB18で選択伴奏スタイルデータから読み込まれたパネル設定情報1〜4が記憶されている。このパネル設定情報1〜4は、それぞれが、右手音色(演奏操作子15が鍵盤である場合の右側半分にアサインされる音色)、右手音量、右手効果のパラメータ、左手音色(演奏操作子15が鍵盤である場合の左側半分にアサインされる音色)、左手音量、左手効果のパラメータ、パッド種類及び、そのパラメータ(音量やベロシティ等)、ハーモニー種類及び、そのパラメータ(音量や速度等)を含んでいる。
パネル設定情報の設定では、まずレジスタ32に記憶された設定情報1〜4をRAM3内のパネル設定記憶領域72の設定情報1〜4の領域にコピーする。設定情報1〜4の領域はそれぞれ自動伴奏装置1に設けられるパネル操作子9であるセクション選択スイッチ91〜94に対応している。
また、セクション選択スイッチ91は、イントロセクションに対応し、スイッチ92はメインセクションに、スイッチ93はフィルインセクションに、スイッチ94はエンディングセクションに対応している。
パネル自動設定モードにおいては、上記の設定情報の内、現在演奏中のセクションに対応した設定情報が自動的に選択され、選択された設定情報に基づきパネルが設定される。
パネル自動設定モードでないときは、パネル設定情報レジスタ32内の各種情報は、パネル設定記憶領域72へは自動的にはコピーされず、以前の情報が保持されたままとなる。パネル操作子9内の所定操作子を操作して、スタイルデータ内のパネル設定情報を有効にする旨の指示があって初めて、パネル設定情報記憶領域72へとコピーされる。そして、ユーザの操作するセクション選択スイッチ91〜94のいずれか1つに対応する設定情報1〜4が有効になり、それに基づきパネルが設定される。
図10は、パネル設定情報に含まれるパッド種類を指定するためのテーブルである。
1つのパッド種類は、複数(例えば4つ)のパッドに割り当てるべき楽音の種類を特定するもので、例えば、「ギターカッティング1」というパッド種類は、複数のパッドに対してそれぞれ異なる「ギターカッティング・フレーズ」を割り当てることを特定する。なお、「ギターカッティング・フレーズ」は、MIDIシーケンスでもよいし、サンプリング波形でもよい。
本実施例のパネル設定情報では、このパッド種類をバンク番号とプログラム番号で指定する。例えば、「バンク1、プログラム1」なら、図10のテーブルに基づき、「ギターカッティング1」というパッド種類が選択される。
図中「←」は、同じプログラム番号の1つ前の番号のバンクに指定されているパッド種類を用いることを意味している。例えば、「バンク2、プログラム3」というパッド種類がパネル設定情報で指定されたときは、「バンク1、プログラム3」の「ギターストラム」というパッド種類が選択される。
プログラム番号が同じで、バンク番号が異なるパッド種類は、類似のパッド種類となっている。例えば、「バンク2、プログラム4」は、「ドラムフィル2」であり、「バンク1、プログラム4」は、「ドラムフィル1」と類似の楽音である。
また、バンク番号、プログラム番号とパッド種類との対応関係は、例えば共通規格を作成し、多数の楽器(好ましくはパッド機能を有する全ての楽器)で共通するようにすることが好ましい。
しかし、低級機種など、楽器によっては、全てのパッド種類を備えることが困難な場合が考えられる。その場合でも、バンク1のパッド種類だけは最低限備えるようにするとよい。こうすれば、バンク2以降のパッド種類が指定され、かつそのパッド種類が当該楽器に存在しないときは、バンク1のパッド種類で代替発音するように設定することが出来る。
なお、代替発音は、バンク1に限らず、当該楽器が備える最も大きいバンク番号のパッド種類で行うようにしてもよい。また、パッド種類ごとに予め代替するパッド種類を示す情報を含むようにしてもよい。
なお、パッドに割り当てる楽音は、指定されたコードに応じて音高変換するようにしてもよい。また、パッド操作の強度を検出し、強度に応じて楽音の音量、音色などを制御するようにしてもよい。
また、パッドを操作している間(ONからOFFまでの間)のみ楽音を発生させるようにしてもよいし、ON操作のみで楽音の最後まで発音させるようにしてもよい。パッドを操作している間のみ楽音を発生させる場合は、楽音の最後まで達したら先頭あるいは途中に戻って繰り返し発音するようにしてもよい。
図11は、パネル設定情報に含まれるハーモニー種類を指定するためのテーブルである。
1つのハーモニー種類は、鍵盤等の演奏操作子15の操作に応じて発生される楽音に付与する付加音(ハーモニー)の種類を特定するものである。付与される楽音の数、音高、発音タイミング、音量、音色等は、ハーモニー種類により異なる。例えば、「…デュエット」というハーモニー種類は、演奏操作子15の操作に応じて発生される楽音に、コードに応じて変化する所定の音高の楽音を1音付与することを特定する。
また、「…トリオ」というハーモニー種類は、演奏操作子15の操作に応じて発生される楽音に、コードに応じて変化する所定の音高の楽音を2音付与することを特定する。
なお、同時に発生される楽音が複数あるときは、その内の1音に対して、ハーモニーを付与する。例えば、複数音の内の最高音に対して付与する。
本実施例のパネル設定情報では、このハーモニー種類をバンク番号とプログラム番号で指定する。例えば、「バンク1、プログラム1」なら、図10のテーブルに基づき、「スタンダードデュエット1」というハーモニー種類が選択される。
図中「←」は、同じプログラム番号の1つ前の番号のバンクに指定されているハーモニー種類を用いることを意味している。例えば、「バンク2、プログラム2」というハーモニー種類がパネル設定情報で指定されたときは、「バンク1、プログラム2」の「ロックデュエット」というハーモニー種類が選択される。
プログラム番号が同じで、バンク番号が異なるハーモニー種類は、類似のハーモニー種類となっている。例えば、「バンク2、プログラム3」は、「カントリーデュエット2」であり、「バンク1、プログラム3」は、「カントリーデュエット1」と類似の楽音である。
また、バンク番号、プログラム番号とハーモニー種類との対応関係は、多数(好ましくはハーモニー機能を有する全ての楽器)で共通するようにする。
しかし、低級機種など、楽器によっては、全てのハーモニー種類を備えることが困難な場合が考えられる。その場合でも、バンク1のハーモニー種類だけは最低限備えるようにするとよい。こうすれば、バンク2以降のハーモニー種類が指定され、かつそのハーモニー種類が当該楽器に存在しないときは、バンク1のハーモニー種類で代替付与するように設定することが出来る。
なお、代替付与は、バンク1に限らず、当該楽器が備える最も大きいバンク番号のハーモニー種類で行うようにしてもよい。また、ハーモニー種類ごとに予め代替するハーモニー種類を示す情報を含むようにしてもよい。
図12は、図8のステップSB21で行うパネル設定処理を表すフローチャートである。
スッテプSC1では、パネル設定処理を開始して、次のステップSC2に進む。
ステップSC2では、フラグiの値を1に設定する。その後、次のステップSC3に進む。
ステップSC3では、図9のパネル設定情報レジスタ32内の設定情報iの右手音色、音量、効果のパラメータをパネル設定記憶領域72の設定情報iに対応する領域にコピーする。その後、次のステップSC4に進む。
ステップSC4では、パネル設定情報レジスタ32内の設定情報iの左手音色、音量、効果のパラメータをパネル設定記憶領域72の設定情報iに対応する領域にコピーする。その後、次のステップSC5に進む。
ステップSC5では、パネル設定情報レジスタ32内の設定情報iのパッド種類、パラメータをパネル設定記憶領域72の設定情報iに対応する領域にコピーする。その後、次のステップSC6に進む。
ステップSC6では、ステップSC5で設定されたパッド種類を備えているか否かを判別する。設定されたパッド種類を備えていない場合は、NOの矢印で示すステップSC7に進む。設定されたパッド種類を備えている場合は、YESの矢印で示すステップSC8に進む。
ステップSC7では、パネル設定記憶領域72の設定情報iのパッド種類を代替パッド種類に書き換える。その後、次のステップSC8に進む。
ステップSC8では、パネル設定情報レジスタ32内の設定情報iのハーモニー種類、パラメータをパネル設定記憶領域72の設定情報iに対応する領域にコピーする。その後、次のステップSC9に進む。
ステップSC9では、ステップSC8で設定されたハーモニー種類を備えているか否かを判別する。設定されたハーモニー種類を備えていない場合は、NOの矢印で示すステップSC10に進む。設定されたハーモニー種類を備えている場合は、YESの矢印で示すステップSC11に進む。
ステップSC10では、パネル設定記憶領域72の設定情報iのハーモニー種類を代替ハーモニー種類に書き換える。その後、次のステップSC11に進む。
ステップSC11では、フラグiに「1」を加算する。その後、次のステップSC12に進む。
ステップSC12では、フラグiの値が「5」か否かを判断する。フラグiの値が「5」であれば、YESの矢印で示すステップSC13に進んでパネル設定処理を終了する。フラグiの値が「5」でなければ、NOの矢印で示すステップSC3に戻る。
すなわち、このステップSC12で判断する数値(本実施例では5)−1回分ステップSC3からステップSC12の処理を繰り返すわけである。なお、この数値は任意に変更が出来る。
図13は、図1のCPU5で行う自動伴奏処理を表すフローチャートである。
ステップSD1では、自動伴奏処理を開始して、次のステップSD2に進む。
ステップSD2では、所定セクションを初期選択する。例えば、イントロセクションを自動的に選択する。その後、次のステップSD3に進む。
ステップSD3では、ユーザによるスタートスイッチ(パネル操作子9)の操作を検出する。スタートスイッチの操作を検出したら、YESの矢印で示すステップSD4に進む。スタートスイッチの操作を検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSD5に進む。
ステップSD4では、自動伴奏の再生を開始して、自動伴奏再生モードに設定する。このとき、再生が開始されるのは、ステップSD2で初期設定されたセクションである。その後、次のステップSD5に進む。
ステップSD5では、ユーザによるセクション選択スイッチ91〜94(図9)の操作を検出する。セクション選択スイッチ91〜94のいずれか1つが操作されたら、YESの矢印で示す、次のステップSD6に進む。操作が検出されない場合は、NOの矢印で示すステップSD9に進む。
ステップSD6では、ステップSD5で検出した、操作されたセクション選択スイッチに従い再生セクションを設定する。例えば、セクション選択スイッチ91が操作された場合は、イントロセクションが設定され再生される。その後、次のステップSD7に進む。
ステップSD7では、パネル自動設定モードか否かを検出する。現在、パネル自動設定モードである場合は、YESの矢印で示す、ステップSD8に進む。現在、パネル自動設定モードでない場合は、NOの矢印で示すステップSD9に進む。
ステップSD8では、ステップSD6で設定されたセクションに対応したパネル設定情報をパネル設定記憶領域72から読み出し、その内容に従いパネルを自動設定する。その後、次のステップSD9に進む。
ステップSD9では、自動伴奏再生モードか否かを検出する。現在、自動伴奏再生モードである場合は、YESの矢印で示す、ステップSD10に進む。現在、自動伴奏再生モードでない場合は、NOの矢印で示すステップSD13に進む。
ステップSD10では、選択再生セクションの現在タイミングの伴奏スタイルデータを作業領域31から読み出し、コード変換情報で指定されるコードに変換して発音する。その後、次のステップSD11に進む。
ステップSD11では、セクション自動切り換えタイミングか否かを判断する。セクション自動切り換えタイミングであるときは、YESの矢印で示すステップSD6に戻る。セクション自動切替えタイミングでないときは、NOの矢印で示すステップSD12に進む。
イントロ及びフィルインセクションは、伴奏データの再生が終わり次第メインセクションに自動的に移行するように設定されている。よって、これらイントロ及びフィルインセクションの再生終了時は、セクション自動切替えタイミングである。
また、メインセクションの場合は他の指示があるまでは繰り返して再生すし、エンディングセクションの場合は、伴奏スタイルデータの再生自体が終了するので、これらはセクション自動切替えタイミングではない。
ステップSD12では、再生が終了するセクションが、エンディングセクションであるか、又は伴奏スタイルデータの再生終了タイミングであるかを判断する。エンディングセクションであるか、又は終了タイミングである場合は、YESの矢印で示すステップSD14に進む。どちらでもない場合は、NOの矢印で示すステップSD13に進む。
ステップSD13では、ユーザによるストップスイッチ(パネル操作子15)の操作を検出する。ストップスイッチの操作が検出されたら、自動伴奏の再生を停止して、YESの矢印で示す、ステップSD14に進む。ストップスイッチの操作が検出されない場合は、NOの矢印で示すステップSD15に進む。
ステップSD14では、自動伴奏再生モードを終了する。その後、次のステップSD15に進む。
ステップSD15では、後述するマニュアル演奏処理を行う。マニュアル演奏処理が終了したら、次のステップSD16に進む。
ステップSD16では、その他の処理を行う。その他処理には、自動伴奏再生のテンポの設定、再生音量の設定などが含まれる。その他処理が終了したら、ステップSD3に戻る。
図14は、図13のステップSD15で行うマニュアル演奏処理を表すフローチャートである。
ステップSE1では、マニュアル演奏処理を開始して、次のステップSE2に進む。
ステップSE2では、ユーザによる鍵盤(演奏操作子15)の操作を検出する。鍵盤の操作を検出したらYESの矢印で示す、ステップSE3に進む。鍵盤の操作を検出しないときは、NOの矢印で示すステップSE7に進む。
なお、このステップSE2では、図1の演奏操作子15の操作に加えて、又は代わりに、MIDIインターフェイス16に接続される電子楽器18の操作を検出してもよい。
ステップSE3では、操作された鍵に対応した楽音を発生する。すなわち、演奏操作子15又は、電子楽器18から入力される演奏信号(例えばMIDIのノートナンバー)に応じた楽音を音源回路12で発生させる。その後次のステップSE4に進む。
ステップSE4では、現在の設定がハーモニー発生モードか否かを判別する。ハーモニー発生モードであれば、YESの矢印で示すステップSE5に進む。ハーモニーモードでなければ、NOの矢印で示すステップSE7に進む。
ステップSE5では、設定されている、すなわちパネル設定記憶領域72から読み出され設定されているハーモニー種類、パラメータに基づきハーモニー音を生成する。その後、次のステップSE6に進む。
ステップSE6では、ステップSE5で生成されたハーモニー音の楽音を音源回路12で発生させる。その後、次のステップSE7に進む。
ステップSE7では、ユーザによるパッド(演奏操作子15)の操作を検出する。パッドの操作を検出したら、YESの矢印で示すステップSE8に進む。パッドの操作を検出しなければ、NOの矢印で示すステップSE9に進む。
ステップSE8では、操作されたパッドにアサインされている楽音を音源回路12で発生させる。その後、次のステップSE9に進む。
ステップSE9では、マニュアル演奏処理を終了して、図13のフローチャートに戻りステップSD16に進む。
以上本実施例に拠れば、基本伴奏データに対して、差し替え伴奏データを付与することが出来るので、既存伴奏スタイルデータを多少変更した伴奏スタイルデータを、オリジナリティを持たせて作成することができる。
また、差し替え伴奏データは、伴奏セクション単位又は伴奏トラック単位で作成できるため、所望のセクションやトラックのみを簡単に変更することができる。
さらに、本実施例に拠れば、基本コード変換情報を有する伴奏スタイルデータに対して、差し替えコード変換情報を付与することが出来るので、伴奏データ部分自体は同じで、コード変換特性だけを変えた伴奏データを容易に作成することができる。
また、差し替えコード変換情報は、伴奏セクション単位又は伴奏トラック単位で作成することが出来るので、所望のセクションやトラックのみのコード変換特性を簡単に変更することができる。
さらに、本実施例に拠れば、他の基本伴奏スタイルデータを伴奏セクション単位又は伴奏トラック単位で参照するための参照情報(基本伴奏データゴーストチャンクPGC)を持たせることが出来るので、セクション単位又はトラック単位で既存の他の伴奏データを取りこむことができる。
また、参照情報は、差し替え伴奏データとして動作するようにしたので、基本伴奏データの一部に他の伴奏データを取りこむことができるようになった。
さらに、本実施例に拠れば、他の基本コード変換情報を参照するための参照情報(基本コード変換情報ゴーストチャンクCGC)を持たせることが出来るので、伴奏データ部分自体は同じで、コード変換特性を変えた伴奏データを容易に作成することができる。
また、参照情報は、差し替えコード変換情報として動作することが出来るので、基本コード変換情報の一部に他のコード変換情報を取りこむことができるようになった。
さらに、本実施例に拠れば、パッドにアサインする楽音の種類を、バンク番号とプログラム番号で管理することが出来るので、多数の楽器で共通の伴奏データを利用することが出来る。
また、指定された楽音種類が楽器に備わっていない場合にも、他の楽音情報で代替することが出来るので、指定された楽音種類がなくても、代替発音が可能になる。
さらに、本実施例に拠れば、マニュアル演奏に付加されるハーモニー種類を、バンク番号とプログラム番号で管理することが出来るので、多数の楽器で共通の伴奏スタイルデータを利用することが出来る。
また、指定されたハーモニー種類が楽器に備わっていない場合にも、他のハーモニー種類で代替することが出来る。このため、指定された付加音種類が無くても、代替発音が可能になる。
なお、伴奏スタイルデータは、楽器にプリセットのデータでもよいし、ユーザが作成したデータでもよい。
また、基本伴奏ゴーストチャンク、基本コード変換情報ゴーストチャンクCGCは、パスで参照する基本伴奏データチャンクBPC、基本コード変換情報チャンクBCCの全データを対象としてもよいし、一部(セクション単位又はトラック単位)を対象としてもよい。その場合、「一部セクション又はトラックのゴーストチャンクと残りセクション又はトラックの実体データ」を記憶してもよいし、一部セクション又はトラックのゴーストチャンクを複数個」記憶してもよい。
ゴーストチャンクの参照情報は、絶対パス(ドライブ名¥フォルダ名¥ファイル名)で指定したが、相対パス(自分から見てのパス)で指定してもよい。例えば、同一ドライブ内のパスなら、ドライブ名を省略したり、同一フォルダ内のパスならフォルダ名も省略したりしてもよい。
フォルダ構造をより深い階層構造としてもよいし、参照情報をパスで指定するのではなく、他の情報(例えば、ファイル管理番号等)により指定してもよい。
ミキサー情報として、音量、音色、効果等の設定変更情報を記憶するようにしたが、これらすべてを備える必要は無く、少なくとも1つを有していればよい。
自動伴奏時のコードは、鍵盤等の演奏操作子からリアルタイムに供給してもよいし、コードシーケンサを再生することにより供給してもよい。
ミキサー情報、パネル設定情報、データベース情報の各チャンクは、必ずしも全て備えている必要はなく、必要に応じて0〜複数個を備えていればよい。
なお、伴奏データ(演奏データ)のフォーマットは、演奏イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した「イベント+相対時間」、演奏イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した「イベント+絶対時間」、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した「音高(休符)+符長」、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶した「ベタ方式」等、どのような形式でもよい。
また、自動伴奏データの処理方法は、設定されたテンポに応じて処理周期を変更する方法、処理周期は一定で、自動演奏データ中のタイミングデータの値を設定されたテンポに応じて変更する方法、処理周期は一定で、1回の処理において自動演奏データ中のタイミングデータの計数の仕方をテンポに応じて変更する方法等、どのようなものであってもよい。
さらに、複数チャンネル分の自動伴奏データの記憶方法としては、複数のチャンネルのデータが混在記憶された形式でもよいし、各チャンネルのデータがトラック毎に分かれて記憶されている形式でもよい。
さらに、またメモリ上において、時系列の演奏データが連続する領域に記憶されていてもよいし、飛び飛びの領域に散在して記憶されているデータを、連続するデータとして別途管理するようにしてもよい。すなわち、時系列的に連続するデータとして管理することができればよく、メモリ上で連続して記憶されているか否かは問題ではない。
なお、本実施例では、自動伴奏装置1は電子楽器の形態を取ったが、電子楽器の形態に限らず、パソコン+アプリケーションソフトウェアの形態でもよく、カラオケ装置や、ゲーム装置、携帯電話等の携帯型通信端末、自動演奏ピアノに適用してもよい。
携帯型通信端末に適用した場合、端末のみで所定の機能が完結している場合に限らず、機能の一部をサーバ側に持たせ、端末とサーバとからなるシステム全体として所定の機能を実現するようにしてもよい。
また、電子楽器の形態を取った場合、その形態は本実施例のような鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。
また、音源装置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するものであってもよい。
なお、本実施例は、本実施例に対応するコンピュータプログラム等をインストールした市販のコンピュータ等によって、実施させるようにしてもよい。
その場合には、本実施例に対応するコンピュータプログラム等を、CD−ROMやフロッピーディスク等の、コンピュータが読み込むことが出来る記憶媒体に記憶させた状態で、ユーザに提供してもよい。
そのコンピュータ等が、LAN、インターネット、電話回線等の通信ネットワークに接続されている場合には、通信ネットワークを介して、コンピュータプログラムや各種データ等をコンピュータ等に提供してもよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組合せ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1…自動伴奏装置、2…バス、3…RAM、4…ROM、5…CPU、6…タイマ、7…外部記憶装置、8…検出回路、9…パネル操作子、10…表示回路、11…ディスプレイ、12…音源回路、13…効果回路、14…サウンドシステム、15…演奏操作子、16…MIDI I/F、17…通信I/F、18…MIDI機器、19…通信ネットワーク、20…サーバコンピュータ、31…作業領域、32…パネル設定レジスタ、71…伴奏スタイルデータ記憶領域、72…パネル設定情報記憶領域、91…セクション選択スイッチ1、92…セクション選択スイッチ2、93…セクション選択スイッチ3、93…セクション選択スイッチ3