JP2006133319A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発生させた熱を蓄えることで、エネルギー効率を良くし、ウォームアップ時間の短縮を図ることができる定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱源23と、熱源23によって加熱される伝熱部材24と、伝熱部材24に圧接される加圧部材25と、少なくとも熱源23および伝熱部材24がそれぞれ収納された筐体30と、伝熱部材24の温度を制御する温度制御手段26とが備えられた定着装置4において、筐体30は、強制対流Cとの伝熱が阻害される密閉状態と、強制対流Cとの伝熱が行われる開放状態とに切り替え可能に形成され、ニップ部34に記録体Xを通過させて加熱加圧によるトナー像の定着を行う実行モードのとき、筐体30は開放状態になり、筐体34が密閉状態のときと開放状態のときとでは、制御温度、制御方式、または、制御方式におけるパルス幅若しくは電流量のうち、少なくとも一つについて変えられる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばレーザープリンタやレーザーファックス、デジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置に内蔵される定着装置、およびその定着装置が備えられた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム上をほぼ一様に帯電させた後、当該感光体ドラムをレーザースキャニングユニット等により露光して画像信号に応じた静電潜像を形成し、その後、現像器により帯電されたトナーを前記感光体ドラム上に供給して顕像化し、そのトナー像を転写紙などの記録体に転写する。記録体に転写されたトナー像は、記録体上に担持されているだけであって固定されていないため、画像形成装置に備えられた定着器によりトナー像を加熱加圧し、トナー像を熱溶融定着させて記録体上に固定された画像を形成する。
従来の定着器の基本構成として、筐体の内部に、ハロゲンランプが内蔵されたヒートローラーと、ヒートローラーに圧接されたプレスローラーと、ヒートローラーの温度を検知するサーミスタとがそれぞれ設けられた構成からなっている。この定着器によれば、ヒートローラーとプレスローラーとが圧接されて形成されたニップ部を通過するトナー像は、ハロゲンランプの輻射熱によって加熱されたヒートローラーの熱によって加熱されるとともに、ヒートローラーとプレスローラーとの圧接によって加圧され、記録体に定着される。筐体には、記録体が搬入される搬入口及び記録体が搬出される搬出口がそれぞれ形成されており、搬入口からトナー像を担持する記録体が筐体内に搬入され、搬出口から定着済みの記録体が筐体外に搬出される(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、電子写真方式の画像形成装置において用いられる、トナー像を形成するトナー(熱可塑性樹脂粉末)の保存温度は50℃〜70℃程度以下であり、トナーケース等が前記保存温度より高温になると、流動性が劣化して搬送特性が悪くなることや固着が発生し、装置の故障の要因となる。また、レーザースキャニングユニットには、樹脂レンズやレーザーダイオード等が備えられているが、樹脂レンズは、温度上昇により形状や屈折率が変化することがあり、レーザーダイオードは高温下で発振不良を起こすことがあるため、レーザースキャニングユニットが高温に晒されると光特性が劣化する場合がある。さらに、画像形成装置の内部のその他の部品についても高温に晒されると、部品特性を劣化する場合がある。
一方、トナー像が熱溶融される温度は約150℃〜200℃程度であり、トナー像を定着させる際、ニップ部の温度を上記温度(定着温度)まで加熱する必要があるが、ニップ部の温度を定着温度まで加熱させると、定着器からの放射や伝熱、対流等によって、画像形成装置の内部が加熱されて高温状態になり得る。したがって、従来、画像形成装置にはファン等が内蔵されており、このファン等によって特に定着器の周りに強制対流を発生させて画像形成装置の内部を冷却することが行われている。
近年、待機時に、定着器の温度を低い温度で制御したり、常温まで温度を下げることで省エネルギーを図ることができる画像形成装置が提供されている。しかし、大型機の場合、定着器も大型化し、その熱容量も大きくなるため、待機温度や常温から定着温度まで加熱するのに要する時間(ウォームアップ時間)が長くなり、使用開始までの待ち時間が長くなる。そのため、定着器のヒートローラーを薄肉化する等の低熱容量化を行うことで加熱時間を短くする方法が提案されている。
特開2004−13024号公報
しかしながら、上記した従来の画像形成装置に備えられた定着器では、筐体に記録体が搬出入される搬入口及び搬出口がそれぞれ形成されているため、ファン等によって筐体の周囲に発生させられた強制対流が搬入口や搬出口付近を通過し、筐体内部と強制対流との伝熱が行われ、筐体内の熱が強制対流に奪われることになる。つまり、定着器を定着温度まで加熱させる際には、筐体内部が、ハロゲンランプによる加熱と強制対流による冷却とが併行して行われることになり、エネルギー効率が悪く、ウォームアップ時間が長くなるという問題が存在する。また、待機中、筐体内部の熱が強制対流によって積極的に奪われるため、待機中の温度を定着温度よりも若干低い温度で保つ際には、ハロゲンランプによる加熱と強制対流による冷却とが併行して行われることになり、エネルギー効率が悪くなる。また、定着器のヒートローラーを薄肉化する等の低熱容量化を行う方法では限界があり、近年の大型化された画像形成装置では大きな熱容量が必要となり、ウォームアップ時間が長いという問題が存在する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、発生させた熱を蓄えることで、エネルギー効率を良くし、ウォームアップ時間の短縮を図ることができる定着装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、熱源と、該熱源によって加熱される伝熱部材と、該伝熱部材に圧接される加圧部材と、少なくとも前記熱源および前記伝熱部材がそれぞれ収納された筐体と、該筐体内に配置された温度検知センサによって検知された検知温度に基づいて、前記伝熱部材の温度を制御する温度制御手段とが備えられ、前記記録体を挟持搬送しながら、前記伝熱部材と前記加圧部材との圧接により形成されるニップ部で加熱加圧により前記トナー像を前記記録体に定着させる定着装置において、前記筐体は、該筐体の内部が外部と遮断されて、前記筐体内部と前記筐体外部に発生した強制対流との伝熱が阻害される密閉状態と、前記筐体の少なくとも一部が開かれて前記筐体内部と前記筐体外部に発生する強制対流との伝熱が行われる開放状態とに切り替え可能に形成され、前記トナー像が前記記録体に定着可能な温度になっている前記ニップ部に前記記録体を通過させて、加熱加圧による前記トナー像の定着を行う実行モードのとき、前記筐体は、前記開放状態になり、前記筐体が密閉状態のときの前記ニップ部における温度のオーバーシュートの増大を抑止するべく、前記筐体が密閉状態のときと開放状態のときとでは、前記温度制御手段における制御温度、前記検知温度に基づいて前記熱源を制御する制御方式、または、該制御方式におけるパルス幅若しくは前記熱源の電流量のうち、少なくとも一つについて変えられることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、前記トナー像を溶融加圧固定するために準備する準備モードのとき、前記筐体が密閉状態になるとともに、前記制御温度が前記定着温度よりも低い温度に設定されることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の定着装置において、前記筐体内部の温度が異常上昇したときに、前記筐体は開放状態になることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の定着装置において、前記筐体内部の温度が異常上昇したときに前記熱源の回路を強制的に遮断する安全装置が備えられていることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、記録体にトナー像を静電気的に転写させる画像形成手段と、少なくとも前記筐体の周囲に強制対流を発生させる強制対流発生手段とが備えられている画像形成装置において、請求項1から4記載の定着装置が備えられていることを特徴としている。
本発明に係る請求項1に記載された定着装置によれば、筐体が、筐体内部が外部と遮断されて筐体内部と強制対流との伝熱が阻害される密閉状態と、筐体の少なくとも一部が開かれて筐体内部と強制対流との伝熱が行われる開放状態とに切り替え可能に形成されているため、筐体が密閉状態のとき、筐体内部と強制対流との伝熱が阻害され、筐体内部の熱が強制対流に奪われることがなく、筐体内部に発生させられた熱を蓄えることができる。これによって、加熱を効果的に行うことができるとともに熱源を切ったときの温度低下を抑止することができ、エネルギー効率を向上さ、ウォームアップの時間の短縮することができる。また、少なくとも、実行モードのとき、筐体が開放状態になるため、トナー像が担持された記録体を筐体内に取り込むことができるとともに、トナー像が定着された記録体を筐体外に送り出すことができる。また、筐体が密閉状態にある場合と開放状態にある場合とでは、同じ熱量を同一時間で加熱しても冷却効率によって温度上昇率が異なるため、筐体が密閉状態になるとニップ部の温度がオーバーシュートし易くなるが、本発明に係る請求項1に記載された定着装置によれば、筐体が密閉状態のときと開放状態のときとで、制御温度、制御方式、またはパルス幅若しくは電流量のうち少なくとも一つについて変えられることで、密閉状態のときのオーバーシュート増大が抑止され、ニップ部の温度を適当な温度に制御することができる。
また、本発明に係る請求項2に記載された定着装置によれば、準備モードのとき、筐体が密閉状態になるとともに、制御温度が定着温度よりも低い温度に設定されるため、エネルギーロスの低減を図ることができる。なお、紙等の記録体を給紙してからその記録体が定着装置に到達するまでには時間がかかるため、この時間でニップ部の温度を定着温度まで上昇させればよい。
また、本発明に係る請求項3に記載された定着装置によれば、筐体内部の温度が異常上昇したときに筐体が開放状態になることによって、異常時に、筐体内部と強制対流との伝熱が行われ、異常上昇した筐体内部の温度を低下させることができる。
また、本発明に係る請求項4に記載された定着装置によれば、筐体内部の温度が異常上昇したときに熱源の回路を強制的に遮断する安全装置が備えられていることによって、異常時に、筐体内部の温度が上昇し過ぎることを防止することができ、これによって、部品などが焼けることを防止することができる。
また、本発明に係る請求項5に記載された画像形成装置によれば、エネルギー効率の良く、ウォームアップ時間が短縮された画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の第一,第二,第三の実施の形態について、図面に基いてそれぞれ説明する。
[第一の実施の形態]
図1は、画像形成装置1の主要部の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態による画像形成装置1には、搬送ユニット2と、搬送ユニット2上に配設されて紙等のシート(記録体)Xにトナー像を静電気的に転写させる複数の画像形成ユニット(画像形成手段)3M、3Y、3C、3BKと、シートXを挟持搬送しつつ、シートX上に担持されたトナー像をシートXに溶融加圧固定(定着)させる定着器(定着装置)4と、画像形成装置1の内部に強制対流Cを発生させて画像形成装置1内の温度上昇を抑えるファン(強制対流発生手段)5とが備えられている。
図1は、画像形成装置1の主要部の概略構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態による画像形成装置1には、搬送ユニット2と、搬送ユニット2上に配設されて紙等のシート(記録体)Xにトナー像を静電気的に転写させる複数の画像形成ユニット(画像形成手段)3M、3Y、3C、3BKと、シートXを挟持搬送しつつ、シートX上に担持されたトナー像をシートXに溶融加圧固定(定着)させる定着器(定着装置)4と、画像形成装置1の内部に強制対流Cを発生させて画像形成装置1内の温度上昇を抑えるファン(強制対流発生手段)5とが備えられている。
ここで予め、画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKについて説明する。
画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKは、感光体ドラム(像担持体)6を帯電させ、帯電された感光体ドラム6表面上にレーザー光11を走査させて露光を行い、露光によって形成された潜像の現像を行い、現像によって形成された顕像(トナー像)を後述する転写ベルト10によって搬送されたシートXに転写するものである。複数ある画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKは、ここでは、後述する転写ベルト10に沿ってその移送方向に順に配置されるものであり、転写ベルト10の移送方向を基準に、最上流側からそれぞれマゼンタ、イエロー、シアン、ブラック各色のトナー像を形成するものである。画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKには、感光体ドラム6、露光装置(露光手段)7、現像器(現像手段)8、帯電ローラー9およびクリーニング手段19がそれぞれ備えられている。
画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKは、感光体ドラム(像担持体)6を帯電させ、帯電された感光体ドラム6表面上にレーザー光11を走査させて露光を行い、露光によって形成された潜像の現像を行い、現像によって形成された顕像(トナー像)を後述する転写ベルト10によって搬送されたシートXに転写するものである。複数ある画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKは、ここでは、後述する転写ベルト10に沿ってその移送方向に順に配置されるものであり、転写ベルト10の移送方向を基準に、最上流側からそれぞれマゼンタ、イエロー、シアン、ブラック各色のトナー像を形成するものである。画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKには、感光体ドラム6、露光装置(露光手段)7、現像器(現像手段)8、帯電ローラー9およびクリーニング手段19がそれぞれ備えられている。
感光体ドラム6は像担持体の一例であり、図1に示す矢印方向に軸回転するものであり、露光装置7からのレーザー光11が照射されて表面に潜像を形成するものである。
露光装置7は、微小スポットに結像されたレーザー光11を、感光体ドラム6上の露光位置において、感光体ドラム6の回転軸に平行な直線上を一定方向に走査させるものである。
露光装置7は、微小スポットに結像されたレーザー光11を、感光体ドラム6上の露光位置において、感光体ドラム6の回転軸に平行な直線上を一定方向に走査させるものである。
現像器8は、潜像を現像してトナー像を形成するものであって、所定の色を有する粉体のトナーを摩擦帯電させて、負電荷を帯びさせ、露光により非露光部分に対して相対的に正電位とされた感光体ドラム6の露光部分にトナーを供給して、トナーを感光体ドラム6の表面に付着させるものである。現像器8内には、トナーと、トナーを攪拌して帯電させる攪拌器12dと、帯電したトナーを現像ローラー12a側に搬送する供給ローラー12cと、供給ローラー12cで供給されたトナーをその帯電電化によるクーロン力で表面に付着させ、感光体ドラム6近傍に搬送する現像ローラー12aと、現像ローラー12a上でトナーの層厚を一定厚さに規制するための現像ブレード12bとが設けられている。
クリーニング手段19は、感光体ドラム6に当接して感光体ドラム6表面のトナーを除去する感光体ドラムクリーニングローラー19aと、クリーニングローラ19aの近傍に配置され該クリーニングローラ19aによって除去されたトナーを収集する図示せぬ箱体とから構成される。
帯電ローラー9は、画像形成時に感光体ドラム6の表面電位を所定電位とするためのもので、金属軸に導電性を付与した弾性体によりローラー部が構成され、感光体ドラムクリーニングローラー19の下流側の帯電位置で感光体ドラム6と当接する。そして、図示しない軸受けをバネなどの付勢手段により押圧することにより、帯電ローラー9が感光体ドラム6に対して所定圧力で押し当てられるものである。その結果、ローラー部が変形して感光体ドラム6に対して周方向に所定幅で当接するニップ部が形成され、帯電ローラー9に直流電圧が印加されたとき、感光体ドラム6表面を所定電位に帯電できるようになっている。また、帯電ローラー9には、帯電ローラークリーニングローラー21が当接しており、帯電ローラー9表面の汚れを除去するようになっている。
次に、搬送ユニット2について説明する。搬送ユニット2には、内周部に配設された従動ローラー13a,13b、13cおよびテンションローラー14により一方向に循環移動される無端状の転写ベルト10と、転写ベルト10の外周側にあって転写ベルト10を介して従動ローラー13a側に押圧される駆動ローラー15と、転写ベルト10を感光体ドラム6に転写位置で当接させるように保持される転写ローラー16aと、転写ベルト10にクリーニングブレードを当接して転写ベルト10表面の付着物をかき落とし、かき落された付着物を回収するスペースを備えるベルトクリーニングユニット17とが備えられている。
駆動ローラー15は、バネなどの付勢手段により、従動ローラー13a側に押圧されている。駆動ローラー15が図示しない駆動手段により回転駆動すると、駆動ローラー15と従動ローラー13aに挟持された転写ベルト10を、図示した矢印の方向に循環移動させる。
転写ベルト10の材質は、シートXを挟んで感光体ドラム6と対向したとき、裏面に当接する転写ローラー16aに印加された転写電圧により感光体ドラム6上のトナーを吸引できるようにした例えば誘電体シートが用いられる。また、転写ベルト10は光を反射させる光反射特性を有するものである。
転写ベルト10の材質は、シートXを挟んで感光体ドラム6と対向したとき、裏面に当接する転写ローラー16aに印加された転写電圧により感光体ドラム6上のトナーを吸引できるようにした例えば誘電体シートが用いられる。また、転写ベルト10は光を反射させる光反射特性を有するものである。
転写ローラー16aは、例えば、金属製の回転軸に導電性または半導電性の合成ゴムなどでローラー部が形成されており、その回転軸には転写用高圧電源(図示省略)が接続され、ローラー部の表面電位が制御されるようになっている。
ここで、転写ローラー16aと、そのローラー部の表面電位を制御する制御部16とによって、画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKによって形成される顕像を、転写ベルト10によって搬送されるシートXに静電的に転写する転写ユニット18が構成される。
ここで、転写ローラー16aと、そのローラー部の表面電位を制御する制御部16とによって、画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKによって形成される顕像を、転写ベルト10によって搬送されるシートXに静電的に転写する転写ユニット18が構成される。
次に、定着器4について説明する。定着器4は、搬送ユニット2の先方に配置されており、画像形成装置1内に形成された固定台22の上に設置されている。
図2(a)及び図2(b)は共に定着器4の構成を表す概略図であり、図3は定着器4の端部の斜視図である。図2(a),図2(b),図3に示すように、定着器4には、棒状の熱源23と、熱源23によって加熱される丸管状の伝熱部材24と、伝熱部材24に圧接される円柱形状の加圧部材25と、伝熱部材24の温度を制御する温度制御装置(温度制御手段)26と、後述する筐体28内部の温度を感知して所定温度で熱源23を強制的にオフにする安全装置(温度上昇抑止手段)27と、熱源27,伝熱部材24,加圧部材25,温度制御装置26及び安全装置27がそれぞれ収納され、且つシートXが搬出入される搬入口28および搬出口29がそれぞれ形成された箱状の筐体30と、搬入口28および搬出口29をそれぞれ塞ぐ閉塞部材31と、2つの閉塞部材31をそれぞれ開閉させる開閉機構32と、加圧部材25をシートXの搬送方向に軸回転させる駆動機構33とが備えられている。
熱源23は、例えばハロゲンランプ等からなり、熱を発する本体部23aが、管状の伝熱部材24の一端側からその内部の略中心に挿入されている。また、熱源23のベース部(基端部)23bは、筐体30の一端面を貫通して設けられており、筐体30の外に突出したベース部23bの端部には、図示せぬ電源回路に接続されたリード線23cが接続されている。
ここで、熱源23として用いられるハロゲンランプについて説明する。ハロゲンランプは、一般に知られているように、ガラス管内に封入されたタングステンからなるフィラメントに通電することでフィラメントが発光するものであり、ガラス管内には微量のハロゲン族元素を含むガスが封入されている。フィラメントに電流が流れて高温になると、フィラメントからタングステン原子が蒸発し、このタングステン原子がガラス管内に封入されたガスのハロゲン原子と結合してハロゲン化タングステンを形成する。このハロゲン化タングステンは高温になるとハロゲン原子とタングステン原子とに分解されるため、高温のフィラメント付近でハロゲン原子とタングステン原子とに分離して、タングステン原子は再びフィラメントに戻り、ハロゲン原子はフィラメントから蒸発したタングステン原子と結合される(ハロゲンサイクル)。このハロゲンサイクルによって、ハロゲンランプには、管壁の汚れを防止するとともにフィラメントの消耗も少なくなり、寿命が長くなるというメリットが生じる。
したがって、熱源23を制御する際、ハロゲンサイクル以下のON時間ではハロゲンサイクルが適当に行われず、タングステン原子の蒸発が多くなって断線し易くなるため、一定時間以上のON時間が必要である。また、ハロゲン化タングステンを分解してタングステン原子をフィラメントに戻すには、フィラメント温度が一定以上の高温になっていることが必要であるため、ハロゲンランプを一定温度以上の高温で点灯させることが必要である。さらに、フィラメントの抵抗は低温で小さく高温で大きくなるため、ハロゲンランプを高温で点灯させる方が、電流量が小さくなり消費電力も低減される。一方、ハロゲンランプを高温でON時間を長くするとオーバーシュートが大きくなる。そこで、ハロゲンランプの最適なON時間を設定する必要がある。
伝熱部材24は、例えばアルミやステンレス,鉄等の熱伝導性に優れた材料からなり、熱源23からの輻射熱によって加熱される。伝熱部材24の表面は、トナーの付着を防ぐため、耐熱性に優れたフッ素樹脂やフッ素樹脂の変成体(ポリテトラフルオロエチレン等)によってコーティングされている。また、伝熱部材24は、軸回転可能に保持されている。
加圧部材25は、伝熱部材24の軸線方向と平行に配置されているとともに、伝熱部材24に圧接された状態で伝熱部材24と対向して配置されている。加圧部材25は、金属製の芯材25aにシリコンゴム等の耐熱弾性層25bを巻き付けた構成からなり、加圧部材25の表面は、付着防止のため、耐熱性に優れたフッ素樹脂やフッ素樹脂の変成体(例えばポリテトラフルオロエチレン)等によってコーティングされている。この加圧部材25は、機械的に伝熱部材24に加圧しており、伝熱部材24と加圧部材25との圧接によりニップ部34が形成される。
上記した伝熱部材24および加圧部材25によってシートXが挟持搬送される。シートXに担持されたトナー像は、ニップ部34を通過する際、伝熱部材24の熱で加熱溶融されるとともに、加圧部材25の圧力によって加圧され、シートXに定着される。
安全装置27は、2本のリード線27aの端子27b間が可溶体27cを介して接続された構成からなり、熱源23の図示せぬ電源回路中に介装され、筐体30内の温度が異常上昇したときに、内包された可溶体27cが溶断され、熱源23の電源回路が遮断されるものである。可溶体27cが溶断される温度は適宜変更可能であり、例えば、定着温度E6が180℃の場合に、安全装置27の設定温度を240℃に設定する。この場合、筐体30内の温度が240℃まで異常上昇したときに、可溶体27cが溶断され、熱源23の電源がオフになる。
筐体30は、箱状に形成された構造体37と、構造体37の内側面に設けられた断熱材38とから構成されている。断熱材38は、気体泡を含有したシリコン発泡体からなり、構造体37の内側面に隙間無く敷き詰められており、筐体30内部に収納された熱源23、伝熱部材24、加圧部材25、温度制御装置26および安全装置27の周囲に配置されている。なお、断熱材38として、略真空泡を含有したシリコン発泡体を使用してもよい。
また、筐体30に形成された搬入口28および搬出口29は、筐体30の長手方向の対向する側面にそれぞれ形成されており、ニップ部34の後側に搬入口28が形成され、ニップ部34の前側に搬出口29が形成されている。搬入口28および搬出口29は、伝熱部材23及び加圧部材24の軸線方向と平行する方向にそれぞれ延在されている。搬入口28及び搬出口29の上下端には、搬送されるシートXを案内する薄板状のガイド39がそれぞれ付設されている。搬入口28及び搬出口29の上端にそれぞれ設けられたガイド39は、搬入口28及び搬出口29の上端から斜め下方に向けて設置されており、搬入口28及び搬出口29の下端にそれぞれ設けられたガイド39は、搬入口28及び搬出口29の下端から斜め上方に向けて設置されている。
閉塞部材31は、上記した筐体30と同様に、板状の構造体40と、搬入口28や搬出口29と対向する構造体40の内側面に設けられた気体泡を含有したシリコン発泡体からなる断熱材41とから構成されている。また、閉塞部材31は、搬入口28や搬出口29よりも大きく形成されており、筐体30の側面に密着された状態で上下方向にスライド移動可能に保持されている。なお、断熱材41として、略真空泡を含有したシリコン発泡体を使用してもよい。
閉塞部材31を開閉させる開閉機構32は、閉塞部材31を上下に移動させて開け閉めする機構である。開閉機構32としては、例えばラックとピニオンを利用する機構やカム機構等、閉塞部材31を適宜止めることが可能であって閉塞部材31の開き具合(開度)を調整できる機構が好ましいが、例えばバネを利用した機構やソレノイド機構等、閉塞部材31を開けることと閉めることを択一的に選択する機構であってもよい。開閉機構32は、閉塞部材31を挟持するように、閉塞部材31の両側にそれぞれ設けられており、両側の開閉機構32は同期して駆動する構成からなっている。
上記した閉塞部材31が開閉機構32によって開閉されることによって、筐体30は、図2(a)に示すように、筐体30の内部が外部と遮断されて筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が阻害される密閉状態と、図2(b)に示すように、筐体30の両側面が開かれて筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が行われる開放状態とに切り替えられる。つまり、閉塞部材31が閉じられているとき、筐体30の内部は密閉状態となり、一方、閉塞部材31が開けられているとき、筐体30の内部は開放状態となる。
温度制御装置26には、伝熱部材24の表面上に配置されて伝熱部材24の現状温度を検知するサーミスタ(温度センサ)35と、サーミスタ35によって検出された現状温度の情報に基づいて熱源23を制御する制御部36とから構成されている。サーミスタ35は、ニップ部34の上流側にある検温点Aに配置されており、サーミスタ35によって検温点Aの温度が測定される。上流側とは、軸回転する伝熱部材24の回転方向の後側を意味し、検温点Aは、図2(a),図2(b)において伝熱部材24の右側半分の範囲内にある。
温度制御装置26における制御温度および制御方式は、筐体30が密閉状態のときと開放状態のときとでそれぞれ変えられる。つまり、温度制御装置26における制御温度には、閉塞部材31が開けられて筐体30が開放状態になっている場合に用いられる第1の制御温度と、閉塞部材31が閉じられて筐体30が密閉状態になっている場合に用いられる第2の制御温度があり、第2の制御温度は第1の制御温度よりも低い温度で設定されている。また、温度制御装置26における制御方式には、閉塞部材31が開けられて筐体30が開放状態になっている場合に用いられる第1の制御方式と、閉塞部材31が閉じられて筐体30が密閉状態になっている場合に用いられる第2の制御方式とがあり、第2の制御方式は、第1の制御方式よりもニップ部34における温度のオーバーシュートが小さくなる方式である。
例えば、100V仕様でガラス管温度が200度以上、フィラメント温度が800度以上、ON時間が5秒以上必要なハロゲンランプを熱源23として使用する。この場合、筐体30が開放状態になっているときには、第1の制御方式としてON−OFF制御を行い、第1の制御温度を175度、オーバーシュートを200度で行い、筐体30が密閉状態になっているときには、第2の制御方式としてPWM制御を行い、第2の制御温度を120度、デューティサイクルを7.5秒とする。
図3に示すように、駆動機構33は、伝熱部材24の端部に設けられた第一のギア42と、加圧部材25の端部に設けられて第一のギア42に噛合された第二のギア43と、画像形成装置1内に内蔵された動力源44の動力を加圧部材25に伝達する伝達部45とから構成されている。動力源44は、画像形成装置1内に配置されたギア46やベルト47等によって回転するギアである。伝達部45は、筐体30内に配置されて第二のギア43に噛合された第三のギア48と、筐体30外に配置されて動力源44に噛合された第四のギア49と、筐体30の一端面に軸回転可能に貫設されて第三のギア48と第四のギア49を繋ぐ軸材50とから構成されている。軸材50は、第三のギア48の中心部と第四のギア49の中心部との間に介装されており、第四のギア49の動力が軸材50を介して第三のギア48に伝達される。
次に、画像形成装置1内を冷却するファン5について説明する。
図1に示すように、ファン5は、定着器4の周囲に設置されており、特に筐体30の周囲に強制対流Cを発生させるものである。この強制対流Cに筐体30が晒されることによって、筐体27の熱は、強制対流Cとの伝熱で熱が奪われて冷却される。また、図2(a),図2(b)に示すように、閉塞部材31が開けられて筐体30が開放状態のとき、筐体30の内部と強制対流Cとの伝熱によって、筐体30の内部の熱が奪われて筐体30の内部は冷却される。
図1に示すように、ファン5は、定着器4の周囲に設置されており、特に筐体30の周囲に強制対流Cを発生させるものである。この強制対流Cに筐体30が晒されることによって、筐体27の熱は、強制対流Cとの伝熱で熱が奪われて冷却される。また、図2(a),図2(b)に示すように、閉塞部材31が開けられて筐体30が開放状態のとき、筐体30の内部と強制対流Cとの伝熱によって、筐体30の内部の熱が奪われて筐体30の内部は冷却される。
次に、上述した定着器4の動作について説明する。図4は定着器4の動作を表すフローチャート図であり、図5は定着器4の温度変化を示す表であり、定着器4の動作の一例を示す表である。
図2(a),図2(b),図4,図5に示すように、定着器4の動作状態には、定着器4を稼動させてトナー像を溶融加圧固定するために準備する準備モードRと、短時間で稼動できる状態に待機する待機モードW1,W2,W3,W4と、画像形成装置1の機能が停止しているスリープモードSと、定着器4を稼動させてシートX上のトナー像を定着させる実行モードPとがある。
ここで、まず、各モードについて説明する。
準備モードRは、ニップ部34の温度を準備温度E5まで上昇、又は準備温度E5で維持する状態である。準備温度E5は、起動からシートXが定着器4に到達するまでの時間(5〜6秒程度で)の間に定着温度E6に調節することが可能な温度であり、このときの制御温度は定着温度E6よりも低い温度で設定されている。例えば、光操作装置である図示せぬポリゴンモーターが起動から目的回転数である約35000rpmに達するまでに3秒かかり、その後シートXが定着器4に到達するまでに2.5秒かかるとし、その5.5秒の間で定着器4の温度を35度上昇させることができる場合、準備モードRのときの制御温度は定着温度よりも35度低い温度で設定される。
準備モードRは、ニップ部34の温度を準備温度E5まで上昇、又は準備温度E5で維持する状態である。準備温度E5は、起動からシートXが定着器4に到達するまでの時間(5〜6秒程度で)の間に定着温度E6に調節することが可能な温度であり、このときの制御温度は定着温度E6よりも低い温度で設定されている。例えば、光操作装置である図示せぬポリゴンモーターが起動から目的回転数である約35000rpmに達するまでに3秒かかり、その後シートXが定着器4に到達するまでに2.5秒かかるとし、その5.5秒の間で定着器4の温度を35度上昇させることができる場合、準備モードRのときの制御温度は定着温度よりも35度低い温度で設定される。
待機モードW1,W2,W3,W4は、ニップ部34の温度を、所定の待機温度E1,E2,E3,E4まで上昇若しくは下降、又は待機温度E1,E2,E3,E4で維持する状態である。待機モードW1,W2,W3,W4には、待機温度E1,E2,E3,E4が段階的に変えられて複数設定されており、複数の待機モードW1,W2,W3,W4の待機温度E1,E2,E3,E4は、定着温度E6よりも低く且つ室温E0よりも高い温度の範囲内でそれぞれ設定されている。
また、複数の待機モードW1,W2,W3,W4は、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けて筐体30の内部を開放状態にする第一の待機モードW1,W2と、双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じて筐体30の内部を密閉状態にする第二の待機モードW3,W4とに大別される。第一の待機モードW1,W2の待機温度E1,E2は、第二の待機モードW3,W4の待機温度E3,E4よりも低い。つまり、待機温度E3,E4が一定の温度よりも高い待機モードW3,W4の場合は、双方の閉塞部材31はそれぞれ閉じられて筐体30の内部が密閉状態となり、待機温度E1,E2が一定の温度よりも低い待機モードW1,W2の場合は、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられて筐体30の内部が開放状態となる。なお、このとき、双方の閉塞部材31のうち片方だけを開けて筐体30を開放状態にしてもよく、双方の閉塞部材31のうち少なくとも一方を開ければよい。
スリープモードSは、ニップ部34の温度を、室温E0程度まで冷却、又は室温E0程度で維持する状態である。スリープモードSのとき、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられて、筐体30の内部は開放状態となる。また、スリープモードSのとき、熱源23の電源が切られて熱源23はオフの状態となっており、また、温度制御装置26も機能停止されて作動していない状態になる。なお、このとき、双方の閉塞部材31のうち片方だけを開けて筐体30を開放状態にしてもよく、双方の閉塞部材31のうち少なくとも一方を開ければよい。
実行モードPは、定着温度E6まで加熱されたニップ部34にシートXを通過させて、伝熱部材24の熱による加熱、および伝熱部材24と加圧部材との圧接による加圧によって、トナー像の定着を行う状態である。実行モードPのとき、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられて、筐体30の内部は開放状態となる。なお、閉塞部材31は、シートXが搬入口28や搬出口29を通過するときに開けられていればよく、例えば、実行モードPの始めの時点では、搬出口29側の閉塞部材31を閉じておき、定着後のシートXが搬出口29から搬出される時点で搬出口29側の閉塞部材31を開け、シートXが搬入口28を通過した時点で、搬入口28側の閉塞部材31を閉じてもよい。
また、画像形成装置1の主電源が切れた状態のとき、定着器4は、その機能が停止状態となり、ニップ部34の温度を、室温E0程度まで冷却、又は室温E0程度で維持する状態となる。このとき、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられて、筐体30の内部は開放状態となる。また、熱源23の電源が切られて熱源23はオフの状態となっており、さらに、温度制御装置26も機能停止されて作動していない状態になる。なお、このとき、双方の閉塞部材31のうち片方だけを開けて筐体30を開放状態にしてもよく、双方の閉塞部材31のうち少なくとも一方を開ければよい。
次に、定着器4の動作について具体的に説明する。
まず、画像形成装置1の主電源が入れられると、定着器4は待機モードW4の状態になり、室温E0程度の温度であるニップ部34を熱源23からの加熱によって最も高い待機温度E4まで加熱し、且つ待機温度E4で維持されるように温度調整を行う。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じて筐体30の内部を密閉状態にする。また、このとき、温度制御装置26は、PWM制御等の第2の制御方式によって熱源23を制御するとともに、待機モードW4における第2の制御温度に設定される。
まず、画像形成装置1の主電源が入れられると、定着器4は待機モードW4の状態になり、室温E0程度の温度であるニップ部34を熱源23からの加熱によって最も高い待機温度E4まで加熱し、且つ待機温度E4で維持されるように温度調整を行う。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じて筐体30の内部を密閉状態にする。また、このとき、温度制御装置26は、PWM制御等の第2の制御方式によって熱源23を制御するとともに、待機モードW4における第2の制御温度に設定される。
次に、画像形成装置1が操作されて使用開始の準備がされると、待機モードW4の状態にある定着器4が準備モードRに切り替わる。このとき、ニップ部34を熱源23からの加熱によって準備温度E5まで加熱し、且つ温度制御装置26によって準備温度E5を維持する。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じられたままの状態であり、筐体30の内部は密閉状態になっている。また、温度制御装置26は、引き続きPWM制御等の第2の制御方式によって熱源23を制御するとともに、準備モードRにおける第2の制御温度に設定される。
次に、画像形成装置1が操作されて印刷が開始されると、定着器4が実行モードPに切り替わる。このとき、ニップ部34を熱源23からの加熱によって定着温度E6まで加熱し、且つ温度制御装置26によって定着温度E6を維持する。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けて、トナー像を担持したシートXを搬入口28から筐体30内に搬送させるとともに、ニップ部34を通過した定着後のシートXを搬出口29から筐体30外に搬送させる。また、閉塞部材31が開けられると、温度制御装置26は、ON―OFF制御等の第1の制御方式に切り替えられるとともに、実行モードPにおける第1の制御温度に設定される。
印刷が完了すると、定着器4が準備モードRに切り替わる。準備モードRに切り替わると、熱源23がオフになってニップ部34の温度が準備温度E5まで下降する。そして、温度制御装置26によって準備温度E5を維持する。このとき、閉塞部材31は閉じられ、温度制御装置26は、第2の制御方式に切り替えられるとともに、準備モードRにおける第2の制御温度に設定される。
その後、続けて印刷を行う操作が行われた場合は、定着器4が上記した実行モードPに再び切り替わり、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けて定着作業を行う。一方、準備温度E5に切り替わった後、印刷を続けて行わず、画像形成装置1が操作されないまま所定のモード切替時間T1が経過すると、定着器4は待機モードW4に切り替わる。待機モードW4に切り替わると、熱源23がオフになってニップ部34の温度が待機温度E4まで徐々に下降する。そして、温度制御装置26によって待機温度E4を維持する。
待機モードW4に切り替わった後、画像形成装置1が操作されないまま所定のモード切替時間T2が経過すると、定着器4は、待機温度が一段下の待機モードW3に切り替わる。待機モードW3に切り替わると、熱源23がオフになってニップ部34の温度が待機温度E3まで徐々に下降する。そして、温度制御装置26によって待機温度E3を維持する。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じられたままの状態であり、筐体30の内部は密閉状態になっており、温度制御装置26は、第2の制御方式で熱源23を制御するとともに、待機モードW3における第2の制御温度に設定される。
待機モードW3に切り替わった後、更に画像形成装置1が操作されないまま所定のモード切替時間T3が経過すると、定着器4は、待機温度が更に一段下の待機モードW2に切り替わる。待機モードW2に切り替わると、熱源23がオフになるとともに、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けられ、筐体30の内部が開放状態にとなり、ニップ部34の温度が待機温度E2まで下降する。そして、温度制御装置26によって待機温度E2を維持する。このとき、温度制御装置26は、第1の制御方式に切り替わるとともに、待機モードW2における第1の制御温度に設定される。
待機モードW2に切り替わった後、更に画像形成装置1が操作されないまま所定のモード切替時間T4が経過すると、定着器4は、待機温度が更に一段下の待機モードW1に切り替わる。待機モードW1に切り替わると、熱源23がオフになり、ニップ部34の温度が待機温度E1まで下降する。そして、温度制御装置26によって待機温度E1を維持する。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けられたままの状態であり、筐体30の内部は開放状態になっており、温度制御装置26は、引き続き第1の制御方式で熱源23を制御するとともに、待機モードW1における第1の制御温度に設定される。
待機モードW1に切り替わった後、更に画像形成装置1が操作されないまま所定のモード切替時間T5が経過すると、定着器4は、スリープモードSに切り替わる。スリープモードSに切り替わると、熱源23がオフになり、ニップ部34の温度が室温E0まで下降する。このとき、双方の閉塞部材31をそれぞれ開けられたままの状態であり、筐体30の内部は開放状態になっており、温度制御装置26は、引き続き第1の制御方式で熱源23を制御するとともに、スリープモードSにおける第1の制御温度に設定される。
また、図4に示すように、各待機モードW1,W2,W3,W4やスリープモードSのときに、画像形成装置1が操作されて使用開始の準備がされると、待機モードW4の状態にある定着器4が準備モードRに切り替わり、図2に示す双方の閉塞部材31をそれぞれ閉じられるとともに、ニップ部34を準備温度E5まで加熱し、且つ準備温度E5で維持する。このとき、温度制御装置26は、第2の制御方式に切り替わるとともに、準備モードRにおける第2の制御温度に設定される。
図6は定着器4の温度変化を示す表であり、異常時の定着器4の動作の一例を示す表である。
図6に示すように、定着器4内部の温度が異常上昇する場合がある。かかる場合、定着器4内部の温度が安全装置27の設定温度(ヒューズ温度E7)に達すると、安全装置27が作動する。安全装置27が作動すると、熱源23の電源が強制的にオフになり、定着器4内部の温度は徐々に下降する。このとき、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられ、筐体30は開放状態となる。
図6に示すように、定着器4内部の温度が異常上昇する場合がある。かかる場合、定着器4内部の温度が安全装置27の設定温度(ヒューズ温度E7)に達すると、安全装置27が作動する。安全装置27が作動すると、熱源23の電源が強制的にオフになり、定着器4内部の温度は徐々に下降する。このとき、双方の閉塞部材31はそれぞれ開けられ、筐体30は開放状態となる。
上記した構成からなる定着器4および画像形成装置1によれば、筐体30が密閉状態と開放状態とに切り替え可能に形成されているため、筐体30が密閉状態のとき、筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が阻害され、筐体30内部の熱が強制対流Cに奪われることがなく、筐体30内部に発生させられた熱を蓄えることができる。これによって、加熱を効果的に行うことができるとともに熱源23を切ったときの温度低下を抑止することができ、エネルギー効率を向上し、ウォームアップの時間の短縮することができる。また、少なくとも、実行モードPのとき、筐体30が開放状態になるため、トナー像が担持されたシートXを筐体30内に取り込むことができるとともに、トナー像が定着されたシートXを筐体30外に送り出すことができる。
また、筐体30が密閉状態のときと開放状態のときとで、制御温度および制御方式について変えられるため、密閉状態のときのオーバーシュート増大が抑止され、ニップ部の温度を適当な温度に制御することができる。
また、準備モードRのとき、筐体30が密閉状態になるため、筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が阻害され、筐体30内部の熱が強制対流に奪われることがなく、定着温度E6に達するまで効率的に加熱することができ、ウォームアップ時間の短縮することができる。また、準備モードのときの制御温度が定着温度E6よりも低い温度に設定されるため、エネルギーロスの低減を図ることができる。
また、実行モードP後に準備モードRに切り替えられたとき、筐体30内部の熱が効率的に蓄えられるため、再び実行モードPに切り替えるときに短時間で定着温度E6まで加熱することができる。
また、定着器4の動作状態には、定着温度E6よりも低く且つ室温E0よりも高い温度の範囲内で待機モードW1,W2,W3,W4が段階的に複数あり、複数の待機モードW1,W2,W3,W4は、筐体30を開放状態にする第一の待機モードW1,W2と筐体30を密閉状態にする第二の待機モードW3,W4とに大別されるため、第二の待機モードW3,W4のときは、筐体30内に熱が蓄えられ、効率的に温度維持が可能であり、第一の待機モードW1,W2のときは、筐体30内の熱が強制対流Cとの伝熱によって奪われ、効率的に筐体30内を冷却することができる。
また、スリープモードSおよび画像形成装置1の主電源が切れた状態のとき、筐体30が開放状態になるため、筐体30内の熱が強制対流Cとの伝熱によって奪われ、効率的に筐体30内を冷却することができ、画像形成装置1内部の温度上昇を抑制することができる。
また、定着器4には、熱源23、伝熱部材24および加圧部材25がそれぞれ収納され、且つシートXを搬出入する搬入口28および搬出口29がそれぞれ形成された筐体30と、搬入口28および搬出口29をそれぞれ塞ぐ閉塞部材31と、閉塞部材31を開閉させる開閉機構32とがそれぞれ備えられているため、閉塞部材31が閉められると、筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が阻害され、筐体30内部の熱が強制対流Cに奪われることがなく、筐体30内部に発生させられた熱を蓄えることができる。これによって、エネルギー効率を向上させることができ、ウォームアップ時間の短縮することができる。また、実行モードPのとき、搬入口28に付設された閉塞部材31が開けられると、搬入口28からシートXを筐体30内に取り込むことができ、搬出口29に付設された閉塞部材31が開けられると、搬出口29からシートXを筐体30外に送り出すことができる。
また、熱源23および伝熱体24の周囲には断熱材38が設置されているため、断熱材38の断熱性能によって、筐体30内の熱が筐体30を通過して外部に放熱されることが低減され、エネルギー効率を更に向上させることができる。
また、断熱材38として、気体泡又は略真空泡を含有したシリコン発泡体が用いられるため、筐体30自体の耐熱性が確保されるとともに、筐体30の断熱性能が高まり、筐体30内の熱が筐体30を通過して外部に放熱されることを低減することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
また、断熱材38は構造体39の内側に設けられているため、構造体39に伝熱される熱量は低減され、構造体39の熱による劣化を抑止することができる。
また、筐体30内部の温度が異常上昇したときに筐体30が開放状態になるため、異常時に、筐体30内部と強制対流Cとの伝熱が行われ、異常上昇した筐体30内部の温度を効率的に低下させることができる。
また、筐体30内部の温度が異常上昇したときに熱源23の回路を強制的に遮断する安全装置27が備えられているため、異常時に、筐体30内部の温度が上昇し過ぎることを防止することができ、これによって、部品などが焼けることを防止することができる。
また、筐体30内部の温度が異常上昇したときに熱源23の回路を強制的に遮断する安全装置27が備えられているため、異常時に、筐体30内部の温度が上昇し過ぎることを防止することができ、これによって、部品などが焼けることを防止することができる。
[第二の実施の形態]
次に、第二の実施の形態について説明する。なお、第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成からなる部分については、その説明を省略する。
次に、第二の実施の形態について説明する。なお、第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成からなる部分については、その説明を省略する。
図7(a)及び図7(b)は共に定着器100の構成を表す概略図である。図7(a),図7(b)に示すように、定着器100に備えられた搬入口101や搬出口102を塞ぐ閉塞部材103は、図示せぬ開閉機構によって、閉塞部材103の下端部に形成された回転軸104を中心に鉛直方向に回転可能に保持され、筐体104の側面に密着された状態からシートXの搬送方向と平行になる角度(図では筐体104の側面に対して略直角)まで開閉可能に保持されている。この閉塞部材103は、図7(b)に示すように、実行モードPのとき、シートXの搬送方向と平行になる角度まで開かれて、閉塞部材103の内側面103aがシートXの搬送方向に沿って配置される。そして、搬送されるシートXは、閉塞部材103の内側面103a上に摺動されて一定の方向にガイドされる。
上記した構成からなる定着器100によれば、実行モードPのとき、開けられた閉塞部材103の内側面は、シートXの搬送方向に沿って配置され、搬送されるシートXは閉塞部材103によってガイドされるため、シートXを所定の搬送方向に確実に搬送することができ、シートXの詰まり等を防止することができる。
[第三の実施の形態]
次に、第三の実施の形態について説明する。なお、第三の実施の形態において、第一,第二の実施の形態と同様の構成からなる部分については、その説明を省略する。
次に、第三の実施の形態について説明する。なお、第三の実施の形態において、第一,第二の実施の形態と同様の構成からなる部分については、その説明を省略する。
図8(a)及び図8(b)は共に定着器200の構成を表す概略図である。図7(a),図8(b)に示すように、定着器200には、熱源201,伝熱部材202,温度制御装置203及び安全装置204がそれぞれ収納され、且つ外部に配置された加圧部材205を移動させて内部に収納された伝熱部材202に圧接させる開口206が形成された筐体207と、開口206を塞ぐ閉塞部材208とが備えられている。
筐体207は、加圧部材205以外の熱源201,伝熱部材202,温度制御装置203及び安全装置204を囲うように形成されている。加圧部材205は、筐体207の外部に設けられており、筐体207の開口206に対向する位置に配置されている。加圧部材205は昇降可能に設けられており、定着器200には加圧部材205を移動させる移動機構209が備えられている。移動機構209は、例えばラックとピニオンを利用する機構やカム機構、バネを利用した機構、ソレノイド機構等から構成されており、実行モードPのときに、加圧部材205を筐体207内の伝熱部材202の方向に向けて移動させることができ、また、閉塞部材208が閉じるときに、加圧部材205を筐体207外部に移動させることができる機構である。
閉塞部材208は、図示せぬ開閉機構によって観音開き状に開く2つの扉部材208a、208bから構成されている。この閉塞部材208は、図7(b)に示すように、実行モードPのとき、シートXの搬送方向と平行になる角度までそれぞれ開かれて、閉塞部材208の内側面がシートXの搬送方向に沿って配置される。搬送されるシートXは、開かれた閉塞部材208の内側面によって一定の方向にガイドされる。
また、筐体207の内部を開放状態にする第一の待機モードW1,W2のとき、およびスリープモードSのとき、閉塞部材208は開かれる。このとき、2つの扉部材208a、208bをそれぞれ開いてもよく、2つの扉部材208a、208bのうち何れか一方のみを開いてもよい。
上記した構成からなる定着器200によれば、加圧部材205を除く熱源201や伝熱部材202等が収納され、且つ開口206が形成された筐体207と、開口206を塞ぐ閉塞部材208とが備えられているため、閉塞部材208が閉められると、筐体207内部と強制対流Cとの伝熱が阻害され、筐体207内部の熱が強制対流Cに奪われることがなく、筐体207内部に発生させられた熱を蓄えることができる。これによって、エネルギー効率を向上させることができ、ウォームアップ時間の短縮することができる。また、実行モードPのとき、閉塞部材208が開けられ、伝熱部材202と加圧部材205とが互いに圧接させられ、シートX上に担持されたトナー像を定着させることができる。また、加圧部材205が筐体207の外に配置されているため、筐体207自体の小型化を図ることができ、効率良く伝熱部材202を加熱することができるとともに、熱による加圧部材205の劣化を防止することができる。
以上、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、筐体30,104,207には、搬入口28,101および搬出口29,102や、開口206が形成されており、定着器4,100,200には、これらを塞ぐ閉塞部材31,103,208が備えられているが、本発明は、図9(a),図9(b)に示すように、2つの筐体部材302a,302bに分割された筐体301と、少なくとも一方の筐体部材302a,302bを移動させる図示せぬ開閉機構とが備えられた定着器300であってもよい。2つの筐体部材302a,302bは、断面形状コ字状に形成されており、2つの筐体部材302a,302bが嵌合されることで密閉状態になり、一方の筐体部材302aが図示せぬ開閉機構によって離間されることで開放状態になる。なお、第三の実施の形態のように、加圧部材が筐体の外に配置されている場合であっても、2つの筐体部材に分割された筐体を用いることで、開口や閉塞部材を省略することができる。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、筐体30,104,207は、箱状に形成された構造体37と、構造体37の内側面に設けられた断熱材38とから構成されているが、本発明は、図10に示すように、定着器400に、箱状に形成された断熱材401と、断熱材401の形状を保持する保持体402とから構成される筐体403が備えられていてもよい。保持体402は、断熱材401の外周に格子状に形成されるものであり、保持体402の内側に断熱材401が設けられる。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、断熱材38として、気体泡又は略真空泡を含有したシリコン発泡体が用いられているが、本発明は、断熱材としてセラミックスを用いてもよい。これによって、筐体自体の耐熱性が確保されるとともに、筐体の断熱性能が高まり、筐体内の熱が筐体を通過して外部に放熱されることを低減してエネルギー効率を向上させることができる。
また、本発明は、断熱材としてグラスウールを用いてもよい。これによって、筐体自体の耐熱性が確保されるとともに、筐体の断熱性能が高まり、筐体内の熱が筐体を通過して外部に放熱されることを低減してエネルギー効率を向上させることができる。
また、上記した第三の実施の形態では、実行モードPのとき、筐体207外部に配置された加圧部材205が開口206から筐体207内に移動し、筐体207内の伝熱部材202に圧接させているが、本発明は、実行モードのとき、筐体内部に配置された伝熱部材が開口から筐体外に移動し、筐体の外部に配置された加圧部材に圧接させてもよく、或いは、伝熱部材および加圧部材をそれぞれ移動させて圧接させてもよい。
また、上記した第一の実施の形態では、筐体30が密閉状態のときと開放状態のときとでは、制御温度および制御方式がそれぞれ変えられているが、本発明は、筐体が密閉状態のときと開放状態のときとで、同じ制御方式を用いて制御温度だけを変えてもよい。この場合、筐体が密閉状態のときの制御温度が、開放状態のときの制御温度よりも低い温度で設定される。勿論、制御温度を同じにして制御方式だけを変えてもよい。
また、本発明は、筐体が密閉状態のときと開放状態のときとで、同じ制御温度および制御方式を用いて、制御方式の制御係数だけを変えてもよい。具体的には、制御方式としてPWM制御を行う場合、筐体が密閉状態のときのパルス幅(ON時間)を、開放状態のときのパルス幅よりも長く設定する。また、筐体が密閉状態のときの熱源の電流量を開放状態のときの電流量よりも大きくしてもよい。勿論、制御温度や制御方式を変えるとともにパルス幅や電流量を変えてもよい。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、定着器4,100,200は、ロール状の伝熱部材24とロール状の加熱部材25とを圧接させ、これら伝熱部材24と加熱部材25との間にシートXを通過させることで定着を行っているが、本発明は、柔軟なベルト状の伝熱部材とロール状の加圧部材を圧接させた構成からなる定着器でもよく、ロール状の伝熱部材の近傍に軟らかい材質からなる筒材を配置し、筒材内に設けられた押圧部材によって筒材を内方からで伝熱部材に押し当てる構成からなる定着器でもよく、その他の構成からなる定着器であってもよい。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、伝熱部材24内にハロゲンヒーター等からなる熱源23が設けられ、熱源23は伝熱部材24の内周面と間隔をあけて配置されており、伝熱部材24は熱源23からの輻射熱によって加熱されているが、本発明は、磁場発生手段を熱源とし、導電層を有する伝熱部材の内部に磁場発生手段を設け、磁束により電流を誘導させて発熱させる電磁誘導加熱方式の定着器であってもよい。また、本発明は、伝熱部材内周面のニップ部の箇所に熱源を接触させて直接的に伝熱部材を加熱する構成からなる定着器でもよく、或いは、熱源を伝熱部材の外に配置し、ニップ部より上流側の伝熱部材の外周面に熱源を接触させた構成からなる定着器でもよい。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、筐体30,104,207の中に安全装置27,204が設けられ、筐体30,104,207内部の温度が異常上昇したときには、安全装置27,204によって熱源23の回路が遮断されるとともに、筐体30,104,207が開放状態となるが、本発明は、安全装置27,204が設けられていない場合であってもよく、また、温度が異常上昇したときに筐体が密閉状態のままのものでもよい。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、準備モードR時の制御温度は定着温度E6よりも低く設定されているが、本発明は、準備モード時の制御温度が定着温度とほぼ同等に設定されていてもよく、定着温度よりも若干高く設定されていてもよい。
また、上記した第一,第二,第三の実施の形態では、搬入口28,101および搬出口29,102や、開口206にガイド39がそれぞれ設けられているが、本発明は、ガイド39が設けられていなくてもよい。
また、上記した実施の形態では、複数の画像形成ユニット3M、3Y、3C、3BKを備えるカラー印刷対応の画像形成装置1について説明しているが、本発明に係る画像形成装置は、画像形成ユニットが1つだけ備えられたモノクロ印刷用のものでもよい。なお、本発明は、定着ニップ部が広く加熱溶融時間を長くとることができるため、溶融し難いカラーのトナー像を定着させるカラー印刷対応機種に、特に有効である。
また、記録体はシートXに限らず、板状の記録体であってもよく、記録体の形状および材質は適宜変更可能である。
また、記録体はシートXに限らず、板状の記録体であってもよく、記録体の形状および材質は適宜変更可能である。
1 画像形成装置
3M、3Y、3C、3BK 画像形成ユニット(画像形成手段)
4,100,200,300,400 定着器(定着装置)
5 ファン(強制対流発生手段)
23,201 熱源
24,202 伝熱部材
25,205 加圧部材
26,203 温度制御装置(温度制御手段)
27,204 安全装置
30,104,207,301,403 筐体
34 ニップ部
X シート(記録体)
C 強制対流
E6 定着温度
P 実行モード
R 準備モード
3M、3Y、3C、3BK 画像形成ユニット(画像形成手段)
4,100,200,300,400 定着器(定着装置)
5 ファン(強制対流発生手段)
23,201 熱源
24,202 伝熱部材
25,205 加圧部材
26,203 温度制御装置(温度制御手段)
27,204 安全装置
30,104,207,301,403 筐体
34 ニップ部
X シート(記録体)
C 強制対流
E6 定着温度
P 実行モード
R 準備モード
Claims (5)
- 熱源と、該熱源によって加熱される伝熱部材と、該伝熱部材に圧接される加圧部材と、少なくとも前記熱源および前記伝熱部材がそれぞれ収納された筐体と、該筐体内に配置された温度検知センサによって検知された検知温度に基づいて、前記伝熱部材の温度を制御する温度制御手段とが備えられ、
前記記録体を挟持搬送しながら、前記伝熱部材と前記加圧部材との圧接により形成されるニップ部で加熱加圧により前記トナー像を前記記録体に定着させる定着装置において、
前記筐体は、該筐体の内部が外部と遮断されて、前記筐体内部と前記筐体外部に発生した強制対流との伝熱が阻害される密閉状態と、前記筐体の少なくとも一部が開かれて前記筐体内部と前記筐体外部に発生する強制対流との伝熱が行われる開放状態とに切り替え可能に形成され、
前記トナー像が前記記録体に定着可能な温度になっている前記ニップ部に前記記録体を通過させて、加熱加圧による前記トナー像の定着を行う実行モードのとき、前記筐体は、前記開放状態になり、
前記筐体が密閉状態のときの前記ニップ部における温度のオーバーシュートの増大を抑止するべく、前記筐体が密閉状態のときと開放状態のときとでは、前記温度制御手段における制御温度、前記検知温度に基づいて前記熱源を制御する制御方式、または、該制御方式におけるパルス幅若しくは前記熱源の電流量のうち、少なくとも一つについて変えられることを特徴とする定着装置。 - 請求項1記載の定着装置において、
前記トナー像を溶融加圧固定するために準備する準備モードのとき、前記筐体が密閉状態になるとともに、前記制御温度が前記定着温度よりも低い温度に設定されることを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2記載の定着装置において、
前記筐体内部の温度が異常上昇したときに、前記筐体は開放状態になることを特徴とする定着装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の定着装置において、
前記筐体内部の温度が異常上昇したときに前記熱源の回路を強制的に遮断する安全装置が備えられていることを特徴とする定着装置。 - 記録体にトナー像を静電気的に転写させる画像形成手段と、少なくとも前記筐体の周囲に強制対流を発生させる強制対流発生手段とが備えられている画像形成装置において、
請求項1から4記載の定着装置が備えられていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004319696A JP2006133319A (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | 定着装置および画像形成装置 |
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Publications (1)
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JP2006133319A true JP2006133319A (ja) | 2006-05-25 |
Family
ID=36726948
Family Applications (1)
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JP2004319696A Withdrawn JP2006133319A (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | 定着装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006133319A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008040437A (ja) * | 2005-09-16 | 2008-02-21 | Ricoh Co Ltd | 転写定着装置及び画像形成装置 |
JP2008143608A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Okura Yusoki Co Ltd | 搬送装置 |
JP2009069371A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
JP2013195502A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2017083729A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | コニカミノルタ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2018116113A (ja) * | 2017-01-17 | 2018-07-26 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2004
- 2004-11-02 JP JP2004319696A patent/JP2006133319A/ja not_active Withdrawn
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