JP2006133109A - 半導体試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力電圧がステップ状に変化する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、オーバシュート及びアンダーシュートを確実に検出し、かつそのピーク電圧を精密に測定する。
【解決手段】電圧発生回路30の出力電圧24を定める制御信号20に基づき生成された電圧V1と、電圧V1より比較電圧21a、21bだけ高い又は低い第1及び第2基準電圧22a、22bを生成する。オーバシュート電圧検出回路7は、出力電圧24が第1及び第2基準電圧22a、22bの範囲外となったときオーバ及びアンダーシュート検出信号25a、25bを送出する。基準電圧22a、22bは、出力電圧24の負荷の影響をうけることなく生成されるから、電圧V1に正確に追従する。このため、オーバシュート等の検出、ピーク電圧の測定が正確になされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御信号に従って出力電圧を発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置に関し、とくに出力電圧波形のオーバシュート及びアンダーシュートの検出回路を備えた半導体試験装置に関する。
半導体試験装置は、被測定デバイス(DUT)の電源端子及び信号端子へ時間的に変動する試験電圧を印加するために、制御信号に従って出力電圧波形を生成し出力する電圧発生回路を有する。この制御信号は、例えば予めプログラムされたシーケンス信号又はプログラム制御により生成されるシーケンス信号であり、電圧発生回路はこれらのシーケンス信号により指定される一連の電圧を出力する電圧波形発生装置として動作する。
まず、従来の半導体試験装置に使用されている電圧発生回路を説明する。図4は、従来の半導体試験装置概念図であり、半導体試験装置の主要な構成を表している。図4を参照して、半導体試験装置は、nチャネルの出力電圧24に対応するn枚の電圧発生回路基板1と、被測定デバイス6(DUT)の端子と電圧発生回路基板1内の電圧発生回路30とを電気的に接続するフォース線路4及びセンス線路5とを有する。
各電圧発生回路基板1a〜1nは、それぞれ1チャネルの電圧発生回路30を搭載している。その電圧発生回路30の出力電圧24は、フォース端子2からフォース線路4へ出力されて被測定デバイス6の端子へ印加される。被測定デバイス6の端子へ印加された電圧は、その端子へ接続するセンス線路5を通してセンス端子3aへ入力され、後述するように電圧発生回路30のフィードバック信号として出力電圧24の制御に用いられる。
電圧発生回路30は、D/A(デジタル−アナログ)コンバータ11と、オペアンプA1、A2及びA3を含む負帰還増幅回路とを有する。D/Aコンバータ11は、デジタル信号からなる制御信号20が入力され、その制御信号20が指定する電圧V1を発生する。この電圧V1は、オペアンプA1を経てオペアンプA2により低インピーダンス出力に変換された後フォース端子2へ出力される。一方、オペアンプA3は、高インピーダンス入力回路を構成し、センサ線路5を通して入力される被測定デバイス6の端子電圧を高インピーダンス入力で受信する。このオペアンプA3は、抵抗r3と共に、オペアンプA1及びA2を含む負帰還増幅回路を構成している。このオペアンプA1〜A3を含む負帰還増幅回路は、センサ線路5の電圧がD/Aコンバータ11の出力電圧V1に一致するように、オペアンプA1を制御する。これにより、D/Aコンバータ11の出力電圧V1に等しい電圧が被測定デバイス6の端子に出力される。
電圧発生回路30は、さらに抵抗r2、電流測定回路31及び電流クランプ回路12からなる過電流制限回路を有している。電流クランプ回路12は、抵抗r2に流れる出力電流を監視し、出力電流が予め定められた値を超えた場合にオペアンプA1の入力に帰還電流を加算してオペアンプA1の出力電圧V2をクランプする。また、電流測定回路31は、スパイク状の過電流を監視し、過電流の発生を検出して過電流信号S1を送出する。この過電流制限回路により、電圧発生回路30の出力電流が電圧発生回路30及びICの最大規格を超えることがないように制限される(以上、従来の半導体試験装置については特許文献1を参照。)。
かかる過電流は、電流発生回路30の出力は定電圧出力であるのに対して、被測定デバイスの端子のインピーダンスが被測定デバイスの内部回路の動作状態又は被測定デバイス6の端子への印加電圧により変動することに起因して発生する。上述の過電流制限回路は、このような過電流の発生を回避する。
さらに、被測定デバイス6の出力の過電圧をクランプする過電圧クランプ回路と、被測定デバイス6の出力の異常電圧を検出する異常電圧検出回路と、異常電圧が検出されたときに被測定デバイス6の出力端子を開放するスイッチとを設けた半導体試験装置が開示されている。(例えば、特許文献2を参照。)。
この半導体試験装置は、被測定デバイス6の出力インピーダンスが負荷側(半導体試験装置側)のインピーダンスより低いときに生ずる被測定デバイス6の出力波形のリンギングをクランプすることで、試験に支障となるリンギングを除去する。さらに、被測定デバイス6から異常に高い電圧が出力された場合に、この出力を切り離し、他のデバイスあるいは半導体試験装置を保護する。なお、これらのクランプ電圧及び異常とされる電圧は、予め一定の値として与えられている。
この電圧クランプ回路及び異常電圧回路は、被測定デバイス6の出力に伴い発生するリンギング及び異常電圧から試験装置及び他のデバイスを保護するもので、被測定デバイス6の出力端子に接続される試験装置の端子に設けられる。これに対して、電源電圧又は入力信号電圧を供給する電圧発生回路30に、電圧クランプ回路又は異常電圧検出回路を設ける必要はない。なぜなら、既述したように、電圧発生回路30はセンス線5を介したフイードバック回路により所定の電圧を出力するから、被測定デバイス6からの出力がない電源電圧及び入力信号電圧には被測定デバイス6の出力に起因するリンギングや異常電圧は発生しないからである。
しかし、電圧発生回路30のフイードバックの遅延、又はフオース線路4やセンス線路5の両端でのインピーダンス不整合により、電圧発生回路30の出力電圧24にリンギングによるオーバシュートやアンダーシュートを生ずる場合がある。このため、試験精度の劣化や被測定デバイス6の破壊を引き起こすことがある。
特開2003−185716号公報 特開平11−326459号公報
上述したように、従来の半導体試験装置の電圧発生回路は、過電流のクランプ及び検出回路を備えている。しかし、過電圧ないしオーバシュートやアンダーシュートのような出力電圧に対するクランプ回路又は検出回路は設けられていなかった。
他方、被測定デバイスの出力電圧が印加される端子に、電圧クランプ回路及び異常電圧検出回路を設けた半導体試験装置が知られている。しかし、被測定デバイスの出力が重畳されない端子、例えば電源電圧端子及び信号入力端子へ電圧を供給する電圧発生回路に設けたものは知られていない。さらに、クランプ電圧及び異常とされる電圧は、それぞれ予め付与された一定電圧値で決定されるため、シーケンシャルに出力電圧が変化する場合、出力電圧からの電圧差である出力波形のオーバシュートやアンダーシュートを精密に検出したり、オーバシュートやアンダーシュートの電圧を精密に測定することは困難であった。
このように、電圧発生回路のフィードバックの遅延又はフオース線路やセンス線路の両端でのインピーダンス不整合により発生する出力電圧波形のオーバシュート及びアンダーシュートに対して、これを検出し又はピーク電圧を測定するこは難しく、オーバシュート及びアンダーシュートを検出、測定して有効な対処を施すことは困難であった。
本願発明は、半導体試験装置の出力電圧のオーバシュート又はアンダーシュートを、出力電圧が時間的に変化する場合でも、確実に検出することができる又はそのピーク電圧を精密に測定することができる電圧発生回路を備えた半導体試験装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明の第一の構成では、電圧発生回路の出力電圧が、制御信号が定める電圧より所与の正の第1比較電圧以上の高電圧となった場合にオーバシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路を有する。
制御信号は、電圧発生回路が出力すべき出力電圧(本明細書では「本来の出力電圧」という。)を指定する信号であり、電圧発生回路の出力波形は、本来、制御信号により定められるべきものである。しかし、上述したように、出力電圧が変化するときにオーバ又はアンダーシュートを生ずることがある。なお、本明細書では、オーバシュート及びアンダーシュートを、それぞれ本来の出力電圧に対して正電圧方向及び負電圧方向に振れる電圧波形との意味で使用する。
本願の第一の構成では、制御信号が指定する電圧と正の第1比較電圧との和を基準電圧とし、出力電圧がこの基準電圧以上になったことを検知してオーバシュート検出信号を発出する。
本願の第二の構成では、制御信号が指定する電圧と負の第2比較電圧との和を基準電圧とし(即ち、基準電圧は制御信号が指定する電圧より第2比較電圧の絶対値だけ低い。)、出力電圧がこの基準電圧以下になったことを検知してアンダーシュート検出信号を発生し出力する。
本願の第三の構成では、制御信号に基づきかかる基準電圧を発生する基準電圧発生回路を有し、この基準電圧と出力電圧とを比較してオーバシュート又はアンダーシュート検出信号を発出する。
これら第一〜第三の構成によると、オーバシュート又はアンダーシュートを検出する基準電圧は、本来の出力電圧より比較電圧だけ高い又は低い電圧であり、本来の出力電圧と同様に変化する。従って、本来の出力電圧が変動しても、基準電圧と本来の出力電圧との差は常に比較電圧に等しいから、オーバシュート及びアンダーシュートをこの本来の出力電圧から比較電圧分を超えた又は下回った電圧として正確に検出することができる。
さらに、比較電圧を変化させ、オーバシュート又はアンダーシュート検出信号が消滅又は発生し始めるときの比較電圧をオーバシュート又はアンダーシュートのピーク電圧として測定することができる。
上述した構成において、さらにオーバシュート電圧検出回路を出力電圧から切り離すスイッチを設けることができる。出力電圧に接続するオーバシュート電圧検出回路は、被測定デバイス側からみると重負荷になる。従って、被測定デバイスの試験時にはオーバシュート電圧検出回路を出力電圧から切り離し、オーバシュート検出時にはオーバシュート電圧検出回路を出力電圧に接続することで、被測定デバイスの精密な試験と、オーバ及びアンダーシュートの正確な検出・測定とを行うことができる。
本発明によれば、半導体試験装置の出力電圧が時間的に変化する場合でも、例えば出力電圧がパルスハイトが異なるパルス列である場合でも、基準電圧と出力電圧の差は常に比較電圧に等しいから、オーバシュート及びアンダーシュートを出力電圧を基準として比較電圧を超える又は下回る電圧として検出しかつその電圧を測定することができる。従って、オーバシュート及びアンダーシュートを正確に検出、測定することができる。このため、精密な半導体試験、及び、オーバシュート及びアンダーシュートに対して適切な対処をすることができる。
図1は本発明の実施形態による半導体試験装置の概念図であり、半導体試験装置の主要な構成を表している。図1を参照して、本実施形態が図4に示した従来の半導体試験装置と異なる点は、スイッチ23、オーバシュート電圧検出回路7、及び加算並びに減算回路9、8が設けられている点である。以下、この相違点を主として本発明を説明する。なお、他は従来の半導体試験装置と同様なので、同じ回路についてはとくに説明を要する場合を除き説明を省略する。
まず、図1を参照して、電圧発生回路30には、電圧発生回路30を搭載する電圧発生回路基板1の外部から、制御信号20、正の第1比較電圧21a及び負の第2比較電圧21bが入力される。D/Aコンバータ11は、デジタル制御信号20をアナログ電圧V1に変換する。この電圧V1は、出力電圧24を発生するためにアンプA1へ入力されるとともに、加算回路9及び減算回路8へ入力される。加算回路9及び減算回路8は、それぞれアナログ電圧V1と第1比較電圧21a及び第2比較電圧21bの和からなる第1基準電圧22a及び第2基準電圧22bを生成する。即ち、
Figure 2006133109
となる。なお、第1及び第2比較電圧21a、21bの代わりにそれらを表すデジタル信号を入力し、電圧発生回路基板1の内部でこのデジタル信号をD/A変換してアナログ電圧からなる第1及び第2比較電圧21a、21bを生成することもできる。このとき、第1及び第2比較電圧21a、21bを表すデジタル信号をデジタル制御信号に加算して、第1及び第2基準電圧22a、22bを表示するデジタル信号を作成し、この第1及び第2基準電圧22a、22bを表示するデジタル信号をD/A変換して第1及び第2基準電圧を作成することもできる。
オーバシュート電圧検出回路7は、出力電圧24を第1基準電圧22aと比較し、出力電圧24が第1基準電圧を超えたときオーバシュート検出信号25aを送出する。同様に、出力電圧24を第2基準電圧22bと比較し、出力電圧24が第2基準電圧を下回るときアンダーシュート検出信号25bを送出する。これらの信号は、図外の制御装置に送信され、出力電圧24の遮断・低下や記録、表示等がなされる。また、この制御装置は、第1及び第2の比較電圧21a、21bを生成し、各電圧発生回路基板へ供給する。
図2は、本発明の実施形態オーバシュート電圧検出回路回路図であり、オーバシュート電圧検出回路7の一例を表している。図2を参照して、オーバシュート電圧検出回路7は、オーバシュートの検出回路とアンダーシュートの検出回路とを備えている。オーバシュートの検出回路は、直列接続されたダイオードD1及び抵抗r5と、抵抗r5の両端の電圧を測定する電圧測定回路13とから構成され、その一端がスイッチ23に他端が第1基準電圧に接続されている。ダイオードD1は、スイッチ23から第1基準電圧22a方向が順方向となるように接続されている。なお、ダイオードD1と抵抗r5の位置は入れ換えることができる。
アンダーシュートの検出回路は、上記オーバシュートの検出回路のダイオードD1を逆方向にしたダイオードD2、抵抗r5に代えて抵抗r4、および第1基準電圧22aに代えて第2基準電圧22bとしたものである。電圧測定回路13は、抵抗の両端にダイオードD1、D2の順方向電流が流れたときに生ずる電圧を検知し、オーバシュート検出信号25a又はアンダーシュート検出信号を送出する。
次に、上記オーバシュートの検出回路の動作を説明する。出力電圧24が第1基準電圧22aより低い場合は、ダイオードD1が逆方向になり抵抗r5に電流が流れず抵抗r5の両端の電圧は0Vである。このとき、電圧測定回路13はオーバシュート検出信号25aを送出しない。出力電圧24が第1基準電圧22aより高い場合は、ダイオードD1が順方向になり抵抗r5に順電流が流れ抵抗r5の両端に電圧が発生する。電圧測定回路13は、この抵抗r5の両端の電圧を検出してオーバシュート検出信号25aを送出する。
アンダーシュートの検出回路では、出力電圧24が第2基準電圧22bより高い場合は、ダイオードD2が逆方向になり抵抗r4に電流が流れず抵抗r4の両端の電圧は0Vで、電圧測定回路13はアンダーシュート検出信号25bを送出しない。出力電圧24が第2基準電圧22bより低い場合は、ダイオードD2が順方向になり抵抗r4に順電流が流れ抵抗r4の両端に電圧が発生する。電圧測定回路13は、この抵抗r4の両端の電圧を検出してアンダーシュート検出信号25bを送出する。
第2基準電圧22b<第1基準電圧22aであるから、オーバシュート電圧検出回路7は以下のように動作する。出力電圧24<第2基準電圧22bのとき、アンダーシュート検出信号25bを送出する。第2基準電圧22b<出力電圧24<第1基準電圧22aのとき、アンダーシュート検出信号25bもオーバシュート検出信号25aも送出しない。第1基準電圧22a<出力電圧24のとき、オーバシュート検出信号25aを送出する。なお、出力電圧24が第1基準電圧22a又は第2基準電圧22bに等しいときは、必要に応じてアンダーシュート検出信号25b又はオーバシュート検出信号25aを送出するように又は送出しないように、電圧測定回路13を設定することができる。
さらに、オーバシュート電圧検出回路7の動作を、タイムチャートを用いて説明する。図3は本発明を説明するための電圧波形図であり、オーバシュート電圧検出回路7に現れる各種電圧のタイムチャートを表している。なお、図3(a)はD/Aコンバータ11の出力電圧V1と電圧発生回路30の出力電圧24との関係を、図3(b)はD/Aコンバータ11の出力電圧V1と第1及び第2基準電圧22a、22bとの関係を、図3(c)はオーバシュート電圧検出回路7により検出される出力電圧波形を表している。
図3(a)を参照して、D/Aコンバータ11の出力電圧V1(即ち、電圧発生回路30から出力されるべき本来の出力電圧)は、電圧v1のステップから高電圧v2のステップを経てv1とv2の中間電圧v3のステップへと階段状に変化する。このとき、電圧発生回路30の実際の出力電圧24には、立ち上がり及び立ち下がりのそれぞれでリンギングによるパルス状のオーバシュート及びアンダーシュートが観察された。なお、この観測は、図1のスイッチ23を開にし、オーバシュート電圧検出回路7を出力電圧24から切り離してなされた。
このとき、第1基準電圧22aは、図3(b)を参照して、本来の出力電圧V1を第1比較電圧21aの電圧分だけ高電圧側に移動した電圧波形となる。逆に、第2基準電圧22bは、本来の出力電圧V1を第2比較電圧21bの電圧分だけ低電圧側に移動した電圧波形となる。これら、第1及び第2基準電圧22a、22bは、第1及び第2比較電圧21a、21b及び本来の出力電圧V1から直接生成されるため、電圧発生回路30の負荷の影響を受けることなく正確に出力電圧V1に追従させることができる。
図3(c)には、図3(a)に示す出力電圧24波形と図3(b)に示す第1及び第2基準電圧22a、22b波形とが重ねて表されている。図3(c)を参照して、出力電圧24が第1基準電圧22aを超えるのは、出力電圧24の立ち上がりのオーバシュートのイで示された部分と、立ち下がりの電圧ステップの遷移期間に相当するロで示された部分である。オーバシュート電圧検出回路7は、これらの部分イ及びロを検出しそれぞれイ及びロの部分に関するオーバシュート検出信号25aを送出する。
一方、出力電圧24が第2基準電圧22bを下回るのは、出力電圧24の立ち上がりの遷移期間に相当するニで示された部分と、立ち下がりの電圧ステップのアンダーシュートのハで示された部分である。オーバシュート電圧検出回路7は、これらの部分ハ及びニを検出しそれぞれハ及びニの部分に関するアンダーシュート検出信号25bを送出する。
従って、図3(c)に示す場合には、オーバシュート電圧検出回路7からイ、ロに対応するオーバシュート検出信号25aとハ、ニに対応するアンダーシュート検出信号25bとが、ニ、イ、ロ、ハの順の時系列で送出される。
このうち、出力電圧24の立ち上がり及び立ち下がりの遷移期間に生ずるニ及びロのアンダーシュート検出信号25b及びオーバシュート検出信号25aは、出力電圧24の立ち上がり及び立ち下がりの遅延に伴い生ずるもので、出力波形のオーバシュートを表すものではない。このため、これらニ、ロに対応する検出信号25a、25bを除去することが好ましい。この除去は、例えば、立ち上がりから最初に検出されるアンダーシュート検出信号25b及び立ち下がりから最初に検出されるオーバシュート検出信号25aを除くことで実現することができる。また、立ち上がり及び立ち下がりから遷移期間に相当する予め与えられた一定時間内の検出信号25a、25bを削除することでもなすことができる。
オーバシュート電圧検出回路7を用いて、オーバシュート及びアンダーシュートのピーク電圧を測定することができる。図3(c)を参照して、例えば、イの部分にオーバシュートが観察されたとき、同一の出力電圧24波形を繰り返し出力しつつ、繰り返しごとに第1基準電圧22aを少しずつ上昇する。第1基準電圧22aがオーバシュートのピーク電圧を超えるとオーバシュート検出信号25aの送出が停止するので、ピーク電圧は、オーバシュート検出信号25aの送出が停止した前後の第1基準電圧22aの範囲にあると判断される。このピーク電圧の測定の初期の段階で第1基準電圧22aを大きく上昇又は下降させ、検出信号25aの送出が停止又は開始し始めた後、同様の測定手順の繰り返しを第1基準電圧22aの上昇、下降の電圧幅を順次小さくしながら行うこともできる。これにより、ピーク電圧の測定時間を短縮することができる。なお、第1及び第2基準電圧22a、22bは、それぞれ独立して与えられる第1比較電圧21a、21bに基づいて定められるから、互いに独立した電圧値を与えることができる。従って、オーバシュート及びアンダーシュートのピーク値を、同時にそれぞれ独立に測定することができる。
スイッチ23は、出力電圧24とオーバシュート電圧検出回路7との間に挿入されており、被測定デバイスの特性試験の際及び出力電圧のオーバ若しくはアンダシュートを観測する際に開放して出力電圧24からオーバシュート電圧検出回路7を切り離す。このスイッチ23は、全ての電圧発生回路30に設けられ、例えば図外の制御装置から送信されるスイッチ制御信号23aにより全てのスイッチ23が同時に開閉される。もちろん、必要ならば、任意に選択されたスイッチ23のみを開閉することもできる。
上述の本発明の明細書には、以下の付記記載の発明が開示されている。
(付記1)
被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
該電圧発生回路の出力電圧が、該制御信号が定める電圧より所与の正の第1比較電圧以上の場合にオーバシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路とを有することを特徴とする半導体試験装置。
(付記2)
被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
該電圧発生回路の出力電圧が、該制御信号が定める電圧より所与の負の第2比較電圧以下の場合にアンダーシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路とを有することを特徴とする半導体試験装置。
(付記3)
被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
該電圧発生回路の出力電圧が、該制御信号が定める電圧より所与の正の第1比較電圧以上の場合にオーバシュート検出信号を発生し、該制御信号が定める電圧より所与の負の第2比較電圧以下の場合にアンダーシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路とを有することを特徴とする半導体試験装置。
(付記4)
被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
該制御信号が定める電圧より所与の比較電圧だけ高い又は低い基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
該基準電圧と該電圧発生回路の出力電圧とを比較して、該電圧発生回路の出力電圧のオーバシュート又はアンダーシュートを検出するオーバシュート電圧検出回路とを有することを特徴とする半導体試験装置。
(付記5)
該比較電圧を変化させてオーバシュート又はアンダーシュートが発生又は消滅したときの該比較電圧に基づいて、該オーバシュート又は該アンダーシュートのピーク電圧を測定することを特徴とする付記3又は4記載の半導体装置。
(付記6)
該比較電圧を変化させてオーバシュートが発生又は消滅したときの該比較電圧に基づいて、該オーバシュートのピーク電圧を測定することを特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記7)
該比較電圧を変化させてアンダーシュートが発生又は消滅したときの該比較電圧に基づいて、該アンダーシュートのピーク電圧を測定することを特徴とする付記2記載の半導体装置。。
(付記8)
複数の該電圧発生回路と、
該電圧発生回路の各々に設けられ、該オーバシュート電圧検出回路を該電圧発生回路の出力電圧から切り離すスイッチとを有することを特徴とする付記1、2、3、4、5又は6記載の半導体試験装置。
本発明によれば、半導体試験装置の電圧発生回路の出力電圧がステップ状に変化する場合でも、オーバシュート又はアンダーシュートを確実に検出し、かつピーク電圧を精密に測定することができる。このため、精密な半導体試験を行うことができる半導体試験装置を提供することができ、半導体装置の製造に大いに貢献できる。
本発明の実施形態による半導体試験装置の概念図 本発明の実施形態によるオーバシュート電圧検出回路の回路図 本発明を説明するための電圧波形図 従来の半導体試験装置概念図
符号の説明
1、1a〜1n 電圧発生回路基板
2、2a〜2n フォース端子
3、3a〜3n センス端子
4 フォース線路
5 センス線路
6 DUT(被測定デバイス)
7 オーバシュート電圧検出回路
8 減算回路
9 加算回路
10 スイッチ
11 D/Aコンバータ
12 電流クランプ回路
13 電圧測定回路
20 制御信号
21、21a、21b 比較電圧
22、22a、22b 基準電圧
23 スイッチ
23a スイッチ制御信号
24 出力電圧
25a オーバシュート検出信号
25b アンダーシュート検出信号
30 電圧発生回路
31 電流測定回路
A1〜A3 オペアンプ
D1、D2 ダイオード
r1〜r5 抵抗

Claims (5)

  1. 被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
    該電圧発生回路の出力電圧が、該制御信号が定める電圧より所与の正の第1比較電圧以上の場合にオーバシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路を有することを特徴とする半導体試験装置。
  2. 被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
    該電圧発生回路の出力電圧が、該制御信号が定める電圧より所与の負の第2比較電圧以下の場合にアンダーシュート検出信号を発生するオーバシュート電圧検出回路を有することを特徴とする半導体試験装置。
  3. 被測定デバイスへ印加する電圧を制御信号に従って発生する電圧発生回路を有する半導体試験装置において、
    該制御信号が定める電圧より所与の比較電圧だけ高い又は低い基準電圧を発生する基準電圧発生回路と、
    該基準電圧と該電圧発生回路の出力電圧とを比較して、該電圧発生回路の出力電圧のオーバシュート又はアンダーシュートを検出するオーバシュート電圧検出回路とを有することを特徴とする半導体試験装置。
  4. 該比較電圧を変化させてオーバシュート又はアンダーシュートが発生又は消滅したときの該比較電圧に基づいて、該オーバシュート又は該アンダーシュートのピーク電圧を測定することを特徴とする請求項3記載の半導体試験装置。
  5. 複数の該電圧発生回路と、
    該電圧発生回路の各々に設けられ、該オーバシュート電圧検出回路を該電圧発生回路の出力電圧から切り離すスイッチとを有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の半導体試験装置。
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