JP2006132500A - 可変動弁機構の診断機能の評価方法及び可変動弁機構の診断装置 - Google Patents

可変動弁機構の診断機能の評価方法及び可変動弁機構の診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電磁アクチュエータを用いる可変動弁機構における応答遅れの診断が正常に機能しているか否かを評価できるようにして、応答遅れ診断の信頼性を向上させる。
【解決手段】 電磁アクチュエータ54の電源電圧を強制的に低下させる電源電圧変更モジュール201を取り付けることで、可変動弁機構における作動遅れ状態を疑似的に生成する。そして、電源電圧を低下させた状態で、電磁アクチュエータ54の電流を増大させる方向での応答遅れが診断されない場合には、応答遅れの診断機能に異常が生じていると評価する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構の作動応答を診断する機能を評価する方法及び装置に関する。
特許文献1には、油圧式の可変動弁機構における作動特性の目標値と実際値との偏差を演算し、前記偏差が判定値を超える状態が所定時間以上継続したときに、前記可変動弁機構における作動遅れの発生を診断する技術が開示されている。
特開2000−073794号公報
ところで、前記応答遅れの診断が正常に機能していれば、作動遅れが大きくなっている異常を警告することができるが、応答遅れ診断が正常に機能しないと、大きな作動遅れが生じる状態でエンジンが運転されてしまうことになり、特に目標作動特性の切り換えを伴う加減速時の運転性(加速性能,排気性状)を悪化させてしまうという問題が生じる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構における作動遅れの診断が正常に機能しているか否かを評価できるようにして、応答遅れ診断の信頼性を向上させることを目的とする。
そのため請求項1記載の発明は、エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構の作動応答を診断する診断機能の評価方法であって、前記アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させ、前記電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させた状態で前記可変動弁機構の作動応答を診断し、該作動応答の診断結果に基づいて前記作動応答の診断機能を評価する構成とした。
かかる構成によると、アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させることで、応答診断で判定されるべき応答遅れを強制的に発生させ、この強制的に発生させた応答遅れを判定できるか否かによって、診断機能が正常であるか否かを評価する。
従って、可変動弁機構の応答診断が正しく機能しているか否かを判断でき、応答診断の信頼性を向上させることができる。
請求項2記載の発明は、エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構の作動応答を診断する診断装置であって、前記アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させる作動遅れ発生手段と、前記可変動弁機構の作動応答の遅れを診断する診断手段と、前記作動遅れ発生手段の作動状態で、前記診断手段が前記可変動弁機構における作動応答の遅れを診断するか否かに基づいて、前記診断手段の機能評価を行う評価手段と、を備えて構成される。
かかる構成によると、アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を作動遅れ発生手段によって強制的に低下させることで、応答診断で判定されるべき応答遅れを強制的に発生させ、この強制的に発生させた応答遅れが診断手段で判定されるか否かによって、診断手段の機能が正常であるか否かを評価する。
従って、可変動弁機構の応答診断が正しく機能しているか否かを判断でき、診断手段による応答診断の信頼性を向上させることができる。
請求項3記載の発明では、前記可変動弁機構が、油圧によってエンジンバルブの作動特性を変更する構成であって、前記アクチュエータが可変動弁機構に供給する作動油量を制御するバルブである構成とした。
かかる構成によると、バルブを駆動するアクチュエータ(ソレノイド,モータなど)に送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させることで、前記バルブの作動遅れが生じ、結果的に、可変動弁機構に供給される油量の変化に遅れが生じ、可変動弁機構の作動遅れが発生する。
請求項4記載の発明では、前記評価手段が、前記作動遅れ発生手段の作動状態で、前記診断手段が前記可変動弁機構における作動応答が正常であると診断したときに、前記診断手段の診断機能が異常であると判断する構成とした。
かかる構成によると、作動遅れ発生手段が作動することで、診断手段で診断されるべき作動遅れが強制的に発生するので、診断手段が正常に機能していれば、診断手段が作動遅れの発生を診断することになり、診断手段が、実際に作動遅れが発生しているのに作動遅れがないと診断する場合には、診断手段の診断機能に異常が生じていることになる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図6は、実施形態における可変動弁機構としての可変バルブタイミング制御装置を示すものであり、車両用内燃機関における吸気バルブ側に適用されるものとする。
図に示す可変バルブタイミング制御装置は、機関のクランクシャフト(図示省略)によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット1と、該カムスプロケット1に対して相対回転可能に設けられたカムシャフト2と、該カムシャフト2の端部に固定されてカムスプロケット1内に回転自在に収容された回転部材3と、該回転部材3をカムスプロケット1に対して相対的に回転させる油圧回路4と、カムスプロケット1と回転部材3との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構10とを備えている。
前記カムスプロケット1は、外周にタイミングチェーンが噛合する歯部5aを有する回転部材5と、該回転部材5の前方に配置されて回転部材3を回転自在に収容したハウジング6と、該ハウジング6の前端開口を閉塞するフロントカバー7と、ハウジング6と回転部5との間に配置されてハウジング6の後端部を閉塞するリアカバー8とから構成され、これら回転部材5とハウジング6及びフロントカバー7,リアカバー8は、4本の小径ボルト9によって軸方向から一体的に結合されている。
前記回転部材5は、略円環状を呈し、周方向の約90°の等間隔位置に各小径ボルト9が螺着する4つの雌ねじ孔5bが前後方向へ貫通形成されていると共に、内部中央位置に後述する通路構成用のスリーブ25が嵌合する段差径状の嵌合孔11が貫通形成されている。
更に、前記回転部材5の前端面には、前記リアカバー8が嵌合する円板状の嵌合溝12が形成されている。
また、前記ハウジング6は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向の90°位置には、4つの隔壁部13が突設されている。
前記隔壁部13は、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング6の軸方向に沿って設けられて、各両端縁がハウジング6の両端縁と同一面になっていると共に、基端側には、小径ボルト9が挿通する4つのボルト挿通孔14が軸方向へ貫通形成されている。
更に、各隔壁部13の内端面中央位置に軸方向に沿って切欠形成された保持溝13a内に、コ字形のシール部材15と該シール部材15を内方へ押圧する板ばね16が嵌合保持されている。
前記フロントカバー7は、中央の比較的大径なボルト挿通孔17が穿設されていると共に、前記ハウジング6の各ボルト挿通孔14と対応する位置に4つのボルト孔18が穿設されている。
また、リアカバー8は、後端面に前記回転部材5の嵌合溝12内に嵌合保持される円板部8aを有していると共に、中央にスリーブ25の小径な円環部25aが嵌入する嵌入孔8cが穿設され、更に、前記ボルト挿通孔14に対応する位置に4つのボルト孔19が同じく形成されている。
前記カムシャフト2は、シリンダヘッド22の上端部にカム軸受23を介して回転自在に支持され、外周面の所定位置に、バルブリフターを介して吸気バルブを開動作させるカム(図示省略)が一体に設けられていると共に、前端部にはフランジ部24が一体に設けられている。
前記回転部材3は、フランジ部24と嵌合穴11にそれぞれ前後部が嵌合した前記スリーブ25を介して軸方向から挿通した固定ボルト26によってカムシャフト2の前端部に固定されており、中央に前記固定ボルト26が挿通するボルト挿通孔27aを有する円環状の基部27と、該基部27の外周面周方向の90°位置に一体に設けられた4つのベーン28a,28b,28c,28dとを備えている。
前記第1〜第4ベーン28a〜28dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部13間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン28a〜28dの両側と各隔壁部13の両側面との間に、進角側油圧室32と遅角側油圧室33を構成する。
また、各ベーン28a〜28dの外周面の中央に軸方向に切欠された保持溝29にハウジング6の内周面6aに摺接するコ字形のシール部材30と該シール部材30を外方に押圧する板ばね31がそれぞれ嵌着保持されている。
前記ロック機構10は、前記回転部材5の嵌合溝12の外周側所定位置に形成された係合溝20と、前記係合溝20に対応した前記リアカバー8の所定位置に貫通形成されて、内周面がテーパ状の係合孔21と、該係合孔21に対応した前記1つのベーン28の略中央位置に内部軸方向に沿って貫通形成された摺動用孔35と、該1つのベーン28の前記摺動用孔35内に摺動自在に設けられたロックピン34と、該ロックピン34の後端側に弾装されたばね部材であるコイルスプリング39と、ロックピン34と摺動用孔35との間に形成された受圧室40とから構成されている。
前記ロックピン34は、中央側の中径状の本体34aと、該本体34aの先端側に略先細り円錐状に形成された係合部34bと、本体34aの後端側に形成された段差大径状のストッパ部34cとから構成されている。
そして、ストッパ部34cの内部凹溝34dの底面とフロントカバー7の内端面との間に弾装された前記コイルスプリング39のばね力によって係合孔21方向へ付勢されるようになっていると共に、前記本体34aとストッパ部34cとの間の外周面及び摺動用孔35の内周面との間に形成された受圧室40内の油圧によって、係合孔21から抜け出る方向に摺動するようになっている。
また、この受圧室40は、前記ベーン28の側部に形成された通孔36によって前記遅角側油圧室33に連通している。
また、ロックピン34の係合部34bは、回転部材3の最大遅角側の回動位置において係合部34bが係合孔21内に係入するようになっている。
前記油圧回路4は、進角側油圧室32に対して油圧を給排する第1油圧通路41と、遅角側油圧室33に対して油圧を給排する第2油圧通路42との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路41,42には、供給通路43とドレン通路44とがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁45を介して接続されている。
前記供給通路43には、オイルパン46内の油を圧送するオイルポンプ47が設けられている一方、ドレン通路44の下流端がオイルパン46に連通している。
前記第1油圧通路41は、シリンダヘッド22内からカムシャフト2の軸心内部に形成された第1通路部41aと、固定ボルト26内部の軸線方向を通って頭部26a内で分岐形成されて第1通路部41aと連通する第1油路41bと、頭部26aの小径な外周面と回転部材3の基部27内に有するボルト挿通孔27aの内周面との間に形成されて第1油路41bに連通する油室41cと、回転部材3の基部27内に略放射状に形成されて油室41cと各進角側油圧室32に連通する4本の分岐路41dとから構成されている。
一方、第2油圧通路42は、シリンダヘッド22内及びカムシャフト2の内部一側に形成された第2通路部42aと、前記スリーブ25の内部に略L字形状に折曲形成されて第2通路部42aと連通する第2油路42bと、回転部材5の嵌合孔11の外周側孔縁に形成されて第2油路42bと連通する4つの油通路溝42cと、リアカバー8の周方向の約90°の位置に形成されて、各油通路溝42cと遅角側油圧室33とを連通する4つの油孔42dとから構成されている。
前記電磁切換弁45は、内部のスプール弁体が各油圧通路41,42と供給通路43及びドレン通路44a,44bとを相対的に切り換え制御するようになっていると共に、エンジンコントロールユニット48からの制御信号によって切り換え作動されるようになっている。
具体的には、図4〜図6に示すように、シリンダブロック49の保持孔50内に挿通固定された筒状のバルブボディ51と、該バルブボディ51内の弁孔52に摺動自在に設けられて流路を切り換えるスプール弁体53と、該スプール弁体53を作動させる比例ソレノイド型の電磁アクチュエータ54とから構成されている。
前記バルブボディ51は、周壁の略中央位置に前記供給通路43の下流側端と弁孔52とを連通する供給ポート55が貫通形成されていると共に、該供給ポート55の両側に前記第1,第2油圧通路41,42の他端部と弁孔52とを連通する第1ポート56及び第2ポート57がそれぞれ貫通形成されている。
また、周壁の両端部には、両ドレン通路44a,44bと弁孔52とを連通する第3,第4ポート58,59が貫通形成されている。
前記スプール弁体53は、小径軸部の中央に供給ポート55を開閉する略円柱状の第1弁部60を有していると共に、両端部に第3,第4ポート58,59を開閉する略円柱状の第2,第3弁部61,62を有している。
また、スプール弁体53は、前端側の支軸53aの一端縁に有する傘部53bと弁孔52の前端側内周壁に有するスプリングシート51aとの間に弾装された円錐状の弁ばね63によって、図中右方向、つまり第1弁部60で供給ポート55と第2油圧通路42とを連通する方向に付勢されている。
前記電磁アクチュエータ54は、コア64,移動プランジャ65,コイル66,コネクタ67などを備え、移動プランジャ65の先端に前記スプール弁体53の傘部53bを押圧する駆動ロッド65aが固定されている。
前記エンジンコントロールユニット48は、機関回転速度を検出する回転センサ101や機関の吸入空気量を検出するエアフローメータ102からの信号によって現在の運転状態(機関負荷,機関回転速度)を検出すると共に、クランク角センサ103及びカムセンサ104からの信号によってカムスプロケット1とカムシャフト2との相対回動位置、即ち、クランクシャフトに対するカムシャフト2の回転位相を検出する。
前記エンジンコントロールユニット48は、前記電磁アクチュエータ54に対する通電量をデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、エンジンコントロールユニット48から電磁アクチュエータ54にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、スプール弁体53が弁ばね63のばね力で図4に示す位置、つまり、最大右方向に移動する。
これによって、第1弁部60が供給ポート55の開口端55aを開成して第2ポート57と連通させると同時に、第2弁部61が第3ポート58の開口端を開成すると共に、第4弁部62が第4ポート59を閉止する。
このため、オイルポンプ47から圧送された作動油は、供給ポート55,弁孔52,第2ポート57,第2油圧通路42を通って遅角側油圧室33に供給されると共に、進角側油圧室32内の作動油が、第1油圧通路41,第1ポート56,弁孔52,第3ポート58を通って第1ドレン通路44aからオイルパン46内に排出される。
従って、遅角側油圧室33の内圧が高、進角側油圧室32の内圧が低となって、回転部材3は、ベーン28a〜28bを介して最大一方向に回転する。
これによって、カムスプロケット1とカムシャフト2とは一方側へ相対回動して位相が変化し、この結果、吸気バルブの開時期が遅くなり、排気バルブとのオーバーラップが小さくなる。
一方、エンジンコントロールユニット48から電磁アクチュエータ54にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、スプール弁体53が弁ばね63のばね力に抗して図6に示すように左方向へ最大に摺動して、第3弁部61が第3ポート58を閉止すると同時に、第4弁部62が第4ポート59を開成すると共に、第1弁部60が、供給ポート55と第1ポート56とを連通させる。
このため、作動油は、供給ポート55、第1ポート56、第1油圧通路41を通って進角側油圧室32内に供給されると共に、遅角側油圧室33内の作動油が第2油圧通路42、第2ポート57、第4ポート59、第2ドレン通路44bを通ってオイルパン46に排出され、遅角側油圧室33が低圧になる。
従って、回転部材3は、ベーン28a〜28dを介して他方向へ最大に回転し、これによって、カムスプロケット1とカムシャフト2とは他方側へ相対回動して位相が変化し、この結果、吸気バルブの開時期が早くなり(進角され)、排気バルブとのオーバーラップが大きくなる。
前記エンジンコントロールユニット48は、第1弁部60が供給ポート55を閉止し、かつ、第3弁部61が第3ポート58を閉止し、かつ、第4弁部62が第4ポート59を閉止する位置となるデューティ比をベースデューティ比BASEDTYとする一方、クランク角センサ103及びカムセンサ104からの信号に基づいて検出されるカムスプロケット1とカムシャフト2との相対回動位置(回転位相)と、運転状態に応じて設定した前記相対回動位置(回転位相)の目標値(目標進角値)とを一致させるためのフィードバック補正分UDTYを設定する。
そして、前記ベースデューティ比BASEDTYとフィードバック補正分UDTYとの加算結果を最終的なデューティ比VTCDTYとし、該デューティ比VTCDTYの制御信号を電磁アクチュエータ54に出力するようにしてある。
尚、前記ベースデューティ比BASEDTYは、供給ポート55,第3ポート58,第4ポート59が共に閉止され、いずれの油圧室32,33でも油の給排が行われないデューティ比範囲の略中央値(例えば50%)に設定されている。
つまり、前記相対回動位置(回転位相)を遅角方向へ変化させる必要がある場合には、前記フィードバック補正分UDTYによりデューティ比が減少され、オイルポンプ47から圧送された作動油が遅角側油圧室33に供給されると共に、進角側油圧室32内の作動油がオイルパン46内に排出されるようになる。
逆に、前記相対回動位置(回転位相)を進角方向へ変化させる必要がある場合には、前記フィードバック補正分UDTYによりデューティ比が増大され、作動油が進角側油圧室32内に供給されると共に、遅角側油圧室33内の作動油がオイルパン46に排出されるようになる。
そして、前記相対回動位置(回転位相)を現状の状態に保持する場合には、前記フィードバック補正分UDTYの絶対値が減ることで、ベースデューティ比付近のデューティ比に戻るよう制御され、供給ポート55,第3ポート58,第4ポート59の閉止(油圧の給排の停止)により各油圧室32,33の内圧を保持するように制御される。
前記エンジンコントロールユニット48は、上記のように機関運転状態に応じた目標進角値となるように、電磁アクチュエータ54に出力するデューティ制御信号のデューティ比をフィードバック制御すると共に、可変バルブタイミング制御装置における応答遅れの診断を行う機能を有している。
即ち、エンジンコントロールユニット48が診断手段としての機能を備えている。
前記応答遅れの診断は、例えば、目標進角値がステップ変化してから実際の進角値が目標進角値に収束するまでに要した時間、目標進角値と実際の進角値との偏差が所定以上である状態の継続時間、目標進角値がステップ変化した直後における実際の進角値の変化速度などに基づいて行われる。
前記応答遅れ診断の結果として応答遅れの発生が判定された場合には、車両のユーザーに対して、可変バルブバルブタイミング制御装置の故障として警告され、ユーザーにメンテナンスを促すことで、内燃機関の運転性が低下している状態のまま放置されてしまうことを回避する。
ところで、上記の応答診断が正常に機能しないと、応答遅れが発生しているのに、ユーザーに警告するなどの対処を実行させることができず、内燃機関が運転性の悪化した状態で運転されることを有効に回避することができない。
そこで、本実施形態では、後述するようにして、前記応答診断が正常に機能するか否かの評価を行う。
前記診断機能の評価を行うに当たって、図7に示すように、前記電磁アクチュエータ54にバッテリ電圧VBを印加する電源ラインに電源電圧を通常時よりも低下させることが可能な電源電圧変更モジュール201を追加する。
前記電源電圧変更モジュール201は、固定抵抗器又は可変抵抗器であっても良いし、制御信号に応じてスイッチングする素子によって電源回路を切換えることで、電源ラインにおける抵抗値を切換えるモジュールであっても良い。
そして、前記診断機能の評価を車両の製造工場・整備工場において行う場合には、診断機能を評価する対象として選択された車両に対して、前記電源電圧変更モジュール201が介装されたハーネスを標準のハーネスに代えて取り付ける構成とすることができ、また、前記電源電圧変更モジュール201が、通常時の抵抗値と診断機能の評価時の抵抗値とに切換え可能なものであれば、電源電圧変更モジュール201を全車両に標準的に備える構成とすることができる。
前記診断機能の評価を行う場合には、更に、前記エンジンコントロールユニット48に外部テスターを接続させて、図8のフローチャートに示すようにして、診断機能の評価を実行させる。
図8のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、通常時よりも電磁アクチュエータ54の電源電圧を低下させるべく、電源電圧変更モジュール201によって電源ラインにおける抵抗値を増大させる。
尚、前記電源電圧変更モジュール201が例えば固定抵抗器である場合には、固定抵抗器を電源ラインに追加することで電源電圧を低下させ、また、前記電源電圧変更モジュール201が抵抗値の切換え機能を有する場合には、抵抗値を通常値よりも大きな値に変更する。
前記電磁アクチュエータ54の電源電圧を低下させると、吸気バルブの開時期を早くする(進角する)方向での応答を強制的に低下させることになり、進角方向の応答が遅れた状態が疑似的に設定されることになる。
ステップS2では、外部テスターからエンジンコントロールユニット48に対して、応答診断の実行要求信号を出力する。
尚、前記応答診断の実行要求信号の出力は、外部テスターからの信号送信の他、例えば、前記エンジンコントロールユニット48に設けたスイッチの操作によって行うことができる。
ステップS3では、前記応答診断の実行要求信号を受信したエンジンコントロールユニット48が応答診断を実行する。
前記応答診断においては、実際に内燃機関を運転させ通常にバルブタイミングを制御する状態で応答診断を行わせることができる他、前記エンジンコントロールユニット48に対して機関負荷,機関回転速度などの検出信号として疑似的に発生させた信号を入力させ、これらの疑似検出信号に基づいて通常にバルブタイミングを制御させて、そのときの応答を診断させることができる。
前記ステップS3における処理の詳細は、図9のフローチャートに示してある。
ステップS31では、応答診断の要求が発生したか否かを判別し、応答診断の要求が発生していると判断すると、ステップS32へ進む。
ステップS32では、目標進角値がステップ変化してから実際の進角値が目標進角値に収束するまでに要した時間、目標進角値と実際の進角値との偏差が所定以上である状態の継続時間、目標進角値がステップ変化した直後における実際の進角値の変化速度などに基づいて、可変バルブタイミング装置の応答が悪化しているか否かを診断する。
ステップS33では、前記応答診断の結果、可変バルブタイミング装置の応答が正常であると診断されたか否かを判断する。
そして、応答悪化の診断が下された場合には、ステップS34へ進み、応答悪化(可変バルブタイミング装置の故障発生)を警告する警告灯の点灯や応答悪化の診断結果の出力などを行う。
上記のような通常の応答診断を行わせると、図8のフローチャートのステップS4では、可変バルブタイミング装置の応答悪化、特に、進角方向の変化における応答悪化が診断されたか否かを判別する。
前記ステップS1で、電磁アクチュエータ54の電源電圧を低下させることで、吸気バルブの開時期を早くする(進角する)方向での応答が、前記応答診断で正常レベルを超えて遅いと診断されるようにしてあるので、応答診断の機能が正常であれば、進角方向における応答悪化が発生していると診断されることになる。
従って、電磁アクチュエータ54の電源電圧を低下させている状態で、進角方向への応答性が正常であると診断されているときには、応答悪化状態であるのに正常であると誤った診断結果を下したことになり、診断機能が異常であると判断できる。
そこで、ステップS3で進角方向における応答悪化が診断された場合には、ステップS5へ進み、応答診断は正常に機能していると評価して、係る評価結果を出力する。
評価結果の出力は、例えば、外部テスターに備えられた画面上への「診断機能OK」の文字表示として行われる。
一方、ステップS3で進角方向における応答悪化が診断されなかった場合には、実際には、電磁アクチュエータ54の電源電圧の低下によって応答遅れが進角方向で発生する状況であるのに、診断結果として応答が正常であると判断されたことになるので、ステップS6へ進み、診断機能が異常であると評価して、係る評価結果を出力する。
これにより、診断機能の異常が検知され、診断機能の回復を図ることができるので、診断機能に対する信頼性を向上させることができる。
尚、電磁アクチュエータ54の電源ラインの抵抗を通常値と該通常値よりも大きな診断機能を評価させるときの抵抗値とに切換える機能を有する電源電圧変更モジュール201を備えるようにし、かつ、エンジンコントロールユニット48に診断機能の評価を行うプログラムを設定する構成とすれば、ユーザーが車両を運転している間に、応答性の悪化が運転性に大きく影響しない条件で、電磁アクチュエータ54の電源電圧を強制的に低下させ、応答診断の機能が正常であるか否かを評価させることが可能である。
また、電磁アクチュエータ54の電源電圧を低下させる代わりに、又は、電源電圧の低下と共に、電磁アクチュエータ54に流れる電流を、抵抗を設けることで強制的に低下させても、進角方向における応答遅れ状態を疑似的に生成させることができる。
ところで、特開2001−164951号公報や特開平10−153104号公報に開示される、電磁クラッチ(電磁ブレーキ)の摩擦制動によってクランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させる構成の可変バルブタイミング装置や、特開2001−012262号公報に開示される、モータによって制御軸を回動させることで、エンジンバルブのバルブリフト量を作動角と共に連続的に変化させる可変動弁機構にも、上記実施形態に示した診断機能の評価方法を適用することができ、診断応答される可変動弁機構を、図1〜図6に示した油圧式の可変バルブタイミング制御装置に限定するものではない。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置において、
前記可変動弁機構が、アクチュエータに対する電流の増大に応じてエンジンバルブの作動特性を1方向に変化させ、前記電流の減少に応じて前記作動特性を逆方向に変化させる構成であり、前記電流の増大方向における作動特性変化の応答を診断した結果に基づいて作動応答の診断機能を評価することを特徴とする可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置。
かかる構成によると、アクチュエータの電流を増大させることで、エンジンバルブの作動特性が1方向に変化するから、電流を強制的に低下させることで、前記1方向に変化するときの応答は低下するが、電流を減少させることで変化する逆方向への作動応答は低下しないので、電流又は電圧を低下させたときの前記1方向への作動応答の悪化が診断されるか否かに基づいて、診断機能が正常であるか否を評価させる。
(ロ)請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置において、
前記アクチュエータの電源ラインにおける抵抗値の変更によって、前記アクチュエータに送られる電気信号の電圧又は電流を強制的に低下させることを特徴とする可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置。
かかる構成によると、電源ラインの抵抗値を通常よりも大きく変更することで、アクチュエータの電源電圧が低下し、アクチュエータに流れる電流を低下させることができる。
(ハ)請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置において、
目標の作動特性になるように前記可変動弁機構をフィードバック制御したときに目標の作動特性に収束するまでに要した時間に基づいて、応答遅れを診断することを特徴とする可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置。
かかる構成によると、目標への収束時間が長くなったことによって、応答遅れの発生を診断する。
尚、収束時間の判断においては、目標の作動特性のステップ変化幅に応じて収束時間の閾値を変更することが好ましい。
(ニ)請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置において、
目標の作動特性と実際値との偏差が所定以上である状態の継続時間に基づいて、応答遅れを診断することを特徴とする可変動弁機構の診断機能の評価方法又は可変動弁機構の診断装置。
かかる構成によると、目標の作動特性に対して実際値が近づく速度が遅く、目標の作動特性と実際値との偏差が所定以上である状態が長く続く場合には、応答遅れの発生を診断する。
(ホ)請求項2〜4のいずれか1つに記載の可変動弁機構の診断装置において、
前記診断手段としての機能を有するコントロールユニットに対して、前記評価手段としての機能を有する外部テスターを接続して、前記診断手段の機能評価を行うことを特徴とする可変動弁機構の診断装置。
かかる構成によると、診断機能を評価する必要に応じて外部テスターをコントロールユニットに接続することで、診断機能が正常に機能しているか否かが評価される。
実施の形態における可変バルブタイミング装置を示す断面図。 図1のB−B断面図。 上記可変バルブタイミング装置の分解斜視図。 上記可変バルブタイミング装置における電磁切換弁を示す縦断面図。 上記可変バルブタイミング装置における電磁切換弁を示す縦断面図。 上記可変バルブタイミング装置における電磁切換弁を示す縦断面図。 実施形態において応答診断の評価に用いる電源電圧変更モジュールを示す回路図。 実施形態における応答診断の評価処理を示すフローチャート。 実施形態における応答診断処理を示すフローチャート。
符号の説明
2…カムシャフト、4…油圧回路、32…進角側油圧室、33…遅角側油圧室、43…供給通路、44a,44b…ドレン通路、45…電磁切換弁、47…オイルポンプ、48…エンジンコントロールユニット、53…スプール弁体、54…電磁アクチュエータ、101…回転センサ、102…エアフローメータ、103…クランク角センサ、104…カムセンサ、201…電源電圧変更モジュール

Claims (4)

  1. エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構の作動応答を診断する診断機能の評価方法であって、
    前記アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させ、
    前記電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させた状態で前記可変動弁機構の作動応答を診断し、
    該作動応答の診断結果に基づいて前記作動応答の診断機能を評価することを特徴とする可変動弁機構の診断機能の評価方法。
  2. エンジンバルブの作動特性を電気信号によって作動するアクチュエータによって変更する可変動弁機構の作動応答を診断する診断装置であって、
    前記アクチュエータに送られる電気信号の電圧及び/又は電流を強制的に低下させる作動遅れ発生手段と、
    前記可変動弁機構の作動応答の遅れを診断する診断手段と、
    前記作動遅れ発生手段の作動状態で、前記診断手段が前記可変動弁機構における作動応答の遅れを診断するか否かに基づいて、前記診断手段の機能評価を行う評価手段と、
    を備えたことを特徴とする可変動弁機構の診断装置。
  3. 前記可変動弁機構が、油圧によってエンジンバルブの作動特性を変更する構成であって、前記アクチュエータが可変動弁機構に供給する作動油量を制御するバルブであることを特徴とする請求項2記載の可変動弁機構の診断装置。
  4. 前記評価手段が、前記作動遅れ発生手段の作動状態で、前記診断手段が前記可変動弁機構における作動応答が正常であると診断したときに、前記診断手段の診断機能が異常であると判断することを特徴とする請求項2又は3記載の可変動弁機構の診断装置。
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