JP2006132250A - 地表水排水路の閉塞防止目皿 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排水路の排水機能を確保するとともに、同排水路の地表水の集水機能を長期間維持可能な地表水排水路の閉塞防止目皿を提供する。
【解決手段】 地すべり斜面Aに設置されこの地すべり斜面Aの地表面を流下する地表水を集水して該地すべり斜面Aから排水する上方に開口を有した排水路50において、前記排水路50には、該排水路50の横断面を上下、かつ排水路50が有した一方の開口周縁51Aを上端にして、斜めに区画した目皿本体2が設置され、この目皿本体2は、その区画した下方の排水路内へ地表水だけを通過させる貫通孔2aを有した構成の地表水排水路50の閉塞防止目皿1とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 地すべり斜面Aに設置されこの地すべり斜面Aの地表面を流下する地表水を集水して該地すべり斜面Aから排水する上方に開口を有した排水路50において、前記排水路50には、該排水路50の横断面を上下、かつ排水路50が有した一方の開口周縁51Aを上端にして、斜めに区画した目皿本体2が設置され、この目皿本体2は、その区画した下方の排水路内へ地表水だけを通過させる貫通孔2aを有した構成の地表水排水路50の閉塞防止目皿1とした。
【選択図】 図1
Description
この発明は、地すべり斜面に設置された排水路の機能低下を抑制した地表水排水路の閉塞防止目皿に関し、地すべり斜面における地表水排除施設に好適なものである。
一般に、地すべり防止工法の一つとして地表水排除工が知られている。この地表水排除工は、地表水の斜面浸透を抑制して、浸透水による地すべりの発生を防ぐ工法である。すなわち、地表水排除工は、図3に示すように、地すべり斜面A内に縦横断的に、該地面に連続的に上方が開口した地表水排水路50を配置し、この排水路50の下流端を地すべり地外に接続した構成としている。したがって、この排水路50によって、降雨や融雪により生じた地表水を、斜面に浸透させることなく、集水して速やかに地すべり地外に流下させ排水している。
しかしながら、上記の工法では、その地表水排水路が、地表水の集排水機能を長期間に渡って維持することが困難であるという問題があった。
すなわち、この工法では、水路内への草の倒れ込みや落ち葉の水路内堆積により水の流下断面積が減少し、排水路として上流から下流に向けて流水させる排水機能が損なわれ、水路から水が溢れ、この溢れた水の斜面浸透や水路周辺斜面の浸食、水路の損傷などが生起して、大きな問題となっていた。また同時に前記の堆積により、地表水排水路として、地表水を排水路内に流入させて集水する集水機能が、損なわれるいという不具合も生じた。すなわち、前記の堆積による閉塞箇所よりも上流側の排水路の所定範囲は、滞留した水で満水となるので、この範囲の排水路には、それ以上、地表水が流れ込めなくなり、集水機能が得られなくなる。
そこでこの発明は、前記従来の問題点を解決し、排水路の排水機能を確保するとともに、同排水路の地表水の集水機能を長期間維持可能な地表水排水路の閉塞防止目皿を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地すべり斜面に設置されこの地すべり斜面の地表面を流下する地表水を集水して該地すべり斜面から排水する上方に開口を有した排水路において、前記排水路には、該排水路の横断面を上下、かつ排水路が有した一方の開口周縁を上端にして、斜めに区画した目皿本体が設置され、この目皿本体は、その区画した下方の排水路内へ地表水だけを通過させる貫通孔を有したことを特徴とする地表水排水路の閉塞防止目皿である。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記目皿本体は、前記排水路が有した互いに対向した開口周縁のうち、前記一方の開口周縁に掛止される第1の掛止部と、他方の開口周縁に掛止される第2の掛止部とを有するとともに、前記貫通孔は、前記第1の掛止縁部の近傍から下方に向けて間欠的または連続的に形成して設けた。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記目皿本体は、人力で取扱い可能な大きさおよび重量を有した。
この発明によれば、水路周辺の植物の繁茂状況に拘わることなく、地表水排水路の排水機能を確保できるとともに、同排水路の地表水の集水機能を長期間、維持することが可能となる。すなわち、単なる排水路の上方開口をカバーした有孔の蓋状部材ではなく、また排水路内を水平に区画して外部から侵入した異物を排除した流路空間を確保するようにした格子状部材でもなく、排水路が有した一方の開口周縁に連接して、該排水路の横断面を斜めに区画するとともに、この区画した下方へ地表水だけを通過させるように構成した閉塞防止目皿であるので、この閉塞防止目皿の傾斜した上面に異物を堆積させて、排水路内の上部に保持でき、排水機能を確保できるともに、前記傾斜した目皿上面の下部から上部に向けて順に異物を堆積させて、この堆積物によって目皿の上部部分が覆われるまでの期間、地表水の集水機能を維持することができる。
この発明の実施形態を図面により説明する。図1(a)は、地表水排水路の閉塞防止目皿の全体構成を示す概略斜視図、(b)は、排水路と、閉塞防止目皿とを分離してそれぞれ単体で示した概略斜視図であり、図2(a)は、閉塞防止目皿の詳細構成を示す概略横断面図であり、(b)は、同横断面図を用いて堆積物の堆積過程を示す概略図である。
すなわち、図1(a)に示すように、地表水排水路50は、U字溝を地すべり斜面Aに縦横断的に配置して形成されている。すなわち、このU字溝は、地すべり斜面Aの傾斜面を横切って、つまり傾斜面における傾斜方向に対して略交差する方向に延在され、かつ、その溝内の底面が排水路50としての下流側に向けて低くなるように設置されている。また、このU字溝は、地すべり斜面A外に到達するように連続的に設置され、またはその下流端部が、図示しない2次水路などに接続されている。
このU字溝は、上方に開口したU字管51を、その開口を地表面よりも僅かに低くなるように埋設して形成されており、このU字管51は、その横断面形状が上方に開口した略U字形状に形成され、このU字断面形状が、水路長手方向に連続するように設置されている。すなわち、このU字管51は、互いに対向した2つの垂直な側壁面51a,51bと、これらの側壁面51a,51bの下端を水平に接続した底面51cとを一体に形成した構成とされ、樹脂製やコンクリート製とされている。
また、このU字管51は、その上端の開口周縁51A,51Bが、地すべり斜面Aを形成した地表面よりも所定に下方位置となるように埋設され、一方の開口周縁51Aとこの開口周縁51Aの周りの地表面との間、および他方の開口周縁51Bとこの開口周縁51Bの周りの地表面との間に、それぞれ上方に突出した段差を生じさせないようにしている。したがって、地すべり斜面Aの傾斜した地表面を伝わって流れ降ってくる地表水は、自然にU字管51内に流入する。なお、同図中に符号を附して示すように、地すべり斜面Aにおける高い方に面して地表面として連続した基本的に地表水流入側となった一方の開口周縁が51Aであり、同地すべり斜面Aの低い方に面して連続した他方の開口周縁が51Bとなっている。
したがって、このように構成されたU字管51を地すべり斜面Aに所定に配置して形成した地表水排水路50によれば、地すべり斜面A内に生じた地表水は、この地すべり斜面Aの傾斜した地表面を伝わって流下し、最寄りの排水路50に流れ込む。そして、排水路50内に流れ込んだ地表水は、排水路50内を排水路50の下流側に流下して、地すべり地外へ排出される。このため、地すべり斜面Aにおける所定範囲の地中への集中的な地表水の浸透を防止できる。
ところが、地すべり地内は、地表水が生じることからも植物の生育に適しており、草木が繁茂していることが多く、排水路50内への草の倒れ込みや、落ち葉の堆積等が生じて、これらにより排水路50が閉塞した場合が数多く認められていた。そこで、これらに起因した排水路50の閉塞を防止するには、一般的な道路側溝などと同様に、地表水だけが通れる孔を多数形成した図示しない蓋で、排水路50をカバーすればよいと思われた。しかし、今度は倒れた草や落ち葉の堆積によって蓋の孔が短時間で閉塞してしまいやすいので、地表水排水路50として地表水の集水機能が損なわれてしまう。すなわち、排水路50の上方開口を蓋でカバーした場合には、蓋の孔が草や落ち葉で塞がれやすくなるので、草や落ち葉の堆積による水路閉塞を防止できても、地表水の集水機能が得られなくなる。
そこで、上記の理由で排水路50の閉塞が懸念される場所としての排水路50の箇所には、この実施形態の閉塞防止目皿1を配置することにより、地表水排水路50としての集水機能の低下を抑制し集水機能を長期間維持するとともに、排水機能を確実に確保するようにしている。
すなわち、この実施形態の地表水排水路50の閉塞防止目皿1は、図1(a)(b)、および図2(a)に示すように、貫通孔として格子状スリット2aを多数有して略長板状に形成された目皿本体2と、この目皿本体2を所定の傾斜姿勢で排水路50内に配置して保持する1対の掛止部3,4とを主体に構成され、第1の掛止部3は、目皿本体2の長辺となる一方の周縁に設けられ、第2の掛止部4は、他方の長辺となる周縁に連接して形成され、目皿本体2の傾斜角度に応じて垂直方向の長さが確保され該垂直方向に延在された長板面状の介装部5を介して設けられている。
したがって、閉塞防止目皿1は、これらの第1,第2の掛止部3,4を、それぞれ地表水排水路50を形成したU字管51の開口周縁51A,51Bに掛止できれば、排水路50の任意箇所に設置できる。すなわち、地すべり斜面Aの高い方に向いて基本的に地表水流入側となった一方の開口周縁51Aに、第1の掛止部3を掛止し、同地すべり斜面Aの低い方に向いた他方の開口周縁51Bに、第2の掛止部4を掛止して、閉塞防止目皿1を排水路50に設置することが好ましい。したがって、閉塞防止目皿1は、排水路50の横断面に対してその目皿本体2の縁の片方が、排水路50の開口周縁51Aの上端に位置し、他方の目皿本体2の縁が排水路50内の側面で下部に位置した傾斜姿勢で排水路50内に配置される。
すなわち、第1の掛止部3は、目皿本体2の一方の周縁にリブ状部材として設けられ、この周縁に連接し目皿本体2と所定の角度を確保して、該目皿本体2の長手方向に連続的に設けられ、所定長さ突出している。介装部5は、面状に形成され、目皿本体2の他方の周縁に接合して設けられ、略垂直方向の上方に延在されており、この介装部5の上端に連接し介装部5と直交した角度を確保した、リブ状部材として第2の掛止部4が設けられている。すなわち、この第2の掛止部4は、介装部5の上端に、この介装部5つまり目皿本体2の長手方向に連続的に設けられ、所定長さ突出されている。
介装部5は、目皿本体2の長手方向長さと同一な長さを有した長板面状に形成され、目皿本体2の傾斜姿勢に応じて、つまり目皿本体2自体の傾斜角度に応じて、その幅寸法である上下方向の長さが設定されている。すなわち、この実施形態では、目皿本体2は、その上端が地表水流入側の開口周縁51Aとほぼ同じ高さ位置で該開口周縁51Aの近傍箇所から、その下端が流入側に対向した排水路50の側壁面51bでこの側壁面51bの深さにおける略半分付近に接する傾斜姿勢とされ、この傾斜姿勢となるように、介装部5の上下方向の長さ寸法が設定されている。つまり、介装部5の上下方向の長さ寸法は、目皿本体2が深い傾斜姿勢つまり傾斜角度が大きくなるほど、より長く設定され、浅い傾斜姿勢つまり傾斜角度が小さくなるほど、より短く設定されている。
したがって、このように構成した閉塞防止目皿1を所定の向きで排水路50に設置した場合には、その第1の掛止部3の下面は、排水路50が有した基本的に地表水が流れ込む側としての一方の開口周縁51Aの上端面に、均一に接するとともに、第2の掛止部4の下面は、他方の開口周縁51Bの上端面に、均一に接する。また、介装部5は、排水路50の側壁面51bに面接触することになる。
目皿本体2は、貫通孔としての縦長形状に長細いスリット2aが、所定に配列されて多数形成されている。これらのスリット2aは、連続した直線状の長孔に形成され、目皿本体2の厚さ方向である上面から下面まで貫通して設けられている。このスリット2aは、その長さ方向が、排水路50の開口周縁に直交した方向に向けられ、その長さが、目皿本体2における上端から下端までのほぼ全域に渡る長さに設定されている。このスリット2aは、目皿本体2の長さ方向で所定間隔をおいて、互いに平行に配列されている。したがって、これらのスリット2aは、目皿本体2上における流水の自然な流下方向に向けて形成されているので、このスリット2aの長手方向に沿って、排水路50に流れ込んだ地表水がスムーズに流れることになる。
スリット2aは、その横幅が、地表水以外の排水路50を閉塞する異物のほぼ全部の通過を阻止し地表水だけを通過させる程度の幅とされ、スリット2a同士の間の目皿本体2の部分は、目皿本体2上に草や落ち葉などの堆積物を支持可能な充分な剛性強度が保てる幅が確保されている。したがって、排水路50に流れ込んだ地表水は、その地表水の向きや勢いにもよるが、その目皿本体2に形成されたスリット2aに沿って流れながら、このスリット2aの途中で、適宜、該スリット2aを通過して、目皿1よりも下方に位置した排水路50内に到達する。また特に、異物が混入した地表水は、スリット2aにより異物から分離されて、地表水だけが、排水路50内に流入する一方、異物は目皿上に残置される。このため、地表水だけが、目皿本体2に形成されたスリット2aを通過して、排水路50内の下部に流れ込むことになる。
また、目皿1を構成した第1,第2の掛止部3,4が、その目皿1自体の自重でU字管51の開口周縁に線状に接触しているのに加えて、目皿1を構成した介装部5が排水路50の側壁面に面接触しているので、両者1,50間の接触面積を充分に大きくできる。このため、これらの接触面によって、目皿1を前記の面に平行な方向に動かそうとする外力に抗した抵抗力を充分に確保できることになり、その設置した姿勢を安定して保つことができる。したがって、排水路50内がその排水路50内を流れる地表水で満杯となった場合にも、この地表水の水流で目皿1自体が設置箇所から下流側に押し流されることなく、またこのように地表水が充填された排水路50内でも、排水路50の横断面において斜めに傾斜した姿勢を安定して保持できる。この結果、排水路50内を流れる地表水の流量に拘わりなく、上記した作用効果を得る目皿1の性能を安定して保持できる。
このように構成された目皿1を、草の倒れ込みや落ち葉などの異物の堆積が懸念される排水路50の箇所に配置すれば、草の倒れ込みや落ち葉が生じた場合、図2(b)に堆積物X0,X1,X2として示すように、それらは目皿1の最深部から堆積し出し、地すべり傾斜面Aを流れ下った同図中に白抜き太矢印で示した地表水は、堆積物Xの上面以浅の目皿1露出部から排水路50内に流れ込むことができる。そして、目皿1上の堆積物Xよりも上方に位置した目皿1露出箇所にあるスリット2aを通過して、地表水が排水路50内に流下する。これらのことにより、地表水は、排水路50内に侵入した堆積物Xにより、目皿1の上面が完全に覆われるまでの期間、排水路50内に流入し続けることができる。なお、排水路50は、地表水が、基本的には開口周縁51A側から排水路50内に流れ込むようにしているが、たとえば排水路50の両側周辺に降雨したり、降雪したりしたなどの場合のように、開口周縁51B側からも地表水が、流れ込むものと考えられるが、これらのいずれの開口周縁51A,51B側から地表水が流れ込んでも、前記したように堆積物Xを傾斜した目皿1の最深部から堆積し出させることができるので、目皿1の上面が堆積物Xで完全に覆われるまでの期間、地表水を排水路50内に流入し続けさせることができる。
他方、排水路50に入り込んだ堆積物によって目皿1の上面が完全に覆われても、排水路50内には地表水流下断面が確保され、排水路50上流域からの流下水を流下させることができる。すなわち、このようにスリット2aを有した目皿1は、地表水以外の草や落ち葉などの異物のうち、堆積可能で排水路50を閉塞するものが、排水路50内に侵入することを阻止できる。したがって、この目皿1によって区画された該目皿1よりも下方の排水路50内の横断面積は、そのまま維持され、流路断面積を排水用に充分に確保できる。すなわち、堆積物で目皿1が完全に覆われた排水路50の箇所を通過させて、上流側からの流下水を下流側に流下でき、排水路50内の流れを確保できる。
また、目皿1は、人力で取扱い可能に構成されている。すなわち、目皿1は、防錆加工した鋳鉄などの金属材や合成樹脂材のように安価な材料を用い耐候性や耐久性を所定に確保して上述した形状に形成した部材とされ、また人が簡単に取り外せる大きさとしての長さ及び重さに構成されている。したがって、このように構成され、目皿1が簡単に取り外せるので、目皿1や排水路50からの堆積物の除去は、簡単にできる。すなわち、人力で目皿1を排水路50から取り外せば、目皿1自体に強固に付着した堆積物の除去作業を容易化できる。また特に、排水路50は地すべり斜面に設置され、目皿1の設置場所として傾斜面内に位置しており、機器による目皿1の運搬や設置は、困難となる。しかもこの設置場所は既に植物が繁茂している場所である場合が多いので、機器による運搬や設置は、より困難となる。このため、上記のように目皿1を人力で取扱い可能に構成して、人力による設置場所までの目皿1の運搬作業や、設置場所での目皿1の設置作業が容易化されているので、目皿1が設置可能な場所としての適用範囲を拡大できる。
なお、上記したように目皿1を構成した介装部5を面状に形成したが、介装部5は、この介装部5を介して第2の掛止部4に負担させる目皿本体2および目皿本体2上の堆積物などの重量からなる荷重に耐える強度が確保できれば、面状に限られることなく、適宜、介装部5に切欠きを設けた構成としたり、目皿1の長手方向の両端部だけに介装部5を設けた構成としたりしてもよく、これらの各構成の場合には、それぞれ目皿1としての重量を軽減させることができ、目皿1の取扱い性をさらに向上できる。
以上のように、この実施形態の地表水排水路の閉塞防止目皿によれば、閉塞防止目皿を地すべり防止工事に用いることにより、従来のものに比べて、地表水排水路の集水・排水機能を長期間、両立させて維持できるとともに、施設の管理も簡単にできる。この従来のものとしては、単なる排水路の上方開口をカバーした有孔の蓋状部材や、排水路内の底部に配置され該排水路内を水平に区画して外部から侵入した異物を排除した該排水路内における流路空間だけを確保するように構成した格子状部材であり、これらは、地表水排水路の排水機能だけを確保することを目的としており、排水路外部から侵入した異物の堆積によって、排水路内へ地表水を流れ込ませる集水機能を、早期に失うことが多いのに対して、この閉塞防止目皿では、前記の堆積物の許容量を所定に確保して、この許容量以下では集水機能を損なうことがないように構成されている。
すなわち、地すべり防止工事である地表水排除工の一環として、排水路外から樹枝や落ち葉などの異物が侵入しこれらの異物が堆積して排水路の閉塞が懸念される排水路の箇所に、排水路が有した一方の開口周縁に連接して、該排水路の横断面を斜めに区画するとともに、この区画した下方へ地表水だけを通過させるように構成した閉塞防止目皿を設置すれば、この閉塞防止目皿の上面に異物を堆積させて、排水路内の上部に保持できる。したがって、排水路内における閉塞防止目皿よりも下方の空間を充分に安定して維持できる。このため、この空間を、排水路として上流から下流に向かう連続的な流路を形成した排水空間とでき、排水路の排水機能を確保できる。
他方、閉塞防止目皿を、排水路の横断面積において斜めの姿勢で設置したので、この傾斜面の下部から上部に向けて順に異物を堆積させることができる。すなわち、傾斜した目皿上で、排水路の片側かつ下方であり排水路の深部から順次、上方に向けて、自然に異物を堆積させることができる。このため、この堆積物よりも上方に位置した目皿の部分を外部に長期間、露出させた状態にでき、この露出した目皿の部分を地表水が通過して、目皿が区画して形成した排水路内の前記排水空間に到達できる。すなわち、この閉塞防止目皿では、傾斜した目皿の上部部分が覆われるまでの異物の堆積量が、集水機能を確保した許容量となる。このため、閉塞防止目皿を設置した排水路は、地表水排水路として地表水の集水機能を長期間、維持することが可能となる。これらの結果、地表水排水施設としての保守管理の手間を軽減でき、施設の管理が簡素化される。
特に、有孔の蓋状部材で排水路の上方開口をカバーした構成では、排水路内への異物侵入を阻止し、この阻止された異物が堆積するその蓋状部材の上面がほぼ平坦な水平面なので、謂わば上記の許容量として不定となり、またこの蓋状部材の上面に異物が薄く堆積しても、蓋状部材の孔が閉塞される可能性が高く、許容量が少ないのに対して、この目皿は、上記の許容量までは異物を排水路内の目皿上に堆積させて確実に捕捉できる。したがって、結局、有孔の蓋状部材を排水路に設置しても、異物に対する対処が不安定で不充分となるのに対して、この目皿を設置すれば、上記の許容量を基準とした安定かつ充分な対処とできる。
さらに、閉塞防止目皿は、排水路自体の構成を変更せずに設置や取り外しできるので、既存の排水路に追加して設置したり、一度ある箇所に設置したものを、植物の繁茂状況の変化に応じて、他の植物による閉塞が懸念される箇所に設置し直すことも、容易にできる。たとえば、冬季などには排水路の近くに閉塞防止目皿を格納しておき、冬季以外の季節に閉塞防止目皿を排水路に設置してもよい。したがって、植物の繁茂状況の変化に追従させた再配置が可能となり、適宜、設置場所に応じた柔軟な対処ができる。このため、閉塞防止目皿の適用範囲を拡大できる。
また、一旦、目皿の上面が異物で覆われた状態となっても、地表水が生じた場合に、この地表水が排水路に流れ込む勢いによっては、既存の堆積物を排水路の片側に寄せることができるので、集水機能を回復させ、または集水機能を一時的に発揮させる可能性を高めることができる。すなわち、目皿の上端は、地すべり傾斜面の高い方に面した排水路の開口周縁つまり地すべり傾斜面を流れてくる地表水が流れ込む側となった排水路の開口周縁に掛止され、この周縁に連接して、直角などのように急激に角度を変化させることなく、斜め下方に向けた姿勢の目皿本体が設けられているので、地すべり傾斜面を流れ下ってくる地表水の水流としての勢いを減殺せずに済む。したがって、この地表水が生じる前に目皿上にあった既存の草や落ち葉などの異物を、上端から離れた方に押しやることができる。この結果、目皿における上端側の附近は、スリットを堆積物で閉塞させることなく、開放した状態となる可能性が高まるので、最低限の集水機能を発揮させることを期待できる。
なお、上記の実施形態においては、目皿にはその目皿本体の幅方向の概略上端から下端まで直線的に連続した長孔状で単一のスリットを形成してこれらを平行に多数配列した例を説明したが、これに限られることなく、間欠的でもよく、丸孔を多数、配列してもよく、さらには長棒状の部材を適宜、組合わせて形成した枠状部材の目皿本体としてもよく、結局、排水路内に侵入し堆積する異物としての設置場所の植生状況に応じて、この異物の通過を阻止し地表水だけを透過させる目皿本体の構成であれば、適宜、任意の構成としてよい。
また、目皿本体の下端がほぼ排水路の深さ寸法の略半分の側壁の箇所に接するように、目皿本体を傾斜させて配置した例を説明したが、これに限られることなく、目皿本体の傾斜姿勢は、設置場所の植生状況や、排水路自体の横断面積形状に応じて、適宜、変更してよい。たとえば、排水路の凹部としての深さが、上記の例よりも浅くなった場合には、目皿本体に設定した傾斜姿勢の角度を緩やかにしたり、上記の例の傾斜角度のままにして、目皿本体の下端が、この浅い排水路の底部近傍に位置するようにしたりしてもよい。
さらに、単体の目皿を設置した例を説明したが、これに限られることなく、排水路の所定範囲を連続的にカバーするように複数の目皿を連結して設置してもよい。すなわち、連結する各目皿の長手方向の端部同士を、別体の結合金具や、その端部に一体に設けた結合部で接合し、複数の目皿をその長手方向に直列に接続して1本化し、長大な目皿として排水路に設置してもよい。したがって、この場合には、1つの目皿単体がその自重で設置された位置を確保するのに比べて、それぞれの自重に加えて、それぞれの目皿単体に連結された他の目皿が、互いに位置を拘束し合うことになるので、目皿を設置した最初の状態を、充分に安定して保持できる。特に、個々の目皿単体が人力で取扱い可能な大きさおよび重量の構成の場合に、このように目皿同士を連結して排水路に設置すれば、この連結を解除しない限り、いたずら目的などで不正に設置位置を変更されたり、取り外されたりすることを防止できる。すなわち、人為による不正な再配置や排除を防止でき、設置した状態の保護が図れる。
1 閉塞防止目皿 2 目皿本体
2a スリット(貫通孔) 3 第1の掛止部
4 第2の掛止部 5 介装部
50 地表水排水路 51 U字管
51a 地表水流入側の側壁面 51b 地表水流入側に対向した側壁面
51c 底面 51A 地表水流入側の一方の開口周縁
51B 他方の開口周縁
A 地すべり斜面 X,X0,X1,X2 異物の堆積物
2a スリット(貫通孔) 3 第1の掛止部
4 第2の掛止部 5 介装部
50 地表水排水路 51 U字管
51a 地表水流入側の側壁面 51b 地表水流入側に対向した側壁面
51c 底面 51A 地表水流入側の一方の開口周縁
51B 他方の開口周縁
A 地すべり斜面 X,X0,X1,X2 異物の堆積物
Claims (3)
- 地すべり斜面に設置されこの地すべり斜面の地表面を流下する地表水を集水して該地すべり斜面から排水する上方に開口を有した排水路において、
前記排水路には、該排水路の横断面を上下、かつ排水路が有した一方の開口周縁を上端にして、斜めに区画した目皿本体が設置され、この目皿本体は、その区画した下方の排水路内へ地表水だけを通過させる貫通孔を有したことを特徴とする地表水排水路の閉塞防止目皿。 - 前記目皿本体は、前記排水路が有した互いに対向した開口周縁のうち、前記一方の開口周縁に掛止される第1の掛止部と、他方の開口周縁に掛止される第2の掛止部とを有するとともに、前記貫通孔は、前記第1の掛止縁部の近傍から下方に向けて間欠的または連続的に形成して設けたことを特徴とする請求項1記載の地表水排水路の閉塞防止目皿。
- 前記目皿本体は、人力で取扱い可能な大きさおよび重量を有したことを特徴とする請求項1または2に記載の地表水排水路の閉塞防止目皿。
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