JP2006131936A - 引っ掛け治具及び金属回収方法 - Google Patents

引っ掛け治具及び金属回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属の浪費をなくすべく設けられた絶縁被膜を確実に固定でき、種々の被表面処理物の引っ掛けに対応できる引っ掛け治具を提供することを一の課題とし、めっき層の形成に関与しなかった金属等を効率的に回収するための金属回収方法を提供することを他の課題とする。
【解決手段】 本発明の引っ掛け治具は、陰極と通電する治具本体と、該治具本体から突出させて設けられる給電体とを備え、給電体は、導電性金属材料からなる線材がU字状に折り曲げられ、当該折り曲げによって対向する線材を絶縁被膜で一体的に被覆されるとともに、給電体の一部が通電させるべく露出されてなるようにした。さらに、本発明の金属回収方法は、上記引っ掛け治具を用いて被表面処理物をめっきした後、該引っ掛け治具に析出した金属を剥離し、剥離した金属を回収するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として電気化学反応又は化学反応を応用しためっき法などにおいて、製品の表面処理に寄与しない金属イオンを回収するための引っ掛け治具及び金属回収方法に関する。
電気化学反応を応用した湿式のめっき法においては、一度に多数の製品(以下、「被表面処理物」という)を処理するために引っ掛け治具などが使用されている。引っ掛け治具は、親骨と、該親骨から突設される1乃至複数の枝骨とを有する治具本体から構成される。また、枝骨の先端には被表面処理物を引っ掛けたり、挟持したりする給電体が設けられている。
そして、めっき槽の陰極部に、被表面処理物を給電体に引っ掛けた状態で引っ掛け治具を設置し、通電することにより、めっき処理を行うことができる。図7に、従来の引っ掛け治具の要部断面図を示す。なお、図7(a)は、通電前の状態、図7(b)は、繰り返し通電が行われた後の状態を示す。
図7(a)に示すように、引っ掛け治具は、親骨53と、該親骨53から突出する枝骨54とから構成されている。該枝骨54には、被表面処理物を引っ掛ける断面略円形状の給電体51が設けられ、該給電体51には、その表面に金属の附着を防止する金属附着防止膜52が被覆されている。また、前記親骨53及び枝骨54の表面には、めっき槽に浸漬したときに絶縁を図るための絶縁被膜55が被覆されている。
しかし、めっきなどの表面処理法が繰り返し行われると、図7(b)に示すように、給電体51には不要なめっきの被膜56が附着される。そして、不要なめっきの被膜56が多層積層されると、給電体51は、通電不良を起こしてめっき効率が悪くなるとともに、被表面処理物が確実に固定されないなどの問題を生じる。さらに、不要なめっきの被膜56が、給電体51の表面全体にわたって附着するので、金属を無駄に消費することとなり、また、研磨処理にも手間がかかるという問題がある。
そこで、このような問題点を解消する方法として、給電体51に附着する金属の量を削減するために、給電体51の表面を絶縁被膜でコーティングし、被表面処理物と接する部分を露出させることが考えられる。図8に、絶縁被膜を被覆する給電体の断面模式図を示す。図8に示すように、給電体51は、その表面に絶縁被膜55が被覆され、通電される部分を露出させて、露出部分に金属附着防止膜52を被覆している。これにより、不要なめっきの被膜の附着を削減することができ、ひいては、めっき槽の金属の浪費をなくすこともできる。
しかしながら、このような給電体51は、一般的に断面が略円形状であるため、絶縁被膜55が給電体51の表面に沿って回転してしまい、絶縁被膜55が固定されにくいという問題がある。そこで、例えば、給電体51を複雑な形状に成形することによって、絶縁被膜55が回転するのを防止することも考えられるが、複雑な形状に変形された給電体51は、種々の被表面処理物の引っ掛けに対応できなくなり、汎用性がなくなるという問題がある。
また、さらに別の問題として、給電体51に附着した金属は、従来、酸などの剥離液に浸漬することによって除去されているが、除去された金属を剥離液とともに廃棄するのは、金属を有効利用するという観点、および環境負荷を低減するという観点から、好ましいものではない。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、表面処理に使用される金属の浪費をなくすべく絶縁被膜を設けた場合でも、該絶縁被膜を確実に固定することができ、しかも、種々の被表面処理物の引っ掛けに対応できる汎用性を備えた引っ掛け治具を提供することを一の課題とする。
また、本発明は、めっき層の形成に関与しなかった金属や、電解研磨や陽極酸化において発生した金属イオンを効率的に回収するための金属回収方法を提供することを他の課題とする。
そこで、本発明に係る引っ掛け治具は、陰極と接続することにより通電する治具本体と、該治具本体から突出させて設けられる給電体とを備えてなり、被表面処理物を前記給電体に保持した状態で前記被表面処理物とともに、めっき液中へ浸漬される引っ掛け治具であって、前記給電体は、導電性金属材料からなる線材がU字状に折り曲げられ、当該折り曲げによって対向する線材が絶縁被膜で一体的に被覆されるとともに、該給電体の一部が前記被表面処理物に通電させるべく露出されてなるようにした。
上記構成からなる引っ掛け治具によれば、折り曲げた線材を絶縁被膜で一体的に被覆したので、給電体とめっき液とが接する面積を狭い範囲に設定することができ、無駄な金属の附着を防止し、めっき槽の金属の浪費をなくすことができる。また、給電体の断面は、2本の対向する線材が絶縁被膜で一体的に覆われている形状を有するので、絶縁被膜が給電体の表面で回転することがなく、絶縁被膜を固定させることができる。さらに、線材をU字状に折り曲げただけであるので、給電体をシンプルな形状に維持することができ、汎用性を有することができる。
また、前記給電体の露出されている範囲が、該給電体の長手方向において2分の1以下の長さであることが好ましく、さらに、線材の周方向において2分の1以下であることが好ましい。これにより、前記給電体の露出部分に附着しためっきは、めっきの厚みが増してきた場合に、自然にめくれて剥がれ易いものとなる。
また、前記給電体は、露出されている部分に、DLC,TiN,TiC及びCrNのうち、少なくともいずれか一つからなる金属附着防止膜が形成されてなるようにした。これにより、附着した不要なめっきの金属剥離が容易になり、附着金属の回収、リサイクルが可能となる。
また、前記給電体は、U字状に折り曲げられたことにより弾性力を有し、かつ、その一端を折り曲げてなる係止部を備え、前記治具本体は、前記給電体を挿入可能に形成され、かつ、前記係止部と係合する突起部を備え、前記給電体が前記治具本体に挿入された際に、前記弾性力の復元によって前記係止部と突起部とが係合するように構成されるようにした。
これにより、給電体を着脱式にすることができ、給電体の汎用性を有しつつも、給電体を交換したい場合に、容易に着脱することができる。従って、給電体の使い勝手がよく、また、治具本体は共通化できるので、経済的でもある。
また、本発明に係る金属回収方法は、上記引っ掛け治具を用いて被表面処理物をめっきした後、該引っ掛け治具に析出した金属を剥離し、該剥離した金属を回収するようにした。本発明の金属回収方法によれば、上記のような構成の引っ掛け治具を用いたことにより、引っ掛け治具に付着した金属を容易に剥離させることができ、回収された金属体はリサイクル可能であるため、ひいては省エネルギーとなる。
また、本発明に係る金属回収方法は、DLC,TiN,TiC及びCrNのうち、少なくともいずれか一つからなる金属附着防止膜が形成されてなる陰極に、めっき液や電解研磨液などの溶液中に存在する金属イオンを金属として析出させた後、該陰極に析出した金属を剥離し、該剥離した金属を回収するようにした。DLC,TiN,TiC及びCrNのうち、少なくともいずれか一つからなる金属附着防止膜が形成されてなる陰極を用いて金属イオンを金属として析出させることにより、析出させた金属を容易に剥離して回収することが可能となる。よって、廃液の処理が比較的容易となり、環境への負荷を軽減することができる。
即ち、本発明に係る引っ掛け治具によれば、折り曲げによって対向する線材を絶縁被膜で一体的に被覆したので、絶縁被膜が給電体の表面で回転することなく、絶縁被膜を確実に固定させることができ、給電体とめっき液とが接する面積を狭い範囲に設定することができるので、無駄な金属の附着を防止し、めっき槽の金属の浪費をなくすことができる。しかも、線材をU字状に折り曲げただけであるので、給電体をシンプルな形状に維持することができ、種々の被表面処理物の引っ掛けに対応させるために汎用性を有することができる。
また、本発明に係る金属回収方法によれば、めっき層の形成に関与しなかった金属や、電解研磨や陽極酸化において発生した金属イオンを効率的に回収することができ、めっきの際には金属の有効利用を図ることができ、電解研磨等の際には、作業を効率良く行なうことが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
図1に、本発明の第一実施形態に係る引っ掛け治具の要部断面図を示す。また、図2は、図1のA−A線断面模式図である。
図1及び2に示すように、引っ掛け治具は、親骨15、及び該親骨15から突出する枝骨14を有する治具本体10と、一端が該枝骨14に挿入され、他端が被表面処理物を引っ掛ける給電体11とから構成される。前記枝骨14は、一端が給電体11を挿入可能に形成され、前記給電体11の一端と係合する突起部14a,14aが設けられている。そして、親骨15及び枝骨14の外部表面には、めっき槽との絶縁を図るための絶縁被膜16が被覆されている。この絶縁被膜16としては、プラスチゾル、シリコーン、エポキシ樹脂、合成ゴムなどを用いることができ、特に、プラスチゾルを用いることが好適である。
給電体11は、直線状の線材をU字状に折り曲げて、バネ性をもたせるようにし、給電体11の開口部分に挿入する端部を外側に折り曲げて一対の係止部11a,11aを形成している。この線材としては、リン青銅、ピアノ線、ステンレスばね線などを用いることができ、特に、リン青銅を用いることが好適である。
また、給電体11は、該給電体11をU字状に折り曲げたときに、対向する線材を一体化すべく絶縁被膜12が被覆される。そして、給電体11は被表面処理物を給電体11に引っ掛けたときに通電させるべく、絶縁被膜12の一部が露出されている。絶縁被膜12としては、プラスチゾル、シリコンゴム、合成ゴム、エポキシ樹脂などを用いることができ、特に、プラスチゾルを用いることが好適である。
一方、露出されている部分には、めっき金属の附着を防止するために金属附着防止膜13を被覆してもよい。この金属附着防止膜13としては、給電体11と金属結合しないような材料が好ましく、例えば、電気導電性を有する炭化物、窒化物などが好ましい。このような材料としては、DLC(Diamond Like Carbon),TiN,TiC及びCrNなどがあり、特に、導電性DLCを用いることが好適である。
上記DLC,TiN,TiC及びCrNなどにより形成された金属附着防止膜13は、めっきの被膜と原子結合がし難いものであるため、めっきを剥がしやすくする。特に、DLCにより形成された金属附着防止膜13は、表面が平滑であり、かつ、表面硬度が高いものであるため、表面に傷がつきにくく、めっきが入り込みにくいものである。しかも、DLCにより形成された金属附着防止膜13は、摩擦係数が小さく、即ち静電吸着力が小さいため、めっきの被膜との接着力が小さいものである。従って、DLCにより形成された金属附着防止膜13は、特にめっきの被膜がめくれやすくなる。
この金属附着防止膜13を給電体11に被覆する方法としては、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition;物理蒸着)法を採用することができる。特に、PVD法のスパッタリング法によれば、カーボン又はグラファイトを封入した容器に給電体11を入れ、該容器を6.6×10-4〜3.3×10-3Paの真空にし、次いで、アルゴンガスを加速させ、カーボン又はグラファイトに衝突させ、このときたたき出したカーボン又はグラファイトの原子を給電体11に堆積させて、ダイヤモンドに近い結晶構造をもつ金属附着防止膜13を形成することができる。
次に、給電体11の露出されている範囲は、該給電体11の長手方向において2分の1以下の長さであることが好ましく、さらに、線材の周方向において2分の1以下であることが好ましい。これにより、給電体11の露出部分に附着しためっきは、めっきの厚みが増してきた場合に、自然にめくれて剥がれ易いものとなる。
具体的には、特に、給電体11を形成する線材が図2に示すような円柱状の場合、露出範囲は、対向する一方の線材の全長に対して2分の1以下であり、かつ、その周囲に対して2分の1以下であることが好ましい。また、給電体11を形成する線材が角柱状の場合、露出範囲は、対向する一方の線材の全長に対して2分の1以下であり、かつ、その周囲に対して12分の5以下であることが好ましい。
このように給電体11の露出部分の範囲を上述のように規定することにより、めっき時にめっきの密着力よりも電着内部応力が大きくなると、露出範囲に附着しためっきが自然にめくれて剥がれ易い状態を形成する。なお、露出範囲が上述の範囲よりも大きくなると、めっき時にめっきの密着力よりも電着内部応力が大きくなりにくく、めっきが剥がれにくくなる。この電着内部応力の違いは、めっきの被膜の形成時に、めっきの被膜の外表面と内表面とで、金属原子の成長速度に差が生じることにより起こる。その主な要因としては、めっき金属の種類、めっき浴の種類、電流密度、めっきの被膜の厚みなどがある。
一般に、金属表面にめっき処理を行うと、めっきの種類により電着内部応力のかかり方が異なる。めっきの被膜は、例えば、クロムめっきのときに圧縮応力を受け、ニッケルめっきのときに引張応力を受ける。ここで、めっきの被膜が圧縮応力を受けるときは、めっきの被膜が縮んで露出部分との間に隙間が生じることから、上記露出範囲が線材の周囲に対して2分の1を超えても構わない。
次に、枝骨14の開口部分にめっき液が浸入するのを防止させるために、枝骨14と給電体11との接合部分がシールキャップ17で覆われている。シールキャップ17は、枝骨14及び給電体11が当該シールキャップ17と当接する部分に、それぞれ止め輪18,19で固定されている。このシールキャップ17の材料としては、シリコンゴム、合成ゴムなどを用いて作製されたものが使用される。
上記構成を有する親骨15に、枝骨14が嵌め込まれ、それらの接合部分が半田付け、溶接又はリベットなど機械的な方法で固定される。そして、親骨15及び枝骨14の表面が絶縁被膜16で被覆される。次に、給電体11は、バネ性を有する給電体11の弾性力に抗するように押圧されながら枝骨14に挿入され、さらに、係止部11a,11aが突起部14a,14aを乗り越えるまで挿入される。
そして、給電体11の押圧力が解除され、弾性力によって給電体が復元し、係止部11a,11aと突起部14a,14aとが係合されて、枝骨14と給電体11との電気的接続が維持される。最後に、枝骨14及び給電体11の接合部分にシールキャップ17が嵌め込まれ、枝骨14とシールキャップ17とが当接する周囲に止め輪18が嵌められ、給電体11とシールキャップ17とが当接する周囲に止め輪19が嵌められ固定される。このようにして、引っ掛け治具を作製することができる。
本発明に係る金属回収方法は、引っ掛け治具を用いて被表面処理物をめっきした後、該引っ掛け治具に析出した金属を剥離し、該剥離した金属を回収するものである。上記引っ掛け治具に附着した不要な金属は、上記露出範囲を設定することにより剥がれやすい状態を形成するので、液中、気中などの雰囲気中でナイフエッジ、衝撃流体などの物理的、機械的方法全般で容易に剥離させることができる。さらに、不要な金属が附着された給電体11は、ジェット水流や超音波振動などの装置を附属した水洗槽で金属膜を完全に除去することができ、フィルターでこれらの金属を回収することもできるので、金属のリサイクルが容易となる。
以上のように、本実施形態に係る引っ掛け治具によれば、折り曲げによって対向する線材を絶縁被膜12で一体的に被覆したので、給電体11の通電する面積を狭い範囲に設定することができ、不要なめっきの被膜の附着を防止し、めっき槽の金属の浪費をなくすことができる。また、給電体11の断面は、図2に示すように、対向する2本の線材を絶縁被膜12で一体的に覆っている形状を有するので、絶縁被膜12が給電体11の表面で回転することなく、確実に固定される。さらに、給電体11は、線材をU字状に折り曲げただけであるので、シンプルな形状に維持することができ、種々の被表面処理物の引っ掛けに対応できる汎用性を有することができる。
また、給電体11の露出部分に、金属附着防止膜を被覆することにより、金属剥離がさらに容易になり、表面処理に寄与しない金属の回収、リサイクルが可能となる。
また、給電体11は、汎用性を有しつつも、着脱可能に構成されているので、使用済みの給電体11を新しいものに取り替えたい場合などで、容易に交換することができ、使い勝手が良好である。また、引っ掛け治具の治具本体(親骨15及び枝骨14)は共通化できるので、繰り返し使用でき経済的でもある。なお、図1に示す給電体11は、給電体11の被表面処理物を引っ掛ける先端が上部に突出しているが、この形状は一例であって、被表面処理物の形状に合わせて種々の形状を採用することができる。
さらに、本実施形態に係る金属回収方法によれば、上述の如く引っ掛け治具からの金属の回収が容易となる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、便宜上一つの枝骨のみ図示しているが、枝骨の数は限定されるものではなく、複数あってもよい。また、枝骨14は給電体11が挿入される部分が中空であればよく、それ以外の部分は任意に選定できる。
また、上記実施形態では、一つの枝骨14に対し、一つの給電体11を取り付けるようにしたが、一つの枝骨14に対し、二つ又はそれ以上の給電体11を取り付けるようにしても構わない。これにより、枝骨14の数を削減でき、製品コストの抑制を図ることができる。
また、給電体11表面の絶縁被膜12は、少なくともシールキャップ17の先端から突出する部分が被覆されていればよい。すなわち、係止部11a,11aと突起部14a,14aとが係合する部分を通電するために露出されていればよく、給電体11の開口部分に挿入される給電体11表面にも絶縁被膜12が被覆されてもよい。
さらに、本実施形態では、治具本体10を親骨15及び枝骨14の二つの部材から構成するようにしたが、それに限るものではない。例えば、親骨15と枝骨14とを一体的に構成してもよく、あるいは、枝骨14を設けずに、親骨15から直接、給電体11を取り付ける構成であってもよい。
<第一実施形態の変形例>
以下に、種々の形状の被表面処理物を保持する引っ掛け治具について説明する。
図3に、パイプ形状の被表面処理物を保持する場合の引っ掛け治具要部側面図を示す。図3に示すように、二つの枝骨14,14が、親骨15に対して若干離反する方向に設けられ、それぞれの枝骨14,14の先端に、給電体が金属附着防止膜13,13を有する面が互いに外部に向くように取り付けられている。そして、パイプ形状の被表面処理物21が給電体に嵌め込まれ、金属附着防止膜13,13を有する面がパイプ21の内面に当接される。
このような構成を有する引っ掛け治具は、パイプ形状の被表面処理物21を内面から支持することができ、給電体と被表面処理物21との少ない接地面積で、被表面処理物21を通電させることができる。従って、絶縁被膜12の露出部分を削減することができるので、不要なめっきの被膜の附着を防止し、めっき槽の金属の浪費をなくすことができる。
次に、図4に棒状の被表面処理物を保持する場合の引っ掛け治具要部側面図を示す。
図4に示すように、二つの枝骨14,14が親骨15に対して平行に設けられ、それぞれの枝骨14,14の先端に、断面が略くの字形状の給電体が、開口部分を互いに付き合わせるように取り付けられている。このとき、給電体には、それぞれの突端側の内側に金属附着防止膜13,13が被覆されている。そして、給電体は、対向させて設けた略くの字形状の空間に、棒状の被表面処理物22を保持し通電される。
このような構成を有する引っ掛け治具は、棒状の被表面処理物22を2本の給電体の凹み部分で保持することができ、給電体と被表面処理物22との少ない接地面積で、被表面処理物22を通電させることができる。従って、絶縁被膜12の露出部分を削減することができるので、不要なめっきの被膜の附着を防止し、めっき槽の金属の浪費をなくすことができる。
なお、上述した図3又は図4に示す引っ掛け治具では、二つの枝骨14,14からそれぞれ一つの給電体を設けるようにしたが、一つの枝骨14に二つの給電体を設けて被表面処理物を保持するようにしてもよい。これにより、枝骨14の数を削減でき、製品コストの抑制を図ることができる。
次に、本発明に係る他の金属回収方法に関し、実施形態を挙げて詳細に説明する。
図5は、本発明に係る金属回収方法を行なう際に用いる装置の一実施形態を示した概念図である。図5に示すように、本実施形態の金属回収方法は、剥離槽又は電解槽31において引っ掛け治具又は被研磨物30から金属をイオン化させ、イオン化された金属イオンを溶液ととともに金属回収槽32へ移し、該金属回収槽32において陰極33上に析出させ、さらに陰極33上に析出させた金属を金属膜剥離手段34により剥離するものである。陰極33の表面には、上述したような、金属附着防止膜を形成しておくことが好ましく、特に好ましいものとして、同じくDLC,TiN,TiC及びCrNなどを挙げることができる。
剥離槽又は電解槽31から金属回収槽32へ溶液を移す際には、フィルター35を経由させることにより、スラッジ等を除去することが好ましい。また、金属回収槽32にて金属イオンを回収した後は、該溶液を前記剥離槽又は電解槽31へと返送することが好ましく、これにより該金属回収方法を連続的に行なうことができる。溶液を返送する際には、フィルター36を経由させることが好ましく、これにより、剥離した金属等が返送する溶液中に混入するのを防止することができる。
金属回収槽32に設ける陰極33としては、図5に示したように、円柱状の回転ドラムの下部を溶液中に一部浸漬させた状態で回転させ、該電極の上部側に金属膜剥離手段34を設けたものを採用することが好ましい。金属膜剥離手段34としては、例えばナイフエッジを好適に使用することができる。このような形態の陰極33を用いることにより、金属の析出と、ナイフエッジ等の金属膜剥離手段34による金属膜の剥離とを同時に行なうことが可能となる。
また、該陰極の他の方式としては、図6に示したように、金属附着防止膜を形成した金属製ベルト40をベルトコンベヤの如く回転させ、一端側を金属回収槽32の溶液中に浸漬させて金属イオンを析出させるとともに、他端側に金属剥離手段を備えた方式とすることも可能である。金属製ベルト40としては、メッシュ状又は多孔質状のものを使用することが好ましい。また、金属剥離手段としては、例えば、前記金属製ベルトの両面に水を噴射するシャワーノズル41を使用することが好ましく、剥離された金属は受け皿42等にて回収する方式とすることが好ましい。
本実施形態に係る金属回収方法によれば、金属イオンの析出と金属の剥離とを同時且つ連続的に行うことができ、しかも金属回収槽の陰極には上記のような金属付着防止膜が形成されているため、効率良くしかも容易に金属イオンを回収することが可能となる。
第一実施形態に係る引っ掛け治具の要部断面図を示す。 図1のA−A線断面模式図を示す。 第一実施形態の変形例に係るパイプ形状の被表面処理物を把持する場合の引っ掛け治具要部側面図を示す。 同棒状の被表面処理物を把持する場合の引っ掛け治具要部側面図を示す。 本発明の金属回収方法に用いる装置の概略図を示す。 金属回収槽に用いる陰極の他の形態を示す。 従来の引っ掛け治具の要部断面図を示す。 図7の給電露出部に絶縁コーティング膜を施した断面模式図を示す。
符号の説明
10…治具本体
11…給電体
11a…係止部
12,16…絶縁被膜
13…金属附着防止膜
14…枝骨
14a…突起部
15…親骨
30…引っ掛け治具又は被研磨物
31…剥離槽又は電解槽
32…金属回収槽
33…陰極
34…金属膜剥離手段
40…金属性ベルト
41…シャワーノズル

Claims (7)

  1. 陰極と接続することにより通電する治具本体と、該治具本体から突出させて設けられる給電体とを備えてなり、被表面処理物を前記給電体に保持した状態で前記被表面処理物とともに、めっき液中へ浸漬される引っ掛け治具であって、
    前記給電体は、導電性金属材料からなる線材がU字状に折り曲げられ、当該折り曲げによって対向する線材が絶縁被膜で一体的に被覆されるとともに、該給電体の一部が前記被表面処理物に通電させるべく露出されてなることを特徴とする引っ掛け治具。
  2. 前記給電体の露出されている範囲が、該給電体の長手方向において2分の1以下の長さであることを特徴とする請求項1記載の引っ掛け治具。
  3. 前記給電体の露出されている範囲が、線材の周方向において2分の1以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の引っ掛け治具。
  4. 前記給電体は、露出されている部分に、DLC,TiN,TiC及びCrNのうち、少なくともいずれか一つからなる金属附着防止膜が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の引っ掛け治具。
  5. 前記給電体は、U字状に折り曲げられたことにより弾性力を有し、かつ、その一端を折り曲げてなる係止部を備え、
    前記治具本体は、前記給電体を挿入可能に形成され、かつ、前記係止部と係合する突起部を備え、
    前記給電体が前記治具本体に挿入された際に、前記弾性力の復元によって前記係止部と突起部とが係合するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の引っ掛け治具。
  6. 上記請求項1乃至5のいずれかに記載の引っ掛け治具を用いて被表面処理物をめっきした後、該引っ掛け治具に析出した金属を剥離し、該剥離した金属を回収することを特徴とする金属回収方法。
  7. DLC,TiN,TiC及びCrNのうち、少なくともいずれか一つからなる金属附着防止膜が形成されてなる陰極に、溶液中に存在する金属イオンを金属として析出させた後、該陰極に析出した金属を剥離し、該剥離した金属を回収することを特徴とする金属回収方法。
JP2004320697A 2004-11-04 2004-11-04 引っ掛け治具及び金属回収方法 Active JP4714454B2 (ja)

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