JP2006131620A - 含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入手容易な溶媒中で効率的にフッ素化を行うことができるペルフルオロ化合物の新規製造方法を提供する。特に、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質の効率的フッ素化方法を提供する。
【解決手段】溶媒中の基質をフッ素ガスによりフッ素化させるに当たり、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質を、単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質の共存下で反応させる含フッ素化合物の製造方法。また、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質が、前記溶媒と相分離する前記含フッ素化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素化合物の製造方法に関する。
ペルフルオロ化合物は化学的安定性、低誘電率、低屈折率、低粘性、潤滑性、撥水発油性、非粘着性などに優れており、フッ素ゴム、プレナムケーブル、光ファイバー、反射防止膜、ペリクル材料等、さまざまな材料に応用されている。そのため、ペルフルオロ化合物の効率的な合成法の開発が近年活発に行われている。
ペルフルオロ化合物の効率的な合成法の一つとして、フッ素ガスを用いる直接フッ素化法がある。この方法は、莫大なエネルギーを要しさらに生成する化合物が異性体の混合物になりうる電解フッ素化とは異なり、省エネルギー・生成物の高選択性という観点で非常に魅力的な方法である。しかし、直接フッ素化法では、炭素−炭素鎖の解裂やオリゴマー化、大きな発熱、爆発反応が時に進行することが問題としてあった。
このような問題点を解決する方法として、基質を過剰量のフッ素と共に不活性溶媒に注入していく方法が知られている(例えば特許文献1〜3参照)。この方法は、フッ素に不活性な溶媒(フロン系溶媒、ペルフルオロアルカン系溶媒など。以後、この溶媒のことを「不活性溶媒」と呼ぶことにする)にフッ素を飽和させておき、そこに基質とフッ素をフッ素が過剰になるように(つまり基質を完全にフッ素化するのに必要な量以上のフッ素のモル数になるように)導入していくことによって、基質同士のカップリング反応や基質の分解反応、爆発反応を抑制している。しかし、もし基質が効率良くフッ素化されずに反応容器中に蓄積され、あるところで一気に反応が進行してしまうと、爆発や大きな発熱が起こるため危険であることが予想される。
そのような危険回避のため、フッ素化を反応初期から効率良く進行させることが必要不可欠となる。そのためには、基質がフッ素と効率良く反応できる条件を設定することが必要となる。
基質がフッ素と効率良く反応できる条件の一つに、「基質が溶媒に可溶でかつフッ素と反応しやすい結合を有する」ということがあげられる。不活性溶媒の中ではフロン系溶媒が溶解能力に優れているため、これを用いたフッ素化反応が知られている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、フロン系溶媒は入手が困難かつオゾン層を破壊する環境有害性化合物であるという問題を有しているため、製造で使うことは困難であると考えられる。さらにフロン系溶媒を用いた場合でも、基質の構造によっては、爆発してしまうという問題点があった(例えば、非特許文献1参照)。
また、フロン系溶媒以外の溶媒(Fluorinert FC−72(商品名、スリーエム社製)など)を用いてフッ素化する例が知られている(例えば特許文献2参照)。この溶媒はフロン系溶媒に比べ、炭化水素系化合物を溶解しにくい。この溶媒を用いてフッ素化を行う場合、少しでも基質が溶解し、かつフッ素と反応しやすい結合を有していれば、特許文献2記載の実施例のように反応は進行するが、基質がほとんど溶媒に溶解せず、かつフッ素と反応しにくい結合を有している場合は、反応は全く進行せず、反応系に基質が浮遊している現象が観測された。
不活性溶媒への溶解性が悪い場合、基質にあらかじめフッ素を部分的に導入した化合物を用いてフッ素化する方法も知られている(例えば特許文献3、非特許文献1参照)。しかし、その場合、基質があらかじめフッ素を導入できるものに限られてくるため、フッ素化できる化合物の幅を狭めてしまうという問題点があった。さらに、フッ素をあらかじめ導入することで原料のコストが高くなるという問題点もあった。
米国特許第5,322,904号明細書 米国特許第5,399,718号明細書 国際公開第WO00/56694号パンフレット 有機合成化学協会誌 2003、vol.61、No.2 164頁
したがって、本発明の目的は、入手容易な溶媒中で効率的にフッ素化を行うことができるペルフルオロ化合物の新規製造方法を提供することにある。特に、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質の効率的フッ素化方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため種々検討を重ねた結果、下記手段により達成されることを見出した。
(1)溶媒中の基質をフッ素ガスによりフッ素化させるに当たり、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質を、単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質の共存下で反応させることを特徴とする含フッ素化合物の製造方法。
(2)実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質が、前記溶媒と相分離することを特徴とする(1)に記載の含フッ素化合物の製造方法。
(3)実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質のフッ素含量が30質量%未満であることを特徴とする(1)及び(2)に記載の含フッ素化合物の製造方法。
(4)実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質が少なくとも一つの電子求引性基を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
(5)前記溶媒がオゾン層を破壊することがなく、かつフッ素と実質的に反応しない溶媒であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
(6)前記溶媒がペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロアルキルアミン及びペルフルオロ酸フルオリドからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
(7)単独でフッ素化反応が速やかに進行する基質が、前記溶媒に可溶であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
本発明の含フッ素化合物の製造方法は、省エネルギーでかつ生成物の選択性に優れた高効率的な製造方法であり、しかも、フッ素化を反応初期から効率良く進行させることができるため爆発や大きな発熱等のおそれのない安全性に優れる。
さらに本発明の方法は、フロン系溶媒以外の溶媒を使用するため溶媒の入手が容易であり、また、基質にあらかじめフッ素を部分的に導入する必要がないので、低コストで含フッ素化合物を製造することができる。特に、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質を効率的にフッ素化することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明のフッ素化(単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質の(共)存在下で行うフッ素化)は、通常のフッ素化(単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質の非存在下で行うフッ素化)で反応が進行しない、または遅い場合に、非常に効果的である。さらに、通常のフッ素化で反応が進行する場合でも、本発明のフッ素化方法を用いると、さらに安全かつ効率的に反応を行える可能性がある。本発明において、基質はC−H結合または炭素−炭素不飽和結合を有する化合物であり、固体、液体、気体のいずれであってもよく、好ましくは液体である。これらの基質中には予めC−F結合を含んでいてもよいが、含んでいなくてもよい。単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質とは、基質(1種類)と基質のペルフルオロ化に対して理論的当量以上のフッ素ガスとを溶媒中に同時に連続的に添加する反応(詳細は後述)において、基質添加終了時に基質のペルフルオロ化が実質的に終了している化合物である。ここで、ペルフルオロ化とは、基質中の全ての炭素−炭素不飽和結合に対して飽和するまでフッ素ガスを付加させ、かつ全てのC−H結合をC−F結合に変換することを意味する。基質添加終了時に基質のペルフルオロ化が実質的に終了しているとは、基質のペルフルオロ化に必要なフッ素ガスの量に対して、90%以上のフッ素ガスが基質のフッ素化に消費されたことを意味する。言い換えれば、基質のフッ素化されうる箇所の総数の90%以上がフッ素化されたことを意味する。また、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質とは、上記反応において基質添加終了時に基質のペルフルオロ化が終了していない化合物であり、基質添加終了時に基質のペルフルオロ化が終了していないとは、基質のペルフルオロ化に必要なフッ素ガスの量に対して、実際に基質のフッ素化に消費されたフッ素ガスが50%以下であることを意味する。
実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質をさらに説明する。実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質は、その基質を構造・物性等から特定することは非常に難しく、実際に通常のフッ素化反応を行ってみて、その結果から特定するしかない。しかし、それが有する可能性が高い特徴の一つとして、溶媒と相分離することが挙げられる。溶媒と相分離する基質は、溶媒の構造・組成・物性や、反応条件(温度等)にもより、一概に定義することはできないが、その化合物のフッ素含量が30質量%未満であることが多い。ここでいう「相分離」とは、溶媒と同質量の化合物を混合したとき、不均一系になることをいう。反応が不均一系で行われる場合、国際公開第WO00/56694号パンフレット(特許文献3)にも記載されているように、反応に不都合があることが多いが、本発明の方法であれば、不均一系でも問題なく反応を進行させることが可能である。また、フッ素化は、電気陰性度の高いフッ素原子が関与するため、基質の反応点が電子求引性基を有する場合、フッ素化反応が遅くなる可能性が高い。電子求引性基の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、スルホニルフルオリド基、スルホニルクロリド基、酸アミド基等が挙げられ、特に塩素原子を有する場合、フッ素化が遅くなる場合が多い。
実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質および単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質は別々に導入しても両者を混合して導入しても良く、これらを溶媒に溶解(または分散)して導入してもよい。溶媒を用いることなく両者を混合して導入するのが好ましく、この際両者が均一に混合されていることがより好ましい。
実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質(フッ素化反応の進行が遅い基質)に対し、単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質は、ペルフルオロ化するのに必要なフッ素ガス量換算で0.005〜2倍使用するのが好ましく、より好ましくは0.01〜1倍であり、さらに好ましくは、0.05〜0.5倍である。
本発明で用いる溶媒は、オゾン層を破壊することがなく、かつ実質的にフッ素と反応しない溶媒であることが好ましい。ここで、「実質的にフッ素と反応しない溶媒」とは、該溶媒にフッ素を導入しても、導入されたフッ素ガス総量の内、溶媒との反応に用いられる量が10モル%以下であること意味する。それらの例として、ペルフルオロアルカン(構造異性体混合物であっても良い。例としてはペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン)、ペルフルオロシクロアルカン(構造異性体混合物であっても良い。例としては、ペルフルオロシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロシクロヘプタン、ペルフルオロシクロオクタン)、ペルフルオロエーテル(構造異性体混合物であっても良い。例としては、FluorinertTM FC−75(商品名、スリーエム社製)、KrytoxTM(商品名、デュポン社製))、ペルフルオロアルキルアミン(構造異性体混合物であっても良い。例としてはペルフルオロトリブチルアミン)、ペルフルオロ酸フルオリド(構造異性体混合物であっても良い。例としては、ペルフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フルオリド、ペルフルオロ(2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノイル)フルオリドなど)、フッ化水素、水、トリフルオロ酢酸、超臨界二酸化炭素などが挙げられる。上記に挙げた溶媒のうち、一部のフッ素を水素に置き換えたもの(例えば、6H−トリデカフルオロヘキサン、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピオニルフルオリドなど)や、一部のフッ素をハロゲンに置き換えたもの(例えば、ペルフルオロオクチルヨージド、ペルフルオロヘキシルブロミドなど)などといった、部分的にフッ素と反応する箇所を有する溶媒も、場合により用いることが可能である。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いても良い。上記にあげた溶媒のうち、ペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロアルキルアミン及びペルフルオロ酸フルオリドが最も好ましい。用いる溶媒の量としては、好ましくは注入する基質体積の0.1〜500倍の体積であり、より好ましくは1〜300倍の体積であり、さらに好ましくは3〜200倍である。
上記溶媒中、単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質とは、フッ素と容易に反応できる箇所を少なくとも1つ、好ましくは2つ以上有している化合物をいう。それらの例として、フッ素原子、酸素原子および不飽和結合を含んでもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖、または環状の炭化水素化合物(但し、分子内に一つ以上の不飽和結合または一つ以上のC−H結合を有している)であり、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘキセン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ヘキサフルオロイソプロピルメチルエーテル、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロピルエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、4-フルオロトリメチルベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンを挙げることができる。これらの化合物は、溶媒に可溶であっても不溶であっても、反応を加速することができれば特に制限なく使用することができるが、溶媒に可溶(通常、25℃での溶解度が1g/100ml以上)であることが好ましい。
本発明の反応ではフッ素ガスを希釈せずそのまま用いても良いが、不活性ガスと混合して用いる方が安全である。不活性ガスとしては窒素ガスまたはヘリウムガスが好ましく、経済的観点から窒素ガスが好ましい。不活性ガス中のフッ素ガスの濃度としては、好ましくは10〜50体積%であり、より好ましくは20〜30体積%である。
本発明の反応では、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質と単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質をフッ素ガスとを共に溶媒中に導入するが、このときのフッ素ガス量としては実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質と単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質とがペルフルオロ化されるのに必要なフッ素ガス量の1〜2倍に保って導入することが好ましく、より好ましくは1.2〜1.5倍に保って導入することが好ましい。また、このときの反応温度は好ましくは−50〜100℃であり、より好ましくは−20〜50℃であり、さらに好ましくは−10〜30℃である。
上記のような条件で反応を行った場合、基質によっては、基質添加直後にペルフルオロ化が実質的に終了している場合もあるが、水素含有中間体が多く残存してしまう場合もある。後者の場合、単にフッ素ガスを吹き込み続けるだけでは反応進行が極めて遅く、完全フッ素化を速やかに終了させるためには、反応促進剤と共にフッ素ガスをしばらく添加する操作が必要となる。反応促進剤としては上記で述べた単独でフッ素化反応が速やかに進行する基質が挙げられる。用いる反応促進剤の量は、基質中のフッ素化されうる箇所の総数に対して、反応促進剤中のフッ素化されうる箇所の総数が0.1〜20%になるように調節することが好ましく、より好ましくは0.2〜5%である。反応促進剤はフッ素ガスが存在する状態で添加するのが好ましい。添加方法としては、促進剤を加えた後、フッ素を加圧注入してもよいし、基質添加時と同様に、促進剤とフッ素ガスを同時に添加しても良い。
本発明の反応において、基質の水素原子をフッ素原子で置換する反応が生じた場合は、フッ化水素が副生する。このフッ化水素は、反応系にフッ化水素の捕捉剤を共存させるか、または、排ガス経路にフッ化水素捕捉剤を充填することによりトラップすることができる。フッ化水素捕捉剤としてはフッ化ナトリウムやフッ化カリウムなどのアルカリ金属フッ化物が好ましく、フッ化ナトリウムが特に好ましい。
以下に本発明の具体的な実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
化合物Aのフッ素化によるペルフルオロ化合物Bの合成
Figure 2006131620
250mLのテフロン(登録商標)製反応容器に溶媒(FC−72、商品名、スリーエム社製)(175mL)を入れ、−10℃に保った。反応容器の出口には、NaFペレット充填層、および−40℃に保持した冷却器を直列に設置し、冷却器で凝集した液体は返送ラインを通して反応器に戻せるようにした。20mL/minの速度でヘリウムガスを30分吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、単にフッ素ガスと呼ぶ)を100mL/minの速度で1時間吹き込んだ。フッ素ガスを同じ速度で吹き込みながら、炭化水素化合物A(4.25mmol、1.08g)とヘキサン(0.243mmol、0.020g)とを63分かけて注入した。この時、目的物であるペルフルオロ体Bとフッ素化が完全にされていない水素残存体の存在がガスクロマトグラフィー測定で確認できた。その後、ヘキサフルオロベンゼン(1.72mmol、0.32g)を溶媒(FC−72)に溶解させた溶液(10mL)を2時間かけて注入し、再びガスクロマトグラフィー測定したところ、目的化合物Bのピークのみが観測された。フッ素ガスを止め、ヘリウムガスを20mL/minの速度で1時間吹き込んだあと、溶媒を濃縮し、蒸留することによって化合物Bが収率35%で得られた。
比較例1
ヘキサン及びヘキサフルオロベンゼンを添加しないこと以外は実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、反応は全く進行しておらず、有機物からなるオイルが溶媒に浮遊していた。このオイルをガスクロマトグラフィー測定したところ、原料である化合物Aが91.7GLC面積%含まれていることが分かった。
(結果)
実施例1及び比較例1の結果から明らかなように、本発明によれば実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない化合物Aについて効率的にフッ素化できることがわかった。

Claims (7)

  1. 溶媒中の基質をフッ素ガスによりフッ素化させるに当たり、実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質を、単独で速やかにフッ素化反応が進行する基質の共存下で反応させることを特徴とする含フッ素化合物の製造方法。
  2. 実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質が、前記溶媒と相分離することを特徴とする請求項1に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  3. 実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質のフッ素含量が30質量%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  4. 実質的に単独ではフッ素化反応が進行しない基質が少なくとも一つの電子求引性基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  5. 前記溶媒がオゾン層を破壊することがなく、かつフッ素と実質的に反応しない溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  6. 前記溶媒がペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロアルキルアミン及びペルフルオロ酸フルオリドからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶媒を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
  7. 単独でフッ素化反応が速やかに進行する基質が、前記溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
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