JP2006131184A - 運転姿勢保持装置 - Google Patents

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英明 根本
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利通 花井
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Abstract

【課題】前傾姿勢の状態を身体的に楽に取れると同時に、車両の運転及び操舵が行いやすくなる運転姿勢保持装置を提供する。
【解決手段】車両を運転する運転者20の姿勢を保持する姿勢保持機構10を備える運転姿勢保持装置であって、前記の姿勢保持機構10は、運転者20の伸び上がり姿勢を取るための上方空間が開放され、運転者20の進行方向側の肩、胸、腹、腕の少なくとも一部に接することにより、運転者20を略前傾の運転姿勢で保持し、不使用時には収納される。
【選択図】図1

Description

本発明は運転姿勢保持装置に関し、特に、運転者の前傾姿勢の状態を保持する運転姿勢保持装置に関する。
従来から、自動車などを運転する運転者を保護するための、運転席、シートベルト、ステアリング装置に関する技術が盛んに研究されている(特許文献1乃至5参照)。
この中でも、特許文献1には、運転者が運転している時に前傾姿勢の状態を身体的に楽に取れるための姿勢保持を目的とした頭や腕の保持機構が開示されている。
また、特許文献2には、着座、及びその着座姿勢、更にはそのシートに適応した適正姿勢からの姿勢崩れを検出することにより、それを着座者に警告、勧告する技術が開示されている。
特開平02−159217号公報 特開2003−070775号公報 特開2002−010995号公報 特開平11−321688号公報 特開2002−255040号公報
ジェットコースターなどの高速で移動する遊戯に用いられる姿勢保持装置は、故意に立ち上がるのを阻止するため、急減速時の飛び出しを防止するため、或いは万が一、故障などで途中で止まってしまったとき(宙吊りのとき)の落下を防止するため、保持されている人の上方向の空間に配置されたアーム等の支持部材を備える。この姿勢保持装置を自動車の運転席に適用した場合、前記の支持部材は、自動車等を運転する運転者が車体近傍の前方を視認する時に行う「伸び上がり姿勢」を取るときに邪魔になる。さらに、身動きが取りにくく圧迫感がある。加えて、姿勢保持装置の格納、取り出しがしにくくなる。よって、高速で移動する遊戯に用いられる姿勢保持装置をそのまま運転席に適用することは困難である。
従来、自動車用姿勢保持装置の分野では、自動車等の運転操作と姿勢保持の両立について検討を未だ行っていない。なお、従来からあるアームレストは、前方方向への姿勢制限を行うためのものではないので、前傾姿勢の位置ずれ、体勢くずれが大きく、十分な姿勢保持機能を果たしていない。
前傾の運転姿勢を維持し、且つ身体を支えるためにはステアリングホイールを握る腕の筋力を必要とするため、なめらかなステアリングホイールの回転による操舵がしにくくなる。特に、下り坂で急カーブの時は特に操舵がしにくい。
前傾姿勢での運転時、シートバックには体が接触しないため、従来からあるシート埋め込み型のセンサで生体信号を取得するのが困難になる。
本発明の特徴は、車両を運転する運転者の姿勢を保持する姿勢保持機構を備える運転姿勢保持装置であって、前記の姿勢保持機構は、運転者の伸び上がり姿勢を取るための上方空間が開放され、運転者の進行方向側の肩、胸、腹、腕の少なくとも一部に接することにより、運転者を略前傾の運転姿勢で保持し、不使用時には収納されることを要旨とする。
本発明によれば、前傾姿勢の状態を身体的に楽に取れると同時に、車両の運転及び操舵が行いやすくなる運転姿勢保持装置を提供することが出来る。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、車両の進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置され、運転者の足元あたりの高さに、車両を減速又は制動する手段であるブレーキペダル2と、車両の加減速を制御する手段であるアクセルペダル3と、運転者の足を休ませるための手段であるフットレスト4とが配置されている。
運転席の両側には、運転者の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、各節それぞれの長さ、関節部の角度が可変できるようなモータ、スクリュー部、ギア部、ロック部を複数個有している。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11に接続されている。ラチェット付回転部11は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10の先端部には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11を介して身体ひねり回転部14に接続されている。身体ひねり回転部14は、左右方向のある限られた範囲のみ回転可能な回転部であり、姿勢保持機構10を広げたり狭めたり、運転操作時の身体のひねり等に対応する。ラチェット付回転部11と身体ひねり回転部14の間には、ガイドレール15が配置されている。ガイドレール15は、姿勢保持機構10に大きな荷重がかかった場合の変形を防ぎ、正確な位置に設置するための手段である。
更に、姿勢保持機構10の先端部には、荷重センサ21、CO2センサ22及び温度センサ23が配置されている。荷重センサ21は運転者の心拍を計測するセンサであり、CO2センサ22は運転者の呼吸状況をモニタリングするセンサであり、温度センサ23は運転者の体温を計測するセンサである。
図2に示すように、図1の運転姿勢保持装置は、運転者20の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10を備える。姿勢保持機構10は、運転者20の伸び上がり姿勢を取るための上方空間が開放され、運転者20の進行方向側の肩、胸、腹、腕の少なくとも一部に接することにより、運転者20を略前傾の運転姿勢で保持し、不使用時には収納される。即ち、使用時には略前傾姿勢の運転者20の前面に姿勢保持機構10が接しているが、不使用時には運転席のシート座面の下に格納される。姿勢保持機構10の使用及び格納は、ラチェット付回転部11により実現されている。運転者20は、格納状態の姿勢保持機構10のアーム部16を引き上げることにより姿勢保持機構10の使用ができる。
姿勢保持機構10は、乗降性、運転操作性を考慮して、連結固定部12を介して、車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングシャフトに連結され、床面をはってシートバック方向より突き出る形となっている。連結固定部12は、姿勢保持機構10と操舵系支持部を連結・固定し、可動もできる手段であり、例えばギアとモータ、ロック機構からなる。通常、姿勢保持機構10は、格納状態となっており、運転者20の乗降時に邪魔にならないように、ロック回転部11で折れ曲がり、シート座面より下の位置に配されている。
運転姿勢保持装置は、車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングホイール1を操舵する運転者20の肘の角度が40度以上60度以下になるように、姿勢保持機構10の位置、形状及び角度を調整する姿勢保持制御部18と、運転席シートのヘッドレスト6、シートバック5、シート座面、ランバーサポート部、ステアリングホイール1、アクセルペダル3、ブレーキペダル2及びフットレスト4の前後方向、上下・左右方向、角度、操作荷重量及びストローク量を制御する可動制御部19とを更に備える。
運転姿勢保持装置は、運転者20の運転姿勢を取得する運転姿勢取得部としてのカメラ51と、カメラ51が取得した運転姿勢(の画像)から運転者20の肘・膝・足首の位置・角度を検出する運転姿勢検出部としての画像解析部52と、画像解析部52の解析結果から姿勢保持機構10の保持位置を決定する姿勢保持決定部53と、姿勢保持機構10を格納位置から保持位置まで運転者20の身体ギリギリを沿って、または接しながら移動する軌跡及び保持位置から格納位置まで移動する軌跡を算出する移動軌跡算出部とを更に備える。可動制御部19は、移動軌跡算出部の出力に基づいて姿勢保持機構10の長さ・角度を制御する。姿勢保持制御部18は、姿勢保持決定部53が決定した姿勢保持機構10の保持位置に基づいて、姿勢保持機構10を運転者20に対して前後・上下・左右方向に移動させ、運転者20の略前傾の姿勢を保持する保持角度を調整する。
車両には冷暖房、除湿などの機能を有する空調装置60が搭載されており、空調装置60は空調制御部61により制御される。空調制御部61は、姿勢保持制御部18により検出された姿勢保持機構10の使用状態に応じて、空調装置60の温度、風量、風向き、吹き出し口、内気/外気の切り替えを制御する。
車両には、自車両位置(緯度、経度、標高等)を取得する手段であるGPS装置41と、道路形態や道路幅、車線数、交差点形状などの道路環境情報と混雑状況等の交通情報を取得する手段であるカーナビゲーション装置42と、運転者等に視覚的な情報を提示する表示手段である液晶カラーディスプレイ43と、液晶カラーディスプレイ43の表示内容を制御する視覚情報制御部44と、運転者等に聴覚的な情報を提示する音響手段であるスピーカ45と、スピーカ45の情報提示内容を制御する聴覚情報制御部46とが搭載されている。姿勢保持制御部18は、姿勢保持決定部53、可動制御部19、空調制御部61、視覚情報制御部44、聴覚情報制御部46、及びカーナビゲーション装置42から受信する信号、及び車両の車速やエンジン回転数、エアバッグの加速度センサ信号、車内温度等の車両に関する情報である車両信号に基づいて、姿勢保持機構10を制御する。
図1及び図2の運転者20へ接触する姿勢保持機構10の接触部は、棒状、ネット状或いは板状の形状を有し、弾力性が付加されている。図3(a)及び図3(b)には、図1及び図2の運転者20へ接触する姿勢保持機構10の接触部が、棒状である場合をそれぞれ示している。この場合、姿勢保持機構10の接触部は、円及び楕円を含む3角形以上の多角形の断面形状を有する棒状の形状を有し、運転者20の胸骨より鎖骨へかけての大胸筋に右若しくは左、又は左右両方で接触している。また、運転者20に接触する部分の最長径は8〜35mmである。図3(b)では、姿勢保持機構10は2点式シートベルト7と重ならないように配置されている。なお、姿勢保持機構10の接触部の表面抵抗は車両の前進方向よりも車両の後退方向の方が高くなるように、接触部の素材及び表面形状が選択されている。
姿勢保持機構10の接触部が棒状である場合、接触部は、大動脈や肺、鎖骨等を避けて、強い筋肉の大胸筋胸肋部に接触している。接触部の先端部は、顔等が当たっても痛くないように曲面で弾力性を有した素材からできている。一方、姿勢保持機構10の骨格はアルミ等の金属類からできており、身体に接する部分には、各部位ですべり具合や汚れやすさ等を考慮して合成皮やファブリック等が使用される。例えば、胸肩部に接する部分は、伸び上がりやすく、その姿勢が保持されると視界のよい運転姿勢になるので、上体を上に上げる場合は摩擦抵抗が小さく、逆に下に下がる場合には摩擦抵抗が大きくなるように表面形状を上向き段差にしたり、素材面の向きが考慮されている。そして、骨格部と接触部の表皮の間には発泡ウレタンやゴム類、液体や気体のような弾性のある素材が封止され、クッション性や柔軟性を付与する。このような機能は運転者の姿勢矯正にも役立つものである。
次に、図1乃至図3(c)に示した姿勢保持機構10を備えた運転姿勢保持装置が奏する作用効果について説明する。
姿勢保持機構10がステアリングホイール1に支持されることにより、可動可能なステアリングホイール1と運転者20の位置関係を正確に規定できる。運転者20は乗車後、姿勢保持機構10を使用する場合、アーム部16を軽く上に引き上げることにより、電動で姿勢保持機構10を使用状態の位置に移動させることができる。姿勢保持機構10を左右同時または右だけ、左だけといった具合に別々に動作してもよい。
姿勢保持機構10を、運転者20の腕や荷物を巻き込まずに脇の下を通り、ステアリングホイール1にもぶつからない移動軌跡とするため、カメラ51で画像を取得し、画像解析部52で画像解析し、運転者20の身体のラインや位置を検出する。その結果から、姿勢保持機構10の保持位置(姿勢保持するために運転者と接触する部分)を姿勢保持決定部53で決定する。姿勢保持制御部18は、姿勢保持決定部53が決定する保持位置に従い、格納状態から使用状態の往復の軌跡を算出し、姿勢保持機構10をこの軌跡のとおりに移動する。移動軌跡を効率的に算出するため、移動軌跡の学習機構を有していてもよい。また、コストやPL法の安全性を考慮して、全ての移動を手動で行ってもよい。
姿勢保持機構10の端部に設けられたロック解除ボタン13は2段式になっている。ロック解除ボタン13を軽く押す(1段目)と、ロック回転部11のロックが解除され、姿勢保持機構10を格納状態にすることができる。姿勢保持機構10が使用状態であり、ロック解除ボタン13を強く押し込む(2段目)と、押し込んでいる間は、各部位の長さや角度がフリー状態となり、運転者20自身が好みの位置になるように姿勢保持機構10を変形、移動させることができる。そして、ロック解除ボタン13を離すとその状態が記憶され、ロックされる。
なお、ロック解除ボタン13は、自動で姿勢保持機構10を使用/格納する起動スイッチとして使用してもよい。その場合、図3(a)及び図3(b)に示す姿勢保持機構10の形状において、姿勢保持機構10の格納時、ロック解除ボタン13は運転者20が押しにくい位置となっているが、格納時でも押しやすい位置にしてよい。
姿勢保持機構10の接触部は、おおよそ直径8〜35mm程度の胸肩部に接する棒状であるため、運転操作であるステアリング操作やシフトノブ操作への影響を極力少なくすることができる。なお、遊園地等の保持部では、大きくて太すぎるため、現行の運転操作系の操作は困難である。ただし、運転者20の体に接することなく、運転操作に影響がない部分については、強度を優先して35mm以上太くても、又は角張っていても問題はない。
姿勢保持機構10を使用する場合、運転者20は略前傾の運転姿勢になるため、その状態で身体が楽になるように、シートバック5の座面を前方に下げたり、ブレーキペダル2、アクセルペダル3及びフットレスト4の位置を運転者側に引き寄せたり、下に下げたりしても構わない。また、シートバック5を立てて運転者20の背中とシートバック5との距離を狭めて、姿勢保持機構10を使用しながら前傾姿勢以外の姿勢をとった場合でも元の前傾姿勢に戻りやすい状態にしてもよい。
さらに精度よく運転姿勢を規定状態にするため、シートの荷重センサ21やカメラ51を用いて運転者20の姿勢、肘・膝・足首の位置と角度を検出して、運転者20の肘の角度が40度以上60度以下になるように、シート位置、シートバック5の角度、座面角度、ランバーサポートのオン/オフ、ペダル類2〜4を制御してもよい。
姿勢保持機構10により運転者20の身体がぶれにくくなるため、運転者20の視点もぶれにくくなり、前傾姿勢時の視点位置の固定化、再現性が向上する。これにより、視認行動の精度もあがり、見間違いや思い違い等のミスが減少する。
運転姿勢が前傾になると、空調装置60から吹き出す空気の運転者20に対する当たり方が予想以上に変化する。このような状況を避けるため、空調制御部61は、姿勢保持制御部18からの制御信号を取得して空調装置60に反映される。例えば、前傾姿勢になると風量が強く感じられるため、風量を下げたり、温度を上げたり、吹き出し口を顔に直接当たる部分を遮蔽する等の制御が行われる。
なお、第1の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
このように、姿勢保持機構10を用いることにより、ステアリングホイール1を握った腕で、自身の体を支えなくても前傾姿勢での運転ができるようになるため、従来よりもステアリング操作に腕の筋力が多く使えることになり、ステアリング操作が楽になり、なめらかな操舵がしやすくなる。また、姿勢保持機構10により身体がぶれにくくなるため、視点もぶれにくくなり、前傾姿勢時の視点位置の固定化、再現性が向上し、運転能力の向上に寄与すると考えられる。さらに、車両近傍を視認するときに、無意識に前傾で伸び上がり姿勢をとることが知られているが、その行動を妨げることなく、略前傾の運転姿勢で保持される。さらに、前記の姿勢保持機構10は格納・収納が容易に行えるため、前傾以外の運転姿勢への切替えを即行うことができる。また、運転者は姿勢保持機構10に対して抱きつくような格好となるため、心理的な安心感の向上が期待される。
また、筋骨格リンクモデルを用いた最大出力分布のシミュレーション結果から、ステアリング操作方向(ステアリング支持部に対して垂直方向)への筋出力が大きくなる肘角度はおおよそ40〜60度であり(逆に、60度を越えると水平方向の筋出力が垂直方向より優位になる)、筋力の弱い女性や高齢ドライバにとっては操作しやすい前傾の運転姿勢がとりやすくなる。
また、姿勢保持機構10は、棒状、ネット状或いは板状の形状を有し、弾力性が付加されているため、車両からの衝撃や運転者の胸部圧迫感や密着時のムレ等が少なくなるように複数の素材・形態を用意し、目的や好み、日頃車を使用される頻度や個人の嗜好に対応した姿勢保持機構10の選択ができる。
また、運転者が略前傾姿勢がとりやすくなるように、車両進行方向の前方向へは移動がしやすくなるように摩擦抵抗は小さくなっているが、後方向へは移動がしにくくなるように摩擦抵抗が大きくなっているので、前傾姿勢状態を維持しやすくなる。
また、人体の骨格系の中では強度のある胸骨から鎖骨へかけて保持部が接触することで、運転者への力学的負担を低減することができる。さらに、右もしくは左、または左右両方で接触することにより、姿勢保持のための拘束レベルを可変することができる。さらに、3角形以上の多角径(円、楕円を含む)の断面形状を有する棒とすることで、棒の強度を考慮しながら、運転者20に接触する部分の運転者への影響を抑えることができる。さらに、接触する部分の最長径が8〜35mmとすることで、ステアリング操舵時、姿勢保持機構10が太すぎて腕がぶつかる等の妨害がない。
また、姿勢保持機構10は操舵部の支持部(ステアリングシャフト)に連結され、運転者に対して前後・上下・左右方向、保持角度を可変することにより、男女差、体格差、体型差など、さまざまな運転者に対応した前傾運転姿勢をとることができる。さらに、車両の走行状態と運転者20の状態を検出する手段を用い、車両挙動に応じて変化する運転者の姿勢を予測する。これにより、事前にそれに対応して姿勢保持機構10の角度や位置を制御して、各種状況下の運転者に対応した最適な前傾運転姿勢がとれるようになる。
また、運転席シートのヘッドレスト6、シートバック5、シート座面、ランバーサポート部、ステアリングホイール1、アクセルペダル3、ブレーキペダル2、フットレスト4の前後方向、上下・左右方向、角度、操作荷重量及びストロークを可変することで、姿勢保持機構10の状態に応じて、前記部位の空間位置、角度、操作荷重量及びストロークが制御されることにより、無理な姿勢にならず、前傾姿勢時に運転操作がしやすくなる。例えば、前傾姿勢時は、通常のシートバック5に寄りかかっている時に対して、シート座面を下げ、ペダル類2〜4を寄せ、シートバック5を立てることにより、姿勢保持機構10を使用している時における略前傾姿勢での運転操作がしやすくなる。また、姿勢保持機構10による運転者20の拘束状態により、ランバーサポート部の形状なども適切な状態にすることができる。
また、カメラ51により運転者の肘・膝・足首の位置・角度を検出し、その結果から姿勢保持機構10の保持位置を決定することにより、自分で細かく調整する必要なく、自動で簡便に姿勢保持機構10を最適位置に移動させることができる。さらに、運転姿勢保持装置が、保持位置まで運転者20の身体ギリギリを沿って、または接しなが格納位置から保持位置まで移動する軌跡及び保持位置から格納位置までの移動軌跡を算出する移動軌跡算出手段を更に備え、姿勢保持制御部18が移動軌跡算出手段の出力から姿勢保持機構10の長さ及び角度を制御するにより、車内の余計なものにぶつかることなく、短時間で姿勢保持位置または格納位置に移動させることができる。
また、空調制御部61は、姿勢保持機構10の使用状態に応じて空調装置60の温度、風量、風向き、吹き出し口、内気/外気の切り替えを制御することにより、姿勢保持機構10の使用・未使用に左右されることなく、両方の運転姿勢でほぼ同等な空調温度、風量、風向き、吹き出し口、内気・外気切替え等を最適状態に保つことができる。
(第2の実施の形態)
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置され、運転者の足元あたりの高さに、車両を減速、制動する手段であるブレーキペダル2と、車両の加減速を制御する手段であるアクセルペダル3と、運転者の足を休ませるための手段であるフットレスト4とが配置されている。
運転席の両側には、運転者の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11に接続されている。ラチェット付回転部11は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10の先端部には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11を介して身体ひねり回転部14に接続されている。身体ひねり回転部14は、左右方向のある限られた範囲のみ回転可能な回転部であり、姿勢保持機構10を広げたり狭めたり、運転操作時の身体のひねり等に対応する。運転者20は、格納状態の姿勢保持機構10のアーム部16を引き上げることにより姿勢保持機構10の使用ができる。アーム部16は左右同時または左右別々に動作してもよい。このとき、運転者20の腕や荷物を巻き込まずに脇の下を通るように、運転者20の身体のラインや位置を検出したり、事前に学習する機構を有している。また、コストや安全性を考慮して、総ての移動を手動で行っても構わない。
このように、図4及び図5に示す運転姿勢保持装置は、図1及び図2に比べて、姿勢保持機構10が運転席シートに連結している点が異なり、その他の点は同じであるため、説明を省略する。
姿勢保持機構10は、乗降性と簡便性を考慮して、シートバック5側面に配置されたラチェット付回転部11で折れ曲がり、シート側面に沿う状態で格納されている。よって、図4及び図5の姿勢保持機構10による姿勢保持位置の精度は、図1及び図2に比べて低下するが、その代わりに姿勢保持機構10の大きさを小さくして、簡易な構成にすることができる。
なお、第2の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
(第3の実施の形態)
図6及び図7に示すように、本発明の第3の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置され、運転者の足元あたりの高さに、車両を減速、制動する手段であるブレーキペダル2と、車両の加減速を制御する手段であるアクセルペダル3と、運転者の足を休ませるための手段であるフットレスト4とが配置されている。
運転席の両側には、運転者の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11に接続されている。ラチェット付回転部11は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11を介して身体ひねり回転部14に接続されている。身体ひねり回転部14は、左右方向のある限られた範囲のみ回転可能な回転部であり、姿勢保持機構10を広げたり狭めたり、運転操作時の身体のひねり等に対応する。運転者20は、格納状態の姿勢保持機構10のアーム部16を引き上げることにより姿勢保持機構10の使用ができる。アーム部16は左右同時または左右別々に動作してもよい。姿勢保持機構10の使用をしていない時、姿勢保持機構10の接触部は、シート座面脇に配置された固定部17に固定され、アーム部16は、アームレストとして機能する。
運転者20が乗車後に姿勢保持機構10のロック解除ボタン13を強く押し込むと、姿勢保持機構10は電動でアームレストから姿勢保持使用状態位置に移動・変形して、使用状態になる。まず、固定部17のロックが解除されて、回転部での回転によりアームレストの支持部が運転者20の胸肩部に接する姿勢保持位置まで変形する。このとき回転部は、ステアリングホイール1にぶつからず、運転者20の身体側に入り込むような回転軸の角度となっている。次に、ラチェット付回転部11が上に上がり、運転者20の脇の下に入り込む。
移動精度をあげる方法として、運転者20の身体のラインや位置を検出したり、事前に学習する機構を有していることが望ましい。コストや安全性を考慮して、総ての移動を手動で行ってもよい。
姿勢保持機構10の使用を止める場合は、ロック解除ボタン13を強く押し込むことにより、動作の逆過程により、アームレストとして利用可能になる。
このように、姿勢保持機構10はアームレストと運転姿勢保持手段とを兼用する構成となっているため、姿勢保持機構10を有効活用することができる。
ただし、運転席が右側に配置されている場合、運転者20の右側の姿勢保持機構10は、乗降性を考慮して、シートバック5側面に姿勢保持機構10のラチェット付回転部11で折れ曲がり、シート側面に沿う状態で格納されることが望ましい。さらに、アームレストへの切り替えが容易に行える機構を備えていてもよい。
なお、第3の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
(第4の実施の形態)
図8及び図9(a)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置され、運転者の足元あたりの高さに、車両を減速、制動する手段であるブレーキペダル2と、車両の加減速を制御する手段であるアクセルペダル3と、運転者の足を休ませるための手段であるフットレスト4とが配置されている。
運転席の両側には、運転者の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、各節それぞれの長さ、関節部の角度が可変できるようなモータ、スクリュー部、ギア部、ロック部を複数個有している。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11に接続されている。ラチェット付回転部11は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10の先端部には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。運転者20は、格納状態の姿勢保持機構10を引き上げることにより姿勢保持機構10の使用ができる。姿勢保持機構10は左右同時または左右別々に動作してもよい。姿勢保持機構10の使用をしていない時(姿勢保持機構格納状態)、姿勢保持機構10は、乗降性を考慮して、シートバック5脇に格納される。
運転者20が乗車後に姿勢保持機構10のロック解除ボタン13を強く押し込むと、姿勢保持機構10は電動で伸び、姿勢保持使用状態位置に移動・変形して、使用状態になる。まず、図9(a)に示すように姿勢保持機構10はシートバック5脇からステアリングホイール1側に移動すると共に、回転して前傾姿勢の傾斜角度となる。次に、図9(b)に示すように姿勢保持機構10aは運転者20の胸肩部に接する姿勢保持位置(10b)までシート内側に倒れ込み、運転者20の脇の下に入り込む(姿勢保持機構仕様状態)。その後、姿勢保持機構10bは長くなり、運転者20の胸肩部に姿勢保持機構10bが接して支持する。姿勢保持機構10の使用を止める場合は、ロック解除ボタン13を強く押し込むことにより、上記の動作の逆過程により、格納状態になる。
移動精度をあげる方法として、運転者20の身体のラインや位置を検出したり、事前に学習する機構を有していることが望ましい。コストや安全性を考慮して、総ての移動を手動で行ってもよい。なお、図9(a)及び図9(b)では、姿勢保持機構10a、10bは直線棒状となっているが、実際には身体の形に合わせて曲線状となっていても構わない。
このように、第4の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、第2の実施の形態に比べて更に構成を簡便にしたものである。
なお、第4の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
(第5の実施の形態)
図10及び図11に示すように、本発明の第5の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置され、運転者の足元あたりの高さに、車両を減速、制動する手段であるブレーキペダル2と、車両の加減速を制御する手段であるアクセルペダル3と、運転者の足を休ませるための手段であるフットレスト4とが配置されている。
運転席とステアリングホイール1の間には、運転者20の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、運転者20の胸腹部に対して面状に接して、その接触面には、運転者20の状態検出を目的に各種生体信号センサが取り付けられている。具体的には、運転者20の状態を取得するため、心拍、呼吸(CO2センサ)、体温、血流、発汗等の生体信号を取得する手段が設けられている。姿勢保持機構10は、乗降性、運転操作性を考慮して、連結固定部12を介して、車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングシャフトに連結され、ステアリングホイール1を迂回して運転者20の胸腹部に突き出している形となっている。連結固定部12は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10の側面部には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。運転者20は、格納状態の姿勢保持機構10を手前に引き出すことにより姿勢保持機構10の使用ができる。姿勢保持機構10の使用をしていない時(姿勢保持機構格納状態)、姿勢保持機構10は、乗降性を考慮して、ステアリングホイール1の奥に格納される。姿勢保持制御部18は、姿勢保持機構10を運転者20に対して前後・上下・左右方向に移動させ、運転者20の姿勢を保持する保持角度を調整する。
通常、姿勢保持機構10は、図11の格納状態となっており、運転者20の乗降時に邪魔にならないように、ステアリングシャフトの後部に配されている。運転者20が乗車後に姿勢保持機構10のロック解除ボタン13を強く押し込むと、姿勢保持機構10は電動で伸び、姿勢保持使用状態位置に移動・変形して、使用状態になる。姿勢保持機構10の使用を止める場合は、ロック解除ボタン13を強く押し込むことにより、上記の動作の逆過程により、格納状態になる。
姿勢保持機構10の骨格(枠のみ)はアルミ等の金属類からできており、身体に接する部分には、各部位ですべり具合や汚れやすさ等を考慮した合成皮やファブリック等が使用される。また、体温がこもりムレてしまう可能性があるので、メッシュやネット状の素材でもよい。また、骨格部と表皮の間には発泡ウレタンやゴム類、液体や気体のような弾性のある素材が封止され、クッション性や柔軟性を付与しても構わない。
姿勢保持機構10が運転操作手段(ステアリングシャフト)に支持されることにより、可動可能な運転操作手段と運転者20の位置関係を正確に規定することができる。
図12(a)に示すように、使用状態において面状の姿勢保持機構10はそのままではステアリングホイール1に干渉して運転者20の姿勢保持に利用できないため、ステアリングホイール1を迂回してステアリングシャフトに連結されている。また、図12(b)に示すように、姿勢保持機構10の接触面は、折りたたみ方式を採用しても構わない。これにより、ステアリングホイール1との干渉を回避して、姿勢保持機構10の収納状態を小型化することができる。
図13(a)に示すように、使用状態において面状の姿勢保持機構10は、ステアリングホイール1を迂回してステアリングシャフトに連結されている。また、図13(b)に示すように、面状の姿勢保持機構10はそのままではステアリングホイール1に干渉して使用状態と格納状態の間を移動できないため、姿勢保持機構10を2つに分割している。使用状態にあった姿勢保持機構10a、10bは2つに分割されて、ステアリングホイール1を避けるため左右に開き、ステアリングホイール1後方へ後退した後、左右に閉じることにより、格納状態となる。
図14に示すように、姿勢保持機構10の接触面には各種センサが埋め込まれている。各種センサには、心拍を測定する荷重センサ21(心拍センサ)と、呼吸量を測定するCO2センサ22と、体温を測定する体温センサ23と、振動子24とが含まれ、運転者20の状態の推定に利用する。例えば、呼吸が速い場合は、焦り傾向なので、気分が落ち着く音楽や適切なアドバイスが流れる。また、高齢運転者で運転中に心拍が止まった場合、姿勢保持機構10の表皮に埋め込まれ振動子24や空気圧等による姿勢保持機構10の表面形状変形手段により、心臓マッサージを行い、蘇生を行うなどが可能である。これらは、スペース的に可能であれば、第1乃至第4の実施の形態のような棒状の姿勢保持機構10でも構わない。
このように、運転者20に面状に接触する姿勢保持機構10は、第1乃至第4の実施の形態に比べて、運転者20によって抱きこまれる状態となるため、運転者20に対してより高い心理的な安心感を与えることが期待される。
なお、第5の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
(第6の実施の形態)
図15に示すように、本発明の第6の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席5の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるバイク型運転操作系30が配置さ、バイク型運転操作系30の左脇にはジョイスティック型運転操作系31が配置されている。
このように、第6の実施の形態では、第1乃至第5の実施の形態のステアリングホイール1を備える車両とは異なり、より楽しく安全で楽な運転操作を実現するため、バイクのような運転操作や車椅子のようなジョイスティックでの操作系に対して本発明を適用した例を示す。
これらの操作系では、ステアリングホイール1による運転操作系と異なり、操作部に体重をかけて、身体を支えて操作することができない。そのため、運転者の姿勢を保持する姿勢保持機構10が有効に機能する。特に、バイクでは前傾姿勢での運転となるため、図15に示すように面状の姿勢保持機構10を設けることが必要となる。なお、第1乃至第4の実施の形態で示したような棒状の姿勢保持機構であっても構わない。
このように、運転者20に面状に接触する姿勢保持機構10は、第1乃至第4の実施の形態に比べて、運転者20によって抱きこまれる状態となるため、運転者20に対してより高い心理的な安心感を与えることが期待される。
なお、第6の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車及びバイク用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
図16(a)に示すように、図15の運転姿勢保持装置を備えた車両へ運転者が乗車する時、姿勢保持機構10は、使用状態に比べて上方(格納状態)に移動する。これにより、運転者20は乗車しやすくなる。乗車が完了した後、姿勢保持機構10は下方に移動して使用状態となる。同様に、図16(b)に示すように、図15の運転姿勢保持装置を備えた車両から運転者が降車する時、姿勢保持機構10は上方に移動する。これにより、運転者20は降車しやすくなる。なおここでは、運転者20の乗降車を容易にするため、運転席5は乗降車口側へ回転及びスライドする機構を有する。
図17に示すように、運転席の座面に対してシートバック5及びヘッドレスト6が着脱自在の高齢者向けの運転シートが開発されている。この高齢者向けの運転席に対して、面状の姿勢保持機構10を装備することができる。運転者20がシート座面に着座していない時、姿勢保持機構10は、図17の格納状態となっており、運転者20の乗降時に邪魔にならないように、シート座面の下に収納されている。運転者20がシート座面に着座した後に、姿勢保持機構10は姿勢保持使用状態位置に移動して、使用状態になる。姿勢保持機構10の使用を止める場合は、上記の動作の逆過程により、格納状態になる。
図18(a)に示すように、運転者20が車両へ乗車する時、運転席の座面に対してシートバック5及びヘッドレスト6は取り外されており、運転者20は、姿勢保持機構10に跨るようにつかまり腕で身体を支えながら前向きにシートに腰掛け、そのまま前傾の運転姿勢となって車内に乗車して運転ができる。降車時には、降りる方向の対して前向きになり、その時も姿勢保持機構10で身体を支えながら降り、運転者20が立ち上がった時点で姿勢保持機構10はシート下に格納され、車内に戻る。乗降車時において、シートバック5及びヘッドレスト6は、シート座面と分離・独立している。
以上説明したように、将来的な自動車用の運転操作系として、ジョイスティック等が考えられている。しかし、従来、これらの運転操作系において、前傾姿勢で運転する場合、ステアリングホイールがないために今まで以上に姿勢保持に力が必要となり、運転がやり難くなるおそれがあった。また、姿勢を保持することに役立つステアリングホイールがなくなることにより、不安感が増す可能性があった。しかし、第6の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を適用することにより、ステアリング操作が容易になり、運転者20の運転に対する不安感を除去することができる。
なお、第6の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、自動車用に限らず、総ての移動機器の運転に適用可能である。
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態では、図3(b)に示したシートベルト7による運転者20の拘束、つまりシートベルト7と姿勢保持機構10との協調について説明する。
急制動などの急減速時或いは衝突時には、運転者20の上体に加速度が加わり、姿勢保持機構10に対して大きな力が加わる。このため、既存のシートベルト7と協調することで、姿勢保持機構10の機械的強度の負担およびドライバの身体的負担を軽減する。
第7の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備える車両には、姿勢保持機構10に設けられた姿勢計測部と、シートベルト7と、シートベルトの使用有無を検出するシートベルト使用検出部と、シートベルトを制御するシートベルト制御部と、エマージェンシー・ロック・リトラクタ(ELR) またはアンカー部のベルトロック機構とを備える。
姿勢計測部は、最前部での姿勢保持状態を検出する手段であり、姿勢保持機構10に荷重センサやプッシュスイッチ等の接点を設けたものである。なお、最前部での姿勢保持状態とは、各ドライバに合った位置に調整した姿勢保持機構10に身体が前傾して当接した状態を示す。
次に、図19を参照して、第7の実施の形態に係わるシートベルト及び姿勢保持機構の制御方法を説明する。
(イ)先ずS01段階において、車両のエンジンが起動されていることを確認する。エンジンが起動されている場合、S02段階において、運転者がシートベルト7を着用しているか否かを判断する。シートベルト7を着用している場合(S02段階においてYES)S03段階に進み、シートベルト7を着用していない場合(S02段階においてNO)S08段階に進む。
(ロ)S03段階において、姿勢保持機構10の電源をオン状態にする。S04段階において、シート背もたれ部(シートバック)の可動機構をオン状態とする。そして、S05段階において、急制動状態であるか否かを判断する。急制動状態である場合(S05段階においてYES)シートベルト7のELRをロック状態とする。そしてS07段階において、エンジンがオン状態であるか否かを判断する。エンジンがオフ状態、つまり停止している場合、この処理フローは終了する。エンジンがまだオン状態である場合、S02段階に戻る。
(ハ)急制動状態でない場合(S05段階においてNO)S10段階に進み、姿勢計測部は、最前部での前傾姿勢保持状態であるか否かを判断する。最前部での前傾姿勢である場合(S10段階においてYES)S06段階に進み、最前部での前傾姿勢でない場合(S10段階においてNO)S11段階に進み、シートベルト7を適度に巻き上げある。その後、S02段階に戻る。
(ニ)一方、S02段階において運転者がシートベルト7を着用していない場合(S02段階においてNO)S08段階に進み、姿勢保持機構10の電源をオフ状態とする。そして、S09段階に進み、S09段階において、シート背もたれ部の可動機構をオフ状態として、S01段階に戻る。
このように、シートベルト7を着用しないと姿勢保持機構10は動作しないようになっている。 同様に、シートの背もたれ部も運転姿勢に合わせて前後して、衝突時の可動空間を少なくして安全性を向上させる機構となっており、その動作もシートベルト7と連動している。シートベルト7の長さの制御は、エアバック用などで使用されている加速度センサの信号により急制動を検出して、シートベルト7の長さをロックする。次に、姿勢保持機構10が最前部である場合、もうそれ以上前方に運転者20の上体はいかないため、シートベルト7の長さをロックする。その他の場合は、通常のシートベルト7と同様に、適度なテンションを有しながら運転者20の身体に接するように巻き上げを行う。
(第8の実施の形態)
図20に示すように、本発明の第8の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席5の前方には、運転席に着座した運転者(着座者)の胸元あたりの高さに、進行方向を制御する手段であるステアリングホイール1が配置されている。
運転席の両側には、運転者の姿勢を略前傾で保持する姿勢保持機構10が配置されている。姿勢保持機構10は、各節それぞれの長さ、関節部の角度が可変できるようなモータ、スクリュー部、ギア部、ロック部を複数個有している。姿勢保持機構10は、ラチェット付回転部11に接続されている。ラチェット付回転部11は、姿勢保持機構10の使用及び格納をするための回転機構で、位置固定のロック機構を有する。姿勢保持機構10の先端部には、ロック解除ボタン13が配置されている。ロック解除ボタン13は、姿勢保持機構10を解除、格納するためのスイッチである。
図1と同様に、姿勢保持機構10の先端部には、荷重センサ21、CO2センサ22及び温度センサ23が配置されている。荷重センサ21は運転者の心拍を計測するセンサであり、CO2センサ22は運転者の呼吸状況をモニタリングするセンサであり、温度センサ23は運転者の体温を計測するセンサである。
更に、第8の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置は、姿勢保持機構10が動作していることを検出する装置動作検出部76と、車両の運転操舵荷重を可変する操舵荷重可変部72と、操舵ギア比を可変する操舵ギア比可変部73と、ステアリングホイール1の径を可変するステアリング径可変部74と、装置動作検出部76の検出結果に基づいて操舵荷重可変部72、操舵ギア比可変部73及びステアリング径可変部74を制御する操舵系制御部75と、操舵状態表示部78と、車両状態取得部77とを備える。
操舵状態表示部78は、操舵に係わるセンサ及び制御、動作状態を運転者に対して表示する手段であって、例えば、ナビゲーション用の液晶モニタや音声合成装置などである。具体的には、装置動作検出部76の検出結果、操舵荷重可変部72により可変される運転操舵荷重、操舵ギア比可変部73により可変される操舵ギア比、及びステアリング径可変部74により可変されるステアリングホイール1の径を報知する。車両状態取得部77は、自車両の状態を計測、取得する手段であって、例えば、車速センサ、加速度センサ、エンジン回転数、ギアポジション、操舵角度、操舵角速度、ペダル開度などからの情報を取得する。装置動作検出部76は、姿勢保持機構10の使用状況、動作状況を検出及び取得する手段である。操舵荷重可変部72は、ステアリングホイール1の操舵力(反力、抑制力)を取得、生成する手段であって、例えば、EPS(電動パワーステアリング)制御部からなる。操舵反力の制御は、一般的な技術としては例えば、モータへの印加電流によりモータが発生するトルクを可変して行う。操舵ギア比可変部73は、ステアリングホイール1の操舵とタイヤ向きの伝達ギア比を可変及び制御する手段であって、例えばVGR(可変ギア)制御部からなる。ステアリング径可変部74は、ステアリングホイール1の径を可変及び制御する手段であって、詳細は図21及び図22を参照して後述する。
このように、操舵荷重可変部72で操舵力(反力、抑制力)を制御し、操舵ギア比可変部73で伝達ギア比を制御し、ステアリング径可変部74でステアリングホイール1の径を制御している。ただし、操舵荷重可変部72、操舵ギア比可変部73、ステアリング径可変部74の総てを同時に備えている必要は無く、少なくとも何れか1つを備えていればよい。勿論、これらを同時に備えることにより、装置のロパスト性は大きくなる。
図21(a)及び図21(b)に示すように、図20のステアリング径可変部74は、ステアリングホイール1の径を制御する。図21(a)はホイール径を小さく制御されている状態を示し、図21(b)はホイール径を大きく制御されている状態を示す。楕円形のステアリングホイール1の曲率半径が大きい部分(扁平率が大きい方)の一部を切り取り、ステアリングホイール1を2つの部分(1a、1b)に分割する。その間に伸縮部分79a、79bが存在する。ステアリングホイール1の径は、ステアリングホイール1の伸縮部分79a、79bを長くしたり短くしたりすることにより制御される。
図22に示すように、図21(a)及び図21(b)の伸縮部分79a、79bにはモータ80a、80bがそれぞれ配置され、モータ80a、80bの回転によりモータ軸の長さが変化することにより伸縮部分79a、79bが伸縮する。可変ステアリング径の詳細については特許文献5に記載されている。
次に、図20乃至図22に示した運転姿勢保持装置が奏する作用効果について説明する。
運転者20は姿勢保持機構10の使用又は不使用を自己の意思の元に選択することができる。不使用時には、前述したように、車両の運転及び乗降車に邪魔にならない収納位置に収められている。使用時には、姿勢保持機構10は格納状態から使用状態に移動/変形して運転者20の略前傾の運転姿勢を保持する。これらの動作は、装置動作検出部76により検出される。
装置動作検出部76により姿勢保持機構10の使用が検出されると、操舵系制御部75は、使用状態に応じて、ステアリングホイール1の操舵反力、ギア比、ステアリング径を制御する。具体的には、運転者20の身体は姿勢保持機構10により保持されているため、通常行われるようなステアリングホイール1に体重をかけたままでステアリング操作をする必要がない。よって、操舵系制御部75は、操舵反力を通常よりも弱く設定する。これにより、運転操舵がしやすくなる。更に、車速が比較的遅い場合には操舵反力を弱く、比較的速い場合には操舵反力を強く設定する。
また、ギア比について同様に、運転者20の身体は姿勢保持機構10により保持されているため、身体を左右に振りながらステアリング操作をする必要が無い。よって、操舵ギア比を高く設定することにより少ない操舵角度で十分な車両の旋回が得られるので、運転が容易になる。更に、車速が比較的遅い場合にはギア比を高く、比較的速い場合にはギア比を低く設定する。
また、ステアリングホイール1の径についても同様に、運転者20の身体は姿勢保持機構10により保持されているため、通常行われるようなステアリングホイール1に体重をかけたままでステアリング操作をする必要がない。よって、ステアリングホイール1の径を小さく設定する。これにより、ステアリングホイール1の回転に必要な腕の動きが小さくなり、運転しやすくなる。
操舵荷重可変部72、操舵ギア比可変部73、ステアリング径可変部74による可変制御に合わせて、操舵状態表示部78に演算結果による制御内容及び現在の制御状況及び制御状態が表示される。表示方法は、実際の制御の前であっても後であっても構わない。また、音声で提示したり、モニタ表示と一緒に行っても構わない。更に、情報の内容によって、提示方法を区別しても構わない。
このように、姿勢保持機構10を使用した略前傾の運転姿勢において、装置動作検出部76は姿勢保持機構10の使用を検出し、操舵荷重可変部72がこれに合わせて操舵荷重を可変することができる。したがって、前傾運転姿勢を使用しているときにはステアリング操舵時に体重をかけずに済むため、操舵荷重を自動的に軽くして、運転者20が楽で上手な運転操舵ができるようになる。
また、装置動作検出部76は姿勢保持機構10の使用を検出し、操舵ギア比可変部73がこれに合わせて操舵ギア比を可変することができる。したがって、前傾運転姿勢を使用しているときにはステアリング操舵時に体重をかけずに済むため、自動的に大きく操舵せずに済むギア比を選択して、運転者20が楽で上手な運転操舵ができるようになる。
更に、装置動作検出部76は姿勢保持機構10の使用を検出し、ステアリング径可変部74がこれに合わせてステアリングホイール1の径(ここでは、変形ステアリングの横幅)を可変することができる。したがって、前傾運転姿勢を使用しているときにはステアリング操舵時に体重をかけずに済むため、自動的にステアリング径を小さくして、運転者20が楽で上手な運転操舵ができるようになる。
従来から、加齢による身体機能の低下により、高齢者は運転操舵がうまくできなくなるといわれており、一般的な運転者と同じように操舵抑制力(操舵反力)を付与しても、期待した効果が得られない可能性があった。身体機能の低下により車両の運転が苦手となった運転者に対しては、操舵制御力を付与する以前に、第8の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を導入して運転操舵をしやすくすることにより、操舵抑制力の付与の効果が期待通り得られる。
また、前傾姿勢で運転する高齢者が多いことから、前傾での運転姿勢の状態を保持する姿勢保持機構10を設けている。姿勢保持機構10を使用しているときの操舵しやすさを向上させることで、操舵抑制力の付与の効果を高めることができる。
上記のように、本発明は、第1乃至第8の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定されるものである。
本発明の第1の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図1の運転姿勢保持装置の詳細な構成を示すブロック図である。 図3(a)は図1及び図2の運転者へ接触する姿勢保持機構の接触部の一例を拡大して示す正面図であり、図3(b)は図1及び図2の運転者へ接触する姿勢保持機構の接触部の他の例を拡大して示す正面図であり、図3(c)は図3(b)の姿勢保持機構を側面側から見た断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図4の運転姿勢保持装置の側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図6の運転姿勢保持装置の側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図9(a)は図8の運転姿勢保持装置の側面図であり、図9(b)は図9(a)の姿勢保持機構の接触部を拡大して示す正面図である。 本発明の第5の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図10の運転姿勢保持装置の側面図である。 図12(a)はステアリングホイールと姿勢保持機構との連結状態を示す斜視図であり(その1)、図12(b)は折りたたみ方式の姿勢保持機構を示す斜視図である。 図13(a)は、ステアリングホイールと姿勢保持機構との連結状態を示す斜視図であり(その2)、図13(b)は左右独立方式の姿勢保持機構を示す斜視図である。 姿勢保持機構の接触面に配置された各種センサを示す模式図である。 本発明の第6の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図16(a)は図15の運転姿勢保持装置を備えた車両へ運転者が乗車する時の様子を示す模式図であり、図16(b)は図15の運転姿勢保持装置を備えた車両から運転者が降車する時の様子を示す模式図である。 高齢者向けの面状の姿勢保持機構を備えた運転席を示す断面図である。 図18(a)は図17の運転席を有する車両へ運転者が乗車する時の様子を示す模式図であり、図18(b)は図17の運転席を有する車両から運転者が降車する時の様子を示す模式図である。 本発明の第7の実施の形態に係わるシートベルト及び姿勢保持機構の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第8の実施の形態に係わる運転姿勢保持装置を備えた運転席を示す斜視図(ISO図)である。 図21(a)は図20のステアリング径可変部が制御するステアリングホイールを示す斜視図であり、ホイール径を小さく制御されている状態を示し、図21(b)はホイール径を大きく制御されている状態を示す斜視図である。 図21(a)及び図21(b)の伸縮部分に配置されたモータを示す平面図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール
2…ブレーキペダル
3…アクセルペダル
4…フットレスト
5…シートバック(運転席)
6…ヘッドレスト
7…3点式シートベルト
10、10a、10b…姿勢保持機構
11…ラチェット付回転部
12…連結固定部
13…ロック解除ボタン
14…回転部
15…ガイドレール
16…アーム部
17…固定部
18…姿勢保持制御部
19…可動制御部
20…運転者
21…荷重センサ
22…CO2センサ
23…体温センサ
23…温度センサ
24…振動子
30…バイク型運転操作系
31…ジョイスティック型運転操作系
41…GPS装置
42…カーナビゲーション装置
43…液晶カラーディスプレイ
44…視覚情報制御部
45…スピーカ
46…聴覚情報制御部
51…カメラ
52…画像解析部
53…姿勢保持決定部
60…空調装置
61…空調制御部
72…操舵荷重可変部
73…操舵ギア比可変部
74…ステアリング径可変部
75…操舵系制御部
76…装置動作検出部
77…車両状態取得部
78…操舵状態表示部
79a、79b…伸縮部分
80a、80b…モータ

Claims (12)

  1. 車両を運転する運転者の姿勢を保持する姿勢保持機構を備え、
    前記姿勢保持機構は、前記運転者の伸び上がり姿勢を取るための上方空間が開放され、前記運転者の進行方向側の肩、胸、腹、腕の少なくとも一部に接することにより、前記運転者を略前傾の運転姿勢で保持し、不使用時には収納されることを特徴とする運転姿勢保持装置。
  2. 前記車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングホイールを操舵する前記運転者の肘の角度が40度以上60度以下になるように、前記姿勢保持機構の位置、形状及び角度を調整する姿勢保持制御部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の運転姿勢保持装置。
  3. 前記姿勢保持機構は、棒状、ネット状或いは板状の形状を有し、弾力性が付加されていることを特徴とする請求項1又は2記載の運転姿勢保持装置。
  4. 前記姿勢保持機構は前記運転者へ接触する接触部を有し、前記接触部の表面抵抗は前記車両の前進方向よりも前記車両の後退方向の方が高くなるように、前記接触部の素材及び表面形状が選択されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  5. 前記接触部は、前記運転者の胸骨より鎖骨へかけての大胸筋に右若しくは左、又は左右両方で接触する、円及び楕円を含む3角形以上の多角形の断面形状を有する棒状の形状を有し、前記運転者に接触する部分の最長径範囲は8〜35mmであることを特徴とする請求項4記載の運転姿勢保持装置。
  6. 前記姿勢保持機構は、前記車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングシャフトに連結され、
    前記姿勢保持制御部は、前記姿勢保持機構を前記運転者に対して前後・上下・左右方向に移動させ、前記運転者の姿勢を保持する保持角度を調整することを特徴とする請求項2乃至5何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  7. 運転席シートのヘッドレストを含むシートバック部、シート座面、ランバーサポート部、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル及びフットレストの前後方向、上下・左右方向、角度、操作荷重量及びストローク量を制御する可動制御部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  8. 前記運転者の運転姿勢を取得する運転姿勢取得部と、
    前記運転姿勢取得部が取得した前記運転姿勢から前記運転者の肘・膝・足首の位置・角度を検出する運転姿勢検出部と、
    前記運転姿勢検出部の検出結果から前記姿勢保持機構の保持位置を決定する姿勢保持決定部と、
    前記姿勢保持機構を格納位置から保持位置まで前記運転者の身体ギリギリを沿って、または接しながら移動する軌跡及び前記保持位置から前記格納位置まで移動する軌跡を算出する移動軌跡算出部とを更に備え、
    前記姿勢保持制御部は、前記移動軌跡算出部の出力に基づいて、前記姿勢保持機構の長さ及び角度を制御することを特徴とする請求項2乃至7何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  9. 前記姿勢保持制御部は前記姿勢保持機構の使用状態を検出し、
    前記使用状態の検出結果に応じて前記車両に搭載された空調装置の温度、風量、風向き、吹き出し口、内気/外気の切り替えを制御する空調制御部を更に有することを特徴とする請求項2乃至8何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  10. 前記姿勢保持機構が動作していることを検出する装置動作検出部と、
    前記車両の運転操舵荷重を可変する操舵荷重可変部と、
    前記装置動作検出部の検出結果に基づいて操舵荷重可変部を制御する操舵系制御部と、
    前記装置動作検出部の検出結果及び前記操舵荷重可変部により可変される前記運転操舵荷重を報知する操舵状態表示部
    とを更に有することを特徴とする請求項1乃至9何れか1項記載の運転姿勢保持装置。
  11. 操舵ギア比を可変する操舵ギア比可変部を更に備え、
    前記操舵系制御部は、前記装置動作検出部の検出結果に基づいて前記操舵ギア比可変部を制御することを特徴とする請求項10記載の運転姿勢保持装置。
  12. 前記車両の進行方向に対して略垂直方向に回転するステアリングホイールの径を可変するステアリング径可変部を更に備え、
    前記操舵系制御部は、前記装置動作検出部の検出結果に基づいて前記ステアリング径可変部を制御することを特徴とする請求項10又は11記載の運転姿勢保持装置。
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