JP2006127687A - 転写装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スレーブディスクの表面及び端面の塵埃や繊維くず等の異物を容易に判別し、汚染されたスレーブディスクの磁気転写を行わないことにより、マスターディスクの寿命を向上させる。
【解決手段】被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査し、検査結果によって、被転写用ディスクをAランクとBランクとに選別し、ホルダ部に保持された磁気パターンを有するマスターディスクに対向するようにAランクの被転写用ディスクを供給し、供給された被転写用ディスクにマスターディスクを圧接させて挟持し、ホルダ部に磁界を加えてマスターディスク上の磁気パターンを被転写用ディスクに転写させ、Bランクの被転写用ディスクをクリーニング又は廃棄する。
【選択図】 図1
【解決手段】被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査し、検査結果によって、被転写用ディスクをAランクとBランクとに選別し、ホルダ部に保持された磁気パターンを有するマスターディスクに対向するようにAランクの被転写用ディスクを供給し、供給された被転写用ディスクにマスターディスクを圧接させて挟持し、ホルダ部に磁界を加えてマスターディスク上の磁気パターンを被転写用ディスクに転写させ、Bランクの被転写用ディスクをクリーニング又は廃棄する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、転写装置及び方法に係り、特に、ハードディスク装置等に用いられる磁気ディスクに、マスターディスクからフォーマット情報等の磁気情報パターンを転写する際の不良品の発生を防止するのに有効な転写装置及び方法に関する。
近年、急速に普及しているハードディスクドライブに使用される磁気ディスク(ハードディスク)は、磁気ディスクメーカーよりドライブメーカーに納入された後、ドライブに組み込まれる前に、フォーマット情報やアドレス情報が書き込まれるのが一般的である。この書き込みは、磁気ヘッドにより行うこともできるが、これらのフォーマット情報やアドレス情報が書き込まれているマスターディスクより一括転写する方法が効率的であり、好ましい。
従来、この種の磁気転写技術として各種の提案がなされている(たとえば、特許文献1〜3参照。)。このうち、特許文献1は、被転写用ディスクを自動搬送しながら両面にマスターディスクを密着させて磁気転写を行う際の作業効率を向上させる旨の提案である。特許文献2は、マスターディスクのサーボ領域をデータ領域よりも凸状に形成して、転写信号の信号脱落等の欠陥を防ぐ旨の提案である。
ところが、このような従来技術においても、転写不良が多く転写歩留りが悪く、また、頻繁にマスターディスクを交換しなければならないという問題点が指摘されている。
すなわち、磁気転写を行う際に、マスターディスクと転写されるハードディスク(スレーブディスク)とを密着させる必要があるが、この環境における清浄度が悪いと、微粒子やゴミ等により、転写不良となったり、マスターディスクの表面に傷等を発生させることが多い。
特に、このようなマスターディスクの繰り返しの使用により、周辺環境で発生している塵埃や繊維くず等がマスターディスクの表面に付着しやすくなる。そして、塵埃や繊維くず等の異物がマスターディスクの表面に付着した状態でスレーブディスクと密着させた場合、異物を中心とした所定範囲において、マスターディスクとスレーブディスクとの密着が不十分となり、転写不良となりやすい。そして、記録した信号がサーボ信号の場合にはトラッキング機能が十分に得られずに信頼性が低下するという問題があった。
また、マスターディスクとスレーブディスクとの密着を繰り返すことにより、上記異物のマスターディスク表面への付着力が増加していき、以降の密着転写において、同様の転写不良のものを再生産することとなりやすい。
更に、上記異物のマスターディスク表面への付着により、マスターディスクの表面を変形させたり、マスターディスクの表面に傷を発生させたりし、マスターディスクの正常な機能を損う問題をも生じる。
これに対し、特許文献3のように、磁気転写を行う前にスレーブディスクの検査を行い、汚染が発見されたスレーブディスクの磁気転写を行わないことにより、マスターディスクの汚染を防ぐ提案がなされている。
特開2004−87099号公報
特開2002−74655号公報
特開2002−334430号公報
しかしながら、特許文献3のような検査では、特に汚染されやすいスレーブディスクの端面の検査ができず、検査の実効が得られないという問題点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スレーブディスクの表面及び端面の塵埃や繊維くず等の異物を容易に判別でき、これに対応して汚染されたスレーブディスクの磁気転写を行わないことにより、マスターディスクの寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、密着転写作業の生産性を向上させることができる磁気転写及び方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、マスターディスクのパターンを被転写用ディスクに転写させる転写手段と、前記被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査手段と、を具備したことを特徴とする転写装置を提供する。
本発明によれば、被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査するので、被転写用ディスクの表面及び端面の塵埃や繊維くず等の異物を容易に判別でき、これに対応して汚染された被転写用ディスクの転写を行わないようにできるので、マスターディスクの汚染を防ぐことができ、マスターディスクの寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、転写作業の生産性を向上させることができる。
なお、被転写用ディスクは、磁気ディスクのみならず、光ディスク(光磁気ディスクも含む)等の各種媒体を指すものである。
また、本発明は、被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査工程と、前記検査工程による検査結果によって、前記被転写用ディスクをAランクとBランクとに選別する選別工程と、ホルダ部に保持された磁気パターンを有するマスターディスクに対向するようにAランクの前記被転写用ディスクを供給する供給工程と、供給された前記被転写用ディスクに前記マスターディスクを圧接させて挟持する圧接工程と、前記ホルダ部に磁界を加えて前記マスターディスク上の磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる転写工程と、Bランクの前記被転写用ディスクをクリーニング又は廃棄する再生工程と、を具備したことを特徴とする転写方法を提供する。
また、このために、本発明は、磁気パターンを有するマスターディスクをホルダ部により保持するディスク保持手段と、被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査手段と、前記ホルダ部によって保持された前記マスターディスクに対向するように前記被転写用ディスクを供給する供給手段と、前記ホルダ部に磁界を加えて前記マスターディスクの磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる磁界印加手段と、を具備したことを特徴とする転写装置を提供する。
本発明によれば、被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査するので、スレーブディスクの表面及び端面の塵埃や繊維くず等の異物を容易に判別でき、これに対応して汚染されたスレーブディスク(Bランクのもの)の磁気転写を行わないようにできるので、マスターディスクの汚染を防ぐことができ、マスターディスクの寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、密着転写作業の生産性を向上させることができる。
本発明において、前記検査手段により検査された前記被転写用ディスクの表面及び/又は端面の汚染箇所を選択的にクリーニングするクリーニング手段を具備したことが好ましい。このようなクリーニング手段を具備していれば、被転写用ディスクを廃棄せずにそのまま使用でき、密着転写作業の生産性を向上させることができる。
また、本発明において、前記検査手段により検査された前記被転写用ディスクの汚染状態を判別する判別手段と、前記判別手段による判別結果によって、前記磁界印加手段による磁気転写を行う第1の選択枝と、前記クリーニング手段によって前記被転写用ディスクのクリーニングを行う第2の選択枝と、前記磁界印加手段及び/又は前記クリーニング手段を経ずに前記被転写用ディスクを装置外部に排出させる第3の選択枝と、のいずれか1の選択枝を選ぶ選択手段と、を具備したことが好ましい。
このように、被転写用ディスクの汚染状態の判別結果によって、3つの選択枝のいずれかを選ぶことができれば、密着転写作業の生産性を更に向上させることができる。
また、本発明において、前記検査手段が、前記被転写用ディスクの表面の汚染状態を検査する表面検査手段と、前記被転写用ディスクの端面の汚染状態を検査する端面検査手段と、よりなることが好ましい。
1の検査手段により被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査することも可能であるが、このように、被転写用ディスクの表面と端面とのそれぞれ専用の検査手段を設ければ、良好な検査精度が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査するので、スレーブディスクの表面及び端面の塵埃や繊維くず等の異物を容易に判別でき、これに対応して汚染されたスレーブディスクの磁気転写を行わないようにできるので、マスターディスクの汚染を防ぐことができ、マスターディスクの寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、密着転写作業の生産性を向上させることができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る転写装置及び方法の好ましい実施の形態について詳説する。図1は、本発明に係る転写装置である磁気転写装置10の全体構成を示す斜視図であり、図2は、ディスク用カセットの概要を示す斜視図である。磁気転写装置10は、装置本体12とクリーンユニット14とよりなる。
装置本体12は架台58を備え、この架台58上には水平方向に面をなすベース60が設けられている。なお、太い矢印で示される側が、装置本体12の前面である。この装置本体12は、周辺をクリーンユニット14に囲われ、清浄度が確保されるようになっている。
クリーンユニット14の天井部には、装置の内部にクリーンエアを供給するクリーンエア送風ユニット(図示略)が設けられている。このクリーンエア送風ユニットは、HEPAフィルタやULPAフィルタ等のエアフィルタと、送風ファンにより構成され、装置の内部に、ダウンフローによる清浄度クラス100未満のクリーンエアが供給できるようになっている。
クリーンエア送風ユニットより吹き出されたクリーンエアは、外部に排出されるようになっている。このため、図1に示されるように、ベース60上において、装置本体12の各機構が配置されていない空き領域には、排気手段としての排気ファン64が複数配設されている。
ベース60の前端部には被転写用ディスクであるスレーブディスク40を収容するディスク供給カセット38、及び、磁気情報が転写され排出されたスレーブディスク40を回収するカセットとしてのディスク排出カセット56が設けられている。ディスク供給カセット38とディスク排出カセット56とは同一形状のものが採用されている。
図2に示されるように、ディスク供給カセット38及びディスク排出カセット56は、スレーブディスク40がディスクがなす面を対向させて複数枚収納可能となっている。すなわち、カセットの内面に並行して形成された複数の溝92、92…のそれぞれに、一枚ずつスレーブディスク40が遊挿されるようになっており、溝92がなす面によってスレーブディスク40の外周が保持され、複数のスレーブディスク40のそれぞれは互いに離間して配置されるようになっている。
ベース60の上面の略中央部には、インデックステーブル50がベース60に対して垂直方向の軸により回転自在に取り付けられている。インデックステーブル50上には、一対のマスターディスク46と1枚のスレーブディスク40を保持する保持手段としてのホルダユニット22が、インデックステーブル50の回転方向に等間隔(90度おき)に4台配設されている。
図3に断面図で示されるように、ホルダユニット22は、一対のホルダ部である固定側ホルダ23と移動側ホルダ24とよりなる。固定側ホルダ23及び移動側ホルダ24は、各々マスターディスク46を吸着または接着により外段取り等により位置決め固定し保持するとともに、スレーブディスク40を吸着保持し、マスターディスク46、46によってスレーブディスク40を密着状態で挟持させることができるようになっている。
固定側ホルダ23及び移動側ホルダ24は、スレーブディスク40のそれぞれの主面に記録する磁気情報に対応するべく、固定側ホルダ23及び移動側ホルダ24のそれぞれに、記録されている情報が異なったマスターディスク46、46を固定する。そして、これらの2枚1組のマスターディスク46、46をスレーブディスク40のそれぞれの主面に密着させ挟み込むことができるようになっている。
固定側ホルダ23は、円形カップ状の部材であり、カップ内にマスターディスク46を固定できるようになっている。移動側ホルダ24は、円盤状の部材であり、表面にマスターディスク46を固定できるようになっている。そして、固定側ホルダ23は、装置本体12に固定されている。一方、移動側ホルダ24は、駆動手段(図示略)を介して装置本体12に固定されており、固定側ホルダ23に対し接離可能に移動できるようになっている。
以上で説明したホルダユニット22の構成により、スレーブディスク40を供給したり、取り外したりする際には、図3に示されるように、固定側ホルダ23と移動側ホルダ24とが所定距離だけ離れた位置にセットされ、後述するディスク供給ユニット26やディスク排出ユニット34によるスレーブディスク40のハンドリングが容易な状態にされる。
図1の装置本体12において、インデックステーブル50は、図示しない駆動モータにより間欠的に回転駆動され、各ホルダユニット22が各割出位置に対応するように、各工程位置に順次送られて停止し、複数の作業が並行して行えるようになっている。インデックステーブル50は、4つのホルダユニット22が所定の4箇所の位置に常に配置されるように、間歇駆動される。すなわち、各ホルダユニット22は、90度移動毎に停止しするようになっている。
更に、図1の装置本体12は、ベース60上面の一側部側(図1では、正面より右側)にディスク供給ユニット26を、ベース60上面の他側部側(図1では、正面より左側)にディスク排出ユニット34をそれぞれ備えている。
ディスク供給ユニット26は、スレーブディスク40を途中で他のチャック機構に受け渡すことをせずに、ディスク供給カセット38からマスターディスク46、46が取り付けられているホルダユニット22へ、直接搬送できるディスク供給手段である。
ディスク排出ユニット34は、この逆に、磁気転写作業が完了したスレーブディスク40を途中で他のチャック機構に受け渡すことをせずに、ディスク排出カセット56に直接搬送できるディスク排出手段である。
ディスク供給ユニット26により、ディスク供給カセット38から取り出されたスレーブディスク40は、検査工程の後に、ホルダユニット22の固定側ホルダ23に予め装着されているマスターディスク46に対して相対的に位置決めが行われ、マスターディスク46に設けられる空隙越しにホルダユニット22によって吸着されて受け渡され、マスターディスク46の磁気情報記録面とスレーブディスク40の磁気情報被転写面とが密着されて保持される。固定側ホルダ23の内側にはスレーブディスク40の内径付近を吸着する吸着溝(図示略)が設けられ、この吸着溝によりスレーブディスク40が吸着保持される。
ディスク供給ユニット26は、図2に示されるように、スレーブディスク40の内径を把持するための2片の保持具であるチャック42a、42bからなるチャック機構42と、図1に示されるような、X−Y−Z軸の各ロボット27、28、29と、スレーブディスク40をY−Z平面内で180度回転するように、チャック42a、42bを回動させる、X軸方向に回動軸を有するロータリシリンダ44から構成される。
すなわち、ディスク供給ユニット26は、スレーブディスク40の内径を把持したチャック42a、42bを、ロータリシリンダ44により180度回転させ、スレーブディスク40及びチャック42の向きを反転するようになっている。
ディスク排出ユニット34は、ホルダユニット22が開かれた後、磁気転写後のスレーブディスク40を受け取り、ディスク排出カセット56に対して直接搬送し収納するディスク取出手段である。
ディスク排出ユニット34は、スレーブディスク40の内径を把持する2つの保持具であるチャック52a、52bからなるチャック機構52と、X−Y−Z軸の各ロボット35、36、37と、スレーブディスク40をX−Z平面内で180度回転させるようにチャック52a、52bを回動させる、Y軸方向に回動軸を有するロータリシリンダ54から構成される。
すなわち、ディスク排出ユニット34は、スレーブディスク40の内径を把持したチャック52a、52bを、ロータリシリンダ54により180度回転させ、スレーブディスク40及びチャック52の向きを反転するようになっている。
図4に示されるように、ホルダユニット22の固定側ホルダ23の下面部には、基準マーク21Aが予め取り付けられており、ディスク供給ユニット26のチャック42a、42bには認識マーク21B、21Bが予め取り付けられている。基準マーク21Aと認識マーク21B、21Bは認識ユニット30で視覚認識される。
この認識ユニット30は、ベース60上面で、ディスクディスク供給カセット38が設けられた側面と反対の側面に近い位置に配設されている。認識ユニット30は、ディスク供給ユニット26が搬送してきたスレーブディスク40をマスターディスク46に位置決めする際に、ホルダユニット22とディスク供給ユニット26のそれぞれに予め取り付けられた基準マーク21Aと認識マーク21B、21BをCCDカメラ等によって視覚的に認識する。
認識ユニット30には位置決め手段としての制御手段30Aが接続され、制御手段30Aは認識された基準マーク21Aからマスターディスク46の中心を算出し、また、認識された認識マーク21B、21Bからスレーブディスク40の中心を算出する。そして、マスターディスク46とスレーブディスク40との中心が一致するように、ディスク供給ユニット26のY−Z軸のロボット28、29を駆動制御するようになっている。
位置決めされたスレーブディスク40は、ディスク供給ユニット26のX軸ロボット27によって、固定側ホルダ23の内側に保持されているマスターディスク46に密着する位置まで移動し、固定側ホルダ23の内側に吸着保持される。
このとき、固定側ホルダ23に設けられた基準マーク21Aと、固定側ホルダ23において保持されているマスターディスク46の中心位置との位置関係は、予め制御手段30Aにティーチングされている。
一方、ディスク供給ユニット26に設けられた認識マーク21B、21Bとスレーブディスク40の中心位置との関係は、チャック機構42のチャッキング動作によってチャック42a、42bの当接する部位を結ぶ直線上にスレーブディスク40の中心があるものと見立てたときに、その中心位置と認識マーク21B、21Bとの関係が、制御手段30Aに予めティーチングされている。
これらのティーチングされた位置関係を基に、間接的にスレーブディスク40とマスターディスク46との位置関係が算出されるようになっている。
コイルユニット32、32は、ホルダユニット22を閉じて、ホルダユニット22の固定側ホルダ23と移動側ホルダ24とのそれぞれに固定されたマスターディスク46、46によって、スレーブディスク40を挟持した状態のものに対し、マスターディスク46、46とスレーブディスク40との積層方向からみて両側にコイルを離間して配置したものである。このコイルユニット32、32は、マスターディスク46、46とスレーブディスク40に対して、磁気転写作用を促進するための所定の強度の磁界を印加するものである。
次に、本発明の特徴部分である、スレーブディスク40の汚染状態を検査する検査手段と、この検査手段により検査されたスレーブディスク40の表面の汚染箇所を選択的にクリーニングするクリーニング手段について説明する。この検査手段は、スレーブディスク40の表面の汚染状態を検査する表面検査手段と、スレーブディスク40の端面の汚染状態を検査する端面検査手段とよりなる。
先ず、表面検査手段について説明する。図1における、ロータリシリンダ44により支持されたチャック機構42の側面には、表面検査手段が設けられている。なお、図1においては、表面検査手段のうち、撮像素子であるCCDカメラ96のみ図示されており、光照射手段である照明手段97やミラー98は図示されていない。
図5は、表面検査手段とスレーブディスク40との位置関係を示す正面図であり、図6は、同じく平面図である。この表面検査手段は、撮像素子であるCCDカメラ96と、照明手段97と、ミラー98とよりなる。このうち、CCDカメラ96は、カメラ本体96Aとレンズ鏡筒96Bより構成される。このCCDカメラ96は、既述の制御手段30Aと接続されている。
CCDカメラ96は、支持手段96Cにより支持されており、制御手段30Aの指示によりX軸回り及びZ軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の両表面の被検査部位に対応できるようになっている。
更に、CCDカメラ96は、検査終了時に、ディスク供給ユニット26の各ロボット27、28、29と干渉しないように、退避可能となっている。
このCCDカメラ96のレンズ鏡筒96Bに使用されるレンズの解像度及び明るさは重要である。したがって、このレンズとして0.5〜2倍の高解像度レンズを使用する場合、レンズの解像度は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
このレンズの明るさは、スレーブディスク40の表面の汚染(付着物)の散乱光を検出するため、口径が大きい方が好ましく、F値で8以下が好ましく、F6以下がより好ましい。
CCDカメラ96のセンサ部として、ラインイメージセンサ以外にエリアイメージセンサも使用できる。この場合、いずれのセンサであっても、センサの感度と画素数が大きいほど検出感度が上げられる。その意味で、センサの画素ピッチは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。センサの画素数はラインイメージセンサでは5000〜8000画素が好ましく、エリアイメージセンサでは600万画素クラスが好ましい。
なお、CCDカメラ96のセンサ部がラインイメージセンサの場合、回転したまま画像を取り込むが、エリアイメージセンサの場合には、停止して画像を取り込むか、高輝度ストロボで静止画像を取り込む必要がある。
照明手段97は、チャック機構42により内径を把持されたスレーブディスク40のうち、検査する表面の方を斜方より照明するものである。この照明手段97としては、ハロゲン光光源が好ましく採用できる。特に、スレーブディスク40の表面の汚染が微小な付着物である場合、これを検出できるべく、波長が600nm以下の緑、青成分が大きいメタルハライド光源が好ましく採用できる。
照明手段97より照射される照明光の輝度も重要であり、少なくとも10万Lxのものが好ましい。照明光の輝度が10万Lx以上あると、サブミクロンクラスの付着物も検出が可能である。
なお、照明手段97が1個設けられているが、照明手段97を2個設け、同一光軸上の反対側からも照明すると、スレーブディスク40の被検査部位における輝度が向上するとともに、片側からの照明では反射しにくい付着物も光らせることができ、更に検出感度を上げられる。
これ以外の構成として、反対側の照明手段の代わりに反射鏡を置く構成も採用できる。この場合、凹面鏡等の反射鏡で集光すれば、スレーブディスク40の被検査部位を効率よく照明することができる。
なお、照明手段97からの照明が結像用のミラー98に当たると、フレアなどのノイズ成分となるため、照明光はレンズ等で充分に絞り込む必要がある。
また、照明手段97として、ハロゲン光光源に代えて高輝度レーザも使用できる。この場合、アルゴンレーザやYAG2倍波レーザ等の波長が短い方が検出感度の点で好ましい。
また、偏光は被検査部位の面に平行であるS偏光を使用した方が、よりパターンの反射が減少する点で好ましい。偏光は通常の照明手段でもパターン反射を減少させる効果があるが、照明手段の明るさを充分に上げないと、輝度が減少し検出感度が下がる場合がある。同様に偏光板を乱反射時に発生するP偏光のみを通過するように、CCDカメラ96の受光レンズに付けてもよい。その場合も、光源の輝度をできるだけ上げておくことが好ましい。
照明手段97は、図示しない支持手段により支持されており、制御手段30Aの指示によりX軸回り及びY軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の両面の被検査部位に対応できるようになっている。そして、照明手段97の光軸がスレーブディスク40の表面の被検査部分における径方向に対し1〜30度の角度をなして支持されるようになっている。
ミラー98は、図示しない支持手段により、スレーブディスク40の両面の被検査部位に対応できるように移動可能となっている。また、ミラー98は、スレーブディスク40の検査終了時に、ディスク供給ユニット26の各ロボット27、28、29と干渉しないように、退避可能となっている。
このミラー98は、スレーブディスク40の表面に対して傾斜して配されており、スレーブディスク40の被検査部位の映像が、ミラー98を介してCCDカメラ96で撮像できる位置に配されている。
このミラー98は、両表面が鏡面に形成されており、制御手段30Aの指示によりZ軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の両面の被検査部位に対応できるようになっている。
ミラー98のサイズは、CCDカメラ96のレンズ鏡筒96Bに使用されるレンズに見合った十分な大きさ(レンズ口径と同等)であることが好ましい。また、ミラー98は高精度な表面反射鏡であることが好ましい。ミラー98の表面精度は1/4波長以下が好ましく、1/10波長以下がより好ましい。
なお、図1に示される位置と異なる位置(たとえば、チャック機構42により内径を把持されたスレーブディスク40の表面がY軸方向を向く位置)において、表面検査手段により検査を行うか、CCDカメラ96がディスク供給ユニット26の各ロボット27、28、29と干渉しない位置に移動可能な構造であれば、ミラー98を設けずに、CCDカメラ96でスレーブディスク40の被検査部位を直接撮像する構成も採用できる。
表面検査手段の以上の構成により、スレーブディスク40の表面が検査可能となっている。そして、CCDカメラ96により撮像されたスレーブディスク40の被検査部位の情報(欠点(汚染)およびその位置情報)が、既述の制御手段30Aに記憶されるようになっている。
なお、表面検査手段として、上記の構成のもの以外に、たとえば、スレーブディスク40の表面にレーザ光をスキャンして、この反射光をフォトマルやフォトダイオード等で捕らえ、反射光の変化で付着塵埃を検査する方法や、スレーブディスク40の表面にハロゲン光等の光を照射して、CMOSラインイメージセンサ、エリアイメージセンサ等で反射光を捕らえて検査する方法等、公知の各種検査方法が採用できる。
次に、端面検査手段とクリーニング手段について説明する。図1における、ディスク供給工程位置82のホルダユニット22の側面には、端面検査手段及びクリーニング手段が設けられている。なお、図1においては、端面検査手段のうち、撮像素子であるCCDカメラ16と光照射手段である照明手段17のみ図示されており、クリーニング手段は退避してホルダユニット22の反対側面にあることより、図示されていない。
図7は、端面検査手段とスレーブディスク40との位置関係を示す正面図である。この端面検査手段は、撮像素子であるCCDカメラ16と、照明手段17とよりなる。このうち、CCDカメラ16は、カメラ本体16Aとレンズ鏡筒16Bより構成される。このCCDカメラ16は、既述の制御手段30Aと接続されている。
この端面検査手段に使用されるCCDカメラ16と照明手段17は、既述の表面検査手段に使用されるCCDカメラ96及び照明手段97と同様のものが採用できる。したがって、CCDカメラ16及び照明手段17の詳細な説明は省略する。
CCDカメラ16は、支持手段16Cにより支持されており、制御手段30Aの指示によりX軸回り及びZ軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の被検査部位に対応できるようになっている。
更に、CCDカメラ16は、検査終了時に、ディスク供給ユニット26の各ロボット27、28、29と干渉しないように、退避可能となっている。
照明手段17は、図示しない支持手段により支持されており、制御手段30Aの指示によりX軸回り及びY軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の被検査部位(端面)に対応できるようになっている。
そして、照明手段17の光軸がスレーブディスク40の端面の被検査部分における接線方向に対しαの角度をなして支持されるようになっている。この角度αは、0〜20度の範囲が好ましく、5〜15度の範囲がより好ましい。また、照明手段17の光軸はスレーブディスク40の表面に対して±5度の角度をなして支持されることが好ましい。
スレーブディスク40の端面の全周を検査する場合には、ホルダユニット22によってスレーブディスク40を一定速度で回転させながら、CCDカメラ16により撮像すればよい。
この場合、スレーブディスク40の内外周の端面を検査する場合には、先ず、CCDカメラ16の焦点を、内外周のいずれか一方の端面に合わせてこの端面の全周を撮像し、次いで、CCDカメラ16の焦点を、他方の端面に合わせてこの端面の全周を撮像すればよい。
スレーブディスク40の端面の特に汚染されやすい部分、具体的には、ディスク供給カセット38の溝92と接触する外周の2箇所を検査する場合には、ホルダユニット22によってスレーブディスク40を間欠的に回転させ、その部分のみCCDカメラ16により撮像すればよい。また、スレーブディスク40を回転させずに、ディスク供給カセット38の溝92と接触する箇所を検査できるように、CCDカメラ16と照明手段17とを複数組設ける構成も採用できる。
検査手段の以上の構成により、スレーブディスク40の端面が検査可能となっている。そして、CCDカメラ16により撮像されたスレーブディスク40の被検査部位の情報(欠点(汚染)およびその位置情報)が、既述の制御手段30Aに記憶されるようになっている。
次に、クリーニング手段について説明する。図8は、クリーニング手段とホルダユニット22との位置関係を示す斜視図である。クリーニング手段は、エアノズル19と吸引ノズル20よりなる。
エアノズル19は、先端部が小径の円筒状部材であり、図示しないエア供給源よりの高圧ジェット流を、スレーブディスク40の被清浄化部位へ吹き付けできるようになっている。すなわち、エアノズル19は、図示しない支持手段により、ホルダユニット22の固定側ホルダ23に保持されたスレーブディスク40と、移動側ホルダ24に保持されたマスターディスク46の間に移動できるようになっており、また、制御手段30Aの指示によりX軸回り及びZ軸回りに若干量回転可能となっており、スレーブディスク40の被清浄化部位に対応できるようになっている。
エアノズル19には、図示しないフィルタ及び超音波笛が内蔵されており、振動が付与されたクリーンエアが噴出できるようになっている。
吸引ノズル20は、断面が矩形の薄い筒状部材であり、図示しない吸引手段に接続されている。この吸引ノズル20は、図示しない支持手段により、ホルダユニット22の固定側ホルダ23に保持されたスレーブディスク40と、移動側ホルダ24に保持されたマスターディスク46の間であって、エアノズル19に対向する位置に移動できるようになっており、エアノズル19により吹き付けられた高圧ジェット流のエア、及びスレーブディスク40上の異物を吸引できるようになっている。
クリーニング手段の以上の構成により、制御手段30Aに記憶された被検査部位の情報(欠点(汚染)およびその位置情報)にしたがって、スレーブディスク40上の欠点(汚染)が選択的(局所的)に除去可能となっている。
なお、クリーニング手段は、上記の位置(スレーブディスク40が端面検査手段により検査される位置)以外に、スレーブディスク40が表面検査手段により検査される位置にも設けることができる。
なお、クリーニング手段として、上記の構成のもの以外に、たとえば、ドライアイスの微粒子の吹き付け手段、エキシマレーザの部分的照射手段、弱粘着性を有するクリーニングローラ又はクリーニングシートを押し付ける構成のもの、クリーニングクロスによってワイピングする構成のもの、回転するスレーブディスク40の表面にグライドヘッドを近接させるバーニッシング手段等、公知の各種クリーニング方法が採用できる。
次に、上記のように構成された磁気転写装置の運転方法について説明する。なお、クリーニング手段は、上記の位置(スレーブディスク40が端面検査手段により検査される位置)以外に、スレーブディスク40が表面検査手段により検査される位置にも設けられている。
図9は、磁気転写装置の運転方法について説明するフローチャートである。
運転開始により、ディスク供給ユニット26のチャック機構42(チャック42a、42b)がディスク供給カセット38内のスレーブディスク40を把持して、順次1枚づつ取り出す(ステップS−10)。
取り出されたスレーブディスク40は、図1に示される検査位置80において把持された状態を維持している。
次いで、図5及び図6に示される検査手段のミラー98をスレーブディスク40に対向する位置に移動させるとともに、CCDカメラ96と、照明手段97とを適正位置に調整し、スレーブディスク40の付着物検査を行い、被検査部位の情報(欠点(汚染)およびその位置情報)を、制御手段30Aに記憶させるとともに、制御手段30Aが付着物検査の結果の良否を判断する(ステップS−12)。
付着物検査の結果、制御手段30Aが良好(OK)と判断した場合には、定常フローの次ステップ(ステップS−14)に移り、制御手段30Aが不良(NG)と判断した場合には、クリーニング手段によるクリーニング工程(ステップS−16)に移る。
クリーニング工程(ステップS−16)において、検査手段のミラー98をスレーブディスク40の近傍より退避させるとともに、エアノズル19と吸引ノズル20をスレーブディスク40の近傍の所定位置に移動させる。
そして、エアノズル19より、振動が付与されたクリーンエアが噴出され、スレーブディスク40表面上の異物を除去するとともに、吸引ノズル20により、吹き付けられた高圧ジェット流のエア、及びスレーブディスク40表面上の異物を吸引する。これにより、スレーブディスク40表面上の欠点(汚染)が選択的(局所的)に除去される。
このステップS−16において、クリーニング工程が終了したスレーブディスク40は、そのままの位置で再検査される(ステップS−12)。
なお、ステップS−12において、制御手段30Aが不良(NG)と判断した場合であって、既にクリーニング工程を経ている場合には、スレーブディスク40を廃棄する。具体的には、ディスク供給ユニット26により、装置本体12内部に配置してある廃棄カセット(図示略)にスレーブディスク40を収納する。この廃棄カセットは、所定枚数(たとえば、25枚)の廃棄用スレーブディスク40が収納された時点で、装置本体12外部に排出される。
ステップS−14において、表面の検査が終了したスレーブディスク40は、ロータリシリンダ44の回動によりYZ平面内で反転された後、X軸ロボット27によって、ディスク供給工程位置82に配置された開かれたホルダユニット22により形成されたマスターディスク46、46間の空隙の、ホルダユニット22の開閉方向に直交する方向上まで移動され、Y軸ロボット28によって、マスターディスク46、46の間にある間隙に挿入される。
このとき、ホルダユニット22の固定側ホルダ23と移動側ホルダ24の各内側には、それぞれマスターディスク46、46が予め外段取り等によって、ホルダユニット22の中心とマスターディスク46の中心とが一致する位置に精度良く吸着または接着にて固定されている。
ホルダユニット22の固定側ホルダ23と移動側ホルダ24との間に供給されたスレーブディスク40は、ディスク供給ユニット26のX−Y−Z軸のロボットによってその中心が固定側ホルダ23の内側に固定されているマスターディスク46の中心とほぼ一致し、かつマスターディスク46との隙間が0.5mm程度となる認識位置に移動される。
次いで、固定側ホルダ23の下面に予め取り付けられた基準マーク21Aと、ディスク供給ユニット26のチャック機構42(チャック42a、42b)に予め取り付けられた認識マーク21B、21Bが認識ユニット30によって認識される。
この認識により、基準マーク21Aから算出されるマスターディスク46の中心と、チャック機構42の認識マーク21B、21Bから算出されるスレーブディスク40の中心とが一致するように、ディスク供給ユニット26のY−Z軸ロボット28、29により、スレーブディスク40が位置決めされる。
次いで、スレーブディスク40は、ディスク供給ユニット26のX軸ロボット27によって、固定側ホルダ23の内側に固定されているマスターディスク46に密着する位置まで移動され、固定側ホルダ23の内側に吸着固定される(以上、ステップS−14)。
次いで、端面検査手段のCCDカメラ16と、照明手段17とを適正位置に調整し、スレーブディスク40の端面の付着物検査を行い、被検査部位の情報(欠点(汚染)およびその位置情報)を、制御手段30Aに記憶させるとともに、制御手段30Aが付着物検査の結果の良否を判断する(ステップS−18)。
付着物検査の結果、制御手段30Aが良好(OK)と判断した場合には、定常フローの次ステップ(ステップS−20)に移り、制御手段30Aが不良(NG)と判断した場合には、クリーニング手段によるクリーニング工程に移る(ステップS−22)。
クリーニング工程(ステップS−22)において、エアノズル19と吸引ノズル20をホルダユニット22の固定側ホルダ23に保持されたスレーブディスク40と、移動側ホルダ24に保持されたマスターディスク46との間の所定位置に移動させる。
そして、エアノズル19より、振動が付与されたクリーンエアが噴出され、スレーブディスク40の端面の異物を除去するとともに、吸引ノズル20により、吹き付けられた高圧ジェット流のエア、及びスレーブディスク40の端面の異物を吸引する。これにより、スレーブディスク40の端面の欠点(汚染)が選択的(局所的)に除去される。
なお、ステップS−22において、制御手段30Aが不良(NG)と判断した場合であって、既にクリーニング工程を経ている場合には、スレーブディスク40を廃棄する。具体的には、ディスク供給ユニット26により、装置本体12内部に配置してある廃棄カセット(図示略)にスレーブディスク40を収納する。
次いで、制御手段30Aは、1枚前のスレーブディスク40もクリーニング工程を経たか(クリーニング工程が連続しているか)否かを判断し(ステップS−24)、連続している場合(Yes)には、定常作業を中止させ、チャック機構42等の把持機器の清掃作業等に移行させる(ステップS−26)。
一方、ステップS−24において、クリーニング工程が連続していない場合(No)には、スレーブディスク40は、ディスク供給ユニット26のX−Y−Z軸のロボットによって検査位置(表面検査手段の位置)80まで搬送され、ロータリシリンダ44の回動によりYZ平面内で反転された後、表面検査手段によって再検査される(ステップS−12)。
定常フローの次ステップ(ステップS−20)において、移動側ホルダ24をロボット70によって固定側ホルダ23に向かって移動させ、スレーブディスク40の両面を2枚のマスターディスク46、46で挟む。このようにして、スレーブディスク40の両面を2枚のマスターディスク46、46に対して密着させた状態で挟持する(ステップS−20)。
次いで、インデックステーブル50を90度回転させ(ステップS−28)、ホルダユニット22を次工程の磁気転写工程位置84に位置決めする。そして、コイルユニット32、32をホルダユニット22の両側に移動させ(ステップS−30)、ホルダユニット22を回転させながら両側から磁界を加える(ステップS−32)。これにより、スレーブディスク40の両面にマスターディスク46、46の磁気情報パターンが磁気転写される。
磁気転写後、コイルユニット32、32を初期の位置に退避させ(ステップS−34)、インデックステーブル50を90度回転させて、ホルダユニット22を次工程のディスク排出工程位置86に位置決めする(ステップS−36)。
次いで、移動側ホルダ24を移動させて固定側ホルダ23から離間させる(ステップS−38)。このとき、磁気転写されたスレーブディスク40は、供給時と同様に固定側ホルダ23の内側に吸着されている。
次いで、ディスク排出ユニット34のチャック52(図2参照)が、固定側ホルダ23と移動側ホルダ24との間に入り込み、スレーブディスク40の内径を把持する。そして、固定側ホルダ23のスレーブディスク40の吸着を解除し、ディスク排出ユニット34のチャック52をディスク排出ユニット34のX軸ロボット35で動かすことにより、スレーブディスク40を固定側ホルダ23のマスターディスク46から剥離する。
次いで、スレーブディスク40がディスク排出ユニット34のチャック52により把持された状態で、Y軸ロボット36により、開かれたホルダユニット22の空隙からY軸方向に退避させる。そして、ロータリシリンダ54により、YZ平面内で、かつ装置外方を通る円弧の経路で180度回動され、チャック52を含めて上下方向の向きが反転される。
次いで、スレーブディスク40及びチャック52がディスク排出ユニット34のX−Y−Zロボット35、36、37によってディスク排出カセット56上に移動し、スレーブディスク40をディスク排出カセット56内に順次1枚づつ収納する(ステップS−40)。
上記の一連の動作は、順次インデックステーブル50を間欠回転させながら、ホルダユニット22を各工程位置に位置決めすることにより、各工程を並行して処理することができる。
以上、本発明に係る磁気転写装置及び方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、上記実施形態において、検査手段は、表面検査手段と端面検査手段の2種類のものよりなるが、スレーブディスク40の表面検査と端面検査とを1台の検査手段によって行うこともできる。図10は、この構成を示す部分拡大断面図である。
図10において、照明手段をスレーブディスク40の表面用及び端面用にそれぞれ別個に設け、スレーブディスク40の表面の照明は光束Bsにより、スレーブディスク40の外周部端面の照明は光束Boにより、スレーブディスク40の内周部端面の照明は光束Biにより行う。
この場合、光束Bsのスレーブディスク40の表面に対する傾斜角度は0〜30度とするのが好ましく、光束Bo及びは光束Biのスレーブディスク40の表面の垂線に対する傾斜角度は0〜30度とするのが好ましい。
そして、図10の太矢印で示される方向より、ラインセンサにより撮像すればよい。なお、外周部端面及び内周部端面のうち、垂直面(テーパ面でない面)における反射画像を確実に撮像するために、ラインセンサのレンズ(図示略)にテレセントリック光学系のものを使用することが好ましい。
更に、上記実施形態において、磁気ディスクの転写について説明されているが、本発明は、磁気ディスクのみならず、光ディスク(光磁気ディスクも含む)等の各種媒体の転写にも好適に適用できる。
また、磁気転写装置10の構成も、上記実施形態のロータリーインデックス方式に限定されるものではなく、インラインインデックス方式等各種の態様のものが採用できる。
10…磁気転写装置、12…装置本体、14…クリーンユニット、16、96…CCDカメラ(撮像素子)、17、97…照明手段、98…ミラー、19…エアノズル、20…吸引ノズル、22…ホルダユニット(保持手段)、23…固定側ホルダ、24…移動側ホルダ、26…ディスク供給ユニット、32…コイルユニット、34…ディスク排出ユニット、38…ディスク供給カセット、40…スレーブディスク(被転写用ディスク)、46…マスターディスク、56…ディスク排出カセット、70…ロボット(駆動手段)
Claims (6)
- マスターディスクのパターンを被転写用ディスクに転写させる転写手段と、
前記被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査手段と、
を具備したことを特徴とする転写装置。 - 磁気パターンを有するマスターディスクをホルダ部により保持するディスク保持手段と、
被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査手段と、
前記ホルダ部によって保持された前記マスターディスクに対向するように前記被転写用ディスクを供給する供給手段と、
前記ホルダ部に磁界を加えて前記マスターディスクの磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる磁界印加手段と、
を具備したことを特徴とする転写装置。 - 前記検査手段により検査された前記被転写用ディスクの表面及び/又は端面の汚染箇所を選択的にクリーニングするクリーニング手段を具備した請求項1又は2に記載の転写装置。
- 前記検査手段により検査された前記被転写用ディスクの汚染状態を判別する判別手段と、
前記判別手段による判別結果によって、前記磁界印加手段による磁気転写を行う第1の選択枝と、前記クリーニング手段によって前記被転写用ディスクのクリーニングを行う第2の選択枝と、前記磁界印加手段及び/又は前記クリーニング手段を経ずに前記被転写用ディスクを装置外部に排出させる第3の選択枝と、のいずれか1の選択枝を選ぶ選択手段と、
を具備した請求項3に記載の転写装置。 - 前記検査手段が、前記被転写用ディスクの表面の汚染状態を検査する表面検査手段と、前記被転写用ディスクの端面の汚染状態を検査する端面検査手段と、よりなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写装置。
- 被転写用ディスクの表面及び端面の汚染状態を検査する検査工程と、
前記検査工程による検査結果によって、前記被転写用ディスクをAランクとBランクとに選別する選別工程と、
ホルダ部に保持された磁気パターンを有するマスターディスクに対向するようにAランクの前記被転写用ディスクを供給する供給工程と、
供給された前記被転写用ディスクに前記マスターディスクを圧接させて挟持する圧接工程と、
前記ホルダ部に磁界を加えて前記マスターディスク上の磁気パターンを前記被転写用ディスクに転写させる転写工程と、
Bランクの前記被転写用ディスクをクリーニング又は廃棄する再生工程と、
を具備したことを特徴とする転写方法。
Priority Applications (2)
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2004
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