JP2006126725A - 光ファイバ - Google Patents

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Tatsuhiko Saito
達彦 齋藤
Kenichiro Takahashi
健一郎 高橋
Tetsutaro Katayama
哲太郎 片山
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Abstract

【課題】 近赤外領域で非線形性が大きく且つ製造トレランスが高い光ファイバを提供する。
【解決手段】 光ファイバ20は、コア領域21とクラッド領域22とを有し、クラッド領域22内に長手方向に延びる複数の空孔23が設けられている。第1層(最内層)の3個の空孔23は、正六角形の6個の頂点のうち1つおきの3点に、すなわち、3回の回転対称性を有する位置に設けられている。第2層〜第4層では、各空孔23は、正六角形の6個の頂点および各辺の等分位置に、すなわち、6回の回転対称性を有する位置に設けられている。空孔23の配置のピッチLと空孔23の直径dとの比(d/L)は0.55以上である、
【選択図】 図2

Description

本発明は、中実のコア領域の周りに長手方向に延びる複数の空孔を有する光ファイバに関するものである。
いわゆるホーリーファイバは、長手方向に延びる中実のコア領域と、このコア領域の周りに長手方向に延びる複数の空孔を有するクラッド領域と、を備えている。図1は、従来のホーリーファイバ10の一部断面図である。この図は、ホーリーファイバ10の長手方向に直交する断面における複数の空孔13の配置を示している。図中において、クラッド領域12内の実線の円は、空孔13を示している。一方、点線の円は、空孔を示すものではなく、領域または位置を示しているにすぎない(後に説明する図2および図3でも同様)。
この図に示されるように、ホーリーファイバ10は、中央部に長手方向(紙面に垂直な方向)に延びる中実のコア領域11を有し、また、このコア領域11を取り囲むクラッド領域12を有していて、このクラッド領域12内に長手方向に延びる断面が円形の複数の空孔13が設けられている。空孔13以外のクラッド領域12の部分およびコア領域11は、石英ガラスからなり、また、副構成物またはドーパントが添加される場合もある。長手方向に直交する断面において、クラッド領域12内の複数の空孔13は、コア領域11の周りに複数層(この図では4層)に配列され、コア領域11の周りに6回の回転対称性を有する位置に設けられている。
第1層(最内層)にある6個の空孔13は、正六角形の6個の頂点に配置されている。第2層(内側から数えて2層目)にある12個の空孔13は、正六角形の6個の頂点および各辺の中央位置に配置されている。第3層(内側から数えて3層目)にある18個の空孔13は、正六角形の6個の頂点および各辺の3等分位置に配置されている。第4層(内側から数えて4層目)にある24個の空孔13は、正六角形の6個の頂点および各辺の4等分位置に配置されている。各層の正六角形は、中心位置が同一であり、方位も同一である。合計60個の空孔13のうち隣り合う任意の2つの空孔の中心位置間の距離(ピッチ)Lは一定である。また、60個の空孔13それぞれの直径dも一般には一定である。
このような構成のホーリーファイバ10は、空孔13の配置のピッチLおよび直径d等を適宜に設計することで、全体が中実である通常の光ファイバと比較して、波長分散の絶対値を大きくすることができ、従来の高非線形性ファイバに比べ非線形性を大きくすることができ、また、曲げ損失を小さくすることができる、等の優れた特徴を有することができる。そこで、このような特徴を活かしたホーリーファイバの研究・開発が行われている。
例えば、非特許文献1に記載されたホーリーファイバは、ホーリーファイバ19において第1層の空孔を間引いたものであり、一般に光通信において信号光波長帯域として用いられる波長1.55μm付近において、波長分散が略0であって、分散スロープの絶対値が小さく、非線形性が大きい。この文献に記載されたホーリーファイバを用いることで、波長1.55μm付近において非線形光学現象を高効率に発現させることができ、種々のアプリケーションの実現が期待され得る。
K. P. Hansen, et al., "Fully Dispersion Controlled Triangular-Core Nonlinear Photonic Crystal Fiber", OFC2003, PD2
しかし、波長1.55μm付近において、全体が中実である通常の光ファイバと比較すると、一般にホーリーファイバの伝送損失は非常に大きい。上記文献に記載されたホーリーファイバでも、非線形性(非線形定数)は12/W/km程度と中実の高非線形光ファイバと同じ又はやや劣るレベルであるにも拘らず、伝送損失は10dB/km程度と中実の高非線形光ファイバに対して1桁近く高い値となっている。したがって、非線形現象を発現させる効率である非線形定数の伝送損失との比(非線形定数/伝送損失)は、中実の光ファイバと比べて1桁小さい。また、波長分散の絶対値と伝送損失との比(波長分散絶対値/伝送損失)も、一般に光通信において用いられる信号光波長帯域において、通常の光ファイバよりホーリーファイバの方が小さい。さらに、ホーリーファイバの製造コストは高い。このようなことから、一般に光通信において用いられる信号光波長帯域におけるホーリーファイバの実用化は困難な状況にある。
一方、波長1.3μmより短波長側の近赤外領域においては、全体が中実である通常の光ファイバの波長分散は常に負(正常分散)となる。一般に、非線形現象を発現させるには、零分散に近い波長分散が好ましく、使用する光の波長で零分散になるようにファイバ特性を調整する必要があるが、中実の光ファイバでは波長1.3μmより短波長側において、このような特性を実現することは不可能である。ホーリーファイバでは波長0.6μm〜1.3μmに零分散をシフトさせることが可能であり、このような波長領域ではホーリーファイバが通常の光ファイバに対して優位に立ち得る可能性がある。しかしながら、図1に示されるような従来のホーリーファイバでは、その構造(空孔の配置のピッチLおよび直径d)の僅かな変化に対して分散特性が大きく変化することから、製造トレランスの点で問題を有している。
そこで、本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、近赤外領域(特に波長範囲700nm〜900nm)で非線形性が大きく且つ製造トレランスが高い光ファイバを提供することを目的とする。
本発明に係る光ファイバは、長手方向に延びる中実のコア領域と、このコア領域の周りに複数層に配列され長手方向に延びる複数の空孔を有するクラッド領域とを備え、長手方向に直交する断面において、クラッド領域内の複数の空孔のうち、少なくとも最内層の空孔がコア領域の周りにN回(Nは3以上の整数)の回転対称性を有する位置に設けられ、他の何れかの層の空孔がコア領域の周りに2N回の回転対称性を有する位置に設けられており、空孔の配置のピッチLと空孔の直径dとの比(d/L)が0.55以上であることを特徴とする。
より好適には、比(d/L)が0.6以上であり、また、ピッチLが0.7μm以上1.3μm以下である。
さらに、本発明に係る光ファイバは、捻れが付与されているのが好適であり、また、長手方向において捻れの向きが少なくとも1回反転しているのも好適である。
本発明によれば、近赤外領域(特に波長範囲700nm〜900nm)で非線形性が大きく且つ製造トレランスが高い光ファイバを実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
先ず、本発明に係る光ファイバの第1実施形態について説明する。図2は、第1実施形態に係る光ファイバ20の一部断面図である。この図は、光ファイバ20の長手方向に直交する断面における複数の空孔23の配置を示している。
この図に示される光ファイバ20は、中央部に長手方向(紙面に垂直な方向)に延びる中実のコア領域21を有し、また、このコア領域21を取り囲むクラッド領域22を有していて、このクラッド領域22内に長手方向に延びる断面が円形の複数の空孔23が設けられている。空孔23以外のクラッド領域22の部分およびコア領域21は、石英ガラスからなり、また、副構成物またはドーパントが添加される場合もある。長手方向に直交する断面において、クラッド領域22内の複数の空孔23は、コア領域21の周りに複数層(この図では4層)に配列されている。
第1層(最内層)にある3個の空孔23は、正六角形の6個の頂点のうち1つおきの3点に設けられている。第2層(内側から数えて2層目)にある12個の空孔23は、正六角形の6個の頂点および各辺の中央位置に配置されている。第3層(内側から数えて3層目)にある18個の空孔23は、正六角形の6個の頂点および各辺の3等分位置に配置されている。第4層(内側から数えて4層目)にある24個の空孔23は、正六角形の6個の頂点および各辺の4等分位置に配置されている。すなわち、第1層では、3つの空孔23は、コア領域21の周りに3回の回転対称性を有する位置に設けられている。第2層,第3層および第4層それぞれでは、各空孔23は、コア領域21の周りに6回の回転対称性を有する位置に設けられている。
図1に示した従来例の光ファイバ10の断面における空孔13の配置と比較すると、この図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20の断面における空孔23の配置では、第1層の正六角形の6個の頂点のうち、1つおきの3点に空孔23〜23が設けられていて、その他の3点の領域24〜24には空孔が設けられていない点で相違する。領域24〜24は、空孔23以外のクラッド領域22の部分と同じ材料からなるのが好適であり、また、当該材料に副構成物またはドーパント(例えば、Ge、Ti、F、B、希土類元素、等)が添加されていてもよい。
また、この光ファイバ20は、空孔23の配置のピッチLと空孔23の直径dとの比(d/L)が0.55以上である。また、比(d/L)が0.6以上であるのが好ましく、また、ピッチLが0.7μm以上1.3μm以下であるのも好ましい。
このように構成される光ファイバ20は、近赤外領域(特に波長範囲700nm〜900nm)で非線形性が大きく且つ製造トレランスが高いものとなる。例えば半導体レーザ光源やTiサファイアレーザ光源から出力される波長800nm付近のレーザ光を光ファイバ20に入射させると、この光ファイバ20から波長800nmを含む広帯域のSC(Super Continuum)光が高効率に出力され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光ファイバの第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る光ファイバ30の一部断面図である。この図は、光ファイバ30の長手方向に直交する断面における複数の空孔33の配置を示している。
この図に示される光ファイバ30は、中央部に長手方向(紙面に垂直な方向)に延びる中実のコア領域31を有し、また、このコア領域31を取り囲むクラッド領域32を有していて、このクラッド領域32内に長手方向に延びる断面が円形の複数の空孔33が設けられている。空孔33以外のクラッド領域32の部分およびコア領域31は、石英ガラスからなり、また、副構成物またはドーパントが添加される場合もある。長手方向に直交する断面において、クラッド領域32内の複数の空孔33は、コア領域31の周りに複数層(この図では4層)に配列されている。
第1層(最内層)にある3個の空孔33は、正六角形の6個の頂点のうち1つおきの3点に設けられている。第2層(内側から数えて2層目)にある9個の空孔33は、正六角形の6個の頂点のうち1つおきの3点および各辺の中央位置に配置されている。第3層(内側から数えて3層目)にある18個の空孔33は、正六角形の6個の頂点および各辺の3等分位置に配置されている。第4層(内側から数えて4層目)にある24個の空孔33は、正六角形の6個の頂点および各辺の4等分位置に配置されている。すなわち、第1層および第2層それぞれでは、各空孔33は、コア領域31の周りに3回の回転対称性を有する位置に設けられている。第3層および第4層それぞれでは、各空孔33は、コア領域31の周りに6回の回転対称性を有する位置に設けられている。
図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20の断面における空孔23の配置と比較すると、この図3に示した第3実施形態に係る光ファイバ30の断面における空孔33の配置では、第2層の正六角形の6個の頂点のうち、1つおきの3点に空孔33〜33が設けられていて、その他の3点の領域34〜34には空孔が設けられていない点で相違する。領域34〜34は、空孔33以外のクラッド領域32の部分と同じ材料からなるのが好適であり、また、当該材料に副構成物またはドーパント(例えば、Ge、Ti、F、B、希土類元素、等)が添加されていてもよい。
また、この光ファイバ30は、空孔33の配置のピッチLと空孔33の直径dとの比(d/L)が0.55以上である。また、比(d/L)が0.6以上であるのが好ましく、また、ピッチLが0.7μm以上1.3μm以下であるのも好ましい。
このように構成される光ファイバ30は、近赤外領域(特に波長範囲700nm〜900nm)で非線形性が大きく且つ製造トレランスが高いものとなる。例えば半導体レーザ光源やTiサファイアレーザ光源から出力される波長800nm付近のレーザ光を光ファイバ30に入射させると、この光ファイバ30から波長800nmを含む広帯域のSC光が高効率に出力され得る。
(変形例)
上記の第1実施形態に係る光ファイバ20(図2)は、第1層において各空孔23がコア領域21の周りに3回の回転対称性を有する位置に設けられており、他の層において各空孔23がコア領域31の周りに6回の回転対称性を有する位置に設けられている。また、第2実施形態に係る光ファイバ30(図3)は、第1層および第2層において各空孔33がコア領域31の周りに3回の回転対称性を有する位置に設けられていて、第3層および第4層において各空孔33がコア領域31の周りに6回の回転対称性を有する位置に設けられている。
したがって、光ファイバ20,30は、長手方向(Z軸方向)に垂直な2方向(X軸方向、Y軸方向)の偏波モードが縮退している。それ故、理論上では、光ファイバ20,30の偏波モード分散は、通常の光ファイバと同程度に小さいことが期待される。しかし、光ファイバ20,30は、Z軸の周りの回転対称性が低いことから、僅かな対称性の崩れが偏波モード分散に大きく影響する。このことから、実際に製造された光ファイバ20,30の偏波モード分散は、通常のファイバより大きくなる傾向がある。
そこで、光ファイバ20、30に対して捻れを付与しておくのが好ましい。また、長手方向において捻れの向きが少なくとも1回反転しているのも好ましい。このように捻れを付与された光ファイバ20,30は、偏波モード分散の累積が抑制され得る。このような捻れを有する光ファイバ20,30は、光ファイバ母材を線引する際に揺動線引することで実現可能である。揺動線引によりファイバ20,30の長手方向に空孔が螺旋を描くように捻れるため、コアの対称性が崩れることに起因する偏波モード分散が長手方向で相殺されるためである。
図4は、光ファイバ20における捻れ付与の説明図である。図4(a)は、光ファイバ20の一部の斜視図である。なお、光ファイバ20の捻れを示すために1つの空孔23のみを破線で示している。また、光ファイバ20の中心軸線Lの方向をZ軸とし、Z軸に直交する断面において、互いに直交する方向をそれぞれX軸及びY軸としている。図4(b)は、光ファイバ20をY軸方向(矢印A方向)に見た場合の空孔23のX軸方向の位置を示す図である。図4(b)において、横軸はZ軸方向の距離を示し、縦軸は空孔23のX軸方向の位置を示している。そして、縦軸において位置0(μm)が中心軸線Lの位置に相当する。図4(a),(b)に示した空孔23のZ軸に対する位置の変化から分かるように、捻れは、矢印Bで指し示す位置近傍でその捻れの向きが反転するように付与されている。また、図4(b)に示すように、捻れは、1mあたりで、空孔23がZ軸回りに少なくとも1回転するように付与されている。
第2層および更に外側の層(外層)に関しても、空孔をガラスで埋める場合には、偏波依存性が現れないように、3回以上の回転対称性を持つように設計することが望ましい。外層の空孔は第1層の孔に比べて光学特性に与える影響が小さいが、対称性の崩れた配置にすると偏波モード分散を悪化させる原因となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、コア領域の周りのクラッド領域において、空孔は4層に設けられていなくてもよく、3層または5層以上であってもよい。また、第3層以降においても各空孔は3回の回転対称性を有する位置に設けられていればよい。また、第2実施形態において、第1層および第2層それぞれの空孔の配置関係は、上記の説明のものに限定されない。
ただし、前述のように外層の孔を多少ガラスで埋めたとしても、波長分散などの光学特性に与える影響は小さいが、多数の空孔をガラスで埋めた場合には、クラッド領域の平均的な屈折率が上昇し、光をコア領域に閉じ込める効果が小さくなる。そのため、あまりに多くの空孔をガラスで埋めた構造にすると、曲げ損失が大きくなる問題や、光が導波できないなどの問題が発生する可能性があるので、好ましくない。
従来の光ファイバ10(図1),第1実施形態の光ファイバ20(図2)および第2実施形態の光ファイバ30(図3)それぞれについて、計算例を示す。
先ず、光ファイバ10,20,30それぞれの波長分散のピッチ依存性について説明する。図5は、図1に示した従来の光ファイバ10における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。図6は、図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。また、図7は、図3に示した第2実施形態に係る光ファイバ30における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。以下では、これらの図を参照しながら、従来の光ファイバ10と対比して、実施形態に係る光ファイバ20,30の優位性について説明する。
ホーリーファイバである光ファイバ10,20,30を高非線形用途に使用する場合、光ファイバの非線形性を上げるためには、コア領域の断面積を小さくして、導波光を狭い範囲に閉じ込めることが望ましい。また、非線形現象を利用するには、使用波長における分散が零になるように、光ファイバの構造を設計する必要がある。
図1に示すような従来の光ファイバ10で、例えば波長700nmにおいて高非線形ファイバを設計すると、空孔13の配置のピッチLと空孔直径dとの比(d/L)は0.8となり、ピッチLは1.2μmとなる。この場合の非線形定数γは、およそ90[/W/km]となり、通常の高非線形ファイバ(γ=20〜25[/W/km])の4倍になる。このような素晴らしい特徴を持つ光ファイバ10であるが、製造する上で分散値の制御が非常に難しいという問題を抱えている。図5に比(d/L)が0.8である場合における従来の光ファイバ10の波長分散値のピッチ依存性の計算結果が示されるように、従来の光ファイバ10では、零分散近傍では波長分散のピッチ依存性が大きく、僅かなピッチLの変動で波長分散値が大きく変動することを示している。波長分散値を±5ps/nm/kmに入れるには、ピッチLを1.20μm〜1.25μmに制御する必要があり、現実的には製造が難しい。
これに対して、図2に示されるような第1実施形態に係る光ファイバ20では、ピッチLが多少変動しても波長分散値は殆ど変わらない。図6に、比(d/L)が0.8である場合における第1実施形態に係る光ファイバ20の波長分散値とピッチLとの関係を示す。これは波長785nmでの計算結果であるが、ピッチLが0.75μm〜1.1μmの範囲で、波長分散が±5ps/nm/kmの範囲に入っており、従来の光ファイバ10に比べて圧倒的に製造が楽になる。極短パルスを光ファイバに入射し非線形現象を利用して広い波長範囲での白色光(SC光)を得る場合には、最低でも−20〜+20ps/nm/km程度の波長分散であることが必要であり、好ましくは−10〜+10ps/nm/km程度の波長分散であることが望ましい。第1実施形態に係る光ファイバ20であれば、0.7μm〜1.3μmのピッチ範囲で、このような条件を満たしている。このようなピッチ範囲であれば十分に製造可能である。
このような特性は、第2層以降の空孔の設け方を多少変えても、大きくは影響を受けない。波長分散などの光学特性はコア近傍の幾何学的な構造でほぼ決定されることがその理由である。図3のように、第2実施形態に係る光ファイバ30の構造で比(d/L)が0.8である場合について、波長785nmでの波長分散とピッチLとの関係を計算した結果を図7に示す。第2実施形態に係る光ファイバ20では、第1実施形態のものより波長分散のピッチ依存性はやや大きくなるが、実用上は全く問題無いレベルである。第3層以降に関しては、第2層より更に光学特性に与える影響が小さくなるので、一部の空孔をガラスで埋めても分散に与える影響は小さい。
続いて、光ファイバ10,20,30それぞれの波長分散の波長依存性について説明する。図8は、図1に示した従来の光ファイバ10の波長分散と波長との関係を示すグラフである。図9は、図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20の波長分散と波長との関係を示すグラフである。また、図10は、図3に示した第2実施形態に係る光ファイバ30の波長分散と波長との関係を示すグラフである。以下では、これらの図を参照しながら、従来の光ファイバ10と対比して、実施形態に係る光ファイバ20,30の優位性について説明する。
非線形現象を利用する場合、光ファイバの分散スロープの大きさも問題となる。光ファイバの波長分散値は使用波長の全域で零分散近傍にあることが望ましい。したがって、波長に対する波長分散値の変化(すなわち、分散スロープ)は小さい方が望ましい。
図1のような従来の光ファイバ10における波長分散値と波長との関係の一例として、ピッチLが1.22μmであって比(d/L)が0.8である場合の計算結果を図8に示す。波長700nm付近の零分散における分散スロープは0.92ps/nm/kmと大きな値を示している。
これに対して、図2のような第1実施形態に係る光ファイバ20の一例として、ピッチLが1.03μmであって比(d/L)が0.8である場合の計算結果を図9に示す。波長700nm付近の零分散における分散スロープは0.43ps/nm/kmと従来の構造に比べて半減している。
また、図3のような第2実施形態に係る光ファイバ20の一例として、ピッチLが1.12μmであって比(d/L)が0.8である場合の計算結果を図10に示す。波長700nm付近の零分散における分散スロープは0.46ps/nm/kmであり、図9と同様に従来構造に比較して半減している。
以上のように、従来の光ファイバ10と比較して、実施形態に係る光ファイバ20,30は、ピッチLが変動しても波長分散値があまり変化せず、製造トレランスが大きくなる。また、零分散近傍の分散スロープも従来構造に比較して半減するため、非線形現象を利用したアプリケーションに利用し易くなる。図11は、図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20で波長分散のピッチL依存性が小さくなる条件において、波長分散と比(d/L)との関係を示すグラフである。この図から判るように、比(d/L)が0.5以下では常に負の分散値となっており、非線形現象には利用できない。製造誤差を考慮すると比(d/L)が0.6以上の範囲が好ましい。
従来のホーリーファイバ10の一部断面図である。 第1実施形態に係る光ファイバ20の一部断面図である。 第2実施形態に係る光ファイバ30の一部断面図である。 光ファイバ20における捻れ付与の説明図である。 図1に示した従来の光ファイバ10における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。 図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。 図3に示した第2実施形態に係る光ファイバ30における波長分散とピッチLとの関係を示すグラフである。 図1に示した従来の光ファイバ10の波長分散と波長との関係を示すグラフである。 図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20の波長分散と波長との関係を示すグラフである。 図3に示した第2実施形態に係る光ファイバ30の波長分散と波長との関係を示すグラフである。 図2に示した第1実施形態に係る光ファイバ20の波長分散と比(d/L)との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…光ファイバ、11…コア領域、12…クラッド領域、13…空孔、20…光ファイバ、21…コア領域、22…クラッド領域、23…空孔、30…光ファイバ、31…コア領域、32…クラッド領域、33…空孔。

Claims (5)

  1. 長手方向に延びる中実のコア領域と、このコア領域の周りに複数層に配列され長手方向に延びる複数の空孔を有するクラッド領域とを備え、
    長手方向に直交する断面において、前記クラッド領域内の前記複数の空孔のうち、少なくとも最内層の空孔が前記コア領域の周りにN回(Nは3以上の整数)の回転対称性を有する位置に設けられ、他の何れかの層の空孔が前記コア領域の周りに2N回の回転対称性を有する位置に設けられており、
    前記空孔の配置のピッチLと前記空孔の直径dとの比(d/L)が0.55以上である、
    ことを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記比(d/L)が0.6以上であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
  3. 前記ピッチLが0.7μm以上1.3μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
  4. 捻れが付与されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
  5. 長手方向において前記捻れの向きが少なくとも1回反転していることを特徴とする請求項4記載の光ファイバ。
JP2004318192A 2004-11-01 2004-11-01 光ファイバ Pending JP2006126725A (ja)

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